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No.10A
エンゲージ・ゴーダンナー

【シナリオデモ開始】
???
グライフ「…タヌキ、そこにおるんじゃろ?」
〔モニターの開閉音〕
???(グロリア)「お呼びかな、グライフ博士? 我々に協力してくれる気になったのかね」
グライフ「ふん、呼んでみただけじゃ。すぐ顔を出すとは、この暇人めが」
???(グロリア)「私も決して暇ではないんだがね」
グライフ「よう言うわい。よほど暇でなければ、モニターの前で出待ちなんぞできんじゃろが」「不定期に呼びつけて睡眠不足にしてやろうか?」
???(グロリア)「それは困ったな。私とて手荒な真似は最低限にしておきたいのだが」「いつまでも駄々をこねるのならば私にも考えがある」
グライフ「薬物か? 催眠か? それとも拷問か?」「やれるもんならやってみい! ポックリ逝ってやるわ!」
???(グロリア)「安心したまえ。体に負担はかけんよ」「さて、博士にはしばらく眠ってもらう。目覚めの時を楽しみにするといい」
グライフ「何をするつもりじゃ、タヌキ!」
???(グロリア)「顔も名前もわからないからとタヌキと呼び続けるのはやめてくれたまえ」「次に私を呼ぶ時は、そうだな…ミスター・プレジデントと呼んでくれたまえ」
〔放電音〕
グライフ「なん…じゃと…? う…意識が…」
〔人の倒れる音〕
???(兵士)「閣下、脳波解析装置の準備が整いました」
???(グロリア)「ちょうどよかった。では、さっそく作業にかかってくれたまえ」

日本エリア
JUDA/格納庫
一鷹「牧さん、博士の事で気になる情報が出たって本当ですか?」
牧「おお、待ってたよ。実は博士の資金源に繋がりそうな情報が見つかったんだ」
アリス「よかったですね、一鷹さん!」
一鷹「ああ! ようやく第一歩だ!」
レイチェル「前にアリスの改造プランの話をしたじゃない?」
一鷹「ああ、絵を解析した時に出てきたヤツか。研究途中でやめてたのもあったとか」
レイチェル「そう、その途中放棄されてたプランに共通点があったのよ」
牧「放棄されていた改造プランはすべてGreAT社製の部品を使う事になっていたんだ」「これが徹底していてね。ほんの小さな部品ひとつでも搭載予定のプランは全滅なんだよ」
一鷹「GreATっつーと、『食事からトイレまで貴方を支える』…ってアレか?」
レイチェル「何それ。ジャパンではそんなフレーズなわけ?」
牧「確かに、一般的には食品や日用品を製造・販売する企業としてのイメージが強いね」「だが、GreATはもともと部品メーカーとして財を成した国際企業だよ」
一鷹「知らなかったぜ…。で、それがなんで資金源の話に繋がるんですか?」
牧「どうも無料で提供されてたみたいなんだよね。それもかなり大量に」「製品化されてないものまであるし、GreATと博士が何らかの協力関係にあったのは間違いない」「ただ、急にプランが放棄された理由については、さっぱりなんだ。品質の問題でもなさそうだし…」
アリス「でも、八方塞がりだったのが一方向開けた感じです」
一鷹「博士の研究内容がわかれば、さらわれた理由もさらった相手もわかるかもしれねえもんな」
レイチェル「GreATについては諜報部に調べてもらっているわ」「産業スパイの線も含めてライバル企業の動向にも探りを入れてみるつもりよ」
一鷹「牧さん、それにレイチェル。本当に、本当にありがとうございました!」
牧「お礼は全部終わってからでいいよ。ほら、向こうで早瀬君が待ってる。早く行ってあげたまえ」
一鷹「わかりました。それじゃ、また!」

JUDA社員寮/エントランス
一鷹「やべ、もうみんな集まってんじゃん!」
渚「こら、遅い!」
浩一「すいません、遅れました!」
山下「気をつけろよ、早瀬。これが作戦ミーティングあったら森次さんの怒りを買っちゃうぜ?」
浩一「悪い、山下。今度カレーパン、おごるからさ!」
一鷹「俺のせいなんだよ、山下さん。俺が浩一を待たせたまま話し込んじゃったから…」
石神「まあまあまあ、話はそこまでにしようじゃないか。それじゃ九条君、頼むよ」
美海「はい。それじゃあ改めて…」「ようこそ、浩一君、渚ちゃん。ここがLOTUSのパイロット宿舎よ」
渚「へぇ、パイロット宿舎にしてはかなりオシャレですね。大時計なんかもポイント高いし」「こんなとこに住めるなんてLOTUSって待遇いいのねぇ」
犬「ばうっ! く~ん…」
渚「なに、この子! か~わいい!」
浩一「こいつ、番犬かな? …にしちゃ、ずいぶんじじむさいなぁ」
管理人「………」
石神「彼は寮の管理人さんが飼ってる犬でね。まあ、マスコットのようなものだと思ってくれたまえ」
犬「ばうっ!」
浩一「寮? パイロット宿舎じゃないんですか?」
山下「ここはもともとJUDAの社員寮なんだ」「JUDAがLOTUSの基地にちょうどいいからパイロット宿舎にしてるのさ」
ゴオ「今はベースに戻ってるが、おやっさん達メカニックも普段はここで暮らしてるんだぜ」
美海「LOTUSの関係者全員がここにいるって言ってもいいわね」
浩一「それじゃ、城崎もここに…?」
石神「気になるかい?」
浩一「べ、別に…」
石神「さて、これが君達の部屋のキーだよ。ルームナンバーはドアに貼ってあるからね」
渚「ありがとうございます。行きましょ、イクサー1」
イクサー1「ええ、渚」
石神「はい、こっちが早瀬君の鍵」
浩一「あ、ありがとうございます!」
一鷹「俺が一緒に行ってやるよ。独特な形の建物で、けっこうわかりづらい構造だからさ」
石神「あれ、もしかしてふたりで行くの?」
一鷹「そうですけど、何か?」
石神「あ、いや。怪我には気をつけてね…」
一鷹「何言ってるんです? 変な社長…」

JUDA社員寮/廊下
一鷹「俺の部屋はここだ。浩一の部屋はそこを曲がればすぐにはずだぜ」
浩一「サンキュ、南雲」
一鷹「部屋の中の設備はマニュアルがあるからそれ見りゃわかるはずだ」「もし、わかんない事があったら呼んでくれ。すぐ行くからよ」
浩一「大丈夫だって。ガキじゃあるまいし…」
剣児「よぉ、一鷹。新しいマンガ買ったんだって? 貸してくれよ」
一鷹「あ、剣児さん。ちょっと待ってて下さい。今、持ってきます」
浩一「さて、と。203、203…」「…おっと、ここだ。203号室!」
〔アクセス音〕
浩一「よっしゃあ! 今日からここが俺の城だあ…って…」
〔いやらしい音〕
城崎「!!」
浩一「おうわああああああっ!?」(な、なんで城崎が…俺の部屋に…裸で!?)
一鷹「どうした、浩一!?」
剣児「何かあったのか!?」
城崎「あ、あなた達…」
一鷹「でえっ!? 城崎さん!?」
剣児「お、おぱーい…」」
城崎「最低だわっ!!」
〔平手で叩く音〕
〔平手で叩く音〕
〔殴打音〕
〔画面、振動〕


JUDA社員寮/エントランス
山下「…で、早瀬は医務室送りになって、南雲と草薙さんはとばっちりでかすり傷と…
渚「もう、びっくりしちゃったんだからね。またクトゥルフが来たのかと思っちゃったじゃない」
レイチェル「まったく何やってるのよ、あなた達は…」
一鷹「待ってくれよ、レイチェル! 完全に俺、被害者だろ!?」
レイチェル「そうかしら? 剣児なんか、ほら…」
剣児「ちょっと痛かったけど、いいもん見たからチャラだな。うひひ…」
つばき「剣児…。かすり傷じゃすまないようにしてあげましょうか?」
剣児「じょ、冗談だってば。反省してます!」
緒川「絵美ちゃんも災難だったわね」
城崎「いえ…」
石神「いやあ、すまなかった。ついうっかりカードキーを間違えちゃってさ…!」
一鷹「…そういえば、社長。さっき、怪我に気をつけてって言ってませんでしたっけ?」
剣児「…って事はざわと違うキー渡したのか?」
城崎「ええっ!?」
石神「や、やだなあ。仮にも私はJUDAコーポレーションの社長だよ? そんな事するわけ…」
緒川「絵美ちゃん、一鷹君、剣司君、安心して…」「社長には私からよ~く言い聞かせておくから!」
石神「げっ!」
緒川「さあ、社長。いらっしゃい」
石神「やだなあ、緒川君。誤解だよ。僕の目を見てくれたまえ!」
緒川「言い訳は社長室で聞きます。キリキリ歩きなさいっ!」
石神「は、はい…」
山下「やれやれ、困った社長だなあ…」
静流「どうやら浩一君達は社長の罠にかかったようね」
一鷹「イタズラ好きにも程がありますよ。つーか、風呂上がりのタイミング知ってたのも何気に怖いし」
シズナ「あの人、サプライズのためやたらセキュリティ情報を悪用するくらい何とも思ってへんからなぁ」
剣児「え!? じゃあ、みんなの恥ずかしい写真とか隠し持ってたりすんのか?」
一鷹「そんな…! お宝映像満載じゃないスかっ!」
レイチェル「いや、隠しカメラとかないから。電気と水道のデータ見てりゃ、シャワー使ってんのくらいわかるわよ」
剣児「なんでえ、つまらねえ。あとで見せてもらおうと思ったのによ」
つばき「剣児っ!」
城崎「やっぱりあなた達、最低です!」

ダンナーベース/司令室
芝草「博士、ゴーオクサーの改修、終わりました」
霧子「ありがとう、チーフ。悪かったね、無理言って戻って来てもらって」
芝草「いえ、改修だけならたいした手間じゃないですからね」「それに、この前の全機オーバーホールに比べりゃ、ゴーオクサー1機なんて楽なモンです」「厄介なのはこの後の調整ですよ…」
桃子「なにしろ、ネオオクサーと違ってゴーオクサーは制御が難しいから封印されてたんですもんね」
小波「順番が逆よぉ。ゴーオクサーがパイロットにかける負担が大きいからネオオクサーが作られたのよ」
霧子「ああ、そうさ。こいつはとんだじゃじゃ馬だよ。だから調整するって言っても一苦労なのさ」
桃子「そんな機体に誰が乗るんです?
影丸「今のところ、静流がパイロット候補だ」
芝草「今の静流なら、ゴーオクサーを乗りこなせるかもしれませんね」
影丸「いいんですか? お嬢さんの事は…」
霧子「…………」
影丸「すみません。出過ぎました」
霧子「気にするな。確かに杏奈には才能があると思う。親の欲目を差し引いてもね」「でも今、あの子はここにいない。戻って来るかどうかもわからない。そんな子をアテにはできないからね」
芝草「それじゃ、ゴーオクサーは静流用に調整して終わり次第、JUDAへ運びます」
霧子「よろしく頼む」
〔ドアの開閉音〕
〔通信のコール音〕

小波「博士! ダイノベースから緊急通信です!」
霧子「緊急だって? 繋いでくれ」
〔モニターの開閉音〕
シュクユウ「葵博士、メナージュ・ゼロが我々の追撃を振り切り、そちらへ向かっています!」
霧子「何だって? お前達がいながらやすやすと突破されちまうなんて…!」
桃子「映像をスクリーンに出します!」
〔通信パネルの開く音〕
芝草「あれは…ルウのコスモダイバー!」
シュクユウ「はい。味方であるはずのコスモダイバーから攻撃を受けて混乱した隙を突かれました」
影丸「やはりルウはメナージュ・ゼロの後を追っていたのか」
霧子「この2ヶ月の間、行方がわからなくて心配したけど、どうやら無事だったようだね」
影丸「あんな奴と一緒にいるのが無事と言えるかどうか…」
シュクユウ「メナージュ・ゼロは擬態獣の出現区域に現れる傾向があります」「つまり、そちらにも擬態獣が現れる可能性が高いと思われます。気をつけて下さい!」
霧子「よし、この事をLOTUSにも伝えるんだ。コスモダイバーの事もな」
小波「了解しました!」
霧子「ところでシュクユウ、モウカクはどうした? まさか、メナージュ・ゼロに…」
シュクユウ「いえ、今も私と合体して…きゃああああっ!?」
モウカク「メナージュ・ゼロは…」「どこだああああっ!!」
〔通信パネルの閉じる音〕
霧子「…!? 今のモウカクの様子、もしかして…」「隊長、ダイノベース付近にはナイトとエリス…そしてダンクーガも居たはずだな」
影丸「はい、そのはずです」
霧子「彼らに連絡を取ってくれ。ドラゴンズハイヴには貸しもある。きっと力になってくれるはずだ」
影丸「博士、それでは…?」
霧子「…………」

市街地
杏奈「あ~、お腹減った…。アパートは追い出されちゃうし、バイトはクビになるし…これからどうしよう」
ぴんぴん「ニャーン」
杏奈「ごめんね、ぴんぴん。もう何にも食べ物ないんだ。早く新しいバイトを探さないとね…」「この前のレストラン、時給よかったのにスカートあと10cm短くしろって言われて店長を殴っちゃったからなあ…」
ぴんぴん「ニャ~」
杏奈「だよね。私、悪くないよね…」「あ~、。世間は普通の女の子には冷たいんだなあ…。こんな事なら家出なんかするんじゃなかった」「でも、ダンナーベースにはもう私の居場所なんかないんだよね…」「そういや、御崎町に出たロボットってあれ、渚だよね。連絡取れないけど大丈夫かな、あの子…」
エイーダ「ついに明かされるローラの秘密! 『ハーモニーラヴ 第三章』!」「クリスマスに一斉ロードショー! みんな見てねっ!」
杏奈「前に渚と歩いた時もエイーダのCMがやってたっけ」「あーあ、アイドルかぁ。いっその事、私もアイドルになれればバイトを探さなくても…」
???(忍)「あの…ちょっといいかな…?」
杏奈(うそっ! スカウト!?)「はいっ! 猿渡杏奈17歳! 得意料理はすき焼きですっ! うふっ!」
忍「杏奈ちゃん…?」
杏奈「し、忍っち!?」
忍「すき焼きがどうしたの?」
杏奈「な、なんでもないっ! 私の事はほっといて! じゃあねっ!」
忍「待って! 杏奈ちゃん!」
杏奈「は、放してっ! 私、ダンナーベースには帰らないんだから!」
忍「…帰らなくていいよ」
杏奈「えっ?」
忍「ずっと見てたんだ、ひとりで頑張ってる杏奈ちゃんの事を…。でも、もう黙って見てられなくなった」
杏奈「忍っち…?」
忍「杏奈ちゃん。僕と一緒に…」
〔爆発音〕
〔画面、振動〕

杏奈「きゃあっ! な、何!?」
ぴんぴん「ニャーッ!」
〔爆発音〕
〔画面、振動〕

忍「まただ! いったい何が…」
〔擬態獣の鳴き声〕
擬態獣「グギャーッ!!」
杏奈「ああっ! あれを見て、忍っち!」
忍「あれは…擬態獣!!」
【シナリオデモ終了】


サブタイトル
「エンゲージ・ゴーダンナー」


【戦闘マップ開始】
〔敵ユニット出現〕
忍「杏奈ちゃん、逃げよう! ここにいちゃ危険だ!」
杏奈「待ってあれは…!」
〔味方ユニット出現〕
〈出撃準備〉
杏奈「…ゴオちん…!」
忍「杏奈ちゃん! 早く! こっちだ!」
杏奈「…………」
ゴオ「出たな、擬態獣! この街は俺達が守ってみせる!」
ミラ「メナージュ・ゼロも現れる可能性が高いわ。ひとりで先走らないでね」
ゴオ「わかってる。だが、コスモダイバー…ルウの事もある。奴が現れたら、ケジメはつけるつもりだ」
アリス(メナージュ・ゼロに敗れた猿渡さんの心の傷…癒えているといいのですが)
イクサー1「渚。私がイクサーロボを呼ぶまであなたは待機していて下さい」
渚「ええ、わかったわ」
一鷹「浩一! お前、城崎さんに病院送りにされたんじゃなかったのかよ?」
浩一「病院送りって、お前なぁ…。ま、心配しなくてもいいぜ。俺の回復力はパねえからな」
イズナ「ファクターの体が傷つくと体内のナノマシン・Dソイルが即座に修復を開始するんです」「だから、僕達ファクターはDソイルの活性率次第では不死身に千明存在になれるんです」
一鷹「へえ、そうだったのか。スーパーマンだって事くらいしか知らなかったぜ」
森次「目の前に敵がいるんだ。無駄話はその辺にしておけ」
光司「よっしゃあ! 久々の擬態獣退治だ。張り切っていこうぜ!」
山下「いや…待って下さい! 新たな熱源が来るッス!」
ミラ「…来たわね」
ゴオ「…………」
〔第3軍ユニット出現〕
静流「やはり…メナージュ・ゼロ!」
光司「そしてコスモダイバーか!」
杏奈「ル…ルウなの!? この2ヶ月、メナージュ・ゼロと一緒にいたというの? ルウッ!」
剣「ルウ! 奴らを近づけさせるな!」
ルウ「はい!」
剣「行くぞ、擬態獣ども! だあっ!」
〔剣、擬態獣13号へ隣接〕
〔剣、擬態獣13号へ攻撃〕
〔敵ユニット撃破〕

剣「お前じゃない!」
ゴオ「メナージュ・ゼロ…貴様っ!」
剣「やめろ。お前との決着はすでについたはずだ。お前では俺に勝てん!」
ゴオ「何っ!?」
剣「俺の邪魔をするな。そこでおとなしくしていろ!」
ゴオ「そうはいかねえ。擬態獣も倒し、お前も倒し、ルウを取り戻す!」
剣「邪魔をするというのなら容赦はせん!」
ゴオ「!!」
ミラ「ゴオ、先走っちゃダメよ! まずは私が…!」
〔ミラ、剣へ隣接〕
〔ミラにダメージ〕
〔ミラ、後退〕

ミラ「きゃあああっ!!」
ゴオ「ミラッ! 無茶をするな!」
剣「いいだろう。貴様から始末してやる!」
〔剣、ミラへ接近〕
ゴオ「ミラ! 危ないっ!!」
〔ゴオ、剣へ接近〕
〔ゴオに爆発〕

杏奈「ああっ! ゴオちん!!」
ゴオ「ミラ! 動けるか、ミラッ!」
ミラ「え、ええ、大丈夫。機体のダメージがひどいけど…」
ゴオ「ミラ、お前はベースに戻れ。これ以上の戦闘は無理だ!」
ミラ「で、でも…」
ゴオ「早くしろ! また俺をフヌケにさせてえのか!」
ミラ「…!」
静流「ミラ、無理はしないで。ここは退きなさい!」「…大丈夫。みんなでゴオを守るわ」
ミラ「わかったわ…。死なないで、みんな」
〔味方ユニット離脱〕
杏奈「オ、オクサーが!」
忍「杏奈ちゃん、早く逃げよう!」
杏奈「ううん。私、行かなきゃ…」
忍「行くって、どこへ!?」
杏奈「えっ?」(そうだ…私、どこ行くんだ? 私の居場所なんてないのに…)(勝手に逃げたくせにまだパイロット気取りでいる。とっくにわかってた事なのに…)(だけど、この気持ちは何?)
忍「杏奈ちゃん! 無理して戦おうとしなくていいんだ!」「君にはパイロットなんかに会わない! 兄さんの事なんか忘れて、僕と一緒に平和に暮らそう!」
杏奈「…違う。私はロボットに乗りたいの…」
忍「えっ?」
杏奈「思い出した…。私、子供の頃から…ゴオちんに会うずっと前から…」「パイロットにあこがれてたって…!」
忍「杏奈ちゃん…」
杏奈((私はごまかしてたんだ。自分の気持ちを…)(ロボット乗りでいる事の恐怖や不安、全部ゴオちんにぶつけて自分の夢を汚してた…)(みんなみたいに乗りこなせない事をゴオちんの過去のせいにしてずっと逃げてた…)(私は居場所をなくしたんじゃない。夢を捨てようとしたんだ!)「…忍っち!」
忍「はいっ!」
杏奈「私をダンナーベースに連れてって! 私、もう逃げない。戦う!」
忍「杏奈ちゃん。いいのかい?」
杏奈「うん! このまま逃げちゃったら私、一生後悔する事になるもん!」
忍「わかった。行こう、杏奈ちゃん! 向こうにバイクが止めてあるから!」
杏奈「うん!」
一鷹「猿渡さん! 大丈夫ですか!」
ゴオ「俺は大丈夫だが、ダンナーの駆動系がいかれちまった」「急いで応急修理するからしばらくお前達だけで戦ってくれ! すまん!」
(急がねえと…。俺にはルウを叱る責任があるんだ…!)
森次「総員、ゴーダンナーを援護しつつ擬態獣およびメナージュ・ゼロを撃破せよ」「コスモダイバーに関しては最低限の対応で構わん」浩一「ゴーダンナーを一度追い込んだ奴が相手か…」
アリス「早瀬さんの心拍数、上昇。恐怖心を感じているのですか?」
浩一「じょ、冗談! 俺のデビュー戦にちょうどいい相手だって思ってたとこだよ!」
剣児「へっ、強がりが言えるなら大丈夫だな。頼むぜ、新入り!」
剣「おとなしく帰ればいいものを…。我が道を阻むなら、斬り伏せるのみだ!」
<戦闘開始>

<2PP・味方援軍1出現>

〔味方ユニット出現〕
剣児「ありゃ? ミラさん、戻ってきたのか?」
つばき「よく見て、剣児。ネオオクサーによく似てるけど、違う機体だわ!」
ゴオ「あれは…ゴーオクサーじゃないか! おい、ミラ! どうしてそんな物を…」
杏奈「ミラじゃない!」
ゴオ「あ、杏奈か!?」
杏奈「ただいま、ゴオちん! 助けに来たよ!」
ゴオ「ふざけるな! 帰れ!」
杏奈「ごめん、ゴオちん。わかってる…」
ゴオ「わかってない! お前は私情に任せて2ヶ月以上もべーすを空けたんだ!」「お前のおかげでどれだけの人間に迷惑をかけた! どれだけの人間を危険にさらした!」
杏奈「ほんとにごめん! 私、どうかしてた…」
ゴオ「許さねえ! お前にロボット乗りの資格はない!」
杏奈「な、何よ何よ! 私だってわかってるわよ! だから今まで帰らなかったのよ!」
一鷹「おいおいおいおい! いきなり出てきて、何なんだよ!」「援護は嬉しいけど事情を説明してくれよ!」
杏奈「こっちは話し中なの! あなた、ゴオちんの何!?」
静流「手短に話すわ。あのロボット…ゴーオクサーのパイロットは猿渡杏奈…ゴオの奥さんよ」
美海「ええっ!? 今の人、私とそんなに歳、変わらないように見えたんだけど…」
渚「ちょっと待って! 杏奈、葵杏奈でしょ!?」
杏奈「渚!? よかった…無事だったのね」
渚「無事も無事、この通りよ」「そんな事より何? あんたがロボットに乗れて、しかも結婚してるだなんて!」「だからあの時、変な事を聞いてきたワケ?」
杏奈「えっと…いろいろ内緒にしてて、ごめん!」「って、話してる余裕なさそうだよ? 私も一緒に戦うから!」
ゴオ「ちょっと待て! 俺はまだお前の復帰を認めちゃいない!」
杏奈「もーっ! ゴオちん、頑固すぎる!」
ゴオ「何だと!? お前がいい加減すぎるんだ!」
〔モニターの開閉音〕
霧子「ケンカはそこまでだ。ふたりとも、今はそれどころじゃないだろ?」
ゴオ「博士! どうして杏奈がゴーオクサーに乗ってるんですか!」
霧子「私が必要と判断したからだ。お前だって杏奈の帰りを待ってたんだろう?」
ゴオ「パイロットとしての復帰なんて望んじゃいませんよ!」
霧子「とにかく、ダンナーベースはLOTUSに参加しているんだ。ゴオ、お前に断る権利はない」
影丸「ゴオは修理を済ませて動けるようになる事だけ考えろ!」
ゴオ「…了解!」
霧子「杏奈にも言いたい事は山ほどある。本来なら、ゴオの言う通り、そこにいる資格はない」
杏奈「…うん」
霧子「だから、うんと手柄を立てて汚名返上してやんな!」
杏奈「はいっ!」
芝草「いいか、杏奈ちゃん。その機体は静流用に調整してあるから違和感があるかもしれねえ…」「とくにシートがブカブカだと思うが、我慢してくれ!」
静流「ちょっと、芝さん!」
杏奈「大丈夫です、戦えます!」
芝草「それと、プラズマドライブの回転をレベル6以上に上げちゃ駄目だ。制御不能になるからな!」
杏奈「了解!」
霧子「みんな、しっかり頼むよ!」
森次「よし。全機、これを機にメナージュ・ゼロもまとめて叩くぞ!」

<3PP>
ゴオ「待たせたな、みんな! 駆動系の修理が終わった。俺も戦うぞ!」
影丸「ゴオ、ゴーオクサーと合体するんだ!」
霧子「待て、隊長。合体はまだ早い! 杏奈がゴーオクサーを乗りこなせるかどうか、しばらく様子を見てからだ」
影丸「はっ!」
ゴオ「博士、俺は合体する気なんかありませんからね!」
杏奈「ゴオちん…」
浩一「猿渡さん、奥さんが戻ってきてから苛ついてんな…。大丈夫か?」

<浩一が戦闘>
浩一「今度こそ本当に俺は生まれ変わったんだ!」

<杏奈が戦闘>
杏奈「私はもう逃げない。自分に嘘をつかない!」「私は戦う! ゴオちんと一緒に戦うんだ!」

<剣と戦闘>
剣「邪魔だ! そこをどけ!」

<ルウと戦闘>
ルウ「お願い! 剣と私の邪魔をしないで! 私はあなた達と戦いたくないの!」

<ゴオvs剣>
ゴオ「メナージュ・ゼロ! 今度こそ貴様を倒してみせる!」
剣「愚かな。何度戦おうと結果は同じ。お前は俺には勝てん!」
ゴオ「前に敗れた時の俺とは違う! いくぞ!」

<ゴオvsルウ>
ゴオ「ルウ! どうしてメナージュ・ゼロなんかと一緒にいるんだ! ダンナーベースへ戻って来い!」
ルウ「ゴオは何も教えてくれなかった。私を子供扱いするだけだった! そんな人の所には戻らない!」
ゴオ「ルウ…! わがままを言うな! 子供は大人の言う事を聞けっ!」

<杏奈vsルウ>
杏奈「ルウ! コスモダイバーから降りて! あなたが戦う必要なんかないでしょ!」
ルウ「杏奈には私の気持ちはわからない。家族がいる杏奈には…!」
杏奈「ルウにだっているじゃない! 私とゴオちんがルウの家族でしょ!」
ルウ「…違うわ! もう私にかまわないで!」

<ルウ撃破>
剣「ルウ、離脱しろ。できるな?」
ルウ「うん!」
〔第3軍ユニット離脱〕

<剣撃破orHP30%以下>
剣「ふん。この程度で俺が倒せると…うぐっ!」(な、何だ…? 体が…。もしや…これは…!)(まだだ…目的を果たすまでは俺は死ねない。俺は…!)
〔第3軍ユニット離脱〕
※※まだルウ健在の場合、セリフ追加※※
ルウ「待って、剣!」
〔第3軍ユニット離脱〕
杏奈「ルウ! 戻ってきて、ルウッ!」
ゴオ「どうしてそんな奴と…。ルウッ!!」


<敵&第3軍全滅・勝利条件達成>
剣児「よし、これで全部片づいたな」「メナージュ・ゼロには逃げられちまったけど、街の被害も最小限に食い止められたし、結果オーライか?」
山下「待って下さい。以前、擬態獣が隠れてた事があったじゃないッスか」
鏡「安心するのはまだ早い…という事か」
〔センサー反応〕
山下「やっぱり! 擬態獣反応、座標は…」
〔敵ユニット出現〕
山下「ゴーダンナーの真下ッス!」
〔擬態獣の鳴き声〕
擬態獣「ガアアアアアッ!!」
ゴオ「なにいっ!?」
浩一「あぶねえ、猿渡さん!」
〔浩一、ゴオへ隣接〕
〔浩一、地底獣へ攻撃〕
〔地底獣にダメージ〕

ゴオ「すまねえ、浩一。助かった!」
杏奈「ごめん、ゴオちん! フォローが間に合わなくて…!」
ゴオ「…………」
〔モニターの開閉音〕
霧子「ゴオ、杏奈。あいつを倒すにはツインドライブしかない! 合体するんだ!」
森次「葵博士、しかし…」
霧子「すまない、森次室長。ここは目をつむってやってくれないか」
森次「…了解」「各機、ゴーダンナーの合体を支援! ゴーダンナー、ゴーオクサーは合体後、速やかに擬態獣を殲滅しろ!」
杏奈「了解! ゴオちん、合体よ!」
ゴオ「嫌だ! お前みたいな無責任な奴を合体なんかできるか!」
杏奈「まだそんな事言ってるの? この石頭っ! ミラとは合体したくせに!」
ゴオ「黙れ! ミラはお前と違って信頼できる!」
杏奈「あーもう! ゴオちんがそういう態度だから話がおかしくなるんじゃない!」
ゴオ「何だと? 逆ギレすんじゃねえっ!」
光司「あ~あ、始まっちまった…」
シズナ「戦闘中に夫婦ゲンカやなんて、何考えとんねん…」
杏奈「そういう乱暴な所が嫌! アゴが嫌! 無駄に大きいとこが嫌!」
ゴオ「お前の小生意気なとこがやだ! 自己中なとこがやだ! 長風呂がやだ!」
杏奈「お風呂上がりに裸でウロウロするのがやだ!」
ゴオ「高校生のくせに説教臭いとこがやだ!」
杏奈「靴下何日も替えないのが嫌!」
ゴオ「俺より貯金が多いのもシャクだ!」
杏奈「どの女にも思いやりがあって優しいのが超イヤッ!」
渚「き、聞いちゃいけない内容な気がするなぁ…」
イクサー1「内容はともかく、見守りましょう。渚も感じませんか? あのふたりの良き感情を…」
渚「え…?」
ゴオ「俺より先に飯を食うな!」
杏奈「全然気にしなーい!」
ゴオ「全然平気!」
一鷹「…なんか、グダグダになってきたな」
ゴオ「何言ったって無駄だ! 杏奈の事は…」
杏奈「ゴオちんの事は…何でも知ってるんだから!」
ゴオ「よし! 合体だ、杏奈!」
杏奈「オッケー、ゴオちん!」
〔ゴオ&杏奈、前進〕
渚「嘘っ! なんで? どうして? ケンカしてたんじゃないの?」
ゴオ「ドライブチェンジ、ゴーッ!」
杏奈「ドライブチェンジ、ゴーッ!」
〔杏奈にダメージ〕
〔杏奈、前進〕

杏奈「きゃあああっ!」
芝草「いかんっ! プラズマドライブがレベル6を超えている!」
杏奈「きゃあああっ!」
影丸「やはり無理か?」
霧子(ゴオ、杏奈…お前達の絆がどれ程引き合うか見せてくれ!)
剣児「いけ、猿渡さん! 大先輩なトコを見せてくれ!」
つばき「で、でも、あの様子じゃ合体できる確率は…」
アリス「ええと…計算上は50%です…!」
ゴオ「いいや、違う! 俺達なら200%だ!!」
杏奈(わ、私は負けない…! 完璧にゴーオクサーを乗りこなして…あの人を超えてみせる!)(私は…ミラに勝ちたいっ!!)
ゴオ「杏奈、頑張れ! どんなになっても全部俺が受け止めてやる!」「お前にパイロットの本能があるなら、死ぬ気で飛び込んでみろ!」
杏奈「ゴオちん!」
ゴオ「杏奈!」「ダンナァァァ…オン!」
〔杏奈、ゴオとPU統合〕
ゴオ「リボルバァァァ…オープン!」
〔ゴオ、合体〕
ゴオ「ゴーダンナー!」
杏奈「ツインドライブッ!!」
森次「…フッ」
浩一「やった! 合体成功だ!」
剣児「すげえ! パワーがピンピン伝わってくるぜ!」
美海「ああいうの、いいな…」
杏奈「この感触…私は帰ってきた!」
ゴオ「杏奈! 一撃で仕留めるぞ!」
杏奈「うん!」
ゴオ「うおおおおっ!」
〔ゴオ、地底獣へ攻撃〕
[イベント戦闘「ゴオvs地底獣」]
ゴオ「アイツの急所にハートブレイカーを叩き込んでやる!」
杏奈「今だ、ゴオちん!」
ゴオ「これで決めてやる!」
杏奈「ハァァァァトッ!!」
ゴオ「ブレイカァァァァァッ!」「やれっ、杏奈ァァァ!」
杏奈「はあぁぁぁーっ!!」
ゴオ「これで終わりだぁぁぁーっ!!」
杏奈「ファイヤーソォウルッ!!」
ゴオ「ブレイカァァァァァッ!!」
擬態獣「グエェェッ!」

〔敵ユニット撃破〕
ゴオ「やったな、杏奈! …おい、杏奈!?」「気ぃ失ってやがる…」
小波「電気ショック、いきます?」
ゴオ「いや。寝かせておいてやってくれ。気がつくまで俺が見てるよ…」「杏奈、お帰り。ここがお前の居場所だ」
静流(お帰りなさい、杏奈ちゃん。でも、これからが本当の戦いよ…)
森次「山下、擬態獣反応は?」
山下「すべて消えました。もう大丈夫ッス!」
剣児「っしゃあ! 腹減ってしょうがねえんだ、さっさとJUDAに帰ろうぜ」
一鷹「そうッスね。猿渡さんの奥さんが戻ってきたんならちらし寿司も用意してるでしょうし」
ゴオ「たはは…。杏奈の手料理はお預けか」「ま、ゆっくり休ませてやるにはちょうどいいいかな…」
霧子「ちょっと待っておくれ」
ゴオ「どうしたんですか、博士」
霧子「みんなに大事な話がある。森次室長、ダンナーベースへ立ち寄ってくれるかい?」
森次「いい知らせではないようですね」
霧子「たった今入った情報だ。祝宴ムードに水を差したくないが、内容が内容でね」
森次「わかりました。ただちにダンナーベースへ向かいます」
【戦闘マップ終了】

【シナリオエンドデモ開始】

日本エリア
ダンナーベース/医務室
杏奈「う、う~ん…」
渚「よかった、杏奈! 気がついたのね!」
イクサー1「久しぶりですね、渚のお友達。葵杏奈…いえ、猿渡杏奈でしたね」
杏奈「渚…それにあの時の…。あれ? ここは?」
浩一「ダンナーベースですよ。杏奈さんは気絶した後、ここに運び込まれたんです」
杏奈「…そっかぁ。私、気絶しちゃったか。ゴオちんに怒られちゃうな…」
渚「あーっ、思い出した! ひどいじゃない、結婚した事黙ってるなんて!」「さっきはウヤムヤにされちゃったけど、しっかり聞かせてもらうからね」
杏奈「ごめん! 言いにくくて…。だってさ、みんなびっくりするでしょ? 女子高生が人妻でパイロットって」
渚「そんな事気にするより、街中に聞こえる夫婦ゲンカの方がよっぽどだと思うけどなぁ」
杏奈「あ、あはは…。あれは忘れて~」
浩一「俺もびっくりですよ。巨神戦争の英雄が裸でウロウロとか靴下替えないとか…」「俺、正義の味方ってもっと…」
杏奈「やだなぁ、ゴオちんはそんな完璧超人じゃないよ。私がいないと何にもできないもん」
浩一「そういやこの前、猿渡さんも『俺はただのロボット乗り』って言われました」
杏奈「ええと…君は?」
浩一「あ、俺は早瀬浩一。ラインバレルのファクターです」「さっきは出すぎた真似しちゃってすみませんでした」
杏奈「さっき…? あ、ゴオちんを助けてくれた人?」
浩一「はい」
杏奈「だったら謝らなくていいよ! むしろ、お礼を言わせて。助けてくれて、本当にありがとう」
浩一「ど、どういたしまして」
渚「浩一君、照れてる~」
浩一「かつ、からかわないで下さいよ!」
イクサー1(浩一、今のあなたは立派に正義の味方をしていますよ。ようやく願いが叶いましたね…)
〔ドアノブを回す音〕
忍「杏奈ちゃん、大丈夫!?」
杏奈「あ、忍っち! ごめんね、こんな事になっちゃって」
忍「杏奈ちゃん! 元気そうでよかった…」
イクサー1「あなたは…ゴオの弟?」
忍「はい、猿渡忍です。…って、兄さんはいないの?」「せっかく杏奈ちゃんが戻ってきたのに何やってんだよ…」
イクサー1「皆さんなら、葵博士に呼ばれて司令室にいらっしゃるはずです」
忍「司令室に? いったい何があったんだ…?」

ダンナーベース/司令室
霧子「話というのはマックスとモウカクについてだ」
一鷹「モウカクって…ゴーダンナーと一緒に戦ってた巨神戦争の英雄のひとりだよな?」
美海「マックスさんも同じ…巨神戦争の英雄よ」
鏡「5年前に戦死したと思われていたが、しばらく前に擬態獣の中から発見されて仮死状態から蘇った人物だ」
ミラ「この際だから言うわ。私もマックスと同じ…」「5年前の巨神戦争で擬態獣に取り込まれ…最近まで死人だった女よ」
一鷹「ええっ!? ま、待ってくれ。そんな話、聞いた事ないぞ!?」
鏡「奇跡の帰還などと発表するにはデリケートな問題が多すぎたんだ」
ミラ「私は少し前まで記憶喪失だったし、今でも体の調子が悪い事があるの」
静流「マックスの場合は蘇生直後にコアガンナーを奪って誘拐事件を起こしたわ」
アリス「誘拐…?」
ミラ「狙われたのは私…。と言っても記憶が戻る前の話でよく覚えていないんだけど」
ゴオ「あの時のマックスの行動はどこかおかしかった」「いくら俺を恨んでいるといっても感情が暴走しているようなところがあった…」剣児「猿渡さん、なんか恨まれるような事したのか?」
霧子「マックスは昔からミラに惚れていた。だが5年前のあの時、彼女と付き合っていたのはゴオだ」「なのにゴオはミラを守れなかった…。それがマックスには許せなかったんだろうな」
静流「結局、マックスの肉体には異常が発見され、すぐに保護と検査を受ける事になったわ」
光司「博士、あのふたりに何かあったんですか?」
霧子「マックスもモウカクも…先ほど死亡が確認された」
光司「な…っ!」
ゴオ「そんな馬鹿な!」
霧子「あの時のマックスと同じ症状…肉体の異常と精神の暴走がモウカクにも出た」「ふたりが死んだのはその症状が悪化したためさ」
影丸「なお、シリコンベースのシャドウにも同じ症状が発生したが、辛うじて一命をとりとめたそうだ」
山下「そんな…! 巨神戦争の英雄と呼ばれてる人ばかりじゃないッスか!」
剣児「まてよ、モウカクさんやシャドウさんは擬態獣に取り込まれてたわけじゃねえんだろ?」「じゃあ、なんで同じ病気にかかってるんだ!?」
霧子「順を追って説明しよう。これを見ておくれ」
〔通信パネルの開く音〕
ゴオ「これは?」
影丸「インサニアウィルス。擬態獣を媒介にして人間に感染するRNAウィルスだ」
ミラ「擬態獣を…それじゃあ…」
霧子「…次にこの映像をみておくれ」
〔モニターの開閉音〕
マックス「ウウウウ…」
イズナ「こ、これは…! 人間…なんですよね…?」
ゴオ「…まさか、これがマックスなのか!?」
影丸「そうだ。死亡する直前の映像だ」
シズナ「この姿も、さっき言ってたなんちゃらウィルスのせいなんか!?」
霧子「そういう事だ」「
霧子「この肉体の変異現象…ラビッドシンンドロームの原因はインサニアウィルスさ」
ゴオ「なんでこんな事に…」
霧子「インサニアウィルスに感染してもほとんどの人間に問題は起きない」「ある特定の場合を除いてね…」
森次「その特定状況…聞かせてもらえますね、博士?」
霧子「もちろんだ。それは類まれなる強大な闘争本能が発動された場合さ…」「インサニアウィルスは、この原始的な本能によって活性化し、驚くべき症状…ラビッドシンンドロームを引き起こす」「感染者がもしロボット乗りでしかも男性パイロットなら、発症する確率は極めて高くなる」
影丸「幸いな事に女性の場合、ラビッドシンンドロームを発症する確率はきわめて低い」「シャドウは女性だが、男性的な本能が強かったせいで発症してしまったようだ」
柳生「つまり、このウィルスは擬態獣が天敵を倒すための時限爆弾として作用するってわけね」
ゴオ「…………」
霧子「さて、ここからが本題だ」「さっき話した通り、インサニアウィルスは擬態獣を介して感染する…」「つまり、擬態獣との戦闘を経験した者すべてに感染の可能性があるんだ」
山下「!! それじゃあ、僕達全員が感染してるかもって事ッスか…」
影丸「そう、その通りだ」
アリス「そんな! 皆さんの健康状態は毎日チェックしてますが、どおにも異状は…!」
霧子「このウィルスは神経細胞に巧妙に擬態し、発症する例も稀だった」「通常の検査や死んだんじゃ、潜伏はまず発見できないんだよ」
森次「では、本格的な検査を?」
霧子「ああ。LOTUS全員、ウィルス感染と発祥の危険性を調べる検査を受けてもらう」「これ以上、犠牲者を出したくはないからね」
美海「なんだか怖いわね…」
影丸「ウィルスに感染していても発症する可能性は極めて低い。そんなに心配しなくてもいい」
一鷹「ほ、ほんとですか…?」
霧子「こんな時に嘘はつかないよ。ほら、さっさと検査を受けてきな」

霧子「…検査結果が出た。ゴオ以外は全員問題なし」「ウィルスに感染してる者もいたが、発症する心配はないよ」
ゴオ「お、俺以外って事は…」
霧子「はっきり言おう。ゴオ、あんたはラビッドシンンドロームを発症する可能性が極めて高い」
ゴオ「なっ…!」
一鷹「猿渡さんが?」
霧子「お前は発症したふたりと同じタイプのロボット乗りだ…」「そして、人類の中で最も多く擬態獣に接触した人間のひとりでもある」
ゴオ「そ、それはそうですが…」
霧子「ゴオ、これは私からの命令だ。ゴーダンナーから降りろ」
ゴオ「な、何ですって?」
影丸「マックスの変わり果てた姿を見ただろう? このままゴーダンナーで戦い続ければ、お前もいつかああなる」
ゴオ「俺に引退しろって言うんですか?」
霧子「休暇だよ、ちょっと長めのね。治療法がわかればまた乗れるさ」
ゴオ「しかし!」
森次「猿渡さん…あなたに伝えておかねばならない事があります」
美海「モウカクさんは暴走した破壊衝動を抑えきれず、友軍に攻撃を仕掛けたそうです」
ゴオ「な…」
森次「細かい状況説明は割愛しますが、ドラグライナーとダンクーガがやむを得ず、これを撃破しています」
ゴオ「それじゃあ、モウカクは仲間の手にかかって死んだっていうのか…」
森次「はい」
ゴオ「それしか…方法がなかったんだよな」
森次「ええ。最終手段をとらざるを得ない状況まで追いつめられての事です」
影丸「ゴーダンナーと猿渡ゴオが暴走したら、誰が止める?」
ゴオ「!!」
影丸「言ってる意味はわかるな…?」
ゴオ「…はい」
霧子「ゴオにはパイロット教官兼作戦参謀として、引き続きLOTUSに出向してもらう」
影丸「後方で仲間を支援するのも重要な仕事だぞ、ゴオ」
ゴオ「…はい」
霧子「これに伴い、ゴーダンナーには静流に乗ってもらう」
静流「私がダンナーのパイロットに?」
霧子「ああ、ゴーダンナーを遊ばせとくわけにはいかないからね」「臨時処置だが、ゴオの治療のめどがつかない以上、実質的には正パイロット交代だと思ってほしい」「杏奈やミラとのコンビネーションも訓練メニューに加わる。急ですまないが、頼んだよ」
静流「了解。戦力が低下しないよう努めます」
霧子「私達から伝える事は以上だ」「森次室長、わざわざ足を運んでもらってすまなかたな。石神社長によろしく伝えとくれ」
森次「はい…では我々はこれで」
〔ドアの開閉音〕
霧子「桃子、小波! 宇宙に行ったメンバー、特にバトルチームが心配だ」「各国家でも検査ができるよう関係各所へ連絡を頼む。プラントにも忘れるんじゃないよ!」
小波「了解!」

JUDA/レストルーム
浩一「はあ…なんでこんな事になっちまったんだ…」
山下「早瀬、猿渡さんの事が気になるのはわかるけど、僕達が落ち込んでてもしょうがないだろ?」
浩一「けどさ、見てらんないんだよ。素人同然の俺なんかじゃ、かける事がも見つからねえしさ…」「何か俺にできる事、ねえのか?」
イズナ「猿渡さん、ひとりで黙々と引き継ぎ資料作ってました。あれじゃ誰だって近寄れないですよ」
一鷹「きっと仕事に集中してる間はつらい事も忘れられるんだよ。…見てる方はつらいけどな」
つばき「杏奈ちゃんもせっかく久々に会ってやっと仲直りできたのに…」「あれじゃ甘えるどころか、支えてあげなきゃならないから大変ね」
美海「ほら、みんな! あんまり暗い顔してるとかえって猿渡さんが責任感じちゃうよ」「ここは少しでも明るく振る舞いましょ。ね?」
一鷹「確かにそうだよな。教官として残ってくれるんだから、俺達にできる事は…」
山下「少しでも腕を上げて猿渡さんを安心させる事、だろ?」「早瀬もいいか? 操縦訓練で猿渡さん達をがっかりさせんなよ」
浩一「わかってるよ、山下。森次さんと猿渡さんのダブル特訓、ナイスな展開だよ」
一鷹「技の森次、力の猿渡ってか? ははっ、そりゃいいや」
美海「うん、その調子その調子。猿渡さんの治療法が見つかるまで明るく頑張りましょ」
シズナ「治療法かて、すぐ見つかるで。なんちゅうても世界のJUDAがついとるんやからな!」

JUDA/格納庫
〔衝撃音〕
芝草「杏奈ちゃん、シートの座り心地はどうだい。さっきよりよくなっただろ?」
〔モニターの開閉音〕
杏奈「ジャストフィットです! ありがとう、チーフ!」
芝草「杏奈ちゃんはまだ若いから、これからお尻が大きくなるかもしれねえからな…」「シートがきつくなったらいつでも言ってくれよ!」
冬子「おやっさん、それ、ほとんどセクハラですよ」
林「それに杏奈ちゃんは人妻ッスよ! 不用意な発言はNGッス!」
芝草「そ、そんなつもりで言ったんじゃねえよ! …ったく、やりにくい世の中になったもんだぜ…」
〔爆発音〕
杏奈「きゃあっ!」
渚「芝草のおじさん、どうなんです、杏奈は?」
芝草「おお、渚ちゃん。杏奈ちゃんなら、ほれ」
杏奈「いっけーっ!!」
〔衝撃音〕
芝草「あの調子さ。ミラとのこともあるんだろう。ずっと頑張ってるよ」
渚「聞きました。記憶を失って幼児退行状態だったミラさんを杏奈が引き取って生活してたって…」「杏奈はミラさんが元カノだって知らなくて、知ってからも変わらずに世話し続けて…」「でも、記憶と取り戻してからは恋敵になって、パイロットとしてもライバルなんですもんね…」
芝草「ああ。だが、ミラの記憶が戻ったのは杏奈ちゃんの家出中だったからな。お互い腹を割った話はできてねえ」「今だってゴオがあの調子じゃ3人でまともに話す機会は作れてねえんじゃねえか?」「ミラもせっかく生き返ったのに恋人が結婚してて、その相手が自分の後釜じゃ複雑だろうに…」
渚「杏奈…」
〔爆発音〕
杏奈「きゃああっ!」
芝草「おい、杏奈ちゃん!」「ゴオが戦えなくなった分、自分が頑張らないとって思う気持ちはわかるが…」「いきなりSランクの訓練は無理だ。それでなくたってゴーオクサーは扱いが難しいんだ」
杏奈「私、2ヶ月も訓練サボってたし、これくらいやらなきゃみんなに迷惑かけちゃうから!」「静流さんとのコンビネーションもあるし、その前に慣れておかないと! もう1回お願いします!」
芝草「…わかった」
〔衝撃音〕
林「杏奈ちゃん、気合入ってるッスね…」
冬子「無理しすぎなきゃいいけど…」
杏奈(ゴオちんのあんな悲しそうな顔、初めて見たな…)(私はゴオちんの助けになりたい。支えになりたい! それには私がもっと強くならなきゃ!)(ゴオちん…私、頑張るよ。ゴオちんの分まで戦ってみせるから!)
【シナリオエンドデモ終了】


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