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エピローグ

【シナリオエンドデモ開始】

一年後…

遺跡発掘現場
司馬「甲児ッ! サボッとらんで手を動かさんか!」
甲児「わ、わかってますよ! でも、遺跡の発掘が、ロボット工学の勉強に役立つんですか?」
司馬「バッカもん! 探究心を持たぬ者は、どんな事をやっても中途半端に終わってしまう!」「これは探究心を磨くための訓練なんじゃ!」
甲児「ほんとかよ…。発掘の手伝いをさせられてるだけじゃないのか…?」
さやか「まあまあ、甲児君。100歳を超える人生の大先輩がおっしゃるんだから間違いないわよ」
鏡「その通りだ。司馬博士とは長いつきあいになるが…」「あの人は態度は乱暴だが、言う事は間違っていない。信じるに足る大人物だよ」
甲児「何だよ、お前。司馬博士と何十年も一緒にいたみたいな口ぶりじゃねえか」
さやか「鏡君って、私達より年下よね? ビルドベースでアルバイトを始めてまだ1年くらいじゃないの?」
鏡「そ、それは…あの…」
司馬「こらっ、甲児! 無駄口をやめんか! 弓君から頼まれていなければ、お前などとっくの昔に破門しとるぞ!」
甲児「ひいっ! さ、さやかさん、作業に戻ろう!」
さやか「ええ、そうね!」
鏡「ありがとうございます、司馬博士…」
司馬「お前も不用意な事を言うんじゃない。まったく…」
鏡「申し訳ありません」
美和「鏡君。さっき宙さんが探していたようだけど…?」
鏡「たぶん俺をバイクレースに参加させるつもりなんだと思います」「チームのエースは剣児に任せて、俺は引退するつもりなんですよ。…体の方がキツイですから…」
司馬「ああ、それがいい。いくら延命措置が上手くいったと言っても、若返りしたわけではないんだからな…」
鏡「ええ…」「俺の分も頑張ってくれよ、剣児…」

サーキット
剣児「宙さん! 鏡の奴はまだ来ねえのかよ?」
宙「今、ミッチーから連絡があった。鏡は引退するそうだ」
剣児「げーっ! マジかよ!?」
宙「エースの座はお前に任せるそうだ」
剣児「あの野郎! 俺との勝負を逃げやがったな!」「まあいいや。これで俺がエースになったら、女の子にモテモテだからな。グヘヘ…」
つばき「ちょっと剣児! 何ニヤけてんのよ! バイザー越しに目尻が下がってるのが丸見えよっ!」
剣児「げっ! つばき! 見に来てたのかよ!」
つばき「何よ! 私が応援に来ちゃまずいわけ!?」
剣児「そ、そんな事はないけどさ…。お前がいると、レースクイーンのお姉さん達と仲良くできないし…」
柳生「レースクイーンのお姉さん達ってのは私達の事かしら?」
身堂「仲良くしたいってんなら、いくらでも仲良くしてやるぜ?」
早乙女「力いっぱいハグしてやるぜ、剣児!」
剣児「げえっ!」「柳生隊長や身堂さんはともかく、どうしてゴリラがレースクイーンやってんだよ!」
〔殴打音〕
〔画面、振動〕

早乙女「誰がゴリラだ!」
剣児「いってーっ! ライダーに暴力振るうレースクイーンなんて前代未聞だぜ!」
柳生「もう一つ、前代未聞があるんだけど…」
剣児「今度は何だよ!?」
霧子「は~い、剣児。今日のレース、絶対優勝してね~」
剣児「げげげえっ! あ、葵博士!」
身堂「私達は止めたんだけどさ、どうしてもやるって無理矢理…」
霧子「ダンナーベースの仕事を若い連中に任せちゃったら暇でしょうがなくてさ…」「柳生隊長からレースクイーンの話を聞いて、一度やってみたくてさ…。どうだい、似合うだろ?」
早乙女「確かにレースクイーンにふさわしいナイスバディではあるけど…」
つばき「間違いなく最年長のレースクイーンでしょうね…」
運転手(き、霧子…なんて無茶を…)
宙「さあ、剣児! もうじきスタートだ! 準備はいいか?」
つばき「今日はこの後、大空魔竜の見送りに行くんですからね! はなむけに優勝しなさいよ!」
剣児「ああ、そうだったな。さっさとトップでゴールして、みんなを見送りに行かなきゃな!」「じゃあ、行ってくるぜ!」

空港
ガリス「ダリウス人が移民するための方舟の開発、よろしくお願いします」
ダイヤの父「もちろんです。大空魔竜がゼーラの門の視察から戻って来るまでには、準備を整えておきますよ」
ダイヤ「キャプテン、またその仮面をかぶったんだね」
ガリス「これはローサのお気に入りだからな…。自分の意志ではやめられん」
ローサ「ええっ!?」
ガリス「ははっ、冗談だよ。だが、この方がしっくり来るだろう?」
ダイヤ「ああ。キャプテン・ガリス! …って感じするよ」
ガリス「はっはっは…。大空魔竜のキャプテンはこれからもルルさ」「私は仮面の科学者、プロフェッサー・ガリスとでも名乗るかな?」
カガリ「キャプテン…いや、プロフェッサー・ガリス、ルル、それに大空魔竜のみんな…」「宇宙にはどんな危険が待ってるかわからない。十分に気をつけてな…」
ミスト「それに、『欠片』だってそのほとんどは消滅しましたけど…」「残る『欠片』が集まったらどんな奴になるかわかりませんからね」
パイ「心配ないさ。あとの『欠片』は残りカスみたいなもんだろ?」「それに、その他の危険にしたって宇宙のエキスパートのあたし達が一緒なんだから!」
ミア「エキスパートって言うほど、広い範囲を知ってるわけじゃないでしょ?」
ロール「そうだよ。あんまり偉そうにしない方がいいって…」
パイ「うるせえっ!」
ダイヤ「本当に俺が行かなくても平気なの? ガイキングがいた方がもっと安心なんじゃ…」
リー「大空魔竜だけじゃなく、大地魔竜、天空魔竜も一緒だし、戦力的には問題ないと思うぜ?」
ノーザ「お前がいなくてもこの俺がいる。心配はない!」
ピュリア「そうだぜ、ダイヤ。心配しすぎだって!」
ダイヤ「でも…」
ガリス「ダイヤ、ピュリア、ナオト…。お前達にはまだ地上でしか学べない事がたくさんあるはずだ」「場所は遠く離れても、我々は同じ未来へ向かっている。いつの日か、再び大きな困難に対して…」「共に力を合わせる時が来るだろう。その日まで、胸の炎を絶やすなよ!」
ダイヤ「…ああ、わかった!」
ルル「ダイヤ君は、ずっとずっと大空魔竜の47番目の仲間だよ!」
ダイヤ「うん!」
サコン「マクグリフ博士。あなたも一緒に行きませんか? 外宇宙の事を学ぶには絶好の機会だと思いますが…?」
セレーネ「確かに魅力的なお話なのですが…。私は自分の力で…スターゲイザーで外宇宙に挑みたいのです」「ソルやスウェンも手伝ってくれるそうですし…」
サコン「わかりました。研究の成功を心からお祈りします…」
剣児「おーいっ!」
つばき「よかった、間に合って…」
リー「剣児! つばきちゃん! それにビルドベースのみんな!」
宙「いよいよ出発ですね…。成功を祈ってます!」
ガリス「ありがとう。頑張って来るよ」
剣児「ルル! 今日のレースの優勝トロフィーだ! 餞別代わりに持ってってくれ!」
ルル「あ、いえ。お気持ちはありがたいですけど…」
ダイヤ「剣児さん。トロフィーなんてもらったって困るよ」
剣児「うるせえな! 気持ちだよ、気持ち! 仲間の門出なんだ。何か心のこもった物を贈りてぇじゃねえか!」
ルル「…そうですね。わかりました。ありがたく受け取らせていただきます」
剣児「おう! ブリッジの真ん中にでも飾っといてくれ!」
宙「調子に乗るな、馬鹿!」
つばき「そういえば、ダンナーベースの皆さんは?」
柳生「竜宮島の子達の姿も見えないけど…」
ミスト「ダンナーベースのみんなは任務で大忙しなんです。それで、俺達が代表って事で…」
ナオト「そういえば、また擬態獣が出たってニュースでやってましたね」
ミスト「うん。葵博士が言っていた通り、あの超擬態獣は最後の1匹じゃなかったんだ」
アンジェリカ「でも、あの戦いの後、各国のベースは戦力を強化したから…」「擬態獣がいくら来ても今なら大丈夫だと思うわ」
ミスト「それにもうすぐ…」
カガリ「ストップ! ミスト! それ以上しゃべるな! まだ極秘なんだぞ…」
ミスト「す、すいません…」
ダイヤ「一騎達は、声をかけたんだけど、来なかったんだ。都合が悪いとかで…」
ピュリア「何だか気になるよな…」
カガリ「大空魔竜を見送った後、ちょっと様子を見に行くか?」
ダイヤ「そいつはいいや! 久しぶりに一騎達にも会いたいし!」
ルル「今日、来られなかった皆さんにもよろしく伝えておいて下さいね」
〔通信機の起動音〕
ダイモン「キャプテン! 全機発進準備が整った! いつでも出られるぞ!」
ルル「わかりました。すぐにそちらへ向かいます! では皆さん。行ってきます!」
剣児「気をつけてな! 宇宙で悪いもん食うんじゃねえぞ!」
ダイヤ「じゃあな、ルル。何かあったらいつでも呼んでくれよ!」
ルル「ダイヤ君も元気で! それじゃ!」
ダイヤ「行っちまったか…」
ナオト「心配いらないさ、ダイヤ君。みんな無事に戻って来るよ!」
ダイヤの父「そうだとも、ダイヤ」「私達は地球に残って、ダリウスの人達が移民するための方舟を造りながら彼らの帰りを待とうじゃないか!」
ダイヤ「うん! そうだね、お父さん! ルル…俺は君の帰りを待ってる」「それまでにもっともっと体を鍛えておくからさ!」
カガリ「…結局、キラ達は間に合わなかったか…」
ミスト「あれだけ重大な案件について話し合ってるんですから…」「途中で抜け出すわけにはいかなかったんだと思いますよ」
宙「おい、ミスト。何なんだ、その重大な案件ってのは?」
ミスト「え? あ、いや…あの…」
カガリ「やれやれ…。ほんっとに口の軽い奴だな…」
ミスト「ほんっとすんません…」
カガリ「大きな声では言えないが、今、オーブと連合とプラントの間である組織を作る事が検討されているんだ」
ピュリア「ある組織…?」
カガリ「3つの国家が協力しあい、地球の秩序と平和を維持するための組織…わかりやすく言えば防衛隊だな」
ミスト「そうなんですよ! 現在、各国に配置されたベースの組織をさらに強化して…」「地球はもちろん、コロニーも含む地球圏の平和を防衛する…」
〔殴打音〕
〔画面、振動〕

カガリ「しゃべりすぎだ! そこまで解説する必要はない!」「…まったく、こんなおしゃべりな奴は防衛隊に入隊させられないな…」
ミスト「そ、そんな事言わないで下さい! 謝りますから!」
ダイヤ「キラさんやラクスさんは、その防衛隊結成のための準備を…?」
カガリ「ああ、3国間の会議やら根回しやらで忙殺されているよ…」「今日の事も話しておいたんだが、やはり来られなかったようだ…」
つばき「あの…アスハ代表はお忙しくないんですか?」
カガリ「ああ、全部ユウナに任せてあるからな。お目付役にキサカもつけてあるし…心配ない」
つばき「そ、そうですか…」
剣児(オーブの首長がこんな気楽な感じでいいのかよ…?)
カガリ「何か言ったか、剣児?」
剣児「いえ! 何でもありませんっ!」
カガリ「さあ、竜宮島へ行ってみるか。突然、何があったのか気になるしな…」

竜宮島/竜宮島中学校
剣司「あ~もう、代わり映えのしない毎日には飽き飽きだ…」「たまには島から出て、外の世界で遊んでみたいぜ…!」
衛「よく言うよ。剣司は咲良と仲良くやってて、けっこう毎日が楽しそうじゃないか…」
剣司「ばっ! 馬鹿言ってんじゃねえよ!」
真矢「あら。でも、昨日も一緒に帰ったんでしょ?」
翔子「ほんと、仲がいいわよね。うらやましいなぁ…」
剣司「と、遠見に羽佐間までからかうのかよ! ひでえなぁ…」
翔子「からかってなんてないもん。ほんとにうらやましいんだよ。だって…」
咲良「みんな! 大変だよ!」
剣司「どうした、咲良!?」
咲良「乙姫ちゃんの容態が急変したって! 一騎達は先にメディカルルームに向かった! みんなも来てくれ!」
剣司「わかった! 行こう!」

アルヴィス/医務室
乙姫「ゴホッゴホッ…」
千鶴「乙姫ちゃん、大丈夫?」
一騎「乙姫ちゃん!」
乙姫「…島が私に許してくれた時間はもう終わりみたい…。岩戸に戻らなきゃ…」
カノン「乙姫…」
乙姫「島のミールは、私のわがままを聞いて、1年も長くこの姿でいる事を許してくれたんだもの…感謝しなくちゃね」「この1年でみんなとも仲良くなれたし、思い出もいっぱいできた。精一杯生きられて、私…幸せだった…!」
〔扉の開閉音〕
真矢「乙姫ちゃん!」
衛「乙姫ちゃん!」
乙姫「みんなも来てくれたのね。うれしいな…」
翔子「容態が急変したってどういう事ですか、先生?」
千鶴「乙姫ちゃんの肉体が、このままの状態を維持できなくなってしまったの…」「急いで岩戸に戻らなかったら、この島全体が死んでしまう事になるわ…」
真矢「岩戸に戻ったら、乙姫ちゃんはどうなっちゃうの? お母さん!」
千鶴「…この島と同化するの…」
カノン「島と同化って…?」
〔扉の開閉音〕
真壁「…皆城乙姫は、人間の姿ではなくなり、島のミールと一つになって、お前達の事を見守ると言う事だ…」「かつて、一騎達が北極に向かった蒼穹作戦の時…」「既に皆城乙姫はミールと一体となっている。今、ここにいられるのがそもそもの例外なのだ」
翔子「い、言ってる意味がわからないわ…。人間の姿でなくなるって…」「島のミールと一つになるって……死んじゃうの?」
乙姫「死じゃないよ、翔子。私はミールと一つになって存在し続けるの。この島をとりまく空気として…」
一騎「総士も、生き続けているんだよな…?」
乙姫「ええ、もちろんよ。総士もフェストウムと一つになって…」「形ある存在としてこの世に戻って来る方法を探しているわ」「いつになるはかわからないけれど、総士は諦めない。一騎達が…みんながここにいる限り…」
真矢「それじゃ、乙姫ちゃんも戻って来られるのよね? 皆城君みたいに、いつかきっと…」
乙姫「ここのミールが命の循環をちゃんと学んで、死は次なる生へつながると理解して…」「私がもう一度この世界に存在する事を許してくれたらね…。それが何年先になるかわからないけど…」
剣司「乙姫ちゃん…!」
乙姫「そんな悲しい顔を…ゴホッゴホッゴホッ…!」
千鶴「そろそろ危険だわ。岩戸へ行きましょう、乙姫ちゃん」
乙姫「ええ。みんな、本当にありがとう。それじゃ行こうか、千鶴、史彦…」
〔扉の開閉音〕
真矢「乙姫ちゃん…」
一騎「俺達も行こう! 乙姫ちゃんを見送ってあげよう!」
剣司「ああ、そうだな、そうしよう!」

アルヴィス/ワルキューレの岩戸
千鶴「大丈夫? 乙姫ちゃん…」
乙姫「うん。これで2回目だから…もう迷ったりしない…」
真壁「…すまないな。この島と、島の全ての命を救うためとは言え…君のような幼い命を…」
乙姫「気にしないで、史彦。これが私の役目なんだから…」
〔扉の開閉音〕
咲良「乙姫ちゃん!」
カノン「乙姫っ!」
乙姫「みんな…」
衛「つ、乙姫ちゃん…」
真矢「お母さん! 乙姫ちゃんを助けてあげられないの? ねえ!」
千鶴「…これは、この島を存続させるために必要な事なの…。乙姫ちゃんもそれをわかってくれてるわ…」
剣司「だからって…だからってこんな事が…くっ…!」
乙姫「泣かないで、みんな…。私は死ぬわけじやないんだから…」「私はこの島と一つになって、みんなの事を包んであげるの…」
翔子「う…ううっ…」
乙姫「じゃあね、みんな…」
一騎「乙姫ちゃんっ!」
〔ハッチの開く音〕

アルヴィス/パーシバル・ルーム
カガリ「…そうか。そんな事があったのか…」
真壁「ええ…。それで喪に服していたというわけでもないのですが、子供達が島を離れたくないと言いまして…」
真矢「私達は、島と一つになった乙姫ちゃんの事を感じたかったんです。一緒にいたかったんです!」
一騎「大空魔竜のみんなを見送りに行かなきゃならないのはわかってたんですけど…」
咲良「乙姫ちゃんと別れた悲しみを胸に抱いたまま…」「大空魔竜のみんなを笑顔で見送るなんてできそうもなかったから…」
剣司「本当に申し訳ありませんでした!」
カガリ「あ、いや…。謝る必要はないさ。事情はよくわかったから…」
ミスト「そんな理由があったんじゃ、見送りどころじゃないよね…」
宙「ゼーラの門が見つけた星の調査が終わったら、大空魔竜は戻って来るんだ」「その時に出迎えてやればいいだけの話さ」
衛「星の調査か…。僕もいつか宇宙探検がしてみたいな…」
一騎「宇宙にはきっとフェストウムよりも不思議な生物…が…うぐっ!」
真矢「一騎君!」
真壁「どうした、一騎!」
一騎「きゅ、急に頭が痛みだして…ううっ…!」
甲洋「しっかりしろ! 一騎!」
カノン「一騎っ!!」
千鶴「まずいわ! 同化抑制剤の効果が切れて、同化が急激に進行してる!」「急いでメディカルルームへ連れて行って!」
剣司「はいっ! 一騎! しっかりしろよ! 歩けるか!?」
真壁「一騎は私が背負って行く! 君達はここで待機していてくれ!」
剣司「は、はいっ!」
一騎「と、父さん…」
真壁「遠見先生! 急ぎましょう!」
〔扉の開閉音〕
カガリ「なんて事だ…一騎が…」
ミスト「フェストゥムと共存するためのデータを入手したはずなのにどうして…?」
咲良「遠見先生はこの1年間、寝る間も惜しんで研究なさってるんですけど…」「フェストウムから送られて来たデータは余りにも膨大で、研究が追いつかない状態なんです…」「私が回復したのは奇跡的な偶然だったのかもしれません…」
剣司「奇跡なもんか! 咲良が助かったのは遠見先生の研究のおかげだ!」「一騎だって絶対治る!」
衛「でも、総士は…同化を抑制する薬を打ってたのに…」
翔子「不吉な事言わないで! 一騎君達は絶対助かるわ!」
甲洋「ああ! 一騎の居場所はここだ!」
剣司「そうだよ! フェトウムは俺達の事を学んだはずだ!」
衛「ねえ、僕達…本当に大丈夫なのかな?」
真矢「大丈夫よ。お母さんが絶対に一騎君を治し…うっ!」
翔子「真矢!? どうしたの?」
真矢「ご、ごめんね。目にゴミが入っちゃって…!」
剣司「お、脅かすなよ…それでなくても一騎の事でナーバスになってるんだから…」
真矢「ごめんなさい…」
翔子「ほんとに大丈夫なの?」
真矢「うん。心配いらないから。ごめんね、翔子」(同化耐性が低いはずの私が無事なんだもん…)(絶対に一騎君は助かる。私達の居場所はここ。そうだよね、皆城君)

ダンナーベース/司令室
静流「擬態獣の現在位置は!?」
小波「落下地点から南へ5キロ移動した地点で停止しています!」
静流「停止? …全く動いていないの?」
小波「はい!」
静流「どう思う、ゴオ?」
ゴオ「疲れて休んでる! …んなわけないか…」
静流「あなた、司令官に向いてないわ…パイロットに復帰したら?」「ミラ! 杏奈! 現場への到着予定は?」
〔モニターの開く音〕
杏奈「あと2分で到着します!」
ミラ「目標を目視! 何なの、あれは!?」
杏奈「どんどん巨大化してるわ…!」
ゴオ「そうか! 擬態獣の奴、地中からエネルギーを吸い上げて巨大化しているのか!」
静流「たまにはまともな事も言うのね…」
ミラ「敵を射程範囲に捉えたわ! 攻撃許可を!」
杏奈「攻撃許可って…! あんな馬鹿デカい敵に私達だけで勝てるわけないじゃない!」
ミラ「杏奈ミラーズに不可能はないわ! どんなに巨大だって仕留めてみせる!」
〔モニターの開く音〕
モウカク「おっと! お前達だけに手柄を独占させねえぜ!」
シュクユウ「助けに来たわよ! 杏奈ちゃん! ミラさん!」
ナイト「お嬢さんふたりにはちょっと荷が重い敵だろう?」
エリス「ダンナーベースのエースパイロットに向かって失礼よ、兄さん!」
シャドウ「私達も手伝わせてもらおう…」
ルナ「大きな獲物は協力してやっつけましょう!」
エカテリーナ「ククラチョフ! 攻撃準備だ!」
ククラチョフ「仰せの通りに…」
ルウ「…擬態獣がいる限り、私の戦いは終わらないわ…」
ゴオ「お前達! 来てくれたのか!」
ナイト「この先、防衛隊が組織されれば、こういった機会も増えるだろう」
エカテリーナ「今回は予行演習ってわけさ」
ナイト「世界のどこへでも駆けつけてみせる…」
光司「オ、オールキャストじゃないッスか! 猿渡さん! 静流さん! 俺も出撃させて下さい!」
静流「駄目よ。Gゼロは修理中でしょ?」
ゴオ「前回の出撃で無茶した罰だ。そこで指くわえて見てろ!」
光司「くっそーっ! 全然オッケーじゃねえぜ!」
ゴオ「頼むぞ、みんな! そんな擬態獣、一気に片づけてくれ!」
杏奈「任せといて! ゴオちん!」
ミラ「さあ、行くわよ! 杏奈!」
ゴオ「ところでミストはどうしたんだ? 大空魔竜の見送りにいつまでかかってるんだ!」
桃子「それが…さっき連絡があって、アスハ代表と一緒に竜宮島に行くと連絡が…」
ゴオ「竜宮島だと!? あの野郎! この非常時にサボりやがって!」「見習いに格下げだ! 防衛隊の所長推薦も取消しだ!」
静流「ちょっとゴオ、何言ってるの? ダンナーベースの仕事はいいから、大空魔竜の見送りに行けって…」「あの子達に言ったのはゴオじゃない」
ゴオ「そ、そうだったか…?」
静流「しっかりしてよ、猿渡所長!」
ゴオ「くっ…! もう所長はヤメだ! 静流! 所長はお前に任せる! 俺はただのパイロットでいい!」「ゴーダンナーで出るぞ!」
光司「ああっ! ずるいぜ、猿渡さん! 自分だけ出撃するなんて!」「こうなったら、俺もコアガンナーで出撃してやる!」
〔ドアを開ける音〕
静流「やれやれ、困ったもんね…」
小波「静流さん、どうしますか? ゴーダンナー…」
桃子「出撃させちゃっていいんですか?」
静流「止めて聞くような男じゃないのは知ってるでしょ? 発進させて…」「ただし、光司は発進させないでね」
小波「了解! ゴーダンナー第3カタパルトへ!」
静流(…私達の戦いはまだ終わってない。擬態獣を根絶やしにするまで、戦い続けてみせるわ…!)
〔モニターの開く音〕
ゴオ「ゴーダンナー! 発進するぞ!」
〔機体の発進音〕

ヤーパンの天井
ネロ「おい、ヤーパンの天井はまだなのか?」
ホセ「いい加減、着いてもよさそうなもんだろう…?」
アナ「地図によれば、ヤーパンまではまだ距離があります」「エリアZiの悪路を考えるとあと数ヶ月はかかるだろうとゲインが言っていました」
バリヨ「数ヶ月だと!?」
ネロ「まだそんなに時間がかかるのか!? 退屈で死んでしまうわい!」
ベロー「よく言うよ。毎日酒を飲んで、ドンチャン騒ぎして…ちっとも退屈そうには見えないぜ?」
ホセ「この1年、無事にエクソダスしてこられたのは誰のおかげだと思っとるんだ?」
バリヨ「そうとも。ロンドンIMAのしつこい攻撃で何度も窮地に追い込まれたのを救ったのは…」
ネロ「俺達エルドラチームじゃねえか! 酒くらい好きに飲ませろってんだ!」
サラ「勝手な事言って! 戦ってるのはお爺さん達だけじゃないでしょ?」「ゲイナー君だって、シンシアだって、プリシラだって戦ってるわ!」
コナ「文句があるならグローリアに帰れば? 一緒にエクソダスしてくれなんて誰も頼んでないし…」
ゲイン「放っておけ。ここで酒でも飲んでもらっていた方が周りの迷惑にならずにすむ」
ゲイナー「それより問題は、今度ロンドンの連中が攻撃を仕掛けてきたら、かなりやばいって事ですよ」
シンシア「ロンドンは何であんな大軍を差し向けてくるわけ?」「たかがエクソダスを阻止するためにムキになりすぎじゃない?」
ゲイン「ロンドンにもメンツがあるからな。いや、メンツしかないと言った方が正しいか…」「確かに一年前の大災害の後、エクソダスは目くじら立てるほどの違法行為ではなくなったが…」「お偉方にも立場ってもんがあるからな。これだけ大規模なエクソダスを成功されちゃ困るんだよ」
アスハム「前回の攻撃も、敵の司令官がザッキでなければ、こちらがやられていたかもしれん…」
ゲイン「確かに、あれで指揮を執っていたのがカシマルだったらヤバい事になっていたろうな…」
コナ「よく再就職できたよね、あいつ」
サラ「あれでも手腕は確かですもの」
コナ「でも、シベ鉄は私達を見逃す方針になったんだろ?」「それなのに、しつこく襲撃を繰り返してくるなんてそのうちクビになるんじゃないの?」
ベロー「二つの地球を結ぶ架け橋になるかもしれないって…」「銀河シベリア鉄道の開通を応援してから、完全にキッズ総裁は俺達の味方っスからね」
サラ「最終決戦前にもらった記念品のマフラーをあげたのがかなり効いたみたいよ」
ゲイン「扱いやすいに越した事はないさ。それより、敵の攻撃が激しくなってきた事についてだ」
アナ「こちらがヤーパンに近づけば近づくほど、敵も必死になって阻止しようとするわけですね…」
ガウリ「次の攻撃でロンドンは勝負を賭けてくる…。俺の忍者の勘がそう訴えている!」
ゲイン「忍者の勘はともかく、ガウリの推測は正しいだろうな…」
サラ「前回の攻撃で、ヤーパンの天井はかなりの打撃を受けたわ」「大半のシルエットマシンが修理中で出撃できないし…」
カルメン99「みんなお待たせ! 後方10キロ…ロンドンIMAの大軍が接近してるわ!」
ベロー「カルメンさん!」
ゲイン「偵察、ご苦労だったな。で、大軍ってのは、どれくらいの規模だ?」
カルメン99「前回のほぼ2倍って所ね…。どっからあんなに集めて来たのかしら…」
ベロー「に、2倍って…!」
プリシラ「そんなのに攻め込まれたらひとたまりもないわ!」
ネロ「若いな、若造。俺達がザウルス帝国と戦った時はもっとひどかったぞ!」
ホセ「そうだ! 2倍の大軍が押し寄せてくるなら、2倍の闘志でぶつかればいい!」
ゲイン「爺さん! 悪いが少し黙っていてくれるか?」「あんた達には、戦闘が始まったら思う存分暴れてもらうから、作戦会議には口をはさまんでくれ」
ネロ「ちっ。若造が…」
ゲイナー「それで、ゲインさん。2倍の大軍とどう戦うんです?」
ゲイン「まともに戦ったら、俺達に勝ち目はない。だが…」
アスハム「大軍を相手にするには常套手段がある…」
ゲイン「その通りだ」
サラ「常套手段って、何です?」
ゲイン「補給路を断つんだ、これだけの軍隊を維持するには、弾薬、燃料、食料…大量の物資が必要だからな」
ゲイナー「そうか! 物資の補給ができなくなれば、どんな大軍も機能しなくなる!」
アスハム「おそらく近くのドームポリスから物資を運んでいるのだろう。そこから来る補給部隊を叩けばいい」
カルメン99「それならちゃんと調べて来たわよ」
ゲイン「さすがは腕利きの情報屋だな。ちゃんとわかってるじゃないか」
カルメン99「敵の補給物資はこのドームポリスから運ばれてくるわ。運搬ルートは…」
ウェンディ「みなさ~ん。そろそろお腹が空きませんか?」
ユキコ「サンドイッチとコーヒーをお持ちしました!」「腹が減っては何とやら…。ひと息入れられてはどうです?」
ネロ「おお! 気が利くじゃないか、ユキコ!」
ゲイン「ありがとう、ウェンディ、ユキコさん。そこに置いておいて下さい」
ヤッサバ「おい、ゲイン。プラックメールのオーバーコートで姿を消して、補給部隊に奇襲をかけたらどうだ?」
サラ「あ、それって名案じゃない」
ゲイナー「それじゃ、僕とシンシアで敵の補給部隊にこっそり近づいて…」
ユキコ「…ほんと、みんなのバイタリティには頭が下がるわ…」
ウェンディ「ええ。それだけみんな、エクソダスを成功させようと必死なんですね…」
ユキコ「大丈夫。このエクソダスは絶対に成功するわ」「みんなの目を見てごらんなさい。熱く燃えているわ。誰ひとりとして、エクソダスの成功を疑っていない…」
ウェンディ「ええ。わかります。私も信じていますから…!」
ユキコ「…ヴァンさんやミハエルさん達も一緒に来ればよかったのにね…」
ウェンディ「えっ? ええ…。私もそう思ったんですけど…」「ヴァンは団体行動は苦手だって言うし兄さんはファサリナさんと旅に出ちゃったから…」
ユキコ「今ごろ、どこで何しているのかしらね…?」
ウェンディ「わかりません。でも、いつかまたヴァン達とは会える気がするんです。ね、カメオ?」
カメオ「クエーッ!」
ウェンディ(ねえ、ヴァン…。今どこにいるの…?)

ズーリ/城中
ダ・ジン「殿! 戻られましたか!」
ラ・カン「ああ。留守の間に何もなかったか?」
ダ・ジン「はい。ズーリは平和そのものでございます」
レ・ミィ「ジンおじさまも元気そのもののようね」
ダ・ジン「ははっ。恐れ入ります。それにしても、姫様…何とお美しい…! お似合いですぞ!」
レ・ミィ「この格好はランスタッグの操縦がしにくいから嫌い」
コトナ「でも、レ・ミィのその姿を見て、キダ藩の人達も大喜びしてたじゃない。姫様が来て下さったって…」
ガラガ「いつもの格好だったら、裏の山から下りて来た猿と勘違いされたんじゃねえか?」
〔殴打音〕
〔画面、振動〕

レ・ミィ「誰が猿なのよ! 自分だってゴリラのくせに!」
ティ・ゼ「それで、ラ・カン様。元キダ藩の様子はいかかでしたか?」
ラ・カン「…ありがたい事に、かつてキダ藩の領民だった者達は、皆暖かく私の事を迎え入れてくれた…」「いつでもこの地に戻って、キダ藩を再興してくれと…」
ティ・ゼ「おお! それは本当ですか! おめでとうございます!」
ダ・ジン「このダ・ジン、長年、殿のお帰りをお待ちしていた甲斐がありました…! う、うううっ…」
レ・ミィ「もう、ジンおじさまったら、泣かないでよ」
ダ・ジン「そ、そうですな。泣いてる暇があったら、全世界に散った同胞達にこの事を伝達せねば!」「ついにキダ藩が復活すると! 伝令だ! 伝令を出せいっ!」
コトナ「あらら、大喜びですっ飛んでちゃった…」
ティ・ゼ「それだけダ・ジン殿はキダ藩の再興を待ち望んでいたのだ」「私とて、小躍りして喜びたいのを必死でこらえておるのだ…」
ガラガ「こらえる事なんかねえぜ! 盛大に宴会を開いて、パーッとやろうじゃねえか!」
コトナ「もう、何言ってんの! あんたが騒ぎたいだけでしょ?」
ガラガ「まあ、いいじゃねえか! なあ、ラ・カン! 今祝わなくて、いつ祝おうってんだよなぁ!」
ラ・カン「仕方のない奴だ…。よかろう。今日は私も気分がいい。盛大に祝うとするか」
ガラガ「よっしゃ、決まりだ! ア・カンはいるか!?」
ア・カン「何だい、大声で?」
ガラガ「宴会…いや、大宴会の用意だ! ズーリの街がひっくり返るくらいの宴会をやるぞ!」
ア・カン「何だかわからないけど、宴会だったらあたい達無敵団に任せておきな!」
ゴトシ「ガラガのために心を込めて料理を作っちゃうわ。うふっ」
ガラガ「き、気持ち悪いから近寄るんじゃねえっ!」
ゴトシ「も~、ガラガがキダ藩に行ってる間、寂しかったんだから! もっと優しくしてくれなきゃイ・ヤ!」
ガラガ「うわああっ! セイジュウロウ! 助けてくれ~っ!」
セイジュウロウ「馬鹿め…」
レ・ミィ「…………」
ラ・カン「ん? どうした、ミィ。気分でも悪いのか?」
レ・ミィ「ごめんなさい、おじさま。長旅で疲れちゃったみたい。少し休ませて…」
ラ・カン「そうか。この先、キダ藩再興に向けて、ミィにもいろいろ尽力してもらわねばならん…」「体調にはくれぐれも気をつけてくれよ…」
レ・ミィ「はい。それじゃ…」
ガラガ「ミィが疲れるなんて珍しいな。帰り道で悪い物でも食ったか?」
コトナ「…………」

レ・ミィ「ごめんなさい、おじさま。キダ藩再興で忙しくなる前に、ちょっとだけ私のわがままを許してね…」

ミロード村/ジェネレーター内
ロン「よし、これで最終調整は完了だ。パラ部長、起動してみてもらえますか?」
パラ「わかった。起動するぞ…!」
〔エネルギーの充填音〕
ファージ「やった! ジェネレーターが動き始めた! やったよ、お兄ちゃん!」
ルージ「ああ、やったな、ファージ! これでミロード村は復活するよ!」
ロン「いやー、代用品ばかりの寄せ集めだから動くかどうか不安だったんだけど、上手くいったねえ!」
プロメ「我々ソラノヒトが知恵を集めれば、ジェネレーターの修理などたやすい事です…」
ザイリン「たやすいと言う割には、1年もかかってしまったではないか…?」
プロメ「そ、それは資材の調達に時間がかかったせいで、我々は半年以上前に修理プランを完成させて…」
ロン「はい、そこまで。プロメ部長、ムキになりすぎですよ」
パラ「予想以上に時間がかかったのは事実だがこうして再起動できたのだから、それでいいではないか」
ルージ「そうですよ。俺は皆さんに心から感謝してます! 本当にありがとうございました!」
ラージ「私もミロード村の長として、ソラノヒトの皆さんに感謝の意を述べさせていただきます」「ありがとうございました」
ブッチ「ゴホン! このブッチ博士の協力があった事もお忘れなく!」
ラージ「そ、そうでした。ブッチさんもありがとうございました」
ルージ「ザイリンもボラーさんもありがとう。資材探しを手伝ってくれなかったら、ジェネレーターは直らなかったよ」
ボラー「この村のジェネレーターを壊したのは我々ディガルドだからな…」
ザイリン「直接手を下したのは私だ。当然の罪滅ぼしだよ、ルージ君…」
村人「お頭! 村の外に大型ゾイドが! こっちに近づいてきます!」
ラージ「なにっ!?」
ロン「こんな辺境に大型ゾイドのお客さんなんて…いったい何者だ?」
ルージ「行ってみよう!」

ミロード村/広場
レ・ミィ「ああっ! あれはランスタッグ!」
ロン「しかも見覚えのあるランスタッグブレイクという事は…」
ルージ「ミ、ミィ!?」
〔機体の歩行音〕
〔ハッチの開く音〕

レ・ミィ「相変わらず何もない所ね。ズーリとは大違いだわ!」
ルージ「えっ? …誰?」
レ・ミィ「ちょっと! 人の顔ジロジロ見るんじゃないわよ!」
ロン「こ、声はレ・ミィそっくりだけど…」
ルージ「ミイとは似てもにつかない…綺麗なお姫様ですよね…?」
レ・ミィ「もーっ! ちょっと待ってなさい! 着替えてくるから!」
ルージ「…………」
レ・ミィ「これでどうよ!」
ルージ「ああっ! ミィ! やっぱりミィだったのか!」「あんまり綺麗なもんだから、ちっともわからなかったよ…」
レ・ミィ「ちょっと、何よそれ! 私がいつも小汚いみたいじゃない! せっかく会いに来てやったのに!」
ルージ「えっ? わざわざズーリから会いに来てくれたの?」
レ・ミィ「ちっ、違うわよ! たまたまハラヤードまで来る用事があったから、帰り道に寄っただけよ!」「勘違いしないで!」
ルージ「そ、そうだよね。わざわざ来るわけないよね…」
ロン「ふふっ。相変わらず素直じゃないねえ…」
ルージ「そうだ、ミィ! 見てくれよ! ついさっきジェネレーターが直ったんだ!」
レ・ミィ「ほんとだわ! ジェネレーターが動いてる! やったじゃない、ルージ!」
ルージ「ああ、ソラノヒトやザイリンのおかげでやっと直ったよ!」
ガラガ「だったらここでも宴会を開かないといけねえな!」
ロン「お、おい! ガラガじゃないか! いったいどうして?」
コトナ「お転婆な姫様が、ズーリをこっそり抜け出して、どっかに行っちゃったから追いかけてきたのよ」
ルージ「コトナさん!」
ラ・カン「いや。ランスタッグで抜け出すのはこっそりとは言えんな…」
レ・ミィ「お、おじさままで!」
ルージ「何だ。やっぱりズーリから来たんじゃないか、ミィ」
レ・ミィ「ち、違うわよ! 私はハラヤードに来たかっただけで…」
ガラガ「まあ、何だっていいじゃねえか! ジェネレーターの復活と、俺達の再会を祝して、パーッとやろうじゃねえか!」
村人「おーい! 今度は村の外で行き行き倒れだぞーっ!」
ロン「行き倒れだって?」
ルージ「行ってみましょう!」

村人「この人が村の外に倒れてたんだ!」
ガラガ「あ、ああっ!?」
レ・ミィ「あ、あなたは…!」
ヴァン「す、すいませんが、水1杯…。それとこの村で一番安い食べ物と…調味料をありったけ…」
ルージ「ヴァンさんじゃないですか!」
ヴァン「あ…」

オーブ/オノゴロ島
カガリ「…我々は同じ地球に生まれた者として、連合、オーブ、プラントの区別なく…」「互いを尊重し、手を取り合って新たな時代を築いて行くべきではないか!」「そのための第1歩として、私はここに地球防衛隊の結成を宣言する!」
〔歓声〕
ミスト「いや~、何度見てもいいな、この映像! しびれちゃうなぁ…」
アンジェリカ「もう。いつまでニュース見てニヤニヤしてるのよ! 気持ち悪い!」
ミスト「気持ち悪いまで言わなくても!」
アンジェリカ「そんな事より、そろそろ集合時間よ! 遅れたら大目玉を食らうわよ!」
ミスト「おっと、そうだった! 急がなきゃ!」
〔扉の開閉音〕
エルリック「遅いぞ、ミスト! アンジェリカ! 5分前には集まれと言ってあるだろう!」
ミスト「申し訳ありません! でもそれはアトリームでの話なんじゃ…」
エルリック「アトリームだろうと地球だろうと、星を守ろうとする者のスピリットは同じだ!」「文句があるなら辞めちまえ!」
ミスト「申し訳ありません! ミスト、気合を入れ直します!」
カガリ「まあまあ、エルリック隊長。初日からそんなに怒鳴らなくてもいいじゃないか」
エルリック「しかし、アスハ総司令。こいつは手綱を緩めるとすぐにダメになるものですから…」
光司「それについては俺も保証しますよ」
ミスト「ひ、ひどいですよ光司さん! せめてフォローして下さいよ!」
カガリ「それじゃ、地球防衛隊、最初の作戦会議を始めるとするか」
バルトフェルド「地球防衛隊って言ったって、見覚えのある顔ばっかりだがな…」
剣児「ダンナーベースにビルドベース、光子力研究所のメンバーに…」
ムウ「アークエンジェルとエターナルのクルーだった連中…」
ルナマリア「…1年前、イディクスと戦ったメンバーがほとんどですね」
カガリ「仕方ないだろう? 志願者を募ったら、お前達しか集まらなかったんだから…」
アスラン「連合、オーブ、ザフトの正規軍にも声をかけたんだが…」
鏡「ほとんどが、自分達の力不足を痛感したのか辞退してしまったからな」
イザーク「そんなもの、入隊してから鍛えればいいだけの話だ! 揃いも揃って腰抜けだ!」
ディアッカ「はいはい、頭に血を上らせるのもそれくらいにしとけよ、イザーク」
ハイネ「ま、そうそうたるメンバー相手じゃ腰が引けるのもわかるけどな」
カガリ「むう…。ここはミーアに協力してもらって、広報プランを練り直すべきか…」
ラクス「それは無用の心配でしょう。わたくし達が地球の平和を守る姿をアピールし続ければ…」「それはいつしか身近に感じられる存在となるはずです」
キラ「困難な道のりだと思うし、どれだけ時間がかかるかもわからない」「だけど、僕達はそのために頑張って行こうと思う。みんなにも協力して欲しい」
ミスト「はいっ! 俺は地球の…新しい故郷の未来のために頑張ります!」
アンジェリカ「私もミストと一緒に地球のために戦います!」
シェルディア「ボクだっているんだからね! 忘れちゃ嫌だよ!」
カガリ「当面は復活した擬態獣と戦ってもらう事になる…」「ゴオ、擬態獣の現状についてみんなに説明してやってくれ」
ゴオ「わかりました」
甲児「あれっ? 猿渡さん、ダンナーベースの所長になったって聞いてましたけど…」「パイロットとして入隊したんですか?」
ゴオ「あんなストレスの溜まる仕事は静流に任せた。俺は生涯現役で行く!」
杏奈「私とゴオちんのラブラブパワーで擬態獣をやっつけるんだもんね!」
ミラ「ちょっと杏奈! 杏奈ミラーズはどうするの? コンビ解消する気?」
杏奈「ごめんね、ミラ。だってゴオちんは私がいないとダメだから…」
ミラ「そんな勝手は許さないわ! あなたは私のパートナーなのよ! ゴオには渡さないわ!」
杏奈「いやよ! 私はゴオちんの物なんだから!」
カガリ「やれやれ、今度は杏奈の奪い合いか? よっぽど三角関係が好きな連中だな…」
〔警報〕
カガリ「どうした!?」
〔モニターの開く音〕
ミリアリア「こちらオペレーションルーム! 擬態獣の反応をとらえました!」「複数の擬態獣が日本に向かって高速で移動しています!」
ゴオ「何だって? まだ何も説明してないのに!」
ルウ「無駄話なんかしてるからでしょ!」
メイリン「上陸予想地点の住民に避難命令を出しますか?」
カガリ「むざむざ上陸させるつもりはないが…念のために発令してくれ!」
メイリン「了解! レムちゃん、そこの赤いボタンを押して!」
レム「は、はいっ!」
ミスト「おい、今、レムちゃんって言わなかったか?」
シェルディア「うん。レムはオペレーター見習いとして防衛隊に入隊したんだ」
ミスト「そうか、レムも志願したのか…」
エルリック「アスハ総司令! 出撃命令を!」
カガリ「よし! 総員出動! 地球防衛隊、最初の出撃だ。気を引き締めて行け!」
甲児「了解! さあ、行こうぜ、みんな!」
ミスト「はいっ!」

ミスト「システム、オールグリーン! レヴリアス、発進します!」
アンジェリカ「セルケリウス、発進します!」
〔機体の発進音〕

上空
ミスト「隊長とアンジェリカ…」「それに地球で出会った仲間達とまたこうして地球のために働けるなんて最高だ!」「本当はもう一つの地球のみんなとも一緒にいたかったけど…」「俺はこれからもずっとずっとこの星を…大好きな地球を守り続けるぞ!」
アンジェリカ「ねえ。守り続けるのは地球だけ…?」
ミスト「えっ? な、何だよ、藪から棒に!?」
アンジェリカ「私の事も、守ってくれるわよね? これからも…ずっと…」
ミスト「お、俺が守ってやらなきゃならないほど、弱くないだろ、アンジェリカは…」
アンジェリカ「何よ、それ!」
ミスト「いや、だから、その…。守ったり、助けたりしてもらってるのはいつも俺の方だなって…」「もちろん、俺は隊長みたいに立派な男になるために、必死に努力する!」「でも、俺はまだ未熟者だから…何て言うか、その…」
アンジェリカ「支えがなきゃ駄目なんでしょ?」
ミスト「う、うん…」
アンジェリカ「わかったわ。あなたが一人前になるまで私があなたを支えてあげる…」「だから、あなたが一人前になった時は…」
ミスト「ああ、俺が君を守ってみせる。命を賭けて…!」
アンジェリカ「ミスト…」
ミスト「アンジェリカ…!」
〔モニターの開く音〕
エルリック「おい、お前達。そんな話はふたりっきり時にしろ。みんな筒抜けだぞ!」
ミスト「た、隊長っ!」
エルリック「ミストよ。父親である私の前でそんな宣言をしたんだ。覚悟はできてるんだろうな?」
ミスト「は、はい! もちろんです!」
エルリック「だが、今のお前はまだまだ未熟…。そんな奴に大事な娘を任せるわけにはいかん」「お前に俺の全てを叩き込んでやるから、俺を超える男になって見せろ!」
ミスト「はいっ!」「よーし! 俺は隊長を超える! 今日の戦いは俺が生まれ変わるための…新たな第1歩だ!」「さあ、擬態獣ども! 俺が相手だ! かかって来いっ!」
アンジェリカ「ちょっと、ひとりで突っ走らないで! 私も一緒に行くわよ!」
ミスト「ああ、どこまでも一緒だ! 俺達の未来へ向けて、突っ走ろう!」
【シナリオエンドデモ終了】


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