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No.19
策謀する者たち


サブタイトル
「策謀する者たち」


【シナリオデモ開始】
〔カーソル、ヨコスカを指定〕
ヨコスカ基地/第2会議室
ユリカ「・・・というけで、こっちの哨戒任務はだいたいそんな所です。だよね、ジュンくん?」
ジュン「かなり大ざっぱだったけどね」
ナタル「ラダムとグラドスの無人機か。相変わらずの状況だな」
ムウ「もぐら叩きだな、まるで」
マリュー「待機していてもたいして変わりはないわ。機械獣やボアザン軍との戦闘があったけど対応は常に後手に回ってしまった。軍も敵がどこに拠点を持ちどこからあれを送り込んでくるのか、特定できずにいるもの」
プロスペクター「我々の敵は数多い。そうすぐに状況が好転するというわけにもいかないでしょう。グラドスはもちろんザフトやラダムとも、長い間こういった状況が続いているわけですからな」
ナタル「むしろ警戒すべきは、あれ以来情報の入ってこないデビルガンダムと、我々のオーブ戦以来動きのないグラドスの有人部隊か」
イネス「鉄甲龍もね」
ムウ「やれやれだな」
アカツキ「ま、しょうがないんじゃない。そもそも軍が僕らに期待してるのは、そのもぐら叩きなんだからさ」
ムウ「そりゃそうなんだけどな」
マリュー「明日からはこちらが哨戒任務ね。みんな、よろしく頼むわね」

〔カーソル、ヨコスカを指定〕
ヨコスカ基地/第2会議室
クルツ「もうマジ疲れた。酒飲んで寝てぇ」
カガリ「何なんだ、こいつは。まだ昼間だぞ」
さやか「バジルール少尉がにらんでるわよ」
ヒカル「でもあれ、たるんでるとか、不謹慎だとか、そういうことが言いたそうな目つきじゃないよ」
沙羅「どうせいつもの調子で少尉をくどこうとしたんでしょ」
宗介「肯定だ。豪快に張り倒されていた。見事な一撃だった」
クルツ「オレはナイーブなんだよ。新しい環境に適応できずにとまどい、少尉どのに相談を・・・」
十三「するフリをして迫ったっちゅうわけやな」
カガリ「信じられない奴だな」
一平「よくやるぜ」
雅人「さすがに俺もあの少尉さんにはそんな真似はできないなぁ」
マオ「このバカ、学習能力ってもんをママのお腹の中に忘れてきたらしいからね。機械獣にでも踏みつぶされたら治るんじゃない。今度出たらほうり出してみる?」
クルツ「このクソアマ、なんてこと言いやがる」
〔殴打音〕
マオ「あたしがなんだって? え? もう一ぺん言ってみな」
クルツ「う、美しく聡明で頼りになる曹長どのであります」
マオ「よろしい」
シモーヌ「もしかしていつもこの調子なの?」
宗介「肯定だ」
リョーコ「やれやれだな。おーい艦長、もうナデシコの方に引き上げていいのか。今日はもう上がりなら、さっさと引き上げてフロに入りたいんだけどさ」
ユリカ「あ、はい、いいですよ。みなさんもご苦労様でした。私たちはまだ打ち合わせがありますので、先に戻っててください」

〔カーソル、ヨコスカを指定〕
ヨコスカ/港エリア
フェステニア「ねぇねぇ、美久ってさ、なんでゼオライマーに乗ることになったの? マサトに聞いたらずっと前からラスト・ガーディアンにいたって話だけど」
美久「ええ、そうよ。私はあそこで育ったようなものだから」
めぐみ「では、ずっと以前から?」
美久「いつかゼオライマーに乗ることになるのだと知っていたわ。私はマサト君は、ゼオライマーに乗ることを運命づけられているのよ。これほどいろいろな敵と戦うことになるとは、思ってもいなかったけど」
アキト「そんな。嫌だとは思わなかったの?」
美久「・・・そんなこと、考えたこともありませんでしたね。考えてもしかたのないことだし・・・それが、私のすべてだから」
カティア「・・・・」
ノアル「よくわからんが・・・マサトの奴は嫌がってるみたいじゃないか」
美久「しかたがないわ。彼は最近自分のことを知らされたばかりだから」
健一「それにしたって、あいつの態度はもう少しなんとかしてもらいたいな。日吉や小介だって頑張ってるんだ」
豹馬「ああ、やるからにはもっと気合いいれてくれないと困るぜ」
統夜「俺たちでフォローしてやればいいじゃないか。時間が必要なんだ、ああいうのはさ。美久の話じゃ、あいついきなり連れてこられて、ゼオライマーに乗せられたんだろ?」
美久「ええ、いろいろと事情があったから」
統夜「それが嫌なのに自分の意思で逃げられない状況にほうり込まれた。だったらなおさら、自分で納得いく理由を見つけて、それを受け入れるまでには時間がかかるんだよ」
リョーコ「へぇ、言うようになったじゃねぇか」
アキト「でも、そうかもしれない」
甲児「統夜やキラも似たようなもんだったな」
美久「でも大丈夫よ。彼は戦うわ。それが私と彼の運命だもの」
鉄也「運命、運命か。本当に奴がまともに戦う気があるのなら、なんでもいいがな」

〔カーソル、ヨコスカを指定〕
ヨコスカ基地/格納庫
さやか「どう甲児くん。かっこいいでしょう」
甲児「へぇ、これがビューナスAかぁ」
ボス「おおっ、すげえじゃねぇかよさやか」
甲児「キレイだなあ。まるでさやかさんそっくりだ」
さやか「まぁ、甲児くんったら」
小介「なんでもさやかさんをモデルにして作ったそうですよ」
沙羅「そりゃ、悪趣味だね」
さやか「ちょっと、それってどういう意味!?」
沙羅「怒らないでよ。別にあんたがどうってわけじゃないんだから」
忍「確かに、戦闘メカに女の格好させるってのは気に入らねぇな」
さやか「いいの! 私が乗るんだから、ロボットだってキレイじゃなくっちゃ」
ヒカル「これみたらウリピーなんていうかなぁ」
ヌケ「これでまたさやかさんも大暴れできるってわけっすね」
さやか「大暴れ?」
ムチャ「活躍! 活躍っす!」
ちずる「甲児くんはマジンカイザー、さやかさんも新しいビューナスAね。コン・バトラーのパワーアップはどうなっているのかしら」
豹馬「小介、どうなんだよ。前からいろいろやってんだろ」
小介「はい。近いうちになんとかしたいのですが、四谷博士が忙しいらしくて」
ローリィ「どう、さやかさん。気に入ってもらえたかしら」
さやか「ええ、とっても」
ロール「みんな大変だったのよ」
甲児「ローリィさん、ロールさん! 2人がビューナスを運んできたんですか?」
ローリィ「シローちゃんも来てるわよ」
シロー「そ。今日からこっちでお世話になるからよろしくな、アニキ」
甲児「お前が? しょうがねぇなぁ。みんな、オレの弟のシローだ。くそなまいきなガキだけど一つよろしく頼むよ」
シロー「くそなまいきは余計だ、バカアニキ! っと、みなさんよろしくお願いします」

ヨコスカ基地/ナデシコ/通路
かなめ「こら宗介! あんたまたあたしの部屋の前にトラップしかけたわね!? 何考えてんのよあんたは!」
宗介「だがこの艦は規律がなっていない。君にとってはなじみやすい環境かもしれないが、これでは艦内にいるといえど常に警戒を怠るわけには・・・」
〔スリッパではたく音〕
かなめ「このすっとこどっこい! だからって爆弾なんか使う!?」
宗介「爆弾ではない。手榴弾だ。安心しろ、俺は専門家だ。ちゃんと火薬の量は調節して、あくまでも脅しと警戒の役割を・・・」
〔スリッパではたく音〕
宗介「痛いじゃないか」
かなめ「あたしやクルーの人がひっかかったらどうすんのよ!」
宗介「問題ない。この艦の正規の乗員や他のパイロット達なら一目でわかるようにしてある。現に君は気づいたではないか」
かなめ「えぇそりゃもう。あたしはあんたが何かやらかしてないかって疑うクセがついてるもんで」
宗介「うむ、君もわかってきたようだな。用心深くない人間は戦場では・・・」
かなめ「いいからさっさとはずしてこいっての! あんたこの前もそんなこと言って、整備の人が・・・」
〔爆発音〕
〔画面、フラッシュ〕
〔画面、振動〕

かなめ「まさか今の」
宗介「やはり潜入工作員がいたか。千鳥、ここを動くな」
かなめ「こら、待ちなさい宗介!」

ヨコスカ基地/ナデシコ/通路
宗介「む、貴様か! 止まれ!」
ユリカ「うわあああぁぁぁぁぁぁん!」
宗介「なに・・・? ・・・今のは・・・」
かなめ「ユリカさんじゃない! このバカ! 早く追いかけて謝ってきなさいよ!」
宗介「・・・まさか、艦長殿が千鳥を? いかん! ネルガルがすでに気づいているとなれば、すぐにでもここを脱出しなければ。まさかあの艦長殿が敵にまわるとは。これではもはや艦内の誰も信用できん。千鳥、俺のそばを離れるな。マオたちと合流し、ダナンに連絡を入れなくては」
〔スリッパではたく音〕
かなめ「んなわけあるか! ユリカさんはあたしを呼びに来てくれただけでしょ!? あ~もう、このバカのせいでまた変な噂が1つ増えるんだわ」
アキト「あ、かなめちゃん。宗介くんも一緒か。何かあったの? なんかユリカが真っ黒な顔してわんわん泣きながら走ってったみたいだけど」
かなめ「え!? いえ、その、なんというか・・・」
カティア「あら、アキトさんこんなところで何をしているの? みんなブリッジにあがってるわよ」
アキト「ブリッジって、いったい何なんだい?」
かなめ(ま、まさか今のことが問題に!?)
カティア「マサトが拉致されたそうよ」
アキト「拉致!?」
かなめ「う・・・嫌なこと思い出しちゃったわ」

ナデシコ/ブリッジ
忍「で、いったいどういうことだ」
ルリ「秋津さんが1人で基地の外へ出た際に、何者かに連れ去られたそうです」
宗介「なぜ1人で行動を。この部隊のパイロットの多くが複数の組織にマークされていることは、わかっていたはずだ。理解できん」
ちずる「自分のことで悩んでいたみたいだったから」
一平「1人になりたい時ってのもあるもんさ。基地の外へ出ちまったのは問題だがな」
甲児「敵はどこの奴らなんだ。またあしゅら男爵やこの前の奴らか」
沙羅「どうするんだい」
ルリ「艦長の許可が出ましたので、氷室さんが救出にいくそうです。秋津さんの居場所はわかるそうですので」
ミナト「その艦長の姿が見えないけど」
ルリ「おフロです」
アキト「ああ、なんかさっき真っ黒な顔してたから」
マオ「彼の居場所がわかるって? 発信機でもつけたってわけ?」
美久「ええ、そんなところです。何人か一緒に来てもらえますか?」
ジョルジュ「おつきあいいたしましょう、マドモアゼル」
チボデー「そういう荒事なら俺たち向きだな、安心しな、ベイビー。俺たちがいりゃ、そうそう負けやしないぜ」
サイ・サイシー「オイラもいくよ」

地底城
ズール「くくく、準備は着々と進んでおるわ。ハイネルめ、あの脳なしの若造め。お前の命もあとわずかだ。そしてこのわしが、お前に代わり地球攻撃軍の総司令官となるのだ」
〔モニターの開閉音〕
ズール「なんじゃ」
カザリー「ズールどの、ハイネル様がお呼びです」

地底城
ズール「ご用でしょうか、ハイネル様」
ハイネル「ド・ズールよ。余に内密でなにやら怪しげなことを企んでおるらしいと、秘密調査隊員の報告があった。申し開きがあれば聞いておこう」
ズール(なんと! ええいおのれ、ハイネルに計画が漏れておったとは。ここはなんとしても切り抜けねば・・・)「め、滅相もございません。私がしておりましたことは、すべてハイネル様の地球攻略にお役にたてんがためでございます」
ジャンギャル「ならば何故堂々とやらぬ。貴公まさか・・・」
ハイネル「よさぬかジャンギャル。ズール、余の勝利のためと申したな。いったい余に隠れて何をしておったのだ」
ズール「はは、あの地球人どもを倒すのには戦力の拡大が何よりも大事と考えまして、グラドス人どもが使う無人兵器をコントロールして我らのものとする装置を開発したのでございます」
ハイネル「なに、グラドス人の」
ズール「は、はい。これにより奴らの戦力を削ぎ、わが獣士もより有効に活用できるものと・・・」
ジャンギャル「よりによってグラドス人どもが使う兵器をだと!? 貴公、その頭の角は飾りか! ボアザン貴族の誇りを持たぬその心、許し難いわ!」
ズール「ハイネル様! すべてハイネル様の勝利を願う私の忠誠心ゆえのこと、ジャンギャル将軍を止めてくだされ!」
ハイネル「すべて偽り無く余のためと言うのだな?」
ズール「も、もちろんでございますプリンス・ハイネル!」
ハイネル「よかろう。ジャンギャル、よめよ。ズールよ、お前の忠誠心に免じて特別に許してやろう」
カザリーン「ハイネル様、それは・・・」
ズール「ありがとうございます!」
ハイネル「だがそれには条件がある。余の勝利だけを願い、そのために誇りまで捨てたというのならば、その証を見せてもらおう。グラドスの無人機を用いても構わぬ。あの地球人どもを倒してまいれ。奴らの首を余の前に差し出すのだ」
ズール「そ、それは・・・」
ハイネル「出来ぬ、と申すのか? だがお前は余の勝利のために開発したと言っておったではないか。そのためにこそ誇りを捨ててまでグラドス人どもの使う兵器を用いる策を編み出したと。ならばむろん、奴らに勝てるはずだ。そうであろう?」
ズール「は、はい・・・」
ハイネル「うむ。しかと申しつけたぞ、ズール。だがもし失敗したときには、誇りを失った者にふさわしくその角を我が手で切り落としてくれよう。よいな」

地底城
カザリーン「さすがでございます。ハイネル様」
ハイネル「ズール、あの愚か者め。奴の言葉などすべてうそ偽り。真実はこのハイネルを害そうとする計画であること、余に見抜けぬと思ったか」
ジャンギャル「これでズール将軍も死に物狂いで戦いましょうな。勝っても負けても、生き残る道はないとも知らず。ハハハハハッ」

地底城
ズール「あの若造めが! ええい、なんということだ。グラドスの無人機どもをわしだけの戦力とし、この地底城を乗っ取る計画が水の泡だ。だがピンチの後にはチャンスがくるもの。みておるがよいハイネル、でくのぼうのジャンギャルめ。このわしがあの地球人どもを倒し、そのまま貴様らも抹殺してやるぞ。ひひひひひひっ」

????
マサト「う・・・・。ここは・・・あなたたちは誰です」
シ・アエン「鉄甲龍の長の前です。おひかえなさい」
マサト「鉄甲龍・・・ハウドラゴン!? 長だって!?」
幽羅帝「監視をつけていたのが役に立った。まさかよりによってお前が1人で出てくるとは。我らも甘くみられたものだ」
マサト「そんな、なんで」
幽羅帝「何故だと? お前がゼオライマーのパイロットだからだ。そしてお前たちは、耐爬を殺した」
マサト「たい・・は?」
シ・タウ「知らぬとはいわさぬ。八卦衆が1人、風のランスターのパイロットよ」
マサト「あの時の・・・。でも、あれは」
幽羅帝「お前の罪はそれだけではない! お前は木原マサキの意思を継いでいる。それこそ我ら鉄甲龍にとって最大の罪」
マサト「木原・・・マサキ?」
幽羅帝「なにも知らぬのか。我ら鉄甲龍の民が地の底で苦汁をなめている間、お前はなにも知らず、のうのうと時を過ごしていたというのか」
マサト「誰なんだ、その木原マサキという男は。僕に何の関係がある!?」
幽羅帝「知りたいのか? 知ればお前は、死なねばならぬ」
マサト「もしそれを知ることでこの仕打ちの意味がわかるなら、僕が誰かわかるなら、僕は知りたい!」
幽羅帝「・・・よいであろう。冥土の土産に聞かせてやろう」
マサト「・・・・」
幽羅帝「我ら鉄甲龍は、地球圏制圧のための巨大ロボット軍団を編成しようとしていた。もう15年も前のことである。その八卦ロボは、それぞれたった1人の人間しかパイロットになれぬように設計されていた。木原マサキはゼオライマーのパイロットとして、まだ生まれていない試験管の中の受精卵を登録した。そして奴は、鉄甲龍を裏切った。ゼオライマーを奪い、他の八卦ロボと我らが鉄甲龍要塞の中枢を破壊し、逃亡したのだ。おかげで我らはその再建に15年もの月日を費やさねばならなくなった。そして本来ゼオライマーに登録されるはずだったのは、まだ幼かった我であったのだ」
マサト「まさか、その・・・受精卵が・・・」
幽羅帝「お前だ、秋津マサト。呪われた男よ」
マサト「じゃ、じゃあ僕は、ゼオライマーに乗るためにつくられた遺伝子? 本当に、ただそれだけ・・・? 答えてくれ! 僕は誰だ!?」
幽羅帝「誰でもない。天のゼオライマーのパイロットだ」
マサト「ううっ・・・」
幽羅帝「おのれの呪われた運命を知り、苦しんでおるのか。いま我がその苦しみを断ってやろう。その、忌まわしき命とともに」
〔爆発音〕
〔画面、フラッシュ〕
〔画面、振動〕

シ・タウ「なにごとだ!」
チボデー「どうやらここで間違いねぇようだな」
サイ・サイシー「オイラまだまだ暴れたりないぜ」
シ・アエン「ちぃ、奴らの侵入を許したのか! ハアッ!」
〔殴打音〕
アルゴ「効かん」
シ・アエン「くっ、こいつ・・・」
シ・タウ「お姉様!」
ジョルジュ「動かないでいただきましょう。女性を相手にするのは不本意ですが、このような場合はしかたありません」
マサト「あ・・・」
美久「大丈夫、マサト君? マサト君は返してもらうわ!」
幽羅帝「そやつの仲間か」
美久「氷室美久。ゼオライマーのパイロットよ」
チボデー「助けたんならさっさとずらかるぜ、お嬢ちゃん」
シ・タウ「逃すか!」
サイ・サイシー「へへっ。オイラたちを止められるかい!」

????
幽羅帝(ゼオライマーのパイロットが1人ではないだと・・・? あの女・・・)
シ・アエン「タウ、追いますよ」
幽羅帝「よい。2人とも八卦ロボの用意をするのだ。ゼオライマーが奴らの手にある以上、取り戻すのは難しい。ならば、ゼオライマーとともにあの2人を確実に抹殺する。あの者が寄越した傭兵どもを使うことも許可する」
シ・タウ「あのような者たちを」
幽羅帝「我らの目的の前にはささいなことだ」

ヨコスカ基地/ナデシコ/ブリッジ
ユリカ「みなさんさすがです! マサト君も無事でよかったですね」
豹馬「まったく、1人でふらふら出ていくからだぜ」
エリナ「あなたがいなくなっていたら、ゼオライマーが動かなくなるところだわ。これからは気をつけてちょうだい」
マサト「・・・なんで僕なんか助けたんだ」
美久「マサト君?」
マサト「僕がゼオライマーのパイロットだからか? だから連れ戻したのか!?」
リョーコ「なんだこいつ。どうしちまったんだ?」
美久「マサト君、みんなあなたのことを心配してくれたのよ」
マサト「僕がいなくちゃゼオライマーが使えないからだろ」
忍「おい、いい加減にしとけよ」
〔警報〕
ユリカ「ルリちゃん?」
ルリ「敵襲みたいです」
【シナリオデモ終了】

【戦闘マップ開始】

〔敵ユニット出現〕
〔味方戦艦出現〕

ルリ「敵、アームスレイブ多数、不明2」
美久「あれは・・・鉄甲龍の八卦ロボ・・・?」
チボデー「さっきの奴らってわけか。面白ぇ」
美久「マサト君、行くわよ」
マサト「・・・・」
〔ゼオライマー転移〕
〔味方ユニット出現〕

〈出撃準備〉
シ・タウ「きたか」
シ・アエン「出てきたな、ゼオライマー」
美久「大丈夫ね? できるわね?」
マサト「・・・やるさ。だって、こいつに乗るくらいしか僕が生きている理由はないからね」
美久「マサト君・・・」
マリュー「近くに街があるわ。避難中の一般市民を巻き込まないように、敵を誘導しなさい。いいわね」
〔街エリアを指定〕
シ・アエン「天のゼオライマー・・・ここで始末をつける。いまこそ八卦衆の力、思い知るがいい。タウ、ゼオライマーを捉えたらトゥインロードをかける。あわせなさい」
シ・タウ「・・・・」
シン・アエン「聞こえるか秋津マサト、氷室美久。我ら八卦衆が、貴様たちをゼオライマーごと抹殺してくれる!」
マサト「ッ!? さっきの人・・・?」
美久「どうしたのマサト君。早く操縦を」
マサト「で、できない。僕はあれに乗っている人を知っている。ゼオライマーで戦えば、あの人を殺してしまうかもしれない」
美久「敵なのよ」
マサト「だけど、知っている人間の女だ!」
美久「マサト君!」
鉄也「何をやっている! 戦えないのなら出るな! 邪魔なだけだ!」
ムウ「悪がその通りだ。戦えないってのはしかたないが、ならゼオライマーを下がらせてくれよ」
〔マサトからエネルギーの広がり〕
???(マサキ)「・・・戦えない? 誰が戦えないだと? ククククッ、ハハハハハハッ!」
美久「マサト・・・くん・・・?」
???(マサキ)「あいつらを片付ければいいんだろう。簡単じゃないか」
リョーコ「なんだよあいつ。いきなり言ってることが違うぞ。大丈夫かよ」
???(マサキ)「クククッ、八卦どもと、オモチャみたいな兵器か。相手にならん」
美久「マサト君、敵を誘導して! まだ街の人たちの避難が終わっていないわ!」
???(マサキ)「ハハハッ! その必要はない。むしろゴミのような人間たちのおかげで少しでも奴らの動きが鈍るなら好都合だ」
美久「マサト君!?」
比瑪「ちょっとあなた、なんてこと言うのよ!」
ルリ「・・・秋津さん、なんか性格豹変してます」
イネス「二重人格・・・かしらね、彼」
ユリカ「待って待って! そんなのダメ~!」
ナタル「やめないか秋津マサト! 貴様何を考えている!」
???(マサキ)「俺に命令するな!」
ナタル「なんだと?」
統夜「マサト、お前いったい・・・」
甲児「マサト、てめぇっ!」
健一「待て! それ以上進むのは許さないぞ!」
美久「お願い、やめてマサト君!」
???(マサキ)「人形の分際で俺に指図するのか?」
美久「ッ! マサト君、どうして・・・」
???(マサキ)「フン・・・まあいい。今奴らまで敵にしては少々面倒だからな。とりあえずあわせてやってもいい」
美久「・・・・」
ナタル「貴様、どういうつもりだ」
???(マサキ)「どうした。俺に気を取られているような余裕が、お前たちにあるのか。あわせてやると言っているんだぞ」
ナタル「く、貴様・・・」
マリュー「ナタル、いいわ。今は鉄甲龍の相手が先よ。とにかく、敵を街とは反対側へ誘導して戦うのよ。みんな、頼むわね」
<戦闘開始>

<敵8機以下・敵増援1出現>

〔敵ユニット出現〕
ズール「くくくくっ、愚かなり地球人ども。わざわざこのわしの前で地球人同士で戦ってくれるとは。見ておれハイネルめ。こやつらを倒したら次はお前の番だ」
サイ「ラミアス艦長、ボアザン軍です!」
マリュー「なんですって!?」
ナタル「こんな時に・・・」
健一「ボアザン軍め、また来たのか」
一平「返り討ちにしてやろうぜ」
豹馬「待てよ、なんでボアザン軍がバッタやカトンボを連れてるんだよ。あれはグラドス軍のだろ」
十三「確かに変やな」
ユリカ「まさか、ボアザン軍がグラドス軍と手を組んだってこと!?」
エイジ「いえ、ボアザン軍がそんなことをするとは思えません」
イネス「だとしたら、何らかの方法によってあの無人機をコントロールしているのね」
リョーコ「どっちだってやっかいなことには変わりないぜ」
※※まだシ・アエン&シ・タウ健在の場合、セリフ追加※※
シ・タウ「お姉様、あれは」
シ・アエン「異星人の軍か。ゼオライマーの始末をつけねばならぬというのに・・・」
シ・タウ「いいえ、これはチャンスよ。奴らが異星人どもに気を取られている間に、我らは天のゼオライマーと奴らを! 異星人どもはその上で叩けばよい!」
シ・アエン「・・・そうね。行くわよ、タウ!」
※※既にシ・タウ撃破、まだシ・アエン健在の場合、セリフ追加※※
シ・アエン「異星人の軍か。ゼオライマーの始末をつけねばならぬというのにやっかいな。いや・・・だがこれは好都合かもしれぬ。我らはまず天のゼオライマーを始末すればよいのだ。異星人の相手はその後ですればよいのだ」
※※既にシ・アエン撃破、まだシ・タウ健在の場合、セリフ追加※※
シ・タウ「異星人か。タイミングよく現れてくれた。奴らは異星人も相手にせねばならない。ならば私はその隙に天のゼオライマーを倒す! 異星人などその後で叩きつぶせばよい」

統夜「どうするんです艦長。相手が異星人だからって、あいつらが俺たちと戦うのをやめるわけがない」
ユリカ「しかたありません。どっちも相手にするしかないんです! みなさん、なんとか頑張ってください!」
アカツキ「ま、それしかないよねぇ」
ナタル「二正面作戦を強いられるとは。ボアザン軍め。迎撃しろ! 奴らに好きにさせるな!」

<統夜vsズール>
統夜「異星人め。お前たちなんかに負けてたまるか!」
ズール「ええい、邪魔な奴だ! さっさと奴を片付けてしまえ!」

<豹馬vsズール>
ちずる「豹馬、敵の母艦よ! 気をつけて!」
豹馬「来やがったなボアザン野郎め! てめぇは俺たちが沈めてやる! みんな、いいな!」
十三「おう、やったれや豹馬!」
大作「ガイコツ艦を叩き落とすたい!」
小介「いつでもいけますよ豹馬さん!」
ズール「超電磁のロボット化。ひひひっ、落ちてしまえ!」

<健一vsズール>
一平「健一、奴を逃がすな!」
健一「わかっている。みんな、いくぞ!」
めぐみ「ええ!」
日吉「まかせてお兄ちゃん!」
大次郎「チェストいけぇっ!」
健一「ボアザン星人め! このボルテスVが相手だ!」
ズール「ボルテスV! 邪魔な奴らめ。貴様たちはこのわしが自ら始末してくれるわ!」

<エイジvsズール>
エイジ「ボアザン星人・・・僕はこの地球を守ってみせる」
ズール「なにをしておる! あのロボットを叩き落とせ!」

<???vsシ・アエン>
シ・アエン「帝が見ていらっしゃる。天のゼオライマー、ここで確実に倒さなくては」
???(マサキ)「八卦か。ハハハハッ、その程度のロボットでこの俺に勝てるとでも思っているのか? 笑わせる」

<???vsシ・タウ>
シ・タウ「天のゼオライマーは、私が倒す! シ・タウが、1人で仕留めてみせる!」
???(マサキ)「クククッ、愚かな」

<ズール撃破>
ズール「な、なんだと!? ええい撤退じゃ! 撤退せよ! くそぅ、このままではわしの野望が・・・わしの角が。こうなったらやむを得ぬ。あの若造を始末せねばわしの未来はない」
〔敵ユニット離脱〕

<シ・アエン撃破orHP10%以下>

※※既にシ・タウ撃破の場合のセリフ※※
シ・アエン「バカな・・・火のブライストが破れるというのか。く・・・この屈辱、決して忘れぬ。次は必ず貴様たちを倒してみせる!」
※※まだシ・タウ健在の場合のセリフ※※
シ・アエン「バカな・・・火のブライストが敗れるというのか。まだだ、この程度で・・・」
シ・タウ「お姉様、どうやらそれ以上は無理のようね。ここはお退きなさい。後は私がやってみせる」
シ・アエン「・・・いいでしょう。タウ、まかせるわ。ゼオライマーを倒すのよ」
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

〔敵ユニット離脱〕

<シ・タウ撃破orHP10%以下>
※※既にシ・アエン撃破の場合のセリフ※※
シ・タウ「くっ、この水のガロウィンが・・・。私1人では無理だというのか? そんなはずはない、そんなはずは・・・。ここは退く。だが次は必ず、このシ・タウが天のゼオライマーを倒してみせる! 覚えておけ秋津マサトよ!」
※※まだシ・アエン健在の場合のセリフ※※
シ・タウ「くっ、この水のガロウィンが・・・」
シ・アエン「その様子ではもう無理ね。タウ、お前は下がりなさい」
シ・タウ「いらぬ心配だ!」
シ・アエン「タウ、ガロウィンを失いでもしたら帝にどう言い訳をするつもりなの。退きなさい!」
シ・タウ「・・・・」
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

〔敵ユニット離脱〕

<シ・アエン&シ・タウ撃破>
ルリ「八卦ロボ、敵アームスレイブ、撤退します」
マリュー「追撃する余裕はないわね」
ユリカ「ですね。みなさん、後はあっちだけです! 一気にやっちゃいましょう!」

<敵全滅・勝利条件達成>
ユリカ「今ので最後・・・かな?」
ルリ「ええ。敵、残存ありません。戦闘終了です」
マリュー「・・・ふう。鉄甲龍もボアザン軍も、どうやら引き上げてくれたようね」
ムウ「それにしてもまいったな。まさか両方を相手にすることになるとは。しかもグラドスの無人機つきとくる」
ユリカ「みなさ~ん、お疲れさまでしたぁ!」
ナタル「・・・秋津マサト。どういうつもりか聞かせてもらおう。返答次第では、お前も拘束する」
美久「マサト君・・・」
〔???(マサキ)へエネルギーの収束〕
マサト「うぅ・・・こ、ここは、ゼオライマーのコックピット? 美久、敵は、八卦ロボはどうしたんだ」
美久「え・・・? マサト君、どうしたの。鉄甲龍もボアザン軍も、もういないわ」
マサト「戦闘が終わった? ボアザン軍だって? くそっ、わからない。僕はいったい・・・」
ナタル「どういうことだ。貴様まさか、覚えていないとでもいうのか?」
マサト「まさか、またもう1人の僕が・・・」
エリナ「なによ、彼どうしちゃったわけ?」
イネス「やはり二重人格のようね」
ユリカ「え~と・・・とにかくみなさん、帰還してください。ヨコスカ基地に戻りましょう」
【戦闘マップ終了】

【シナリオエンドデモ開始】

〔カーソル、ヨコスカを指定〕

ナデシコ/格納庫
美久「・・・・」
マサト「美久・・・教えてくれ。僕は誰なんだ。僕はいったい何なんだ・・・」
美久「マサト君、あなたは疲れているのよ。大丈夫、少し休めばよくなるわ。このところ出撃が続いていたから、疲れているのよ」
甲児「お前、ホントに覚えてないのかよ」
マサト「はっきりとしないんだ。確かに、言われてみれば戦っていたような気がする。でもそれは・・・」
健一「君は街の人たちを巻き込んだ方が都合がいいとか、バジルール少尉に俺に命令するなとか言っていたんだぞ」
マサト「僕が、そんなことを・・・?」
一平「どうやら本当に覚えてないようだぜ」
豹馬「イネス先生が二重人格とかって言ってたな」
マサト「二重人格? どうなのか・・・なんとなく覚えているけど、自分が自分じゃないような感じで・・・」
Dボウイ「・・・・」
鉄也「無理をして戦わせたせいじゃないのか」
美久「そんな・・・」
統夜「とにかく、休んだらイネス先生に見てもらった方がいいよ」
マサト「・・・・」

地底城
ズール「申しわけございません、ハイネル様! なにとぞ、なにとぞお許しを!」
ジャンギャル「貴公、奴らを倒すといきまいておったわりには、成果があげられなかったようだな」
ハイネル「ド・ズールよ。覚悟はよいか。余自ら貴様の角を切り落としてくれる」
ズール「お、お待ちをハイネル様! 私めはハイネル様の忠実なしもべ。すべてハイネル様のためをと・・・」
ナイヘル「やめい。見苦しいぞズール。貴様もボアザン貴族の端くれであったのなら、覚悟を決めよ」
ズール「・・・ええい、死ねハイネル! 地獄落ちろ!」
〔剣が交わる音〕
ズール「あ・・・」
ハイネル「愚か者め。余がその腹のうちを読めぬとでも思うたか。この裏切り者め!」
ジャンギャル「ズール、死んでもらうぞ」

地底城
ジャンギャル「ズールの始末は終わりました、ハイネル様」
ハイネル「うむ、ジャンギャル、カザリーン。ズールは余を裏切り、ボアザン星人の誇りをも傷つけた。奴が用いたすべての物を焼き払い、この地底城から忌まわしき奴の痕跡をすべて消すのだ」
カザリーン「はい、ハイネル様」
ハイネル「それにしてもあの地球人どもめ。ズールとて後がないことは承知の上で戦ったにも関わらず、勝てぬか。やはり強いわ。地球攻略のためには、なんとしても奴らを倒さねばならぬ。どうやら余も本気でかからねばならぬようだな」

ヨコスカ基地/格納庫
ムウ「ひどいなこれは。おい、いったい何があった」
連合兵「は、はい大尉。それが、レイズナーが独りで動き出し格納庫を破壊、制止しようとしたM6を3機撃破しました」
カガリ「レイズナーが暴走したのか!?」
エイジ「まさか・・・どういうことです。レイズナーには僕のいない所では手を触れないでくれとあれほど言ったのに」
シモーヌ「あんたたちいったい何をしたの!」
連合兵「そ、それが、コルベット准将の命令で・・・」
ノアル「チッ、やっぱりあの野郎か」
甲児「エイジ、滑走路の向こうにレイズナーが降りたぞ!」
デビッド「どうするんだ」
アキト「無人とはいえ、レイズナーと戦うようなことになるのは嫌だな」
エイジ「僕が止めます」

ヨコスカ基地/格納庫
カティア「来たのね、エイジ。止まっているように見えるけど、いつ動き出すかわからないわ」
エイジ「わかっている」
フェステニア「何がどうなってんのさ」
統夜「なんでレイズナーが暴走なんて。止められるのか、エイジ」
宗介「勝手に動く兵器など、信用できん」
小介「たぶん“暴走”というのとは違うと思います。エイジさんの話を聞くかぎりでは、レイズナーには自己防衛機能が組み込まれているようですね。恐らく整備のフリをして、解析のためレイズナーを解体しようとしたのではないでしょうか」
豹馬「それでレイズナーの奴が怒ったってわけか?」
沙羅「ったく、あのハゲ親父。ろくなことしないね」
エイジ(火星でナデシコと出会う前・・・そしてゲイル先輩を撃破してしまった時。それから今。お前は何度も僕の命令なく勝手に動いた。レイ、今度は知らなかったとは言わせないぞ)「サガラ軍曹、僕に拳銃を貸してくれ」
リョーコ「拳銃だって?」
宗介「なんに使う気だ」
マオ「深刻な顔つきね。貸してやんなさい、ソースケ」
宗介「・・・これでいいか」
エイジ「ありがとう。何が起こるかわかりません。みなさん下がっていてください」
アキ「気をつけてね、エイジ」

ヨコスカ基地/格納庫
エイジ「レイ、僕だ。わかるか、エイジ・アスカだ。もう一台のコンピュータを呼び出せ。メモリーになくても、存在しているはずだ」
レイ「確認出来マセン。レイズナー搭載コンピュータハ本機ノミ」
エイジ「そんなことを聞いているのではない。早くもう一つのコンピュータを出せ」
レイ「確認出来マセン。レイズナー搭載コンピュータハ本機ノミ」
エイジ「お前がその気なら、僕にも覚悟がある。わかるかレイ。今僕はお前に向かって銃をかまえている。さぁでてきてもらう」
レイ「行動ヲ理解デキナイ」
エイジ「僕の声が聞こえているはずだ。レイを隠れみのに使うのはもうやめろ! もうお前の態度には我慢できない。このコックピットは僕の世界だ! それなのにお前は、僕の意思の外に存在する。呼びかけにも応じようとしない。答えろ!」
〔銃声〕
エイジ「答えなければ次はお前を撃つ!」
〔画面、システム起動〕
フォロン「まてエイジ。私に怒りを向けては困る。私をレイズナーに装備したのも、君をレイズナーに乗せたのも、すべて君の父の考えによるものだ」
エイジ「僕の・・・父さんが」
フォロン「そうだ。我が名はフォロン」
エイジ「なぜだ」
フォロン「平和を願う使者として地球へ送り出した君に、グラドスの重大な秘密を託したかったからだ」
エイジ「なんだそれは。重大な秘密とは」
フォロン「グラドスではトップクラスの少数の者だけが知る、グラドスの創世についてだ」
エイジ「グラドスの、創世・・・? フォロンと言ったな。どういうことだそれは。説明しろ」

????
アル=ヴァン(何度確認しても、システム自体に問題はない。だとすれば、やはり私のラフトクランズではなく外部に・・・あの機体に原因があるとしか考えられん。やはりあの方は、そのためにあれを・・・)
???「アル=ヴァン」
アル=ヴァン「シャナ=ミア様。このような所へおいでになるとは」
???「グ=ランドンが出撃を命じたと聞きました」
アル=ヴァン「はい。以前惑星表面の調査に出た際、ラースエイレムが作動しませんでした。その原因を探るためです」
???「かの者が、サイトロン感覚器の適応試験をした娘たちとともに、地球人に渡したというユニットのことですか」
アル=ヴァン「・・・はい。今にして思えば、あの方が最後まで戦われたのは、自らの機体を完全に破壊することで、ラースエイレムのコアシステムがあの機体の中に存在していないことを我らに気づかせぬためであったのかもしれません」
???「そもそもあの適応試験は、まだ方針の定まらぬうちに、わたしの許可なくあなた方騎士が始めたことでしたね。わたしも幼かったとはいえ、知ればやめさせたことでしょう」
アル=ヴァン「すべて我らに責のあることです。ですがあの方のことも、もはや取り返しのつくことではありませぬゆえ」
???「もしそのユニットがそうであるとしたら、どうするつもりです」
アル=ヴァン「破壊します。乗っているであろう実験体と、正体のわからぬパイロットとともに、確実に。でなければ我らの計画に大きな障害となるでしょう」
???「・・・そう、あなたならば、そうでしょうね」
アル=ヴァン「・・・シャナ=ミア様、何をご覧になったのです。それで私に会いにいらしたのでしょう」
???「・・・はっきりとしたことは言えません。ただ・・・あなたにとって、つらい役目となるでしょう」
アル=ヴァン「何が起ころうとも、問題ではありません。後戻りはできぬのです。この惑星圏の状況と、我らが民たちに残された時間を考えれば」
???「・・ときどき思うのです。我らは目覚めぬ方がよかったのではないかと」
アル=ヴァン「シャナ=ミア様」
???「・・・つまらぬことを言いましたね。アル=ヴァン、無理はせぬように。グ=ランドンは最近わたしを避けています。あなたまで失えば、わたしのことをわかってくれる者はもう誰もいなくなってしまいます」
アル=ヴァン「血塗られた道をゆくと決めた以上、民たちの目覚めを見るまでは死ねません。そのためにこそ、いまの私の生があるのです」
???「・・・・」
【シナリオエンドデモ終了】


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