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No.15B-2
哀しみの飛翔・後編

【シナリオデモ開始】
アルヴィス/医務室
〔爆発音〕
〔画面、振動〕

翔子(…いったい何が起こっているの? とりあえず起きなきゃ…)「通信用のモニター…? これで外の様子がわかるかも…」
〔モニターの開く音〕
フェストゥム「………」
翔子「こ、これが…この化け物がフェストゥムなの…?」
〔爆発音〕
〔画面、振動〕

翔子「や、やめて、お願い…。一騎君の島を…壊さないで!」

アルヴィス/パーシバル・ルーム
弓子「45ブロック、地上に被害拡大!」
真壁「防衛態勢強化! 奴の動きを止めろ!」
澄美「敵、アルヴィスの装甲外壁に到達!」
弓子「B1、45ブロック被弾!」
彩乃「目標、さらに直下に向けて攻撃を繰り返しています!」
真壁「そうか! フェストゥムの目的はワルキューレの岩戸か!」
彩乃「ワルキューレの岩戸、専用防壁を作動させました!」
弓子「地表の防御システムは壊滅! スフィンクスの侵攻、止められません!」
真壁「どうする…どうすればいい…!」
〔爆発音〕
〔画面、振動〕


アルヴィス/ファフナーブルク
翔子「戦わなきゃ…。一騎君と約束したんだもの…」
〔自動扉の開閉音〕
容子「翔子!」
翔子「お母さん…」
容子「どうしてあなたがファフナーブルクに?」
翔子「…私、ファフナーに乗るの」
容子「あなたがファフナーに? 馬鹿言わないで! いったいどういうつもりなの!」
翔子「私、あいつと…フェストゥムと戦うわ!」
容子「な、何を言ってるの、翔子!」
翔子「私だって、この島を守りたい!」
容子「島のために、あなたが危険を冒す事なんてないわ!」
翔子「島のためじゃないわ! 一騎君のためよ!」
容子「翔子! あなたは体が弱いのよ!? ファフナーの操縦なんて無理なのよ!」
翔子「…私、生まれた時から戦う事が決まってたんでしょう?」
容子「えっ?」
翔子「私だけじゃない。一騎君も、真矢も、春日井君も…みんな戦うために育てられたんでしょう!?」
容子「しょ、翔子…」
翔子「どうせ戦うなら、自分の意志で戦いたい。それくらい、許されるでしょう? あなたの…本当の子供じゃないんだから!」
容子「…………」
翔子「一騎君と約束したのよ。この島を守るって。私、約束を守りたい!」
容子「翔子…」
翔子「私、行きます!」
【シナリオデモ終了】


サブタイトル
「哀しみの飛翔・後編」


【戦闘マップ開始】
〔敵ユニット出現〕
〔味方ユニット出現〕
〔通信のコール音〕
〔モニターの開く音〕

真壁「なにっ? マークゼクスだと!? 出撃命令を出していないぞ! 搭乗者は誰だ!?」
容子「お願い! 翔子を止めて、皆城君!」
総士「…島を守るのが、僕らの任務です」「…それにマークゼクスのパイロットは羽佐間翔子が一番適している。それはご承知でしたよね。羽佐間先生…」
容子「そ、それは…」
総士「島を守れ、羽佐間!」
翔子「ありがとう。皆城君…」
<戦闘開始>

<2PP>

由紀恵「あれはマークゼクス! パイロットは誰なの!?」
衛「誰なのって…先生の方が知ってるんじゃないんですか?」
由紀恵「今、シナジェティック・コードが形成出来ているのは、あなた達以外にいないのよ。他に誰がいると…」「…はっ!?」
甲洋「まさか…!」
剣司「羽佐間は医務室にいるんじゃないのかよ?」
由紀恵「きっと抜け出したんだわ…」
衛「でも、羽佐間って体が弱いんじゃ…」
由紀恵「シナジェティック・コードが形成できれば、病人でもファフナーの操縦はできるわ」
甲洋「それじゃあれは羽佐間が!?」
真矢「本当に翔子なの? 翔子が乗っているの!?」
フェストゥム「『あなたは そこにいますうか?』」
翔子「一騎君の島から、出て行けーっ! うわあああっ!」

<翔子が戦闘>
翔子「一騎君の島は私が守ってみせる! あなた達の勝手にはさせない!」

<スフィンクスC型種撃破or翔子HP30%以下or3PP・味方援軍1&敵増援1出現>
※※スフィンクスC型種撃破の場合、セリフ追加※※
〔ワームスフィア現象〕
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

翔子「はあっ、はあっ…」
総士「脳波に乱れが生じている…。無理をするな、羽佐間!」
翔子「うああああっ!」
総士「無理だ、羽佐間! やめろ!」
〔衝撃音〕
総士「何をする気だ、羽佐間!」
翔子「皆城君…。私、フェンリルを使う!」
総士「羽佐間、お前…」
翔子「これ以上戦っても勝ち目はないわ。だから自爆して、こいつを倒す…!」「一騎君。あなたの島は私が守るから…。フェンリル、起動…!」
総士「…………」
〔味方ユニット出現〕
一騎「あれはファフナー!? 誰が乗っているんだ! 総士!」
総士「…羽佐間が乗っている」
一騎「翔子が?」
翔子「一騎君!?」
一騎「翔子! どうなってるんだ、いったい!」
総士「近づくな、一騎。マークゼクスはフェンリルを作動させた…」
一騎「フェンリルって…! 自爆用の気化爆弾じゃないか!」「何でそんな物を! 馬鹿な真似はよせ、翔子!」
翔子「一騎君…。私、あなたとの約束、守るからね…」
一騎「翔子!」
翔子「お母さん。あんな事言ってごめんね…。一騎君…さよなら…」
〔敵ユニット離脱〕
〔味方ユニット離脱〕
〔画面、爆発〕

一騎「翔子ーっ!!」
総士「…………」
由紀恵「あれは…フェンリル!」
甲洋「は、羽佐間…」
真矢「嘘でしょ? 嘘だよね…翔子…!」
由紀恵「貴重なマークゼクスを…! なんて事をしてくれたの、羽佐間翔子は!」
一騎「うわああああっ!」
〔敵ユニット出現〕
総士「フェストゥム! それに擬態獣も!」
一騎「フェストゥム! よくも翔子を…! 許さないぞ!」
総士「落ち着け、一騎。精神が乱れているぞ。平常心を保つんだ!」
一騎「この状況で保てると思うか!」
〔味方戦艦出現〕
〔味方ユニット出現〕

ミスト「見ろ! またフェストゥムと擬態獣がいるぞ!」
ダイヤ「ったく、何度も何度もしつこい連中だぜ!」
総士「大空魔竜、一騎のフォローを頼む。今の一騎の精神状態ではこれだけの数の敵には勝てない!」
ガリス「わかった。総員、ファフナーを援護しつつ、敵を撃退するんだ!」
〈出撃準備〉
※※ルウ出撃の場合、セリフ追加※※
ディック(ルウ…また出たのか)
ゴオ「何をしてる、ルウ!? お前は出るんじゃない!!」
ルウ「もう同じミスはしないわ…! それに、仇討ちだって忘れてみせる…!」
ゴオ「そういう問題じゃない! 大空魔竜、コスモダイバーを回収してくれ!」
ガリス「ルル!」
ルル「ダメです! さっきの強行突破がたたって、回収用のアームが作動しません!」
ゴオ「くそっ! ルウ、大空魔竜に着艦しろ!」
ルウ「戦わせて。お願い…!」
ゴオ「なっ…! ルウ!」
杏奈「あたし達でフォローしよう、ゴオちん!」
ゴオ「わかった!」「ルウの奴…本当に仇討ちを忘れられるのか…?」

ミスト「シェルディア! 俺達でファフナーのパイロットをサポートするぞ!」「いつでもカバーに入れるように目を離すなよ!」
シェルディア「そんな事はわかってるよ! ボクはボクの意志で戦うの! 指図しないで!」
ミスト(いつまで怒ってるんだ、あいつ…)
一騎「翔子…どうして自爆なんかしたんだ!」
総士「羽佐間は、お前の島を守ると言っていた。お前との約束だと…。何か心当たりがあるか?」
一騎「や、約束…? 島を守る…? まさか翔子、俺のために…? そ、そんな…! うおおおーっ!」

<一騎が戦闘>
一騎「翔子…。お前は俺との約束のために…!」
総士「一騎! 羽佐間の事は今は忘れろ! 敵を目の前にして集中力を途切れさせるのは命取りだぞ!」
一騎「くっ…!」

<シェルディアが戦闘>
シェルディア「あーイライラする! 何だよ、人の気も知らないで…!」「ミストのくせに生意気だ!」

<ミストvsフェストゥム>
ミスト「フェストゥムが頭脳戦を仕掛けてくるようになったら、戦い方を大きく変えなきゃいけない…!」「今の俺達のチームワークで対応しきれるのか…?」

<ルウvs擬態獣>
ルウ「…擬態獣…お父さんの仇…!!」
ゴオ「よせ、ルウ! お前は擬態獣と戦うな! 仇討ちは忘れるんじゃなかったのか!」
ルウ「わああああっ!!」
ゴオ「ちいっ! 擬態獣を目の前にして頭に血が上っちまってるか!」

<敵全滅・勝利条件達成>
一騎「翔子…。俺があんな約束をしたばっかりに…お前は…!」
〔ソロモンの予言〕
総士「一騎! ソロモンの予言だ! 新手のフェストゥムが来るぞ!」
一騎「…え?」
〔敵ユニット出現〕
一騎「ま、まだいるのか…?」
総士「しまった! 一騎の集中力が途切れている! 今攻撃されたらまずい!」
フェストゥム「『あなたは そこにいますか?』」
一騎「くそっ! 体が重い! ファフナーが動かない!」
ミスト「危ないっ!」
〔ミスト、一騎へ隣接〕
〔スフィンクスA型種、一騎へ攻撃〕

[イベント戦闘「一騎vsスフィンクスA型種」]
シェルディア「ああっ!」
ダイヤ「ミスト!」
ミスト「ファ、ファフナー…無事か…?」
一騎「あ、ああ。俺は無事だ。それより君は!?」
ミスト「あまりよくない。今の攻撃で、動力系のモジュールを丸ごと持って行かれた…!」
総士「一騎! そのロボットと一緒にそこから離れるんだ! フェストゥムがまた来るぞ!」
一騎「くそっ…! 動いてくれ…! ファフナー!」
ミスト「くっ…!」
シェルディア「ミスト!」
〔シェッルディア、ミストへ隣接〕
〔スフィンクスA型種、ミストへ攻撃〕

[イベント戦闘「ミストvsスフィンクスA型種」]
シェルディア「きゃあーっ!」
ミスト「シェルディア! 大丈夫か!」
シェルディア「助ける気なんかなかったのに…思わず体が動いちゃったよ…」
ミスト「シェルディア、お前…」
シェルディア「ミストはボクが守る…! 命に代えても…!」
ミスト「馬鹿野郎! そういうのは男のセリフだろ!」
シェルディア「勉強不足だな、ミストは…。もうそういうのは時代遅れなんだってさ…!」
ミスト「お前…」
ダイヤ「ふたりとも! 大丈夫か!?」
ミスト「俺は大丈夫だが、機体が動かない! シェルディア! セリウスIIは動けるか?」
シェルディア「何とか大丈夫! レヴリアスとファフナーを安全な所まで運ぶよ!」
一騎「ダメだ! フェストゥムがまた来る!」
フェストゥム「『あなたは そこにいますか?』」
シェルディア「もう! なんてしつこいの…!」
〔ワームスフィア現象〕
〔敵ユニット撃破〕

シェルディア「えっ? ボク、何もしてないのに…」
ゴオ「フェストゥムが突然消滅したぞ…」
???(ミョルニア)「…………」
剣児「見ろ、あそこ! 島の上にフェストゥムがいるぞ!」
???(ミョルニア)「…………」
つばき「私、見ました! あのフェストゥムが、フェストゥムを攻撃したんです!」
総士「馬鹿な! フェストゥムがフェストゥムを!?」
???(ミョルニア)「…………」
〔???(ミョルニア)がいる地点にユニット離脱のエフェクト〕
ゴオ「消えた!?」
一騎「どういう事だ、総士!」
総士「僕にもわからない。フェストゥムは全てを同化して、一つになろうとする生命体のはず…」「それがなぜ殺し合うような事を…」
シェルディア「そんな事より、基地に戻ろうよ! 早くレヴリアスを修理しなきゃヤバいよ!」
ガリス「真壁司令、アルヴィスへの着艦許可を…!」
〔モニターの開く音〕
真壁「了解した。今、ゲートを開ける」
ガリス「シェルディア、ひと足先にレヴリアスを運び込むんだ!」
シェルディア「ありがとう、キャプテン! ミスト、行くよ!」
ミスト「ああ…。ありがとうシェルディア」
〔味方ユニット離脱〕
ガリス「大空魔竜もアルヴィスへ戻る。もう一度、修理と整備のやり直しだ」
ゴオ「…了解」
一騎(…この勝利は、翔子がくれた物だ。もし翔子がいなかったら、竜宮島はやられていたかもしれない…)
総士「だが羽佐間は、貴重なファフナーを自爆させた。たとえそれで勝てたとしても彼女の行為は許される物ではない」
一騎「そ、総士! 俺の頭の中を覗くな!」
総士「ジークフリード・システムは、僕とお前の脳が一つになるんだ…」「ひとりで考え事をしたければ、ファフナーを降りてからにしろ」
一騎「…わかった」
総士「とにかく今はアルヴィスに戻ってこい。消えたフェストゥムの事も気がかりだ…」
【戦闘マップ終了】

【シナリオエンドデモ開始】

アルヴィス/パーシバル・ルーム
真壁「馬鹿な。フェストゥムがフェストゥムを攻撃したと言うのか?」
総士「僕も信じられませんが、大空魔竜のパイロット数名が目撃しています」
つばき「私、確かに見たんです! フェストゥムがフェストゥムを攻撃した所を!」
弓子「確かに珠城さんが指摘した地点に数十秒間ですが、フェストゥムがいたという記録が残っています」
真壁「そのフェストゥムはどこへ?」
つばき「わかりません。すぐに消えてしまったので…」
溝口「どこかに隠れて俺達を狙ってるんじゃないだろうな?」
ダイヤ「おっかない事言わないでよ。同化されるのなんて、まっぴらだぜ」
真壁「…フェストゥムが潜伏している可能性もないとは言い切れん。ソロモンの監視を厳重に頼む」
弓子「わかりました」
総士「フェストゥムが同士討ちをする…いったいどうしてなんだ…」
鏡「フェストゥムに、何かしらの変化が起こっているという事じゃないのか?」「この世界に、変わらない物などありはしないのだからな…」
総士「それはそうですが…」
溝口「フェストゥムが仲間割れしてるんだとすりゃあ、俺達にもつけいるスキがあるかもな」
真壁「…だといいが…」
〔扉の開閉音〕
???(乙姫)「みんな。そんなに悲しまないで…翔子は後悔なんかしてなかったよ…」
総士「つ…乙姫! いったい、いつ目覚めたんだ?」
乙姫「…ついさっきよ。竜宮島を襲ったとっても強い力と、竜宮島を包んだとっても大きな悲しみ…」「そして、とっても懐かしい人が竜宮島にやって来るのを感じたから…」
総士「懐かしい人…?」
乙姫「…もう帰ってしまったわ。でもまたきっと来るわ…」
光司「いったい何の話をしてるんだ、この子は…?」
杏奈(ひょっとして不思議ちゃん…?)
つばき「ねえねえ、あなたも乙姫ちゃんって言うの?」
乙姫「うん、私は皆城乙姫。おとひめって書いて、つばきって読むの」
つばき「私は珠城つばき。ひらがなで、つばきよ。よろしくね、乙姫ちゃん」
乙姫「珠城つばきと皆城乙姫…そっくりな名前だね!」
つばき「うん!」
乙姫「仲良くしようね、つばき!」
つばき「えっ? そ、そうね…」(いきなり呼び捨てなの…? 別にいいけど…)
カガリ「そういえば、総士も皆城って名字じゃなかったか?」
総士「ええ。乙姫は僕の妹です」
ダイヤ「妹か! 言われてみれば、何となく似てるよな」
総士「そ、そうかな…」
乙姫「ねえ、総士…」
総士「何だ?」
乙姫「一騎の所に行ってあげて…。すごく悲しんでいるから…」
総士「僕が行っても、どうにもならないと思うが…?」
乙姫「このままじゃ、一騎の心がつぶれてしまうわ」
総士「…………」
乙姫「総士が行って、話を聞いてあげて」
総士「…わかった。様子を見てこよう。パイロットの精神状態に気を配るのも僕の役目だからな…」
乙姫「うん!」
〔扉の開閉音〕
ゴオ「さてと…俺達はそろそろ大空魔竜に戻るとするか…」「そろそろ発進準備ができてるはずだ」
剣児「竜宮島のフェストゥムもいなくなったし、ダンナーベースでアークエンジェルと合流しようぜ!」
ダイヤ「賛成! 早く日本の土を踏みたいぜ!」
杏奈「忍っちが首を長~くして待ってるしね!」
乙姫「なあんだ、みんなもう行っちゃうの? せっかくお友達になれたのに…」
つばき「ごめんね、乙姫ちゃん」
ジョシュア「そういえば、ミストさん達はいいんですか?」
ゴオ「おっと、いかん。忘れる所だった!」
ダイヤ「医務室で治療を受けてるはずだから、迎えに行こうよ!」
剣児「そうだな。じゃあ、行こうぜ!」
ゴオ「それでは、真壁司令、失礼します!」
真壁「君達の協力には心から感謝している。いろいろありがとう」

アルヴィス/医務室
〔扉の開閉音〕
千鶴「あら、皆城君」
総士「一騎はどうです…?」
千鶴「前回同様、特に異常はなかったわ。ただ、精神的なショックが大きいみたいで…」
総士「…………」
千鶴「真矢も、相当ショックを受けてたわ」
総士「そうですか…。一騎はどこに?」
千鶴「隣の部屋で横になってるわ」
〔扉の開閉音〕
ミスト「…もう大丈夫だってば! そろそろ起きなきゃみんなに迷惑がかかるだろ」
シェルディア「まだ無理だって! おとなしく寝てなきゃダメだよ!」
千鶴「どうしたの、騒がしいわね。ここは医務室なのよ?」
シェルディア「先生! ミストがもう起きるって言い張ってるんだ! 寝てなきゃダメなんでしょ?」
千鶴「ミスト君なら、寝てなくても平気よ? 軽い打ち身だけだから」
ミスト「ほら見ろ」
シェルディア「でも、すっごく顔色が悪いし…」
千鶴「顔色が悪いのは、生活が不規則なせいか、ちゃんと食事をしてないからよ…」「今日の戦闘とは関係ないわ」
シェルディア「ええっ! そうなの?」
千鶴「どんなに若くても、ちゃんと栄養をとってないと、いざと言う時に力が出せないわよ?」
シェルディア「わかりました! ミストの食生活は、ボクが責任をもって面倒見ます!」「今日からボクが、栄養バランスを考えてご飯を作ってあげるね!」
ミスト「い、いいよ…。メシくらい自分で食うから…」
シェルディア「ダメ! 1日3食、せっかく作ってあげるんだからしっかり食べる事!」
ミスト「余計なお世話だよ…」
〔扉の開閉音〕
ピュリア「おいおい、余計なお世話だなんて言ったらバチが当たるぜ、ミスト」
リー「チッチッチ…。甘いな、ピュリア。あのニヤけた顔を見ろよ」「本気で余計なお世話だなんて思ってるわけないだろ?」
ピュリア「あ、ほんとだ…。幸せそうな顔してやがるぜ」
ミスト「そ、そんな事ありませんよ!」
千鶴「ちょっと、あなた達! 医務室で騒ぐんじゃありません!」「それにここには、友達を亡くして悲しんでいる人もいるのよ。自重しなさい!」
杏奈「えっ?」
ゴオ「誰が犠牲になったんですか…?」
総士「君達が竜宮島へ戻ってくる直前、マークザインのパイロット、羽佐間翔子が自爆をして命を落とした…」「僕と一騎、それに仲間達の目の前でね…」
剣児「じ、自爆…!?」
静流「そんな事があったなんて…」
杏奈「ご、ごめんなさい! 私達、そんな事も知らないで…」
〔扉の開閉音〕
一騎「…………」
千鶴「一騎君! もう起きて大丈夫なの?」
一騎「ええ。…それに、こんなに騒がしくちゃ落ち着いて考え事もできませんから…」
つばき「騒がしくしてごめんなさい。悪気はなかったの。事情を知らなかったから、つい…」
一騎「気にしないで下さい。俺達の悲しみが、よそ者のあなた達にわかるはずありませんから…」
つばき「そ、そんな…」
光司「おい! そりゃあ騒いだのは悪かったけど、そういう嫌味な事を…」
ゴオ「よせ、光司。悪いのは俺達なんだ」
光司「…オ、オッケー…」
総士「一騎…」
一騎「総士か…」
総士「考え事というのは羽佐間の事か…?」
一騎「当たり前だろう。翔子は俺との約束を守るために死んだんだぞ?」
総士「約束? それはお前と羽佐間が勝手に交わした無意味な物だ」「そんな物のために貴重なファフナーを1機失ったんだぞ?」
一騎「総士! お前、翔子の命とファフナーとどっちが大切なんだ!?」
総士「…決まっているだろう」
〔扉の開閉音〕
甲洋「一騎! こんな所にいたのか!」
一騎「甲洋!」
甲洋「どうして翔子を見殺しにした! お前なら助けられたはずだ! お前はファフナーに乗っていたじゃないか!」
一騎「そ、それは…」
総士「あの状況では無理だった。一騎が島に着いた時、既にフェンリルのスイッチが入っていた!」
甲洋「でも何かできたはずだ! 自分達だけ生き残って、それでいいのか!」「無理だったなんて、そんなんで納得しろってのか!」
一騎「甲洋…」
甲洋「翔子は苦しんで、苦しんで死んだんだ! なのに俺達だけ生き残って…うっ、ううっ…」
総士「…………」
ゴオ(俺もそうだった…。5年前、ミラの自爆のおかげで俺は擬態獣に勝利する事ができた…)(あのファフナーのパイロット、俺みたいにならなきゃいいが…)(…ミラ…)
杏奈(ゴオちん、何だかすごくつらそうな顔をしてる…)
甲洋「俺は…俺はお前達を絶対に許さないからな!」
〔扉の開閉音〕
一騎「甲洋…」
総士「一騎…。羽佐間の事をすぐに忘れろとは言わない。だが、引きずるな」「心の迷い、精神の乱れはファフナーの動きを鈍らせる…」
一騎「総士…お前は結局、ファフナーが最優先なんだな…」
〔扉の開閉音〕
総士(乙姫…。やはり僕が来てもどうにもならなかったようだ…)
ダイヤ(ねえ、リーさん。何だか、ものすごく重い空気だね…)
リー(仲間がひとり死んだんだ…。明るくなれって方が無理さ…)
ダイヤ(そ、そういう事じゃないんだ。悲しいとか、そんな雰囲気じゃなくって…)
ゴオ「こら、お前達! ヒソヒソ話をしてるんじゃない! …大空魔竜に戻るぞ!」
ダイヤ「は、はい!」
リー(大切な人の死ってのは、心に大きな傷を残すもんだ…)(あの少年達は、かつての俺みたいにトラウマを引きずっちまうか…)(それとも、ヴァンさんみたいな復讐者になるのか…)(…俺としちゃ、どっちにもなって欲しくないんだけどねぇ…)
ミスト「それじゃ遠見先生、俺達はこれで失礼します。お世話になりました」
千鶴「お大事に。あまり無理をしちゃ駄目よ」
ミスト「はい」

大空魔竜/ブリッジ
ローサ「キャプテン。このまま竜宮島を後にしてもいいのですか? またフェストゥムに襲撃されるのでは…?」
ガリス「我々にもやるべき事がある。いつまでも竜宮島にとどまっているわけにもいかないだろう…」
サコン「真壁司令にお話を聞いたんですが、連合軍にファフナーの技術を提供する見返りとして…」「偽装鏡面の遮蔽性能を向上させるデータを送ってもらったそうです」「私も見させてもらいましたが、あれを使えば、当分、フェストゥムに発見される心配はないでしょう」「仮にフェストゥムが、学習する知恵を持っていたとしてもね…」
ガリス「先生がそう言うなら、心配ないだろうな…」
サコン「ヴェル・シールドの強度をアップさせるデータも一緒に送ってもらったそうですから…」「真壁司令が心変わりして連合軍への協力を拒まない限り…」「フェストゥムに対する脅威はかなり軽減されるでしょうね」
ローサ「竜宮島の事は真壁司令にお任せしておけば、問題ないという事ですね…」
ガリス「そういう事だ。さあ、出発しよう。今度こそダンナーベースへ戻らなくてはな…」
ダイヤ「防衛体制の練り直しのためでしたね」
ガリス「だいぶ状況が変わってしまったが、いつまでも場当たり的な対処をしているわけにはいかんからな」
ルル「アークエンジェルからは依然、連絡がありませんが…」
カガリ「大丈夫だ。向こうにはキラもいるからな」
ガリス「アルヴィスの安全を考えて、こちらへの通信を控えているのかもしれん…」「だとすれば、まず我々がここを離れねばなるまい」「ロンゴ、進路をダンナーベースへ…大空魔竜、発進!」
ロンゴ「了解!」

大空魔竜/格納庫
ミスト「ごめんな、シェルディア」
シェルディア「…その話はもういいよ。それに、ミストが相変わらず口だけじゃないってわかったからさ」
ミスト「えっ?」
シェルディア「ちゃんとファフナーを守ったでしょ。戦争ばかりしてる地球人なんか助けるもんか! …なんて言わずにさ」
ミスト「俺は腐っても防衛隊員だよ。守るべき命は守るさ…」
シェルディア「本当? なんかね、最近のミストって…」「地球人同士の戦争の事でピリピリしてて近寄りにくかったんだよ。人間嫌いになったみたいでさ」
ミスト「…だって、しょうがないだろ? 俺は確かに地球を守りたい。でも、殺し合いはしたくないよ」「正直言って、アークエンジェルの方には行きたくなかった。確実に人間と戦う事になるからね」「シェルディアと一緒の組でよかったと思ってるよ…」
シェルディア「そんな理由でうれしがられても全然うれしくないんですけど」
ミスト「あのさ、今は浮ついた話をするつもりはないぜ?」
シェルディア「…わかったよ。ボクが悪かった」「…少しでもミストを励まそうと思って明るい話題を振ってるのに…」「全然気づいてくれないんだもんな…」
ミスト「えっ? そ、そうだったのか?」
シェルディア「ボクだって馬鹿なりに考えてるんだよ! 暗い顔してるミストは見たくないから!」「その態度でどれだけの人に心配かけて、どれだけの人を傷つけたと思ってるの!?」
ミスト「俺が? さっきの医務室での事は悪かったと思ってるけど…」
シェルディア「それ以外にもいっぱいいるんだよ! 後で大空魔竜のみんなに謝ってきなさい!」
ミスト「わ、わかったよ。お前にはかなわないな…」
シェルディア「後はね…」
ミスト「ま、まだあるのかよ」
シェルディア「だって、今のはボクの気持ちを伝えただけだもん」「ミストが暗ーい顔をしなくなるように頑張れ、なんて話じゃなかったよ」
ミスト「そりゃそうだよ。そう簡単に悩みが解決できれば苦労しないさ…」「暗い顔をしてるんだったらどうやって治したらいいか教えて欲しいよ」
シェルディア「ディックさんが言った事、覚えてる? 戦いの究極の目的は自分が生き延びる事だ、って」
ミスト「ああ」
シェルディア「ボクにとってはね、守りたい者を守り抜く事が究極の目的なの」
ミスト「それは間違ってないと思うよ。俺だって救えるものは救いたい。そのためには戦うさ」
シェルディア「じゃあさ、地球連合軍の中やザフトの中にもそんな人がいたら? そういう人も嫌い?」
ミスト「うーん…でも、俺が会った人はみんな憎しみで戦ってたし…」「それに、任務のためなら敵とは言え同族を死んだ方がいいなんて言うのも見ちゃったし…」
シェルディア「全員が全員、そうって言える? 誰かを守るために誰かを殺した人はベザードにはいたよ?」
ミスト「…わかったよ、俺がまた早とちりして思いつめてた。まったく、悪いクセだな…」「少しは楽になったよ。そうだよ、命をかけて地球のために戦ってる人もいっぱいいるんだ」「地球人をもう少し信じてみるよ」
シェルディア「なんか釈然としないけど…まあ、いっか。それと、最後に…」
ミスト「まだ続くのかよ!?」
シェルディア「これから言うボクの質問に答えて。ミストの覚悟を聞いてなかったから」
ミスト「あ、ああ」
シェルディア「ボクには妹がいたよね。妹が『神の石』の輝きを失わせるからって嫌われてのは知ってるでしょ?」
ミスト「妹…レムの事か。確かにあの扱いはどうかと思ったけど…でも、言うほどのもんじゃなかっただろ」
シェルディア「レムが生まれた頃はもっと酷かったんだよ…」「そいつを捨てろ、『神の石』の近づけるな、不吉な赤子は殺せ、って嫌がらせを受けて…」
ミスト「ベザードの…あの街の人達が!? そんな馬鹿な!」
シェルディア「だって、自分の街を守るためだもん。『神の石』が動かなくなったら、ボクの街は滅んじゃうんだから」
ミスト「だけど…」
シェルディア「ねえ、ミスト。ミストは、地球を守るためだったら戦えるんだよね」「じゃあ、ボクを守るためだったら誰かを殺せる?」
ミスト「そ、それは…。俺はそんな事のためにレヴリアスに乗ってるんじゃ…」
シェルディア「ボクは殺せるよ」
ミスト「!!」
シェルディア「ミストを守るためだったら…それくらいの覚悟はあるもん…」
ミスト「だからって、そんな言い方!」
シェルディア「だって、もうボクにはミストしかいないんだもん!!」「レムもベザードの崩壊に巻き込まれちゃったし知ってる人はみんな死んじゃってるんだ!」「ボクに残ってるのはミストとセリウスIIとそのエンジンに使ってる…」「『神の石』だけなんだよ!」「それを守るためだったらボクは…! ううっ…」
ミスト「…わかった。そこまで言うなら俺ももう何も言わないよ 俺が最後まで面倒見てやる」
シェルディア「えっ…?」
ミスト「だから、さっき言ってた栄養バランスばっちりなメニュー、頼むぜ」
シェルディア「…後悔しない? ボクはミストが生きてるだけでいいんだよ…」
ミスト「生き残るために…守ってくれるって宣言した奴がそばに居ないと…だろ?」
シェルディア「…うん!」
ミスト(正直、まだ総士君の考え方や地球連合軍とザフトの戦争を見る限り地球人に対する疑念は消えない…)(でも、シェルディアの言う通り何かを守るために戦ってる人は少なくないはずなんだ)(ヴァンさんだって、言い方を変えれば守りたいもののために戦ってるんだしもう少し地球人の事をよく知ろうと思う)(少なくとも、俺の周りにいる地球の人達は素晴らしい人ばかりだから…)
【シナリオエンドデモ終了】


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