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No.03
彼の名はエイジ


サブタイトル
「彼の名はエイジ」


【シナリオデモ開始】
〔カーソル、火星圏を指定〕

ナデシコ/ブリッジ
甲児「あれ、なんでブリッジに人がいないんだ?」
ルリ「ナデシコのオペレーションシステムは高度に自動化されてますから。緊急時以外は人要りません。今はオペレーターの私と通信士のメグミさんだけです」
メグミ「ホント、ヒマなんですよね。それで、2人ともどうしたの?」
さやか「プラントと連合が開戦したっていう情報が入ってから、もう何日もたつでしょう。その後どうなったのか、何かわかっていることがあるかなと思ったの」
ルリ「通信途絶中。通信の中継基地だったネルガルの月施設が、ザフト軍あるいは木星トカゲの攻撃で破壊されている可能性が高いです」
甲児「地球のことは帰るまで何もわからないってわけか」
さやか「そう・・・。お父さまたち大丈夫かしら」
ルリ「敵攻撃」
さやか「え!?」
〔ディストーションフィールド展開音〕
〔画面、フラッシュ〕

ルリ「ディストーションフィールド順調に作動中。この程度の攻撃なら、応戦の必要もありません。火星につくまで、たぶんこんな感じです」

≪統夜≫
ナデシコ/格納庫
フェステニア「統夜が自分から△△△△△△に乗りたいなんて言うの、珍しいね。いっつもみんなと一緒に訓練する時だけ、それもぶすーっとして乗ってるのに」
統夜「・・・考えてたんだ。ずっと。引き返すなんて無理だし、嫌だって言ってもこの艦に乗ってるかぎり、戦わないわけには、いかないんだよな。やらなくて済むならやりたくないよ。でも地球に帰るまではどうしようもない。なら今はせめて、もう少しマシに出来るようになっておかないと」
フェステニア「まさかそれってあのゲキなんとかってやつの影響!? 統夜まであんなになっちゃうのヤだよアタシ」
統夜「違うよ。俺はあの2人みたいにはわからない。ただ、俺だって死にたくないからな。生きて地球に帰る。そのためには火星圏につく前に、甲児たちについていけるくらいにはなっておきたい。だからもっとちゃんと、こいつについて教えてもらわないとさ」
カティア「そう。よかったわ」
統夜「カティア、メルアは?」
カティア「部屋に閉じこもってる。昨夜統夜にひどいことを言われたから」
統夜「あ・・・」
カティア「ごめんなさい。あなたがこの状況にいらだっているのも、自分の意思で来たわけじゃないから他の人の言葉に過剰に反応するのも、よくわかるつもりよ。だから私とテニアは、何を言われてもいい。それでも私たちにはあなたが必要だし、あなたを巻き込んでしまったのは事実だから。いつかこのことの意味を知る時がくるとしても、今のあなたにわからないのはしかたがない。私たちだってちゃんとはわかっていないのだから」
統夜(なんだよ、またわけのわからないことを言ってさ。こいつ時々そうなんだよな。あのサイトロンとかってやつの影響なのか。考えたことがこいつらや機械に伝わって、周りのことがこっちにもわかるって言うけど、いったい何なんだよあれ。素人の俺が一応は戦えるのって、そのおかげらしいって言ってたけど・・・)
カティア「でも、ただ統夜のことを心配していただけのあの子に、あんなこと言うなんて」
統夜「・・・悪かったよ。確かについ、言いすぎた。謝る。でもさ、俺だってつらいんだよ。お前たちもつらいってこと、少しはわかってきたつもりだけど・・・」
フェステニア「ストーップ。そう言ってくれるのってうれしいけど、それはこっちじゃなくてメルアに言ってあげてよ。ほら行って。訓練はまた後でつきあうからさ」
統夜「ちょ、ちょっと待てよ。いま行けっていうのか!?」
ウリバタケ「なんだなんだ、またもめてんのか? 両手に花でうらやましいなこの野郎!」
統夜「あの、俺がこの艦に乗った事情、班長さんも聞いてるでしょ。全然そういうのじゃ・・・」
ウリバタケ「だからなんだ! 問題なのは今! そう、今どういう立場にいるかだ! お前はうらやましい。わかったらさっさとどけ、邪魔だ!」
統夜「そんな」
甲児「おい、やめとけって。さっきアキトさんおっかけてた艦長が、あの人のつくってた模型を踏みつぶしてったんだよ。今かなり機嫌悪いぞ。逆らわないほうがいいぜ」

≪カルヴィナ≫
ナデシコ/格納庫
カルヴィナ「・・・やはり動かないか」
フェステニア「クーランジュなにやってんの? また訓練?」
カティア「一人で乗ってもだめだって言ったのに」
カルヴィナ「まったくね。コン・バトラーのように脳波でも検地しているってわけ?」
カティア「・・・彼はサイトロン・コントロールと呼んでいたわ。それを介して私たちはこの△△△△△△とリンクする。できるのは私たちだけ。私たちと、あの人たち・・・」
カルヴィナ「・・・何年もどこかの施設に閉じ込められていたって言ったわね」
カティア「ええ・・・たぶんその結果。私たちにもよくわからないけど、いろいろされたもの。でもようやく自由になれた。△△△△△△はその代償ね」
フェステニア「だけどロボットを動かすなんて、あの人に連れ出されてからが初めてだったんだよ。それまではそんなことちっとも・・・」
メルア「はい。聞いたこともなかったです」
カルヴィナ「・・・まあいいわ。あんた達と一緒ならこれで戦えるのは確かだしね。それだけわかっていれば後はいい。だけどあんたたちの話じゃ、これを守らなきゃいけないんでしょ。あたしと戦闘に出れば、破壊される可能性だってあるんだけど?」
カティア「でも、必要なこと。いつかあなたが△△△△△△で戦うことの意味がわかる時が来る。そんな気がする。△△△△△△はあなたにもう一度戦う力を与えてくれる。かわりにあなたは△△△△△△と私たちを守る」
カルヴィナ「保証はしかねるわ。あいにくとあまり生きているってことに興味なくてね」
ガイ「なんでなんだよ」
カルヴィナ「ヤマ・・・ガイだったわね。あんたには関係ないことよ」
ガイ「地球圏を出る前のあの戦い、他の奴の目はごまかせてもこのガイ様の目はごまかせないぜ。元連合軍のエースだかなんだか知らないが、今のあんたには戦う人間に必要な気迫がない。そう、熱く燃える戦士の魂がな!」
カルヴィナ「・・・だから?」
ガイ「い、いやだから、火星であんたも俺達と一緒に戦うなら、熱血という奴をだな・・・」
カルヴィナ「自分の生死に無関心でも周りの誰かの生き死にまで無関心なわけじゃない。ご心配なく。最低限の仕事はこなすわ」
ガイ「ちがぁぁう! そうじゃねぇだろう! もっとこう、まもるべきのもののために! とか、やってやるぜ! とか、緑の地球は渡せ るもんか奴らに手にはとかそういうのが・・・」
カルヴィナ「もうなくしたわ。そんなもの」

≪カルヴィナ≫
ナデシコ/格納庫
フェステニア「クーランジュ、さっきのってもしかして月の・・・」
カルヴィナ「あんた、あたしの後遺症のことも知ってたわね。それもサイトロンってやつの効果なわけ」
フェステニア「たぶん・・・よくわからないけど。△△△△△△に乗ってると、なんとなくそうじゃないかなって、わかるんだ」
カルヴィナ「言っておくわ。人には思い出したくないこともある。あんたたちが何を感じようと構わないけど、無暗にそれを口にするならあたしは許さない。それをよく覚えておきなさい」
フェステニア「うん・・・ごめん。もういわないから怒らないで。お願い」
メルア「やめて! そんないい方しないで!」
カルヴィナ「大人しいかと思ったら、いきなり、なに。・・・フェステニアも様子が変ね。何なの?」
カティア「ごめんなさい。あなたの言ってること、正しいし私たちも気をつけます。でも、私たちにもそういうの、あるのよ。メルアとテニアは、それを思い出したの。あなたが悪いわけじゃない。でも・・・」
カルヴィナ「いい方がまずかったってことね。悪かったわ。・・・お互い、つらいわね」

〔カーソル、火星方面へ移動〕

ナデシコ/居住区
ユリカ「あーきーとぉ。そろそろ火星につくから一緒にブリッジに・・・なにやってるの? アキト、入るよ~」
〔扉の開閉音〕
ユリカ「うぇっ!? 男同士で抱き合ってなにやってるの!?」
アキト「ジョーが、俺のゲキ・ガンガーが死んじまったんだぁっ」
ユリカ「はあ?」
ガイ「男の死にざまはああだよなぁ。戦いの中、仲間をかばって・・・。くぅ、何度見ても泣けるぜ!」
ユリカ「はあ」

ナデシコ/ブリッジ
ルリ「まもなく火星上空に到達」
プロスペクター「地球圏を出てから2週間あまり。いよいよ来ましたな」
統夜「これが、火星・・・」
アキト(戻ってきたんだ。火星に。みんな、待っててくれ・・・)
ノアル「問題は敵さんがどう出るかってことだな」
メグミ「なにあれ。なにか火星のりでキラキラと・・・」
甲児「さっそく来やがったか!?」
<<統夜>>
ユリカ「あれはナノマシンの集合体です」
<<カルヴィナ>>
カルヴィナ「あれはナノマシンの集合体よ。久しぶりだわ。あれを見るのも」

フェステニア「なの・・・なんだって?」
ルリ「ナノマシン。小さな自己増殖機械。火星の大気組成を地球に近づけるために、ナノマシンを使ったのね」
小介「大気の状態を一定に保ち、それと同時に有害な宇宙線を防いでいるんですね」
プロスペクター「土壌の改良もです。その恩恵を受ける者はいなくなっても働き続けている。実は私もネルガル火星支部の副支配人として赴任していたことがありましてね」
〔警報〕
〔爆発音〕
〔画面、フラッシュ〕
〔画面、振動〕

リョーコ「うわっ、敵か!?」
ユリカ「ルリちゃん、フィールドは」
ルリ「作動中。被害ありません。でもこの攻撃、今までと違う。敵艦なおも増大中。機動兵器の離艦確認。迎撃が必要」
ユリカ「みなさん戦闘配置についてください。ルリちゃん、グラビティブラスト、スタンバイ! バンバン撃っちゃって! パイロットのみなさんは用意出来次第発進してください!」

ナデシコ/ブリッジ
〔モニターの開閉音〕
<<統夜>>
リョーコ「よぉし、こっちもいくぜ! 目標は敵戦艦。フォーメーション、ヒガンバナ! 全機続けぇっ!」
<<カルヴィナ>>
カルヴィナ「目標は敵戦艦。隊を2手に分ける。リョーコ、エステバリス部隊はまかせるわ。残りはあたしが。敵の数が多い。散開しすぎないよう注意して」
リョーコ「あいよ! へへっ、さすがだな。どうでもいいとかいいいながら、戦闘になるとちゃんとしてやがら。いくぜお前ら、フォーメーションはミズアオイ!」

ガイ「ゆめがっあすをよんで~いる~っ! このガイ様が火星を取り戻す! いくぜっ、ガァァイッ! スーパァァァナッパァァァァァーッ!!」
〔爆発音〕
〔画面、フラッシュ〕

甲児「うわっ、なんだ!?」
リョーコ「だぁーっ、このゲキガンバカ! てめぇ、いきなりなにしやがんだ!!」
イズミ「ここは火星圏、冷たい真空の地獄。心持たぬ機械の虫どもを屠るとき、我が胸は興奮で満たされる。なぜ・・・。さぁ見せてちょうだい。あなたたちの散り逝く様を」
十三「誰や、変なことつぶやいとんのは」
ヒカル「もう、イズミちゃんいきなりハードボイルドなんだから」
リョーコ「あ~変な奴ら変な奴ら! もういっちまうぞ!」
アキト「なんだよ、こんな状況なのにみんな楽しそうじゃねぇかよ」
ミナト「緊張感のカケラもないわねぇ」
ルリ「バカばっか」

ナデシコ/ブリッジ
〔爆発音〕
〔画面、振動〕

フクベ「艦長、彼らを回収したまえ。このままでは敵艦の・・・」
ユリカ「必要ありませんわ。アキト、ファイト!」
プロスペクター「敵はグラビティブラストをそなえた戦艦である、とおっしゃりたいのでしょう。大丈夫、火星会戦の時とは違いますぞ。この相転移エンジンを搭載したナデシコ、エステバリス、マジンガーZにコン・バトラーV。それにあの△△△△△△。どれをとっても敵に引けはとりません」

〔カーソル、火星へ移動〕

ナデシコ/ブリッジ
ミナト「ナノマシン層通過。火星大気圏内に降下したわよ」
ルリ「周囲30kmに敵影なし」
ユリカ「とりあえず火星につきましたけど・・・どうしましょう」
ルリ「軌道上からのスキャンでは、生き残っている植民都市は皆無。シェルターも確認できた範囲ではみんなやられてる」
プロスペクター「オリンポス山にあるネルガルの研究所は、地下深くの施設自体が一種のシェルターです。生存者がいるならそこが一番可能性が・・・」
さやか「そこで何を研究していたんですか?」
プロスペクター「行けば見れますよ。このナデシコの始まりが。30年ほど前になりますか、アレが発見されたのは・・・」
メグミ「あれ・・・? 艦長、何か通信らしきものがはいっています。ただ弱くてよく聞き取れません」
アキト「通信だって!? やっぱり生き残りがいるんだ!」
ユリカ「ルリちゃん、お願い」
ルリ「オモイカネ、増幅して音声のみ抽出、ノイズ除去して再生」
オモイカネ「・・・地球軍の戦艦、聞こえますか。こちら外宇宙開発機構所属、エリザベス・グレブリー。地球軍の戦艦、応答してください」
アキ「ドクター・エリザベス!?」
ユリカ「お仲間ですか?」
ノアル「“コズミックカルチャー・クラブ”の引率者の一人だ。どうやら無事だったようだな。やれやれ、とりあえずこっちはひと安心だぜ」

ナデシコ/ブリッジ
ノアル「生き残りはこれだけだって!?」
エリザベス「ええ。私とこの子たちだけです。体験教室の生徒たちも、火星支部の職員たちも、他はみな・・・」
アキ「そんな・・・たった6人だけなんて」
アキト「植民都市の人たちはどうなったんだ!?」
シモーヌ「・・・みんな死んでしまったわ。あいつらの攻撃でね」
アンナ「・・・・・・」
デビッド「俺たちはこれから、最後の生き残りがいるらしいシェルターに向かうところだったんだ」
シモーヌ「そのとき、この艦の降下をキャッチしたってわけ」
ロアン「ラッキーでしたね」
アーサー「だけど、これでやっと地球に帰れる! もうこんなところにいなくっていいんだ!」
ロアン「うれしいのはわかりますけど、この艦は僕らだけを助けに来たわけじゃないんですよ。それに軍ではなくネルガルだということですしね。このまますぐ地球に向かうというわけにはいかない。そうでしょう艦長さん」
ユリカ「ええ、私たちは火星の人たちを助けに来たんです。そのシェルターの場所を教えてください。一緒にいきましょう」
エリザベス「その前に木星トカゲに関する重大なお話が・・・」
〔モニターの開閉音〕
ウリバタケ「おい、あの宇宙艇の中にあるロボットはなんだ! ガキが一人残って、俺たちを近づけないようにしてやがるぜ。銃まで持ってやがる!」
アキ「なんですって?」
甲児「へぇ、外宇宙開発機構もやるじゃないか。いつのまにロボットなんか作ってたんだよ」
ノアル「冗談じゃない。そんなもん聞いたこともないぜ」
フクベ「ただちに保安要員を向かわせたまえ」
デビッド「ちょ、ちょっと待ってくれ!」
プロスペクター「説明してもらえますかな、ドクター・エリザベス」
エリザベス「・・・私たちがこうしていま生きていられるのは、すべて彼とあの兵器SPTのおかげです。彼はエイジ・アスカ。地球とグラドスの混血児です。彼は味方です。私たちに危機を知らせるために自分の星を捨ててきた、勇気ある少年です」
ルリ「・・・グラドスって、なに」

ナデシコ/ブリッジ
アキト「じゃ敵は、木星トカゲは人間だっていうのか!?」
豹馬「チッ、やっぱり地球を狙う異星人だったのかよ」
ちずる「おじいちゃんがいっていたことは、正しかったんだわ」
プロスペクター「亡くなられた南原博士ですか」
ガイ「ついに来たか!! いよいよ俺たちの前に、悪の宇宙帝国が姿をあらわしやがったぁっ!! くぅ、盛り上がってきやがったぜぇっ!」
リョーコ「やかましい! 話がややこしくなるからてめぇは黙ってろ!」
<<統夜>>
ユリカ「でもでもぉ、木星トカゲの兵器はぜーんぶ無人機ですよね」
<<カルヴィナ>>
カルヴィナ「あたしは火星で最初に奴らと遭遇したうちの一人よ。だけどそんな話は聞いたことがない。木星トカゲの兵器はすべて無人機のはず」

エリザベス「あれは2週間ほど前のことだったわ。彼が私たちの前に現れたのは。最初は、火星でもシェルターで生き残っている人たちがまだたくさんいた。でも、あの時・・・」
デビッド「グラドス軍が現れやがった。奴らは俺たち生き残りを皆殺しにするために来たんだ。スカルガンナーって奴は、人間を探し出して殺しやがる。俺たちもやられる所だったが、このエイジのおかげで助かったのさ。俺たちも最初はエイジのことを信じなかった。だがこいつは、命がけで俺たちのために戦ってくれたんだ」
シモーヌ「それからは、ずっと逃げて逃げて逃げ続けてたわ。必ず地球へ帰るって、絶対エイジと地球へいくんだって、ただそれだけを信じて」
フクベ「君がグラドス人・・・火星を壊滅させた我々の敵というわけかね」
アキト「お前が・・・お前たちが火星を・・・! くそぉっ!!」
十三「おっと。ここでそういう無茶はせんといてや。豹馬、お前も押さえんかい」
アキト「くっ・・・お前たちのせいでッ!」
デビッド「違う、エイジは俺たちの仲間だ!」
エイジ「ありがとうデビッド。僕は確かにグラドス人です。しかしそれと同時に、僕の体の半分には、あなた方とおなじ血が流れています。僕の父は地球人です」
ノアル「フン。それで、お仲間を裏切ってわざわざなにしにきやがったんだ。お前さんは」
アキ「ノアル、彼はみんなを助けてくれたのよ」
エイジ「・・・グラドス人が地球を狙っていることを伝えに。彼らは自分たちの正体を隠して無人機のみを投入し、地球人同士の争いを起こし、その上で疲弊した地球に侵攻しようとしている。一刻も早くこのことを地球へ伝えてください。そしてグラドス軍に対して守りを固めてください。地球は幼い頃から僕のあこがれ、心の故郷だった。時間をかけさえすれば、きっと戦争は回避できるはずです」
メグミ「それって・・・」
ルリ「もう手遅れ、後の祭りです。そのせいかどうか知りませんが、地球圏は戦争状態にありますから」
エリザベス「なんですって? アキ、どういうことなの」
アキ「私たちが地球圏を出た直後、プラントと連合が開戦したんです」
アンナ「そんな・・・だって地球でも木星トカゲと戦っていたんでしょう? それなのに、どうして・・・」
シモーヌ「・・・軍人の頭は、鉄かジュラルミンで出来ているのよ!」
ジュン「・・・・・・」
ミナト「従わなければすべて敵。コルベット准将みたいな人をみたら、否定はできないわよねぇ」
ちずる「私たちも攻撃されたものね・・・」

ユートピアコロニー/地下シェルター
メグミ「ここがアキトさんの故郷のあった場所なんですね。・・・艦長の家と仲良かったんですか」
アキト「向こうは軍人でこっちは学者だったし」
メグミ「でも子供には関係ないですよね。あたし気になるな、アキトさんと艦長のこと」
アキト「え・・・? いや、その・・・俺とユリカは、ただの幼なじみで・・・」
豹馬「なにやってんだよ。いくぜ」

ユートピアコロニー/地下シェルター
イネス「地球から来たというのはあなたたちね。ようこそ火星へ。歓迎すべきか、せざるべきか。なにはともあれ、コーヒーくらいはごちそうしましょう」
甲児「これだけ・・・? ここにいるだけが、火星の最後の生き残りだってのか!?」
イネス「その通り。このわずか100名あまりが、最後よ。説明しましょう。ここ以外のシェルターはネルガルの施設も含めて、すべて2週間前から投入された敵の新型対人兵器によって掃討された。彼らは私たちを1人として生かしてはおかないつもりなの」
さやか「ひどい・・・」
アキト「でもよかった、まだ生きている人がいた! みんな、俺たちは助けに来たんだ! みんな無事に地球へ帰れるんだ!」
メグミ「よかったですね、アキトさん」
豹馬「俺たちが来たからにはもう大丈夫だぜ! 安心してくれよな!」
イネス(さぁ、それはどうかしらね)

ナデシコ/ブリッジ
ユリカ「そんな、どういうことなんですか?」
イネス「言った通りよ。ナデシコの基本設計をして地球へ送ったのはこの私。だからわかる。確かに優秀で強力。でもこの艦だけでは木星トカゲ・・・さっきの話じゃグラドス軍だったかしらね。とにかく彼らには勝てない。そんな艦に乗る気にはなれないわ」
ユリカ「私たち、ちゃーんと木星トカゲさんたちに勝ってここまで来てるんですけど」
アキト「信じてくれないのか、俺たちを」
イネス「何もわかっていないわね。そっちの混血って坊やなら、あのチューリップのことわかってるでしょう。あのチューリップと無人兵器が、何を意味するのか」
エイジ「いえ・・・あれはここに来て初めて見ました。グラドス星では見たことがない。レイズナーのコンピュータにも登録されていない。僕にもよくわからないんです」
イネス「おやおや。我々の敵、グラドス人との混血と言えど、軍人でなければその程度ってわけか。ますます一緒に行く気は起きないわ」
デビッド「なんてこと言いやがる!」
甲児「ちょ、ちょっとまってくれよ!」
イネス「その混血坊や、私たち地球人のために戦艦に密航して、新型兵器まで奪って1人で逃げてきたそうね。それにあなたたちは軍とは別行動で、ナデシコ1艦と強力ではあってもわずかばかりの戦力で火星を救いにきた。すばらしいわ、無知ゆえの無謀さが」
ユリカ「あの、ちょっと、フレサンジュさん?」
イネス「若いというだけでなんでもできると思ったら、大間違いよ。誰でも英雄になれるわけじゃない」
豹馬「なんだと!? 黙って聞いてりゃ好き放題言いやがって! なんて言い草だ!」
アンナ「エイジは必死で私たちのために戦ってくれてるのに、ひどいわ」
ガイ「ちょっとまったぁっ! それはこの生まれついてのヒーローたる俺様に対する挑戦だな!?」
ヒカル「はいはい、だからあなたはちょっと黙ってましょうね~」
ルリ「バカ」
ノアル「残りたいってんならいいじゃないか。後で他の生き残りにも確認して、乗りたい奴だけ乗せて帰ればいいだろう」
アキ「ノアル、そういうわけには・・・」
〔警報〕
ルリ「敵襲。大型戦艦5、小型戦艦30」
ユリカ「応戦します。グラビティブラスト、スタンバイ」
ルリ「40キロメートル前方、チューリップより敵続々増大」
豹馬「なんだよあれ! なんであんなに入ってんだ!?」
イネス「入ってるんじゃない。出てくるのよ。とぎれることなく、次から次へと。チューリップは母艦じゃない。たぶん空間跳躍のためのゲートなの。あのたくさんの敵兵器は、どこか別の所から送り込まれてくるのよ。いかにあなたたちが強くても、あの数には勝てない。敵の戦力を読んで作戦をたてることも不可能ってこと。これでわかったでしょう」
ノアル「チッ、洒落になってないぜこいつは」
ユリカ「ルリちゃん、いますぐディストーションフィールド展開!」
メグミ「まってください! ここでフィールドを張ったら、艦の下の地面が潰れちゃうじゃないですか! 下にはまだ生き残りの人たちがいるんですよ!」
ユリカ「じゃあただちに離陸、後退しつつフィールド展開!」
ミナト「ダメよ。着陸しちゃったから、離陸にはちょっと時間がかかるの」
ユリカ「そんな・・・」
ルリ「敵艦上方にまわりこみつつあります。チューリップからなおも敵増大中」
イネス「フィールドを張るか、それともこのまま敵の攻撃を受けやられるか。2つに1つね」
プロスペクター「艦長、いますぐフィールドを!」
メグミ「でもアキトさんたち約束してきたんです! 地下の人たちに、必ず助ける、連れて帰るって! それなのに!」
ユリカ「・・・」
アキト「・・・」
甲児「くっそぉっ!」
ルリ「敵艦に重力波反応。グラビティブラスト来ます」
<<統夜>>
統夜「か、艦長!」
フェステニア「なんとかして!」
<<カルヴィナ>>
カルヴィナ「つらいけど・・・迷っている余裕はない。艦長、艦もろとも全員巻き込んで死にたいの?」

ユリカ「・・・・・・・てください」
ルリ「・・・了解」
〔ディストーションフィールド展開音〕
〔画面、フラッシュ〕
〔砲撃音〕
〔画面、発光〕

ユリカ「うっ・・・」
エリザベス「なんてこと・・・」
イネス「こうなることは、どのみち時間の問題だった。フィールドがなくても、あの攻撃じゃ誰も生き残れなかったでしょう。いずれにしても、あなたたちは英雄にはなれなかった、ということね」
アキト「・・・・・・」
豹馬「くっ・・・ちきしょう・・・」
ちずる「豹馬・・・」
ルリ「敵の追撃ありません」
ミナト「でも通常エンジンのダメージがひどいわ。どこかで修理しないと大気圏離脱もできないかも。どう?」
〔モニターの開閉音〕
ウリバタケ「こいつはひどい。まぁ、なんとかするしかねぇだろうな」
〔レーダー反応〕
ルリ「大気圏外から機動兵器降下。データ登録なし。これたぶん、アスカさんのと同じのです。映像出します」
デビッド「くそ、来やがったか。ロアン、エイジッ!」
ロアン「ええ、やるしかありませんね」
さやか「・・・敵ってことね」
エイジ「グライムカイザル・・・ゲイル先輩か。僕たちも出ます。応戦してください。あれは振り切れません」
ルリ「艦長、艦長~。落ち込んでるヒマないんですけど」
フクベ「艦長には無理のようだ。私が指揮をとろう」
ユリカ「だ、大丈夫です。迎撃します。発進してください」
甲児「いよいよグラドス人って奴とご対面ってわけか・・・くそったれ」
統夜「異星人だっていうのか・・・本当に」
【シナリオデモ終了】

【戦闘マップ開始」

〔味方戦艦出現〕
<<統夜>>
統夜「メルア、大丈夫か」
メルア「は、はい、大丈夫です。こんなこと言うとカティアちゃんとテニアちゃんに怒られちゃいますけど、わたしあんまり好きになれなくて・・・」
統夜「ごめん。お前たちだって、好きで乗ってるわけじゃないんだものな」
メルア「でも、大丈夫です。統夜さんがいてくれます。わたしたち、3人で約束したんです。わたしたちのためにこういうことになってしまった統夜さんは、絶対に守るって。だから」
統夜「信じるよ。今は、それしかないから。俺が△△△△△△とお前たちを守り、お前たちが俺を守る。それがいま俺とお前たちとの間にある唯一のもの、△△△△△△はその契約の証だって、カティアが言ってたよ。いつか、そのことの意味がわかる時がくればいいと俺も思う。だから、今はやるしかない」
メルア「はい!」
<<カルヴィナ>>
カティア「イグニッションシークエンス開始。オペレーションシステム起動。オルゴン・エクストラクター稼動開始。サイトロン活性化確認。リンゲージ率許容範囲内。出力安定。システムオールグリーン。△△△△△△起動終了。いつでもどうぞ」
カルヴィナ「△△△△△△出るわ。エイジ・アスカ。あたし達はまだ誰もあれと戦ったことがない。頼むわね」
エイジ「了解しました」

〔味方ユニット出現〕
〔敵ユニット出現〕

〈出撃準備〉
グラドス兵「毛の抜けたサルめ、慌てて出てきましたね」
ゲイル「停止しろ。エイジめ、地球人を連れて逃げるだけではなく、地球の戦艦と合流したか。あれは単艦で火星まできた者たちだ。地球人とはいえ、なめてかかるなよ」
エイジ「ゲイル先輩・・・」
ゲイル「エイジ、聞こえているか。艦隊への密航はともかく、SPTを強奪し反逆した罪は重い。だが今ならまだ私がとりなしてやる。エイジ、反逆者の義弟を持つ兄のことを考えたことがあるのか。今ならまだ間に合う。投降しろ」
エイジ「許してくださいゲイル先輩。僕は・・・」
ゲイル「エイジ、私を苦しめるな。何を血迷って地球人の味方をする。お前をそこまで育てたのはグラドスの大地なのだぞ」
エイジ「それでも、僕の血の半分は地球人の血です!」
ゲイル「・・・やむを得ん。ならば力ずくで捕らえるまでだ。全機、攻撃開始だ。地球人たちは殲滅しろ」
エイジ「攻撃が開始されます。応戦してください!」
<戦闘開始>

<統夜vsゲイル>

統夜「これがグラドスの・・・確かゲイル先輩って・・・」
ゲイル「邪魔をするな、地球人!」
メルア「統夜さん集中してください!」

<カルヴィナvsゲイル>
カルヴィナ「異星人の指揮官機・・・性能を見せてもらう」
ゲイル「地球人にしてはなかなかやるようだな。だがっ!」

<甲児vsゲイル>
甲児「異星人め、覚悟しやがれっ!」
ゲイル「頑丈そうな兵器だな。だが急所を叩けばどうということはない」

<豹馬vsゲイル>
豹馬「こいつが敵の指揮官だ。いくぞみんな! 一気に仕留める!」
ちずる「ええ!」
ゲイル「なるほどパワーはあるようだな。だがそれだけで勝てると思うな、地球人」

<エイジvsゲイル>
ゲイル「エイジ、本気でお前がこの私に勝てると思っているのか!」
エイジ「僕は、負けるわけにはいかないんです!」

<エイジvsカルラ>
カルラ「あの女の弟か。中尉と違って私は容赦しない! 反逆者としていさぎよく死ぬがいい!」

<アキトvsゲイル>
アキト「お前たちが、お前たちが火星を!! このおぉぉぉーっ!!」
ゲイル「ふん、動きが粗すぎる。しょせんこんなものか」

<ガイvsゲイル>
ガイ「火星の平和は俺がこの手に取り戻す! このガイ様がいる限り、悪のグラドス星人に好きにはさせんぞッ!! レッツゴー、ゲキ・ガンガー!」
ゲイル「地球人め、威勢だけでこの私に勝てる気でいるのか。愚か者め」

<リョーコvsゲイル>
リョーコ「この野郎! てめぇらが木星トカゲの正体だったなんてよ!」
ゲイル「我々のことを知った者を、生かして帰すわけにはいかん。女といえども容赦はしない」

<エイジがゲイルを説得>
エイジ「お願いです、やめてください! ゲイル先輩!}
ゲイル「エイジ、投降しないのならばお前を撃破しなければならん。私にそんなことをさせないでくれ」
エイジ「投降は・・・できません!」
ゲイル「このバカものが。ジュリアのためにも、お前は生きて連れ帰る。だが無傷というわけにはいくまい。覚悟しろエイジ」
エイジ「ゲイル先輩!」

<ゲイル撃破・敵増援1出現>
ゲイル「どうやらここまでのようだな。エイジ・・・これで私とお前の行く道が決まった。次に会ったときは容赦しない。全機、帰投する」
〔敵ユニット離脱〕
※※まだカルラ健在の場合、セリフ追加※※
カルラ「ゲイル中尉! くっ・・・」
〔敵ユニット離脱〕
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

エイジ「すみません、ゲイル先輩・・・」
ルリ「敵第2波接近中」
レイ「アラームメッセージ。レンジ1ニSPT進入」
エイジ「なに!?」
〔敵ユニット出現〕
ゴステロ「ひゃーっはっはっはっ! ゲイルの奴め、失敗したようだな。感謝するぜ、おかげで最高のヒマつぶしが出来そうだ! お前ら、サルどもの狩りを始めるぞ!」
エイジ「ゴステロ中尉!?」
ゴステロ「地球人などこの宇宙に必要ない害虫だ。まずは戦艦を沈めてから、じわじわと生殺しにしてやる。料理はじっくりと楽しむものだ。ひゃーっははははっ!! エイジ、貴様は無駄なことをしたのだと思い知るがいい!」
エイジ「僕は、無益な戦いを止めようとしているだけだ!」
ゴステロ「演説はやめろ! 俺はゲイルと違って話し合いなどせん! 貴様もここでのたうちまわって死んでいけっ! クククッ、ジュリアの悲しむ顔が目に浮かぶようだぜぇっ!」

<統夜vsゴステロ>
ゴステロ「ひゃーっはははっ! 動きが丸見えだぜ、無能なサルめ!」
統夜「くそぉっ! こんなところでやられてたまるかぁっ!!」

<カルヴィナvsゴステロ>
カルヴィナ「くっ、こいつも強い・・・」
ゴステロ「女か。楽しませてもらおうじゃないか! ええっ!」

<甲児vsゴステロ>
ゴステロ「サルめ、じっくりと料理してやる」
甲児「そうは問屋が下ろさねぇ! いくぞ異星人め!」

<豹馬vsゴステロ>
ゴステロ「でかぶつめ。八つ裂きにしてやる!!」
十三「豹馬、きたでぇっ!」
豹馬「こんなところで負けてたまるかっ!!」

<エイジvsゴステロ>
エイジ「ゴステロ! お前は遊びで人を!」
ゴステロ「ハッ、裏切り者の小僧が! たっぷりとかわいがってやるぜ!」

<アキトvsゴステロ>
アキト「ちきしょう! ちきしょう! ちきしょぉぉぉぉぉっ!」
ゴステロ「ヒャハハハハッ! あがけ、あがけ、サル共め!」

<ゴステロ撃破orHP20%以下>
ゴステロ「なんだと!? くそぅ。サルめ、ただではおかん。この礼は倍にして返してやるぜ!」
〔敵ユニット離脱〕

<敵全滅・勝利条件達成>
ルリ「周囲に敵残存兵器ゼロ」
プロスペクター「やれやれ、どうにかこの場はしのげたようですなぁ」
エリザベス「ええ、でも・・・」
ミナト「あれがグラドス軍・・・・」
イネス「あんなのまで出てくるんじゃ、ますますつらくなったわね」
フクベ「艦長」
ユリカ「・・・みなさんを回収してください。フィールドを張りつつ、全速でこの場を離れます」
【戦闘マップ開始】

【シナリオエンドデモ開始】

〔カーソル、火星を指定〕

ナデシコ/格納庫
ウリバタケ「おう、ご苦労さん。そのSPTってのもなかなかすごいもんだな。気に入ったぜ」
ノアル「しかしまさか、お前らもあれで戦闘に出るとはな」
デビッド「エイジ1人に守ってもらうばかりじゃつらかったんで、俺たちも操縦のしかたを教わったんですよ」
ロアン「ええ、エイジが持ってきたSPTは3機ありましたが、エイジが乗れるのは1機だけですしね。少しでもエイジの手助けができればと思って」
ガイ「いいねぇ、ナイスガッツだぜ少年たち! これぞ熱血だ!」
フェステニア「おつかれ! みんなすごかったよ!」
<<統夜>>
統夜「なんとか、また無事に終われたな」
メルア「はい」
リョーコ「おいちょっとお前、エイジって奴」
エイジ「なんだ」
リョーコ「お前、向こうがお仲間だからって手加減して戦ってやがるな。たいした腕だってのは認めるが、それじゃお前、そのうち殺されちまうぜ」
エイジ「それでも、僕は・・・」
<<カルヴィナ>>
カティア「ふう。カルヴィナさん、どうしたんです?」
カルヴィナ「ちょっとね。エイジ・アスカ」
エイジ「・・・何か」
カルヴィナ「あんた、向こうのパイロットが脱出できるように攻撃してるわね。気持ちはわかるし、それができる腕はすごいけど、それじゃいずれはあんたが死ぬわよ」
エイジ「わかっています。それでも、僕は・・・」

ちずる「だけど・・・結局火星の人たちはみんな・・・」
アキ「ええ・・・こんなことになってしまって残念だわ。でも今一番つらいのは、結果を知りつつ命令を出さなくてはならなかったミスマル艦長よ」
リョーコ「ああ・・・だろうな」
ノアル「・・・ブリッジ、ノアルだ。艦長さんはいるかい」
〔モニターの開閉音〕
ユリカ「・・・はい。なんですか』」
ノアル「あ~まぁ、なんだ。最初の頃はホントに頼りになるのか心配だったし、いろいろ失礼なことも言っちまったが、あんたは立派な艦長だ。あれはあんたのミスってわけじゃない。あまり気を落とさないようにな」
ユリカ「はい・・・ご心配ありがとうございます」
ノアル「まいったな。ありゃちょっとまずいぜ。おいアキト、お前ちょっと行ってこい」
アキト「な、なんで俺なんすか」
さやか「行ってあげて。いま艦長を慰めてあげられるのって、アキトさんだけだわ」
甲児「そうだぜ。あんな艦長見てたらこっちもつらくなっちまう。頼むよ」
リョーコ「テンカワ、さっさと行けよ!」

ナデシコ/居住区/通路
アキト「あ、あのさ・・・」
ユリカ「アキト・・・私たち、なんのために火星まできたの・・・。アキト、ごめん、ごめんね。助けられなかった、火星の人たちは誰も・・・」
アキト「ユリカ・・・。それでも、俺たちはデビッドやアンナたちを助けることができた。イネスさんだって。エイジとも会って敵の正体を知ることだってできた。まだ俺たちのやったこと全部が無駄になったわけじゃない」
ユリカ「・・・ありがとう。初めてだね。ナデシコに乗ってから、やさしくしてくれたの」
アキト「バカ、しっかりしろよ。お前らしくないじゃないか」
ユリカ「アキト・・・私のこと、好きだよね」
アキト「な、なんだよいきなり! こんなときに何言ってんだお前!」
ユリカ「頑張れって、言ってくれる? 昔みたいに、やさしい目をして、ユリカ頑張れって。アキトがそう言ってくれるなら、もうちょっとだけ頑張れる気がするから・・・」
アキト(昔みたいって・・・そんなこと言ったことあったっけ。またこいつ自分に都合よく記憶変えてんだな。まぁ・・・いいか)「ユリカ、頑張れ。俺もできることは手伝うから。このナデシコでみんな一緒に地球へ帰ろう。だから、頑張れ」
ユリカ「うん!」
【シナリオエンドデモ終了】


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