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No.34
天国の雷

【シナリオデモ開始】
アークエンジェル/ブリッジ
シェルディア「大丈夫、レム? 無理しなくていいからね」
レム「うん、平気。あいつを…ル=コボルを見たら、急に頭がブワーッとなって…」「気が遠くなっちゃって…。でもそのおかげで、ガズムって奴が体の中にいた時の記憶が蘇ったよ…」
ミスト「じゃあ、あいつらの目的がわかるのか?」
レム「うん。私の頭に残ってる事ならね…」
カガリ「じゃあ、さっそく教えてくれ。まずはル=コボルの正体だ」
ゴオ「そいつがもっとも重要な事だからな…」
レム「ル=コボルは、古代人の悪しき心が集まった邪悪な精神生命体…」「あいつの最終目的は宇宙そのものの破壊なの…」
イザーク「宇宙そのものを破壊だと?」
ディアッカ「そりゃまたずいぶん気の遠くなるような話だな…」
甲児「でも、惑星を一つ一つ破壊して回ってるのか? ずいぶん地道な奴だな」
ソル「そうですよね。この宇宙にどれだけ惑星があるかわかったものじゃありません」
セレーネ「まさに天文学的数字よ」
ジョシュア「惑星だけにこだわる理由もわかりませんしねぇ」「破壊だったら、手当たり次第いろんな物を壊していけばいいんじゃないですか?」
レム「…今のル=コボルは完全な存在じゃないの」「ル=コボルは2000年前、敵対していた同胞との戦いに負けて…」「古代人の星と一緒にバラバラに砕け散ったの」「でも、ル=コボルはバラバラになった状態で、密かに生き残った古代人の心の中に忍び込んでた…」「母星を失った古代人は、無意識にル=コボルの『欠片』を持ったままいろんな星に移住を始めたの」「だから、今のル=コボルは、宇宙に散らばった自分の『欠片』を探している最中なの」
ミスト「奴らが言ってた『欠片』っていうのはバラバラになったル=コボルそのものの事だったのか!」
レム「『欠片』が全部集まって融合すれば、ル=コボルは元の『破壊衝動の塊』になっちゃうの」「そうすれば、この宇宙の破壊なんて、きっとほんの一瞬で終わっちゃう…」
ロン「…でも今は、自分の『欠片』を探して、地道な活動をしてるわけだろ? ご苦労様だねえ…」
アスラン「じゃあ、イディクスというのは何なんだ? あんな奴に従うだなんて、宇宙の破滅を望んでいるようなものだぞ?」
レム「イディクスは、『欠片』を集めるための組織…。その構成員は全員ル=コボルの分身なの…」「ガズムだってそうだよ。イスペイルも、ヴェリニーも全員がル=コボルの分身」「元々がル=コボルだから、宇宙の破滅を望んでるのは当然なのかも…」
ミスト「アトリームやベザードを襲ったのは『欠片』を集めるためだったのか?」
レム「うん。アトリームやベザードは2000年前の戦いの後、古代人が移民した星だったから…」「そして、用が済んだから破壊したの」
ミラ「破壊が目的だから壊すって話だったけど…」「どうして地球は壊されないの? それに分身って…?」
レム「それには、まずは惑星破壊兵器プラネット・クライシスについてお話しなきゃダメかな…」
ミラ「いいわ。その話から聞かせて」
レム「プラネット・クライシスは惑星を時空間レベルでぶつけて、破壊、消滅させる兵器なの…」「しかも消滅した惑星に住んでいた生物が『欠片』を持っている場合、『欠片』が実体化して兵士になるの」「その兵士達は、死んでも『欠片』の状態に戻るだけ…」「もし死ななくても、イスペイルやヴェリニー、ガズムに吸収されてル=コボルに近づくための糧となる」
ミラ「イスペイル達はどうやって生まれたの?」
レム「ル=コボルは、憑代を媒介にして『欠片』でできた兵士を融合させる事ができるの」「すると、その『欠片』を形成してる古代人の悪意に応じた…」「兵士よりも強力な精神生命体が生まれるの…」
アスラン「ワンランク上の存在という事か」
レム「科学者達の悪意から成った『欠片』をいっぱい集めたのがイスペイル…」「女性や動物の悪意から成った『欠片』をいっぱい集めのたがヴェリニーなの」「ちなみに、ル=コボルはもちろんイスペイルやヴェリニーは…」「『欠片』から成る兵士を吸収する事で強く…ル=コボルに近づく事ができるの」
コトナ「イスペイル達が手分けして『欠片』を集めて、最後にル=コボルが吸収するって寸法ね」
一騎「フェストゥムとは違って元々別の意識を持っていた人間達が一つの意識体として生まれ変わった…」「その意識をもう一度分割したのがイディクスの連中ってわけか…」
翔子「一騎君、一回聞いただけでよくわかるね…」
甲洋「羽佐間には後で俺が教えてやるよ。ほら、今は話を聞こう」
翔子「うん」
レム「ガズムは、私が持ってた『欠片』を吸収するために私に…憑依した…」
剣児「何でわざわざとり憑いたんだ? 吸収できるんだろ?」
レム「『欠片』にも強さがあるの」「プラネット・クライシスによって生まれる兵士はみんな強さが一緒になっちゃう」「だから、兵士を吸収してもちょっとしか強くなれないの」「でも、『欠片』の持ち主の中には世代を重ねて強力な『欠片』を宿してる人もいる…」「そういう『欠片』を吸収すれば時間はかかるけど、飛躍的に強くなれるの」「でも、吸収する時に『欠片』の持ち主の影響を受けちゃうかもしれない…」
鏡「つまり、ル=コボルに近づく過程で余計な物が混じってしまう危険性があると?」
レム「私の記憶はそう言ってる。だから、憑依するのはそういう人にだけ」「そして、時間をかけて『欠片』と一体化しちゃってる憑代の意識だけを消していくんだ…」「そして、乗り移った肉体の『欠片』を自分に取り込んで、2000年前のル=コボルに近づいていく…」
剣児「前に鏡は、プールの中にこぼしたジュースだけ取り戻せるか? って聞いてきたけど…」「こいつらはプールに飛び込んで水ごとジュースを飲むんだな」
つばき「剣児、よくそんな話覚えてたわね…」
剣児「食い物の話なら忘れねえぜ!」
ミスト「…じゃあ、隊長は強い『欠片』の持ち主だったって事か…」「…ん? そんな強い悪意の塊が心に潜んでいたんなら、なんで隊長はクリスタル・ハートを動かせたんだ…?」「俺達だってそうなんだろ? ガズムが言ってたじゃないか、『欠片』がどうだとか…」
アンジェリカ「そういえば、私もガズムに目をつけられていたようだけど…」
レム「…よく思い出せないけど、ル=コボルは…」「アンジェリカさんも『欠片』の持ち主だから、生け捕りにしようとしてるよ」
アンジェリカ「………」
ムウ「話を聞いてると、君も強い『欠片』の持ち主だったんだろ?」
レム「そうみたい…。ガズムは私の意識と一体化してる『欠片』をなかなか溶かせなかった…」
シェルディア「…もしかして、レムが近づくと『神の石』が起動しなくなったのはそのせい…?」
レム「ガズムの記憶からはわかんないけど…。きっとそうだと思う…」
シェルディア「ボク達がル=コボルの分身として目覚めちゃうって可能性はないの?」
レム「体内に『欠片』があるからって、必ず邪悪な心に目覚めるとは限らないみたい…」「お兄ちゃん達はアトリームを守った時、大丈夫だったんでしょ?」「ル=コボルは、その星の『欠片』を集める前…」「必ず『欠片』を刺激して、その星を混乱に陥れるんだよ」「そしたら『欠片』を持っている生物は全員悪意に心を支配されちゃうから…」
ミスト「俺の『欠片』が反応しなかった理由はわからないけど…」「俺がクリスタル・ハート搭載機に乗る事になったのは…」「クリスタル・ハートを動かせるのが俺達しかいなくなったからなのかもしれないな…」
アンジェリカ「…私のお父さんはどうなるの…? あのままル=コボルに精神を支配されてしまうの?」
レム「…わかんない。私の場合はガズムの力が弱かったから助かったけど…」「あっちは、2000年前のル=コボルにより近い個体だし…」
アンジェリカ「そ、そんな…」
ミスト「大丈夫だ。心配いらない。絶対助けられるから!」
アンジェリカ
「う、うん…」
カガリ「…分身という表現を使った理由や、イディクスそのものについてはわかった」「次は地球が壊されなかった理由を聞きたいが、大丈夫か?」
レム「大丈夫…。私にしかできないことだもんね」
カガリ「すまない…」
レム「2ヶ月前のベザード侵略の後、イスペイルはお兄ちゃんが飛ばされた地球に…」「ヴェリニーはもう一つの地球に目をつけたの」「地球に着いたイスペイルは、地球を取り巻くマイナスエネルギーの多さに驚いたんだ…」
ルージ「マイナスエネルギーって…?」
レム「怒りや憎しみ、嫉妬、悲しみ…それに侵略者達が抱く邪悪な心…」「そんな心が生み出す負のエネルギーの事だよ」
鏡「確かに地球は、たくさんの侵略者から狙われていただけでなく…」「地球人同士の戦いにより、ひどい状況に追い込まれていた」「地球人の心は今までになく、荒んでいただろう」
シン「それ…わかります…」
ミスト「俺は、人間同士が憎しみ合い、殺し合うのがどうしても理解できなかった…」「それで地球人を憎んだ事もあった…」
レム「イスペイルは、そういうマイナスエネルギーがル=コボルの役に立たないかと考えて…」「ダリウス軍や邪魔大王国に手を貸して、地球の混乱を拡大させたの」「その結果、マイナスエネルギーはさらに大きくなっていった…」
アンジェリカ「イディクスが陰でコソコソしていたのはそんな目的があったからなのね…」
レム「その途中で、イスペイルは1年前に自分を追いつめたレヴリアスを見て…」「その力を手に入れようって考えたみたい。ル=コボルがつぶやいてた事からの推測だけど…」「それで、イスペイルは謀反を企てるのに夢中で、肝心の『欠片』集めを忘れていたようなの」「ヴェリニーに言われて、イスペイルはやっと『欠片』探しを始めたけど…」「結局、地球は古代人の末裔の移住した星じゃなかった…」
サラ「ヴェリニーって言えば、私達の地球では何をしてたの? やっぱり『欠片』の回収?」
レム「うん。最初の目的はそう。でも、あなた達の地球でも『欠片』は見つからなかったわ」「その代わり、ヴェリニーも興味深い物を発見つけたの…」
ゲイナー「僕達の地球に、ですか?」
ジョシュア「ソラノヒトの技術…オーバーマンの技術…。面白そうなものはいろいろありますねえ」
レム「…それはカギ爪の男が開発していた、幸せの時計画のシステムよ」
ジョシュア「よりにもよって、カギ爪の男の考えを僕らの意識下に植えつけるシステムを選ぶなんて!」
レム「そう。ヴェリニーは、それを使えばル=コボルに逆らう者がいなくなると考えたの…」「しかも、流体制御技術を応用すれば局所的なビッグ・バンを起こせる…」「プラネット・クライシスに必要なエネルギーをビッグ・バンでまかなえるって考えたの」
カルメン99「ったく、冗談じゃないわよ! 迷惑なエコ活動だわ…!」
ウェンディ「そうよ、迷惑だわ! そんな勝手な理屈…!」
ミハエル「確かに許される事じゃない…」
レム「でも、ヴェリニーも計画の途中でみんなに倒されちゃった…」「それでガズムがやって来て、イスペイルとヴェリニーのやり残した事をやろうとしたけど」「これまたみんなにやられちゃった……」
剣司「イスペイルやヴェリニーみたいな奴らはもういないのか…?」
レム「もういないはずだよ。何十年か前にル=コボルがめぼしい奴を吸収しちゃったから…」
総士「イスペイル達の『欠片』はどうなったんだ? 肉体を破壊されて、宇宙に拡散したのか?」
レム「うん。イスペイルやヴェリニーも憑代を失って、『欠片』は地球の周りを漂ってるはずだよ」「ガズムは消滅しちゃったかもしれないけど…」「だからル=コボルはアンジェリカさんや私の肉体を手に入れようとしてるんだ」「強力な『欠片』を入れて個体を形成させるための新しい憑代としてね…!」
サコン「仮にもし、レム君やアンジェリカ君の体内に『欠片』を封じ込めたとして…」「イスペイルやヴェリニーは復活するんですか?」
レム「イスペイルやヴェリニーの記憶は断片的に残っているかもしれないけど…」「一度バラバラになっちゃったし、再生したら別人になっちゃうと思う」「でも、最終的にはみんなル=コボルとして一体化するんだから…」「その過程で誰だったかなんて事はそれほど重要じゃないのかも…」
カガリ「…よし。これでこれまでの状況はだいたい整理がついたな…」
ラクス「残る問題は、どうやってル=コボルを倒すかですね…」
ロール「レムちゃん。さっき、ル=コボルは2000年前に負けたって言ったけど、誰に負けたんだい?」
レム「それはわかんない。私の…ガズムの記憶にはないわ」
パイ「ちっ。倒した奴の事がわかれば、ル=コボルを倒す手がかりになったのにな…」
ミスト「ガズムを倒したのと同じようにソルヴリアス・レックスの力を使えば…」「憑代の…隊長の肉体を傷つけず、ル=コボルの本体だけ倒せるんじゃないかな…?」
レム「可能性はあると思うけど、ガズムを倒した時より強いパワーがないと駄目だと思うよ」
さやか「そんな…! ガズムを倒した後、ミスト君もアンジェリカさんも消耗しきって倒れたのよ?」
ルナマリア「あれ以上のパワーなんて出したら、今度こそ死んじゃうわよ!」
アンジェリカ「…………」「でも、それしかル=コボルを倒す方法が…お父さんを助ける方法がないんだとしたら…」
ミスト「そうだな。俺達ふたりの命で地球が救われて隊長を助けられるなら…」
カガリ「馬鹿な事を言うな! 誰もそんな事を望んじゃいない!」
総士「それに、あなた方が死ぬほどの力を出したとしても、ル=コボルを倒せる保証はありません」「無意味な死など選択せず、勝って生き残るための方法を考えるべきだと思います」
ミスト「総士君…」
バルトフェルド「倒し方も問題だが、それ以前にル=コボルがどこにいるかわからないと攻めようがないぞ?」
ボス「そりゃそうだわさ! …ん? ちょっと待てよ? レムちゃんなら知ってるんじゃねえの?」
シェルディア「レム。ル=コボルの居場所、知らないの?」
レム「…ごめん。記憶にないの。さっきから、思い出そうとはしてるんだけど…」「うっ…!」
シェルディア「レムッ!」
レム「大丈夫。ちょっと頭痛がしただけだから…」
フランクリン「話を聞くのはここまでだ。医者として、この子にこれ以上の無理はさせられん」
ガラガ「でも、肝心のル=コボルの居場所がまだ…!」
レ・ミィ「ちょっとガラガ! こんな小さい子にまだ無理をさせる気?」
ウェンディ「そうです! そんなのひどすぎます!」
ガラガ「わ、わかったよ。そんなに怒るなって…」
サコン「ル=コボルの居場所については、ゲート発生装置の場所を元にして推測するしかないでしょう」
アンジェリカ「それに、私の事を必要としているのであれば、向こうから現れるかもしれませんし…」
カガリ「特に手がかりがなければ、奴らの月面基地に向かおう」「もしかしたら回収し損ねたデータがあるかもしれないし…」
〔通信のコール音〕
ミリアリア「何者かが通信を試みようとしてます!」
カガリ「回線を開け!」
〔モニターの開く音〕
???(タングラム)「…助けを求める…私です 終わりの世界は…地球も、月も、消えていく…」「…聞こえていますか…」
〔通信の閉じる音〕
ゴオ「何だ、今の通信は!?」
カガリ「発信場所はどこだ?」
ミリアリア「月面の…このポイントからです!」
〔スイッチを入れる音〕
シン「…何だ? 巨大なクレーター…?」
ハッター軍曹「兄弟! ここは!」
チーフ「照合した。『月面の穴』と同座標だ」
早乙女「『月面の穴』…ああ、あのワープゾーンか!」
チーフ「我々は、そこを介してこちらにやって来たと思われる」
フェイ「それが突然消えちゃって。以後、皆さんと一緒に私たち。です」
ガラガ「だから、穴っぽいものがどこにも見あたらねえのか…」
フェイ「そろそろ帰りたいかもなんだけど…」
サコン「すみません。私の方でも手は尽くしたのですが、同じ穴を開ける事はできませんでした」「ゲートと同じ原理のようですが、何かが根本的に違うようなのです」「イディクスのゲート発生装置を用いていないのかもしれません」
ゴオ「それにしても『月面の穴』どころか通信を送ってきそうな物体すらも無いのはどういうことだ…?」
ミリアリア「しかし、発信源は間違いなくこの位置です。何度も確認しました!」
柳生「地面の中に何か埋まっているのかしら…?」
リー「敵の地下基地があるのかもしれないぜ?」
ミリアリア「それが、熱源反応、金属反応共に大規模なものはありません」
ダコスタ「観測できるのは残骸ばかりですね…」
アスラン「どうする、カガリ…?」
カガリ「とりあえずこの場所へ行ってみよう。今はそれしか手がかりがない」「現地へ行って調べてみれば、新しい発見があるかもしれないからな」
静流「さっきの通信、地球も月も消滅するとか物騒な事を言ってたわよね…」
光司「急いで手を打たないとまずいかもしれませんね」
ハッター軍曹「…なあ、兄弟。こっちの月が消滅するってのはどうなんだ?」
チーフ「『月面の穴』はその再生ポイントを失う」「同時に我々が原界復帰する可能性も失われる」
フェイ「それってかなりヤバめじゃん!」
ムウ「心配するな。そんなにあわてなくても地球も月も、消滅させやしないさ」「っつーか、もっとヤバい事だらけだからな、地球と月が消滅しちまうと」
フェイ「そりゃそーだ!」
ゲイナー「むしろ、そっちの危機を心配して欲しかったですよ!」
フェイ「物事のプライオリティは立場によって変わるのです♪」
宙「俺達だって、自分の世界を守りたいからな」「軍曹達も、自分の世界に戻るためにしっかり戦ってくれよ!」
ハッター軍曹「俺はいつだって本気だぞ! オール・オア・ナッシング! 全ては世のため友のため!」
カガリ「よし、それじゃ『月面の穴』があった座標に向かおう!」
〔通信のコール音〕
カガリ「またさっきの通信か?」
ミリアリア「いえ、違います。これは…バーチャロイドの識別信号です! 回線、開きます!」
〔モニターの開く音〕
クリアリア「白虹の騎士、クリアリア・バイアステンだ」「差し支えなければ、諸君らとの合流を求めるものである」
ハッター軍曹「また白騎士か!」
クリアリア「久しぶりだな、ハッターくん」
チーフ「白騎士、確認したい。タングラムの事を知っているか?」
クリアリア「承知している。タングラムの救難コードはアクセス可能な全帯域で発信されている」「諸君も、彼女の声にひかれて、『こちら』の『月面の穴』へ向かっているのだろう?」
ダイヤ「白騎士さん、やっと俺達の世界が自分の世界とは別だって気づいたみたいだね」
クリアリア「現状認識の甘さについては謝罪する。ダイモンによる偽情報の精度が増したせいで…」「従来のフィルタリングでは追いつかなくなっていた」「諸般の誤解に基づく非礼にっついてはその償いをする用意がある。受け入れてもらえるだろうか?」
ゲイン「ほう…。あの紳士的な姿勢、こりゃ見習わんといかんな」
アスハム「これ以上優男を気取ってどうするつもりだ、ゲイン!」
ゲイン「どうもせんさ。ま、今は白騎士さんとやらの話を聞いてやろうぜ」
クリアリア「現在、原界との連絡も復活し必要なアップデートも完了させている。概ね順調だ」「とは言え、今回のゲート慶友の事象遷移は、前例のない極めてユニークなものだ」
ルル「私達が空間ゲートを通った時も通るたびにゲート内の状況が違う事がありました」「もしかしたら『月面の穴』も潜る際に非常に不安定になる時もあれば、一瞬で潜り抜ける事もある…」「そういった類のものだったのではないでしょうか?」
ハッター軍曹「俺も『月面の穴』は一瞬で抜けられた時と長い時間をかけて抜けた時があるぞ!」
ムウ「話を聞いてると、『月面の穴』自体に悪意があるような気がするな…」
チーフ「タングラムからの救難信号の真贋は?」
クリアリア「これについては間違いない」「タングラムの衰弱は確かだが、彼女は、我々との接触に全てを賭け、全ての力を注ぎ込んでいる」
剣児「おい、そのタングラムってのは何なんだ?」
チーフ「タングラム、すなわち時空因果律制御機構」「主な機能は、並行時空の交錯統制に関する一連の…」
ハッター軍曹「難しい話は後だっ! タングラムがいるとわかった以上、行動あるのみ!!」
剣児「そ、そうなのかよ!?」
クリアリア「軍曹の言う通りだ。現状では『月面の穴』への急行が望ましい」「再び敵の手に落ちる前にタングラムを確保するのだ!」
フェイ「…でも、さっき調べた時は『月面の穴』っぽい反応はなかったんだけど…」「ま。、行ってみればわかること、かな?」
カガリ「…何だかよくわからんが、あんた達の言葉を信じよう。ラミアス艦長! 全速前進だ!」
マリュー「了解。アークエンジェル、全速前進!」

ノイマン「指定の座標に到達しました…」
マリュー「やはり、ゲートのような物は見あたらないわね…」
フェイ「『月面の穴』がないって事? でも白騎士さんは通ってきたんでしょ?」
クリアリア「うむ。確かにその通りだが…」
ハッター軍曹「俺達が観測する前のタイミングで一瞬だけ発生したという事か…」
〔通信のコール音〕
ミリアリア「通信回線に強いシグナルが…! これはさっきの通信です!」
〔モニターの開く音〕
???(タングラム)「皆さん…今…扉を…開き…早く…私の所へ…」
〔戦艦の警報〕
ミリアリア「クレーターの中央部に空間の歪みが発生します!」
ハッター軍曹「兄弟! これは…!」
チーフ「『月面の穴』だ!」
???(タングラム)「さあ…このゲートをくぐって…私を…信じて…」
ルル「皆さん聞いての通り、『月面の穴』は非常に不安定な異空間と思われます」「総員、ショックに備えて下さい!」
カガリ「よし、『月面の穴』に突入するぞ!」
〔転移音〕
〔画面、暗転〕


ノイマン「突入、成功したようです!」
ルル「大空魔竜も後に続いています」
ハッター軍曹「この空間はいったい何なんだ? 俺達が通ってきた時とも全然違う!!」
クリアリア「見渡す限りの暗黒、か…」
コトナ「まさか、罠にかかったんじゃないでしょうね?」
ミスト「そ、そんな…!」
〔レーダー反応〕
チャンドラ「前方に熱源反応! バーチャロイドの物と思われます!」
ミスト「やっぱり罠だったのか!?」
スウェン「…!? ここは…要塞内部か?」
ヤッサバ「いつの間に俺達は建物の中に入った!?」
衛「そんな! 真っ暗だったはずなのに…!」
咲良「ビ、ビビってんじゃないよ! 何があってもおかしくない空間なんだろ!?」
マリュー「ミリアリアさん!?」
ミリアリア「反応、ありませんでした!」
ダコスタ「こちらもです! いつの間にこんな所に迷い込んだのか…!」
バルトフェルド「あわてるな、ダコスタ君。俺達がしなきゃならんのは何かね?」
ダコスタ「は、はい! 出撃です!」
バルトフェルド「そういうわけだ、ラミアス艦長。早めに展開しておいたほうがいいだろう」
マリュー「わかりました」
カガリ「よし、総員出撃準備に入れ! まずは様子を見るぞ!」
【シナリオデモ終了】


サブタイトル
「天国の雷」


【戦闘マップ開始】
〔味方戦艦出現〕
〔味方ユニット出現〕
〔敵ユニット出現〕

クリアリア「亡霊どもか…!」
チーフ「そこそこ大物も揃っているようだ」
総士「アスハ代表。わざわざ敵の罠にかかる必要はありません。ここは撤退するべきです!」
カガリ「いや。私にはタングラムからの通信が罠だとは思えない。それに、退路も断たれている」
総士「えっ?」
カノン「出口が…無くなってる!」
ヴァン「一方通行ってわけかよ…」
カガリ「こうなってしまったらとりあえず火の粉を払うしかない! 総員、直ちに発進だ!」
〈出撃準備〉
カガリ「こいつらを突破してタングラムを探す! みんな、頼むぞ!」
ハッター軍曹「エブリバディ! レッツゴー!」
<戦闘開始>

<敵全滅・敵増援1出現>

〔敵ユニット出現〕
剣児「まだ出て来んのかよ!」
ゲイナー「ヤガランデって奴もいます!」
ピュリア「ったく、次から次へと…!」
プリシラ「出血大サービスって感じね!」
レ・ミィ「そんなサービス、いらなーいっ!!」
ファサリナ「口を動かすのも結構ですが…手も動かさないとやられてしまいますよ…?」
ミハエル「急ぎましょう、皆さん!」

<敵全滅・敵増援2出現>
〔敵ユニット出現〕
ロール「な、何だ!? 新手か?」
杏奈「何よ、あの丸いっこいオモチャみたいなのは!」
一騎「て、敵…なのか?」
〔ダイモン・アーム、ルルへ攻撃〕
[イベント戦闘「ルルvsダイモン・アーム」]
ダイヤ「大丈夫か、ルル!」
ルル「ええ、大丈夫よ!」
ムウ「見た目とは裏腹に、なかなかやるみたいじゃないの…!」
甲児「数は少ねえんだ! 一気に片付けるぜっ!」

<ミストが戦闘>
ミスト「タングラムが何なのかまだわからないけど…」「地球の消滅について何か言っていたようだった…!」「今はどんな手がかりでもいい! とにかく進むんだ!」

<ミストvsダイモン・ワームorダイモン・アーム>
ミスト「さっきの攻撃を見る限りだとパワーも頑丈さも、バーチャロイドよりワンランク上ってとこか…!」「だったらそれなりの戦い方をするまでだっ!」

<アンジェリカが戦闘>
アンジェリカ「タングラムが時空統制に関連するものだとしたら…」「このゲートに関しても何かわかるはず…!」

<アンジェリカvsダイモン・ワームorダイモン・アーム>
アンジェリカ「イディクスの新型…? それにしては意匠も雰囲気も違う…。どういう事なの…?」

<敵全滅・勝利条件達成>
ミリアリア「敵機の反応、全て消滅しました!」
フェイ「最後に出て来た奴ら…すっごくキモかったよ~」
チーフ「とりあえずバーチャロイドではなかったが…」
カガリ「ミリアリア! 周囲をスキャンするんだ。発信源らしき物がないか、調べてくれ!」
ミリアリア「はいっ!」
【戦闘マップ終了】

【シナリオエンドデモ開始】

アークエンジェル/ブリッジ
〔モニターの開く音〕
???(タングラム)「皆さん……いらっしゃいました…ようこそ…」
カガリ「こ、この声は…!」
ミリアリア「前方に巨大な熱源体が出現します!」
〔転移音〕
杏奈「また丸いのが出てきた! さっきのより大きいけど…」
クリアリア「タングラム!」
フェイ「あいかわらず、まん丸い~」
タングラム「ようこそいらっしゃいました 私は皆さんを歓迎いたします」
チーフ「タングラムか?」
タングラム「そう呼ぶあなたは……そう、MARZなのですね…」「答えましょう。いまの私は囚われのタングラム。ダイモンはこの世界で私を拘束しています」
カガリ「ダイモン…?」
ダイヤ「まさか、ダイモン爺さんの…」
ダイモン「そんなわけがあるかっ! 誰か言うと思ったが、よりにもよってお前が…!」
ダイヤ「じょ、冗談だってば! そんなに怒らないでよ…」
タングラム「ダイモンは、電脳虚数空間に潜む古代文明の亡霊、あるいはそのノイズ…」「ある時期から人類への干渉にネガティブな傾向を強め…」「いまや電脳虚数空間に事象崩壊要塞を建造し…」「全ての宇宙の崩壊を企てる邪悪な存在へと膨張しています」「MARZ設立の目的は、ダイモンを駆逐することでもあるのです…」
ハッター軍曹「なんとおっ!? 知っていたか、兄弟!?」
チーフ「知っていたとしても、ここで口外することはできない」
ハッター軍曹「な、な…! ひょっとして、知らなかったのは俺だけ、とか!?」
フェイ「そこ、うるさい! 今はタングラムの話を聞きなさい!」
タングラム「おそらくリリンは…MARZ総帥リリン・プラジナーは…『月面の穴』と私の関係性に気づき…」「あなた方、MARZの精鋭を派遣したのでしょう…」「あなた方の力を信じ、ダイモンを駆逐できると信じて…」
アスラン「今、地球を襲っている数々の混乱も、そのダイモンが原因なのか?」
ディアッカ「だとしたら唐突すぎるぜ、オイ」
タングラム「…地球の件にダイモンは直接関与していません」「ただ『月面の穴』の制御やゲートの制御…」「それらは私を利用してダイモンが行っていた事です…」
ミスト「ゲートの制御だって!?」
サコン「…ゲートの発生装置はあなた…タングラムだったのですね」
タングラム「…それは正確ではありません。ゲート発生のシステム自体は、すでにイディクスも保有していました」「私はダリウス界やバーチャロイドの存在する別世界への転移のために利用されていたのです」
クリアリア「先程MARZの方からも説明があったがタングラムとは、時空因果律制御機構」「つまりその主機能は並行界の事象交錯の統制を目的として構築されており…」「並行世界の任意の事象を入れ替える能力を持っている」「つまり異世界同士をゲートでつなぐ事も、タングラムなら可能ということだ」「それをダイモンに奪われ、逆に悪用されるとは…」
チーフ「どうやってダイモンの支配から脱出できたのか?」
タングラム「お疑いになるのは道理です。実は、私の中にその推移を認識できるソースが欠落しています」「どうやら、ダイモンは私を操っているようでもあり、既に手放しているようでもあるのです」「白虹の騎士をこちらの世界へ導いた事、ハッター軍曹を私達の世界へ帰しった事は私の独断です…」「薔薇の三姉妹や、シャドウVR等については、私の本意ではありません」「私自身が交錯している…申し訳ありませんが、それが現状です」
光司「さすがに何から何まで解決するってわけじゃないみたいですね…」
アテッド「そう上手くいかないのが現実ってやつさ」
ルージ「ダイモンがタングラムを操っているのか、操っていないのか本人が把握してないんじゃ…」
宙「もしかしたら、今もダイモンはタングラムをこっそり操ってるかもしれないんだろ? ゾッとするぜ」
タングラム「過去に一度、私の一存で大空魔竜をダリウス界から月面まで転移させていただきましたが…」「覚えていらっしゃいますか?」
ローサ「ダリウス界から月面…? 言われてみれば、確かにそんな事があったような…」
ダイヤ「そうだ! 俺がガイキングごと氷漬けにされて、みんなに助けてもらった後だよ!」
ピュリア「プロイストが正体を表して、地上に総攻撃をかけるって言った時…!」
甲児「月に飛ばされた俺達は、ハッター軍曹に出会ったんだ!」
ルル「あれはあなたがやった事だったんですね…!」
タングラム「はい。捕まっていたハッター軍曹が処刑されそうだったので、見るに見かねて…」
ハッター軍曹「…ってぇ事は、タングラムは俺の命の恩人ってわけか!」
フェイ「…ハッター、やっぱりあの時捕まってたんだね?」
ハッター軍曹「な! ぐうっ…昔のことをほじくり返すんじゃない!」
カガリ「タングラムよ。まもなく地球が消滅するとはどういう事だ?」
タングラム「ル=コボルの作為に基づく結果です」「一刻も早くル=コボルを倒さなければ、この結果への分岐以外、あなた方の未来はありません…」
ミスト「一刻も早く倒さなければと言われても…」
アンジェリカ「ル=コボルがどこにいるのかわからないし…」
シェルディア「どうやって倒せばいいのかもわからないんだよ?」
タングラム「…ル=コボルとて完全ではありません。強さは弱さともなり得ます。決定的な…」
ゴオ「つまり…」
ミラ「弱点がある…という事ね?」
カガリ「それはいったい何だ!? 教えてくれ!」
タングラム「手立ては、当事者が検索するしかありません」
キラ「えっ?」
タングラム「これより事象のレビューを開始します」「1年前のアトリーム…ル=コボルとは…その弱さの源を…」
イザーク「ちょっと待て! 何をする気だ!」
〔光が広がる音〕
【シナリオエンドデモ終了】


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