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No.8
宿命のターミナル

【シナリオデモ開始】
〔画面、西へ移動〕
大空魔竜/食堂
〔扉の開閉音〕
ジョシュア「みなさ~ん! もうすぐゾネットだそうですよ」
カルメン99「あら、もう着いちゃうの? 何だかあっと言う間ねえ…」
ジョシュア「結局、シベ鉄の待ち伏せも追撃もありませんでしたね」
ウェンディ「ほんと、とっても快適な旅だったわ。ねえ、カメオ?」
カメオ「クェーッ!」
剣児「そりゃ、あんた達はお客さんだから快適だったろうけどさ…」
ダイヤ「俺達は、マシンの整備やパトロールで大忙しだったよ」
ミスト「俺なんかずーっとトイレ掃除だし…」
アンジェリカ「それはグローリアで勝手な事をした罰でしょ?」
ミスト「そうです。すいません…」
アンジェリカ「それでも、無断で戦闘に参加した事は不問にしてもらえたんだから、感謝しなきゃね」
杏奈「そういえば、グローリアではちゃんと補給できたの?」
ダイヤ「食料や薬、それに資材なんかは補給できたらしいけど、燃料は手に入らなかったってさ」
ピュリア「…っていうか、この世界でハイドリュートが手に入るのか?」
リー「ハイドリュートは無理でも、それに近い燃料があればいいけどな」
ウェンディ「ゾネットは、いろんな地方と列車でつながっていますから…」「皆さんのお役に立つ物がきっと見つかると思いますよ」
杏奈「そうよ、きっと見つかるわよ! 早くゾネットに着かないかなぁ…」
ジョシュア「あのですね…。副長さんの話だと、直接ゾネットに行く事はできないそうですよ」「ヤーパンの天井も大空魔竜も郊外で待機するって言ってました」
杏奈「ええっ? どうして?」
カルメン99「シベリア鉄道にしてみれば、大空魔竜とヤーパンの天井は自分達に逆らう極悪人の集団なのよ?」「最重要拠点であるゾネットに、そう簡単に近づかせてもらえるわけがないじゃない」
ダイヤ「ここに来るまでに、ずいぶんいっぱいシベ鉄の奴らをやっつけちゃったからなあ…」
杏奈「じゃあ、補給はどうするの? 燃料は底をつきかけてるし、エンジンの整備も必要なんでしょう?」
ピュリア「誰かが買い出しに行くんじゃないか? グローリアの時みたいにさ」
杏奈「そっか。直接、乗り込めなくても誰かが買いに行けばいいのか…」
ミスト「今回、俺は留守番だろうなぁ…」
〔扉の開閉音〕
ヴァン「くそっ…!」
ウェンディ「ヴァン! 今までどこにいたの?」
カメオ「クェーッ!」
ヴァン「俺に亀を近づけるなっ!」
ウェンディ「え?」
カメオ「クエ?」
カルメン99「ずいぶん不機嫌じゃない。どうしたの?」
ヴァン「何がヤーパンの天井に行けばカギ爪の情報が手に入るだ! 何一つ、手がかりなんかなかったぞ!」「この嘘つき女!」
カルメン99「あら、私は情報が聞けるかも…って言っただけよ。絶対に聞けるとは言ってないわ」
ヴァン「くそっ…とんだ無駄足だったぜ…」
〔扉の開閉音〕
ローサ「ちょっと、ヴァンさん! いったい何をしてるの?」
ミスト「ロ、ローサ副長! どうしたんです?」
ヴァン「あなた、ヤーパンの天井のあちこちで通行人をにらみつけて…」「『カギ爪の男の事を知らないか!』って、怒鳴り散らしてるそうじゃない!」「タキシードを着たゴロツキがウロウロして困るって苦情が殺到してるわよ!」
ヴァン「誰がゴロツキだ!」
ローサ「とにかくあなたは、当分の間、大空魔竜から出る事を禁じます!」
ヴァン「ふん…」
甲児「なあ、ヴァンさん。カギ爪の男ってのは何者なんだ?」「あんた、カギ爪の男って聞いたとたん俺にも突っかかってきたじゃないか」
ヴァン「…エレナの仇だ。カギ爪の男は俺のエレナを殺した!」「俺は地の果てまでもカギ爪の野郎を追いつめて…この手でブチ殺す!」
早乙女「エレナ…?」
カルメン99「ヴァンの奥さん…いえ、奥さんになるはずだった女性よ」「結婚式の当日、エレナさんはカギ爪の男に命を…」
杏奈「ええっ! 結婚式の当日に!?」
ダイヤ「そんな事情があったなんて…」
アンジェリカ「だからヴァンさんはタキシードを着てるのね…」
ゴオ「ヴァンの怒りはもっともだ。もしも俺が結婚式の当日に杏奈を殺されたとしたら…」「ヴァンと同じように復讐の鬼になるだろうからな…」
杏奈「つおっと、ゴオちん! 気持ちはうれしいけど、縁起でもない事言わないで!」
ゴオ「あ、ああ。すまなかった…」
ローサ「事情はわかりました。カギ爪の男の手がかりを求める気持ちはわかりますが…」「だからといって、一般の人に乱暴をしていいことにはなりません」「あなたも一人前の大人なんですから、もっと分別のある行動を…」
ヴァン「うるせえっ! 俺は俺のやり方でカギ爪を探す! 他人に文句を言われる筋合いはねえ!」
ローサ「…指示に従えないのなら、勝手な事ができないように、身柄を拘束させてもらいますよ?」
ヴァン「あいにくだが俺は束縛されるのが大嫌いでね!」「力ずくで捕まえるってんなら相手になるぜ!?」
ウェンディ「待って下さい、ローサ副長! ヴァンも落ち着いて!」
ヴァン「…ふん」
ウェンディ「ローサ副長。ヴァンは私の故郷のエヴァーグリーンを救ってくれたし…」「グローリアの街だってシベ鉄から守ったじゃないですか! ヴァンは本当にいい人なんです!」
ジョシュア「僕もそう思います。だってヴァンさんは僕の友達になってくれたし!」
ヴァン「なってねえよっ!」
ローサ「ウェンディの話もわかりました。私もヴァンさんを悪い人だとは思っていません…」「しかし、ヤーパンの天井の人から苦情が届いている以上…」
〔通信のコール音〕
〔通信の開く音〕

ガリス「まもなくゾネット近郊に到着する。今後の作戦を伝えるので、クルーは全員、ブリッジに集まってくれ」
〔通信の閉じる音〕
甲児「おっと、呼び出しだ。行こうぜ、みんな!」
剣児「おう!」
ヴァン「…悪いが、俺はここで降りるぜ」
ローサ「ちょっと、ヴァンさん。あなたは外出禁止と言ったばかりでしょう?」
ヴァン「あんたの命令に従う義理はねえ。じゃあな…」
ローサ「ちょ…ヴァンさん!」
ジョシュア「待って下さい! 僕も一緒に!」
ヴァン「来るな! 足手まといだ…」
〔扉の開閉音〕
ウェンディ「ちょっと待って、ヴァン!」
〔扉の開閉音〕
カルメン99「勝手な連中ばっかりで本当にごめんなさいね。それじゃ、私もこれで…」
〔扉の開閉音〕
光司「ったくあわただしい連中だぜ」
甲児「あんな奴らほっといてブリッジに行こうぜ!」

ゼルガイアー/ブリッジ
サスページ「では、僕らがここに飛ばされたのは事故だったと?」
???(イスペイル)「そうだ。大空魔竜を排除しようとした時、照準を誤ってしまったのだ」
サスページ「それで、僕はこれからどうすればいいんです? 地球に戻る方法はあるのですか?」
???(イスペイル)「エリアZiにいる我が同胞に会え。そうすれば、何とかしてくれる」
サスページ「我が同胞? この世界に仲間がいるのですか?」
???(イスペイル)「そうだ。話をつけておくから、お前はエリアZiへ行けばいい」
サスページ「わかりました。…ところで、地球の方はどうなっているのです?」
???(イスペイル)「邪魔大王国がよくやってくれている。だが、地球の戦力もあなどれん…」「オーブとかいう国が中心になって抵抗していてな…」「だが、奴らが倒れるのも時間の問題だ。早く戻らんと出る幕がなくなるぞ」
サスページ「そうですか…。では、急ぐとしましょう」
???(イスペイル)「待っているぞ…」

大空魔竜/ブリッジ
ガリス「これよりしばらくの間、大空魔竜は、この場に待機して、空間転移システムの調整に取りかかる」
シズカ「今のままでも通常航行に支障はないんだけど…」「ハイドリュートフレアの発生装置や異空間補正エネルギーの混入装置とか…」「空間転移に関わる装置の調整が不完全でね…」
ガリス「空間転移システムが不完全のままでは、元の世界に戻る事ができない」
リー「それが完全になれば、俺達は地球に戻れるのかい?」
ローサ「すぐには無理ね。何しろ、どうしてここに飛ばされたのかもわかってないし…」「でも、地球へ戻れる可能性は出て来るわ」
リー「そいつは頼もしい話で…」
〔通信の開く音〕
サコン「どうしてここへ飛ばされたのか、どうすれば元に戻れるのか、あらゆる可能性を現在調査中です」
シズカ「先生の研究成果を元にして、地球に戻る方法を見つけ出す…」「そのためにも空間転移のシステムは完全いしておかなきゃならないってわけさ」
サコン「それともう一つ。ハイドリュートの代わりになるエネルギーを探す必要もありますが…」「こちらも方も現在調査中ですから、もうしばらくお待ち下さい」
ガリス「未知の世界で、わかあらない事ばかりだと思うが、よろしく頼みます」
サコン「お任せ下さい、キャプテン」
ダイヤ「で、俺達は何をすればいいの?」
ローサ「みんなには、食料品や資材の買い出しを頼むわ」
杏奈「やっぱりね…」
ローサ「ただし、目立つ行動は出来ないなら、少人数で行ってもらいます」「さやか、ピュリア、それにアンジェリカ」「あなた達にお願いするわ。これが買ってくる物のリストよ」
さやか「ずいぶんいっぱいありますね…」
ローサ「ええ。だから荷物持ちとしてミストを連れて行きなさい」
ミスト「に、荷物持ちですか!?」
ローサ「ええ、そうよ。しっかり仕事して、グローリアでの汚名を返上しなさい。いいわね?」「ただしレヴリアスの使用は禁止。トラックで行きなさい」
ミスト「は、はい…」
サコン「ミスト君。この機会に、レヴリアスとセリウスの…」「データを調べさせてもらえませんか?」「我々の機体の計器だけでは時空間ゲートのデータが十分に採れていないんですよ…」「それに、噂になっているあなた達の機体の動力源についても調べておいた方がいいかと思いまして」
ミスト「はあ、それは構いませんが…」
アンジェリカ「私達の機体は技術体系が全然違うと思うんですが大丈夫なんですか?」
サコン「ご心配なく…と言いたいところですが、正直調べてみない事には何とも…」「しかし、元の世界へ戻る手がかりにはなるはずですから、チャレンジして損はないと思います」
アンジェリカ「わかりました、よろしくお願いします。マニュアルは後でお渡しします」
ヤンマ「ローサ副長、俺達も行かせて下さい!」
ハッチョ「姉御が行くなら、俺達も一緒に行きますぜ!」
ブビィ「俺も!」
ピュリア「副長。アタシからも頼むよ。ミストひとりじゃ心配心配だからさ」
ローサ「あまり人数を増やしたくないけど…まあ、いいわ。3人も一緒に行きなさい」
さやか「じゃあ、さっそく準備をしてゾネットへ向かいましょう」
ローサ「シベリア鉄道やダリウス軍がいつ現れるかわからないから通信機だけは忘れないように…」「くれぐれもトラブルは厳禁ですからね!」
ミスト「そんな、俺ばっかりにらまいで下さいよ…」
ガリス「買い出し以外の者はシベ鉄やダリウス軍の攻撃に備えて、各自の機体の調整をしておくように…」「では、解散だ!」
鏡「キャプテン。この世界の事について、サコン先生と少しお話をしたいのですが…」
ガリス「ふむ…。鏡君の頭脳なら、きっと先生の役の立つだろう」「先生は隔離エリアにいる。シズカ、案内してやってくれるか?」
シズカ「了解。ここ数日…いや、1週間くらい風呂に入ってないはずだから…」「ついでに入らせてきます。さあ、ついといで、鏡」
鏡「は、はい…」

バッハクロン/格納庫
アナ「サラ。大空魔竜にヤーパンの天井を引っ張ってもらうのは、ゾネットまでの約束でしたね?」
サラ「はい」
アナ「…という事は、大空魔竜とはもうすぐお別れなのですか?」
サラ「いえ。ローサ副長からの連絡では、機体の調整が必要なので…」「もうしばらくここにいるとのお話でしたが…?」
アナ「そうですか…。それならよいのですが…」
サラ「大空魔竜にかご用でも?」
アナ「せっかくお友達になれそうなのにお別れというのは寂しいものでしょ?」
サラ「向こうの都合冴え良ければアナ姫様を紹介して差し上げますよ」「私も借りを作りっぱなしだしヤーパンの天井の案内だってちゃんとしてあげてなかったし…」
アナ「本当!?」
サラ「そ、そんなにうれしいんですか?」
アナ「だって、あの大空魔竜ならきっとエリアZiにだtって行けるでしょ?」「そういうマシンに乗れるだけで私は…」
ゲイン「そりゃ困りますよ、姫様。姫様は俺達のエクソダスの大事な人質なんですから」「それにしてもアナ姫様はエリアZiにずいぶんとご執心のようですね」
アナ「はい。音宇sまあからお話を伺った時から興味があるのです」
リュボフ「姫様は、エリアZiに関する書物をそれはそれはご熱心に読まれているんですよ」
ガッハ「さすがはアナ姫様。好奇心旺盛でいらっしゃる」
アナ「どの本を読んでも、エリアZiがどんな所なのか解明されていません…」「だからこそ、強い関心を抱かずにはいられないです!」「ああ、エリアZiへ行ってみたいなぁ…」
〔自動扉の開閉音〕
コナ「ゲイナーはいる?」
サラ「どうしたの、コナ?」
コナ「ゾネットに買い物に行ってもらえないかな?」「シルエットマンモスを終始するのに必要なパーツがグローリアじゃ買えなかったからさ…」
ゲイナー「ええっ、何で僕が…」
コナ「キングゲイナーならひとっ飛びでしょ? パパッと行ってきなさいよ!」
ゲイナー「もう…しょうがないなぁ」
サラ「シベ鉄は大丈夫なの?」
ゲイン「ゾネットはターミナル駅があるシベ鉄の重要拠点だからな…」「防衛戦力はグローリア以上だと思った方がいい」
ゲイナー「見つからないように行ってきますよ」
サラ「私も一緒に行くわ。ゲイナー君だけじゃ、心配だし…」
ゲイナー「何が心配なんだよ? たかがパーツの買い物だろ?」
サラ「いいから私も連れて行きなさい。いいでしょ?」
ゲイナー「べ、別にいいけど…」
コナ「それじゃ、サラとゲイナー、頼んだわよ!」

大空魔竜/通路
鏡「ここはいったい…」
シズカ「ここは滅多に誰も近づかない閉鎖ブロックさ。先生はこの奥にいるんだ」
鏡「こ、こんな所にサコン先生が…?」
シズカ「先生は、研究に集中したいからって誰もここに近づけさせないし、自分もここから出ようとしない…」「本に埋もれて死にそうになったり、研究に没頭しすぎて、過労死しそうになった事もあるんだよ…」「研究中は食事もせず、風呂にも入らず、トイレにさえ滅多に行かないんだ」
鏡「そ、そんなに研究熱心なんですか? まるで司馬博士みたいだな…」
シズカ「だから時々、様子を見にこないと、大変な事になってるかもしれないのさ」
鏡「そうなんですか…」
〔通信の呼び出し音〕
シズカ「先生! シズカだよ! 部屋の前にいるんだ! 入ってもいいかい?」「…………」
鏡「…………」「返事がありませんね…」
シズカ「…まさか!」
〔扉の開閉音〕
シズカ「しまった! もぬけの殻だ!」
鏡「ど、どういう事です?」
シズカ「さては私が来るのを察知して逃げたな…?」「おのれえええっ! そんなに風呂が嫌なのか!」「どこに逃げやがったああっ! ぬおおおおーーーっ!」
鏡「え? えええっ?」

ゾネット/市場
ウェンディ「ねえ、ヴァン。これからどうするの?」
ヴァン「ともかく、あいつを…カギ爪の男を見つけないとな」
ジョシュア「どこにるかわかってるんですか?」
ヴァン「知るわけないだろ」
ウェンディ「こんな大きな街の中からどうやって探し出すって言うの?」
ヴァン「ま、何とかなるだろ…」
ウェンディ「もう…!」
カルメン99「情報を集めるなら人がたくさん集まる場所がいいんじゃない?」
ヴァン「人が集まる場所?」
カルメン99「駅なんかどうかしら?」「カギ爪がエヴァーグリーンからゾネットを目指したのなら、シベ鉄を使った可能性が高いわ…」「右手がカギ爪の男なんてめったにいないから、目撃者がいるかもしれないわよ?」
ジョシュア「それは名案です! 駅へ行きましょう、ヴァンさん!」
ヴァン「駅か…」
カルメン99「私はちょっと用事があるから別行動するわね」
ジョシュア「えっ?」
カルメン99「後で駅の中央広場で会いましょ。じゃあね~」
ジョシュア「ああっ、カルメンさん!」
ヴァン「よし、行くぞ…」
ジョシュア「ヴァンさん! ひとりでさっさと行かないで下さいよ!」
ウェンディ「兄さんは本当にこの街にいるのかしら…」

ゾネット/市街
ミスト「さあ、市場に着いたぞ。まずは食料品のリストを確認…」「ニンジン、タマネギ、ナスに大根…? ええっ? こんな物、本当にここで売ってるの?」
さやか「この星では地球と同じ料理を食べてるのよ。だから材料だって同じでしょ?」
ミスト「それはまあそうかもしれないけど…」
ブビィ「見た下さい、姉御! ニンジン、タマネギ、大根…何でも揃ってますぜ!」
ピュリア「うわ、ほんとだ。地球と同じ野菜が売ってるぜ!」
ミスト「マジで売ってんのかよ…」
アンジェリカ「この市場をひと回りすれば食料品関係は全部揃いそうね」「…えっ? ちょっと待って!」
ピュリア「どうしたアンジェリカ?」
アンジェリカ「ミスト! あれを見て!」
ミスト「あれって…?」
アンジェリカ「あの果物屋の店先!」
ミスト「何をそんなにあわてて…」「…ええっ! う、嘘だろ!?」
ピュリア「おいおい…。何だってんだよ、ふたりして…」
さやか「何かあったの?」
アンジェリカ「あ、あの店でバネロが売ってるんです」
さやか「バネロ?」
ピュリア「そんな食い物、聞いた事ないぜ?」
ミスト「バネロは俺達の星で…アトリームで採れる果物なんだ!」
さやか「ええっ?」
ハッチョ「それ、うまいのか?」
ピュリア「馬鹿野郎! それどころじゃねえだろ!」
ハッチョ「へ?」
さやか「地球と同じ物だけじゃなくミストさんの星の物まであるなんて…」
ピュリア「この星はいったい何なんだよ?」
ミスト「俺達の星は滅んだはずだ。なのにどうして…」

ゾネット/駅
ジョシュア「あの、すいません! 右手がカギ爪になった男の人を見ませんでしたか?」「顔の特徴とかはわからないんですが、とにかく右手がカギ爪になってるんです!」
ウェンディ「ちょっと、ジョシュアさん! そんな大声出したら恥ずかしいじゃない!」
ジョシュア「でも、ひとりずつ聞いて回るよりこうやって、皆さんに呼びかけた方が…」
ウェンディ「逆効果よ。みんな、ジョシュアさんの事を避けてるじゃない」
ジョシュア「そ、そうですかねえ…?」
ヴァン「ダメだ。こっちも収穫ゼロだ…」
ジョシュア「諦めるのは早いですよ。こんなに人がいるんですから絶対m、知ってる人がいますよ!」「そうだ! 駅員さんや警備員さんにも聞いてみましょうよ!」「あそこに駅員さんがいますよ! 駅員さ~ん!」
ヴァン「仕方ねえ…。俺ももう少し探してみるか…」
ウェンディ「それじゃ、私は警備員さんに…」
???(ミハエル)「ウェンディ…」
ウェンディ「えっ?」「…ああっ! に、兄さん!」
???(ガドヴェド)「久しぶりだな、ヴァン」
ヴァン「なにっ? あ、あんたは…ガドヴェド! あんた、今までどこに…?」「それより、どうしてあんたがウェンディの兄貴と一緒にいるんだ?」
ガドヴェド「お前とふたりきりで話がしたい。ついてこい…」
ヴァン「あ、ああ…」
ウェンディ「ミハエル兄さん…」
ミハエル「ウェンディ…」

ゾネット/市街
ケジナン「いたぞ! もう逃がさねえからな!」
エンゲ「追いつめろ!」
シベ鉄隊員「わかりました!」
ケジナン「この広いゾネットでヤーパン野郎に出くわすとはな!」
エンゲ「俺達には幸せの女神がついてるのさ!」
ケジナン「ちげえねえ!」
サラ「まったく、しつこい連中ね!」
ゲイナー「何であいつらと出くわさなきゃならないんだよ。ついてないなあ…」
サラ「デート気分で浮かれてるから…」
ゲイナー「そ、そんなつもりじゃ…」
サラ「とにかく逃げましょう!」
ゲイナー「うん!」
ケジナン「ヤーパン野郎を捕まえて手柄を立てて、俺が隊長になるんだ!」
エンゲ「ヤッサバ隊長はどうなるんです?」
ケジナン「あんな野郎、俺が追い出してやる!」
エンゲ「期待してますぜ、ケジナン隊長殿!」
ケジナン「おう、任せとけ!」

ゾネット/ゲームセンター
ゲイナー「…ほとぼりがさめるまでここに隠れていよう」
サラ「こんな時にゲームなんかするの?」
ゲイナー「ゲーム屋に来てゲームしなかったら変だろ?」
〔ファンファーレ〕
サラ「見て、ゲイナー君。200連勝達成、ゲームクィーン誕生だって…」
ゲイナー「ほんとだ! ゲームクィーン、シンシア…」「…シンシア!?」
シンシア「200勝か…。ま、こんな所ね」
ゲイナー「それじゃ、君が…?」
シンシア「なぁに? ゲームクィーンがそんなに珍しいの?」
ゲイナー「シンシア! シンシア・レーンさん?」
シンシア「だ、誰だよ?」
ゲイナー「僕だよ!」
シンシア「僕って?」
ゲイナー「ゲイナーだよ!」
シンシア「あんた、ゲイナー・サンガ? ゲームキングの?」
ゲイナー「そうだよ!」
シンシア「ほんとに? はじめまして、ゲイナー・サンガ!」
ゲイナー「はじめまして、シンシア・レーン!」
サラ(この子がシンシア…。何よ、ゲイナー君たらデレデレしちゃってさ…!)
ゲイナー「まさか、こんな所で会えるなんて…」
サラ「ちょっとゲイナー君! 浮かれてる場合じゃないわ! この店、シベ鉄に囲まれてるわよ!」
ゲイナー「ええっ!?」
シンシア「シベ鉄と鬼ごっこしてるの?」
ゲイナー「べ、別に悪い事したわけじゃないんだよ…」
サラ「連中が店に入ってきたわ!」
シンシア「ついてきて。こっちに裏口があるわ…」
ゲイナー「シンシア?」
シンシア早く! 捕まっちゃうわよ!」
サラ「行きましょ、ゲイナー君!」

ゾネット/郊外
ウェンディ「兄さん…。よかった、無事で…」
カメオ「クエエ…」
ミハエル「お前も一緒だったのか…。ウェンディを守っていてくれたんだな…」「…だけど、ウェンディ。どうしてこんな所まで来たんだ!」
ウェンディ「ミ、ミハエル兄さん?」
ミハエル「どうして街を出たんだ! しかも、あんな男と…」「どうして僕との約束を守れなかった!?」
ウェンディ「どうしてって…兄さんを助けるためじゃない!」
ミハエル「えっ?」「…そうか、すれ違っちゃったのか…」
ウェンディ「え、なに?」
ミハエル「僕の事は心配ないって手紙を送ったんだ…」「お前がエヴァーグリーンにいると思って…」
ウェンディ「そうだったの…」
ミハエル「ああ、ごめん。怒鳴りつけたりして…」「ありがとう、ウェンディ。でも、もういいよ…」「僕は二度とエヴァーグリーンには戻らない」
ウェンディ「えっ? どうしてそんな事言うの?」「もしかして、カギ爪の男の人に何か言われてるの?」「逃げたら殺すとか、そういう卑怯な事を…」「もしかして、さっきの人もカギ爪の男の仲間なの?」
ミハエル「ウェンディ! 同志を悪く言わないでくれ。あの人は立派な人だ」
ウェンディ「立派? 兄さんを連れてった人なのに?」「エレナさんやシノさんを殺した人なのに?」
ミハエル「そうかもしれない。だけど、今は違う…」「僕はあの人に…同志に出会って僕自身の生きる意味を見つける事ができたんだ」
ウェンディ「ミハエル兄さん…」
ミハエル「お前の幸せのために言っておく。エヴァーグリーンに戻って静かに暮らせ。お前にはそれが似合ってる」「…そして、二度と私を追って来るな!」
ウェンディ「そ、そんな…」

ゾネット/市街
さやか「どう? 他にもあなた達の星の物はあった?」
アンジェリカ「ロックルの実とベローチアの花、それに、お父さんの好きだったレムーラ酒も…」
ミスト「他にもいくつか見つけたよ…」
ピュリア「どういう事なんだよ? お前達の星の物があるなんてさ」
ハッチョ「そもそも地球の物がある時点でワケがわかんねえですよ」
ピュリア「そりゃまあ、そうだけどさ…」
アンジェリカ「グローリアの街にあった遺跡もアトリームにある遺跡とそっくりだったし…」「何だか、この星っておかしな事が多すぎるわ…」
ミスト「とにかく今は買い物をすませて大空魔竜に戻ろう! 早くこの件を報告しないと!」
さやか「そうね、そうしましょう」

ゾネット/市街
カルメン99「あの解析屋め…。これしか解析できなかったくせに全額払えなんて、甘すぎるわよ!」「だけど、この数値は何かしら? どこかの座標みたいだけど…」
???(ファサリナ)「あの、失礼ですが…カルールさんですか?」
カルメン99「はい?」
???(ファサリナ)「今、そこの解析屋さんであなたの事をうかがったもので…」
カルメン99「えっ?」
???(ファサリナ)「そのファイルを返していただきたいのです」
カルメン99「!!」
???(ファサリナ)「うかつな事を考えると命を落とす事になりますよ?」
カルメン99(この女…笑ってるけど、ものすごい殺気だわ…)
???(ファサリナ)「静かな所でお話しませんか? そこの路地裏なんかとてもよさそうな場所ですわね…」
カルメン99「急いでるんだけど…」
???(ファサリナ)「私もです。さあ、行きましょう…」
カルメン99「くっ…」
〔武器を振るう音〕
〔殴打音〕

???(ファサリナ)「確かに返していただきましたわ」
カルメン99「う、ううう…」
???(ファサリナ)「これ以上、首を突っ込まない方がいいですわよ。では、失礼…」
カルメン99「ま、待ちなさい…! ファイルを返し…いててて…」
???(サコン)「あの、お嬢さん。どうかなさいましたか?」
カルメン99「…えっ?」(誰かしら、このイケメン…服のセンスは最悪だけど…)

ゾネット/郊外
ヴァン「なあ、ガドヴェド。どうして俺の事がわかった?」
ガドヴェド「そんな目立つ格好でカギ爪の男の事を聞いて回れば嫌でも目につくだろう」
ヴァン「それもそうか…」「それでガドヴェド、あんたもカギ爪を追っていたんだろう?」「ウェンディの兄貴をカギ爪から助け出したのか? カギ爪は今、どこにいるんだ?」
ガドヴェド「まあ、そう急くな。久しぶりに会ったのではないか」
ヴァン「えっ?」
ガドヴェド「お前とエレナの血の惨劇からもう3年か…」
ヴァン「あの時、あんたとエレナが手術して、ダンを与えてくれなかったら俺は死んでいた…」「俺は生涯、エレナを守るつもりだったのに現実はその逆だ…。せめてカギ爪を殺さないと、エレナに顔向けできない…」「教えてくれ、ガドヴェド! カギ爪はどこだ!」
ガドヴェド「ヴァン…。お前はあの時と同じだ、行きながら死に瀕している…」「なぜエレナがお前を助けたかわかっていないようだな」
ヴァン「なに?」
ガドヴェド「もう一度、私がお前を救ってやる。我々の仲間になれ!」「新しい理想世界のために仲間になって欲しいのだ!」
ヴァン「あんた、何を言ってるんだ?」「…俺にとって、エレナの仇を討つ事だけが生きている理由なんだ…」「理想世界なんかに興味はないよ…」
ガドヴェド「どこを切っても未熟だな。そのような狭い考えでは同志の足元にも届かんぞ…」
ヴァン「同志?」
ガドヴェド「ああ、そうだ。我らは同志カギ爪の男のために働く!」
ヴァン「なにっ!? あ、あんた、カギ爪の仲間になったのか!」
ガドヴェド「いかにも…」
ヴァン「エレナを殺し、俺を地獄へ突き落したアイツの仲間になったのか!」
ガドヴェド「いかにも!」
ヴァン「そして、俺に仲間になれって言うのか!」
ガドヴェド「いかにも!!」
ヴァン「うわああっ!」
〔殴打音〕
〔画面、振動〕

ヴァン「何でだ! 何であんな奴と!」
ガドヴェド「自ら選んだ…。それだけの事…」
ヴァン「どこだ! 奴はどこにいる!」
ガドヴェド「それは言えん!」
ヴァン「うわあああっ!」
〔殴打音〕
〔画面、振動〕
〔殴打音〕
〔画面、振動〕

ヴァン「さあ言え! 奴はどこだ!」
〔殴打音〕
〔画面、振動〕

ヴァン「ぐわっ!」
ガドヴェド「今はまだ敵たるお前に教えられるものか。…断っておくが、力任せで私の心は開かんぞ!」
ヴァン「なら、開けて見せるさ! 力ずくでな!」
ガドヴェド「ほう、そうか…」
〔鈴の音〕

ゲイナー「ありがとう、シンシア。おかげで逃げてこられたよ」
サラ「ゲイナー君 早くキングゲイナーを!」
ゲイナー「わかってる!」
〔オーバーマンのコクピットの開閉音〕
シンシア「こ、これは…白いオーバーマン!」
サラ「キングゲイナーよ」
シンシア「これ、ゲイナーが操縦を?」
サラ「そうだけど…?」
ゲイナー「さあ、サラ、シンシア! キングゲイナーの手に掴まって!」「あれ? シンシア、どこに行くの?」
シンシア「ゲイナー、うれしいよ!」
ゲイナー「え?」
シンシア「私達、やっぱりライバルなんだね!」「…ドミネーター!」
〔オーバーマンの稼働音〕
サラ「ええっ?」
ゲイナー「あ、あの光…。そんな馬鹿な!」
【シナリオデモ終了】


サブタイトル
「宿命のターミナル」


【戦闘マップ開始】
[デモムービー「ダン・オブ・サースデイ召喚」]

〔味方ユニット出現〕
〔敵ユニット出現〕

ヴァン「一つ聞いておきたい。あのクソ野郎の何があんたの心を開いたんだ?」
ガドヴェド「同志は、お前が考えるほど特別な男ではない…」「強く、弱く、むごく、優しい、普通の人間だ…」「ヴァン、人を動かすのは過去ではなく、未来だ。私と共に新たな時代の剣となれ!」「大義の前にはつぶらねばならない瞳もある!」
ヴァン「あいにくとそう言うのは聞き飽きてるんだ! つぶる事はできないな…」「だから、勝負だ! ウェイクアップ、ダン!」
〔ヨロイの起動音〕
ガドヴェド「エレナが救い、私が救い、生きながらえたお前の命…。どう磨いてきたか、見せてみよ!」「あまりに未熟なら、この場で断つ! ウェイクアップ、ディアブロ!」
〔ヨロイの起動音〕
ゲイナー「この前の赤いオーバーマン!」
シンシア「そうなんだ。私はこういう人なんだ!」
ゲイナー「これが世の中って事なの? これが…」
シンシア「勝負しましょう、ゲイナー。新しいゲーム、スタート!」
ゲイナー「サラ! 君は隠れてるんだ!」
サラ「ゲイナー君!」
ゲイナー「早く!」
サラ「わかったわ! 負けないで、ゲイナー君!」
ミスト「あれはキングゲイナー! それにヴァンさんのヨロイも!」
アンジェリカ「どういう事? 何でこんな場所で戦闘なんか!」
〔敵ユニット出現〕
ヤッサバ「ヤーパンのオーバーマンめ! ひとりでノコノコ現れるとはな…今度こそブチのめしてやるぜ!」
シンシア「ちょっと、あんた達。何しに来たのよ。邪魔だから帰んなさい!」
エンゲ「そんな、シンシア殿! せっかくお助けに参りましたのに…!」
ヤッサバ「邪魔とは何だ! 邪魔とは!」「いくらキッズ様直属のオーバーマン乗りとは言え、失礼だろうが!」
シンシア「邪魔だから邪魔だって言ったのよ! 私とゲイナーは、ふたりっきりで楽しい時間を過ごすんだから!」「あんた達は引っ込んでなさい!」
ケジナン「ヤッサバ隊長。シンシア殿が引っ込んでろって言うんですから引っ込んでましょうよ。ね?」
ヤッサバ「馬鹿野郎! 敵を目の前に知って引っ込む奴があるか! この腰抜けがっ!」
ケジナン(ちっ、偉そうに…。鏡の俺様は、てめえより格上のブラックメールに乗ってんだ!)(俺の方が隊長にふさわしいって所を見せてやるからそう思え!)
ヤッサバ「シンシア殿! 何と言われようと我々は引っ込むわけにはいきません! ヤーパンのオーバーマンと戦います!」
シンシア「もう…勝手にすれば? その代わり、私の足だけは引っ張らないでね!」
ハッチョ「姉御! シベ鉄の増援だ!」
ピュリア「そんなもん、見りゃわかる!」
さやか「ゲイナー君ひとりじゃ不利だわ! 大空魔竜に来てもらいましょう!」
〔通信のコール音〕
さやか「こちら、さやか! 大空魔竜、応答願います!」
ミスト「ゲイナー君! 負けるなよ! 大空魔竜が来るまで、頑張れ!」
ゲイナー「これだけの敵を相手にどこまでやれるかわからないけど…今はやるしかない!」
<戦闘開始>

<シンシア撃破or3PP・味方援軍1&敵増援1出現>

シンシア「ゲイナー! まだ本気でやってないね?」
ゲイナー「シンシア! 戦いをやめるんだ!」
シンシア「どうして?」
ゲイナー「だって、友達だろ? シベ鉄から逃げるのを手伝ってくれたじゃないか!」
シンシア「友達なら、遊んでよ!」
ゲイナー「戦いは遊びじゃないよ! 遊ぶのなら他にいろいろあるじゃないか!」
シンシア「ダメ! 一番楽しいじゃないか オーバーマンで戦うのって!」「さあ、続きをしよう!」
〔味方戦艦出現〕
甲児「待たせたな、さやかさん!」
さやか「甲児君! ここよ!」
〔ガリス、ミストのいる地点へ移動〕
ミスト「みんな、急ごう! ゲイナー君とヴァンさんを助けるんだ!」
ピュリア「おうっ!」
ガリス「総員、発進準備!」
〈出撃準備〉
ゲイン「ゲイナー! 大丈夫か!」
ゲイナー「ゲインさん! それに、大空魔竜のみんなも…!」
シンシア「ちょっと! 真剣勝負の最中によそ見なんかしないで!」
〔シンシア、ゲイナーへ攻撃〕
[イベント戦闘「ゲイナーvsシンシア」]
ゲイナー「うわああっ!」
〔ゲイナーに爆発〕
シンシア「勝った! ゲームチャンプに勝った!」
サラ「ゲイナー君!」
シンシア「ゲイナー君! 本物のオーバーマンバトルでは私の方が上だったね!」
ゲイナー「う、ううう……」
サラ「キングゲイナーの動きが止まった! まさか、ゲイナー君がケガを!?」
ゲイン「ゲイナー! 応答しろ! 動けるか!?」
ゲイナー「ううっ…ゲ、ゲインさん…」
ゲイン「まずいな…。キャプテン・ガリス! キングゲイナーを大空魔竜へ収容してやってくれ!」
ガリス「了解した。ルル!」
ルル「はい! キングゲイナー、聞こえますか? キングゲイナー!」
ゲイナー「は、はい…」
ルル「大空魔竜へ収容します。動けますか?」
ゲイナー「動けます。すいません…」
〔ゲイナー、ガリスへ隣接〕
〔味方ユニット離脱〕

ゲイン「シベ鉄め! よくもゲイナーをやってくれたな! 今度は俺達が相手だ!」
シンシア「ゾロゾロ出てきたわね…。ゲイナー君より楽しい相手はいるかしら?」
〔敵ユニット出現〕
ガウリ「ゴレームも現れたか!」
アスハム「ゲイン! わざわざ捕まるために出向いてきたか!」
ザッキ「このゾネットにどれだけの戦力が集められているかを知らないわけでもあるまい!」
ゲイン「黙れ! 俺は今、気が立っているんだ。うかつに俺の前に立つと大ケガする事になるぞ!」「泥棒オーバーマンなんぞに乗り続ける根性曲がりにはそれがわからんか、アスハム!」

<ゲイナーvsシンシア>
ゲイナー「シンシア! やめてくれ! 僕たちが戦う必要なんかないだろ!」
シンシア「せっかくのリアルのバトルだもの、楽しまなきゃ損じゃない!」
ゲイナー(殺されるのか!? あの子のカンシャクで…!)

<ゲインvsヤッサバ>
ヤッサバ「黒いサザンクロス! 俺は貴様を生け捕る気などない! ここでくたばれっ!」
ゲイン「あいにく俺は、生け捕りにされる気も殺される気もないんでね…! くたばるのはそっちだ!」

<ヴァンvsガドヴェド>
ヴァン「ガドヴェド! あんたを倒して、カギ爪の居場所を教えてもらうぞ!」
ガドヴェド「お前のような未熟者に私が倒せるものか! さあ、かかって来るがいい! ヴァン!」

<シンシア撃破>
〔シンシアに爆発〕
シンシア「ゲームオーバーなの? こんな奴ら相手にクイーンの私が?」「…覚えてなさいよ!」
〔敵ユニット離脱〕

<ガドヴェド撃破(1回目)>
ガドヴェド「ヴァンよ! 教えてもらおう!」
ヴァン「何をだ!」
ガドヴェド「私の決断は正しかったのか…。あの日、助けたお前が、同志の命をつけ狙う…」「だが、原因たる惨劇を起こしたのは、同志その人…」「何が正義だ…? 何が罪だ…?」「その答えを今お前に問う。私と違う道を生きのびてきたお前に!」「秩序の証たるオリジナルセブン、ダンを与えた事が正しかったのか!!」
〔ガドヴェド、回復〕
ヴァン「何を言ってる!!」
〔ヴァン、ガドヴェドへ攻撃〕
[イベント戦闘「ヴァンvsガドヴェド」]
ガドヴェド「私が過ちなら、倒してみろ! それが私の贖罪だ!」「私が正義なら、ここで倒れろ! それが私の断罪だ!」
ヴァン「勝手な事を! アンタの迷いなんざ、知るかっ!」

<ヤッサバ撃破>
〔ヤッサバに爆発〕
ヤッサバ「ヤーパンのオーバーマンだけなら楽勝だったはずなのに…! よってたかって邪魔をしやがって!」「この次は貴様らの好きにさせんぞ!」
〔敵ユニット離脱〕

<ケジナン撃破>
〔ケジナンに爆発〕
ケジナン「てめえら、覚えてろよ! 次に会う時はこの俺が隊長だ! 絶対に負けねえからな!」
〔敵ユニット離脱〕

<エンゲ撃破>
〔エンゲに爆発〕
エンゲ「戦闘不能になっちまったか…。動けるうちに撤退させてもらいましょうかね…」
〔敵ユニット離脱〕

<ジャボリ撃破>
〔ジャボリに爆発〕
ジャボリ「今回はシンシア様もいるし、勝てるチャンスだと思ったのに…。まだまだ甘かったようね…」「ジャボリ、撤退します!」
〔敵ユニット離脱〕

<アスハム撃破>
〔アスハムに爆発〕
アスハム「今日もしくじってしまったか…。愛するカリンよ。ふがいない兄を許してくれ…!」「撤退するぞ!」
〔敵ユニット離脱〕

<ザッキ撃破>
〔ザッキに爆発〕
ザッキ「これ以上は戦えそうもないな。悔しが、撤退するしかない…」「今回も特務大尉殿のお役に立てなかったか…。申し訳ありません!」
〔敵ユニット離脱〕

<ガドヴェド撃破(2回目)>
〔ガドヴェドに爆発〕
ガドヴェド「おのれ…! ヴァン! これが最後だ! 私と勝負しろ!」
ヴァン「なにっ!?」
ガドヴェド「さあ、来い、ヴァン! 私とお前…どちらが正しいか…答えを出すのだ!」
ヴァン「そんなもんに興味はねえ! あんたを倒して、カギ爪の居場所を聞きだすだけだ!」
〔ヴァン、ガドヴェドへ隣接〕
ガドヴェド「いくぞ! ヴァン! ぬおおおおっ!」
ヴァン「おおおおっ!」
〔ガドヴェド、ヴァンへ攻撃〕
[イベント戦闘「ヴァンvsガドヴェド」]
ガドヴェド「ここまでか…」
ヴァン「ガドヴェド…」
ガドヴェド「私の夢が散ってゆく…私が犯した罪と共に…」
〔敵ユニット撃破〕

<敵全滅・勝利条件達成>
ヴァン「ちっ…。結局、カギ爪の情報は得られずじまいか…」
〔通信の開く音〕
カルメン99「そうでもないわよ」
ヴァン「ん? お前…」
カルメン99「カギ爪につながる情報は手に入れたわ」
ヴァン「本当か!」
カルメン99「大空魔竜で待ってるわ」
ヴァン「大空魔竜で…?」
【戦闘マップ終了】

【シナリオエンドデモ開始】

ゾネット/郊外
ヤッサバ「おのれ、ヤーパンどもめ! 今度こそ捕まえたと思ったのに!」
ケジナン「ヤッサバ隊長…。いや、ヤッサバ!」
ヤッサア「ケジナン! 貴様!」
ケジナン「あんたいはもうついていけねえ!」
ヤッサバ「なにっ?」
ケジナン「ブラックメールに乗った俺はあんたなんかより強い!」「いや、あんたより強いからこそ、ブラックメールに乗ってるんだ!」「つまり、隊長にふさわしいのはこの俺なんだ!」
ヤッサバ「ケジナン! 調子に乗るのもいい加減にしろ! 寝言は寝てから言いやがれ!」
ケジナン「お寝んねすんんおはあんったの方だ! ヤッサバ!」
エンゲ「おらあっ!」
〔衝撃音〕
〔画面、振動〕

ヤッサバ「ぐわっ! エンゲ、貴様、後ろから…」
ケジナン「こっちからもお見舞いするぜ!」
〔衝撃音〕
〔画面、振動〕

ヤッサバ「ぐわあっ!」
ケジナン「くたばれ、ヤッサバ!」
エンゲ「おらおらおらあっ!」
〔衝撃音〕
〔画面、振動〕
〔爆発音〕
〔画面、振動〕

ケジナン「へっ、気を失っちまいやがった」
エンゲ「さまあ見ろ、ヤッサバ! 俺はな、これからはシンシア殿についていくと決めたんだ!」
ケジナン「貴様、俺について来るんじゃなかったのか?」
エンゲ「あ、そうでした! ケジナン隊長殿!」
ケジナン「しかし、それも悪くねえな。シンシア隊長殿か…」
エンゲ「でしょう? あのちっちゃなお尻がいいんですよねえ…」「で、ヤッサバはどうするんです?」
ケジナン「ほっときゃいい。そのうち、くたばるさ…」
エンゲ「了解であります!」
ケジナン「よし、行くぞ!」

ミスト「サラさんをピックアップしました! これより帰還します!」
〔通信の開く音〕
ルル「了解です。サラさんにケガはありませんか?」
サラ「私は平気です。それよりゲイナー君は? ケガは大丈夫なんですか?」
ルル「さっき手当が終わりました。今は眠っているそうです」
サラ「命に別状はないんですね?」
ルル「ええ。心配ありません」
サラ「よかった…」
ミスト「よかったですね、サラさん。では、これから戻り…」「あれ? あそこにオーバーマンが倒れてるぞ?」
サラ「コクピットの所に人がいるわ! シベ鉄の制服を着てるわね…」
ミスト「脱出しようとして気を失ったみたいだな…」「このまま放っておくわけにもいかないし、助けてやるか…」
サラ「シベ鉄よ? ほっとけばいいじゃない」
ミスト「救助を必要としている者がいたら、たとえ敵であっても助ける事…」「以前、勤務していた防衛隊でそう教わりましたから」
サラ「それもそうか…」「でも、どうせ助けるなら、あのオーバーマンごともらっちゃいましょうよ」
ミスト「了解。そうしましょう! オーバーマンとケガ人を連れて、大空魔竜へ帰還します!」

大空魔竜/ブリッジ
ガリス「みんなにサコン先生から話があるそうだ」
サコン「やあ、皆さん。初めてお目にかかかる人も多いかな?」
ダイヤ「あなたがサコン先生? 普通の人じゃないか…」(宇宙人、ロボット、脳みそだけ…いろいろ考えたんだけどな…)
甲児「俺は、お爺ちゃんや司馬博士みたいなお爺さんかと思ってたぜ」
杏奈「サコン先生って、かなりのイケメンじゃない!」
ルル「だめですよ、杏奈さん。ちょっとでも手を出したら、シズカさんの怒りを買っちゃいますよ」
杏奈「大丈夫よ。私、新婚ホヤホヤだもん」「それに私、イケメンは好みじゃないから」
ゴオ「おい、そりやどういう事だ?」
杏奈「も~、冗談に決まってるじゃない。ゴオちんってば!」
静流「…確かに顔はいい感じだけど、あの服のセンスはあり得ないわね…」
さやか「一緒に街を歩くのは遠慮したいですね…」
ローサ「そこ! 私語は慎みなさい!}
さやか「ご、ごめんなさい…」
ローサ「先生、お願いします」
サコン「わかりました…。シズカ君とダイモン爺さんが不眠不休で働いてくれたおかげで…」「大空魔竜の空間転移システムは完全に直りました」
ダイヤ「でも、それだけじゃ地球に戻れないんだろ?」
サコン「残念ながら、その通りです」「ミスト君達の協力で時空間ゲートの事もおぼろげながら判ってきたのですが…」「ゲート自体を作り出す方法が判りませんでした…。しかし、ヒントは得られましたよ」
ミスト「本当ですか!?」
ルル「さすが先生…!」
サコン「あまり喜ばないで下さい…。何しろ、検証も済んでいないのですから」「ただ…このままデータを採れない事には私もお手上げです」「なので、時空間ゲートのデータ収集用のセンサーを開発しておきました」「テストはできませんでしたが、皆さんの機体に取り付けておいて下さい」
シズカ「やれやれ、もうひと働きか…」
ガリス「先生、という事は…」
鏡「我々がもう一度時空間ゲートを通る可能性がある…というのですか?」
サコン「そこまでは考えていません」「ただ、次にもし同じ攻撃を受けた時、行き先が地球型の惑星とは限りませんから…」「あまり悠長に構えているのも危険かな、と思ったまでです」
アンジェリカ「動力源に関しては何かわかったんですか?」
サコン「すみませんが、それについては現段階では『ある種の波長を感じ取って大幅に増幅している』としか…」「引き続き、そちらの方も調査を進めますので、首を長くして待っていて下さい」
ミスト「首を長く…?」
アンジェリカ「地球にはそういう部族がいるのよ。災難ね、ミスト…。首を長くする器具、だいぶ痛そうだったわよ…」
ミスト「ええっ!? そんな…!」
柳生「苛めるのもそこまでにしておきなさい。普通に待っていればいいだけ。単なる言い回しの問題よ」
ミスト「なんだよ、脅かさないでくれよ!」
アンジェリカ(あれ…間違えてた…? おっかしいなぁ…)
シズカ「問題はもう一つあるんだ。例えゲートが発生させられたとしても…」「空間転移をするためのハイドリュートが全然足りないんだよ」
ローサ「大空魔竜に残されているハイドリュートは、もう残りわずかなのよ…」
ピュリア「じゃあアタシ達は、この世界にずーっといなきゃならないのか?」
リー「それどころか、ハイドリュートが底をついたら動けなくなっちまうんだぜ?」
甲児「どうするんだよ! 未知の世界でのたれ死になんてまっぴらだぜ!」
サコン「皆さん、まあ、落ち着いて下さい」「ハイドリュートが不足する事は、この世界にきた時から予測できていましたから…」「この世界の物でハイドリュートに代わるエネルギーを探していたんです」
ピュリア「さすが、先生だぜ!」
サコン「この星の文献を片っ端から調べてみた所、エリアZiと呼ばれる場所に…」「レッゲルと言う燃料があるとわかったのです」
ミスト「レッゲル?」
サコン「ゾイドと言う獣型マシンの燃料に使われている液体なのですが、コップ1杯程度のレッゲルで…」「サーペント程度の大きさのゾイドを動かす事ができるそうなんです」
シズカ「それだけ高密度のエネルギーならハイドリュートの代わりに使えると思うんだ」
ガリス「そこで我々は、レッゲルを入手するためにエリアZiへ向かう」「元の世界に戻るゲートに関しては引き続き先生に調査してもらいたい」
サコン「わかりました。では、私は部屋に戻ります…」
〔扉の開閉音〕
つばき「キャプテン。ヤーパンの天井はどうするんです?」
ガリス「同行すると約束したのはゾネットまでだからな。彼らとはここで別れる」
ダイヤ「何だ。せっかく友達になったのに…」
ローサ「仕方ないでしょ。彼らとは元々目的が違うんだから…」
ガリス「では、明朝、大空魔竜はエリアZiへ向けて出発する!」「各自、出発に備えて準備をするように。解散!」
さやか「そういえば、ゲイナー君はどうしたの?」
ミスト「ゲイナー君なら、ついさっきサラさんと一緒にヤーパンの天井に戻りましたよ」
さやか「ずいぶんひどいケガだったって聞いたけど…?」
ルル「出血は多かったみたいですけど、わき腹の肉をちょっと切っただけで…」「それほどひどい傷じゃなったってフランクリン先生が言ってました」
ゴオ「そうか。早く良くなるといいな…」
ルル「ええ…」
ヴァン「…おい、カルメン。カギ爪に関する情報ってのはいったい何なんだ!?」
カルメン99「さっきの話、聞いた? 大空魔竜はエリアZiに向かうのよ…」
ヴァン「それがどうした?」
カルメン99「実はね、カギ爪の男に関係する何かがエリアZiにあるらしいの…」
ヴァン「なにっ? いったい何があるんだ!」
カルメン99「以前、あなたが竜のヨロイを倒した時に手に入れたデータがあるでしょ?」
ヴァン「竜のヨロイ…?」
カルメン99「忘れたの? 3ヶ月くらい前に会った時、言ってたじゃない…」「山の中で、勝手に動き回る竜のヨロイに出くわしたって…」
ヴァン「ああ、そうだ! 無人で動くヨロイをカギ爪が開発させていたんだ!」「そういや、あの時のデータ、お前に解析を頼んだっけ…」
カルメン99「あのデータの一部が解析できたのよ」
ヴァン「なにっ! 何がわかったんだ!?」
カルメン99「解析できたのはある地点を示す座標データで…」「調べてみたら、その座標はエリアZiの中だったわ」
ヴァン「エリアZi!」
カルメン99「解析できたのは座標だけだから、そこに何があるのかはわからない…」「でも、エリアZiにカギ爪につながる何かがあるのは間違いないわ!」「だから私はこのまま大空魔竜に乗ってエリアZiへ行くわ」
ヴァン「お前が? しかし、お前は…」」
カルメン99「今までは、商売としてカギ爪の事を調べていたわ…」「でもこれからは商売半分、プライベート半分…」「絶対、あの女を捕まえて仕返ししてやるわ!」「それで、あなたはどうするの? ヴァン?」
ヴァン「決まってる! 俺もエリアZiに行く!」
カルメン99「大きな貸しができたわね…ヴァン?」
ヴァン「ふん…」
カルメン99「そういえば、ウェンディとジョシュアはどうしたの?」
ヴァン「さあな…。駅で別れて、それっきりだ…」
カルメン99「ええっ?」

ヤーパンの天井/医務室
サラ「具合はどう、ゲイナー君? まだ痛む?」
ゲイナー「痛みはまだあるけど…血は止まったし、もう大丈夫だよ」
サラ「そう、よかった…」
ゲイナー「ところでサラ。シンシアは…?」
サラ「大空魔竜の人達が追い払ったわ。オーバーマンが大破してたから、しばらくは襲ってこないと思う」
ゲイナー「そうか。だけど、シンシアがシベ鉄のオーバーマン乗りだったなんて…」「せっかく会えたのに…」
サラ「そうね…」
〔木製の扉の開閉音〕
アデット「うちの生徒がケガをしたって本当かい!」
ゲイナー「あなたは…!?」
アデット「しゃべるんじゃない! 傷口が開いたら大変だからね! とにかく生きててくれてよかった…!」
サラ「ちょっと、この前のおばさん!? 何でこんな所に!」
アデット「おばさんじゃない! 教師が生徒を見舞いに来ちゃ悪いってのか!?」「適性試験はちゃーんと通ったんだからね!」
サラ「そ、それなら…別にいいですけど…」
アデット「これから先はあたしが看病するから、あんたは家に帰っていいよ、サラ・コダマ!」
サラ「ちょっと! 勝手な事を言わないで! ゲイナー君を看病するのは私です! おばさんの出る幕じゃないわ」
アデット「な、何だって!? この生意気な小娘が! それにあたしはアデット・キスラーという名前があるんだ!」
サラ「だいたい、怪我人がいるんですから静かにして下さい!」「先生は生徒の手本にならなきゃ駄目でしょう」
アデット「そりゃお互い様だ! あと、都合良く先生扱いするんじゃない!」
〔木製の扉の開閉音〕
アナ「ゲイナー、大丈夫ですか?」
ゲイン「傷の具合はどうだ、少年」
ベロー「見舞いに来てやったぜ!」
サラ「アナ姫様、ゲインさん、それにベロー! リュボフさんも!」
リュボフ「姫様がどうしてもゲイナーさんのお見舞いに行くんだと聞かなくて…」
アナ「具合はどうなのです、ゲイナー? 傷は痛みませんか?」
ゲイナー「はい。2、3日で治るそうです。ご心配をおかけして、申し訳ありませんでした」
アナ「本当ですか? 顔色がよくないけれど…」
ゲイナー「出血がひどかったせいですよ。傷自体はそれほど深くないそうです」
アナ「そうですか。それを聞いて安心しました」
ゲイン「どうやら心配なさそうだな…。それじゃ、俺はこれで失礼するぞ」
サラ「えっ? もう帰っちゃうんですか?」
ゲイン「ああ。これから大空魔竜へ行かなきゃならんのでな…」
ゲイナー「大空魔竜に? 何かあったんですか?」
ベロー「シベ鉄の警備隊長、ヤッサバ・ジンを収容したんだとさ」
アデット「ヤ、ヤッサバだって?」
サラ「あの人、警備隊長だったんだ…」
ゲイナー「どうしてそんな人が大空魔竜に?」
サラ「戦闘が終わった後、道端で気絶してるのを見つけて助けてあげたのよ」
ゲイン「部下に裏切られて不意打ちを食らったそうだ
アデット「裏切られただって? ケジナンの奴め、よくも…!」「おっと、こうしちゃいられない!」
〔木製の扉の開閉音〕
サラ「ちょっと、アデット先生! どこ行くのよ!」「…何なの、あの女…?」
ゲイン「じゃあ、俺は行くからな。大空魔竜は明日の朝、エリアZiに出発するから…」「今日中に引き取りに行かなきゃならんのでな…」
アナ「エリアZi? 本当ですか?」
ゲイン「ええ、そうらしいですよ、姫様」
アナ「それはいい事を聞きました。ゲイン、私を大空魔竜へ連れて行って下さい」「…私もエリアZiへ行きます!」
リュボフ「姫様! 突然、何をおっしゃるのです!」
アナ「メダイユ家の娘として、私はもっと見聞を広めねばなりません…」「エリアZiへ行くチャンスなど、一生に一度あるかないかの事です…」「私はぜひ大空魔竜と共にエリアZiへ行きたいのです!」
リュボフ「そんな、姫様、危険すぎます!」
アナ「これはもう決めた事です。私の決意は変わりません!」
ゲイン「…わかりました。大空魔竜へお連れしましょう、アナ姫様」
リュボフ「ゲインさん!」
ゲイン「姫様の決意はお固いようですからね。大空魔竜なら、1~2週間もあればエリアZiから戻って来れます」「それにあの連中んアラ姫様を任せても安心ですから」
アナ「心配はいりません、リュボフ。エリアZiで多くの事を学んで、人間的に成長して戻ってきます!」
リュボフ「しいかし、姫様…」
ゲイン「ご心配なら、リュボフ女史も一緒にエリアZiに行かれてはどうです? それならいいでしょう?」
リュボフ「そ、それはまあ、そうですが…」
ゲイン「では、そういう事だ。大空魔竜へ参りましょう、姫様」
アナ「はい! リンク、リンナ、リンス! 行きますよ!」
リンク「キキッ!」
リンナ「キキッ!」
リンス「キキキッ!」
〔木製の扉の開閉音〕
サラ「アナ姫様…」
ゲイナー「ま、待って…! 僕も一緒に…エリアZiに行く!」
サラ「ちょ、ちょっとゲイナー君! その体じゃ無理よ!」
ゲイナー「こ、ここにいたんじゃ駄目なんだ…大空魔竜と一緒に…行かなきゃ…」
ベロー「おい、ゲイナー。大丈夫なのか?」
ゲイナー「あ、ああ…」
ゲイナー(…もっと強くならなきゃ駄目なんだ。大空魔竜の人達と一緒に行って、少しでも多くの経験を積んで…)(強くなって…シンシアを…シンシアを救ってあげなきゃ…!)「僕はアナ姫様と一緒に行く! 行きたいんだ!」
サラ「ゲイナー君…」「わかったわ。行きましょう、ゲイナー君」
ゲイナー「サラ…ありがとう」

大空魔竜/格納庫
甲児「いい加減、おとなしくしろよ! シベ鉄のおっさん!」
ヤッサバ「ええい、この縄をほどけ! このヤッサバ・ジン、逃げも隠れもせん!」
ダイヤ「…って言ってますけどどうします?」
リー「ほどきたくてもほどけないんだよね…」「何しろその縄…シズカさんが結んだからさ…」
ダイヤ「あー、そりゃ無理だ。あの怪力で縛られた縄じゃ誰にもほどけないや…」
甲児「シズカさんの力は大空魔竜でナンバーワンだからな…」
ダイヤ「早乙女さんとどっちが強いかな…」
〔自動扉の開閉音〕
アデット「隊長! ヤッサバ隊長ッ!」
ヤッサバ「アデット! 生きていたのか! アデット!」
アデット「会いたかったよ! あんたぁーーっ!」
ヤッサバ「俺もだ! アデットォォォ! うおおおおっ!」
ダイヤ「な、何なんだ、これ…?」
リー「さあ…。どうしたもんかな…」
ゲイン「ゲイン・ビジョウだ。シベ鉄を引き取りに…アデット! お前、何してるんだ?」
ヤッサバ「貴様は…! 黒いサザンクロス!」「今ここで決着をつけてやる! 決闘を申し込むぞ!」
ゲイン「決闘だと? 両腕を縛られた状態で何を息巻いてるんだ?」
ヤッサバ「アデット! この縄をほどけ! 俺はあいつと決闘する!」
アデット「ちょっと落ち着きなよ、ヤッサバ!」
ヤッサバ「なにっ?」
ゲイン「お前さんは、部下に裏切られたそうじゃないか。つまり、もう用なしって事だろ?」
ヤッサバ「黙れ! 俺は貴様の首を手みやげにしてシベ鉄に戻る!」「そして、裏切ったケジナンどもをブン殴ってやる!」
アデット「隊長…いや、ヤッサバ! シベ鉄に戻る事なんてないさ」「あんな所に戻ったって、キッズの野郎にこき使われるだけで何もいい事なんかありゃしない!」「あたしと一緒にヤーパンで暮らそう! ふたりで幸せになるんだよ!」
ヤッサバ「ア、アデット…お前…」
ゲイン「ほう…。お前達がそういう仲だったとはな…」「まあいい。詳しい話は後で聞かせてもらうとして…」「アデット。ヤッサバをヤーパンの天井に連れて行ってくれるか?」
アデット「わかった。さあ、行こう、ヤッサバ…あたしとゆっくり話そうじゃないか。これからの事をさ。…ね?」
ヤッサバ「あ、ああ…」
〔自動扉の開閉音〕
ダイヤ「何なんですか、あのふたり?」
ゲイン「さあな。俺にもよくわからんが、アデットに任せておけば大丈夫だろう。女ってのは強いもんだ…」「それにあのヤッサバの態度
…ありゃ完全に尻に敷かれてるようだからな…」
甲児「そういうもんですか…?」
ゲイン「ところでキャプテン・ガリスはどこにいらっしゃるのかな? ちょっと頼みがあるんだが…」
ダイヤ「キャプテンならブリッジにいるはずですけど…」「誰ですか、そのかわいいお嬢ちゃんと、3匹のネズミは?」
アナ「ネズミではありません。リンクスです」「それに私もお嬢ちゃんではなくアナ・メダイユと言う名前があります」
甲児「へえ、しっかりした子だなあ!」
アナ「私をキャプテン・ガリスの所へ案内して下さい。お願いしたい事があるのです」
ダイヤ「キャプテンの所へ?」
リー「お願いって、何だい? お嬢…じゃなくて、アナちゃん?」
リュボフ「まあ、アナちゃんだなんて! アナ姫様に向かって、なんて無礼な!」
リー「え?」
リュボフ「そのお方は、ウルグスクの統治者、メダイユ公爵のご令嬢、アナ姫様ですよ!」
リー「こ、公爵?」
ダイヤ「公爵って偉いの? リーさん」
リー「偉いなんてもんじゃない。ものすご~く偉い人だ」
甲児「男爵や子爵よりも偉いのか?」
リー「ずっと、ず~っと偉い」
甲児「そ、そんなに偉いのか…」
リュボフ「おわかりいただけましたかしら?」
リー「も、申し訳ありませんでした! アナ姫様!」
アナ「わかればいいのです」
ゲイン「…というわけで、アナ姫様をキャプテンの所にお連れしたいんだが…」
〔自動扉の開閉音〕
ゲイン「ア、アナ姫様…!」
アナ「ゲイナー! 寝てなくて大丈夫なのですか?」
ゲイナー「はい、大丈夫です。アナ姫様とリュボフさんだけでエリアZiに行かせられませんから…」
アナ「私を心配して来てくれたのですか? ありがとう、ゲイナー!」
ゲイナー「い、いえ…。アナ姫様をお守りするのは当然の事ですから…」
アナ「では、そこの髪の長い方。私達をキャプテンの所へ案内して下さい」
リー「は、はいっ!」

大空魔竜/艦長室
ガリス「わかりました、アナ姫様。乗船を許可いたしましょう」
アナ「よろしいのですかキャプテン・ガリス!」
ガリス「好奇心旺盛なのは素晴らしい事です。我々と共に旅をして、ぜひとも見聞をおひろめ下さい」
アナ「ありがとうございます!」
ガリス「ゲイナー君も同行するという事だが、エクソダスの方はいいのかね?」
ゲイナー「…この前の戦いで、僕は自分の力不足を痛感しました」「このままエクソダスを続けても、僕は何の役にも立てそうもありません…」「だから僕は、大空魔竜の皆さんについていって、少しでも多くの経験を積みたいんです」「僕は強くなりたいんです!」(そして、シンシアの事を…)
サラ「ちょっと、ゲイナー君!? アナ姫様が心配だからついて行くんじゃないの?」
ゲイナー「あ、いや、。もちろんアナ姫様をお守りするのが第一に決まってるじゃないか」「アナ姫様は、大事な人質なんだから、トラブルが起こらないように目を光らせてなきゃ…」「強くなりたいっていうのはあくまでも僕の希望だよ…」
サラ「…だったら私も一緒に行くわ」
ゲイナー「えっ? サラも…?」
サラ「だって、ゲイナー君はケガ人でしょ? いざと言う時、姫様をお守りできないかもしれないわ」「それに、今の君は精神的にも不安定みたいだから、安心して任せられないもの」(本当はエクソダスを続けたいけど、どう考えても、ゲイナー君だけに任せておけないわよね…)
リュボフ「わ、私も、姫様の教育係としてご一緒させていただきたいのですが…よろしいでしょうか?」
ガリス「わかりました。ではアナ姫様、ゲイナー君、サラさん、リュボフさんの4人を…」「エリアZiまでお連れするという事で…」
ダイヤ「ゲインさん。キングゲイナーがいなくなって、ヤーパンの天井の守りは大丈夫なの?」
ゲイン「たかが数日の話だ。何の問題もない。ヤーパンの天井の守りは、俺とガウリ隊で何とかするさ」「それに、ケガ人のゲイナーなんか、いてもいなくても同じだからな。いや、いたらかえって足手まといか…」
ゲイナー「そ、そんな言い方…!」
ゲイン「ガッハ殿には俺の方から話しておく。休暇のつもりで行って来い」「サラ。ゲイナーは役に立たんから、アナ姫様の事はお前に任せる。頼んだぞ」
サラ「わかりました」
ゲイン(今のゲイナーは、ケガだけじゃなく、精神的にもかなりダメージを受けている)(こんな状態で、あの赤いオーバーマンに出くわしったら命を落としかねない…)(今のゲイナーは、ヤーパンの天井から離れた方がいい。それがこいつのためだ…)「ではキャプテン・ガリス。しばらくの間、アナ姫様達をよろしく頼みます」
ガリス「わかった。4人は私が責任をもって預からせてもらう」「ではアナ姫様。出発は明朝です。それまでに準備を整えて下さい」
アナ「わかりました!」「エリアZiってどんな所なのかしら…。早くゾイドが見たいなあ…」
【シナリオエンドデモ終了】


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