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シーン3 激動の大陸
No.20
Burning heart,Flying high

<ラスト 重慶>
ついに重慶基地にたどりついたケーン達。そこで、D兵器の
データは量産型のドラグーンに移植され、彼らの任務は終わ
りを迎えることになる…。

【シナリオデモ開始】
プラート博士「ブライト大佐、ダグラス中尉…D兵器の輸送任務、ご苦労だった」「…ところで、どうじゃ? 中華まんじゅうでも食べんかね」
ブライト「い、いえ…遠慮しておきます」
プラート博士「そうか…。うまいんじゃがのう」
ケーン「…なあ、タップ。あのおっさん、誰だ?」
タップ「お、俺が知るかよ」
ライト「見たところ、科学者って感じだけどな」
ダグラス「お前達、プラート博士に失礼だぞ!」
ケーン「プラート…!? も、もしかして!?」
〔扉の開閉音〕
ダイアン「そう。プラート博士はリンダのお父様よ」
ケーン「ダイアンさん!」
リンダ「…久しぶりね、ケーン」
ケーン「リ、リンダちゃん! 何でここに!?」
ローズ「うふふ、私もいるわよ」
タップ「ローズまで! お前ら、難民キャンプにいるはずじゃ…」
ケーン「いったい、何がどうなってんだ!?」
ダイアン「今から説明するわ。まず、こちらはラング・プラート博士…」「ギガノス帝国からの亡命者にして、メタルアーマーの開発者。そして、リンダのお父様よ」
ケーン「このおっちゃんがリンダの親父さんだって!?」
プラート博士「はっはっは、リンダは母親似なんじゃよ」
ケーン「いや、そんなの見りゃわかるけどさ」
ダグラス「口を慎まんか、ワカバ。博士はご自身の信念を以て、連邦側に亡命されたお方…」「いわば、対ギガノス戦における最大の功労者とも言える存在なんだぞ」
プラート博士「いや…ワシは功労者などではなく、戦争の原因を作ってしまった男じゃ」「ギガノスの総帥、ギルトールはワシが開発したメタルアーマーによって」「連邦との戦争に踏み切ったと言っても過言ではないからのう…」
リンダ「お父様…」
プラート博士「その罪を償うためにも、ワシはこの戦争を一刻でも早く終わらせねばならんのじゃ」
ケーン「じゃあ…もしかして、ドラグナーを連邦軍へ渡そうとしたのは…?」
プラート博士「そう、ワシじゃ。だが、色々な偶然が重なり…君達を戦争へ巻き込むことになってしまった」「それに関しては、本当に申し訳ないと思っておる」
ケーン「ま、今さら言ってもしょうがないし…気にしなくていいぜ」
タップ「そうそう。それに、俺達はこの重慶で晴れてお役御免になるんだしさ」
プラート博士「…そうじゃった。長い間、本当にご苦労だった」
ブライト「ところで、プラート博士…あなたは開戦後に死亡されたと聞いていましたが…」
ダイアン「それは鉄の団結のイメージを守るために、ギガノス側が流した偽りの情報です」「実際には私達貯法太一人の人物によって博士の脱出作戦が展開されました」
タップ「へ!? ダイアンさんって、諜報部の人だったの!?」
ダイアン「あら、お別れパーティの時に言ったでしょ?」
タップ「俺達がアクアポリスに乗る前の話? じょ、冗談だと思ってた…」
ダイアン「私の任務は博士の娘さんであるリンダを保護することだったの」
ライト「し、知らなかった…」
ダイアン「敵をあざむくにはまず味方からよ、ライト」
タップ「でも、リンダちゃんはともかく、何でローズまでここにいるんだよ?」
ローズ「そう言う前に、このエリに輝く階級章を見てくれる?」
タップ「ゲ! そ、そいつは!?」
ライト「少尉の階級章!?」
ローズ「そういうこと。今の私はローズ・パテントン特務少尉なのよ」
タップ「な、何でお前が…!?」
リンダ「…ローズと私はお父様の研究のお手伝いをしているの」
ローズ「ちなみにリンダは中尉さんなの」
ケーン「ちゅ、中尉…!? ってことは、俺達より階級が上!?」
ライト「そ、そういうことになるな」
ローズ「あ、でも、別に敬礼なんていらないわ」「これからもアイダホに乗ってた時みたいに仲良くやりましょ。ね?」
タップ「そんなことを言ってんじゃねえ!」
ローズ「!」
タップ「何でお前が軍隊なんかにいるんだよ!?」
ケーン「タ、タップ…」
ローズ「…自分でそうしようって決めたのよ。強制されたからじゃないわ」
タップ「あのな、戦争がどんなものか、お前だってわかってんだろ!?」「あのまま難民キャンプに残ってれば、危険な目に遭うのは少ないってのに…何でこんな基地なんかにいるんだよ!?」
ローズ「…この戦争を早く終わらせるためよ。そうしないと、私みたいに家族を失う人が増えるもの…」
タップ「……!」
プラート博士「…すまんが、みんな我々の状況は切羽詰まっておってな、あまり時間がないんじゃ」
ダグラス「…わかりました、博士。それで、ドラグナーはどのようにすれば?」
プラート博士「すぐにファクトリーへ運んでくれ。そこでケーン君達の戦闘データを吸い出し」「量産型のドラグーンへフィードバックさせる」
ブライト「ドラグーン…。それが量産型ドラグナーの名ですか?」
プラート博士「そうじゃ。ドラグナー1型、2型、3型の長所を併せ持ったメタルアーマー…」「安価で量産でき、単体での飛行も可能なドラグーンを大量に戦線へ投入すれば」「連邦軍は地上への戦況を優勢に導ける」
ブライト「なるほど。現行の量産型モビルスーツのほとんどは、単体での飛行が不可能ですからね」「連邦軍にとっては、その問題がクリアされるだけでも大きい…」
プラート博士「うむ。所詮、戦いは数…少数の高性能機で戦局を覆せるほど、今の状況は甘くない」「君達がいくら優秀であっても、全ての敵を倒すことは無理じゃからな」
ブライト「…そのことは充分に承知しているつもりです」
プラート博士「じゃが、いくらドラグーンと言えど…」「ボソンジャンプ技術を駆使してくると思われる火星の後継者や」「特機戦力を持つ鉄甲龍、ドーレムや使徒などを相手にするのは難しい」「目には目を…歯には歯を…そして、特機戦力には特機戦力を…」「君達には今まで以上に頑張ってもらわねばならん」
ブライト「ええ、それもわかっています」
ケーン「………」
タップ「………」
プラート博士「…ともかく、ケーン君達はドラグナーのデータ移植が終了すれば、そこで任務終了じゃ」「約束通り、パイロットの登録解除も行おう」
ライト「…ありがとうございます」
プラート博士「では、早速作業を始めよう。ギガノスの特殊部隊がここを狙っておるのでな、急がねばならんのじゃ」
ケーン「特殊部隊…?」
リンダ「ええ…ドラグーンの工場を狙って、ここしばらく攻撃を仕掛けてきているの」
プラート博士「おそらく、奴らはギガノスの汚物と忌み嫌われるグン・ジェム隊…」「ネェル・アーガマがここへ到着したことを知れば、本格的に攻めてくるじゃろう」
ケーン「そ、そんなのが狙ってるのに、今までよく無事だったな…」
プラート博士「ああ、凄腕のパイロットがワシらを守ってくれておってな。もうすぐ顔を見せに来ると思うが…」
〔扉の開閉音〕
クワトロ「…失礼する」
ブライト「クワトロ大尉…!」
クワトロ「久しぶりだな、艦長。メール・シュトローム作戦以来か」
ブライト「あ、ああ…。だが、どうして大尉がここに?」
プラート博士「彼にはギガノス脱出以来、世話になりっぱなしでな」「今もこうして重慶基地の守備隊隊長を務めてくれておる」
ブライト「では、博士の脱出を助けた人物というのは…?」
ダイアン「ええ、クワトロ大尉です」
ブライト「しかし、大尉…君は…」
クワトロ「…確かに、ハマーンとの戦いを経ても連邦の体制は改善されなかったが…」だからと言って、ギガノス帝国を第二のネオ・ジオンにするわけにはいかん」
ブライト「………」
クワトロ「それに、時代はまだ私という男の力を必要としているようだ。…この答えでは不服か、艦長?」
ブライト「いや、君が再び我々と共に戦ってくれるのなら、それでいい。これからよろしく頼むぞ、大尉」
クワトロ「…ああ」

ダグラス「…今、工場でドラグナーの戦闘データの吸い出し作業が始まった」「お前達のパイロット登録解除は、それが終了次第行われる」
ケーン「やれやれ、これでようやく肩の荷が降ろせるぜ」
ダグラス「登録解除に伴い、お前達は除隊となるが…」「個の戦争が終わるまで、軍の監視の下、施設に入ってもらうことになる」
ケーン「ええっ!? そりゃどういうこった!?」
ライト「俺たちゃ、ドラグナーっていう軍事機密に触れちまってるからね。普通なら銃殺刑だぜ、銃殺刑」
ケーン「けどよ、話が違うじゃねえか!」
ダイアン「…これが私達に出来る最大の譲歩なのよ。そのことをわかって、ケーン」
ケーン「………」
タップ「でも、その処分を受け入れりゃ、もう戦わなくったっていいんだろ?」
ダイアン「ええ。少なくとも、ネェル・アーガマからは降りられるわ」
ライト「軍の監視付きとは言え、生き延びられる確率は格段に上がるってことか…」
ケーン「用済みの奴はさっさと消えろってか。何か納得いかねえような気も…」
ダイアン「…経緯はどうあれ、あなた達の功績は上層部でも評価されているのよ」「だから、除隊の際には報奨金が支払われ、特例年金を受ける資格も付加されるわ」
タップ「それって、合計でいくらぐらい?」
ダイアン「一人頭、200万ドルよ」
タップ「200万! それだけありゃ、家族に楽をさせてやれるし、商売だって出来るぜ!」
ダイアン「それから…あなた達にはもう一つの選択肢があるわ」
ライト「選択肢? 何なんです?」
ダグラス「…このまま軍に残り、ネェル・アーガマ隊で戦い続けることだ」
ダイアン「その場合、あなた達にはセーラム賞が授与されることになるわ」
ケーン「勲章、ねえ。こりゃ、英雄扱いだ」
タップ「そうなったら、報奨金は?」
ダイアン「当然、なくなるわね」
タップ「じょ、冗談じゃない! そんなの御免だぜ! ケーン、ライト、お前らもそう思うだろ!?」
ケーン「…ま、まあな」
タップ「お、おい…どうしたんだよ? 少しの間ガマンすりゃ、200万だぞ? もう俺達が戦う必要なんてねえんだぞ?」
ケーン「………。なあ、ダイアンさん。俺達の登録解除はいつになるんだ?」
ダイアン「データの吸い出し作業には今日いっぱいかかるらしいから…明日になるわね」
ケーン「じゃあ、それまで考えさせてくれ」
ライト「…俺もだ」
〔扉の開閉音〕
タップ「ま、待てよ、二人共! おい、冗談じゃねえぞ!!」
〔扉の開閉音〕
ダイアン「……どう思います、中尉?」
ダグラス「わからんな。だが、我々がここまで来られたのは奴らのおかげでもある」「今まであの三人にさんざん振り回されてきたが…」「いなくなると、それはそれで寂しい気もする」
ダイアン「あら、中尉は彼らの残って欲しいみたいですね?」
ダグラス「冗談はやめてくれ。これ以上、あいつらと関われば、どんな目に遭うかわからん」「出来れば、ここできっぱりと縁を切りたいぐらいだ」
ダイアン(フフ…どうかしら?)

〔扉の開閉音〕
マリ「あ、ケーンさん達が帰ってきたわ」
ライト「あらま、みんなおそろいで…。どうしたんだ?」
甲児「そりゃ、お前らがどういう結論を出したか気になってだな…」
タップ「ああ、そのことだったら決まってるぜ。みんなにゃ悪いが、ここでおさらばだ」
マリ「やっぱり…」
洸「…タップさん、考え直す気はないんですか?」
タップ「考え直すも何も、俺は好きこのんでドンパチやってるわけじゃないんだぜ」
洸「それは俺だってそうですよ。でも…」
大介「よすんだ、洸君。彼らが決めたのなら、僕達にそれを止める権利はない」
鉄也「ああ。臆病者はさっさと艦を降りるんだな」
ケーン「何ぃ…!?」
ライト「あらら、こりゃまた手厳しいことで」
ケーン「おい、鉄也さんよ…俺達が臆病者って、そりゃどういうこった!?」
鉄也「どうもこうも、そのままの意味だ」
大介「鉄也君、それは言い過ぎだぞ。誰だって戦わずに済むのなら、それに越したことはない」
鉄也「だが、戦う術を持っている人間は別だ」「自分の意思で守るべきものを守る戦いを捨て、去っていく奴は臆病者以外の何者でもない」「余の中には守るべきものを守れず、死んでいく連中もいるんだぞ」
ケーン「……!」
タップ「俺はあんたみたいに自分の意思で戦争に参加したんじゃねえんだ」「生き延びたくて、ここまでやって来ただけなんだよ」
鉄也「なら、今までどうして逃げ出さなかった? その機会はいくらでもあったはずだ」
タップ「そ、そいつは…!」
甲児「そこまでにしとけよ、鉄也さん。ケーン達が時分で決めたんなら、それでいいじゃねえか」
大介「ああ。僕達に出来ることは、彼らを笑って送り出してやることだ」
鉄也「なら、最後に一言言わせてもらうぜ。ここでドラグナーを降りたら、お前達は一生後悔することになるぞ」
タップ「ヘッ、降りなかった方がそうなるね」
鉄也「だったら、好きにしろ」
タップ「ああ、言われなくてもそうするさ」
〔扉の開閉音〕
ライト「やれやれ、売り言葉に買い言葉とはまさにこのことだね」
鉄也「…俺はお前達と出会って日が浅いが、もっとガッツのある連中だと思ってたぜ」
ケーン「………」

プラート博士「…ふむ。予想以上じゃな、ケーン君達のデータは」
ダイアン「伊達にここまで生き残ってきたわけではないということですね」
プラート博士「ああ。ドラグナーの性能を十二分に引き出している」「…ところで、リンダ。例の作業の方はどうなっておる?」
リンダ「フレームとパーツの換装は終了しました。後は武装まわりです」
プラート博士「おお、そちらの方も予想以上の速さだな」
リンダ「お父様が予め組んでいらラインのおかげですわ」「明日の朝までには、起動テストの段階までいけると思います」
プラート博士「うむ…それらの作業が無駄にならねばいいがのう」
リンダ「………」「…それで、ダイアンさん…ケーン達は?」
ダイアン「考えさせて欲しいって言ってるわ。もっとも、タップだけは降りるつもりのようだけど…」
ローズ「やっぱり…。あいつ、何もわかっちゃいないんだから」
リンダ「でも、私はケーン達に無理強いをしたくない…。例え、あの3体が無駄になったとしても…」
プラート博士「…ダイアン君、ケーン君達を呼んできてくれんか?」
ダイアン「え?」
リンダ「お父様、もしかして…」
プラート博士「いや、彼らにあのことを教えるつもりはない」「ドラグナーのデータを移植した量産型の調子を見てもらいたいんじゃ」「無論、実戦ではなく、模擬戦でな」
ダイアン「わかりました、博士」

ジン「大佐、例の連中を連れて来たぜ」
グン・ジェム「ご苦労だったな、ジン。で、貴様らか? ワシの隊で試作機の慣らしをしたいと言ってきたのは…」
アルベロ「そうだ」
グン・ジェム「フン、名前は?」
アルベロ「アルベロ・エストだ」
グン・ジェム「む? その名前、どこかで…」
ミン「大佐、そいつを知ってんのかい?」
グン・ジェム「いや、会ったのは初めてだが、前に聞き覚えがあってな。はて、どこで聞いたか…思い出せんわい」
ジン「ハハハ、大佐も歳なんじゃねえか?」
ミン「で、女の方は何て名前なんだい?」
エルデ「エルデ・ミッテです」
ジン「ほほう…良く見りゃ美人じゃねえか。なあ、アルベロさんよ。その女を俺に貸してくれたら、色々と協力してやるぜ」
アルベロ「断る」
ジン「チッ、カッコつけやがって。月のねえ夜はせいぜい気をつけるんだな」
ミン「ハッ、男の嫉妬なんて、見てらんないね」
ゴル「お、おで、ちょっどうらやまじい…」
ガナン「なら、ミンとでもコンビを組むんだな」
ミン「冗談じゃないよ! 誰がこんなちょうちんゴリラと!」
ゴル「ちょ、ちょうちん? 何だって?」
ジン「ゴリラだと」
ゴル「ぬ、ぬううう…! お、おおお、おではゴ、ゴゴゴ、ゴリラじゃねえや!! ぬああああ!!」
〔機関銃の銃声〕
エルデ「!?」
ガナン「程々にしときな、ゴル。客人が驚いてるぜ?」
ジン「そうそう。特に女の方がな」
ミン「あたい達の部隊はお嬢様育ちのあんたにゃあ、ちょいと酷かもねぇ」
エルデ「…どうかお気遣いなく。私も育ちは良い方ではありませんので」
ミン「言うじゃないか。その強がりがどこまで続くか見物だねぇ」
エルデ「それもご心配なく。用件が済めば、すぐに立ち去るつもりですから」
ミン「フフフ…生意気言ってると、ケガだけじゃ済まなくなるよ?」
エルデ「………」
ジン「ヘヘヘ、俺はあんたみたいな気の強い女にひかれるぜぇ」
ガナン「やめときな。横で年食ったナイトがにらんでるぞ」
ジン「上等だ、いつでも相手をしてやるぜ」
アルベロ(…一筋縄ではいかん連中だと聞いていたが、ここまでとはな)
グン・ジェム「おう、思い出した!!」
ジン「な、何だよ、大佐。脅かすなよ」
グン・ジェム「思い出したぞ、アルベロ・エスト…。確か、クライ・ウルブズの隊長だったな」
アルベロ「………」
ゴル「大佐、その何とかウルフってのは、何なんだぁ?」
グン・ジェム「連邦軍の特務部隊でな、そこそこの腕利きが揃った連中だったと聞いておる」
ジン「けどよ、その隊長がここにいるってことは…」「奴が裏切りでもかましたか、部隊が全滅でもしたってのかァ?」
グン・ジェム「まぁ、過去なんざどうでもいい。ただし、試作機の慣らしにかこつけて手柄を立てようってんなら、話は別だ」
アルベロ「我々はネェル・アーガマ隊との戦闘でメディウスのデータが取れればいい。あんた達の手柄を横取りする気はない」
ジン「とか言って、俺たちを囮代わりにしようってんじゃねえだろうな?」
アルベロ「では、俺がその囮役をやり、ネェル・アーガマ隊を誘き出そう」「あんた達は適当な所を見計らって出てくればいい」「無論、出てこなくても構わんが…その時はこちらも適当にひきあげさせてもらう」
グン・ジェム「………」
アルベロ「…燃料、弾薬などは相場の倍を出そう。それでどうだ?」
グン・ジェム「グフフ、なかなか話のわかる奴だな。気に入った」「じゃあ、元クライ・ウルブズ隊長の腕前を見せてもらうとするか」
アルベロ「奴らを誘き出す位置は?」
グン・ジェム「貴様に任せる。頃合いを見計らって連絡してこい」
ガナン「行くかどうかは俺達の気分次第だがな、ヒヘヘヘ」
アルベロ「…了解した」
【シナリオデモ】


サブタイトル
Burning heart,Flying high」


【戦闘マップ2開始】
〔味方戦艦出現済み〕
〔味方ユニット出現済み〕

プラート博士「どうかね、諸君…ドラグーンの乗り心地は?」
ケーン「ゴキゲンだね、こりゃ。ドラグナーよりパワーがあるんじゃない?」
ライト「こいつがあれば、ギガノスも恐れるに足りずだな」
ケーン「ところで、博士…俺達が軍を辞めた後、ドラグナーはどうなるんだ?」
プラート博士「ん? 言ってなかったかの? ドラグナーはデータ収集とテストの後、解体じゃよ」
ケーン「な、何だって!?」
プラート博士「元々、あの3機は各種データを得るための試作機じゃからな」「それに、今となっては君達のクセが染み込んで他人には使いにくくなっとる」
ケーン「もしかして、お払い箱かよ!?」
タップ「しょうがないだろ。パイロットがいないんならさ」
ライト「そうだな。天寿を全うしたってところだな」
ケーン「待てよ! お前達、それでいいのかよ!?」「俺達がどれだけドラグナーに生命を救われたと思ってんだ!」
タップ「だけどよ、もう俺達にはどうしようもねえじゃねえか…」
ライト「俺達のドラグナーのデータは、ドラグーンに残るんだ。何も全てがなくなっちまうってわけじゃない」
ケーン「だからって、そう簡単にあきらめられっかよ!」
タップ「おいおい、ケーン…いつからそんなにドラグナーに入れ込み始めたんだ?」
ケーン「うるせえ! 世話になったもんには筋を通すのが俺の流儀なんだよ!」
プラート博士「…で、テストの準備はいいかね、諸君?」
ケーン「なあ、博士…やっぱりドラグナーはバラしちまうのか?」「マジンガーみてえに、博物館入りとか出来ねえの?」
プラート博士「ドラグナーは兵器じゃ。使用しない兵器を残しておくなど、無駄以外の何物でもない」
ケーン「じゃあ、俺達が軍に残ればドラグナーは解体しないんだな?」
ライト「お、おい、ケーン!」
タップ「莫迦なこと言うなよ! 報奨金も年金も消えちまうんだぞ! 俺は絶対に残らねえからな!」
ケーン「ああ、結構ですよ! 俺はお前達みたいに冷たくねえんだ!」「あんだけ世話になったドラグナーをバラバラにされても、お前達は金さえもらえればいいのかよ!」
タップ「勝手にメカに義理立てしてやがれ!」
ダグラス「いい加減にしろ、お前達! ドラグーンのテストを開始するぞ!」
ケーン「………」
タップ「………」
ライト「………」
ダグラス「いいか? これよりAI制御のメタルアーマーを出す。お前達はドラグーンでそれらを撃破するんだ」
ケーン「わかったぜ、中尉殿」
リンダ「ターゲット、出ます」
〔敵ユニット出現〕
プラート博士「さて…彼らの腕前を実際に見せてもらうとするかの」
ダグラス「あいつら、初めて乗るドラグーンで戦えるのでしょうか?」
プラート博士「ドラグーンは扱いやすい機体じゃよ。そうでなければ量産機とは言えん」「もっとも、それ故に限界もあるのじゃがな」
ダグラス「………」
ベン「心配はいりませんよ、中尉殿。ああ見えて奴らは本番に強いですからね」
ダグラス「それはそうだが…」
ベン「ケーン、タップ、ライト。お前達の最後の任務だ。気を引き締めていけ!」
ライト「了解!」
<戦闘開始>

<ケーンが戦闘>

ケーン(ちっきしょう…! 俺達はドラグナーに何もしてやれねえのかよ…!?)

<敵全滅・味方援軍1&敵増援1&第4軍増援1出現>
リンダ「お父様、ケーン達がターゲットを全て撃破したわ」
プラート博士「うむ。ローズ君、タイムは?」
ローズ「ええと…コンピュータの予測タイムよりかなり時間がかかっています」
ダグラス「馬鹿な…。あのドラグーンには連中のデータがはいっているんだぞ。機体との相性に問題はないはずだ」
プラート博士「ふむ…。この結果はドラグーンのせいじゃろうな」
ダグラス「は…?」
プラート博士「とりあえず、彼らのおかげで問題点は判明した。これでテストは終了じゃ」
ローズ「ケーン、タップ、ライト、お疲れさま。格納庫に戻って」
ライト「了解。これで俺達もドラグナーも、本当にお役御免ってわけだな」
ケーン「………」
タップ「おい、ケーン…変な気を起こすなよ。軍に残るなんて、俺は絶対に嫌だからな」
〔レーダー反応〕
タップ「な、何だ!?」
ライト「今のは…敵接近の警報だぞ!」
タップ「こ、これで終わりだって時に! おい、早く格納庫に戻ろうぜ!!」
ブライト「トーレス、状況を報告しろ!」
トーレス「重慶基地の東30キロの地点に、敵メタルアーマー部隊を確認!」「機数、約50! まっすぐこちらへ向かって来ます!」
ミサト50機ですって…! 本気でここを潰すつもり!?」
クワトロ「ブライト艦長、ここの防衛は私に任せ、敵部隊の迎撃に出てくれ」
ブライト「わかった。総員、第1種戦闘配置! ネェル・アーガマ、発進!」
トーレス「了解!」
ケーン「ま、待ってくれ! 俺も行くぜ!!」
タップ「ケーン!!」
ケーン「敵が来てるってのに、俺達だけ引っ込むわけにはいかねえだろ!?」
デューク「ケーン君、君達が戦う必要はない。後のことは僕達に任せてくれ」
サイ・サイシー「そうそう、無理する必要はねえからさ」
甲児「じゃあ、行ってくるぜ!」
〔ブライト、マップ端へ移動〕
〔味方戦艦離脱〕

ケーン「………」
〔味方ユニット出現〕
〔第4軍ユニット出現〕

クワトロ「…こちら、クワトロだ。これより、我々は重慶基地の防衛に回る。ワカバ三等空士、お前達はすぐに戻れ」
ケーン「け、けどよ!」
クワトロ「…そこにいれば、確実に戦闘へ巻き込まれることになるぞ?」
タップ「大尉の言う通りだぜ、ケーン。俺たちゃ、もう戦わなくていいんだ。早いトコ戻っちまおうぜ」
〔レーダー反応〕
ライト「お、おい! この反応は!!」
ケーン「敵か!?」
〔敵ユニット出現〕
ローズ「あ、あんなにたくさん!」
クワトロ「グン・ジェム隊の本隊…! やはり、さっきの敵は陽動か!」
ケーン「な、何だって!?」
グン・ジェム「フヘヘヘ! お出迎えは新型のピカピカか!
ガナン「あいつが量産型のドラグナー…噂の割には貧相な面構えだな」
ミン「ああ、あんなのであたい達を倒そうなんざ、百年早いってのさ」
ゴル「百年? そんなにかがらねえ! おでが10分で叩き潰じてやる!!」
ミン「バカ、そういう意味じゃないんだよ」
グン・ジェム「…ジン、ネェル・アーガマの方はどうだ?」
ジン「アルベロの部隊が上手く引きつけてるみたいだぜぇ」
ガナン「ヒェヘヘヘ…あの親父、大口を叩いただけのことはあるな」
グン・ジェム「よし、ジンよ…おめえの機体でジャミングをかけるんだ。そうすりゃ、奴らは連絡が取れずに孤立する」「おかげでワシらは大漁ってわけだ! グハハハハ!!」
ジン「OK! 任せな、大佐!」
ダグラス「パテントン少尉、すぐにネェル・アーガマへ連絡を!」
ローズ「ダ、ダメです! 通信妨害がかけられてるみたいで…!」
ダグラス「な、何だと!?」
ライト「どうする、ケーン!?」
ケーン「どうするもこうするもねえ! 俺達も戦わなきゃ、リンダちゃんやローズ達までやられちまうぜ!!」
タップ「く、くそっ! やっぱ、こうなるってのかよ!?」
グン・ジェム「よぉし、てめえら! じっくりと奴らをいたぶってやりな!!」
ガナン「ヒェヘヘヘ! 任せな、大佐!」
リンダ「お父様! このままじゃ、ケーン達が…!!」
プラート博士「…リンダ、すぐに例の3機の出撃準備をさせるんじゃ」
リンダ「え!?」
ダイアン「まさか、博士…ケーン達にあれを使わせるおつもりですか!?」
プラート博士「当然じゃ。元々、そのために開発をしておったのじゃからな」
リンダ「で、でも…! テストもなしで出撃させるなんて…!」
プラート博士「あの三人は本番に強いんじゃろう? そこに賭けるしかない」
ベン「いったい、何の話なんです…!?」
プラート博士「今は詳しい説明をしておる時間はない」「クワトロ大尉、聞こえるか? 今から例の3機の出撃準備をさせる」「それまでの時間を何とかして稼いでくれ」
クワトロ(あれを出撃させるというのか…? だが、今の状況ではそれもやむなしか)「…こちら、クワトロ。了解した」
ジン「さあて、行くぜぇ!!」
ケーン「来るのか!?」
クワトロ「ワカバ三等空士、お前達は後方に下がれ」
ケーン「いや、俺達が前に出る! 大尉達は援護を頼むぜ!」
ライト「ま、量産型とは言え、ドラグナーの扱いはまだ俺達の方が上だしね。ここは任せてもらいましょうか」
クワトロ「…今、プラート博士達は新型の出撃準備をしている」「それらを防衛するためにも、お前達は後ろへ下がるんだ」
ケーン「新型機!? ドラグーン以外にも、そんなのがあるってのかよ!?」
ライト「それ以前に、そいつのパイロットは誰がやるんです!? 補充兵がいるなんて話、聞いてませんよ!」
クワトロ「いや、パイロットはいる、すでにな」
ケーン「???」
クワトロ「とにかく、お前達は基地の防衛に回れ! 彼らの相手は私がする!」

<味方援軍1出現の次PP・味方援軍2出現>
グン・ジェム「ほう…やるじゃねえか、あいつら」「どうやら、パイロットはそこそこの修羅場をくぐってきたみてえだな」「だが、ワシから見れば…まだまだ隙だらけだ!!」
〔グン・ジェム、ケーンへ隣接〕
ケーン「な、何だ、こいつ!?」
クワトロ「いかん! 離脱しろ、ワカバ!」
グン・ジェム「グハハハ! もう遅いわ!!」
〔グン・ジェム、ケーンへ攻撃〕
[イベント戦闘「ケーンvsグン・ジェム」]
〔グン・ジェム、後退〕
ケーン「う、ううっ…!!」
リンダ「ケ、ケーン!!」
タップ「ライト! ヤバいぞ!!」
ライト「あれじゃ援護できない! ケーン、すぐに逃げるんだ!!」
ケーン「ち、ちっきしょう…! バーニアがイカれちまった…!!」
グン・ジェム「グハハハ! 思った通り、見かけ倒しじゃねえか!」
ケーン「るせえ! こちとら、まだこいつに乗ったばかりなんだ!」
グン・ジェム「そいつは運が悪かったな、小僧!」
ケーン「くっそぉぉ…! ドラグナーさえ、ドラグナーさえありゃあ…!!」
グン・ジェム「さあ、念仏でも唱えろぃ! ワシが真っ二つにしてくれる!!」
???(ロム)「待ていっ!
ゴル「だ、だ、だ、誰だ!?
ミン「ど、どこだい!? 姿を見せな!!
ケーン「あいつは…!?
[イベンドデモ「ロム・ストール登場」]
ロム「己の力に溺れる者は、より大きな力の持ち主の前には必ず破れ…」「己が不明を悔いる羽目となる」「人、それを必滅という…!
グン・ジェム「どこだ!?
ミン「あ、あいつは!?
グン・ジェム「んん!?
ミン「た、大佐! 頭の上に!!
グン・ジェム「おお!? 何だ、てめえは!?
ロム「貴様らに名乗る名前はないっ!

〔味方ユニット出現〕
ロム「闇あるところ光あり、悪あるところ正義あり…」「天空よりの使者、ケンリュウ参上…!
ミン「おだまりっ!」「アタイらグン・ジェム隊にケンカ売るたぁ、いい度胸じゃないか!
グン・ジェム「ここはてめえみたいなカブいた奴の来る所じゃねえんだ!
ロム「だが、お前達のような悪党を見逃すわけにはいかん…!」「そして、正義のために戦う者を俺は見捨てはしない!」
グン・ジェム「何だと!? 生意気な奴め、まずはてめえから始末してやるぜ!!」
ケーン「あ、あいつ…! 俺を助けに来てくれたのか!?」
クワトロ「いったい、彼は何者なんだ…!?」
ケーン「それが、俺もよくわからねえんだけど…いつもいいトコで出てくるんだよな、これが」
ロム「さあ、ここは俺に任せて行くがいい。新たな竜の力が君達を待っている…!」
ケーン「竜の力? 何だ、そりゃ!?」
クワトロ(まさか、あのことを言っているのか…?)
ロム「迷っている時間はない! 自らの意思で、新たな力をその手にするんだ!!」
ケーン「え!? ええっ!?」
クワトロ「ワカバ、オセアノ、ニューマン! 今の内に第3格納庫へ行け!」
ライト「ク、クワトロ大尉まで何を!?」
タップ「その第3格納庫ってのに、何かあるってのかよ!?」
クワトロ「行けばわかる。生き延びたければ、私のいうことを聞け!」
ケーン「わ、わかった! タップ、ライト! 行くぞ!!」
ライト「あ、ああ!」
タップ「ええい、こうなったらどうにでもなれってんだ!!」
〔ケーン、格納庫へ隣接〕
〔味方ユニット離脱〕
〔タップ、格納庫へ隣接〕
〔味方ユニット離脱〕
〔ライト、格納庫へ隣接〕
〔味方ユニット離脱〕

グン・ジェム「ヘッ、あいつらを逃がすために下手な芝居を打ったってわけか? だが、そいつぁ無駄ってモンだぜ!」
ロム「彼らは逃げたわけではない…。必ずここへ戻ってくる! それまでの間、お前達の相手はこの俺がする!」
グン・ジェム「上等だ、かかってきやがれ!!」
〔グン・ジェム、回復〕

<味方援軍1出現の次PP・味方援軍2出現>
ケーン「プラート博士! ここにあるのは俺達のドラグナーなんだろ!? 早く出撃準備をしてくれ!」
プラート博士「待っておれ。今、ハンガーを上げる」
タップ「ケーン、これが最後だからな! この戦闘が終わったら…」
ケーン「るせえ! 俺はもう決めたんだ! どのみち、軍から抜けたって…」「ギガノスや鉄甲龍、ガルファみたいな連中がいる限り、安心して暮らすことなんて出来ねえ!」「だから、俺はこの手であいつらをブッ叩く!」
タップ「そんなこと言って、自分から死ぬ確率をはね上げてどうすんだよ!」
ライト「…人間の運命なんて、明日にゃどうなるかわからんもんさ」「それに…俺達より若い連中が頑張ってるのに、ここで逃げ出すってのは、どうもねえ」
タップ「じゃあ、報奨金はどうすんだよ!? 200万ドルだぞ、200万ドル!」
ケーン「そんなもん、いらねえ!」
ライト「悪いな、タップ。商売は一人でやってくれ」
タップ「ったく! お前ら、馬鹿だぜ! 200万ドルをふいにするなんてよ!」
ケーン「…そんなのより、大事なもんをもらっちまったからな」
タップ「あ、お前…今、カッコいいことを言おうとしてるだろ!?」
ケーン「え? わかる?」
〔機械の稼働音〕
プラート博士「よし、セットアップが終了したぞ」
ケーン「な、何だありゃ!? D-1の形が変わっちまってる!!」
タップ「お、俺のD-2も…!!」
ライト「D-3は……。ありゃ、同じか」
ケーン「は、博士、これはいったい…!?」
プラート博士「…ドラグナーはここへ来ることによって、試作機としての役目を終えた」「そして、これからはネェル・アーガマ隊の主力機として、さらなる力を発揮することになる」「…そのための強化改造じゃ」
ケーン「じゃあ、こいつは…!」
プラート博士「そう。生まれ変わったドラグナー…D-1カスタムとD-2カスタム」「ワシにとっては本当の…そして、君達のドラグナーじゃ」
ケーン「す、すげえ! こいつがありゃ、グン・ジェムなんざメじゃねえぜ!!」
ライト「あの、博士…俺のD-3は?」
プラート博士「外見は同じだが、中のソフトの処理能力や装甲、出力を強化してある」
ライト「ま、こいつは見てくれじゃなく、中身で勝負の機体だからね」
ケーン「ようし! 新生ドラグナー隊、出撃だぜ!」
ダイアン「待って、あなた達。ここでカスタム機に乗ったら、除隊の意思はないと見なされるわよ?」「それでいいの?」
ケーン「そんなの、百も二百も承知だぜ!」
ライト「じゃなきゃ、ここへ戻ってきませんって」
タップ「う…え~と…」
ライト「…タップ」
タップ「わ、わかったよ! 俺も付き合ってやるよ!!」
プラート博士「…いきなりの本番じゃが、出来るな?」
ケーン「ヘヘッ…そういうの、今回が初めてじゃあないんでね!」
プラート博士「フッ、その通りじゃったな。よし、すぐに乗り込んでくれ」
ベン「いったい、ケーン達はあの中で何をやってるんだ…!?」
リンダ「もうすぐわかります。もうすぐ…」
ダグラス「もうすぐだと…!?」
リンダ「ええ、私はケーン達を信じています…。自分達の意思で、未来への道を切り開いてくれるって…!」
ベン「未来への道…!?」
プラート博士「…いいか、君達。生まれ変わったドラグナーは、出力や機動力が向上しておる」「くれぐれも振り回されんように気をつけるんじゃぞ」
ケーン「了解!」
プラート博士「よし、ハッチを開けろ! 真の竜騎兵のお出ましじゃ!」
〔味方ユニット出現〕
グン・ジェム「む!? 何だ!?」
ケーン「行くぜ! ドラグナーッ!!」
〔ケーン、前進〕
〔タップ、前進〕
〔ライト、前進〕

タップ「こ、こいつ! パワーが段チだぜ!!」
ライト「ヘヘッ、カスタムは伊達じゃないってね!」
グン・ジェム「あ、あれは…ドラグナーか!?」
ケーン「ドラグナーはドラグナーでも、俺たちゃ新生ドラグナー遊撃隊だ!!」
クワトロ「フッ、起動に成功したか…!」
ベン「あ、新しいドラグナー…! いつの間にあんな物を…!?」
ローズ「ドラグーンの開発と同時に、プラート博士が強化計画を練ってたの」「だから、後は材料が届くのを待ってたってわけ」
ダグラス「…馬鹿な連中だ。あれに乗れば、もう後戻りは出来ないというのに…!」
ベン「ちゅ、中尉殿…!?」
ダグラス「だが…それでこそ、あいつらだ。パテントン少尉、ニューマン三等空士と連携して、ネェル・アーガマ隊に連絡を」「これ以上、あの三人を調子に乗せるとロクな事が起きんからな」
ローズ「は、はいっ!」
ベン「ダグラス中尉…」
ダグラス「ここまでやっとの思いで運んできたドラグナーだ…やられてたまるものか。我々で出来る限りのサポートをするぞ!」
ベン「了解であります!」
グン・ジェム「フヘヘ、多少形が変わったところでどうということはねえ!」「野郎共、あの小僧共を血祭りに上げろ!」
ケーン「言ってろ! もうてめえらの好きにはさせねえかんな!」
ロム「新たな竜の力…見せてもらうぞ、君達!」
ケーン「ああ! 行くぞ、タップ! ライト!」
ライト「わかった!」(同時)
タップ「おおっ!」(同時)

<味方援軍2出現の次PP・味方援軍3&敵増援2出現出現>
〔敵ユニット出現〕
〔アルベロ、前進〕

グン・ジェム「あの機体、アルベロか!?」
アルベロ「………」
グン・ジェム「チッ、おめえがここに来りゃ、あいつらが…!」
〔味方戦艦出現〕
〔味方ユニット出現〕

ブライト「各機、出撃しろ!」
〈出撃準備〉
甲児「無事か、ケーン!?」
ケーン「おう! 俺もドラグナーもピンピンしてるぜ!」
マリア「それ以前に…何か形が変わってない!?」
ライト「ま、そろそろ中盤だし…お約束のパワーアップって奴さ」
マリ「でも、D-3は前と一緒に見えるけど…」
ライト「それを言うなって。見てくれだけじゃないんだから、これが」
タップ「そんなことより、援護を頼むぜ! こっちはまだ慣らしの途中なんだ!」
アスカ「何よ、ちょっと見ない間に前向きになっちゃってさ」
鉄也(フッ…やはり、あのまま逃げ出すような連中じゃなかったな)
アルベロ「…上手く奴らを誘き出せたようだな」
エルデ「ええ。これで本来の任務に専念できます」
アクア「ヒューゴ…!」
ヒューゴ「わかっている…! 今度は逃がさん!」
アルベロ「それで…お前がいう対象は、あれか?」
〔カーソル、ロムを指定〕
エルデ「ええ。出来れば入手したいところです」
アルベロ「入手だと? 何のために?」
エルデ「………」
アルベロ「このメディウスに必要な動力源は、完全なTEエンジンではないのか?」
エルデ(今までの報告で、あの機体は自然界のエネルギーにシンクロするらしことがわかっている…)(その機能を物にすれば、私のAI1はさらなる成長を遂げる…)
アルベロ「どうした? 答えろ、エルデ・ミッテ」
エルデ「…機体の動力源入手は、ミタール・ザパト博士の命令です」「それに、あの悪魔を超えるための方法の一つでもありますわ」
アルベロ「何だと…!?」
ヒューゴ「隊長ッ!!」
〔ヒューゴ、アルベロへ接近〕
アルベロ「来たか、ヒューゴ。だが、この俺に刃を向けられるか?」
ヒューゴ「『敵』と戦うことにためらいはしない。それがあんたの教えだったからな」
アルベロ「そうだ…それでいい」
ヒューゴ「だが、理由を聞かせてもらうぞ。あんたが何故、戦場に戻ってきたか…その理由をな!」
アルベロ「…知りたいか、ヒューゴ?」
ヒューゴ「ああ。あの時、あんたは俺以外の部下を失った責任を取って、自分から軍を去ったはずだ…!」
アルベロ「………」
ヒューゴ「そして、俺の仲間やあんたの息子を弔うために戦場を捨てたんじゃなかったのか!?」
アルベロ「………」
アクア(息子…!? あの人の!?)
ヒューゴ「それなのに…何故、戻ってきた!?」
アルベロ「フッ…取るに足りん理由だ」
ヒューゴ「何!?」
アルベロ「大事なものを奪われた人間としての当然の感情…。そう、復讐だ。あの悪魔へのな」
ヒューゴ「!!」
エルデ(…当然の感情……復讐……)
アルベロ「お前も知っているだろう? 奴が復活を遂げたことを…」「クライ・ウルブズを壊滅に追い込んだあの悪魔が再び姿を現したことを」
アクア(悪魔って…デビルガンダムのこと!?)
ヒューゴ「なら、奴を倒すために…!?」
アルベロ「違う。超えるため、だ」
ヒューゴ「な…にッ!? どういうことだ、隊長!?」
アルベロ「…話はここまでだ。お前達には、メディウスの糧になってもらうぞ」
ヒューゴ「くっ!!」
エルデ「…△△△△△△のデータ収集を開始します」
アルベロ「今回は限界までやるぞ」
エルデ「彼とAI1を成長させるためなら、構いません」
アルベロ「無論、そのつもりだ。AI1に拒絶反応を出させるなよ」
エルデ「はい」(…AI1……恐れることはないわ。激しい痛みに耐えれば耐えるほど、あなたは強くなっていく…)(だから、拒否しては駄目。痛みや苦しみを受け入れなさい)(その結果、機体が大破しても…私が確実に逃がしてあげるから)
アルベロ「では、行くぞ!!」

<ロム気力130>
ロム「天よ地よ、火よ水よ…我に力を与えたまえ…!」「パァァイル・フォーーウメイション!!
〔剣狼の導き〕
〔ロム、合身〕

ロム「バァーーーイカンフゥ!!
リンダ「あ、あれは…!?」
ローズ「よくわかんないけど、カッコいい!」
プラート博士「う~む…。ドラグーンも、もっとケレン味のある登場をさせるべきじゃったかのう…」

<ヒューゴvsアルベロ>
ヒューゴ「答えろ、隊長! 奴を超えるとは、どういうことだ!?」
アルベロ「お前に教える必要などない!」
ヒューゴ「くっ! こんなことをしたって、あんたの息子は…」「フォリア・エストは、帰ってこないんだぞ!!」
アルベロ「そんなことは承知の上だ! お前も息子や部下達の所へ逝け!!」

<クワトロvsグン・ジェム>
グン・ジェム「気に入らねえんだよ、てめえは! これ見よがしに金ピカでよ!」
クワトロ「この男がギガノスの汚物、グン・ジェムか…!」
グン・ジェム「フヘヘヘ! その金ピカの装甲をはぎ取って、寺でも建ててやるぜ!!」

<クワトロvsアルベロ>
アルベロ「この男…ジオンの赤い彗星、シャア・アズナブルか…!」
クワトロ(何だ…この男とこの機体から…禍々しい気のようなものを感じる…!)
アルベロ「この男のデータもメディウスにとって意味のあるものとなろう!」
クワトロ「何をする気かは知らんが人の存在を己の目的に使う様は気分のいいものではないな…!」

<甲児vsグン・ジェム>
甲児「へ…ギガノスって言やああの蒼き鷹やお坊ちゃんみたいな連中ばかりだと思っていたが…」「こんな山賊まがいの奴らもいたとはな!」
グン・ジェム「お褒めいただいて光栄だ! お礼に貴様にはワシの青竜刀をくれてやるわ!」

<鉄也vsグン・ジェム>
鉄也「く…こいつの戦い方、本能任せの野獣…まるでトラだぜ!」
グン・ジェム「そうさ! 月育ちのお坊ちゃん共とワシのグン・ジェム隊をいっしょと思うなよ!」
鉄也「上等だ! お前の声を聞いているとファイトがわいてくるぜ!!」

<デュークvsグン・ジェム>
デューク「この男の発する荒々しさ…危険だ!」
グン・ジェム「来な、カメ野郎! 甲羅から出てきたところを叩っ切ってやるぜ!」

<竜馬or隼人or弁慶VSグン・ジェム>
竜馬「く…この男の太刀筋、変幻自在…と言うより滅茶苦茶でまるで読めない…!」
グン・ジェム「こいつが噂のゲッターか! 3機まとめてぶった切ってやるぜ!」

<洸vsグン・ジェム>
グン・ジェム「気に入らねえな! その神様みたいな雰囲気がよ!」
洸「何てパワーだ! このメタルアーマー、かなりチューンされているぞ!」

<ケーンvsグン・ジェム>
グン・ジェム「小僧! 返り討ちにしてくれるわ!!」
ケーン「ヘッ! ドラグーンとは一味も二味も違うってこと、教えてやるぜ!!」

<ケーンorタップorライトvsミン>
ミン「せっかく改造したばかりだってのに不幸だねえ…。あたいのチェーンソーがお前達を切り刻みたいってさ!」

<ケーンorタップorライトvsゴル>
ゴル「ドラグナー! お、おではお前らを倒し大佐に褒めてもらうんだ!」

<ケーンorタップorライトvsガナン>
ガナン「さて、ドラグナーよ…ギガノスにはてめえに恨みを持つ連中が多くてな」「てなわけで、てめえを倒せば金になるんだよ!」

<ケーンorタップorライトvsジン>
ジン「カスタム仕様なら、こちらのメタルアーマーも同じだ」「腕前の違いってのを見せてやるぜ、ボンクラパイロットめ!」

<ケーンvsアルベロ>
ケーン「野郎! ヒューゴさんの上官だと思ったらギガノスの一味だったとはな!」
アルベロ「我々は目的のためには手段を選ばん…!」
ケーン「そのためには相手がヒューゴさんでもお構いなしっていうわけかよ!

<タップvsグン・ジェム>
タップ「このぉ! 200万ドルの恨み、思い知ってもらうぜ!!」
グン・ジェム「何をわけのわからんことを!!」

<ライトvsグン・ジェム>
グン・ジェム「こいつがD-3か! こいつを潰せば、ドラグナー共は目玉をくり貫かれたも同然よ!」
ライト「へ~え…見た目と違って、割と頭が回るらしいな、あんた!」

<ロムvsグン・ジェム>
グン・ジェム「どこのどいつだか知らねえが、ワシの刀のサビにしてくれるわ!!」
ロム「邪念を帯びた太刀筋など、我が剣狼の輝きの前には通用せん!」

<ロムvsアルベロ>
エルデ「サンプルデータの採取を開始します」
ロム「正義の心無き者に我が力など見切れはせん!」

<綾人vsグン・ジェム>
グン・ジェム「こりゃたまげた! 天使が戦場に降りてくるとはな!」
綾人「天使って…ラーゼフォンのことか…」
グン・ジェム「あいにくだが、ワシは神も仏も信じてないんでな! 相手が天使だろうとバッサリだ!」

<グン・ジェム撃破orHP30%以下>
グン・ジェム「ち…今日のところは小手調べまでだ」「ツいてたな、ドラグナー! てめえらの命日は次に会った時だ!」
〔敵ユニット離脱〕

<ミン撃破>
ミン「チッ、今日はここまでかい!」

<ゴル撃破>
ゴル「た、大佐ぁ!!」

<ガナン撃破>
ガナン「くっそー、覚えていろ! ドラグナーどもがぁ!!」

<ジン撃破>
ジン「何だと!? うわああっ!!」

<アルベロ撃破>
アルベロ「フ、フフフ…そうだ、それでいい」
ヒューゴ「隊長!?」
アルベロ「いいか、ヒューゴ。俺は何度でもお前達の前に現れる…!」「その度に、俺とお前の身体に傷を刻み込むがいい…!」
ヒューゴ「何っ!?」
エルデ「…ラズムナニウム、強制発動」
〔アルベロ、回復〕
アクア「いつもの手ね! けど、今度は逃がさないわよ!!」
エルデ「…1次装甲、修復完了。しかし、フレームに重大な損傷が残っています」「戦闘の続行は不可能…戦域離脱をAI1に任せることをお勧めします」
アルベロ「構わん、やれ!」
エルデ「はい。ランダムパターン、算出。ダミー、放出。疑似爆破を行います」
〔敵ユニット出現〕
ヒューゴ「!?」
クワトロ「敵の増援か!?」
トーレス「違います! あれは…!!」
アクア「ど、どうしてあのマシンがメディウスから!?」
〔敵ユニット撃破〕
アクア「!!」
クワトロ「自爆したのか!?」
ヒューゴ「どうなんだ、アクア!?」
アクア「あ、あれは…あの爆発は……!」
ヒューゴ「どうした!?」
アクア(ミ、ミッテ先生の……!?)
ヒューゴ「おい、アクア!」
アクア「あ…! ご、ごめん…!」
ヒューゴ「メディウス・ロクスはどうなった!?」
アクア「り、離脱したわ…。小型機のダミーは本当に爆発したけど…メディウスのは疑似爆発…」
ヒューゴ「疑似爆発…!?」
アクア「一種の光学処理…。センサーも爆発したと勘違いする程の…」
ヒューゴ「何故、お前にそれがわかる?」
アクア「独特の反応があるから…。そのことを知ってたから…」
ヒューゴ「………」
アクア(もしかして…ミッテ先生もメディウスに…?)(い、いえ、そんなことはあり得ないわ。だって、先生は…先生の理論は…)

<敵全滅・勝利条件達成>
ロム「片付いたか…」
デューク「待ってくれ、君はクロノス族のロム・ストールなのだろう」「何故、クロノス族がこの地球に来ているんだ?」
ロム「全ては剣狼の導くままに…。また会おう!」
〔味方ユニット離脱〕
ブライト「行ってしまったか…」
ケーン「まあ、敵さんは撃退したし、まずはめでたしってところだな」
シンジ「でも、ケーンさん…ここでお別れですね」
ケーン「ああ、そのことだけどな…」
【戦闘マップ終了】

【シナリオエンドデモ開始】

ブライト「本当にかまわないのだな?」
ライト「ええ。俺達は軍に残ってドラグナーのパイロットを続けますよ」
タップ「あ~あ…これで報奨金はパァか…」
ケーン「タップ、ライト、お前らは付き合う必要はないんだぜ」
ライト「何言ってんだ、ケーン。俺達抜きじゃ、お前すぐに死んじまうぞ」
タップ「そうそう。俺達がいるからお前は生き残れたんだからな」「お前一人残しちゃ、心配でオチオチ寝られもしないぜ」
ケーン「ちぇ…そりゃお互い様だぜ」
ライト「そういうことです、ブライト艦長。俺達、チームなんで」
ケーン「ま、これでドラグナー解体も中止でめでたしめでたしだ」
プラート博士「うんうん、さすがワシの見込んだ若者達じゃ」
ケーン「結局、おっちゃんの思い通りになっちまったようだな」
プラート博士「いやいや、決断したのは君達じゃよ。それに、君が残ることに関してはリンダも喜んでおる」
ケーン「ほんとかよ!?」
ダグラス「よく決心したな、お前達。私はお前達を誤解していたようだ」
ケーン「そ、そりゃ、どうも…」
ダグラス「頼むぞ、ワカバ三等空士。お前には期待しているぞ」
タップ「あら? 随分と中尉も好意的だ」
ライト「まさか、中尉も内心でケーンに好意を持ってたりして…」
クワトロ「では、ダグラス中尉…彼らの今後のことは我々に任せてもらおう」
ダグラス「よろしくお願いします、大尉。私はこのまま重慶基地に残りますので」
タップ「ってことは…?」
ベン「ダグラス中尉は本日付けで艦を降り、重慶基地に転属になったんだ」
ライト「何だか嬉しいような寂しいような…」
ダイアン「では、3人はこちらの書類にサインを…」
ケーン「ケーン…ワカバっと…」
ダイアン「自筆のサインを確認しました。これで手続きはすべて終了です」
ブライト「では、ケーン・ワカバ三等空士、タップ・オセアノ三等空士、ライト・ニューマン三等空士…」「現時刻を以て、以上の3名をネェル・アーガマ隊に配属し…それぞれ准尉に任命する」
ケーン「准尉!? ってことは俺達…昇進したのかよ!?」
ブライト「任命は私が代理でおこなったが、これは正式な辞令だ。これまで以上の働きを期待するぞ」
ケーン「は! 了解であります!」
タップ「うひょお! 尉官ってことは給料も一気に上がるな!」
ライト「そうさ、いきなり6階級も特進したんだぜ、俺達」
ケーン「三等空士、二等空士、一等空士…」
ライト「伍長、軍曹、曹長、でもって俺達、准尉!」
タップ「ってことは…」
ケーン「そうだぜ! 今や、俺達は軍曹殿の上官だぜ!」
ベン「う…! …そうであります、准尉殿…」
ケーン「聞こえないぞ、ベン・ルーニー軍曹!」
タップ「そうそう、上官への報告ははっきりしないとね!」
ベン「申し訳ございません、准尉殿!」
ケーン「快感! 悪くねえな、この感覚!」
ベン(く…うう…! こいつら…!)
プラート博士「諸君も階級の意味がわかったようじゃな」「これで中尉であるリンダへの口の利き方も気をつけるようになるじゃろう」
ケーン「い! それは待った!」
タップ「そういやローズも少尉だったぜ…!」
ライト「階級に笑う奴は階級に泣くってことね…」
プラート博士「ま、これで諸君らも正式に軍の一員となったわけじゃが、諸君達らしさを忘れんようにな」
タップ「俺達らしさ?」
プラート博士「そうじゃ。優等生のドラグーンにはない荒々しさをドラグナーには残してある」「それを活かせるのは同じく型にはまらない諸君達だけじゃ。期待しておるぞ」
ケーン「任せてくれ、おっちゃん。俺達のために改造されたドラグナー、バリバリ戦果を上げてくるぜ!」
ライト「では、これで失礼します」
〔扉の開閉音〕
ダイアン「…これで本当によかったのでしょうか?」
プラート博士「ワシにはなにも言えん…。結局は彼らを戦いに巻き込んだのだからな
クワトロ「………」
ブライト「私も戦いに巻き込まれた若者を何人も見てきました」「彼らは悩み、傷つきながらも自分なりの戦いの理由を見出しました」「ケーン達もどこかでそれがあるから戦うことを決意したのだと思います」
ベン「僭越ながら自分もブライト大佐に同感であります」
プラート博士「ならば、ワシらはワシらの出来ることをやろう。この戦争を可能な限り早く終わらせるためにな…」
ダイアン「はい…」
プラート博士「では、我々はドラグナーの引き渡しの仕上げを進めるとしよう。ダグラス中尉、手伝ってくれ」
ダグラス「了解しました。では、艦長…あの3人をお願いします。そして…ご武運を」
ブライト「中尉もな。今までご苦労だった」
プラート博士「ダイアン君はローズ君とリンダのネェル・アーガマ乗艦の手続きを頼む」
ダイアン「はい」
ベン「その…ダイアン少尉もネェル・アーガマに?」
ダイアン「いえ、私は重慶配属のままです」
ベン「そうですか…」
ダイアン「軍曹もお元気で。また会える日を楽しみにしています」
ベン「は! 自分もであります!」
プラート博士「丁度いい。ベン軍曹はリンダ達の荷物を運ぶのを手伝ってくれ。ダイアン君といっしょにな」
ベン「はい! 自分、力には自信があります! ぜひとも少尉のお手伝いを!」
プラート博士(うんうん…わかりやすい男じゃ)
ダイアン「では、失礼します」
〔扉の開閉音〕

アクア「…メディウス・ロクスは明らかに前に見た時よりパワーアップしているわ」
ヒューゴ「………」
アクア「その要因となっているのはラズムナニウムだと思うけど…」「アルベロ・エストが制御を行なっているとは考えられない」
ヒューゴ「あの機体に乗っている人間がもう一人いると言うのか?」
アクア「わからない…。少なくともメディウスのスペックノートを見た限りじゃ、あれは一人乗りだし」
ヒューゴ「…何故、お前はメディウスの離脱方法を知っていたんだ?」
アクア「士官学校時代、ある人にその事を教えてもらったからよ」
ヒューゴ「なら、その人間がメディウス・ロクスに乗っているんじゃないのか?」
アクア「あり得ないわ。そういうことをする人じゃないもの」
ヒューゴ「………」
アクア(でも、先生とザパト博士の間に何らかの関係があることは確か…)(けど、あの人がメディウスの開発に関わっているとしたら…)(あの機体は戦闘用の人工知能を搭載した無人機になっているはず)(そして……それが先生の目指していた物だったもの)「………」「ねえ、ヒューゴ。一つだけ教えてくれる?」
ヒューゴ「………」
アクア「アルベロ・エストが言っていた復讐…それはもしかして…」
ヒューゴ「………」「お前が思っている通りだ。俺がかつていたクライ・ウルブズはデビルガンダムその戦闘で壊滅した」
アクア「………」
ヒューゴ「そして、その時に生き残ったのが俺とアルベロ…」「あの男は部隊全滅の責任を問われ、自らの意思で軍から去っていった」「俺の仲間達…そして自分の息子であるフォリアを弔うために…」
アクア「でも、彼は再び戦場へ戻ってきた…。デビルガンダムに復讐するために…」
ヒューゴ「…それだけとは思えん」
アクア「え…!?」
ヒューゴ「デビルガンダムの復活が判明したのは、メディウス・ロクスが強奪された後だ」「つまり、アルベロはメディウスに乗ってからあの悪魔が再び動き出した事実を知った可能性が高い」
アクア「けど、最初から復讐を考えていたって線も…」「あるいは、クライ・ウルブズの話を知っていたザパト博士にスカウトされたとか」
ヒューゴ「そうなら、自分から軍を去る必要や理由がない」「…この俺のようにな」
アクア「………」
ヒューゴ(デビルガンダムへの復讐以外にも何か目的があるはず…)(それは何なんだ? 隊長…いや、アルベロ・エスト……)

リンダ「…私、どこかでケーンが軍に残るような気がしてた…」
ケーン「どうしてだ?」
リンダ「だって、ケーンは戦うことで何か…うまく言えないけど何かを見つけかけているように思えたから…」
ケーン「そうかな…。それより、リンダはどうして軍に協力してるんだ?」「俺達と一緒にいた頃はあんなに戦いを嫌っていたのに…」
リンダ「…私が戦いを憎んでいたのは父を憎んでいたのと同じ意味なの…」
ケーン「父って…あのおっちゃんをか…?」
リンダ「ええ…。父の開発したメタルアーマーで戦争が始まった」「そして、父が連邦に亡命することで戦争が広がった…」
ケーン「でもよ、それは…」
リンダ「…今は父が苦難の末に下した結論であることはわかっている」「だから、私も自分の理想を単なる理想で終わらせないためにも」「自分を戦いっていう矛盾した環境においてみることにしたの。そうすれば、きっと何かが見えてくると思ったから」
ケーン「そうだよ、リンダ! 頭の中で考えるだけじゃ何も変わらないもんな!」
リンダ「でもね…まだやっぱり父の全てを許しているわけじゃないの…」「父のおかげで家族もバラバラになってしまったしね…」
ケーン「………」「…リンダ、俺…京都でギガノスの蒼き鷹に会ったよ」
リンダ「!」
ケーン「なあ、リンダ…あいつって…」
リンダ「ごめんなさい、ケーン。今は何も聞かないで…」「…でも、いつかは全てをあなたに話すわ…。だから、それまで待って…」
ケーン「ああ、わかったよ…」
リンダ「私とローズもオペレーターとしてケーン達と同行することになったの」
ケーン「じゃあ、これからはずっといっしょってことか!」
リンダ「ええ…」
ケーン「リンダ…」
〔歩く複数の足音〕
ライト「お! こんなとこにいたのか、ケーン」
ケーン「げ…ライトにタップ! それにみんなも!」
タップ「っと…お邪魔だった?」
ケーン「この野郎! そう思うんだったらどっか行けよ!」
甲児「つれないこと言うなよ。せっかく艦に残ったお前達をあらためて歓迎しようと思ったのによ」
ケーン「おおげさな野郎だぜ。別に今までと何ら変わりないってのに」
ミサト「気にしない、気にしない。こういうのは縁起物だから」
アスカ「結局、賭けに勝ったんでミサトは上機嫌ね」
シンジ「でも、僕も嬉しいよ。ケーンさん達が残ったのは…」
アスカ「ふ~ん…。あんたがそういうことを言うなんてね」
シンジ「だって…せっかくここまで一緒にやってきたのに…」
アスカ「ま…あんな奴らでもいなくなれば静か過ぎるしね。いないよりはマシってやつね」
シンジ「マシって、そんな…」
アスカ「ま、これでまたまた退屈せずにすみそうだけど」
ケーン「よお、シンジ! そういうことなんでまたよろしく頼むぜ」
シンジ「はい、ケーンさん」
ケーン「お前に頼まれたんじゃ俺も嫌とは言えねえからな。また、地獄の戦場に戻るとするぜ」
シンジ「すみません…」
ケーン「冗談だよ、冗談! ま…お前の中の引っかかりぐらいには俺にも戦う意味があったってことさ」
大介「今はそれでいい、ケーン君。君達が戻ってきてくれて嬉しいよ」
鉄也「これからも当てにさせてもらうぜ」
ケーン「へへ…悪くねえな、こういうのって」
リンダ「ケーン…あなたの居場所はここにあるのね」
ローズ「それでね、もうすぐ月からネルガルの戦艦が来るんだって」
ケーン「例のナデシコか。宇宙もたいへんだったらしいな」
ライト「向こうも新しい仲間が増えたって話だ」
ケーン「丁度いい、俺達の復帰も兼ねて、歓迎会といこうぜ」

甲児「銀河! この野郎、散々心配かけさせやがって!」
銀河「へへへ…勘弁してよ、甲児さん。ちゃんとレオもユニコーンも戻ってきたんだしさ」「それに、螺旋城からの脱出劇…みんなにも見せたかったぜ」
エリス「んもう…こっちは見ててヒヤヒヤしたんだから」
アクア「ふふっ、二人共、ちゃんと仲直りしたのね」
北斗「でも、ごめんなさい、皆さん…。僕達のせいで心配をかけてしまって…」
大介「何を言っているんだ、北斗君。仲間の身を案ずるのは当然のことさ。無事に戻ってくれて良かったよ」
北斗「ありがとうございます、大介さん…」
アルゴ「竜崎一矢…無事だったか」
サイ・サイシー「火星圏からの連絡が途絶えたって聞いたんで心配したんだぜ、おいら達も」
一矢「すまない…」
アレンビー「火星に何があったの? エリカさんは無事なの?」
一矢「………」
タップ「へ~え…あの人がコロニー格闘技選手権大会でドモンと優勝を争った竜崎一矢か…」
ライト「カラテの達人にして、闘将ダイモスのパイロット。そして、バーム戦争終結の立役者…」「さらに、その恋人はバーム側のエリカ大使だからな。ちょっとした有名人以上だね」
タップ「でも、あの二人って今は火星にいるんじゃなかったっけ?」
ケーン「ああ。何で地球に…しかも俺達の部隊に来たんだろ?」
京四郎「それは俺が説明しよう」
ケーン「あんたは?」
京四郎「俺は夕月京四郎。一矢とは昔からの付き合いだ」
ナナ「あたし、和泉ナナです。狂四郎さんと一緒にガルバーのパイロットをしてます」
京四郎「一矢共々、よろしく頼むぜ」
ケーン「ふうん…で、その背中の日本刀は何かのファッション?」
ジョルジュ「いえ、ムッシュ夕月はムッシュ竜崎に劣らぬ武道の達人なのですよ」
チボデー「そうそう。戦闘機の乗せとくのがもったいないぐらいのな」
竜馬「チボデー・クロケットにジョルジュ・ド・サンド…」
隼人「つまり、クイーン・ザ・スペードとジャック・イン・ダイヤか。これでシャッフル同盟が揃ったな」
ジョルジュ「ええ、再び私達が血腫せねばならないような事態が発生しましたからね」
隼人「デビルガンダムのことか?」
チボデー「もちろん、そのこともあるが…宇宙でも色々とあったんでな」
ジョルジュ「その件に関しては、私達のよりも適任の方々がいらっしゃったようですね」
〔扉の開閉音〕
ミサト「みんな、集まってるわね」
ブライト「では、これからの作戦行動についてのブリーフィングを始める」
ミサト「と、その前に…ナデシコの艦長さんを紹介するわね」
ルリ「こんにちは。ナデシコB艦長、ホシノ・ルリです」
ケーン「あれが噂の…」
タップ「史上最年少…」
ライト「天才艦長か…」
サブロウタ「最後がちょいと惜しいねェ。美少女…ってのが抜けてるよ」
ハーリー「タカスギ大尉! 先に自己紹介しなきゃ駄目でしょう!」
サブロウタ「今、お前がやってくれたじゃん」
ハーリー「自分でやらなきゃ、自己紹介じゃありませんよ!」
ルリ「ちなみに、この子はナデシコB艦長補佐、マキビ・ハリ少尉…通称、ハーリー君です」
ライト「なるほど、タカスギ大尉にハーリー君ね」
ブライト「…既に地上での敵組織の動向はホシノ少佐に説明しておいた」「しかし、宇宙ならびに火星圏は我々が予想もしていなかった状況になりつつある」
洸「いったい火星圏で何があったんです?」
一矢「火星は武力により制圧された…」
ケーン「な、何だって!?」
甲児「新しい異星人が現れたっていうのかよ!」
遙「その方が、まだマシだったかも知れないわね…」
ミサト「火星を襲った連中は『火星の後継者』と名乗っているわ…」
ブライト「その実態は蜥蜴戦争中に姿を消した元木星連合の実質的トップ、草壁春樹中将率いる木星連合の残党だ」
ライト「木連の残党…ということは俺達が京都で戦った相手も…」
ベガ「ええ、そうよ。あれも彼ら…火星の後継者の使用する機動兵器よ」
ベン「しかし、その草壁とかいう男は蜥蜴戦争の終盤、和平ムードの高まる中、最後まで徹底抗戦を主張したが…」「最後はクーデターによって失脚し、以降は消息不明と聞いています」
鉄也「若手穏健派による政権奪取…俗に言う『熱血クーデター』か」
京四郎「『熱血とは、盲信に非ず』…」
ケーン「何だ、それ?」
京四郎「そのクーデターの檄文だ。志という名に溺れ、情勢が見えていない徹底抗戦派への痛烈なカウンターだな」「後の世まで残る名句だろう」
サブロウタ「まあ、そのクーデターで草壁中将は元中将になったわけだが…」「生きていたどころか、この3年で着々と戦力を集めていたのさ」
ハーリー「我々の調査によりますと彼への賛同者は多数…」「さらにはヒサゴプランの関係者の多くが、彼の手の者だったんです」
大介「火星の後継者の狙いは、そのヒサゴプランの制圧なのですか?」
ルリ「それだけではありません。彼らの最終的な目的は全ての瞬間移動術の掌握にあります」
一矢「そのために奴らは小バームも制圧したんだ…」
クワトロ「そうか…あの人工天体もワープ航法装置が備え付けられていたな」
京四郎「もっとも、バーム戦争において装置は大破し、現在も機能は回復していなかったがね」
ナナ「エリカさんが悪用を恐れてそのままにしておいたことが不幸中の幸いだったのね」
一矢「だが、彼らは小バームと火星を制圧し、エリカを人質にして装置の修理を迫っているんだ…」
ルリ「彼らはターミナルコロニーのアマテラスに収容されていた火星の遺跡を強奪し、そのまま火星圏を制圧…」「現在は火星の極冠遺跡、イワトに立てこもっています」
サブロウタ「つまり、ボソンジャンプの演算ユニットは元のサヤに収まったというわけだ」
ライト「じゃあ、ボソンジャンプを可能とするA級ジャンパーが数年前から次々行方不明になっていたのは…」
サブロウタ「ま…ボソンジャンプの技術を独占するためだろうな」
ルリ「………」
ハーリー(艦長…かつての仲間であるアキトさんやユリカさんのことを考えているんですね…)
サブロウタ「事実として連邦側にはA級ジャンパーは一人も残っちゃいない」「おまけに演算ユニットも連中の手の中にある」
鉄也「つまり、今のところ瞬間移動術は完全に奴の手に握られているってことか」
アルゴ「今後、火星の後継者の予測される動きは?」
ルリ「…ボソンジャンプを使用しての地球連邦主要施設の一斉占拠でしょう」
サイ・サイシー「涼しい顔してる場合かよ! とっとと、その主要施設ってのを守りにいかないと!」
ドモン「落ち着け、サイ・サイシー。まだ時間は残されている」
サイ・サイシー「どういう意味だい?」
サブロウタ「ああ、連中はボソンジャンプを完全に物にしているわけじゃァないんでね」
ライト「なるほど…。制御可能だったら、今頃はあっちこっちが大変なことになってるはずだもんな」
ケーン「なら、今がチャンスだぜ! 火星に殴りこんで、連中を一気に片付けちまおうぜ」
アムロ「残念ながら、そうはいかない。火星の後継者は地球圏においてギガノスと手を組んでいるんだ」
ケーン「何だって…!? ギガノスの野郎、見境無しかよ…!」
タップ「そういえば、京都でも奴ら、挙動戦線をとってやがったな…」
アムロ「俺も宇宙でギガノスの蒼き鷹マイヨ・プラートと戦ったが…」「ギガノスは連邦を打倒するためにはあらゆる手段を使う気らしい」
ケーン「そうか…最近、見ないと思ったら蒼き鷹は宇宙にいたのか…」
リンダ「………」
クワトロ「連邦が火星へ長期出兵を行えばその間にギガノスが攻勢に出る手はずか…」
大介「だが、地球圏の紛争が長引けば火星の後継者に瞬間移動術の制御を完成させる時間を与えてしまう」
甲児「じゃあ、どうすればいいんだよ! 連邦のお偉いさん方はどうするつもりなんだよ!?」
ブライト「しばらくは静観するとの決定だ…」
鉄也「馬鹿な…! 奴らをのさばらせておく気か!」
サブロウタ「ま…放っておいても連中も楽は出来ないんでねェ」
大介「なるほど…ガルファやベガ星連合軍の存在が鍵というわけか」
アムロ「その通りだ。連中が地球圏で活動する以上、それらの異星人との衝突は避けられない…」「つまり、連中も隊連邦と同時に対異星人組織の戦略を展開せざるを得ないというわけだ」
竜馬「そして、地上には百鬼帝国やハウドラゴン…MUもいます」
大介「皮肉なものだ。戦いの混乱が今回は僕達に味方するとは…」
ブライト「上層部も手は打っている。我々に課せられた任務は、それまでの時間稼ぎだ」
ケーン「ま、また囮役かぁ…」
甲児「ナデシコも加わったら、余計に目立つからな…俺達」
ブライト「なお、我が隊は明日0100に重慶基地を出発し…日本へ帰還する」「各自は本日2300までに各準備を済ませておくように」
ミサト「それでは、以上。解散」
リョーコ「…ちょっといいか?」
ライト「あなたは確かナデシコの…」
リョーコ「エステバリスのパイロットのスバル・リョーコだ。よろしく頼むぜ」
ライト「こちらこそ。美人の仲間入りは大歓迎ですよ」
リョーコ「…そんなことより、黒い機体のデータを持ってんだろ? それを貸してくれ」
ライト「黒い機体…? ああ…京都で会ったボソンジャンプする奴のことね」「何か、あれに興味でも?」
リョーコ「…余計なことは聞くな。ただデータを見せてくれりゃいいんだ」
ライト「………」
ルリ「ライトさん、私からもお願いします」
ライト「そりゃホシノ艦長の頼み…じゃなくて命令なら…」
リョーコ「すまないな、ルリ…。お前にまで出張ってもらって」
ルリ「…私も気になってましたから」
リョーコ「そうだな…。俺達にとってアキトもユリカも家族みたいなものだからな…」「特に蜥蜴戦争の後、あいつらといっしょに暮してたお前にとっては一層な…」
ルリ「………」
リョーコ(あの黒い機体に乗っているのはアキトの野郎だ…)(もし、火星の後継者の連中がA級ジャンパーを手に入れるためにアキトとユリカを襲っていたとしたら…)(アキト…この2年の間にお前とユリカに何があったんだ…)
【シナリオエンドデモ終了】


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