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No.8A
正義の代償

【シナリオデモ開始】
日本エリア
JUDA/社長室
石神「いやぁ、お帰り。色々と大変だったみたいだねぇ」
森次「すみません、社長。連絡が取れない状況とはいえ、勝手に部隊を動かしてしまって…」
石神「いやいや、森次君の判断は間違ってないよ」
ゴオ「宇宙の警戒にあたっていた甲児達はどうしてるんです?」
石神「核攻撃からプラントを守った後、例のフロンティア船団監視法の件でフロンティアへ寄ってるみたいだよ」「ほら、あれでマクロス・クォーターをLOTUSで管理する事に決まったからね」
ゴオ「じゃあ、法案が通ったんですね」
石神「まあね。でもこれでフロンティアがおかしな動きを見せれば、我々が責任を問われる事になる」「その代わり、彼らが協力的なうちは連合軍も我々の頭越しには手を出せんというわけだ」
鏡「しかし、彼らを政治的に守るためとはいえ、我々の立場が危うくなるのでは?」
石神「ブルーコスモス派に任せるよりマシさ。彼らはフロンティア船団を地球の敵と認定したいみたいだからね」
鏡「ところで、石神社長。例の報告書には目を通していただけましたか?」
石神「…ああ。君の推測が本当だとしたら途方もない話だね」
鏡「加藤機関や来訪者の件を踏まえて考えると、可能性はゼロではないと思います」「この件については引き続き調査を進めます」
石神「ああ、頼むよ」
森次「社長、その件とは?」
ゴオ「俺も気になります」
石神「ちょっとスケールの大きい話でね。君達にはおそらく関係ないから気にしないでくれたまえ」
ゴオ「まあ、そう言われちまえばこっちも何も言えませんが…」「ですが、この事に限らず、LOTUSに参加している組織に…」「少なからず秘密があるのを快く思っていないメンバーもいます」「加藤機関がどこから来たかだって知ってるのは…」
石神「すまないねぇ。だが、時には秘密にしておいた方がいい話もある」「わかるだろう? ミラさんの正体を奥さんに告げずに戦ってきた君ならさ」
ゴオ「…はい…」
石神「時期が来たらみんなにも話すよ。そう落ち込まんでくれたまえ」「甲児君達が地球に戻るまで、地球を外敵から守れるのは君達だけなんだ。しっかり頼むよ」
ゴオ「ええ、わかってます。擬態獣にダリウス、加藤機関に邪魔大王国…」「戦わなくてはいけない敵はまだまだいますからね」(杏奈…見ていてくれ。俺はもう逃げたりしない…!)

JUDA/レストルーム
一鷹「ここに居るとようやく帰ってきたって感じるよ。やっぱ地元はいいなぁ」
ミラ「一鷹君、博士の行方はどうだったの?」
一鷹「それが…今のところ何の手がかりもないそうです」
静流「ただ待つしかできないのはつらいわね…」
一鷹「でも、悪いニュースばかりじゃないんです。アリスのAIは順調に成長してるらしいんですよ」
〔ドアの開閉音〕
城崎「皆さん、飲み物はいかがですか? 紅茶を淹れてみたんですけど…」
山下「城崎さん! どうして君がお茶くみなんかしてるんスか?」
城崎「私はみなさんと違って戦えるわけじゃありませんから、せめてこういった事だけでも、と思いまして」
一鷹「…急須から何か、緑色のモンがハミ出してねえか?」
つばき「こ、この磯の香りは…もしかして乾燥ワカメ?」
城崎「ええっ…!? ヤダ、私てっきり紅茶の葉っぱだと思って…」
剣児「うへぇ! せめて昆布茶にしてくれよ。ワカメの戻し汁はキツいぜ」
城崎「ご、ごめんなさい! すぐに作り直してきます!」
美海「い、いいわ、城崎さん。私がやるわ。あなたはやり方を覚えてね」
城崎「はい…」
美海「ほらほら、落ち込まないで。私が何でも教えるから」
〔ドアの開閉音〕
ミラ「あの子、部分的な記憶喪失だと聞いていたけど、まさか乾燥ワカメも知らないなんて…」
静流「彼女の素性については石神社長もなかなか説明してくれないのよね」
アリス「そういえば、城崎さんの身体データはまだ測定していませんでした」「うう、サブパイロットとしての役割にばかり気をとられてました…」
静流「どっちも本業というのがつらいわね。でも、あなたには頑張ってもらうしかない」
アリス「了解です! どちらの使命も絶対に投げ出したりしません!」
光司「静流さん、俺には何か励ましの言葉はないんですか?」
静流「ないわ」
光司「静流さぁん…」

JUDA/医務室
イクサー1「渚、体調はいかがですか?」
渚「…何しに来たの? 私、あなたなんかに会いたくないのに…」
イクサー1「渚…」
渚「渚、渚って気安く呼ばないで! あなたのせいで、こんな目に遭ったのよ!」
イクサー1「…あなたを無理矢理イクサーロボに乗せた事は謝ります…」「でも、あなたには私のパートナーとして戦ってもらわなくては困るのです」
渚「あなたの話なんか、もう聞きたくないわ! 出てって!」
〔物が壊れる音〕
緒川「渚ちゃん、落ち着いて。せっかく治りかけてるのに、体に障るわ」
渚「緒川さん、パパとママはどこに…?」
緒川「それがまだ行方不明で…」
渚「どうして!? あの辺はユニウスセブンの被害はほとんどなかったはずなのに!」
緒川「今、JUDAで一生懸命調べてるから、もう少し待ってね」
イクサー1(渚…あなたのご両親はコバルトがあなたを襲った時に、もう…)(でも、心も体も傷ついた渚に真実を伝えるのは…(
渚「…誰のせいでこんな事になったのよ」
イクサー1「………」
渚「出てってって言ったでしょ!? なんでまだ居るのよ!」
緒川「イクサー1、行きましょう。渚ちゃんを休ませてあげないと…」
イクサー1「はい…。渚、一日も早く一緒に戦える事を願っています」
〔ドアの開閉音〕
渚「…………」(どうして…どうして私を選んだの? もう嫌だ。戦いたくなんてない。戦うなんてできない)

御崎中学/教室
イザベル「先日、日本の御浦市御浦町でまた特自アルマの暴走事故が発生しました」「現場は甚大な被害を受け、特自のアルマ管理のずさんさが問題となっています」
浩一「何が暴走だよ。嘘ばっかりじゃねえか…」
カトル「この前の事件のニュースでも見てるんですか?」
浩一「カトルか…。お前は関係ねえっての」
カトル「あれ? そのニュース、角の生えた白いアルマが全然映ってませんね」
浩一「ラインバレルはアルマじゃない!」
カトル「早瀬君…?」
浩一「…ラインバレル。俺の…」(…あんな物、いらないさ…)
矢島「………」
理沙子「ねえねえ、浩一! シェリル・ノームって名前、聞いた事ある?」
浩一「なんだ、理沙子と矢島か…。シェリルだから誰だか知らないけど、興味ないっての」
理沙子「知らないなら教えてあげる! 新造コロニー・フロンティアの人気アイドルよ!」「カワイイらしいんだけど、どうしても写真が見つからないのよね~」
浩一「何が新造コロニーだよ。あれはプラントが開発した超大型移民船団だろ」「ったく、理沙子まで偽のニュースに踊らされやがって…」
理沙子「何よぉ。自分だけが本当の事知ってるみたいに言うの、よくないよ」
カトル(誤情報が錯綜してる…。情報操作が間に合っていないのか)
浩一「で? そのシェリルがどうしたってんだよ」
理沙子「すごくいい歌を歌うって噂なの。非公式な流出データだから、私、聞いた事がなくって…」「浩一なら聞いた事あるかもって思ったんだけど…」
浩一「ああ。で?」
理沙子「ほら、最近浩一と話してなかったし、それでね…」
浩一「はん…。興味ねえっての」
理沙子「浩一…」
〔教室の扉の開閉音〕
降矢「おい、早瀬! ちょっとツラぁ貸せよ」
浩一「何だと…?」
理沙子「やめなさいよ、降矢!」
降矢「外野は引っ込んでろ! 早くしろ、早瀬!」
浩一「ちょうどいいぜ…。俺は今、機嫌が悪いんだ…」
降矢「さっさと来いや! オラァ!」
〔教室の扉の開閉音〕
理沙子「矢島、行こう!」
矢島「ああ…」
カトル(不本意だけど傍観者に徹するしかないか…)

御崎中学/屋上
〔打撃音〕
〔画面、振動〕
〔打撃音〕
〔画面、振動〕
〔殴打音〕
〔画面、振動〕

降矢「つ、強ええ…。あれだけの人数をあっという間に…」
浩一「口ほどにもないってのはこの事だな…。さあ、降矢…覚悟はできてんだろうな?」
降矢「ひっ!
〔殴打音〕
〔画面、振動〕
〔殴打音〕
〔画面、振動〕

降矢「あ、あうう…。ゆ、許して…早瀬…君」
浩一「へっ…。俺の強さがわかったか!」(そうさ、ラインバレルなんかなくたって俺は最強なんだ!)
カトル「…………」
矢島「もうやめるんだ、浩一!」
理沙子「降矢がかわいそうだよ!」
浩一「わかってるよ。これ以上やったら弱い者いじめになっちまう。こいつの大好きな弱い者いじめにな…」「なあ、降矢?」
降矢「ひ、ひいっ!」
浩一「…おい、降矢。お前、もう碇をいじめてないだろうな?」
降矢「いじめてません! …って言うか、碇の奴なら転校しちまったじゃないっすか!」
浩一「は? 聞いてないぞ、そんなの」
理沙子「何言ってるの? 碇君、転校する前の日に挨拶に来てたじゃない」「なのに、浩一がシカトして…」
浩一「せ、正義の味方は忙しいんだよ!」
降矢(早瀬め、調子に乗りやがって…。こうなったら道明寺に頼むしかねえ…)
浩一「もういい、行けよ。二度と俺に逆らおうなんて思うなよ!」
降矢「くっ…! おい、お前ら、ずらかるぞ!」
〔ドアの開閉音〕
理沙子「浩一、あんた最近、評判悪いよ。乱暴者になったって…」「他の学校の人ともケンカしてるって話も聞くし」
浩一「うっせえ! 余計なお世話だ!」
〔ドアの開閉音〕
理沙子「浩一、絶対おかしいよね」
矢島「…………」
理沙子「何だかわかんないけど、浩一の周りで変な事が起こってる。そのせいで浩一はおかしくなってるんだ…」「ねえ、矢島! さっきからダンマリだけど、何か心当たりがあるんじゃないの?」
矢島「…理沙子、明日まで待ってくれないか?」
理沙子「明日?」
矢島「後で浩一と話し合ってみる。そしたら、全部話すよ」
理沙子「うん、わかった。じゃあ、明日お弁当作って持って来るね。昔みたいに3人でお昼食べようよ!」
矢島「ああ…」(浩一…)
〔ドアの開閉音〕
カトル「矢島君も動くのか。何もなきゃいいんだけど…」

JUDA/社長室
カトル「…というわけです」
石神「それじゃ、最近は一般人相手のケンカで力を誇示してるわけだ…」
カトル「はい。ラインバレルを失った事でヤケになっているようですね」
石神「わかった。引き続き監視を頼むよ。ひどい行動が目に余るようなら、対策を考えないとならないからね…」
カトル「わかりました」
石神「ところでカトル君。昨日なら御崎町に異変はないかね?」
カトル「いえ、特に何も…。何かあったんですか?」
森次「御崎町でマキナ反応が何度か検知されているんだが…」「いつも数秒で消えてしまうため、位置を特定できずにいる」
石神「まるで忍者かお化けみたいに神出鬼没なんだよねぇ…」
カトル「そういう事でしたら、サンドロックのスタンバイをしておきます」
石神「ガンダムを? あれは封印したんじゃなかったのかい?」
カトル「どうやら、五飛もトロワもガンダムの封印を解いたようですし…」「僕だけがサンドロックを大事にしまっておくわけにはいきませんから」
石神「すまない、カトル君」
カトル「いえ、それでは…」
〔通信の閉じる音〕
石神「早瀬君にも困ったもんだねぇ…」
森次「しょせんは中学生ですよ。力をどう使えばいいか、わかっていない。…自分にも経験があります」
石神「ああ、そうだったね…」
森次「しかし、目に余るようなら早めに処置されてはいかがです?」
石神「いや、もう少し待ってみよう。素質はあると思うんだよねぇ」
〔センサー反応〕
緒川「社長! また御崎町にマキナ反応です!」
石神「何っ?」
緒川「あ、消失しました…」
石神「うーん。センサーの故障かな…?」
緒川「レイチェルは正常だと言ってましたけど…」
石神「緒川君、引き続きチェックだけは頼むよ。ひょっとしたら、ひょっとする」
緒川「はい」
石神(姿を消すマキナ…。私が抜けた後に回収された物なのかねぇ)
【シナリオデモ終了】


サブタイトル
「正義の代償」


【戦闘マップ開始】
浩一「こんな所に呼び出して、いったい何の用だ?」
矢島「…お前、まだあんな真似を続けるつもりなのか?」
浩一「なにっ?」
矢島「…浩一。頼むから、昔のお前に戻ってくれ」
浩一「はぁ?」
矢島「理沙子が…心配してるんだ。お前がわからなくなった、お前が急に変わっちまったって…」「…俺だってそうだ」
浩一「それが本音か…」
矢島「え…」
浩一「ガキの頃から自分が守って面倒見てきた奴が急に強くなったから、それで面白くないんだろ?」
矢島「…やっぱり何を言っても無駄なようだな。ここでケリをつけよう、浩一」
浩一「ケリだって?」
矢島「お前、言ったよな。もう俺の助けは必要ないって…」
浩一「ああ、今の俺はお前よりはるかに強いからな」
矢島「だったら証明してくれよ。俺はもう、お前には必要ないってさ…!」
浩一「俺にケンカを売ろうってのか? やめとけよ。お前は俺に勝てない」
矢島「…行くぞ浩一!」
〔殴打音〕
矢島「うぐっ!」
浩一「どうした。偉そうな事を言って、こんなもんかよ!」「ラインバレルを失った俺になら勝てるとでも思ったのか?」
〔殴打音〕
矢島「ううっ…」
浩一「無駄だよ。お前は俺に勝てな…」
〔殴打音〕
浩一「!」
矢島「だから…それ…を…証明…してくれよ…」
浩一「まだやろうって言うのかよ…」「だったら! 叩き込んでやるよ! 格の違いをなあああっ!!」
〔殴打音×3〕
矢島「がはっ…! どうした…お、俺はまだ…」
浩一「こいつ…!」
〔殴打音〕
浩一(なんで…なんでだ…? 俺はこいつに勝ちたかったんじゃないのか?)
〔打撃音〕
浩一(こいつみたいになりたかったんじゃないのか?)
〔殴打音〕
浩一(なのに…なのに、なんでこいつを殴るたびに嫌な気分になっていくんだ…?)
〔殴打音〕
矢島「うぐぐっ…」
浩一「も、もうやめろ! 無駄だってのがわからないのか!?」
矢島「俺は…ただ理沙子の気をひきたくてお前を守っていただけなんだよ…」
浩一「!!」
矢島「お前がずっとどんな思いでいたのかも気付かずに…。俺は…卑怯者だよ…」「だからさ、結局、理沙子は俺に振り向いちゃくれなかったよ…」
浩一「…や、矢島。なんで今さら…。俺は今までずっとお前が…」
矢島「正義の味方だ…とでも思ってたのか?」
浩一「あ、ああ…」
矢島「安心しろ、浩一。俺はどこにでもいるただのガキだ」
浩一「矢島…」
矢島「すまなかった、浩一…」
浩一「俺だって、お前の気持ちなんて一度も…」
〔浩一のいる地点に爆発〕
浩一「うわあああっ!」
〔光学ステルス作動〕
〔敵ユニット出現〕

ハグレマキナ「ラインバレル捕獲…ファクター排除…」
浩一「ど、どうして…? ラインバレルはもういないのに!」
矢島「うう…こうい…ち…大丈夫…か…?」
浩一「!? 矢島…!」(て、鉄骨が…腹に…!?)
矢島「ごはっ…!」
浩一「お…おい! 嘘だろ? しっかりしろ、矢島!」
矢島「う…うぐっ…」
浩一「ちきしょう! いったいどうりゃいいんだよ!!」
矢島「こ…浩一…。大切なのは…どうすればいいかじゃ…ない」
浩一「え…」
矢島「お前…が…どう…したいかだ…。せっかく…手に入れた力なら…正しい…事に…使ってくれ…」
ハグレマキナ「…ファクター排除…!」
〔ハグレマキナ、浩一がいる地点へ攻撃〕
矢島「逃げろ…! こう…いち…!」
浩一「えっ!?」
〔武器の発射音〕
〔浩一のいる視点の周囲に爆発〕
〔画面、振動〕

浩一「矢島…俺をかばって…?」
矢島「気に…するな…。昔から…そうだっただろ…?」
〔人の倒れる音〕
浩一「やじまあああああっ!!」
ハグレマキナ「ファクター…排除失敗…排除失敗!!」
浩一「今さら謝んなよ…。今さらあんな事言うなよ…! 今さら…!」「うわああああああっ!!」
〔第3軍ユニット出現〕
ハグレマキナ「ライン…バレル…!」
浩一「矢島…俺がどうしたいか…だって?」「俺は…俺は…」
〔ファクター覚醒〕
浩一「あいつを殺したい!」
ハグレマキナ「ラインバレル捕獲! ファクター排除!」
浩一「よくも矢島を! うおおおおおおっ!」
〔浩一、ハグレマキナへ攻撃〕
〔斬撃音〕
〔ハグレマキナに爆発〕

浩一「…殺してやる。お前だけは絶対に殺してやる!!」
カトル「あれは…ラインバレル!? それにマキナ…。まさか、これは!」
〔通信のコール音〕
〔モニターの開閉音〕

石神「カトル君! ラインバレルが御崎町に!」
カトル「はい。僕のすぐ近くに、正体不明のマキナと交戦状態に入りました!」
石神「ラインバレルを城崎絵美の認証なしで転移させるとは…!」
レイチェル「アイツがファクターとして完全に認められたって事!?」
カトル「サンドロックでラインバレルとあのマキナを止めます!」
石神「頼むよ。森次君達もすぐに到着するからね!」
カトル「わかりました!」「…ちょっと目を離したスキにこんな事になるなんて…! 行くよ、サンドロック!」
〔味方ユニット出現〕
〔カトル、浩一へ隣接〕

カトル「早瀬君、やめるんだ! そんな戦い方じゃ街が…! 悲しみが広がるだけだよ!」
浩一「邪魔するなあああっ!! こいつは矢島を! 矢島を殺したんだあああっ!!!」
カトル「矢島君が!? まさか…」
浩一「矢島は…矢島は俺をかばって…! くそぉぉっ! 俺を放せぇぇぇっ!!」
〔カトルにダメージ〕
〔カトル、後退〕

カトル「うわあっ!」
浩一「よくも矢島をっ! 死ねえええええっ!!」
〔浩一、ハグレマキナへ攻撃〕
〔斬撃音〕
〔ハグレマキナに爆発〕

カトル「怒りと憎しみに心を任せちゃ駄目なんだ…! あのままじゃ、彼は僕と同じ思いをする事になる!」
〔味方ユニット出現〕
〔葵、前進〕

葵「手を貸すわ、ガンダム君」
カトル「あなたはドラゴンズハイヴの?」
くらら「向こうは私達の素性を知ってるみたいね。さすがはプリベンター」
ジョニー「くららさん、感心してる暇はありませんよ! まずはラインバレルを!」
朔哉「ったく、毎度毎度飽きもせずによく暴れるもんだ。んじゃ、やってや…」
〔光学ステルス作動〕
〔敵ユニット出現〕

くらら「紅いダンクーガ!!」
朔哉「また出やがったか!」
???(エイーダ)「鏡は少し本気を出させてもらうわ…」
〔???(エイーダ)、葵へ攻撃〕
〔葵に爆発〕

葵「くっ…! よりにもよって、こんな時に!」
ジョニー「ミッションレベルが辛口から超辛口になっちゃいましたね…!」
朔哉「こうなりゃヤケだ。両方まとめてかかってきやがれ!」
葵「いいノリね、朔哉君。やれるところまでやってやろうじゃん…!」
カトル「このままじゃ街が…!」
<戦闘開始>

<2PP・味方援軍1出現>
〈出撃準備〉

カトル「みんな!」
???(エイーダ)「やはり奴の動きは早いな。だが、今しばらくは…」
美海「カトル君、怪我は?」
カトル「僕は大丈夫です。それより早瀬君を早く止めてください!」
ゴオ「どうした、兄があった!?」
カトル「彼の友人…矢島英明君があのマキナの攻撃から彼をかばって犠牲になったらしいんです」
一鷹「!!」
美海「そんな…!」
カトル「そのせいで早瀬君は怒りに我を忘れてしまって…!」
森次「九条、南雲、ここは戦場だ。余計な感情は捨てろ」
一鷹「余計な感情だって!? 友達が死んだんだぜ、森次さん!」
ゴオ「いや、確かに今は悲しんでる場合じゃない」「見ろ! こうしてる間にも街の被害は大きくなっている」
一鷹「…!」
森次「感情に流されるな。この戦闘を終わらせる事に集中するんだ」「全機、ダンクーガとガンダムを援護しつつ、ラインバレルの動きを止めろ!」
剣児「よっしゃあ! 相手の数は少ねえんだ! 一気にいこうぜ!」
〔レーダー反応〕
鏡「待て、剣児! この反応は…」
山下「加藤機関ッスよ!」
〔敵ユニット出現〕
デミトリー「今日こそ捕まえてやるぞ、ラインバレル」
五飛「カトル、いつかこうなると予想はしていたが…」
カトル「五飛…君の真意を聞かせてもらう!」
沢渡「しかし、どうするよ? ガンダムはおデコちゃんに任せるとして…」
ユリアンヌ「ラインバレルとハグレさん、どちらも回収したいところね」
デミトリー「最優先はラインバレルだ。それを忘れるなよ」
シズナ「過渡期間の連中、しつこくラインバレルを狙いに来よったで!」
剣児「何度来たって同じだぜ! 今日もまた追い払ってやる!」
森次「ラインバレルを攻撃して、これ以上早瀬浩一を刺激するのは得策ではない」「加藤機関をラインバレルに近づけさせるな!」
一鷹「了解です!」

<ユリアンヌと戦闘>
ユリアンヌ「はじめまして、みなさん。私は加藤機関七番隊隊長ユリアンヌ・フェイスフルよ」「これ以上の邪魔はさせないわ!」

≪味方援軍1出現後≫
<浩一と戦闘(戦闘後)>

森次「あの動き…この前戦った時とは別人のようだ」「奴め、ファクターとして覚醒したという事か…!」

<一鷹vs浩一>
一鷹「浩一! そんなんじゃ、街の人を巻き込んじまうぞ!」
浩一「黙れぇぇっ!! 邪魔するなああああっ!!」
一鷹「くそおっ! なんでいつもこうなるんだよ!」

<カトルvsハグレマキナ>
ハグレマキナ「ランバレル捕獲…ファクター削除…」
カトル「せめて僕がこのマキナを見つけてさえいれば…!」

<葵vs浩一>
くらら「ちょっと、君! 冷静になりなさい!」
浩一「矢島の仇を取るんだあああっ!! うおおおああああーっ!!」
葵「この前は話を聞かず、今日は話を聞けずってワケ? いつもこの展開じゃ芸がないんだけどっ!」

<浩一vsハグレマキナ>
浩一「よくも矢島を殺したな! お前だけは許さない! 俺がこの手で倒してやる!!」
ハグレマキナ「ラインバレル捕獲…ファクター削除…」

<カトルvs五飛>
カトル「五飛! 君の戦いは本当にそれでいいのかい!?」
五飛「黙れ! 俺は俺の信じる道を行く! 真の正義のためなら、俺はあらゆる痛みに耐えてみせる!」
カトル「それだけ聞ければ十分だ。相手になるよ、五飛!」

<???(エイーダ)撃破orHP40%以下>
〔ダンクーガの警報〕
〔通信パネルの開く音〕

???(ウラジミール)「今日のところはもういいわ。戻って来なさい、R-ダイガン」
???(エイーダ)「…了解」
〔光学ステルス作動〕
〔敵ユニット離脱〕

くらら「ああっ! 二度も取り逃がすなんて…!」
ジョニー「正直、見逃してくれた感がありますけどね」
朔哉「ホント何なんだ、あいつ…。結局、田中さんも知らぬ存ぜぬの一点張りだしよ」
葵「それはわからないけど、敵の数が減った事は確かよ」「この調子で、ちゃっちゃと今回の任務も終わらせましょ!」
朔哉「了解。やってやっか!」

≪まだハグレマキナ健在≫
<ハグレマキナ撃破or浩一HP10%以下>

ゴオ「よし、奴の動きが止まったぞ!」
浩一「やめろおおおっ!! そいつは俺があああっ!!」
森次「山下!」
山下「了解ッス!」
〔山下、ハグレマキナへ攻撃〕
[イベント戦闘「山下vsハグレマキナ」]
山下「何考えてんだ、このマキナのファクアーは!」「当ててみせるッス!」「これでえぇぇぇーっ!
ハグレマキナ「排除失敗…任務失敗…」
山下「一丁あがりッス!」

〔敵ユニット撃破〕
山下「よしっ!」
浩一「!!」「…何してくれてんだ。そいつは矢島の…俺の仇だったんだぞ…!」「…せめて、せめて仇ぐらいは討ってやりたかったのに…。それをよくも…邪魔しやがってえええっ!!」「許さねえ…っ! お前らは矢島の仇同然だ! 叩き潰してやる…!!」
〔浩一、活性化〕
〔浩一、回復〕

鏡「な、なんてすさまじいパワーだ!」」
つばき「大地が…大地が揺れているわ!」
森次「完全にファクターとして覚醒したか…!」
浩一「うおおおおおっ!!」
森次「この反応は…ヴァーダントが怯えているのか?」
山下「ハインドの様子もおかしくなってるッス!」
美海「いったい、何が起こってるの…!?」
浩一「うおおおおーーーっ!!」
〔浩一、「エグゼキューター(最大出力)」使用〕
浩一「ぐっ、くうううぅぅぅ…矢島ぁぁぁぁぁーーっ!」「うおあぁぁぁぁ…!」「うあぁぁぁぁぁーーっっ!!」
〔マップ上に爆発〕
〔画面、振動〕
〔味方全機にダメージ〕

森次「ビーム兵器だと!?」
ミラ「あんな物を隠し持っていたなんて…!」
朔哉「秘密兵器はお約束ってか…!」
〔通信モニターの開閉音〕
城崎「あれはエグゼキューター…!」
静流「エグゼキューター…死刑執行人ってとこかしらね」
光司「冗談じゃねえ。死刑になんか、されてたまるかよ!」
山下「城崎さん! この前みたいに、君の力でラインバレルを止めらんないッスか?」
城崎「声が届かないんです…。何度呼んでも、かき消されて…」
石神「システムが自閉し、暴走してるんだ。早瀬君の感情をラインバレルが処理しきれていないようだね」
イクサー1「芽生えかけた正しい心が激しい怒りで歪んでいるのを感じます」「あのままでは、彼は偽りの正義に支配されてしまうでしょう…」
ゴオ「くそっ! もう一度さっきのを撃たれたら、この街は消し飛ぶぞ!」
一鷹「そんな! この街には俺や浩一の家もあるんだぞ! 友達だって住んでるのに…!」「それも浩一自身が壊すってのか? そんなの、絶対ダメだ!」
カトル(ゼロシステムに取り込まれた時の僕と同じ過ちを犯させるわけにはいかない! そんな悲劇は繰り返しちゃいけないんだ!)
城崎「エグゼキューターはエネルギーのチャージに時間がかかります! その間にラインバレルを止める事ができれば…」
森次「わかった。ラインバレルがエグゼキューターを使う前に止めるぞ!」
マサキ「加藤総司令、戦闘データの解析を開始します」
加藤「頼んだぞ、マサキ。さて…現場にはもう少し頑張ってもらうとしようか」
マサキ「撤退命令は出さないのですか?」
加藤「…………」

<五飛撃破>
五飛「ラインバレルの暴走…あれもひとつの結果だというのか」「だが、俺は戦わねばならん。この先に待つもののために…!」
〔敵ユニット離脱〕
カトル「五飛…。なぜ、君はいつも自分自身をつらい立場に追いやるんだ…」

<沢渡撃破>
沢渡「ちっ、これ以上は無理か…。…ったく、こう何度もしくじってたらマサキの野郎に笑われちまうぜ!」「だったらせめて…」
〔敵ユニット離脱〕
ゴオ「相変わらず、非木々際を心得てやがる…。手強い相手だな」
ミラ「この先、何度も戦う事になりそうね」

<デミトリー撃破>
デミトリー「またしても失敗か…。だが、これで我々がラインバレルを諦めると思うな!」
〔敵ユニット離脱〕
シズナ「くうっ、とどめ刺せへんかった!」
イズナ「さすがは隊長クラス。簡単にはやらせてくれないね…」

<ユリアンヌ撃破>
ユリアンヌ「…これ以上はまずいわね」「残念だけど、あんた達にばかり構ってもいられないのよ。また今度、遊んであげるわね」
〔敵ユニット離脱〕
剣児「あっ、待てよ! どこ行きやがんだ!」
鏡「加藤機関の作戦目的はラインバレルの確保ではなかったのか…?」

<浩一撃破orHP10%以下・勝利条件達成>
※※まだ敵健在の場合、セリフ追加※※
沢渡「優先度変更だぁ…? 納得いかねえが、仕方ねえ。一旦引き上げるぜ!」
〔敵ユニット離脱〕
鏡「何だ、あの引き際の良さは…?」
森次「別の目的もあるのだろうが、少なくとも…」
〔カーソル、浩一を指定〕
森次「主たる原因は…アレだ」

浩一「どうしてお前ら、俺の邪魔するんだよ! 俺は…矢島の仇を取りたかったのに!」「矢島…許してくれ! 矢島あああああっ!!」
〔浩一、活性化〕
〔浩一、回復〕

アリス「エグゼキューター、もう一度来ちゃいます!」
カトル「そうはさせない!」
〔カトル、浩一へ隣接〕
浩一「邪魔すんな! お前じゃ俺を止められないっていい加減、わかれよ!」
〔味方ユニット出現〕
ラシード「カトル様!」
アフマド「我々もお手伝いします!」
〔ラシード&アフマド&アブドル、カトルへ隣接〕
〔味方ユニット離脱〕
〔カトル、浩一へ攻撃〕

[イベント戦闘「カトルvs浩一」]
カトル「早瀬君、怒りと憎しみのとらわれちゃダメだ!」「みんな、頼みます!」
ラシード「わかりました、カトル様!」「くらえ!」
アブドル「おらおらおらあああっ!」
アフマド「おらぁっ!」
カトル「いくよ、サンロドック! ラインバレルを止めるんだ!!」
浩一「このままじゃ矢島に顔向けできねえ!」

〔浩一にスパーク〕
森次「今だ、山下! 奴を街外れに放り投げろ!」
山下「は、はい!」
〔山下、浩一へ隣接〕
山下「いけ、ハインド! バレットアーム!!」
〔浩一にダメージ〕
〔浩一、後退〕
〔森次、浩一へ隣接〕

森次「間に合えぇっ!!」
〔森次、浩一へ攻撃〕
[イベント戦闘「森次vs浩一」]
森次「これで大人しくなってもらうぞ、ラインバレル!」「……!」
浩一「ちきしょう…矢島ぁ…」

〔浩一にスパーク〕
浩一「なあ、矢島…。俺は…お前みたいに…なりたかったんだよ…」
〔浩一、機能停止〕
ゴオ「やったか!?」
山下「ラインバレル、活動停止したッス」
森次「よし。回収してJUDAに戻るぞ」
一鷹「浩一は無事なのか?」
美海「安心して。気を失っているだけみたい」
森次「無論、早瀬浩一も回収する。ファクターとして覚醒した以上、野放しにはできない」
アリス「街の被害も、どうにか最悪の事態は免れましたね」
〔パトカーのサイレン〕
剣児「けどよ、このままじゃ野次馬が集まるのも時間の問題だな」
森次「長居はできん。猿渡さん、未確認マキナの改修に手を貸してもらえますか」
ゴオ「わかった。ちょっと待ってくれ」
〔敵ユニット出現〕
ユリアンヌ「残念。そう何でも上手くいかないのが世の常よ」
沢渡「こいつはもともと俺達のマキナでな。返してもらうぜ!」
〔沢渡&ユリアンヌ、ハグレマキナがいた地点へ移動〕
〔敵ユニット離脱〕

剣児「おい! あのマキナ、持ってかれちまったぞ!」
鏡「加藤機関はこの機会をうかがっていたのか!」
一鷹「追いかけられるか!?」
〔通信モニターの開閉音〕
石神「いや、君達は戻ってきたまえ満身創痍で追いかけるなんて自殺しに行くようなものだからね」
芝草「メカニックとしても社長の意見に賛成だな。メカにも人にも優しくねえ」
レイチェル「みんな、さっさと戻ってらっしゃい。少しでも早く修理にかかりたいわ」
山下「頼むよ、レイチェル。いつにもまして激しい戦いだたからね…」
シズナ「早瀬の奴、目ぇ覚ましたらひねくれた根性、叩き直したるで!」
イズナ、姉さん、彼は友達を殺されて…」
シズナ「仇討ちやったら周りに迷惑かけて大暴れしてええんか!?」
イズナ「姉さん…」
ジョニー「…さて、僕達も帰りましょうか」
カトル「ダンクーガのみなさん、ありがとうございました。みなさんの協力のおかげでラインバレルを確保する事ができました」
葵「お礼なんかいいわ。謎の紅いロボットのせいであまり役に立てなかったし…」
カトル「あなた方も正体をつかめていないんですか?」
朔哉「まあな。って、そっちも知らねえのか?」
カトル「はい。プリベンターでも調査は進めているのですが…」「何かわかり次第、そっちらにも連絡がいくように手配しておきます」
葵「ありがと、ガンダム君」「…あ、そうそう。ラッシュバードの君?」
一鷹「は、はい」
葵「浩一君、助けられてよかったわね」
一鷹「………」
葵「LOTUSのみんな、それじゃ、いつかまた会いましょ!」
〔味方ユニット離脱〕
一鷹「俺にもう少し力があれば、街にも被害を出さずに済んだかもしれない…」「悠兄さんならきっと上手くやれたんだろうな…」
【戦闘マップ終了】

【シナリオエンドデモ開始】

地球圏エリア
シャングリラ/司令室
マサキ「今回のラインバレル奪取に失敗。行方不明だったアパレシオンは回収できましたが…」
加藤「構わないさ。彼の能力を引き出せたんだから上出来だ」
マサキ「あれが早瀬浩一の真の力というわけですか…」
加藤「まさか…。あれはまだ序の口、目覚めの産声とでもいうところかな…?」「うずくまって泣いていた子供がようやく自らの足で世界に立った…」「これからどんな風に成長していくのか、実に興味深いね」
マサキ「…………」「では、戦闘データの再解析を始めます」

ドラゴンズハイヴ/司令室
田中司令「すいません、本当に私も知らないんですよ」
葵「いつまでもそんなのが通用すると思う?」
くらら「命が惜しかったら、正直に言ったほうがいいわよ」
〔銃を構える音〕
田中司令「ちょ、ま、待って下さい。わかりました、正直に言いましょう」「予想がついている事はあります。が、それが真実かどうかは本当に知りません」「そんな不確定な情報を皆さんにお伝えするわけにもいきませんし…」
葵「そんなんで納得しろって言うワケ?」
ジョニー「それでも、わかっている事のひとつやふたつはあるでしょう?」
田中司令「おお! そうでした、あの紅いダンクーガをR-ダイガンと呼ぶ事にしました」「上から降りてきた話ですからこれはお話しちゃってもいいでしょう」
くらら「それだけ?」
田中司令「はい。すいません」
朔哉「ったく、馬鹿らしいぜ。こっちは命張ってんだ。今日だって人が死んでる」
ジョニー「僕も元サラリーマンですから、中間管理職の立場や気苦労もわかりますが…」
田中司令「それでも、わからないものはわかりませんし、答えられないものは答えられませんので…」
〔ドアノブを回す音〕
セイミー「ちょっと、何よ! 今日のダンクーガ、ボロボロじゃない」「私が目を離したスキにどんな戦いをしてきちゃったの!?」
ルゥ・リルリ「またカウンセリングをすっぽかす気だったんですか? 私、ずーっと待ってたんですけど!」
葵「…今日はここまでね。田中さん、その上司とやらにかけあっといてちょうだい」
朔哉「早いトコ回答が欲しいぜ。いい答えは期待してねえけどな」
田中司令「努力します」(さて…中間管理職としては会社の方針も気になりますし…少しだけ真実に近づいてみましょうかね)

???
〔画面、発光〕
矢島「何やってんだ、浩一」
浩一「矢島! お前…生きて…」
矢島「何だよ、変な顔して。俺の顔に何かついてるか?」
浩一「よかった…生きてて…矢島…!」
矢島「ほら、いつまでもそんなとこに座り込んでたら、置いてくぞ!」
浩一「あ、待ってくれ! 矢島!」
矢島「浩一…」
浩一「待って! 俺も置いて行かないでくれ! 矢島!」
矢島「…………」
浩一「やじまあああああっ!」

JUDA/医務室
浩一「はっ!」
緒川「やっとお目覚めのようね」
浩一「えっ?」
緒川「早瀬君、2日間も眠ったままだったのよ。なかなか目を覚まさないから心配したわ」
浩一「2日…そうだ! 俺はラインバレルで戦って…。矢島! 矢島はどこだっ!」
緒川「早瀬君、まずは服を着てくれないと…」
浩一「え? うわあああああーっ!?」

JUDA/通路
浩一「…で、ここは?」
緒川「JUDAの本社ビルよ。知ってるでしょ? 世界有数の医療機器メーカーJUDAコーポレーション…」「私は社長秘書の緒川結衣。よろしくね!」
浩一「別に自己紹介してもらう必要ないんですけど…」
緒川「あ~ら、資料どおり大きな態度ね。態度は大きいのに…残念ねぇ」
浩一「ちょっと! どこ見てんですか! さっきの裸は忘れてくださいよ!」
緒川「さあ、着いたわ。社長がお待ちですよ」
浩一「え?」

JUDA/社長室
石神「ようこそ、早瀬浩一君! 私がJUDAコーポレーション社長の石神邦生だ!」「さあ、遠慮しないで、こっちこっち。君のために、ちらし寿司を作ったんだ」
浩一「ちょっと待て! 何がどうなってるんだ?」

石神「…というわけだ、早瀬浩一君。君をLOTUSのメンバーに迎え入れたい」
浩一「は? なん…だって?」
カトル「LOTUS。国連事務局情報部直属の特殊機動部隊だよ」
浩一「ああっ! お前…カトル! なんでここに!?」
カトル「…今まで黙っていた事は謝ります」「僕は君の動向や性格を調べるために中学生になりすまして御崎中学に潜入したエージェントなんです」
浩一「なっ…!」
石神「我々は君のファクターとしての能力を必要としている」
カトル「僕達と一緒に世界の平和を守りませんか?」「君の罪を償うためにも正義の味方として…」
浩一「正義の…味方…」

JUDA/格納庫
森次「早瀬浩一が目を覚ましたそうだ」
一鷹「本当ですか! 俺、医務室に行ってきます!」
森次「今は社長と面談中だ。ここで待っていろ」
山下「森次さん。早瀬をLOTUSに入れるって本当ッスか?」
森次「ああ、そうだ」
山下「そんなの絶対無理ッス!」
シズナ「せやせや! マキナで見境のう暴れるようなアホ、入れたらアカンて!」
ゴオ「確かに彼の性格にやや問題があるのは過去の戦いで明らかだな」
光司「ああ。俺達の説得にも耳を貸そうとしなかったし…」
一鷹「ちょ、ちょっと待ってくれ。あいつとは長い付き合いだけど、別に悪い奴じゃねえんだ」「昔っから正義の味方に憧れてたとかで、つい夢が叶ってテンション上がって…」
レイチェル「確かに、ファクターになった人間は一時的に過剰は防衛本能が訪れるけど、今回はそれだけじゃ説明がつかないのよ」
ゴオ「一鷹、友達をかばいたい気持ちはわかるがよ…」「現状、早瀬浩一にはロボット乗りとしての資質が欠けていると判断せざるを得ん」
山下「そうッスよ! 僕はあいつを入れるのは絶対、反対ッス!」
森次「だが、これはレディ・アンも承認済みの決定事項だ。お前達には受け入れてもらうしかない」
山下「…………」
シズナ「どないなってまうんや…」

JUDA/社長室
石神「医療機器メーカーは表向きの姿でね。我々は国連の委託を受けて世界の敵と戦っているんだ」
浩一「世界の敵…?」
石神「加藤機関は知っているね?」
浩一「ああ。こないだも戦った奴らだろ。俺を…ラインバレルを狙ってる奴らだ」
石神「そう。加藤久嵩という男を総司令に据えた武装集団だ。どれ、顔をモニターに出そう」
〔通信モニターの開閉音〕
加藤「………」
浩一「こいつが…それじゃあ、矢島は…!」
石神「そう、君の親友を死に追いやった張本人だよ。だが、敵は彼らだけじゃない」「擬態獣、邪魔大王国、クトゥルフ、ダリウス軍…永久を狙う侵略者とも戦っているんだ」
カトル「だから、君とラインバレルの力がどうか君の力を貸して下さい」
浩一「…………」
石神「突然、話が大きくなって戸惑ってるのかな? まあ、平凡な中学生にはちょっとスケールが大きすぎるかもねぇ」
浩一「ば、馬鹿にするなっ!」
石神「だがね、怯える事はないよ」
浩一「怯えてない! 勝手に決めつけるな!」
石神「君には仲間がいる。私やカトル君、緒川君はもちろんいっしょに戦う仲間がね…」「ついてきたまえ」

ジブリール邸
ロゴスメンバー「ジブリール、ラインバレルの話はもう耳に入っているかね?」
ジブリール「それならすでに聞いています。実におもしろい報告でしたよ」「化け物どもを駆逐するのに大いに有用だとわかりました」
ロゴスメンバー「ほう…?」
ジブリール「報告通りの性能なら、たった1機のマキナで都市ひとつくらい吹き飛ばせます」
ロゴスメンバー「なるほどな。JUDAやレディ・アンが手に入れたがるのも理解できる」
ジブリール「加えて加藤機関も、です。これだけの破壊兵器ですから…」
ロゴスメンバー「で、どうするつもりなのかね?」
ジブリール「すぐにどうこうする気はありません」「LOTUSの連中が回収したそうですからいずれ我々の自由にできますよ」「正当な手段…そう、民主的なやり方でね」
ロゴスメンバー「期待させてもらって構わんのだね?」
ジブリール「ええ。任せて下さい」「ところで、ディオキアへの攻撃準備はどうなっています?」
ロゴスメンバー「もうすぐ準備が整う。楽しみにしていたまえ…」

JUDA/レストルーム
〔ドアの開閉音〕
石神「紹介しよう。君と一緒に戦うLOTUSの仲間達だ!」
浩一「………」
シズナ「あのアホ…ようもノコノコと…!」
一鷹「浩一っ!」
浩一「一鷹? どうしてお前が…」
一鷹「忘れちまったのかよ? 前に戦った時、声だってかけたのに!」
浩一「…絶対、偽者だと思ってた。ほら、キバイダーとかだと偽者の出現ってお約束だったし…」
一鷹「お約束ってお前…。まあ、気持ちはわかるけどよ」
浩一「だよな? わかるよな!?」
山下「社長、やっぱ駄目ッスよ。こんな馬鹿がいたんじゃ、チームワークが乱れるだけッス!」
石神「まあまあ、そう言わないで、山下君」
美海「そうよ、チームワークなんてこれから作ればいいんだから」「あ、私はペインキラーのパイロットで九条美海。よろしくね、浩一君」
浩一「は…はぁ、どうも」
森次「早瀬、チーム加入にあたってお前に言っておきたい事がある」「お前の戦い方はラインバレルの機体性能に依存しすぎだ。「あれではすぐに限界が来る」「以前の南雲と同様、一定のレベルまで鍛えなければただの足手まといになる」
一鷹「そんじゃ俺と一緒に特訓、頑張ろうぜ! な、浩一!」
浩一「ちょっと待て! 俺はまだ一緒に戦うなんて言ってないぞ!」
石神「早瀬君…」
浩一「…帰ります! 足手まといに用はないでしょうから!」
石神「そうか…。まあ、ゆっくり考えたまえ。いい返事を期待しているよ」
浩一「約束なんて、してませんから…!」
〔ドアの開閉音〕
一鷹「浩一…」
森次「交渉決裂…ですか」
ゴオ「無理もない。受け止めなきゃいけない事が多すぎるんだ」「社長、彼が気持ちを整理するのを待ってから、改めて話をしてみちゃどうです?」
石神「そうさせてもらうよ。…残念だねぇ。すぐにでも仲間になると思ったのに」
ミラ「でも、石神社長だって彼がすんなり言う事を聞いてくれるとは思ってなかったでしょう?」
石神「まあ、ね。だから、もう少しだけ待ってみるさ」「それでも答えが変わらないなら…その時は…」

JUDA/通路
浩一「何だ? 携帯も学生服も新品が用意されてやがる」「社員への支給品のつもりか? 余計なお世話だってんだよ、くそっ!」
城崎「早瀬君…」
浩一「あ…城崎…」
城崎「…あなたは自分のしてきた事の意味をどれだけ理解していますか?」
浩一「…!?」
城崎「ラインバレルの力を手に入れて、あなたがしてきた事は何ですか?」「あなたは常に自分の事しか考えてない」「ちっぽけな自尊心と、くだらない虚栄心を満たすためだけに力を使って…」「周りに迷惑をかけて、正義の味方を名乗っても何ひとつ守れない」「子供のごっこ遊び以下です!」
浩一「な…んだと!?」
城崎「ファクターの力は得ていても、あなたはラインバレルにふさわしい存在ではないんです」「お友達が亡くなったのは…あなたのせいです!」
浩一「!!」
城崎「あなた、最低です!」

???
F.S.「今日の戦い、見ていたかね?」
〔大型モニターの開閉音〕
???(WILL)「ああ。ラインバレルのファクターの覚醒…実に興味深い。あれもまた人類の可能性のひとつか…」
F.S.「はなはだ未熟ではあるがね…。だが、大きな可能性を秘めているのは間違いない」
???(WILL)「君はあれ以外にもまだ可能性があると思うかね?」
F.S.「ああ、そう信じたい。対抗するための力は一つでも多い方がいい」「あなただって、そのためにサプライズ…R-ダイガンを私に秘密で用意させていた」
???(WILL)「それだけではない。R-ダイガンにより刺激を与える事が進化に繋がる」「私が生命の歴史を傍観し、学んだ事だよ」
F.S.「サプライズはR-ダイガンだけで結構だよ?」
???(WILL)「残された時間は少ない。君が喜ぶ答えを私は持ち合わせていない」
F.S.「ならば、こちらもそれなりの用意をしなければならない。…大切な友人達のためにね」

クトゥルフ要塞/サー・バイオレットの部屋
サー・バイオレット「コバルトにお別れを言いましたか?」
セピア「…はい、サー・バイオレット」
サー・バイオレット「セピア、愛する人を失ったあなたの悲しみはわかります」「ですが、あなたは戦士としての教育と調整を受け、見事、戦士となりました」「いつまでも悲しんでいるわけにはいきませんよ?」
セピア「…………」
サー・バイオレット「あなたはコバルトの後を継ぎ、イクサー1を打倒するイクサーΣのコマンダーに任命されたのですからね」
セピア「はい、それはもちろんわかっています。ですが、コバルトがあまりにも不憫で…」
サー・バイオレット「その悲しみと怒りをすべてイクサー1に向けるのです。わかっていますね、、セピア?」
セピア「はい。必ずイクサー1を倒します。そしてコバルトの無念を晴らしてみせます」
サー・バイオレット「ビッグゴールドは既に行動を開始されました」「もうすぐあなたのパートナーが誕生するのですよ」
セピア「私の…パートナー?」

クトゥルフ要塞/調整槽
サー・バイオレット「これをご覧なさい…」
セピア(…これは培養カプセル? 中に何か…いる?)
サー・バイオレット「あなたのパートナー、イクサー2です」
イクサー2「こんにちは、セピア」
セピア(これはイクサー1と同じ…人造人間…!)
イクサー2「私の可愛いパートナー。仲良くしましょうね…」
セピア「は、はい! こちらこそ、よろしく…!」
サー・バイオレット「ふふっ…。驚いたようですね、セピア」「イクサー2、そしてイクサーΣ…彼らが覚醒し、行動を開始すれば…イクサー1とて、もはや敵ではありません」
イクサー2「セピア…一緒に戦える時が楽しみだわ。私の分身、イクサーΣで…」
セピア(コバルト…あなたの仇は必ずとってみせる…!)
【シナリオエンドデモ終了】


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