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No.19-1
星の扉、運命の扉・前編

【シナリオデモ1開始】
大空魔竜/ブリッジ
ローサ「大空魔竜、無事にゲートを抜けました。キャプテン」
〔通信の開く音〕
シズカ「船体に異常はないよ、キャプテン!」
ロンゴ「進路はダンナーベースでいいかい、キャプテン?」
ルル「み、みんな…。そんなにキャプテン、キャプテンって言わないでよ…。何だか照れくさい…」
ダイヤ「しょうがねえだろ、ルルが新キャプテンなんだからさ」
ルル「それはそうだけど…」
サコン「帰り道にもデータを採取できました。おそらくこれでゲートの秘密が解明できるでしょう」
サラ「頼みますよ、サコン先生。私達はエクソダスの途中なんですから!」「研究も大詰めだと思いますけど体だけは壊さないで下さいね!」
ゲイナー「僕からもお願いします。僕にはまだやる事が残ってるんです」「そのために、先生には倒れてもらっちゃ困ります」
ルージ「村のみんな、大丈夫かな…」
レ・ミィ「…えーと…その…」「…あのザイリンが無事なのよ? 大丈夫に決まってるじゃない! 余計な心配しすぎよ!」
ダイヤ(少しは素直になりゃいいのに)
ラ・カン「声援がかえって負担になるかもしれませんが、私からも頼みますぞ、サコン殿」
サコン「わかりました。皆さんのご期待にえるように頑張ります」
ルル「お願いします、先生」
ローサ「これからどうします、キャプテン?」
ルル「とりあえずダンナーベースへ戻って、アークエンジェルと合流します」「その後の事は、葵博士やラミアス艦長達と相談しましょう」
ローサ「わかりました」
ルル「ロンゴさん、進路をダンナーベースへお願いします!」
ロンゴ「了解!」

上空
ザイリン「…はっ! また気を失ってしまったか…。今回は振り落とされずにすんだな…」「それにしても、ここはどこだ…? まあいい。陸地が見えたら離脱するとしよう…」

アークエンジェル/ブリッジ
ノイマン「まもなくダンナーベースに到着します」
チャンドラ「進路クリア。問題ありません」
マリュー「ダンナーベースに連絡を。ドックに誘導してもらいます」
ミリアリア「回線つながりました。ダンナーベースです」
〔モニターの開く音〕
霧子「お帰り。モルドヴァ基地では大変だったようだね」
マリュー「はい。フェストゥムの総攻撃を受けて、基地は壊滅してしまいました」
霧子「モルドヴァも壊滅か…。これで地球連合軍は、さらに追いつめられたね…」
ゴオ「ザフトと協力してフェストゥムと戦えば、まだ勝てる可能性もあるだろうに…」
影丸「天地がひっくり返っても、連合がザフトと手を組む事はないだろうな…」
静流「地球人同士がいがみ合ってる場合じゃないのに…」
カルメン99「私達の世界でも、人間同士の憎しみ合いや、いがみ合いはよくあるけど、ここまでひどくはないのよね」「でも、このまま技術が進歩していったらもしかしてこっちの地球みたいに…って思う事はあるわね…」「やっぱり、世の中多少不自由な方が人を恨む余裕もなくなっていいのかしらねえ…」
宙「邪魔大王国の奴ら、人間同士の醜い争いを見てあざ笑っているだろうな」「…くそっ、何が悲しくて人間同士で戦力を消耗しなきゃならないんだ!」
カガリ「私だって、人間同士の殺し合いなんて今すぐ止めたいと思ってる!」「でも、どんなに止めようとしても、戦いの連鎖が止まらないんだ…!」
キラ「戦いじゃなく、言葉で…話し合いでわかり合える世界になればいいんだけどね…」
宙「昔の男は、拳と拳で語り合ったもんだ。ケンカが終われば、互いを認め合ってガッチリ握手して…」「復讐だの、仕返しだの、そんあ陰湿な事は言わなかったぜ。なのに今の若い連中と来たら…」
剣児「ちょっと、おっさんみたいな事言わないでくれよ、宙さん」
宙「忘れちまってるかもしれないが、俺は50年前の人間だぜ?」
剣児「あ、そうだったっけ…」
霧子「ところで、竜宮島はどうなったんだい?」
マリュー「連合軍からの圧力がなくなって、ひと息ついているようですが、パイロットが新人ばかりで…」「しばらくパイロットの訓練に専念するそうです」
霧子「そうかい。いずれ私達もフェストゥムと戦う時が来る。その時は竜宮島の協力が不可欠だからね…」
マリュー「真壁司令も協力を約束してくれました。移動型のジークフリード・システムの開発に着手するそうです」「それが完成すれば、アークエンジェルや大空魔竜と行動を共にできると…」
ノイマン「艦長。着艦準備が整いました」
マリュー「葵博士。アークエンジェルの誘導をお願いできますか?」
霧子「わかった。待ってるよ」
マリュー「では後ほど…」

ダンナーベース/司令室
桃子「アークエンジェル、ドックに入りました」
霧子「メカニックは直ちにアークエンジェルの修理点検に取りかかるんだ!」
芝草「了解! 久々の出番だ、張り切っていくぞ!」
林「任せといて下さいッス!」
冬子「新品みたいにピッカピカに修理しちゃいますよ!」
芝草「トン子! ハッチを閉め忘れるんじゃねえぞ!」
冬子「わかってます、おやっさん!」
芝草「だから、おやっさんはやめろって…」
〔通信のコール音〕
小波「博士、地球連合のヘスター事務総長から緊急通信が入っていますが…つなぎますか?」
霧子「ヘスターから? どうせまた恫喝まがいの協力要請だろ?」
影丸「既に大空魔竜もアークエンジェルも連合軍の攻撃を受けていますからね…」「彼らの言葉に耳を貸す必要はないと思いますが…?」
霧子「そうだね。そんな通信、切ってやりな」
小波「了解…」「ああっ! 国際救難チャンネルに切り替えてきました!」
影丸「なにっ!?」
〔モニターの開く音〕
ヘスター「ダンナーベース! どうか聞いて下さい!」
霧子「連合軍の事務総長ともあろうお方が、ずいぶん強引な事をするじゃないか」
ヘスター「事態はそれほど、急を要するのです! お願いです、私の話を…!」
影丸「こちらを攻撃しておいて、何を今さら…!」
ヘスター「その事は後で公式に謝罪します。ですから…!」
霧子「…わかった。話を聞こうじゃないか。で、何だい?」
ヘスター「…月面のダイダロス基地が攻撃されてロード・ジブリールが死にました」
霧子「何だって? ジブリールが!?」
影丸「いったい誰がダイダロス基地を…?」
ヘスター「ザフトに決まっているではありませんか?」「報告によれば、ミネルバと言う戦艦にやられたそうです」
霧子(さすがのジブリールも、今度ばかりは逃げ切れなかったようだね…)「それで、ジブリールが死んだから何だって言うんだい?」
〔ドアの開く音〕
光司「ただいま戻りましたー! …って、、どうしたんです? みんな怖い顔して…」
杏奈「どうしたの、お母さん? 久しぶりに娘が帰ってきたのに出迎えもしてくれないなんて…」
影丸「しっ! 今、重要な話をしている所だ。少し黙っていろ!」
光司「重要な話…?」
ヘスター「ジブリールを失ったロゴスは…いえ、地球連合軍はもはや壊滅寸前です」「おそらくザフトは、この機に乗じて、我々ナチュラルを根絶やしにしようとするに違いありません」
霧子「ちょっと待った、事務総長。それはいくらなんでも話が飛躍しすぎじゃないか?」「デュランダル議長は、ロゴスを倒すとは言ったが…」「ナチュラルを滅ぼすなんて事は言ってないはずだよ?」
ヘスター「ロゴスの打倒など、地球連合を無力化するための口実にすぎません」「あの男の目的は、最初からナチュラルの抹殺なのです!」
霧子「自分達がコーディネイターを忌み嫌い、滅ぼそうとしているからって…」「彼らも同じ考えだと決めつけるのは短絡的すぎないかい?」
ヘスター「…葵博士。あなたはコーディネイターの肩を持つつもりなのですか?」
霧子「だから、そういう敵対的な考え方がそもそもおかしいんだよ」「ナチュラルもコーディネイターも同じ人間じゃないか」
ヘスター「失礼な! あんな宇宙の化け物と一緒にしないでいただきたいですわ!」
霧子(やれやれ…。何を言っても無駄なようだね…)
アンジェリカ(同じ地球人を化け物呼ばわりですって…?)(今回の件はミストが敏感すぎるような気もしたけど…)(宇宙の化け物だなんて言われたら私も悪口を言われてるみたいじゃない)(…何か別の意味で腹が立つわ…!)
霧子「とにかく、ザフトが宣戦布告をして来たって言うならともかく…」「ナチュラルを滅ぼすって話はあんたがそう思ってるだけだろ? 要するに被害妄想みたいなもんだ」「そんな根拠のない話に協力はできない。それに、もしそんな事態になったとしても…」「私達はこれまで通り、独自に戦うまでだ。連合軍の傘下に入る気はない」
ヘスター「…そうですか。今さらあなた達に協力してもらおうなど、虫がよすぎたようですね」
霧子「ま、そういう事だね」
ヘスt-ア「わかりました。もうあなた達などあてにはしません。我々は独自の力で戦い抜いてみせます」「ただ、ザフトが地球侵攻を諦め、連合が存続した時は…」「地球上にあなた達の居場所はないものと思いなさい!」
〔通信の閉じる音〕
影丸「虫の息のくせに恫喝して来るとは…」
光司「どこまで根性がねじ曲がってんだよ…!」
〔ドアの開く音〕
カガリ「どうした。みんな深刻な顔して…。何かあったのか?」
霧子「ジブリールが死んだよ」
影丸「地球連合軍は崩壊寸前だそうだ」
カガリ「ええっ!? それじゃオーブはどうなるんだ?」「さっき報告があったんだが、ユウナがジブリールをかくまってたせいでオーブはザフトに狙われてるようなんだ!」「そんな時に宣戦布告でもされたら…!」
剣児「さっきのおばさんも、ナチュラルがザフトに攻撃されるって言ってたけど…」「デュランダルって奴はそんなに戦争するのが好きなのか?」
杏奈「あの人、戦争をなくすためにロゴスを倒すんだって演説してなかったっけ…?」
カガリ「そんなのは建前に決まってる…!」「デュランダル議長が腹の中で何を考えているか、わかったもんじゃない!」
杏奈「そんな腹黒い人には見えなかったけど…」
アンジェリカ「ひと目で腹黒とわかったら、国家の代表なんか務まらないわよ」
杏奈「それもそうか…」
キラ「あの人は、偽者のラクスを政治に利用しています」「政治家としてはそれでいいのかもしれない…。だけど、人としていけない事をしている気がするんです」「それだけで人間を疑うのは間違った事かもしれないですけど…」
つばき「えっ!? 偽者のラクスってどういう事ですか?」
キラ「前にデュランダル議長がロゴスに宣戦布告した時、一緒にいたラクスは偽者なんだ」
霧子「そ、それは本当かい、キラ君?」
キラ「ええ。本物のラクスはプラントの情勢を探るために宇宙に出ていますから…」
静流「これで謎が解けたわ。ラクス・クラインの発言内容が変わったのは、偽者だったからなのね」
つばき「歌の雰囲気が以前と変わったのも別人だからなのね、きっと…」
杏奈「それじゃ、あれはいったい誰なの?」
キラ「そこまではわからないよ。彼女がラクスじゃないって事が確かなだけで…」
カガリ「とにかく、デュランダル議長がどんな行動を起こすのか、警戒する必要があるな…」「オーブに宣戦布告して来る可能性もあるからな…」
キラ「いや。宣戦布告はしないと思うよ。戦争をなくすって言ってるんだから…」「その代わり、オーブの武装解除を言い出すかもしれない…」
霧子「武装解除か…。だとすると、やっかいだね」
キラ「ええ…」
杏奈「…何がやっかいなの?」
霧子「オーブが武装解除を断れば、戦争を望んでいると見なされて、ロゴスのように標的にされるだろ?」
キラ「それに、オーブが武装解除を受け入れるとは思えない。そうだろ、カガリ?」
カガリ「当然だ。他国からの干渉を受け入れるのはオーブの理念に反するからな」
杏奈「それじゃ、また戦争になっちゃうじゃない!」
ゴオ「事実上の宣戦布告ってわけか…」
静流「しかも、武装解除を受け入れなかったオーブの立場が圧倒的に悪くなる…」「ロゴス並みの悪役に仕立て上げられるってわけね」
カガリ「とにかく、今後の行動次第でデュランダル議長の真意がわかる。今はあの男の出方を…」
〔通信のコール音〕
小波「こ、これは…!」
霧子「どうした!?」
小波「ザフトのデュランダル議長が全世界へ向けてメッセージを発信しています!」
ゴオ「なにっ!?」
カガリ「噂をすれば何とやらだ! いったい何を言い出すつもりだ!?」
〔モニターの開く音〕
デュランダル「…私達はつい先年、大きな戦争を経験し、こんな事はもう二度と繰り返さないと誓ったはずでした…」「ロゴスの存在によって、戦争の悲劇は繰り返されてしまいましたが、そのロゴスもついに滅びました!」「しかし我々は、最大の敵の存在を決して見過ごしてはなりません!」
ゴオ「最大の敵だと…?」
デュランダル「有史以来、人類が連綿と戦い続けてきた最大の理由、最大の敵…」「それはいつになっても、無知と欲望を克服できない我ら自身なのです!」
キラ「!!」
影丸「我ら自身が敵だと? 多くの侵略者に狙われている非常時に、そんな精神論を持ち出してどうするつもりだ!」
デュランダル「地を離れて宇宙を駈け、その肉体の能力、様々な秘密までをも手に入れた私達…」「なのに人は、いまだに人をわからず、自分をも知らず、明日が見えない不安…」「より多く、より豊かにと、あくなき欲望に限りなく延ばされる手…。争いの種、問題は全てそこにある!」
つばき「そ、そんな…。まるで人間が無知と欲望の塊みたいな言い方…!」
デュランダル「だが、それももう終わりにする時が来ました。我々はその全てを克服する方法を得たのです!」「全ての答えは、皆が自身の中に既に持っている。それによって人を知り、自分を知り、明日を知る…」「これこそが繰り返される悲劇を止める唯一の方法です」
剣児「このおっさん、何言ってるんだ? 全然わからねえ…!」
静流「安心しなさい。この人の言っている事に意味なんかないわ。空虚な寝言よ!」
デュランダル「私は人類存亡を賭けた最後の防衛策としてデスティニー・プランの導入、実行をここに宣言いたします!」
鏡「デスティニープラン…!?」
デュランダル「デスティニープランは、我々コーディネイターがこれまでに培ってきた…」「遺伝子工学の全てをもって施行する、究極の人類救済システムです」
霧子「人類救済? 遺伝子操作で人類を救済するって言うのかい!?」
デュランダル「人はその資質の全て、性格、知能、また疾病原因の有無の情報も体内に持っています…」「まずそれを明確に知る事が重要です。今のあなたは自分の才能を知らず、開花させずにいるのかもしれない…」「まずは自分自身の全てを知る事から始めましょう。これはあなたの幸福な明日への輝かしい1歩です!」
カガリ「もういい! 消してくれ!」
小波「は、はい!」
〔通信の閉じる音〕
カガリ「何が自分自身を知るだ! 遺伝子で人生を決めようだなんて考えは間違ってる!」
キラ「人は望むから戦う。欲するから争う。ならばそれを封じてしまえばいい…」「自分にできる事とできない事を得られる物と得られない物を初めから知らせる…」「それが議長の計画、デスティニープラン…」
霧子「人類が皆、遺伝子で示された自分に最適の人生を歩めば、争いも欲望も起こらないって事か…」
ゴオ「そりゃあ、理屈はその通りかもしれないが…」
カガリ「願って、望んで、頑張る事には何の意味もないと言うのか?」「ああなりたい、こうしたいと望むのもただ無駄だと!?」
剣児「俺はバイクで鏡に勝ちてえ。だから必死で練習する。もしも遺伝子で鏡に勝てねえってわかったとしても…」「俺は練習をやめねえぜ。努力すりゃ、勝てるかもしれねえからな!」
杏奈「私だって、ロボット乗りの才能がないってわかっても、絶対に諦めない! だって、ゴオちんと一緒に戦いたいもん!」
キラ「そう…。願う事、努力する事まで許されない世界に本当の明日はない」「どんなに苦しい世界でも未来を決めるのは運命じゃないよ…!」
カガリ「私はデスティニープランなど認めない! デュランダル議長の言う事は間違ってる!」「オーブにいる首長達もそう思っているはずだ…!」
マリュー「おそらく、地球連合も拒否反応を示すでしょうね」
鏡「ああ。コーディネイターの言葉に耳を貸すはずがない」
ゴオ「となれば、また武力衝突があるな…」
静流「争いのない世界を作るために争いを繰り返す…。そんなの馬鹿げてるわ!」
〔通信のコール音〕
小波「緊急連絡! 月のアルザッヘル基地に動きが見られるようです!」
マリュー「アルザッヘル…連合軍の月面基地だわ!」
ゴオ「デュランダル議長の声明を聞いて、さっそく動き出したか…」
小波「…出撃した艦隊は、核ミサイルで武装していると見られます!」
影丸「核ミサイルだって!?」
キラ「まさか、またプラント本国を狙うつもりなんじゃ…!」
カガリ「そんな物を撃ったら、血で血を洗う戦争がまた始まるぞ!」
桃子「…月の裏側に高エネルギー帯発生! これは…レクイエムです!」
霧子「何だって?」
小波「レクイエム、アルザッヘル基地に直撃!」「アルザッヘル基地、沈黙!」「出撃した艦隊も、レクイエムによって、ほぼ壊滅です…」
マリュー「な、なんて事を…!」
光司「逆らう者は容赦しないって事か…!」
ゴオ「いくら何でも対応が早すぎる!」「まるで連合の動きを予想していたような反撃の早さじゃないか…」
つばき「これがザフトの…デュランダル議長のやり方なの!?」
カガリ「何が争いのない世界だ! デステイニープランだ!」「結局、自分の主張を力で押しつけているだけじゃないか!」
キラ「…行こう、宇宙へ。僕には戦うための剣は無いけど…」「それでも黙って見ているわけにはいかない。デュランダル議長の暴走を止めるんだ!」
カガリ「キラ…」
マリュー「キラ君…」
〔通信のコール音〕
小波「大空魔竜から連絡です! 着陸許可を求めています」
影丸「やっと戻ってきたか!」
霧子「着陸を許可する。早くドックに入れてやりな! メカニックチーム! 聞こえたかい?」
〔モニターの開く音〕
芝草「もちろんです! フル回転で修理しますよ!」
霧子「頼んだよ!」
小波「博士。サコン博士から芝草さんにメッセージだそうです」
霧子「メッセージ?」
小波「『例の物の準備をお願いします』だそうです」
霧子「例の物? …芝さん! 聞こえたかい?」
芝草「ちゃんと聞こえましたよ! 了解したとサコン先生に伝えといて下さい!」
霧子「いったい何をする気だい?」
芝草「それは後のお楽しみという事で…」
霧子「なんだい、もったいぶって…。まあいい。頼んだよ!」「ラミアス艦長、キラ君。大空魔竜が戻り次第、今後の事をキャプテン・ガリスと話し合おう」
マリュー「わかりました」
キラ「はい」
小波「葵博士、大空魔竜がドックに入りました!」
霧子「ラミアス艦長、キラ君、隊長、行くよ!」
マリュー「わかりました」
キラ「はい!」

ダンナーベース/食堂
杏奈「ええっ! ルルちゃんが大空魔竜のキャプテンになったの?」
ダイヤ「ああ。ルルはキャプテン・ガリスの娘だったんだ」「キャプテンは、プロイストにさらわれたルルを救い出すために大ケガをしてしまった…」「それで、娘のルルにキャプテンの座を託したんだ」
剣児「キャプテン・ガリスはどうしたんだ?」
リー「ダリウス界に残してきた。今ごろ、反乱軍のキャンプでケガの治療を受けてるよ」「キャプテン・ガリスはダリウス人だから地上の設備では治療できないんだ」
ジョシュア「ええっ! キャプテン・ガリスってダリウス人だったんですか?」
ダイヤ「キャプテンが仮面をかぶっていたのはダリウス人だって事を知られたくなかったからだったんだ…」
ボス「顔がブサイクだから隠してたんじゃなかったんだな」
甲児「ボスじゃあるまいし、そんなわけねえだろ!」
ボス「何だとっ!」
カルメン99「ところでゲートの解析はどうなったの? 私達、いつになったら元の世界に戻れるのかしら?」「私は別に急いでないんだけど、ヴァンがねぇ…」
ウェンディ「どんどん不機嫌になってるんです。昨日もジョシュアさんに八つ当たりして…」
ジョシュア「ガツーンと殴られちゃいましたよ…」
リー「サコン先生がもう少しで解明できるって言ってたから、もうしばらくの辛抱だよ」
カルメン99「だといいけど…」
ジョシュア「頭がコブだらけになる前に完成するといいなぁ…」
〔扉の開閉音〕
ローサ「甲児君、ちょっといいかしら?」
甲児「あれ? ローサ副長。葵博士達と会議じゃなかったんですか?」
ローサ「ダンナーベースにいる間にどうしてもやっておきたい事があって…会議はルルに任せて来たわ」
甲児「そうですか。それで、俺に何の用です?」
ローサ「前回の戦闘記録を見ていて目に留まったんだけど…」「マジンガーZの新装備の事を教えて欲しいのよ。大車輪ロケットパンチについて…」
甲児「大車輪ロケットパンチですか?」
剣児「ありゃすげえ技だよな! たった一撃で大火焔偶のドテッ腹に穴を開けちまったんだからな!」
甲児「大車輪ロケットパンチは、遠心力を利用して破壊力をアップさせるんだぜ!」
ローサ「そう、それよ! 遠心力に関するデータが欲しいの!」
甲児「遠心力…ですか?」
ローサ「ちょっと考えがあってね…大車輪ロケットパンチのデータ、見せてもらえるかしら?」
甲児「ええ、いいですよ。弓教授に頼んでデータを転送してもらいます」
ローサ「ありがとう。さあ、これからサコン先生と芝草さんの所に行かなくちゃ!」
〔扉の開閉音〕
ルージ「ローサ副長、いったい何をしようとしてるんでしょうね?」
甲児「さあ…?」「ローサ副長の事だ。きっとものすごい考えがあるのさ。楽しみに待ってようぜ!」
アンジェリカ「ちょっとミスト…」
ミスト「ん、どうした?」
アンジェリカ「この先、あいつらが出てきても、無茶な事しちゃ駄目よ。みんなに迷惑がかかるんだから!」
ミスト「わ、わかってるよ…」(…って、言っとかないと、説教が長くなるからな…)
アンジェリカ「ちょっと、目が泳いでるわよ!? ほんとにわかってるの?」
ミスト「わかってる! パートナーを信用しろってば!」
アンジェリカ「私だって信用したいわよ!」「でも、あなたのあいつらに対する憎しみは半端じゃないから、絶対に無茶するに決まってるわ!」
ミスト「うっ…」(バレバレじゃんか…)
アンジェリカ「子供の頃からずっと一緒だったんだから、あなたの性格はよーくわかってるわよ!」「だからもう、無茶をするなとは言わないわ」
ミスト「え?」
アンジェリカ「私だって、あいつらが許せないわ。本心を言えば、私も一緒に無茶したい…」
ミスト「だったら一緒に…」
アンジェリカ「ううん。無茶な行動はあなたに任せる。私は、あなたか無茶をしても無事に戻ってこられるようにサポートするわ」「…パートナーとしてね!」
ミスト「アンジェリカ…」
アンジェリカ「だから、無茶する時は一言言ってからにしてよね!」
ミスト「…わ、わかったよ」
アンジェリカ「あと、総士君の事だけど…」
ミスト「…やっぱりアンジェリカも気になるか? 勝つために冷徹な判断を…」
アンジェリカ「話は最後まで聞きなさい。私が言いたいのは、総士君はそこまで冷たい人間じゃないかもって事よ」
ミスト「俺だって、それは信じたいよ!」「でも、何か考えがあるにせよ、あの物言いはないだろ? あれじゃ、みんながかわいそうだよ!」「あんな事が言えるような奴なんか仲間とは思いたくないよ…!」
アンジェリカ「馬鹿! あなたが疑ってどうするの!? 言葉だけで判断しないで目を見るのよ!」「あの悲しそうな目…総士君だって、友達があんな事になって悲しんでるのよ…」
ミスト「そ、それだって、ファフナーを失ったから悲しんでるのかも…」
アンジェリカ「もう一回言ってあげる! 馬鹿! 大馬鹿! 観察力ゼロ!! 疑心暗器!!」
ミスト「一回じゃないじゃないかよ!? ってか、『ギシンアンキ』って何だよ!?」
アンジェリカ「そんな細かい事はどうでもいいのよ!」「あなたが気づかないのもしょうがないと思うわよ?」「総士君、友達にも自分の気持ちを悟られないようにしてるみたいだもの…!」「でも、だからってそこまで疑ってかかる事はないでしょ!?」
ミスト「そ、それは…そうだけど…!」
アンジェリカ「…私、ミストのパートナーとしてあなたを支えられるかどうか、不安…」
ミスト「…え…?」
アンジェリカ「だって、最近のあなた、変わったわよ? 防衛隊の時のあなたじゃないみたい…」「それも地球人が醜い事を言うせい? それとも、あいつらを倒したいから?」「私も地球人を嫌いになればそっち側にいける?」
ミスト「な…何を言ってるかわからないよ…」「その…アンジェリカまで地球人を嫌いになる事はないんじゃないか…?」「その前に俺…地球人を嫌いになったわけじゃないし…」「一部の人間には腹を立ててるけど…」
アンジェリカ「…じゃあ、総士君の事も信じてあげてよ…。仲間を疑うなんて事、しないで…」
ミスト「…わかった。お前の人を見る目を信じるよ。総士君の事も信じてみる」
アンジェリカ「…やったあ! 言質、取りました!」
ミスト「な!?」
カルメン99「音声も録ってあるわよ~」
ミスト「うわあっ! カルメンさん!」
アンジェリカ「成長しないわね…。ここは食堂なのよ?」「最初から人はいっぱい居るし聞き耳立ててた人だって少なくないんじゃないかしら」「…それに、言ったでしょ?言葉だけで判断しないで目を見ろって」
カルメン99「全く、前回の事で懲りてなかったのね。恥ずかしい話とか、仲間を疑うとかそういった話はよそでやりなさいよ?」「録音した音声は破棄してあげる」
ミスト「えっ? でも…いいんですか?」
カルメン99「あんな一言で、表面上だけ仲間を信じるって誓っても意味はないでしょ?」「それじゃ、後は上手くやりなさいね~」
静流「ま、復讐を誓わなかった事だけは評価してあげるわ。じゃあね」
〔扉の開閉音〕
ミスト「は、恥ずかしい所を全部聞かれてしまった…」(何だかよくわからないけど、これでいいのか?)
〔通信のコール音〕
〔モニターの開く音〕

小波「これより作戦会議を始めます。クルーは全員、司令室に集合して下さい。繰り返します…」
アンジェリカ「召集だわ。行きましょう!」
ミスト「あ、ちょっと待ってくれ。『ギシンアンキ』って結局何なんだ?」
アンジェリカ「疑う心を持つ者は、暗器の使い手を雇う事となり闇の世界へ堕ちる…」「人の事を信じない人はそれなりの道を歩む事になるっていうゲイナー君達の地球の言葉よ」
ミスト「…どうせ、また間違ってるんじゃないのか?」
アンジェリカ「何よ! アナ姫様から本を借りてちゃんと勉強したんだから今度は大丈夫よ!」
ミスト「…なら、いいけどさ…」「あ、そうだ。やっぱり俺、人を見る目に自信が無いよ」
アンジェリカ「どうしてよ?」
ミスト「だって俺、ちゃんとアンジェリカの目を見てさっきの『不安だ』って話を聞いて…」「その上でお前が苦しんでるって思ったから心を動かされたっていうか…」
アンジェリカ「…なら、合格よ」
ミスト「えっ?」
アンジェリカ「私、苦しんでるもの。あなたの事で…」
ミスト「………」

ダンナーベース/司令室
影丸「ではこれより、作戦会議を始める!」
霧子「みんなには宇宙へ上がってもらう。目標は月面のダイダロス基地。レクイエムの破壊だ」
キラ「レクイエムは、廃コロニーを利用してビームを屈曲させ、月面はもちろん、地球上のあらゆる所へ攻撃できます」
影丸「言わば地球は、喉元にナイフを突きつけられているのと同じだ」「地球が撃たれる前に、何としてもレクイエムを破壊しなくてはならない」
甲児「ダリウスや邪魔大王国はほっといていいのか?」
霧子「ナイフを突きつけられた状態で、侵略者と戦うなんてできないだろ? まずはレクイエムの始末をつけてからだ」
マリュー「アークエンジェルと大空魔竜は大気圏を脱出後、エターナルと合流して月へ向かいます」
影丸「おそらくザフトは強固な防衛ラインを敷いているはずだ…」「レクイエムの破界は容易ではないと思うが、何としても任務を遂行してくれ」
ゴオ「人類の未来をデュランダルの好きにされてたまるか!」
剣児「デスティニープランなんてブッ潰してやるぜ!」
パイ「ブッ潰すのは私の得意分野だからね、任せときな!」
霧子「それじゃ、みんな。出撃の準備を…」
〔通信のコール音〕
小波「緊急通信です! ザフトの艦隊がオーブ本国へ向けて侵攻を開始したそうです!」
カガリ「何だって!?」
桃子「ついさっき、オーブがデスティニープランを拒否するという声明を出したのですが…」「その直後に、ザフトの艦隊が動き始めました」
鏡「アルザッヘル基地の件と言い、ザフトの動きが速すぎるな…」
静流「デュランダル議長は、最初からオーブを潰すつもりで準備をしていたのかもね…」
甲児「こいつは予定を変更して、オーブの救援に行った方がいいんじゃねえか?」
カガリ「…いや。オーブの事はオーブで解決する。みんなは予定通り宇宙へ上がってくれ」「私はオーブに戻ってザフトと戦う。これ以上、デュランダル議長の思い通りにはさせない…!」
さやか「戻るって…そんな…危険すぎるわ、カガリさん!」
カガリ「私はオーブの代表だ。危険を恐れて逃げ隠れするわけにはいかない」「それに、ザフトの侵略を許す事はオーブの理念に反する!」「父が命を賭けて貫いたオーブの理念…。何としても守り抜いてみせる。それが必ずや全てを守る事となる!」
霧子「…アスハ代表の気持ちはわかった。だからと言って、戦闘のまっただ中にひとりで帰すわけにもいかないね…」「キャプテン・ルル。代表を大空魔竜でオーブまで送ってくれるかい?」
ルル「はい!」
ダイヤ「えっ? 送るだけでいいの?」
霧子「そんなわけないだろ。わざわざ大空魔竜で行くんだ。ひと暴れしておいで!」
ダイヤ「よっしゃ、任せとけ!」
霧子「ゴオ、静流、杏奈、光司。あんた達も一緒に行きな。ザフトの奴らを追っ払って来るんだ!」
ゴオ「了解! これ以上、デュランダルの好きにさせてたまるか!」
カガリ「葵博士…。ありがとう、感謝する!」
霧子「なあに、オーブには世話になってるからね。せめてもの恩返しさ…」
サコン「ところで芝草さん。例のアレなんですが…」
芝草「それなら完了してますよ。すぐにでも使えます」
霧子「ちょっと、例のアレっていったい何なのさ?」
サコン「実はですね、芝草さんにお願いしてスティンガーの強化改造をお願いしたんですよ」
ピュリア「強化改造って、こないだ聞いたスペリオルスティンガーって奴の事か?」
サコン「ええ、そうです」
レ・ミィ「いったい何を改造したの?」
サコン「最大のポイントは、ガイキングが発進している時…」「スペリオルスティンガーが大空魔竜の頭部に合体できるように改造した事ですね」
静流「スティンガーが大空魔竜の頭になるんですか?」
サコン「はい。キラーバイトを取りつけたので噛みつき攻撃もできますし…」「装甲を強化したので、デスファイヤーを発射する事もできます」「大空魔竜のウィークポイントだったヘッドパーツ分離時の攻撃力の弱さを克服するための改造なんです」
ピュリア「…って事は、これからはアタシの責任が重大になるな」
サコン「頼みましたよ、ピュリア君」
霧子「それじゃ、大空魔竜とゴオ達はオーブへ向けて発進しとくれ!」「他のメンバーは、予定通り宇宙へ出てダイダロス基地へ向かうんだ。頼むよ、ラミアス艦長!」
マリュー「わかりました」
霧子「それじゃ、オーブへ向かうメンバー以外はアークエンジェルへ乗り換えるんだ!」「時間がないから、急ぐんだよ!」
ミスト「了解!」
影丸「では総員、発進準備に取りかかれ! 解散!」
霧子「あーっと、ちょっと待った! 出撃の前に、大事な要件が二つある」「…まず、ラミアス艦長、キラ君。ちょっといいかい?」
マリュー「はい?」
霧子「出発する前に、預かっていた客人を返しておくよ」
キラ「客人?」
霧子ダンナーベースで治療をしていた男がいるだろ?」
マリュー「それって、まさか…」
〔ドアの開く音〕
ムウ「よっ、久しぶり!」
マリュー「ムウ!」
キラ「ムウさん! 久しぶりって…記憶が戻ったんですか?」
ムウ「ああ。サコン先生の指示通りにリハビリをしたら、徐々に昔の記憶が戻ってきてね…」「完全ってわけじゃないが、少なくとも自分がムウ・ラ・フラガだって事は思い出したよ」
マリュー「よかった…ムウ…」
ムウ「あれ? 艦長と俺って、名前で呼び合うほど親しかったっけ…?」
マリュー「え…?」
ムウ「まあ、美人の艦長さんに名前を呼んでもらえるのはうれしいけど、やっぱり規律は守らないとね」
キラ「ムウさん…」
ムウ「俺もキラの事を坊主って呼んでるから偉そうな事は言えないけどね…」「とにかく、復隊許可をいただけますか、ラミアス艦長殿?」
マリュー「…わかりました」「ムウ・ラ・フラガ。アークエンジェルへの復隊を許可します」
ムウ「了解! ムウ・ラ・フラガ、復隊いたします!」「…って、呼び捨てなのか? 階級は剥奪されちゃうわけ?」
マリュー「ごめんなさいね。今、アークエンジェルはどこにも所属してないから…」「クルーはみんな階級がないのよ」
ムウ「なるほどね、了解…さてと、さっそく出撃に備えて機体の整備をしないとな…」「坊主…じゃなくて、キラ、一緒にモビルスーツデッキに行こうぜ」「確か嬢ちゃんが置いてったストライクルージュとムラサメがあったはずだからな」「さーてと、どっちに乗ろうかな~っと」
キラ「は、はい…」
〔ドアの開く音〕
マリュー「ムウ…」
霧子「あんたと彼の事は聞いてるよ。根気よくリハビリを続ければ、いつかは完全い記憶が戻るさ…」「それまではつらいだろうけど、頑張りな」
マリュー「…はい。ありがとうございます」
霧子「…さて、もう一つの用件なんだが、こっちはキャプテン・ルルに頼みたい」
ルル「はい」
〔ドアの開く音〕
ミラ「私を大空魔竜と一緒に行かせて下さい」
ゴオ「ミ、ミラ!」
ミラ「久しぶりね、ゴオ」
ゴオ「ど、どうしてお前が! 博士! これはいったい…!」
さやか「確か、幼児退行現象で子供みたいになってるんじゃありませんでしたか?」
霧子「この子もリハビリをして5年前の記憶を取り戻してね…。パイロットに復帰したってわけさ」
ミラ「今はまだシミュレーターだけだけど、すぐに現役復帰できるわ!」
ゴオ「本当か、ミラ!」
影丸「ああ。Sランクのシミュレーターを軽々とクリアできるほど回復した」「何度か実機による訓練をすれば、すぐにも実戦に参加できるだろう」
ゴオ「そいつは頼もしい!」「…でも、肝心の機体が…オクサーには杏奈が乗ってるし…」
霧子「それについては考えがある。もう少し待ってておくれ」
影丸「今回の任務にミラは同行するだけだ。実戦の空気を感じたいという本人の強い希望でな…」
ミラ「お邪魔はしませんから、大空魔竜に乗せて下さい。お願いします、キャプテン!」
ルル「わかりました。一緒にオーブへ行きましょう」
ミラ「ありがとうございます!」
ゴオ「よかったな、ミラ!」
ミラ「ええ!」
杏奈(何よ、ゴオちんてば、あんなうれしそうな顔しちゃってさ!)(そりゃあミラさんの記憶が戻ったのはいい事だと思うけど…)(…待って! 記憶が戻ったって事は、まさかゴオちんへの気持ちも…!?)(ううん。大丈夫よ、杏奈! ゴオちんと私の事は、きっとお母さんから聞いてるはずだし…)(ミラさんは、人の旦那さんにちょっかい出すような人じゃないわよきっと…たぶん…)(それより心配なのはゴオちんの方よ! ルウの事だってあるのにフラフラしちゃって…!)
コトナ「杏奈ちゃん! さっきからすごい怖い顔してるわよ!」
杏奈「えっ! そ。、そうですか!?」
カルメン99「気持ちはわかるけど、もっとしっかりしなきゃ。あなた、奥さんなんでしょ?」
杏奈「は、はい! 頑張りますっ!」
影丸「では、改めて指示する! 総員、発進準備に取りかかれ! 解散だ!」

トロヤステーション/研究室
研究員「401のAIの成長は順調なようですね」
セレーネ「そんな事ないわ。こちらからの情報を処理するのが精一杯ですもの…」「自分で判断できるようになるのは後1万時間は必要ね」
研究員「1万時間ですか…」
セレーネ「それと、彼の事は401じゃなくて、スターゲイザーって呼んであげて」
研究員「スターゲイザー?」
セレーネ「ソルがつけた名前よ。星を見る者って言う意味…」
研究員「スターゲイザーですか…。言い名前ですね」
〔扉の開閉音〕
ソル「セレーネ!」
セレーネ「あら、そる。ちょうどいま、あなたの話を…」
ソル「それどころじゃない。とんでもない噂を聞いたんだ!」
セレーネ「とんでもない噂…?」
ソル「地球連合軍が、スターゲイザーのAIユニットを狙ってるって言うんだ!」
セレーネ「連合軍がAIユニットを?」
研究員「その噂なら私も聞きました。連合軍は今かなり追いつめられていて…」「ザフトに対抗する手段を必死で探してるって…」
セレーネ「研究途中のAIが、戦争の役に立つとは思えないけど…」
ソル「連合軍の奴らは、そう思ってないかもしれない…」
〔警報〕
ソル「警報!? いったい何が…?」
セレーネ「司令室に行ってみましょう!」
ソル「うん!」

トロヤステーション/司令室
〔扉の開閉音〕
ソル「いったいどうしたんだ!」
研究員「惑星間通信システムダウン! 全チャンネル、ゲインありません!」「…データリンク途絶、バックアップも起動しません!」
ソル「何だって!?」
研究員「ああっ! 地球連合軍です! 連合軍のモビルスーツ部隊がステーションに接近してきます!」
セレーネ「地球連合軍ですって!?」
【シナリオデモ1終了】


サブタイトル
「星の扉、運命の扉・前編」


【戦闘マップ1開始】
〔敵ユニット出現〕
連合士官「本艦は、地球連合軍第81独立機動部隊所属、ナナバルクである!」「我々はこれより諸君のステーションを接収する。本艦は無許可で諸君を攻撃する権限が与えられている!」
シャムス「警告なんか必要ないぜ。どうせ中にいるのはコーディネイターどもなんだろ?」
ミューディー「ステーションごと宇宙のチリにしてやろうよ!」
連合士官「待て。AIユニットの回収が最優先だ。回収が済んだら好きにしていいからそれまで待て…」
シャムス「了解…!」
ソル「噂は本当だったんだ…。連合軍はスターゲイザーのAIを狙ってたんだ!」
研究員「第81独立機動と言ったらファントムペインじゃないか!」
セレーネ「ファントムペイン…!」
研究員「…確かにDSSDは、ザフト資本でできた組織だけど、今は独立した中立機関だ」「それに、連合軍にも技術協力してるじゃないか! なのにどうして!」
ソル「あいつらは、力ずくでスターゲイザーのAIを奪うつもりなんだ!」
セレーネ「このままじゃまずいわ。モビルスーツを発進させて!」
研究員「了解!」
セレーネ「それから、国際救難チャンネルを開いて! 緊急シグナルを発信するのよ!」
研究員「わかりました! …こちらトロヤステーション!」「地球連合軍の襲撃を受けている! 大至急救援を乞う! こちらトロヤステーション…!」
【戦闘マップ1終了】

【シナリオデモ2開始】

アークエンジェル/ブリッジ
ノイマン「大気圏離脱に成功しました」
チャンドラ「周囲に敵影はありません」
マリュー「無事に宇宙へ出られたわね…。ミリアリアさん、エターナルとの連絡を…」
ミリアリア「了解」「こちらアークエンジェル。エターナル応答願います。こちらアークエンジェル…」
〔通信のコール音〕
ミリアリア「大変です! 国際救難チャンネルに救難信号が入って来ました!」
マリュー「何ですって!?」
ミリアリア「DSSDのトロヤステーションが地球連合軍に襲撃されているそうです!」
マリュー「トロヤステーションが?」
〔扉の開閉音〕
キラ「どうしたんですか、マリューさん!」
ムウ「敵襲か!?}
マリュー「いえ、敵襲じゃないけど…」
〔通信のコール音〕
ミリアリア「艦長! 今度はダンナーベースから緊急通信です!」
マリュー「スクリーンへつないで!」
〔モニターの開く音〕
霧子ラミアス艦長! トロヤステーションの救難信号を受信したかい?」
マリュー「ええ、たった今…」
霧子「…艦長、トロヤステーションの救援に向かってくれないか?」
マリュー「えっ?」
霧子「トロヤステーションには、私の友人、セレーネ・マクグリフ博士がいるんだ。彼女を助けてやっておくれ!」「あんた達が大事な任務に向っているのは十分に承知している。だから無理にとは言わないが…」「でも、もし可能なら…私のわがままを聞き入れてくれないか…!」
マリュー「葵博士…」
ジョシュア「ラミアス艦長。トロヤステーションへ行きましょう!」
甲児「何言ってんだ、ジョシュア! それに博士もだ!」「ただでさえ俺達は大空魔竜と分かれて戦力を分散してる状態なんだ…」「アークエンジェルの部隊を分けて助けに行くとしても、これじゃ多勢に無勢だぜ!」
ジョシュア「だからと言って、何もしないわけにはいきませんよ!」
ロール「ダンガイオーなら、モビルスーツ相手の長期戦にも耐えられるはずです」「博士の友人を見殺しにはできません!」
ルージ「だったら俺も行きます! ミィも来てくれるか!?」
レ・ミィ「ルージが仕切らないの! でも、私も同じ気持ちよ!」
マリュー「その編成では許可できないわ…。しかし、メンバーを考慮する時間も…」
霧子「…すまなかったね、ラミアス艦長…。考える時間をとらせてしまって…」「…聞かなかった事にしておくれ。私も諦めが…」
〔通信のコール音〕
〔モニターの開く音〕

ラクス「アークエンジェルはトロヤステーションへ向かって下さい」
キラ「ラクス!」
つばき「えっ!? ラクス!?」
杏奈「本物のラクス・クラインなの!?」
ラクス「お話は伺いました。ダイダロス基地へはエターナルが先行しますから…」「皆さんは、葵博士のお友達を助けに行ってあげて下さい」
マリュー「エターナルだけで大丈夫なんですか?」
ラクス「こちらの調査によれば、レクイエムの発射システムに重大な障害が発生して修理に時間がかかるようです…」「それにバルトフェルドさんも出てくれていますから…」「アークエンジェルが到着するまでは問題ないでしょう」
ラ・カン「しかし、修理が早く終わる可能性もあるのではないか…?」
ラクス「その時はエターナルで、できる限り食い止めてみせます」「ですからアークエンジェルはトロヤステーションへ行って下さい」
霧子「…恩に着るよ、ラクス・クライン!」
キラ「ラクス…」
ラクス「キラ。あなたには後で渡したい物があります。待っていますよ…」
キラ「うん。待っててね、ラクス」
マリュー「ではこれより、アークエンジェルはトロヤステーションへ向かいます! 総員、戦闘配備で待機!」
ミスト「了解っ!」
【シナリオデモ2終了】

【戦闘マップ2開始】

〔戦闘マップ1から継続〕
〔味方ユニット出現〕

ミューディー「ゾロゾロ出てきたわね。コーディネイターども…」
シャムス「1機残らず、叩き落としてやるぜ!」
〔スウェン、シビリアンアストレイへ攻撃〕
[イベント戦闘「スウェンvsシビリアンアストレイ」]
〔味方ユニット撃破〕
〔ミューディー、シビリアンアストレイへ攻撃〕

[イベント戦闘「ミューディーvsシビリアンアストレイ」]
〔味方ユニット撃破〕
〔シャムス、シビリアンアストレイへ攻撃〕

[イベント戦闘「シャムスvsシビリアンアストレイ」]
〔味方ユニット撃破〕
セレーネ「このままじゃまずいわね…。残りのモビルスーツを全部出して!」
研究員「了解!」
セレーネ「ソル、一緒に来て!」
ソル「えっ?」
セレーネ「スターゲイザーで出るわよ! 少しでも時間を稼がないと…」「せっかく育てたAIを奪われてたまるもんですか…!」
ソル「わかった!」「コクピットブロック、接続!」
セレーネ「プロテクション、クローズ」
ソル「プロテクション、クローズ!」
セレーネ「スターゲイザー、発進!」
〔味方ユニット出現〕
スウェン「…何だ、あれは?」
シャムス「あんなモビルスーツ、見た事ねえぞ」
ミューディー「データベース照合…」「…あったわ。GSX-401FW。深宇宙探査機だって」
シャムス「探査機? そんなもんで戦おうってのか?」
ミューディー「ファントムペインもなめられたもんだね…」
スウェン「任務の妨げになる物は排除するだけだ。行くぞ…」
シャムス「あんなのを落とすくらい、目ぇつぶってても楽勝だぜ!」
セレーネ「Nジャマーキャンセラーが効いているわ。パワーセルしか使えないわよ」
ソル「稼働時間は?」
セレーネ「フルパワーで17分。セーブして使って…」
ソル「了解!」
セレーネ「あなた達にAIは絶対に渡さない!」
〔カーソル、防衛エリアを指定〕
<戦闘開始>

<スウェンorミューディーorシャムスorナナバルク撃破or2PP>

〔味方戦艦出現〕
ソル「セレーネ! あれは…!」
セレーネ「まさか…アークエンジェル!?」
マリュー「トロヤステーション! こちらはアークエンジェル! 救援に来ました!」
シャムス「おいおい…。また天使様の登場かよ!」
ミューディー「何回私達の邪魔をすれば気が済むの!」
スウェン「…艦長、あいつらはどうする?」
連合士官「邪魔者は排除するだけだ。ただし、AIの奪取が最優先である事に変わりはないぞ!」
スウェン「わかった…」
キラ「マリューさん、あいつらは…」
マリュー「ファントムペインだわ!」
ムウ「トロヤステーションを守ってるモビルスーツの中に、見た事ない新型がいるぞ?」
ミリアリア「あれは…宇宙探査用モビルスーツ、GSX-401FWです!」
レ・ミィ「それって、戦闘用じゃないって事?」
コトナ「パイロットはよっぽど無茶な奴ね」
ゲイナー「早く助けてあげましょうよ!」
ムウ「ファントムペインか…。まさか昔の同僚と戦う事になるとはな…」
キラ「憶えてるんですか、ムウさん?」
ムウ「ああ。昔の記憶は完全じゃないが、ネオだった時の事はよく憶えてる…」「俺はファントムペインを率いて、ずいぶんひどい事をしちまった…」
宙「過ぎた事を悔やんでも仕方ないさ。これから償えばいい」
ムウ「ああ…。だけど、あいつらもかわいそうな連中なんだ。ステラ達と同じように…」
キラ「だったら救ってあげればいいんです。ムウさんが記憶を取り戻したように、彼らだって、心を取り戻せるはずです!」(救ってあげればいいなんて、たくさんの敵を倒してきた僕が言うセリフじゃないのはわかってるけど…)(救いを求めている命は、一つでも多く救ってあげなきゃ駄目なんだ…!)
ムウ「ああ、そうだな。そうしよう! 艦長、出撃命令をくれ!」
マリュー「…わかったわ。総員、発進準備!」
〈出撃準備〉
マリュー「敵はトロヤステーションを目指している部隊と、遊撃にあたっている部隊に分かれていると思われるわ」「トロヤステーションに向かっている敵を発見したら、最優先で撃退して!」「遊撃部隊の相手はその後で構わないわ!」
ムウ「了解! 油断するなよ、みんな!」

<ムウが戦闘>
ムウ「まさかファントムペインと戦う事になるとはな…」「だが、もう俺はネオじゃない。ムウ・ラ・フラガとして、お前達を止めてみせる!」

<セレーネが戦闘>
セレーネ「ごめんね、ソル。戦いに巻き込んでしまって…。この子も…」
ソル「仕方ないよ。AIを守るためだから…」
セレーネ「…エネルギーが少ないわ。節約して戦ってね!」
ソル「わかってる!」

<ゲイナーが戦闘>
ゲイナー「すごい…。全く陸地の見えない宇宙空間での戦いだぞ…」「いいか、ゲイナー。感覚を研ぎ澄ませ! 全方位にいる敵を感じるんだ!」

<ヴァンが戦闘>
ヴァン「…ったく、上も下もわからないような場所で戦うのはまっぴらだ! 早く元の世界に帰してくれ!」

<ルージが戦闘>
レ・ミィ「ルージ! サコン先生が改造してくれたんだから、地上と同じ感覚で戦えばいいのよ!」
ルージ「ああ。いつも通りに戦ってみる!」

<セレーネvsスウェン>
スウェン「…お前に勝ち目はない。今すぐ降伏しろ…」
セレーネ「降伏なんかしない! 私は、私のやりたい事を邪魔する奴と断固戦うわ!」

<セレーネvsミューディー>
ミューディー「コーディネーターのステーションなんか、跡形もなく破壊してやるわ!覚悟しなさい!」
セレーネ「そんな事は絶対にさせない! この子のために、トロヤステーションは守ってみせる!」

<セレーネvsシャムス>
シャムス「探査用のモビルスーツで俺達と戦おうなんて、無謀にもほどがあるぜ!」
セレーネ「たとえ探査用でも、使い方次第でちゃんと戦う事ができるわ。それを見せてあげる!」

<スウェン撃破>
〔スウェンに爆発〕
スウェン「ダメージを受けすぎたか。こうなったら、AIだけでも…!」
〔スウェン、トロヤステーションへ接近〕
セレーネ「いけない! 黒いモビルスーツが…! そうはさせない!」
〔セレーネ、トロヤステーションへ接近〕
セレーネ「ソル。ゲイザーから降りなさい!」
ソル「えっ?」
セレーネ「トロヤステーション! プロパルジョンビームを30%の出力でスターゲイザーに発射して!」「あのモビルスーツを排除するわ!」
ソル「セレーネ! そんな事をしたら、Gで体が押し潰されてしまうぞ!」
セレーネ「連合軍にAIを渡すわけにはいかないわ!。コクピット、強制射出!」
〔コクピットの開く音〕
ソル「うわあっ!」
〔カーソル、トロヤステーションへ移動〕
ソル「やめろ、セレーネ! 一緒にスターゲイザーを育てようって言ったじゃないか!」
〔セレーネ、スウェンへ隣接〕
〔衝撃音〕

スウェン「うっ! 貴様、何を…!」
セレーネ「今よ! プロパルジョンビームを発射して!」
〔画面、緑にフラッシュ〕
〔ビームの発射音〕

セレーネ「うぐっ…!」
スウェン「ぐわああっ!」
〔セレーネ&スウェン、マップ端へ移動〕
〔味方ユニット離脱〕
〔敵ユニット離脱〕

ソル「セレーネ…セレーネーーッ!」
ヴァン「何だ、今の…」
ミスト「モビルスーツが飛ばされて行った…?」
アンジェリカ「ボンヤリしないで! 敵はまだ残ってるのよ!」
ミスト「わ、わかってるよ!」

<ミューディー撃破>
〔ミューディーに爆発〕
ミューディー「このままじゃ機体が保たないわ…。悔しいけど退却するしかなさそうね…!」
〔敵ユニット離脱〕

<シャムス撃破>
〔シャムスに爆発〕
シャムス「ちいっ! ここまでか…! 命拾いしたな、コーディネイターめ!」
〔敵ユニット離脱〕

<敵全滅・勝利条件達成>
甲児「これで全部片づいたのか?」
ミリアリア「周囲に敵影、ありません!」
ソル「アークエンジェル、聞こえますか? こちらはトロヤステーションです」
マリュー「こちらアークエンジェル、そちらの被害状況は?」
ソル「スターゲイザーのAIは無事。ステーションのダメージは軽微です。皆さんのおかげです!」
マリュー「それは何よりでした。では、我々は次の任務がありますので失礼します」
ソル「ああっ! ちょ、ちょっと待って下さい!」
マリュー「何か問題でも…?」
ソル「お、お願いがあるんです…!」
【戦闘マップ2終了】

【シナリオデモ3開始】

アークエンジェル/ブリッジ
マリュー「…ええっ! マクグリフ博士の乗ったモビルスーツが行方不明?」
ソル「セレーネ…じゃなくて、マクグリフ博士の乗ったスターゲイザーは…」「プロパルジョンビームで飛ばされて行ったんですが…」「敵の攻撃のせいでビームの出力が乱れてしまって、どこに行ったかわからないんです!」「お願いです! セレーネとスターゲイザーを探してもらえませんか?」
アンジェリカ「ビームで飛ばされて行ったって、どういう事です?」
ソル「スターゲイザーは、ヴォワチュールリュミエールを搭載しているんです」「ヴォワチュールリュミエールにプロパルジョンビームを照射すると一気に加速して…」「あっと言う間に遠くへ飛ばされてしまうんです」「もう手の届かない場所へ飛ばされてしまった可能性もありますが…」「まだ近くにいるかもしれません。お願いです! 捜索に手を貸して下さい!」
マリュー「私達がここに来たのはマクグリフ博士を助けるためですから、捜索に協力したいとは思いますが…」「私達は急いでダイダロス基地に向かわなければなりません」「これ以上、ここで時間をロスするわけには…」
ムウ「酷なようだが、ひとりを救うために人類全体を危険にさらすわけにはいかないからな…」
ソル「そ、そんな…!」
ミア「ラミアス艦長。私達が行ってきます!」
マリュー「えっ?」
ランバ「ソルさんや葵博士を悲しませるわけにはいかないもん。助けに行って来るわ」
ロール「ダンガイオーのスピードなら、スターゲイザーに追いつけるかもしれませんよ!」「飛ばされた方向はわかってるんでしょう?」
マリュー「ですが、単機では…」
ロール「周辺に敵機はいないようですし、さっきみたいな無茶なお願いじゃないと思いますけど…」
キラ「だけど、あてもなく追いかけても駄目なんじゃないですか?」「もしかしたら、追いつけないほどの超高速で飛んでいるかもしれないんですから…」
ミスト「それならセリウスかセリウスIIで一緒に行けばいい」「あの機体なら、ちょっとくらい遠くにいても発見できるはずです!」「追いつけないほどのスピードで飛ばされてたら、お手上げですけど…」
マリュー「…という事は、アンジェリカさんか、シェルディアさん…」「どちらかに行ってもらう必要があるわね…」
マリュー
「アンジェリカに行ってもらう」
「シェルディアに行ってもらう」


※※「アンジェリカに行ってもらう」を選択した場合のセリフ※※
マリュー「人命救助と宇宙戦の実績があるアンジェリカさんにお願いするわ」
アンジェリカ「わかりました。ダンガイオーと一緒にマクグリフ博士の救出に向かいます!」
※※「シェルディアに行ってもらう」を選択した場合のセリフ※※
シェルディア「ボクが行くの? ボクよりもアンジェリカが行った方が確実じゃ…」
マリュー「シェルディアさんが最適と判断したのは私よ。自信を持ちなさい」
シェルディア「…わかりました。行ってきます!」

ロール「それじゃ、今すぐ出動します!」
マリュー「頼んだわよ」
〔扉の開閉音〕
ソル「ありがとうございます! よろしくお願いします!」
ミリアリア「艦長、エターナルからランデブーポイントの座標が送られてきました」
マリュー「わかりました。ノイマン、指定の座標にコースセット」
ノイマン「了解!」
マリュー「アークエンジェル、発進!」
【シナリオデモ3終了】

【戦闘マップ3開始】

〔敵ユニット出現〕
〔味方ユニット出現〕

スウェン「ん…ううっ…」
セレーネ「気がついた?」
スウェン「ここは…?」
セレーネ「スターゲイザー。あなたの戦ってきたモビルスーツのコクピットよ」
スウェン「なぜこんな所に…」
セレーネ「私が運んだの。少し手間だったけどね」
スウェン「…うぐっ!」
セレーネ「動かない方がいいわよ。肋骨と鎖骨が折れてるみたい」
スウェン「コーディネイターの捕虜になるつもりはない…!」
セレーネ「別に拘束するつもりはないわ」
スウェン「…………」「…周囲に何も見えないが、ここはどこだ?」
セレーネ「わからないわ。私もずっと気を失ってたし」「どこまで飛ばされたかなんて、見当もつかないわ…」
スウェン「け、見当もつかないだと…? うぐっ!」
セレーネ「動かない方がいいって言ったでしょ。ケガ人なんだから…」
〔コンピュータの動作音〕
スウェン「何をしている?」
セレーネ「見ての通り、帰る準備よ」
スウェン「帰るだと? 場所もわからないのにどうやって帰るつもりだ?」
セレーネ「飛ばされて来た方向はわかってるから…逆方向に進めば元の場所に戻れるわ」「ただし、帰り着くまでにどれくらい時間がかかるかわからないけどね…」
スウェン「なに?」
セレーネ「あなたの機体からエネルギーをもらうわ。この子はシステムコントロールの維持だけで精一杯。いいでしょ?」
スウェン「…ノワールのエネルギーもたいして残っていないはずだ。10秒も加速すれば使い切ってしまう」「今の流れを止めるだけで精一杯だろう」
セレーネ「かもしれないわね。でも、この子なら、それで十分…。むしろ問題は私達の体の方ね…」
スウェン「なに?」
〔コンピュータの動作音〕
セレーネ「室内温度4度に設定…。メルカトランフェラーゼを注射して睡眠して、身体の代謝を極力抑えるけど…」「最大で酸素が持つのは…27日間。それまでに発見されなければ、私達はミイラね」
スウェン「…なぜ助けた?」
セレーネ「えっ?」
スウェン「なぜ敵の俺を…」
セレーネ「寂しかったから…かな。こんな遠くにひとりでいるのが…」
スウェン「!!」
セレーネ「誰でもいいから、眠るまで声をかけられる相手が欲しかった。情けないって笑ってくれてもいいわ」
スウェン「…………」
セレーネ「注射するわ。ちょっとチクってするわよ」
スウェン「…………」
セレーネ「…おとなしいのね。…次は私の番。出血が止まったら、私の手首を押さえて」「君の静脈みたいに太くないなら、しっかり押さえないと出てこないの。…女って、やっかいでしょ?」
スウェン「…………」
セレーネ「…んっ…」「…ありがとう」「ヴォワチュールリュミエール、展開!」
〔画面、緑にフラッシュ〕
〔光の放射音〕
〔セレーネ、前進〕

セレーネ「このスターゲイザーは、外宇宙探査のために作られたモビルスーツ…」
スウェン「宇宙探査…?」
セレーネ「太陽からの風を微粒子の粒子の膜で受けて推進力にするの…」「最初の1秒では0.5センチしか動かないけど、1分後には18メートル…」「1時間後には64キロメートル進んで、時速128キロになる…」「一度走り始めたら無限に加速し続ける…」
スウェン「無限に…」
セレーネ「帰れるわ、必ず…!」「フフッ…」
スウェン「……?」
セレーネ「我ながらおかしいわ。少しでも遠くに行きたくてこの子を作ったのに…」「こうして元いた場所へ必死に帰ろうとしているなんて…」
スウェン「遠くへ…?」
セレーネ「そう。昔から、星座や流星群を見るのが好きでね…」「周りはみんな、恋愛やファッションに夢中なのに、私だけずっと遠くの星ばかり追ってた…」
スウェン「…………」
セレーネ「さんざん変わり者だって言われたけど…でも仕方ないじゃない。こればっかりは好きなんだもの…」「だから、必ず帰って…」
スウェン「…俺もだ」
セレーネ「え?」
スウェン「俺も…星を見るのが好きだった」
セレーネ「そう…」「君、名前は…?」
スウェン「スウェン…」
セレーネ「…いい名前ね」
スウェン「あなたの名前は…?」
セレーネ「私? 私…は…」
スウェン「ん?」(眠ってしまったのか…)(…生き残るのか、このまま死ぬのかはわからない…)(だが、どちらにしろ悪くはない。この無数の星々に囲まれたまま、静かな眠りにつけるのなら…)「…………」
【戦闘マップ3終了】


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