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No.31
さだめの楔


サブタイトル
「さだめの楔」


【シナリオデモ開始】
〔カーソル、パラオ近海を指定〕

アークエンジェル/格納庫
〔警報〕
マードック「坊主に嬢ちゃん、急げよ。またザフトが来てるそうだ」
キラ「ザフトが?」
カガリ「あいつら、しつこいぞ。こっちは別にザフトと戦いに来たわけじゃないってのに」
ムウ「そうは言っても、ここはザフトの勢力圏に近いんだし、さっきの隊と一緒にこの辺りにきてた連中かもしれないからな。しかたないだろう」
カガリ「そんなことわかってる! 私はただ、無駄な戦いはしたくないだけだ」
キラ「・・・そうだね。僕もそう思うよ」
カガリ「・・・・」

トゥアハー・デ・ダナン/格納庫
マオ「またザフトが来てるって?」
クルツ「そうらしい。まったく勘弁してくれって感じだぜ。とりあえず近くの島で迎撃するってよ。って姐さん、大丈夫かよ」
マオ「この状況で、まさか寝直すってわけにもいかないでしょ。大丈夫よ。体の方はなんともないわ。ソースケ、あんたも戻ったばかりで大変ね」
宗介「問題ない」
〔扉の開閉音〕
かなめ「宗介」
宗介「千鳥・・・」
かなめ「また戦闘になるの?」
宗介「そうらしい。すまない、ナデシコに戻る時間がなかったな」
かなめ「そんなのいいよ。それより、出撃するなら気をつけてね」
宗介「了解だ」
クルツ「かなめちゃん、このバカはちゃんと謝ってくれたかい?」
かなめ「え? ああ・・・まぁ、一応はね」
宗介「千鳥・・・その、ついでだ。もしよかったら、このまましばらくダナンに乗艦していてくれないか。大佐殿許可はもらっておく」
かなめ「別にいいけど・・・。あたしもテッサと話がしたいし」
宗介「助かる。では、あとでな」
【シナリオデモ終了】

【戦闘マップ開始】

〔味方戦艦出現〕
〔味方ユニット出現〕

ユリカ「マリューさん、この辺りで迎撃しましょう!」
マリュー「多少はましってところね。了解です。テレサ・テスタロッサ・・・大佐。そちらはよろしいのですか」
テッサ「構いません。この艦は強襲揚陸作戦用ですし、アームスレイブも水中戦が得意なわけではありませんが、こちらもザフト軍に探知されています。それに、あなた方の戦力はよくわかっていますから。単艦で離脱するよりはこの方がよいと判断します」
マリュー「わかりました。よろしく頼みます」
〔敵ユニット出現〕
サイ「ザフト軍モビルスーツ隊、来ました!」
ナタル「ヤマト少尉、でられるな」
キラ「はい。キラ・ヤマト、ストライク、発進します」
ミリアリア「気をつけてね、キラ」
〔味方ユニット出現〕
ユリカ「こっちも発進、急いでください!
〈出撃準備〉
ナタル「いいか、艦の防衛が最優先だ。モビルスーツの接近を許すな」
<戦闘開始>

<敵15機以下>

ルリ「ザフト軍の第2波が接近中。注意してください」

<敵9機以下・敵増援1出現>
〔敵ユニット出現〕
イザーク「いたなストライクゥゥッ!!」
ニコル「・・・やっぱり、ナデシコとアークエンジェルの部隊に間違いなかったみたいですね」
アスラン「ああ・・・」
エリナ「なんて数よ」
カガリ「あれは・・・そんな・・・」
キラ「イージス・・・」(アスラン・・・また君と戦わなきゃならないのか)
アスラン(キラ・・・ストライクに乗っているのは、お前なんだろうな。それに、あのカガリもこの隊の所属のはず・・・。いるのか。あいつもここに・・・)
イザーク「フン、つまらん任務だと思っていたが、まさか奴らに当たるとはな! 俺はついている!」
ディアッカ「これはさっさとあいつらを沈めちゃえってことだよな」
イザーク「当然だ! ストライクを落とし、奴らを沈め、この傷の恨みを今日こそ晴らす!」
アスラン「ミゲルの弔い合戦だ。今日こそ足つきとナデシコを沈めるぞ」
ルリ「・・・あの4機がいますね」
ユリカ「うそ、またあの人たちなの!?」
リョーコ「それでこの数。あいつら、なにがなんでもアークエンジェルとナデシコを沈めようってつもりだな」
ルリ「恨まれてるから」
ジュン「ヘリオポリスにしかけてきたのは向こうなんだし、逆恨みなんだけどなぁ」
マリュー「・・・私たちにとっては、あれから始まったと言っていいわ。因縁の隊ね」
ムウ「ああ・・・けどあれはもうクルーゼ隊じゃないな。少なくともあの野郎はいない」
マリュー「え・・・?」
キラ「・・・・」
エイジ「キラ」
キラ「・・・わかってる。君はゲイルさんやお姉さんと戦った。ユウもお姉さんだけじゃなくて、みんな知っているリクレイマーたちと戦った」
エイジ「・・・戦いたかったわけじゃない。避けられるものなら、避けたかった」
キラ「それもわかってる。向こうが攻撃してくるなら・・・守らなきゃならいものがあるなら、しかたのないことなんだって」
勇「比瑪に聞いたよ。友達だったんだってな、あれのパイロット」
キラ「うん・・・でも、今は戦わなきゃならないから。こうなってしまったから・・・」
カガリ「お前・・・まさかザフトにいるお前の友達って・・・」
ナッキィ「おいおい。敵と知り合いの連中がこうも多いなんて、どういうんだよお前たち。面倒みきれないぜ」
統夜「お前が無理にあいつと戦うことはない。それもわかってるよな、キラ。前にナッキィが勇の姉さんと戦ったときに言ったことがある。姉弟同士で戦う苦しさからは俺が解放してやるって。なんの解決にもなっちゃいないけど、戦わなきゃならないなら、そこから逃げられないなら、それは俺たちが引き受ける」
デビッド「こうなっちまったからには自分がやらなきゃいけないって、こだわる気持ちもわかるけどな。でもできるだけやめとけよ、キラ」
キラ「・・・・」

<統夜vsアスラン>
統夜「イージス、お前とキラを戦わせるわけにはいかない。お前の相手は、俺がする!」
アスラン「ヘリオポリスでお前たちさえいなければ! お前たちさえいなければ、こうはならなかったかもしれないんだ! それを!」

<キラvsアスラン>
キラ「アスラン、どうして! 君が来るなら、僕は戦わなきゃならないのに!」
アスラン「それは俺のセリフだ、キラ。お前は俺たちと来ることも、ストライクを降りることもしなかった。俺たちと戦うことを選んだのは、お前なんだ! ミゲルもお前たちにやられた!」
キラ「アスラン!」

<キラvsイザーク>
イザーク「ストライクゥゥッ!! 貴様はこの俺が絶対に仕留めるッ! この傷の礼とミゲルの恨みだ! 今日こそ墜とすッ!!」
キラ「デュエルか! こんなところでやられるわけにはいかないんだ! 僕たちは!」

<カガリvsアスラン>
カガリ「お、お前! アスランなのか!?」
アスラン「この声・・・カガリ? そうか、そいつに乗っているのはお前なのか」
カガリ「やっぱり・・・。わ、私たちはザフトと戦いにきたんじゃない! なのにどうしてお前たちはしかけてくるんだ!」
アスラン「アークエンジェルとナデシコは、俺たちにとって脅威だ。沈めておかなくてはならない」
カガリ「けど!」
アスラン「・・・あの時とは違う。ここは戦場だ。戦場で敵として俺の前に出てくるなら、お前も墜とす」

<イザーク撃破(1回目)>
〔敵ユニット撃破〕
〔イザーク、変化〕


<イザーク撃破(2回目)>
イザーク「くそぉぉぉぉっ! また奴らを沈められなかったのか!? 撤退するッ!!」
〔敵ユニット離脱〕

<ディアッカ撃破>
ディアッカ「チッ。なんだよ、またやられちまったのか。これ以上はムリってか。引き上げるぜ!」
〔敵ユニット離脱〕

<ニコル撃破>
ニコル「しまった!? 機体のコントロールが・・・」
〔敵ユニット離脱〕

<アスラン撃破・勝利条件達成>
アスラン「くっ、まだだ、まだこの程度で!」
〔キラ、アスランへ隣接〕
キラ「アスランッ! もう下がれ、君たちの負けだ!」
アスラン「キラ、お前は!」
キラ「やめろアスラン。これ以上戦いたくない!」
アスラン「なにを今さら! 撃てばいいだろう! お前もそう言ったはずだ! お前も俺を撃つと、言ったはずだ! お前が撃たないなら、俺がお前を撃つ!!」
キラ「くっ・・・アスランッ!!」
※※既にニコル撃破の場合、セリフ追加※※
〔敵ユニット出現〕
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

ニコル「アスラン!? アスラン、下がって!」
〔ニコル、アスランへ隣接〕
キラ「え・・・?」
〔キラ、アスランへ攻撃〕
[イベント戦闘「キラvsアスラン」]
アスラン「あ・・・」
ニコル「アスラン、逃げ・・・」
アスラン「ニコルッ!?」
ニコル「母さん・・・僕の、ピアノ・・・」
〔敵ユニット撃破〕
アスラン「あ・・・あぁ・・・ニコルゥゥゥーッ!!」
※※まだディアッカ健在の場合、セリフ追加※※
ディアッカ「ニコル・・・? く・・・」
※※まだイザーク健在の場合、セリフ追加※※
イザーク「バカな・・・・。くそっ、ストライクゥゥゥゥゥーッ!!」

キラ「あ・・・」
ナタル「ヤマト少尉、なにをやっている!」
キラ「・・・退くんだ、アスラン。イージスはもう戦えないはずだ!」
※※まだイザーク&ディアッカ健在の場合、セリフ追加※※
イザーク「くそっくそっ! 貴様はァァァァーッ!!」
ディアッカ「よせイザーク! これ以上はムリだ。ここは下がれ! アスラン、お前もだ!」
※※まだディアッカ健在の場合、セリフ追加※※
ディアッカ「アスラン、これ以上はムリだ! ここは下がれ!」

アスラン「・・・・」
〔敵ユニット離脱〕
サイ「・・・ザフト軍、撤退しました」
マリュー「全機帰還させて。すぐにこの海域を離脱します」
ミリアリア「戦闘終了です。全機帰還してください」
キラ「・・・・」
ミリアリア「キラ、キア聞こえる? もう終わったわ。アークエンジェルに戻って。キラ」
デビッド「あいつ・・・」
ナタル「ようやく、奪われたXナンバーのうち1機を撃破できましたね」
マリュー「ええ・・・そうね」
【戦闘マップ終了】

【シナリオエンドデモ開始】

〔カーソル、パラオ近海を指定〕

アークエンジェル/格納庫
キラ「・・・・」
マードック「おつかれさん。例の奴を1機やったってな。よくやったぜ」
キラ「・・・・」
カガリ「キラ、お前・・・あっ、おいキラ!」
マードック「・・・ありゃどういうことです、少佐?」
ムウ「あいつも点かれてるってことさ。まったく・・・。君らも悪いな。見ての通り、話をするような気分じゃないらしい」
比瑪「あの子、大丈夫なんですか?」
デビッド「ブリッツのパイロットは、別にあいつの知り合いじゃなかったはずだけどな・・・」
エイジ「ああ・・・」
勇「違うよ、そういうことじゃない」
統夜「じゃ、なんだっていうんだ。確かにXナンバーを撃墜したのはあれが最初だけど、今までだってザフトのモビルスーツは・・・」
勇「あいつは、イージスってのを撃とうとしていた。もう1機はそこに飛び込んできただけだ。イージスのパイロットを助けようとして。モビルスーツを撃破したからってことじゃなく、友達だった奴を本気で撃とうとした自分、その友達を助けようとした奴を死なせてしまった自分が、ショックだったってことだ」
デビッド「そういうことか・・・」
ムウ「けどな。戦争をしてるんだ。敵である以上、撃たなければ撃たれる。迷えば自分の命とりになるだけだ。それはお前やエイジだってそうだ。相手は本気で攻撃してきているんだからな」
エイジ「・・・・」
勇「それは正しいよ。オレだってそれはわかっているし、キラもたぶんわかっている。でも少佐。あんたに、自分がよく知っている相手に銃口を向けて、自分の意思で撃とうとした奴の、嫌だと思っても撃たざるをえなくなってしまった奴の気持ちがわかるのか」
比瑪「勇・・・」
ムウ「そりゃ、わからんさ。けどな、しかたないだろう」
勇「それでも、しかたないですませたくないことはある。なんとかできるものなら、自分が危険になってもそうしたいってことはね。これは戦争だからどうって話じゃない。なんのために、なぜそうなってしまったのかってことなんだ」
デビッド「とは言ってもなぁ」
統夜「ああ・・・明確にすべきことが見えていて、覚悟してやってるエイジや勇はともかく、キラの奴はそうじゃないからな・・・」

アークエンジェル/居住区/通路
フレイ「あ、キラ」
キラ「フレイ・・・」
フレイ「・・・どうしたの」
キラ「・・・ごめん、ちょっと1人にしておいて」
フレイ「キラ・・・?」

アークエンジェル/居住区/個室
キラ「アスラン・・・」
トリィ「トリィ」
キラ「敵・・・。僕は、君の敵・・・? そうだね、アスラン・・・」

ナデシコ/ブリッジ
ユリカ「はい、わかりました。じゃそれはOKです」
〔モニターの開閉音〕
テッサ「ラミアス少佐にも話はしておきましたから、これからもよろしくお願いしますね。でも、今回は本当に助かりました」
ユリカ「ぜ~んぜん、なんてことないですよ。カリーニンさんから頼まれたことでもあるし、それに私たち仲間じゃないですか」
テッサ「仲間・・・?」
ユリカ「はい!」
テッサ「ふふっ、そうですね。そういうことになるんでしょうね、きっと」
ユリカ「あ、それでかなめちゃんたちはどうなるんですか?」
テッサ「サガラさんの希望もありましたので、とりあえず私たちの基地まできてもらいます。今回は彼女にもいろいろと迷惑をかけてしまったから」
ユリカ「基地ってどこなんですか?」
テッサ「さすがにそれは内緒です」

〔カーソル、パラオ近海を指定〕
ザフト潜水母艦/パイロット待機室
アスラン「・・・・」
イザーク「クソッ、クソクソクソクソクソクソックソーーーーッ!!」
〔衝撃音〕
ディアッカ「よせよイザーク」
イザーク「なぜだ!」
アスラン「・・・・」
イザーク「なぜあいつが死ななければならない! こんなところで! えぇっ!?」
アスラン「言いたければ言えばいいだろう! 俺のせいだと! 俺を助けようとしたせいであいつは死んだとッ!!」
ディアッカ「アスラン。イザークもやめろ。ここでお前らがやりあったって、しょうがないだろう。俺たちが討たなければならないのは、ストライクだ。アークエンジェルとナデシコの奴らだ!」
イザーク「わかっているそんなことはッ! ミゲルも奴らにやられたッ! 俺も傷をもらったッ! 次に奴らと戦うときには、必ずストライクを討つッ! 足つきもネルガルの戦艦も、必ず沈めるッ!」
〔扉の開閉音〕
ディアッカ「おい、待てよイザーク」
〔扉の開閉音〕
アスラン「ニコル・・・お前は言ったじゃないか。休暇がとれたらコンサートをやると。・・・くそ。くそぉぉぉぉーっ!」
〔衝撃音〕
アスラン「撃たれるのは俺の、俺のはずだった! ニコル・・・俺が宇宙であいつを撃てなかった俺の甘さが、お前を殺した! ・・・キラを討つ。今度こそ、必ず!」

〔カーソル、ヨコスカを指定〕
ヨコスカ基地/メディカルルーム
〔扉の開閉音〕
甲児「イネスさん」
美久「彼が気がついたって本当ですか?」
イネス「ええ、そこにいるわよ」
マサト「美久・・・」
美久「マサト君? ・・・マサト君なのね?」
マサト「僕は・・・マサトでもマサキでもない」
美久「マサト君」
マサト「わかった。わかってしまったんだよ。僕はどちらでもない。もうどちらにもなれはいないんだ」
統夜「ある程度は美久から聞いてたけど・・・どういうことなんだ」
マサト「僕は木原マサキのクローンだ。そしてゼオライマーにはマサキの全人格と記憶がインプットされていた。僕はそれを受けることで、木原マサキそのものになったはずだった。そう思っていたんだ」
豹馬「それがあの時の奴かよ」
マサト「だけど、消せなかったんだ。秋津マサトを。15年間平凡な少年として生きてきたもう1つの人格を。木原マサキの野望に引きずられ悲鳴をあげている愚かな少年が、ここに生きているんだ」
美久「マサト君・・・」
イネス「ま、いくらクローンとはいっても、人間の心をそうころころと入れ換えられるわけじゃなかったってことね。ブラック・テクノロジーを使う木原マサキといえども」
美久「・・・・」
マサト「僕は、誰なんだ・・・」
健一「しっかりしろ。お前は秋津マサトだ。そうだろう? 今自分でそう言ったじゃないか」
統夜「マサトとして生きてきた時間のすべてが、今お前の中にあるんだろ。ならお前はマサトじゃないか。少なくとも今の人格はマサキって奴じゃないはずだ」
フェステニア「うん。あの嫌~な性格した奴とは全然違うよ」
カティア「そうね」
メルア「はい」
甲児「そうだぜ。なら木原マサキって奴の記憶も持ってるってだけで、お前は秋津マサトなんだ。それでいいじゃないかよ」
マサト「・・・・」

〔カーソル、パラオ近海を指定〕
メリダ島/海岸の岩場
かなめ「宗介、ちゃんとテッサを慰めてあげた?」
宗介「話はした。大佐殿は、その・・・泣いておられたが」
かなめ「だと思った。あの子も本当はすごくつらいんだろうね。全部自分のミスだって思ってたみたいだし、あいつらにやられちゃった兵隊さんも・・・。でもそれを誰かに言うわけにはいかない立場なんだもんね。今回のことで、ちょっとそれがわかったわ」
宗介「・・・・」
かなめ「ま、それはそれとして。ここはなんなの?」
宗介「うむ、俺の秘密の釣りスポットだったのだが・・・どうもオルファン浮上で海が荒れている影響か、釣りができるような場所ではなくなってしまったようだな。残念だ」
かなめ「釣りって、もしかして今から釣りをしようなんて思ってたわけ? ヨコスカに送ってくれる飛行機が出るまでもうほとんど時間ないじゃない」
宗介「以前から機会があれば、君をここへ連れてきたいと思っていた。今回を逃せば次はいつになるかわからんのでな。だが、まぁ、確かに釣りは無理そうだ。いい景色でもなくなってしまった。とてもすばらしい景色で、ぜひ君にも見せたかったのだが」
かなめ「あたしに・・・?」
宗介「肯定だ」
かなめ「そ、そうなんだ・・・。で、でも釣りができたって、ほんのちょっとじゃなんにも釣れなかったんじゃない」
宗介「どうかな」
かなめ「え?」
宗介「君といると俺はなんでもできそうな気がする。短時間でとてつもない大物を釣ることも。おそろしい危険から逃れることも」
かなめ「・・・本当にそう思ってる?」
宗介「もちろんだ。君がいるから、今の俺がここにいる」
かなめ「・・・・」

〔カーソル、ヨコスカを指定〕
ヨコスカ基地/第2会議室
ノアル「これ以上はダメだ。俺たちは、いったん隊を離れさせてもらう」
ナタル「それは許可できないと言ったはずだ」
アキ「ですがDボウイが」
ナタル「解放が許可されるなら、連絡があるはずだ」
アキ「Dボウイがどういう扱いを受けているか、今どういう状況にいるのかさえあたしたちには知らされていません。いくら連合軍の決定で拘束されたとはいえ、彼はあたしたちの仲間なんですよ。あまりにひどすぎます」
ミリー「そうですよ。こんなの絶対おかしいです」
ナタル「だからといって、お前たちが行ってどうにかなるくらいなら、とうの昔になんらかの動きがあるはずだ」
マリュー「・・・そうね。私やミスマル艦長も、なにもしなかったわけではないのよ」
ユリカ「そうなんです。お父様も、解放は無理でもせめて身柄は外宇宙開発機構へ移すように手配するって言ってくれたんですけど、ダメだったみたいで・・・」
アキ「でも・・・」
ノアル「だったらとにかく、俺たちの本部に戻ってチーフにでも会うさ。チーフだって何も言ってこないんだからな。俺たちは散々連合に協力して戦ってきた。命令通りにほいほい出てってボアザン星人とも戦ったし、Dr.ヘルも叩いた。この程度は勝手にさせてもらうぜ、中尉さん」
ナタル「しかし、それは・・・」
マリュー「・・・・」
ルリ「コルベット准将は気づいてないみたいだけど、彼を連合軍基地に拘束するのは軍にとって危険なんじゃないかな」
ナタル「なに?」
ルリ「あ、気にしないでください。独り言ですから」
ユリカ「ルリちゃんてば、いじわるしないで教えてよぉ」
イネス「では代わりに私が説明しましょう」
カガリ「誰も頼んでないだろ」
イネス「ごほん。彼がラダムと関係があるのはすでにご存じの通り。ラダム獣に関しては、いまだに地上に降下してきては、迎撃を抜けて地上に降りたものがラダム樹へと変化しつづけている。では“テッカマン”と呼ばれる敵はどうか。今まで出現した2体、ダガーとエビルは、常にDボウイがいる所か、Dボウイと戦うために出現し、それ以外では私たちの前に現れたことはない。いまだ不明な彼らラダムの最終目的はともかく、その動きはラダム獣のそれとは明らかに違っている。現在の所、彼らは我々の方についた“テッカマン”を排除するためだけに行動している。そして、アキさんたちの証言から推測すれば、彼ら“テッカマン”たちは近づけばお互いの存在を感知できると考えられる。つまり・・・」
マリュー「Dボウイを狙ったテッカマンが、軍の基地を直接襲撃する可能性があると?」
イネス「というよりも、まず間違いなくいずれ襲われるでしょうね。今まで襲われなかったのが不思議なくりあ。Dボウイが暴走状態から元に戻ったことを知らなかっただけなんじゃないかしら。今ごろ探していても不思議ではないわ」
ナタル「なるほどな。わかった。レポートを提出してもらいたい。提督か准将の方で適切な処置をされるだろう」
アキ「それでは時間がかかりすぎます!」
ユリカ「あっ!」
沙羅「いきなりなにさ。変な声あげて」
ジョルジュ「どうかされたのですか?」
ユリカ「そういえば私、フリーマンさんに頼まれてたの忘れてました。エイジくんとレイズナーを外宇宙開発機構へ連れてきてほしいって」
エイジ「フリーマンさんが、僕を?」
ユリカ「うん。テッカマン襲撃の可能性があるし、エイジくんのこともあるから、ここはナデシコで北米に向かいましょう!」
ノアル「そいつはありがたいな」
アカツキ「やれやれ、唐突だねぇ。ま、いつものことだが」
エリナ「ちょっと待ちなさい艦長」
マリュー「・・・いいわ、それでいきましょう。仮にDボウイが解放されなくとも、彼を移送するまでの間ラダムの襲撃にそなえるのも大事だわ」
ユリカ「はい!」
ナタル「ですが・・・」
マリュー「私たちにはそうするだけの権限は与えられています」
アキ「マリューさん・・・」

〔カーソル、ヨコスカを指定〕
ヨコスカ基地/第2会議室
ナンガ「で、結局ナデシコは北米へ向かうってことか」
鉄也「そうらしいな」
デビッド「エイジが行くなら、当然俺たちも行きますよ」
比瑪「わたしたちは?」
ラッセ「司令が戻り次第、俺たちはノヴィスに戻ることになってる。アークエンジェルが残っているなら、俺たちも居残りさ」
比瑪「そっか」
ちずる「私たちも残るわよ。豹馬の腕が大丈夫か、一度検査してもらう予定だから」
健一「・・・俺も浜口博士と相談しておきたいことがある。こっちも居残りだ」
甲児「統夜、お前はどうするんだ?」
統夜「そうだな・・・」
フェステニア「統夜、アタシDボウイを助けに行きたい。行こうよ」
残留する
北米へ向かう

≪「残留する」を選択≫

統夜「マサトのこともあるし、俺はこっちに残るよ」
フェステニア「そっか。マサトと美久もいろいろアレだもんね・・・」

≪「北米へ向かう」を選択≫
統夜「そうだな。俺も彼のことは気になるし・・・ナデシコと一緒に行くか」
フェステニア「じゃ、決まり!」

〔カーソル、ヨコスカを指定〕
ヨコスカドック
かなめ「あ、ルリちゃん、宗介は? あたしどうすればいいの全然わからないんで・・・なに?」
ルリ「あなたも、あの人と同じなんですね」
かなめ「あの人?」
ルリ「テスタロッサ大佐です」
かなめ「ああ・・・なんかねぇ、そうみたい」
ルリ「かなめさんたちは、どうしてあんなことができるんですか?」
かなめ「うーん、あたしもよくわかんないんだけどね。でもこないだみたいなのは普段は無理よ。あれはダナンのTAROSがあったからでね。それでダナンのシステムとシンクロしてたんだけど、あたしが知ってるTAROSはダナンとアーバレストのものしかないし、アーバレストのは宗介がラムダ・ドライバを駆動させる以外には使えない。あたしやテッサはTAROSを介さなくちゃオムニ・スフィアには・・・」
ルリ「・・・・」
かなめ「あ・・・ごめん。はは、あたしわけわかんないこと言ってるよね」
ルリ「いえ・・・」
かなめ「ほんと、まいっちゃうわ。今のは忘れて。とにかく、あれはあれっきりってこと。ルリちゃんみたいに自在にシステムを操るなんてできないってわけ」
ルリ「・・・そうですか」
かなめ「なによぅ。そんな残念そうな顔しなくたっていいじゃない。あ、そういえばさ、あれみんなには黙っててくれたんでしょ」
ルリ「ええ・・・一応、その方がいいかと思って」
かなめ「ありがとう。あれはあたしたちだけの秘密にしといてね? 今度ナデシコの厨房借りて、なにか作ってあげるから。なにが好き?」
ルリ「・・・かなめさんが学校に行っていた頃食べていたものがいいな」
かなめ「そんなのでいいの? そりゃそのくらいならチャッチャと作れるけど」
ルリ「私、普通の家で普通の生活をしていたことってないんです。だから・・・」
かなめ「わかった。そういうことなら、うんと腕をふるっちゃうわよ。まっかせといて!」
ルリ「・・・なんか楽しみです」
【シナリオエンドデモ終了】


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