シーン２ 巨神達の邂逅
No.10
ＣＯＮＦＬＩＣＴ
＜ファースト 第３新東京市＞
日本地区で発生した大規模な停電。それは、ガルファの恐る
べき作戦の始まりであった。そして、北斗と銀河は第３新東
京市へ降下した凰牙を迎え撃つため、出撃する…。
【シナリオデモ１開始】
螺旋城
螺旋城「…では、アルテア殿は単騎でデータウェポンの捜索に向かわれると？」
アルテア「そうだ。陛下からの命令を遂行するのに、お前達の力を借りる必要はないのでな」
螺旋城「しかし、それでは…」
アルテア「お前に与えられた権限は私の行動を制限するものではない。それ故、好きにやらせてもらう」「お前達はお前達で地球人類殲滅作戦を遂行し、せいぜい手柄を立てるがいい…」
〔歩く足音〕
螺旋城「むう…」
ディオンドラ「おやおや、さしものお館様も親衛隊長様の前じゃ形無しみたいだねぇ」
ギガアブソルート「口が過ぎるぞ、ディオンドラ」
ディオンドラ「そうかい。なら、秘策を教えるのはやめにしようか」
ギガウィッター「秘策だと…？」
ディオンドラ「そうさ。電童…そして、データウェポンを手に入れるためのね」
螺旋城「ならば、聞かせてもらおうか？」
ディオンドラ「高くつくよ？」
螺旋城「成功した場合は、お前の功績を皇帝陛下へ伝えよう」「さすれば、その話はガデス殿の耳にも入り…」「お前のコマンダーランキングとやらが上がることになるだろう」
ディオンドラ（フン…聞くだけにしておいてやるよ）
螺旋城「それで、策とは？」
ディオンドラ「あの電童は電気で動いているんだろう？」
螺旋城「そうだ」
ディオンドラ「なら、そいつを元から断っちまえばいいのさ。そうすれば、奴は動けなくなる」
ギガウィッター「フン、どのような策かと思えば…」
ギガグルメイ「同じことは我らもとうの昔に考えたわ」
ディオンドラ「だったら、どうして実行に移さないんだい？」
ギガアブゾルート「チップからの報告で、人間共がその問題を解決したと判明した」
螺旋城「そう…戦闘中にデンチを交換することによってな…」
ディオンドラ「ハッ、デカい図体のくせにスケールの小さいことをいう奴だね」
螺旋城「どういう意味だ…？」
ディオンドラ「言ったろ？ 元から断つってね」「つまり、奴らがいる日本とかいうエリア全ての電気をなくしちまうのさ」
ＧＥＡＲ本部
甲児「いや～…いい風呂だったな」
ケーン「ああ。さすがにネェル・アーガマのはあそこまで広くねえからな」
甲児「さすがはＧＥＡＲ本部ってことか。伊達に頭ン上が遊園地になってねえよな。風呂まで充実してるたぁ驚きだぜ」
ケーン「岩風呂、電気風呂、露天風呂…何でもアリだしなぁ」
甲児「ありゃ、ちょっとした温泉を超えてるぜ」
〔扉の開閉音〕
アクア「あら？ ケーン君達、もう上がったの？」
ケーン「ああ。アクアさん達はこれからかい？」
アクア「そうよ。プルちゃんやルーと一緒にね」
プル「ねえねえ！ どうだった、お風呂？」
甲児「プルなら、目移りすること間違いなしだな」
プル「ホント！？ んもう、すっごい楽しみ！ ねえねえ、早く行こ、行こ！」
ルー「わかったから、そうせかさないで」「あ、そうそう…」「のぞいたら、ビンタ百連発じゃすまないわよ？」
ケーン「だ、誰がのぞくかっての！」
甲児「俺達を見損なってもらっちゃ困るぜ」
ルー「でも、信用できないもの」
ケーン「タップじゃあるまいし…。いいから、早く行ってきなって」
プル「うん！ プルプルプルプル～ッ！！」
アクア「あ、プルちゃん！ 走ったら危ないわよ！」
〔扉の開閉音〕
甲児「…ケーンさん」
ケーン「甲児さん」
甲児「行きますか」
ケーン「行かれますか」
甲児「男として、このチャンスを逃したら…」
ケーン「一生後悔すること間違いナシ」
甲児「ビンタが恐くて…」
ケーン「ギガノスと戦えるかってんだ！」
〔扉の開閉音〕
ヒューゴ「………」
ケーン「あ、ヒューゴさん…」
甲児「もしかして、今の聞いてた？」
ヒューゴ「何の話だ？」
甲児「い、いや…別に」
ケーン「ところで、ヒューゴさんは風呂に入ったの？」
ヒューゴ「いや…俺はみんなの後でいい」
甲児「もしかして、風呂嫌いとか？」
ヒューゴ「そうじゃないさ」「それより、ダグラス中尉がＢ班の連中を集めてミーティングをすると言っていた」「時間は２０分後…遅れないようにな」
甲児「ああ、わかったぜ」
ヒューゴ「それから…のぞきはやめておけ。中尉にバレたらタダじゃすまないぞ」
〔扉の開閉音〕
甲児「…やっぱ、聞こえてたのかよ」
ケーン「それよか、ミーティングのことだけど…。Ｂ班なら、俺達だよな」
甲児「ああ、ヒューゴさんもな」
ケーン「２０分後だったら、風呂に入るのはちょっと厳しいぜ？」
甲児「滅多にねえ機会だから、さっさと行きゃあ良かったのに」
ケーン「もしかして、みんなと風呂に行くのが嫌だとか…」
甲児「そう言えば、あの人…作戦が終わった後なんかもこっそり一人で着替えてるしな」
ケーン「他人に裸を見られるのが嫌なんじゃねえか？」
甲児「だったら、腹に穴の開いたシャツなんて着ねえだろ」
ケーン「そうだよなぁ。他に何か理由があるのかな」
〔扉の開閉音〕
アクア「ケ、ケーン君！」
ケーン「どうしたんだ、アクアさん？」
甲児「もしかして、その格好で風呂に入ってたのかよ？」
アクア「そうそう、何かあった時、すぐに配置につけるし…」「って、違うわよ！ お風呂！ お風呂のお湯が水に！！」
甲児「水！？」
〔ブレーカーの落ちる音〕
〔画面、暗転〕
ケーン「な、何だ！？」
甲児「て、停電かよ！？」
第３新東京市
ケンスケ「なあ、シンジ。エヴァンゲリオン弐号機が数十秒で使徒を倒したって話…本当かい？」
シンジ「よ、よく知ってるね…そんなこと」
ケンスケ「俺の父さん、ネルフに務めてるからね。パソコンをのぞけば、わかるんだよ…そういうこと」
シンジ（それって、機密保持ってのに問題があるんじゃないかな…）
ケンスケ「なあなあ、弐号機ってどうなんだ？」「初の量産型エヴァンゲリオン…しかも、本格的な実戦用なんだろ？」
シンジ「そうだな…。とりあえず、赤い…かな。でも、僕の初号機みたいな角はないよ」
ケンスケ「量産型で赤！？ しかも、角なし！？ わかってない、わかってないなあ！」
シンジ「ど、どうして？」
ケンスケ「赤い奴ってのはレアで、角つきで、３倍速くなきゃダメなんだよ！」
シンジ「そ、そんなの知らないよ…」
ケンスケ「認めたくない、認めたくないな！ そりゃ、若さ故の過ちって奴だ！」
トウジ「…お前、さっきから何をワケのわからんことゆうとるんや？」
ケンスケ「あ、トウジ…。妹さんの見舞いは終わったのかい？」
トウジ「ああ。とりあえず、変わりはなかったわ」
シンジ「………」
トウジ「…シンジ、もう気にすることあらへんて」「そら確かにワイの妹は、お前のエヴァンゲリオンと使徒の戦いに巻き込まれてケガしてもうたけど…」「あれは仕方ないことやったんやて思っとるんや。だから、気にせんでええ」
シンジ「…ごめん…トウジ…」
トウジ「そないにシケた面すんなや。それよか、タコ焼きでも食いに行こか」
ヒカリ「待ちなさい！ 掃除もせずにどこ行く気なの！？」
トウジ「ゲ、委員長…！」
アスカ「ほ～ら、見なさい、ヒカリ。私の言った通りでしょ？」「この三バカトリオが真面目に掃除なんてするわけないんだから」
トウジ「うるさいわい！ ワイは今来たばっかりやっちゅーねん！」
アスカ「そんなの関係ないわ！ 罰として、明日も掃除やんなさいよ！ いいわね！？」
トウジ「アホなこと言うな！ 明日は大阪タイタンズのナイター中継があるから、はよ帰らなアカンのや！」
アスカ「タイタンズだかティターンズだか知らないけど、罰は罰よ！ 逃げられると思わないことね！」
ケンスケ「あ…相変わらずキッツい性格」
アスカ「何か言った！？」
ケンスケ「あ…いや、別に」
シンジ「あのさ、ケンスケ…。ここだけの話なんだけど…」「弐号機のパイロットって、アスカなんだ」
ケンスケ「ええ～っ！？」
アスカ「そこっ！ 何コソコソ話してんのよっ！」
シンジ「べ、別に何でもないよ」
トウジ「…しゃあないなァ。ほな、さっさと掃除しよか」
ヒカリ「鈴原…はい、これ」
トウジ「何や？ クリーナーか？」
ヒカリ「そうよ。これを使えば、掃除が早く終わるでしょ」
アスカ「ちょっと、ヒカリ！ 三バカも甘やかしちゃダメよ！ こいつらにはホウキで充分だわ！」
ヒカリ「でも…もうすぐ下校時間だし。シンジ君も…はい、これ」
シンジ「ありがとう」
トウジ「おい、委員長。このクリーナー、動かへんで？」
ヒカリ「え？ 電源コード、ちゃんとつなげてるけど…」
シンジ「あ…僕のも動かないや」
アスカ「ひょっとして…停電？」
シンジ「そうかも…」
レイ「………碇君」
シンジ「綾波…君もまだ残ってたの？」
レイ「…私達に緊急召集がかかったわ」
シンジ「え…！？」
アスカ「もしかして、使徒が…！？」
レイ「わからない。詳しい話は聞かされていないもの」
シンジ「とりあえず、本部へ行った方がいいんじゃないかな」
アスカ「そうね。緊急って言うからには、何か起きたと見て間違いないわね」
ネルフ本部
シゲル「第３新東京市内、ＡブロックからＦブロックまでの電力供給状況…通常の８％まで低下」
マコト「ここの上だけじゃない、他の地区も停電しているぞ」
シゲル「ああ…どんどん広がっているみたいだな」
ミサト「…状況は？」
マコト「関東圏を中心に、大規模な停電が同時発生しています。今のところ、原因は不明です」
シゲル「このままでは、１時間以内に日本地区の約３割が停電状態に陥ります」
ミサト「ウチには自家発電施設があるからとりあえず何とかなるとして…」「大規模な停電が多方面で同時に発生するなんて…通常じゃあり得ないことね」「まさか…使徒の仕業？」
リツコ「…その可能性は限りなく低いわ」
ミサト「じゃあ、何なの？ 赤木博士」
リツコ「さあ…。それより、例のハッキングの方が問題よ」
ミサト「ここ数日の間、ＭＡＧＩにちょっかい出してるっていう…あれ？」
リツコ「ええ、そうよ。今も来ているわ」
ミサト「え…！？」
マヤ「防壁解凍、疑似エントリー展開。逆探の準備、完了しました」
リツコ「パターンＣで逆探開始。デコイも忘れないで」
〔エラー音〕
マヤ「目標、ロストしました！」
リツコ「…いつものごとく、逃げ足が早いわね」
ミサト「何らかの被害があったの？」
マヤ「いえ…。目標はデータの引き出しや破壊をせずに消えました」
ミサト「悪意や敵意はないってこと？」
マヤ「はい。ハッキングの目的すら不明です」
リツコ「こちらをからかってるだけなのかも知れないわね」
ミサト「そんな…！ あのホシノ・ルリ少佐ならともかく…」「どんなに優秀なハッカーでもＭＡＧＩのハッキングなんて不可能のはずよ」
マヤ「ええ。ＭＡＧＩは人格移植ＯＳを搭載した第７世代スーパーコンピュータですから」
リツコ「内部の犯行という線もあるけど、見当はついてるわ」
ミサト「ＭＡＧＩが答えを出したの？」
リツコ「そう。賛成２、条件付き賛成１で導き出された回答は…」「データウェポンよ」
ミサト「何ですって…！？」
ＧＥＡＲ本部
渋谷長官「…愛子君、各地の電力供給状況は？」
愛子「芳しくありません。平均して通常供給量の１０％以下まで低下しています」「また、停電地区は次々に増えており、このままでは…」
渋谷長官「…井上博士、停電の原因についての見当は？」
井上博士「それが…大変妙なことになっていまして」
渋谷長官「どういうことかね？」
井上博士「対象区域にあるどの発電施設も、故障や誤作動をしているわけではないんです」
渋谷長官「では、人間の仕業ではないということか？」
井上博士「はい。信じられないことですが、何者かが何らかの方法で各地の電力を吸収し…」「どこかに蓄えているかと思われます」
渋谷長官「吸収し、蓄えるだと…？ そんな馬鹿な。生半可な電力ではないのだぞ」「第一、それだけのエネルギーが動いておるのに何故、吸収元が判明せんのだ？」
井上博士「ええ、まったく…謎は深まるばかりです」「いくらガルファでもこのようなことは不可能かと…」
渋谷長官「この状況がしばらく続くなら、連邦政府からの要請を受け入れざるを得ないな」
井上博士「では、ハイパーデンドーデンチを…？」
渋谷長官「うむ。あれ１本でかなりの地区の電力がまかなえるからな」
愛子「しかし、それではガルファが攻めてきた場合に…」
渋谷長官「その時は、連邦軍やネェル・アーガマ隊の他の機体に頼るしかない」「何よりも、停電によって各地区のライフラインを止めるわけにはいかんのだ」
井上博士「ええ…自家発電装置を持っている施設も多いとは言え、このままでは日本中の混乱が続くことになります」
渋谷長官「井上博士、早速ハイパーデンドーデンチを各地区へ手配してくれたまえ」
井上博士「わかりました」
銀河「ええっ！？ ハイパーデンドーデンチを！？」
吉良国「ああ、停電した地区に電力を供給するためにね。昨日から各地への輸送が始められてるよ」
北斗「あのデンチって、そんなに容量があったんだ…」
エリス「ええ。だから、電童はあれだけのパワーを出せるのよ」
銀河「けど、デンチを持って行かれたら、電童が動かなくなるじゃねえか！ もし、ガルファが来たらどうすんだ！？」
吉良国「各地へ配られるのはＧＥＡＲ本部内でストックしていた予備分なんだ」「それに、当面の作戦で必要な分はセルファイターに積んであるから、何とかなるよ」
銀河「でも、銀河が言ったようにガルファが攻めてきたら…」
〔レーダー反応〕
銀河「！？」
北斗「ま、まさか…ホントに！？」
渋谷長官「敵襲か！？」
愛子「はい、ガルファ機獣群です！」「静岡地区、福井地区、秋田地区、岡山地区、徳島地区、札幌地区、大分地区を同時に襲撃しています！」
井上博士「そ、そんな広範囲を…！？」
愛子「現在、連邦軍の各方面部隊がガルファ機獣群と交戦中です！」
井上博士「あ、待って下さい！ 彼らが襲撃している地区はもしや！？」
愛子「はい、停電地区と一致しています！」
渋谷長官「むう…！ やはり、停電はガルファの仕業か？」
井上博士「では、いずれこの星見町にも…！？」
〔メテオの警報〕
愛子「いえ、もう現れました！ 新たなガルファ機獣群が星見町区域へ接近中です！」
渋谷長官「総員戦闘配置！ ネェル・アーガマ隊に出撃要請を！」
愛子「了解！」
螺旋城
ディオンドラ「フフフフ、作戦は上手くいってるみたいだねぇ」
螺旋城「詳しい状況は…？」
ギガアブソルート「チップからの報告によりますと、電童のデンチはすでに日本各地へ輸送済みです」
ギガウィッター「さらに、電童は今送り込んでいる機獣と戦闘で残り分をも使い尽くすでしょう」
ギガグルメイ「そして…電気がなければ、デンチのチャージは出来まい。故に、奴は今回の戦闘後、動けなくなる」
螺旋城「見事な作戦だ、ディオンドラ」
ディオンドラ「フフフ…お褒めにあずかり、光栄だね」
ギガウィッター「参考までに一つ聞きたい。日本の電力を人知れず吸収し、圧縮しておるあれは何だ？」
ディオンドラ「ああ、あいつは前の星にいた時に使っていた…フェノメナさ」「電気や雷を操り…その気になれば、惑星一つの地軸を狂わせることだって出来る」
螺旋城（…彼奴らがそのような超兵器を持っていたとはな）
ディオンドラ「さて…そろそろ私も地球へ行く準備をするよ」
ギガアブソルート「作戦の仕上げか？」
ディオンドラ「そうさ。どのみち、先に降りているアルテアも今回のことに気づいているだろうし…」「あいつにお宝を奪われるのはシャクだからねぇ」
星見町
トーレス「ガルファ機獣群、後退を開始しました！」
サエグサ「電童が追撃に入ります！」
ブライト「いかん、行かせるな！ ただでさえも彼らはファイナルアタックでデンチを使ってしまっている！」「このままでは、ストックが全てなくなるぞ！」
〔レーダー反応〕
トーレス「連邦軍レーダーサイトより報告！ ポイントＨ９９８７付近で、凰牙らしき機影を発見！」
ブライト「何！？ 奴はどこへ向かっている！？」
トーレス「第３新東京市です！」
ブライト「第３新東京市…！ まさか、ネルフ本部へ！？」
〔通信の入る音〕
ベガ「ブライト艦長、私達電童チームは凰牙を追って第３新東京市へ向かいます！」
ブライト「君達だけでは危険すぎる！」
ベガ「またガルファが襲ってくるかも知れません…！」「艦長達は星見町区域の警戒をお願いします！」
【シナリオデモ１終了】
サブタイトル
「ＣＯＮＦＬＩＣＴ」
【戦闘マップ１開始】
シゲル「目標、上空より降下！ 第３新東京市内に侵入します！」
〔敵ユニット出現〕
ミサト「現れたわね…！」
アルテア「奴の反応があったのは、ここか」
ミサト「なるほど、まさに黒い電童ね。青い方は？」
マコト「間もなく、第３新東京市へ進入します！」
〔味方ユニット出現〕
アルテア「フン…現れたのは電童と雑魚だけか。螺旋城達の策も少しは役に立つな」
ベガ（アルテア…？ いえ、そんなことはないわ…！ メテオが言った通り、生きているはずが…）
エリス「凰牙がここに現れたということは…もしかして、データウェポンが！？」
銀河「だったら、今日こそ俺がもらうからな、データウェポン！」
北斗「すごい、気合入りまくりだね！」
ベガ「…こちらはＧＥＡＲ副司令、ベガです。これより、敵との戦闘に入ります」
ミサト「ネルフ作戦部の葛城ミサト一尉です。迅速なご対応に感謝します」
冬月「ＧＥＡＲ副司令自らの出動とはな…」
マコト「彼女の声、葛城一尉に似ていますね」
ミサト「え？ そうかしら？」
マコト「はい。他人とは思えませんよ」
リツコ「でも、友人にはなれないかもね」
ミサト「…そうね。この対応じゃ…」
ベガ（どうやら、電童の援護はしてくれないようね。向こうも色々ワケありなのはわかるけど）
銀河「準備はいいか、北斗！？」
北斗「うん！」
シンジ「！ 子供の声だ…」
アスカ「電童って、私達より年下の子が乗ってんの？」
ミサト「ええ、そうよ」
アスカ「ふ～ん…じゃ、その子達と噂の電童のお手並み拝見ね」
シンジ（僕よりも年下の子が…あれに…）
銀河「ベガさん、吉良国さん！ あいつの相手は俺達だけでやるぜ！」
吉良国「何だって！？」
ベガ「何を言ってるの、銀河君！ 凰牙はそんなに甘い相手じゃないわ！」「それに、さっきまでガルファと戦闘をしていたせいで、デンチのスペアはあと１本しかないのよ！」
銀河「平気、平気！ 前の時だって、あいつをやっつけられたんだからさ！」
ベガ「でも！」
北斗「僕達だって考えてます。スペアのことと凰牙の強さだってわかってますよ」
ベガ「北斗君…！」
エリス「ベガさん、とりあえずは二人の言う通りにした方がいいと思います」
ベガ「エリス、あなたまで…！」
エリス「この辺りに、データウェポンのものらしきエネルギー反応が見られます」
ベガ「何ですって！？ それ、本当なの！？」
エリス「はい。それを凰牙に奪われないようにするためにも、私達はここで調査に専念した方がいいと思います」
ベガ「………」
エリス「それに…ネルフがエヴァンゲリオンを出動させていない理由も気になりますし」
吉良国「言われてみれば…」
ベガ「使徒がここへ現れるとでも言うの？」
エリス「…断言は出来ません」「しかし、自分達の街に敵が現れたにも関わらず…ネルフが何の動きも見せていないのは不自然です」
吉良国「単にエヴァンゲリオンを出し惜しみしてるだけなんじゃないのか？」「あれは対使徒戦用の兵器だし…電童と同じように電力供給で動いているんだから」
エリス「でも…！」
ベガ「わかったわ。私達は周辺を調査・警戒しましょう…。北斗君、銀河君、くれぐれも慎重にね」
銀河「オッケー！ 北斗、ユニコーンドリルで一気に決めちまおうぜ！」
北斗「わかった！ ユニコーンドライブ！ インストーーール！！」
ベガ「えっ！？」
〔ユニコーンドライブ、インストール〕
〔北斗、変形〕
アルテア「ほう…ならば、こちらも！ バイパードライブ！ インストール！！」
〔バイパードライブ、インストール〕
〔アルテア、変形〕
エリス「いきなり、データウェポンをインストールするなんて！」
ベガ「ハイパーデンドーデンチのスペアはあと１本しかないって言ったでしょう！！」
銀河「だからさ！ ファイナルアタックで一気にあいつを倒すんだよ！」
ベガ「そんな無茶な！ エネルギー消費のことを考えて！」
リツコ「あれがデータウェポン…」
マヤ「！ 何者かがサブ・コンピュータへのハッキングを開始しました！」
ミサト「もしかして、あのデータウェポンが？」
マヤ「いえ、あれではありません。しかし、同種であることに間違いはないと思われます」
ミサト「つまり、ここにはデータウェポンが３体いるってことね…」
リツコ「パターンＬで逆探をかけて」
マヤ「了解！」
ミサト「捕捉できるの？ 赤木博士」
リツコ「………」
マヤ「Ｃモードで対応中…防壁を解凍し、疑似エントリーを展開します」
リツコ「…逆探をかける前に、外へ出るつもりかも知れないわね」
マヤ「え？」
ミサト「仲間を主が現れたから、ってこと？」
リツコ「ええ」
銀河「行くぞ、北斗！」
北斗「うん！」
アルテア「さあ、来るがいい！ 電童！」
＜戦闘開始＞
＜北斗vsアルテア＞
北斗「行くよ銀河、ユニコーン！」
銀河「凰牙だか何だか知らないがあいつのデータウェポンも奪ってやるぜ！」
＜北斗vsアルテア（戦闘後）＞
銀河「ヘヘッ、これだったらいけるぜ！」
北斗「うん、そうだね！」
ベガ「北斗君、銀河君！ ユニコーンドリルの力に頼り過ぎちゃいけないわ！」「あれを取ったからって、あなた達自身が強くなったわけじゃないのよ！」
銀河「心配すんなって！ いざとなったら、ファイナルアタックを使うからさ！」
ベガ「しくじったら、それで終わりなのよ！？」
エリス「ベガさんの言う通りよ！ 今からファイナルアタックを使うのなら、デンチを換えなきゃならないんだから！」
銀河「大丈夫！ 何たって、こっちにゃユニコーンドリルがいるんだぜ！」
＜北斗orアルテアＨＰ７０％以下＞
北斗「こうなったら、ファイナルアタックで一気に凰牙を！」
銀河「ああ、わかったぜ！」
北斗「吉良国さん、ハイパーデンドーデンチを！」
吉良国「仕方がない…！ 残り１本、無駄にするんじゃないぞ！」
[デモムービー「ハイパーデンドーデンチシュート（セルファイター×電童）]
〔北斗、気力上昇〕
銀河「よっしゃ、これでファイナルアタックが使えるぜ！」
アルテア「…良かろう。あれを手にするのは、お前達を倒した後にしよう」
マヤ「！ サブ・コンピュータへのハッキングが停止しました！」
マコト「Ｂエリアに放電現象を確認！」
リツコ「どうやら、外へ出たようね」
エリス「来た！」
〔第４軍ユニット出現〕
レオサークル「………」
ベガ「あれはレオサークル！！」
銀河「な、何だって！ 北斗、今の聞いたか！？」
北斗「でも、ここで凰牙に背を向けたら、僕らがやられる！」
エリス「二人とも、いったん下がって！ ここでファイナルアタックを使ったら…」
北斗「いや、レオサークルをセーブするのは、凰牙をやっつけた後で！」
ベガ「！ やめなさい！！」
〔北斗、アルテアを攻撃〕
[イベント戦闘「北斗vsアルテア」]
北斗「ええっ！？」
銀河「か、かわされた！？」
〔北斗、パワーダウン〕
〔銀河、変形〕
北斗「ユ、ユニコーンドリルが！！」
銀河「消えちまった！？」「し、しまった！ デンチが！！」
吉良国「ま、まずい！ すぐに援護を！！」
アルテア「戦いは武器だけで決まるわけではないわ」「データウェポンさえあれば、勝てると思ったか…。フッ、無知で未熟なパイロットめ」
北斗「ううっ！」
銀河「や、やられる！？」
アルテア「では、お前達に見せてやろう…！ バイパーウィップの真の力をな！！」
〔アルテア、気力上昇〕
〔アルテア、銀河を攻撃〕
[イベント戦闘「銀河vsアルテア」]
ミサト「！ 電童が！！」
ベガ「北斗！ 銀河君！！」
北斗「う、うううっ！」
銀河「あ、あああ…！」
アルテア「さあ…これで終わりだ、電童！」
銀河「うわあああっ！！」
アルテア「む！？ この反応は！？」
〔ネルフの警報〕
ミサト「どうしたの！？」
シゲル「未確認飛行物体、接近中！ 塔ノ沢上空を通過！」
ミサト「何ですって！？」
ゲンドウ「来たか…。予定より遅れたな」
冬月「ああ、第５の使徒だ」
シンジ「！」
アスカ「こんな時に使徒！？」
ゲンドウ「…総員、第一種警戒態勢」
マコト「了解！ 総員、第一種警戒態勢！」
レオサークル「………」
〔第４軍ユニット離脱〕
エリス「ああっ、レオサークルが！！」
アルテア「…これ以上の長居は無用か。命拾いをしたな、電童のパイロット」
〔敵ユニット離脱〕
ベガ「凰牙…！」
吉良国「ふ、副司令！ レーダーに巨大な物体の反応が！！」
ベガ「まさか、ガルファ！？」
吉良国「ち、違います！」
シゲル「目標は芦ノ湖上空に侵入！」
ゲンドウ「弐号機は待機。初号機を出撃させろ」
ミサト「了解！ シンジ君、出番よ！」
シンジ「………」
ミサト「どうしたの、シンジ君！？」
シンジ（父さん……。僕には『頑張れ』の一言もないんだね）
ミサト「シンジ君、聞こえてるの！？」
シンジ「は…はい」
シゲル「目標、第３新東京市上空に侵入！」
〔敵ユニット出現〕
〔使徒の声〕
吉良国「な、何だ、あいつは！？」
ベガ「使徒…なの！？」
アスカ「ちょっと、ミサト！ 何でこのあたしが待機なのよ！？」
ミサト「碇司令の命令よ。従いなさい」
アスカ（どういうこと…！？ あたしより、バカシンジの方が頼りになるとでも言うの！？）
マコｔ「ＥＶＡ初号機、発進準備よろし！」
ミサト「いいわね、シンジ君？」
シンジ「はい…何とかやってみます」
ミサト「言っておくけど、中途半端な気持ちでＥＶＡに乗るのは…」
シンジ「大丈夫です。僕は自分の意思でここにいます」「それに、今の僕に出来ることは…これしかありませんから」
ミサト「…わかったわ」「最終安全装置、解除！」「エヴァンゲリオン初号機、リフト・オフ！」
〔味方ユニット出現〕
シゲル「目標に高エネルギー反応！」
ミサト「何ですって！？」
シゲル「円周部を加速！ 集束していきます！！」
リツコ「まさか！ 初号機が発進してくるのを狙って…！？」
ミサト「駄目！ よけてっ！！」
シンジ「え！？」
〔ラミエル、シンジを攻撃〕
[イベント戦闘「シンジvsラミエル」]
ミサト「シンジ君っ！！」
エリス「あの使徒、荷電粒子を集束させたの！？」
ミサト「戻してっ！ 早くっ！！」
〔味方ユニット離脱〕
シゲル「目標、沈黙！」
ミサト「シンジ君は！？」
マコト「生きていますが、脳波に異常！ 心音微弱！」
マヤ「初号機回収！ 第７ケイジへ！」
ミサト「ケイジへ行くわ！ 救護班に緊急処置の用意をさせて！」
シゲル「目標、移動を開始しました！！」
〔ラミエル、前進〕
吉良国「こ、今度は電童を狙って！？」
ベガ「いえ、違うわ！」
リツコ「使徒は何を始めたの！？」
マコト「ジオフロント内、ネルフ本部に向かい、穿孔しています！」
リツコ「ここへ直接攻撃を仕掛ける気…！？」
【戦闘マップ１終了】
【シナリオデモ２開始】
ネルフ本部
ミサト「…初号機大破、使徒は頭の上、各地の停電はまだ続いている。悪い時に悪いことが重なったわね」
シゲル「これまでに採取したデータによりますと、目標は一定距離内の外敵を自動排除するものと思われます」
マコト「エリア侵入と同時に加粒子砲で１００％狙い撃ち…人型機動兵器による接近戦は危険すぎますね」
ミサト「Ａ．Ｔ．フィールドはどう？」
シゲル「健在です。相転移空間を肉眼で確認できるほど強力なものが展開されています」
ミサト「攻守共にほぼパーペキか…。まさに空中要塞ね」
シゲル「現在、目標は直径１７．５メートルの掘削シールドでジオフロント内のネルフ本部…」「つまり、ここへ掘り進んでいます」
ミサト「直接攻撃をしようってのね。到達予測時刻は？」
青葉「明日、午前０時０６分５４秒。その時刻には２２層すべての装甲防御を貫通し、本部へ到達します」
ミサト「あと１０時間足らずか。…赤木博士、初号機の状況は？」
リツコ「胸部第三装甲板まで融解。機能中枢がやられなかったのは不幸中の幸いだわ」
マヤ「あと３秒照射されていたら、アウトでしたけど」
ミサト「弐号機は？」
リツコ「碇司令の命令で、一時凍結よ」
ミサト「どうして？」
リツコ「後々のために温存するつもりか…委員会からの指示なのか。いずれにせよ、次の作戦では使えないわ」
ミサト「そんなことを言っている場合じゃないのに…！」
リツコ「現状の敵は使徒だけじゃないわ。それらに対する備えは必要よ」
ミサト「それ、建前でしょ？ 理由は他にあるはずだわ」
リツコ「詮索する相手、間違ってるわよ」
ミサト「……零号機は？」
マヤ「再起動自体に問題はありませんが、フィードバックにまだ誤差が残っています」
ミサト「戦闘は無理か。初号機専属パイロットの容態は？」
マコト「緊急処置室に収容中ですが、身体に異常はありません。神経パルスが０．８上昇していますが許容範囲内です」
ミサト「状況は芳しくないわね」
マコト「白旗でも挙げますか？」
ミサト「それが通用する相手だったらね」
リツコ「で、どうする気？」
ミサト「…相手の槍が長いのなら、こっちの槍をもっと長くすればいいのよ」
冬月「目標のレンジ外…超長距離からの直接射撃かね？」
ミサト「そうです。目標のＡ．Ｔ．フィールドを中和せず…」「高エネルギー集束体による一点突破しか方法はありません」
冬月「ＭＡＧＩはどう言っている？」
ミサト「賛成２、条件付き賛成が１です」
冬月「勝算は８．７％か」
ミサト「はい。最も高い数値です」
ゲンドウ「反対する理由はない。やりたまえ、葛城一尉」
ミサト「はい」
リツコ「…確かに言った通りね」
ミサト「何が？」
リツコ「槍の話よ。よくそんな無茶な作戦を思いつくものね」
ミサト「しょうがないでしょ。９時間以内で実現可能かつ最も確実な手なんだから」
リツコ「で、肝心の槍はどうするの？」
ミサト「心当たりがあるの。もうアポは取ったわ」
リツコ「じゃあ、電力は？」「停電が続いている今の状況で、使徒のＡ．Ｔ．フィールド貫通に必要な１億８千万キロワットもの電力…」「それをいったいどこから引っ張ってくるつもり？」
ミサト「大丈夫。そっちも心当たりがあるから」
〔扉の開閉音〕
マヤ「…葛城一尉、お客様が見えられたそうです」
ミサト「早いわね……すぐに行くわ」
ミサト「ネルガル重工会長室秘書課、プロスペクター…さん？」
プロスペクター「はい」
ミサト「本名ですか？」
プロスペクター「いやいや、ペンネームみたいなものでして…」
ミサト「は、はあ…」
プロスペクター「それより、そちらのだいたいの事情はわかりました」「我が社で開発中の自走式陽電子砲…それがどうしても必要とおっしゃるわけですな？」
ミサト「…はい」
プロスペクター「そちらへのご協力はやぶさかではないのですが、あれには色々と問題がございまして…」
〔通信の入る音〕
？？？（※アカツキ）「…まァ、いいんじゃない？」
プロスペクター「あ、会長…」
？？？（※アカツキ）「高い技術力を持つネルフのことだ、あれの構造上の問題点は自分達で何とかするだろうし…」「何より、美人からのお願いを断るわけにはいかないからねェ。持って行ってもらおうよ」
プロスペクター「はあ」
？？？（※アカツキ）「あ、そうそう…改良点のフィードバックは頼むよ。見返りなしだと技研の連中がうるさいからねェ」「じゃ、後はよろしくぅ」
〔通信の切れる音〕
プロスペクター「…というわけで、たった今、トップからの許諾が出ました」
ミサト（な…何てノリの軽い…）
プロスペクター「では…自走式陽電子砲は１時間以内に搬出準備を行ないますので、受け取りに来ていただけますかな？」
ミサト「わかりました。早速、御社の佐世保工場へウチの輸送機を手配致します」（さて…次はＧＥＡＲ、ね）
ＧＥＡＲ本部
渋谷長官「ハイパーデンドーデンチを…？」
ミサト「ええ。明日午前０時より開始される『ヤシマ作戦』で使用したいと考えております」
渋谷長官「しかし、このＧＥＡＲ本部には予備のデンチがあと２本しか残っておらんのだ」「しかも、それはガルファとの戦い…凰牙とのデータウェポン争奪戦に必要なものだ」「使徒同様、彼らもあと数時間の内に我々に対して攻撃を仕掛けてくると考えられるからな」
ミサト「…そちらの事情は充分承知しております」「ですが、使徒にこれ以上の侵攻を許せば、サードインパクトが発生するかも知れないのです」
渋谷長官「……！」
ミサト「そうなってしまった場合…ガルファとの戦いの決着は自ずと見えてくると思われますが」
渋谷長官「使徒とガルファを天秤にかけろと言うのかね、君は…！？」
ミサト「いえ、そうではありません。…私に考えがあります」
竜馬「電気をかき集める…！？ それで電童が動くのかい？」
エリス「ええ、計算上では」
エル「でも、どうやって？」
エリス「大規模な停電中だとは言っても、全ての電気がなくなってしまったわけではありません」「各施設にある予備電源、発電機、車のバッテリー、乾電池など…使用できる全ての伝記を可能な限り集め…」「それらを電童へ送り込み、再起動させるんです」
レイン「可能な限り集めるって…」
北斗「今から？」
エリス「そうよ、テレビを観て」
〔通信の入る音〕
圭介「…どうかご協力下さい。電童は今、皆さんのお力と電池、電力を必要としています」「今こそ、私達の力を一つに集め、電童に送り…私達を苦しめる敵を退けましょう」「乾電池、車、発電機…小さなエネルギーでも集まればその力は敵を打倒す力となります」
北斗「と、父さん…！」
エル「え！？ 北斗のお父さんって、アナウンサーやってんの？」
北斗「は、はい…」
竜馬「日本中の人々が力を合わせようというのか…！」
エリス「竜馬さん達の特機のエネルギーを使用する案も出されましたが、それだと次の作戦での戦闘に支障が出てしまいます」
竜馬「そうだな…。俺達は動けない電童を守らなきゃならない」
エリス「ですから、ガルファと使徒を同時に倒す方法はこれしかありません」
レイン「だけど、肝心の銀河君が…」
竜馬「ああ、凰牙に敗れたショックで…」
北斗「………」
ドモン「心配はいらん」
北斗「え？」
ドモン「あいつは必ず立ち直る。そういう奴だ」
北斗「………」
竜馬「それで、当の本人は？」
北斗「今、ベガさんに連れられて家に帰ってます」「立ち直るきっかけになるかも知れないからって…」
竜馬「そうか…」
ネルフ本部
シゲル「敵シールド、第１９装甲板を突破。本部到達まで、あと５時間５５分」
マコト「自走式陽電子砲からポジトロンスナイパーライフルへの改造作業を終了…」「狙撃地点へ移動を開始。ハイパーデンドーデンチとの接続作業に入ります」
ミサト「護衛のネェル・アーガマ隊は？」
マコト「電童を含めて、まもなく配置につきます」
ミサト「向こうの方の準備は大丈夫なの？」
マコト「先程、ＧＥＡＲ本部の方から新たな発電装置設置の申請がありました」
ミサト「新たな発電装置？」
マコト「ええ、人力による発電機…すなわち、自転車発電機です」
ミサト「じ、自転車！？」
マコト「はい。民間から有志を募り、電童の再起動に必要な電力の足しにするそうです。それにより、成功確率は５％上がります」
ミサト「そんなにも…ありがたい話だわ」
シゲル「ここまでしてもらって、失敗するわけにはいきませんね」
ミサト「ええ。後は……」
マヤ「初号機パイロットの意識が戻ったそうです。検査数値に問題はありません」
ミサト「そう。では、作戦は予定通りに」
リツコ「でも、彼…もう一度乗るかしら？」
ミサト「………」
〔扉の開閉音〕
レイ「………」
シンジ「綾波……」
レイ「明朝午前０時より発動されるヤシマ作戦のスケジュールを伝えます」「碇、綾波の両パイロットは本日１７３０、ケイジに集合。１８００、初号機及び零号機起動」「１８０５、発進。同３０、狙撃地点に到着。以降は別命あるまで待機」「明朝、日付変更と同時に作戦行動開始」「それと…これ、新しいプラグスーツ」
シンジ「………」
レイ「６０分後に出発よ」
シンジ「綾波…君は怖くないの？」
レイ「何が？」
シンジ「あの使徒と戦うこと…。あんなのを本当に倒せるの…？」
レイ「………」
シンジ「僕には…自信がない」
レイ「じゃ、やめれば」
シンジ「やめればって…」
レイ「初号機には私が乗る。赤木博士が初号機のパーソナルデータの書き換えの用意、しているわ」
シンジ「リツコさんが…？」
レイ「じゃ、葛城一尉と赤城博士がケイジで待ってるから」「さよなら」
〔扉の開閉音〕
シンジ「………」
星見町
ベガ「…じゃ、銀河君。１時間後、迎えにくるから…」
銀河「………」
ベガ「…元気、出してね」
〔エンジン音〕
銀河「………」
乙女「あ！ ギン兄だぁ！ お帰り！」
みどり「ギン…。あんた、研修ツアーはどうなったんだい？」
銀河「ちょっとだけ休み…」
みどり「………」「…誰に負けた？」
銀河「え…？」
みどり「母ちゃんにわかんないわけないだろう？ まったく、情けない顔しちゃって」
銀河「………」
みどり「母ちゃん、いつも言ってるだろ。世の中にはあんたよりも強い奴なんか山ほどいる…」「けど、ホントに負けてはくるなって」
銀河「……！」
みどり「気持ちの負けがホントの負けだよ」「誰とケンカしたのかは知らないけど…あんた、ホントに負けてきちまったみたいじゃないか」「何なの、それは？」
銀河「…いいじゃねえかよ…」
みどり「！」
銀河「いいじゃねえかよ、ホントに負けちまったって！」「どうしようもねえよ、あんなの！ 誰だって勝てっこねえよ、あんな奴！」「気持ちが負けたって、しょうがねえじゃねえかよ！！」
〔走る足音〕
乙女「ギン兄、行っちゃった…」
みどり（ギン……）
乙女「もしかして、ギン兄も自転車こぎに行くの？」
みどり「………」
乙女「ねえ、母ちゃん。これ…ブーちゃんの電池。電童動かすのに使って」
みどり「いいのかい、乙女？ ブーちゃん、お話しなくなっちゃうよ？」
乙女「うん、いいの。電童勝ったら、またお話できるでしょ？」
みどり「そっか…そうだよね。勝ったら、山ほど電池買ってやるからね」
乙女「うん！」
第３新東京市
トウジ「さァて、キッチリ飯も食うたし！ 気合入れてチャリこぐぇ！！」
ケンスケ「お、おい！ 見ろよ、トウジ！ あれ、あれ！ あの戦艦！」
トウジ「お？ ホワイトベースかいな？」
ケンスケ「違う、違う。ネェル・アーガマだよ、あれ」
トウジ「寝るオカマ？ 何やケッタイな名前やな」
ケンスケ「か、か、感激～！ もしかして、あのガンダムチームがこの目で見られるかも！」
トウジ「ケンスケはホンマにそういうの好きやなぁ」
ヒカリ「…鈴原君」
トウジ「委員長…お前も来たんかいな？」
ヒカリ「うん。だって、シンジ君やアスカ、レイ達が頑張ってるんだもの…」「私も何か手伝えたらと思って」
トウジ「へ～、ええトコあるんやな。見直したで」
ヒカリ「そ、そう？」
〔歩く足音〕
団兵衛「ここじゃな、自転車発電場は」
ひかる「思った以上に人が集まってるのね…」
団兵衛「うむ、日本の危機じゃからな。これを乗り越えんと、ＵＦＯ探索も出来んしのう」
ひかる「今さらＵＦＯって…。ガルファとかが来るかも知れないのに」
団兵衛「それより、いいんじゃな？ 連邦軍が護衛してくれるらしいが、危険な目に遭うかも知れんぞ」
ひかる「ええ。だって、大介さん達があそこにいるもの。私もあの人達の力になりたいの」
〔歩く足音〕
アブゾルート「いったい、この騒ぎは何ダワ？」
グルメイ「こいつら、電童の前に集まって何をする気バリ？」
ウィッター「怪しいジャン。潜入して、様子を見るジャン」
〔歩く足音〕
乙女「あ！ 母ちゃん、見て見て！ 電童だよ！」
みどり「ああ。あれを動かすために私達も自転車をこぐよ。ギンの分もね」
乙女「うん！ 乙女、頑張る！」
ミサト「…ネルフ作戦部、葛城ミサトです。今回の作戦、よろしくお願いします」
ベガ「ええ、こちらこそ」
リツコ（やはり……似てるわね、声）
銀河「………」
ベガ「紹介します。彼が電童のパイロット、出雲銀河君と…」
北斗「草薙北斗です。よろしく」
アスカ「ええっ、あんた達が！？」
北斗「は、はい…」
アスカ（年下ってことは知ってたけど…まだ小学生じゃないの）
シンジ（この子達が…あの電童に…）
ベガ「ヤシマ作戦中、凰牙が現れた場合はこの二人が電童で対応します。もっとも、起動に成功すれば…ですが」
ミサト「わかりました」
ベガ「…いけるわね、銀河君？」
銀河「…知らねえよ、そんなの」
ベガ「！」
北斗「銀河、どうしちゃったのさ？ 僕達が出なきゃ、データウェポンも凰牙も…」
銀河「うるせえ！ お前だって、初め言ってたじゃねえか！」「俺達、まだ子供なのにこんなの無茶だってよ！」
北斗「今はそんなこと言ってる場合じゃ…」
銀河「俺には無理なんだよ！ 凰牙を倒すなんて！ あいつになんか、勝てっこねえよ！」
北斗「いい加減にしなよ！！」
銀河「！」
北斗「僕だって、怖いのは同じなんだ！！」
シンジ「……！」
北斗「ううん、僕なんか君と違って…初めからずっと恐かったんだ」
銀河「お、おめえ…」
北斗「でも、やんなきゃいけないって…がんばんなきゃって、決心しただろ！？」
銀河「………」
北斗「それに、みんなが僕達にために色々やってくれてるんだ…！」「だから、僕達はみんなの想いに応えなきゃダメじゃないか！！」
銀河「………」
ベガ「そうよ、銀河君…。戦うのはあなた達だけじゃないの」「この作戦に参加する全ての人が自分達の未来を勝ち取るために戦おうとしているのよ」
銀河「…わかった…」「俺、やってみるよ。あいつに…凰牙に勝てるかどうかわからないけど、やれるだけやってみるぜ」
北斗「銀河…！」
アスカ「ふ～ん…。バカシンジと違って、前向きじゃない」
シンジ「…僕だってやるよ」
アスカ「え？」
シンジ「あの子達が頑張ろうとしてるのに、僕だけ逃げるわけにはいかない」「正直言って自信はないけど…やれることはやるつもりだよ」
ミサト（シンジ君…）
アスカ「ま、この私の出番を奪おうってんだから…それぐらいの意気じゃないと困るわ」「その代わり、キッチリ仕事しなさいよ？」
シンジ「わかってる」
北斗「あの…」
シンジ「僕…碇シンジ。お互い頑張ろう、北斗君」
北斗「は、はい！」
ミサト「では、ヤシマ作戦におけるＥＶＡパイロットの担当を伝達します」「シンジ君…初号機で砲手を担当」
シンジ「はい」
ミサト「レイは零号機で防御を担当して」
レイ「はい」
リツコ「これはシンジ君と初号機のシンクロ率が高いからよ」「それから、ポジトロンスナイパーライフルは２度しか発射できないわ」
シンジ「ハイパーデンドーデンチが２本しかないからですね？」
リツコ「そうよ。そして、陽電子は地球の自転・磁場・重力の影響を受け、直進しません」「その誤差を修正するのを忘れないでね」
シンジ「…もし、１発目が外れたら…？」
ミサト「２発目を撃つには、冷却や再充填等に最低２０秒はかかるわ」「その間に予想される目標の反撃をかわさなければ、前回と同じ結果になる」「最終的には、零号機が持つ大型シールドに守ってもらうしかないわ」
ベガ「そのシールドはどれぐらい保つんです？」
リツコ「…計算では１７秒です」
ベガ「……！」
シンジ「２発目は考えるなってことか…）
シンジ「これで…死ぬかもしれないね」
レイ「どうして、そういうこと言うの？」
シンジ「もし、途中でガルファが…いや、使徒が攻撃してきたら…」
レイ「あなたは死なないわ。私が守るもの」
【シナリオデモ２終了】
【戦闘マップ２開始】
〔味方戦艦出現済み〕
〔味方ユニット出現済み〕
〈出撃準備〉
トーレス「各機、配置に付きました」
ブライト「よし、周辺を警戒しつつ、待機だ」
シンジ「…綾波は何故ＥＶＡに乗るの？」
レイ「絆だから」
シンジ「絆？」
レイ「そう、絆」
シンジ「父さんとの…？」
レイ「みんなとの」
シンジ「強いんだな、綾波は…」
レイ「私は他に何もないもの」
シンジ「他に何もないって…」
レイ「私はＥＶＡに乗るために生まれてきたようなものだもの」「もし、ＥＶＡのパイロットをやめてしまったら…それは死んでいるのと同じ」
シンジ「なあ、ネルフに来る前の僕もそうだったのかも知れない」「母さんが死んで、父さんが僕を捨てて…何もかも、どうでもよくなって…」「無気力に生きてた」「ううん、生きるふりをしてただけかも知れない…」
レイ「けど、あなたは生きているわ」
シンジ「え？」
レイ「そして、今はどうあれ、望まれてこの世に生まれてきたんだもの」「私は少しうらやましいのかも知れない」
シンジ「うらやましいって…」（綾波がそんなことを言うなんて…）
レイ「そろそろ時間よ」
シンジ「う、うん」
レイ「さよなら」
シンジ（えっ…？）
〔時刻を知らせる音〕
マコト「…時間です！」
ミサト「シンジ君！ 日本のエネルギー、あなたに預けるわ」
シンジ「はい！」
ミサト「銀河君、北斗君、あなた達も頑張ってね」
銀河「はいっ！」（※同時）
北斗「はいっ！」（※同時）
ミサト「第１次、接続開始！」
マコト「第１から第８０３管区まで、送電開始！」
ミサト「ヤシマ作戦、スタート！」
エリス「了解！ 電童担当チームのみなさん、作戦スタートです！」
団兵衛「よし！ 自転車発電班の皆の衆、ワシらに号令がかかったぞ！」
トウジ「おっしゃ！ やったるでぇ！！」
ひかる「頑張りましょう、ヒカリちゃん！」
ヒカリ「ええ！」
シゲル「第１次送電スシテム、正常！」
マヤ「超電導誘電システム、稼働！」
エリス「電圧上昇中、加圧域へ！」
マコト「全冷却システム、出力最大へ！」
エリス「陽電子流入、順調です！」
ミサト「第２次接続！」
マコト「全加速器、運転開始！」
シゲル「強制集束器、作動！」
エリス「０．５…１．０…１．８…！」
北斗「電童のエネルギーゲージが…！」
銀河「上がってきた…！」
トウジ「コォラ、ケンスケ！ もっと死ぬ気でペダル踏まんかい！」
ケンスケ「や、やってるよぉ！！」
団兵衛「そんなヘッピリ腰じゃいかん！ こう、地面を踏み抜くようにやるんじゃ！」
ケンスケ「そ、それじゃ、ペダルが壊れちゃいますよ～！」
トウジ「グダグダ言っとる余裕があったら、ひたすらこがんかい！」
ヒカリ「そういう鈴原も、しっかりやりなさいよ！」
トウジ「わ、わかっとるわ！ こうなったら、猛虎の根性、みせたるでぇ！！ ぬおおおおおっ！！」
みどり「あの子、なかなかいい筋してんじゃない。乙女、あたし達もお兄ちゃん達に負けてられないよ！」
乙女「うん！ 乙女も頑張る！」
アブゾルート「あたし達は何をしてるダワ！？」
グルメイ「わからんが、とにかくこぐバリ！」
ウィッター「そうジャン！ こぐジャン！」
ミサト「エリスちゃん、電童の方はどう？」
エリス「このまま行けば、約４分後に起動が可能となります！」
ミサト「わかったわ。あとは邪魔が入らないのを祈るばかり…」
〔レーダー反応〕
ブライト「どうした！？」
トーレス「６時方向より、未確認物体接近！！」
ブライト「何っ！？」
〔敵ユニット出現〕
デビルサターン６「何や何や、こらまたゴッツい取り込み中やな！」
ディオンドラ「これは好都合だね。電童を手に入れるどころか、他の連中まで一気に片づけられるよ」
デビルサターン６「そしたら、データウェポンはワイらのものでんな、アネゴ」
ディオンドラ「ああ。アルテアが来る前にケリをつけちまうよ！」
ミサト「敵が来るとは思ってたけど、このタイミングで現れるなんて…！」
デューク（間違いない…！ やはり、彼らはギャンドラー…！）
エリス「！ この反応は…！？」
ミサト「どうしたの、エリスちゃん！？」
エリス「あの物体から…」
〔カーソル、フェノメナを指定〕
エリス「超高エネルギー反応が出ています！」
リツコ「これは…ポジトロンスナイパーライフルに送ろうとしているエネルギー量と、ほぼ同じね」
ミサト「じゃあ、あいつが吸い取られた電力の収集先…！」
リツコ「ええ。あれを破壊すれば、停電は収まる」
ミサト「わかったわ！ ここまで来て、多くの人々の努力と…」
ベガ「想いを無駄にしてたまるものですか！ ブライト艦長！」
ブライト「よし！ 各機、敵を撃破しろ！ 何としてもＥＶＡ初号機と電童を守り抜くんだ！」
ドモン「おおうっ！！」
ディオンドラ「お前達、やっておしまい！」
キャスモドン「ガデッサー！！」
＜戦闘開始＞
＜ディオンドラorデビルサターン６orフェノメナＨＰ８０％以下or３ＰＰ・味方援軍１＆敵増援１＆第４軍増援１出現＞
〔ネルフの警報〕
マコト「上空より、超高速で降下する物体あり！ 識別はガルファ、機数は１！」
ミサト「まさか、こないだの黒い電童！？」
〔敵ユニット出現〕
銀河「騎士凰牙…！！」
ベガ「くっ！ こんな時に！！」
トウジ「な、何や、あいつは！？」
乙女「か、母ちゃん！」
みどり「大丈夫だよ、乙女！ あたしがついているからね！」
アルテア「フフフ、このエネルギー反応…レオサークルがひかれて現れるのは間違いない」
デビルサターン６「あいつ、おいしい所取りする気かいな！」
ディオンドラ「チッ、シャクな奴だねえ…！」
エリス「！ 第３新東京市に放電現象！？ こ、これは！」
〔第４軍ユニット出現〕
レオサークル「………」
銀河「レ、レオサークル…！！」
アルテア「現れたか。電童があのザマでは、奴をセーブすることは容易い」「ならば、目障りな雑魚共から片づけるとするか」
銀河「う、ううっ…！ ど、どうすりゃいいんだ…！？」
北斗「銀河、近くに自転車発電班の人達が！ それに、君のお母さん達も！！」
銀河「な、何だって！？ まさか、母ちゃん達も自転車をこいでたのかよ！？」
乙女「か、母ちゃん……黒い電童が…！」
みどり「大丈夫、大丈夫だよ！」
銀河「そ、そんな…！ 母ちゃん、乙女…！！」
レオサークル「………」
デビルサターン６「アネゴ、お宝や！ データウェポンや！ こらもういただきやで！」
ディオンドラ「アネゴじゃない、ディオンドラ様とお呼び！」
デビルサターン６「す、すんまへん、アネゴ」
ディオンドラ「…まあいい。とにかく、下手に動けば、あの青い奴に狙われちまう。ここは様子を見るよ」
デビルサターン６「そやけど、そんなことをしたら、奴にお宝を獲られまっせ！」
ディオンドラ「構わないさ。ここでアルテアがデータウェポンを手に入れてもね」「螺旋城に帰ってから、隙を見て奴を倒し…奪えばいいんだよ」
デビルサターン６「なるほど…。さすが、ディオンドラのアネゴ。悪知恵は一級品でんな」
ベガ「ま、まずいわ！ 電童はまだ動けない！ このままだと、レオサークルは騎士凰牙に奪われてしまう！」
ミサト「それに、あちら側から変電施設が攻撃されでもしたら…」「ポジトロンライフル発射に必要な電力が！！」
銀河「く、くっそぉぉ…！ どうすりゃいいんだ！？ このままじゃ、みんなやられちまう！！」
アルテア「ガルファに盾突く愚かな人間共が…！ 電童もろとも、消え去るがいい！！」
？？？（※ロム）「待ていっ！」
アルテア「！？」
[イベンドデモ「ロム・ストール登場」]
？？？（※ロム）「力と力のぶつかり合う狭間に、己が醜い欲望を満たさんとする者よ。その行いを恥と知れ」「人、それを外道という！」
アルテア「何奴！？」
ロム「貴様に名乗る名はないっ！」
アルテア「その身一つで我らガルファに挑んでくるとは…人間とはつくづく馬鹿な生き物よ！」「返り討ちにしてくれる！！」
ロム「剣狼よっ！」「勇気の雷鳴を呼べ！！」
〔味方ユニット出現〕
ロム「闇ある所、光あり。悪ある所、正義あり…」「天空よりの使者、ケンリュウ参上！」
アスカ「な、何なのよ、あれ！？ いきなりロボットが出てきたわよ！？」
リツコ「…非常識だわ」
ミサト「い、いったい、何者なの…！？」
エリス「どうやら、敵じゃないみたいですけど…」
銀河「人間…だよな、あれ…！？」
北斗「そ、そんなの僕にもわからないよ…！」
ベガ（あの姿…もしや、クロノス族…！？）
デューク「彼は…！」
竜馬「大介さん、知っているのか！？」
デューク「…剣狼という名の剣を持つ男…。僕がまだフリード星にいた頃、噂を聞いたことがある」「その者はクロノス星の戦士であり、天空宙心拳の継承者……名は確か、ロム・ストール…！」
ロム「………」
ディオンドラ「ハハハハハ！ 久しぶりだねえ、ロム・ストール！」
ロム「！ ディオンドラ！？ 何故、お前がこの星に！？」
ディオンドラ「それはこっちの台詞だよ。私達を追って、わざわざこんな辺境の星まで来たってのかい？」
デビルサターン６「ったく、ホンマに腐れ縁やな」
ロム「デビルサターン６、貴様まで！ 何故だ！？ お前達ギャンドラーは、俺達がこの手で倒したはずだ！」
ディオンドラ「寝言をお言いでないよ。いつ、私達がそんな目に遭ったのさ？」
ロム「何だと…！？ ならば、地獄の底からよみがえったとでも言うのか！」
デビルサターン６「アホなこと言うなや！ ワイらは死んどりゃせんで！！」
ロム（どういうことだ…！？）
アルテア「この私を前にして、よそ見をするとは…随分と余裕があるようだな！」
ロム「来い、ガルファ！ お前達に電子の聖獣は渡さんぞ！！」
北斗「！ あの人、データウェポンのことを知ってるの！？」
＜アルテアＨＰ７０％以下or４ＥＰ＞
エリス「電童のチャージ完了！ 行けます！」
ミサト「こっちも、後は最終安全装置を解除するだけになったわ！」「北斗君、銀河君！ 凰牙を止めて、データウェポンを！」
北斗「はいっ！」
エリス「電童、起動！！」
[デモムービー「バイザーオープン（電童）」]
〔銀河、変形〕
乙女「母ちゃん、見て見て！ 電童が！」
みどり「ああ…！ 逃げずに一生懸命自転車をこいだ甲斐があったね！」
トウジ「よっしゃあ！ 後は頼むで！！」
ひかる「頑張って、電童！」
アルテア「フン、動けるようになったとて！」
銀河「凰牙…っ！」
北斗「行くよ、銀河！」
銀河「お、おうっ！！」
〔銀河、アルテアへ隣接〕
アルテア「愚か者が…！ 前回、どのような目に遭ったか、忘れたのか？」
銀河「！！」
北斗「銀河！？」
銀河「う、うううっ…！！」
みどり（母ちゃん、いつも言ってるだろ？）（世の中にはあんたより強い奴なんか山ほどいる…。けど、ホントに負けてはくるなって…！）
銀河（けど……けど！）
レオサークル「………」
北斗「銀河、どうしたの、銀河！？」
アルテア「フフフフ…！」
銀河（か、母ちゃん…！！）
みどり（気持ちの負けが、ホントの負けだよ！ 誰とケンカしたのかは知らないけど…）（あんた、ホントに負けてきちまったみたいじゃないか！ 何なの、それは！？）
銀河「！！」
アルテア「ほう、構えたか」
銀河「ハァァァァ…！」
みどり「！！ あの構え…まさか！？」
銀河「行くぞ、北斗！ 真っ向勝負だ！ ここで俺達が負け、データウェポンをあいつに獲られちまったら…」「母ちゃんや乙女、みんなの努力が全部無駄になっちまう！」「それに、シンジさんのためにも、電気だけは何とかしなくちゃならねえ！」
シンジ「……！」
北斗「銀河…！」
ロム「待て、君達！ 奴の相手は俺がする！ その間に君達はデータウェポンを！！」
銀河「いや、今逃げたら、俺はずっとあいつから逃げなきゃならなくなる！」「だから、ここはっ！！」
レオサークル「……！」
〔レオサークル、銀河へ隣接〕
ベガ「！ レオサークルが！」
アルテア「何っ！？」
レオサークル「………」
銀河「お、お前…！！」
ベガ「レオサークルが求めるものは『勇気』…！ 銀河君が凰牙への恐怖を克服したおかげで！」
北斗「銀河、今だよ！！」
銀河「おう！！」「ファイルセーブ！ レオサークル！！」
レオサークル「！！」
〔第４軍ユニット離脱〕
銀河「レオドライブ！ インストォーーーーール！！」
〔レオドライブ、インストール〕
〔銀河、変形〕
〔銀河、気力上昇〕
アルテア「お、おのれ！ お前ごときにレオサークルを！！」
ロム「認めろ…！ お前にはわかるはずだ。電子の聖獣が彼の中にある勇気に気づき、彼を自分の主として選んだのだ…！」
アルテア「う、うぬっ…！」
ロム「もはや、お前に勝ち目はない！ 命が惜しくば、立ち去るがいい！」
アルテア「世迷い言を！ ならば、電童を倒してデータウェポンを手に入れるまで！！」
銀河「来やがれ、凰牙ッ！！」
＜ロム気力１３０＞
ロム「天よ地よ、火よ水よ…我に力を与えたまえ…！」「パァァイル・フォーーウメイション！！」
〔剣狼の導き〕
〔ロム、合身〕
ロム「バァーーーイカンフゥ！！」
デビルサターン６「で、出おったな、バイカンフー！！」
アスカ「ま、またロボットがいきなり！？」
リツコ「…本当に非常識だわ」
＜ジュドーvsディオンドラ＞
ジュドー「な、何だ！？ こいつマシンなのにしゃべるのか！？」
ディオンドラ「ふふふ…ボウヤ、機械生命体を見るのは初めてかい？」
ジュドー「俺は年増は苦手なんだ…！ お前らが地球を襲う侵略者なら遠慮なく相手をするぜ！」
ディオンドラ「ち…まったくいけ好かないガキだよ！」
＜ジュドーvsアルテア＞
ジュドー「北斗と銀河には俺達がついているんだ！ あんたにやらせやしないぜ！」
アルテア「いいだろう。ならば、電童を葬る前に貴様を先に叩きのめしてやろう！」
＜ドモンvsディオンドラ＞
ディオンドラ「ち…どうやらこいつも拳法使いのようだね…！」
ドモン「お前達の素性は問わない！ だが、地球に仇なす存在である限り、俺の拳はお前達を討つ！」
ディオンドラ「ち…こいつも自分に酔った自称正義の使徒ってやつかい…！ 小憎たらしいね！」
＜ドモンvsアルテア＞
ドモン「むう…！」
アルテア「ほう…私の気を感じるとは貴様、少しは出来るようだな」
ドモン「そちらもな…。だが、邪悪に染まった拳では俺を倒すことは出来んぞ！」
＜甲児vsディオンドラ＞
甲児「こいつ、マシンか…！？ それとも生きているのか！？」
ディオンドラ「機械生命体を見るのは初めてかい？ これだから辺境の星ってのは困るよ」
甲児「…しかし、どうせ出会うんなら年増じゃなくてカワイコちゃんに会いたかったぜ…」
ディオンドラ「…聞こえてるよ…！ あんた、生きて帰れると思うんじゃないよ！」
＜甲児vsアルテア＞
甲児「来やがれ、仮面野郎！ 俺達がいる限り、データウェポンも地球もてめえらには渡さねえぜ！」
アルテア「中々の気迫だ。だが、乗っている機体がそれでは凰牙の敵ではない！」
＜デュークvsディオンドラ＞
ディオンドラ「報告通りとはいえ、実際に目にするとやっぱり驚くね…グレンダイザーがこの星にいたとは」
デューク「ギャンドラー！ お前達の目的は何だ！？ 何のために地球へ来たんだ！」
ディオンドラ「さすがは王子様だ、おっしゃることが立派だよ」「だがね…余計な事に首を突っ込むと、死ぬのはあんたの方だよ！」
＜竜馬vsディオンドラ＞
ディオンドラ「ほう…このマシン、ゲッター線を動力にしているのかい」
竜馬「こいつ…！ ゲッター線を知っているのか！」
隼人「ということは、予想通りこいつらも宇宙から来た侵略者ってことだろうぜ」
ディオンドラ「侵略ね…。残念ながら、あたし達の目的はそんな面倒なことじゃないんでね！」
＜竜馬vsアルテア＞
アルテア「そこをどけ！ 私の邪魔をする者は力で排除する！」
竜馬「そうはいくか！ お前の敵は電童だけではないぞ！」「地球の平和を乱す以上、俺達はお前を見逃すわけにはいかない！」
＜ケーンvsディオンドラ＞
ディオンドラ「このあたしに向かってくるとは死ぬ気かい！？」
ケーン「黙んな、年増！ せっかくの女ロボットならもっとカワイコちゃんを造りやがれ！」
タップ「俺としちゃショートカットの元気な子がタイプだな」
ライト「ま…俺はお姉さま型も嫌いじゃないがね」
ディオンドラ「こ、こいつら…！！」
＜ケーンvsアルテア＞
ケーン「その澄ました面は気に食わねえな！ 俺が仮面を叩き割ってやるぜ！」
アルテア「貴様ごときが凰牙の面に触れるなど、叶わぬ夢だと思え！」
＜ロムvsディオンドラ＞
ディオンドラ「久しぶりだね、ロム。あんた、わざわざあたし達を追ってきたのかい？」
ロム「ディオンドラ！ どういうカラクリかは知らないがこの世に悪の栄えた試しはなしだ！」「何度甦ろうと、どこへ逃げようと正義と真実の光はお前達を見逃しはしないぞ！」
＜ロムvsデビルサターン６＞
ロム「デビルサターン６！ お前達もまとめて復活していたか！」
デビルサターン６「こら！ ワイら６人をじっぱひとからげにするんやない！」
ロム「６人だろうと１００人だろうとお前達程度の相手にやられる俺ではない！」
デビルサターン６「く～！ しばらく会わん間にこいつの態度、さらにデカくなってるわ！」
＜ロムvsアルテア＞
アルテア「ほう…クロノスの戦士までがこの星に来るとはな…」「どうやら、この星は縁の交わりの上にあるらしい」
ロム「もし、お前との戦いが宿命ならそれはお前の敗北をもって終わる…」
アルテア「何！？」
ロム「悪の栄えた試しはない！ それは、この宇宙の真理だ！！」
＜銀河vsディオンドラ＞
銀河「行くぜ！ レオが信じてくれた勇気の力、見せてやるぜ！」
ディオンドラ「黙れ、小僧！ あたしは勇気とか友情とか信頼って言葉が大嫌いなんだよ！！」
＜ベガvsアルテア（１回目）＞
アルテア「またお前か…！」
ベガ「やはり、この男…！ 私のことを知っているのか…！」
＜ベガvsアルテア（２回目）＞
ベガ（アルテアは…我が兄アルテアはあの戦いで死んだ…！ 死んだはずだ！）
アルテア（この女…何者だ…？ 私の頭痛…この女が原因なのか…！）
＜ディオンドラ撃破＞
ディオンドラ「ええい、覚えておいで！！」
〔敵ユニット離脱〕
＜デビルサターン６撃破＞
デビルサターン６「おんどれ！ この恨み、忘れへんからな！！」
〔敵ユニット離脱〕
＜アルテア撃破＞
アルテア「ぐううっ！ 電童、よくも…よくも！！」
〔敵ユニット離脱〕
＜ラミエル以外の敵全滅・勝利条件達成＞
マコト「使徒以外の敵、撤退しました！」
ミサト「みんな、助かったわ！ じゃあ、最後のシメにかかるわよ！」「第７次接続！ 最終安全装置、解除！」
エリス「一般市民の協力者、全てシェルター内へ避難！」
マコト「撃鉄、起こせ！」
シンジ「はいっ！」
マヤ「地球自転、及び重力の誤差修正…プラス０．０００９」
マコト「エネルギー圧、発射点まであと０．２。第７次最終接続！ 全エネルギー、ポジトロンライフルへ！」
ミサト「いよいよね…！」
マコト「８、７、６、５…」
ラミエル「………」
マヤ「目標に高エネルギー反応！！」
リツコ「何ですって！？」
日向「３、２、１！」
ミサト「発射！！」
シンジ「！」
[イベンドデモ「ヤシマ作戦① 攻撃相殺」]
シンジ「ううううっ！！」
ミサト「ミスった！？」
シゲル「敵シールド、ジオフロント内に侵入！！」
ミサト「第二射、急いでっ！！」
マコト「ヒューズ交換！ 再充填開始！！」
マヤ「目標に再び高エネルギー反応！！」
ミサト「まずいっ！！」
シンジ「！！」
〔ラミエル、加粒子砲発射〕
〔レイ、シンジを防御〕
シンジ「綾波ぃっ！！」
リツコ「盾が保たない！！」
ミサト「まだなのっ！？」
マコト「第二射まで、あと１０秒！！」
シンジ「は、早く…早く！！」
アスカ「ぜ、零号機が溶けてるわよっ！？」
シンジ「早くっ！！」
マコト「発射準備、完了！！」
シンジ「くううっ！！」
[イベンドデモ「ヤシマ作戦② ラミエル撃破」]
ミサト「よっしゃ！！」
シンジ「綾波っ！！」「大丈夫か、綾波っ！！」
レイ「…碇君…」
シンジ「…良かった…。君が生きてて…本当に良かった…」
レイ「………」
シンジ「自分には…自分には他に何もないって…そんなこと言うなよ…」「別れ際にさよならなんて、悲しいこと言うなよ……うっ…うう…」
レイ「なに泣いてるの…？」「…ごめんなさい。こういう時、どんな顔すればいいのか、わからないの」
シンジ「…笑えばいいと思うよ」
レイ「！」「………」
シンジ「今、僕達にはＥＶＡに乗ること以外、何もないかも知れないけど…」「生きてさえいれば、きっとそれが良かったって思えるかも知れないよ」
レイ「…生きてさえ…いれば…？」
シンジ「そうだよ…。僕達を待ってくれてる人達だっている。例え、それがＥＶＡでつながった絆だとしても…」「ああやって、僕達を待ってくれる人がいるんだ」
銀河「シンジさん！」（※同時）
北斗「シンジさん！」（※同時）
ミサト「シンジ君…！」
ロム「…どうやら、事は終わったようだな」
北斗「あ、あの…」
銀河「どこの誰かは知らねえけど…」
ロム「………」
銀河「助けてくれて…ありがとう」
ロム「礼には及ばない」「電童…そして、電子の聖獣に選ばれし少年達よ。今日得た勇気を忘れないでくれ」
銀河「！」
ロム「また会おう…さらばだ！」
〔味方ユニット離脱〕
銀河「ああっ！」
北斗「き、消えた…！？」
デューク「………」（ギャンドラー…そして、ロム・ストール…）（彼らが地球に現れるとは…）
【戦闘マップ２終了】
【シナリオエンドデモ開始】
ネルフ本部
ミサト「本日午前０時７分 ヤシマ作戦の成功により、目標は活動を停止しました」
ゲンドウ「ご苦労。では、以後の命令を与える」
ミサト「はい」
ゲンドウ「ＥＶＡ零号機の改修作業が終了次第…」「同機、及び初号機、弐号機、その専属パイロット、葛城ミサト一尉はネェル・アーガマ隊へ出向…」「以後はブライト・ノア大佐の指示に従え」
ミサト「出向…！？ ＥＶＡ３機を全てですか！？」
ゲンドウ「そうだ」
ミサト「どういうことです…！？ 何故、私達がネェル・アーガマに…？」
ゲンドウ「………」
ミサト「それに、ＥＶＡが不在の時に使徒が現れたら…！」
ゲンドウ「命令に変更はない。以上だ」
ミサト「は…はい」
〔扉の開閉音〕
冬月「いいのか？ 零号機と弐号機はともかく…初号機を出せば、委員会が黙っていないぞ」
ゲンドウ「構わん。あの老人達…そして、もう一人の老人への牽制になる」「それに…しばらくの間、使徒は現れんさ」
冬月「…欠番が出るというのか？」
ゲンドウ「ああ。ＭＵとの接触によって、シナリオに誤差が生じ始めている…」「そして、それは我々にとって有利となるだろう」
ＧＥＡＲ本部
ミサト「というわけで…本日からお世話になります葛城ミサト一尉です」
ブライト「………」
ミサト「どうかしましたか？」
ブライト「いや、まさかそういう決定が下されるとは思っていなかったのでな」
ダグラス「では、エヴァンゲリオンは３機とも我々の戦力となるのですね？」
ミサト「ええ、よろしくお願いします」
ベガ「ネルフも意外と気前がいいのね…」
ミサト「…実は私も驚いています」
ベガ「あら、これからは一緒に行動することになるんだから…気を遣うのはやめにしない？」「歳も同じみたいだし…ベガ、ミサトってことで。どう？」
ミサト「そちらがそれでいいのから…」
ベガ「じゃ、よろしくね、ミサト」
ミサト「こちらこそ、ベガ」
アスカ「…あいっかわらず油くさいわねえ、ここの格納庫」
シンジ「え？ アスカって、この艦に乗ったことあるの？」
アスカ「日本へ来る時、ちょっとね」
シンジ「ふ～ん…」
アスカ「それに、こっちに三バカトリオも健在みたいだし。ま、退屈だけはせずにすむかもね」
シンジ「こっちの？」
〔扉の開閉音〕
ケーン「お、おいおいおい！ 何でエヴァンゲリオンがこの艦に積まれてんだよ！？」
ライト「ま、まさか…」
タップ「あの子も…！？」
アスカ「そういうこと」
ケーン「ゲ！ ア、アスカ！！」
タップ「うわ～…さ、最悪…」
シンジ「こっちの三バカトリオって…あの人達のこと？」
アスカ「そうよ。あんたとトウジ、ケンスケに負けず劣らずのバカ」
ケーン「てめえ、またバカって言いやがったな！？ もうカンベンならねえ！！」
アスカ「ま、これからは一緒なんだし…少しは仲良くしてあげるわ」
タップ「やれやれ、こりゃ先が思いやられるぜ…」
星見町
みどり「…そう…そうかい。じゃ、身体に気をつけるんだよ」
〔通信を切る音〕
乙女「ねえねえ！ ギン兄、何て言ってたの？」
みどり「また研修ツアーに戻るってさ。しばらく、ギンに会えなくなるけど…平気かい？」
乙女「だいじょぶ！ 乙女、ギン兄が帰ってくるの待ってる！」
みどり「えらいね、乙女は。じゃ、今からブーちゃんの電池を買いに行こっか？」
乙女「うん！」
みどり（ギン……）（色々大変みたいだけど、頑張るんだよ……）
【シナリオエンドデモ終了】
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● ムトロポリス → No11「狙われたラ・ムーの星」 へ進む
◆ 「スーパーロボット大戦ＭＸ ＰＯＲＴＡＢＬＥ」 へ戻る
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