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プロローグ

宇宙世紀00XX年。
1年戦争、グリプス戦役・・・二つの大戦を乗り越え、
地球圏に束の間に平穏が訪れた。
テラフォーミングによる火星の開拓、
ティターンズの反乱の爪痕も癒され・・・
地球圏の復興、発展は急速に進められた。

・・・ここで、ある転機となる事件が起こる。

母星を失い、放浪の民となっていたバーム星人が
地球への移民を求め、和平交渉を臨んできたのである。
コロニー国家への受け入れ、なにより状況的に
余裕のあった地球連邦政府は、
バーム星人との和平会談に応じることを快諾する。

だが。

バーム星人との和平会談は、
「和平派代表の暗殺」という、
最悪の結果で決裂・・・戦争状態に突入してしまう。

地球圏の混乱を憂いていた、月のギガノス帝国・・・
ギルトール元帥は、会談の決裂をアースノイドの
無能ゆえとし、地球からの独立を掲げ、
地球連邦政府に宣戦を布告する。
その戦乱に呼応するように、火星開拓都市は
謎の敵によって突然の襲撃を受け、
地球では、なりを潜めていた百鬼帝国の侵攻が
再開された。

こうして・・・地球圏は再び戦火の炎に彩られることになる。

急速な事態の変化に、弛緩していた連邦政府が
対応できるはずもなかった。
ただひとつ、地球連邦軍第13独立部隊・・・
通称『ロンド・ベル隊』を除いて。

だが・・・ロンド・ベル隊は、戦乱の裏に隠された真実を、
・・・「極めて近く、そして限りなく遠い世界」からの
訪問者たちに、その時、気づくはずもなかった。

大戦の火種に息を吹きかけたのが、
『彼ら』だということにも。


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