TOP PAGEへ

シーン1 過去からの警鐘
No.5
神人目覚める

<ファースト TOKYO JUPITER近海>
ネェル・アーガマ隊はTOKYO JUPITERへの侵攻
作戦、「オーバーロード作戦」に参加するため、対MU戦略
研究機関TERRAと接触する。その頃、TOKYO JU
PITERの中では…。

【シナリオデモ開始】
スカルムーン基地

ガンダル「…バレンドスよ、ベガ大王の親衛隊長ともあろう者がおめおめと逃げ帰ってくるとはな」
バレンドス「今回は様子を見ただけだ。いずれ、デューク・フリードとは必ず決着をつけてやる」
ガンダル(…口では何とでも言えるものよ)
ブラッキー「ところで、ガンダル司令様。月の裏側にあるギガノスとかいう地球人共の勢力はいかが致します?」
ガンダル「特殊シールド装置のおかげで、奴らはこのスカルムーン基地の存在に気づいておらぬ」「例え、我らの存在を知ったとしても、二正面作戦を執るほど愚かではあるまい」「しばらくの間、放っておけ」
ブラッキー「それでよろしいので?」
ガンダル「地球の軍勢から月を守る盾としてせいぜい役に立ってもらおうではないか」「地球人同士で争い、互いに消耗すれば、それこそ一石二鳥というものよ」
ブラッキー「なるほど」
ガンダル「その間、我々は日本地区に秘密前線基地を建設し…」「一気に地球全土を制圧するための準備を整える」
ブラッキー「日本地区…ですか。あそこには太陽系第5惑星…」「地球人共が木星と呼んでいる惑星にそっくりな特殊結界が存在しておりますが…」
ガンダル「だからこそ、だ。地球人共があれに気を取られている隙に秘密基地を造り上げる」「ブラッキーよ、貴様は次なる侵略作戦の手立てを考えておけ」
ブラッキー「かしこまりました、ガンダル司令様!」

TERRA本部

功刀「…ようこそ。特務航空母艦リーリャ・リトヴァクへ」「私が対MU戦略研究機関TERRA、戦略作戦司令の功刀仁です」
ブライト「ネェル・アーガマ艦長、ブライト・ノア大佐です」
功刀「わざわざあなた方をお呼び立てして申し訳ありません」
ブライト「いえ…」
総一「自分はTERRA副司令、八雲総一少佐であります。以後、お見知りおきを」
功刀「では、今回のオーバーロード作戦へ至る経緯について、ご説明します」「…総一」
総一「はい」「ブライト大佐もご存じの通り、今から15年前…」「我々人類は『MU』と呼ばれる異世界からの侵入者と接触しました」
ブライト「あの時、東京上空に突如現れた正体不明の空中要塞の中にいると言われている者達だな?」
総一「ええ、彼らは姿を現した後、特に目立った行動を起こさず、こちら側からのコンタクトにも応えず…」「ついにしびれを切らした連邦軍はMUに対し、攻撃を仕掛けたのです」
ブライト「それが第一次MU大戦…」
総一「はい。MU側はド―レムと呼ばれる超兵器で反撃し…」「たった一日で世界中の人間が何万人も死亡しました」
ブライト「そのことは知っている。まだ私が軍に入る前だった…」
総一「連邦軍はMUとの全面戦争を覚悟しましたが…」「彼らはTOKYO JUPITERを発生させ、その中に閉じこもったのです」
ブライト「木星表面に似た球状の絶対領域…『東京にある木星』…」「それで、TOKYO JUPITERと名付けられたのだな」
総一「ええ。東京市羽田空港沖を中心とした半径数十キロメートルのドーム型空間…」「MUはそれ以後の15年間、外部との接触を断ってしまいました」「その出来事は直後に南極へ落下した巨大隕石によるセカンドインパクトと関係があると言われていますが…」「詳細は不明です」
功刀「………」
ブライト「………」
総一「当時、東京市内で生活していた約2300万人の安否は不明…だと言われていました」
ブライト「…TOKYO JUPITER内の調査は、ある程度進んでいるのだな?」
総一「そうです、TERRAが開発した絶対障壁突破システム…」「トランス・ディメンション・ドライブ・ユニット…」「通称、TDDUを装着した機体により、内部の偵察に成功しています」
ブライト「それで、今回のオーバーロード作戦の発動が決定されたというわけか…」
功刀「TOKYO JUPITER内部への侵入はTERRA所属の飛行隊が担当します」「大佐達の部隊には、外部周辺の警戒をお願いしたい」
ブライト「それは、ド―レムが内部から出現した場合に備えて…ということですね」
功刀「…ええ」
総一「具体的な作戦内容、貴艦の配置などについては、後ほどデータをお送りします」
ブライト「了解した。では…」
〔扉の開閉音〕
総一「ふう…」
功刀「…緊張したのか、総一?」
総一「当然ですよ。あのホワイトベースの艦長、ブライト・ノア大佐と直接話をしたんですから」「任務中でなければ、サインをもらっていたところです」
功刀「フ…亘理長官がおっしゃられていた通り、優秀な人物だ。それに、勘もいい」
総一「そうでなければ、ガンダム搭載艦の艦長は務まりませんよ」「その上、日本地区の特機部隊が加われば、鬼に金棒です」
功刀「だが、彼らはオトリ部隊に過ぎん。無論、ブライト大佐もそのことは充分承知しているだろうがな」
総一「…それは僕達も同じです」
功刀「そうだな。それ故に、次の作戦では結果を出さねばならん」
総一「はい。紫東遙大尉がきっと上手くやってくれます。そう信じましょう」

アクア「…アクアポリスも相当大きかったけど…」「この空母リーリャ・リトヴァクも大したものねえ」
弁慶「そうだなあ」
大介(だが、これだけの戦力を備えていても…彼らが本格的に動けば、太刀打ち出来るかどうかわかりはしない…)
甲児「ネェル・アーガマと違って、空を飛べないのがちと惜しいけどな」
アクア「これで空を飛んじゃったら、まるでブルーノ……」
ケーン「何だってえ!? 俺達もオーバーロード作戦に参加しろだあ!?」「そいつは話が違うんじゃないですか、軍曹殿!」
ベン「違うも何も、これは命令だ。軍人になった以上、命令には従え」
ケーン「そ、そんなぁ…」
ライト「お前な、俺達がここへ連れて来られた時点でわかるだろ?」
ケーン「じゃあ、俺達のパイロット登録解除はどうなるんだよ!?」
ライト「もちろん、重慶までお預けってことさ」
ケーン「な、何てこった…トホホ」
甲児「おい、どうしたんだ?」
ケーン「いや、その…」
大介「パイロットの登録解除と言っていたが…」
ライト「…俺達が初めてドラグナーに乗った時、機体にパイロット登録をしちまってね」「それを解除するには、特殊なシステムを使わなきゃならないんだ」「そして、そいつは重慶基地にしかないってワケ」
甲児「なるほど。お前らの登録を解除しなけりゃ、他人が乗ることは出来ないし…」「機体の戦闘データを吸い出すことも出来ないってわけか」「機密保持にゃ、おあつらえ向きなシステムだな。危険度も高いけど」
弁慶「へ~え…お前、そんなことまでわかるのかよ?」
甲児「たりめーだ。伊達にアメリカへ留学してたわけじゃねえんだぜ?」
大介「ならば、ケーン君達の任務はあのドラグナーというマシンと、そのデータを重慶基地まで届けることなのか?」
ケーン「ああ。それまではドラグナーに乗ろうって決めてたんだ。それが、こんなトコで寄り道をくうなんてよ」
大介「…君の気持ちは理解できる。だが、今という状況では…」
ケーン「いや、わかってんだ。ギガノスやMU、ベガ星連合軍がいる以上、ここで降りるってのが、わがままだってことはさ」
大介「そうか…」
ケーン「でもなぁ…はぁ…」
ベン「貴様がそんなことでどうする。ネェル・アーガマでは、お前より若い連中が頑張っているんだぞ」
ライト「そうそう。年上として、カッコ悪いところは見せられないぜ」
ケーン「おめえはいいのかよ、これで」
ライト「確かに、軍のやり方には飽き飽きだが…グチを言ってたってしょうがない」「重慶まで生き延びることを考えたほうが賢明だな」
ケーン「けどなぁ…」
ライト「らしくないぜ、ケーン。だいたい、お前はウジウジ悩むタイプじゃないでしょうが」
ケーン「ちぇっ、言ってくれるぜ。…タップ、おめぇはどうなんだよ?」
タップ「……♪」
アクア「…音楽に夢中みたいね」
ライト「しょうがねえな。ほらよっと!」
タップ「あ、何すんだよ! 返せよ、ヘッドホン!」
ライト「ほ~う、珍しいこともあるもんだ。お前がクラシックを聴くなんてな」
タップ「わりぃかよ。たまにはいいだろ」
ライト「今さら知性の輝きを見せようったって、遅いんだよ」
〔歩く足音〕
甲児「ん?」
久遠「らら?」
ライト「え?」
甲児「か…」
ライト「か?」
甲児「可愛い…!」
ライト「あのね、何を…」
久遠「…聞かせて…」
ライト「え? 聞かせてって…このヘッドホンを?」
久遠「そう……」
ライト「ど、どうぞ…」
久遠「………」「……戦の色……翼軋む始まりの音……
〔歩く足音〕
タップ「ありゃ? 行っちまった…」
ライト「な、何だったんだ?」
アクア「あの子、誰なのかしら…?」
甲児「さ、さあ。軍人には見えなかったけど…」
ベン「服装から判断すれば、TERRAのスタッフのようだがな」
大介「………」(……不思議な感じのする女性だった…。あれは、まるで……)

TOKYO JUPITER

綾人「………」「はぁ…世は事もなし、か…」「…行かなくちゃ。鳥飼や朝比奈達が待ってる」

綾人「…ん?」「…気のせいか……」
浩子「神名く~ん!」
綾人「朝比奈……相方は?」
鳥飼「ちぃ~っす!」
浩子「どうしたの、神名君? ボーッとしちゃってさ」
綾人「いや…家を出てからずっと、誰かに見られてるような気がして…」
浩子「お~っ、ストーカーですかぁ? モテモテ君だねぇ」
綾人「お前なあ!」
浩子「っていうか、自意識過剰。ウフフフ」
鳥飼「早く行こうぜ。模試が始まっちまう」
綾人「鳥飼…まだ参考書なんか見てるのか。何の科目?」
鳥飼「英語。もうなくなってしまった国の言葉だけどな」
綾人「………」
浩子「もう! 今さらなんだから、参考書なんて読んだって無駄よ」
鳥飼「最後まで努力はするもんだろ?」
綾人「やっぱ、努力はみるもんでしょ」
鳥飼「そうとも言うか…」
浩子「そんな神名綾人にも、努力する時はあるのでした」
綾人「何だよ、それ?」
浩子「お絵描きの練習」
綾人「ま、朝比奈みたいな凡人に理解しろって言う方が無理か」
浩子「何をよぉ」
鳥飼「浩子、そう綾人に突っかかるなよ」
浩子「もう! 男はすぐかばい合う」
〔機体の飛行音〕
綾人「何だ? 飛行機が…」
鳥飼「今日は朝からやけに飛んでるな。ひょっとして…」
浩子「雑誌に載ってたあれ? インベーダー襲来の恐怖って奴…」
鳥飼「インスペクターとか、ソーディアンじゃなかったか?」
浩子「デュミナスとかフューリー…ツークンフト何とかっていう説もあるらしいけど…」
鳥飼「とにかく、侵略者のせいで、東京以外の世界が全滅しちまったんだ。もしかすると、そいつらが…」
浩子「また攻めて来たのかも…」
綾人「まさか。ここ3年ほど、東京じゃ何も起きてないんだぜ」
鳥飼「…3年、ね。あれからもうそれだけ経ったか」
浩子「なんか遠い昔のような気がする」
鳥飼「ん? 何だ、あれ?」
〔機体の飛行音〕
〔爆発音〕
〔画面、振動〕

綾人「うわあああっ!!」
浩子「きゃあああっ!!」
鳥飼「ひ、飛行機が…落ちた!?」
浩子「ど、どういうこと!?」
〔振動音〕
浩子「ま、街が…!!」
綾人「な、何だよ、これ…!? 何なんだよ…!?」
浩子「ま、まさか、本当に…!?」
綾人「わ、わからない…! とにかく、逃げなきゃ…!!」
〔イシュトリの歌声〕
綾人「な……何だ……? 歌声……?」
浩子「なに言ってるの、神名君…? そんなの、聞こえないよ…?」
綾人「いや、聞こえるんだ……!」
浩子「な、何が……!?」
綾人「朝比奈、守を見ててやってくれ!」
浩子「えっ!?」
〔走る足音〕
綾人「か、神名君! どこ行くの!? 神名君!!」

綾人(確か、この辺りで……)
???(玲香)「ラーーーーーーーーー……
綾人(! 女の子……?)「ねえ、君! そんなトコいちゃ危ないよぉ!
玲香「………」
綾人「君は……美嶋……玲香……!
玲香「………」
綾人「君に…こんな所で会うなんて……」
玲香「…それは私も。だって、神名君…突然現れるんだもん」
綾人「何にしても、良かったよ…。一人より、二人…」
玲香「うん……。ほんと、良かったよ……」
綾人「………」「にしてもさ、何でこんな所にいるんだよ? あ、もしかして、お前も…」
玲香「……!」
綾人「美嶋…?」
玲香「……歌……」
綾人「歌?」
玲香「……ドーレム……」
綾人「あ、美嶋! どこ行くんだよ!? 美嶋!!」

公安「…はい。引き続き追跡します。ええ、わかりました。それでは」
公安「…どうなんだ?」
公安「空を見ればわかる通り、第一次防衛線は完全に突破された。麻弥様はあれを出すつもりだ」
公安「なら、ぐずぐずしている時間はないな」
公安「ああ、ターゲットを捜し出そう。まだこの近くにいるはずだ」

三輪「…敵飛行部隊の損耗率、50%を突破」
九鬼「…よろしいのですか? アレグレットを出して」
麻弥「彼の方なら大丈夫。オリンなしでは目覚めない。目覚めても歌えないのよ」
九鬼「『外』から例の機械仕掛けの神…ムーの守護神が現れた場合は?」
麻弥「それも大丈夫」「ラ・ムーの星は輝きを見せていないから」
九鬼「………」
三輪「オリンを発見したとの報告がありました」
麻弥「…わかりました。神殿に向かいます」

綾人(地下鉄の駅……美嶋はここへ入っていった……)
公安「神名…綾人君?」
綾人「え? ええ…」
公安「我々は政府の者です」
綾人「政府?」
公安「お母様がお呼びです」
綾人「母さんが…?」
公安「説明している暇はありません。我々とご同行願えますか?」
綾人「ちょっと待てよ! 説明ぐらい、ちゃんと…」
〔銃を構える音〕
綾人「し、ろ、よ…」
公安「駄々こねちゃあ、駄目よ?」
〔走る足音〕
公安「!!」
???(遙)「はあっ!」
〔殴打音〕
公安「ぐうっ!」
綾人(! 血が!?)
???(遙)「てやっ!!」
〔殴打音〕
公安「うおあっ!」
綾人(血が…青い…!?)
???(遙)「ふう……片づいたわね」
綾人「あんた、誰だよ!?」
遙「そうねぇ…正義の味方ってトコかな?」
綾人「は?」
遙「だって、助けてあげたじゃない。お礼ぐらい言って欲しいな」
綾人「じゃ、どうも危ない所を助けていただき、ありがとうございました」「じゃ、僕はこれで」
遙「なぁ~んで血が青かったりしたのかな~? なぁんて、思ったりしてる
綾人「………」
遙「教えてあげる…あたしと来たら」「青い血のこと…この世界の全てを…
綾人「でも……」
遙「一緒に来て。お願い…!」
綾人「お願い…ったって…知らない人に、ノコノコついていけるほど、子供じゃないです」
遙「………」
綾人「それに、友達を捜さなきゃいけないし」
遙「そっか…仕方ないね」
綾人「えっ…?」
遙「ごめん」
〔殴打音〕
綾人「え…? そんな…ひどいじゃないか……!」
遙(…そうだよね……知らない方が幸せだったよね……あたし達)
玲香「………」
綾人「! 美嶋……?」
遙「えっ!?」
〔殴打音〕
公安「貴様っ! よくも!!」
遙「! しまった!?」
玲香「………」
綾人「美嶋……!?」
遙「待って、綾人君!!」
綾人「………」
遙「駄目よ、行っちゃ駄目! 綾人ぉっ!!」

綾人「待ってくれ、美嶋! 美嶋!!」
玲香「………」
綾人「な、何だ、ここ…!? 地下のはずなのに、空が…」
玲香「神名君……あれ」
綾人「! 卵……?」「! う、ううっ! か、身体が!?」
玲香「………」「ラーーーーーーーーー………
綾人「う、うううう…!」
玲香(目覚めて……綾人。目覚めなさい)
〔水の滴る音〕
綾人「ラー…………ゼ、フォン……!

〔振動音〕
〔画面、振動〕

遙「綾人君、どこなの!? 返事をして!」「! あ、、あれは!?」
公安「ゼフォンが動いている…!? ま、麻弥様!!」
麻弥「………」
遙「綾人君…! まさか、あれの中に!?」
綾人「あぁ…あ…! ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…」「どう…なってる…? あぁ…! どう、なってる…!?」「うっ!」「うあああああああああっ!!
〔振動音〕
〔画面、振動〕

麻弥「!」
公安「ま、麻弥様っ! 麻弥様っ!」
麻弥「………」
公安「麻弥様、おケガを…!」
麻弥「…大丈夫です」
綾人「か、かあ…さん? ち、血の色が……!」
麻弥(目覚めたのね、綾人)
綾人「!」
麻弥(永かった…失った物も大きかった)
綾人「何だって!? 何を言ったんだ、母さん!」
麻弥(待ってたのよ。あなたの血があなたの中で目覚める日を)
綾人「!?」
麻弥(さあ、綾人……私の……)
玲香「………」
麻弥「! お前は…!」
〔振動音〕
〔画面、振動〕

綾人「な、何だ!? 上から!?」
【シナリオデモ終了】


サブタイトル
神人目覚める」


【戦闘マップ1開始】
〔味方ユニット出現済み〕
〔敵ユニット出現済み〕

エルフィ「…応答しろ! こちら、ブンガマワール! くそっ! 生き残ったのは私だけか!?」
〔カーソル、アレグレットを指定〕
エルフィ「奴の…! デク人形の歌のせいで!!」
〔画面、振動〕
エルフィ「な、何だ!? 新手か!?」
〔味方ユニット出現〕
エルフィ「あれは…ドーレム…D1じゃない!?」
綾人「さ、さっきのは……あいつが……?」
〔D1アリア〕
アグレット「………」
綾人「な、何だ!?」
三輪「ドーレム、量子凝縮反応! FD位相変換、増大中!」
九鬼「ゼフォンのFD位相転換係数が…! 覚醒したのか…!?」
麻弥「何故なの…? 何故、言うことを聞いてくれないの? 綾人…」
玲香「………」
麻弥「! ゼフォンの肩に人が……」「あれは……イシュトリ……そうなの?」
アグレット「………」
綾人「ぼ、防衛軍の兵器…? こっちを攻撃するつもりなのか…!?」
<戦闘開始>

<アレグレットにダメージor綾人HP70%以下or2PP・味方援軍1出現>

〔味方ユニット出現〕
エルフィ「ALIEL!? もしや、紫東遙大尉か!」
遙「エリフィ・ハディヤット!? 無事だったのね!」
エルフィ「どういうことだ、これは!?」
遙「説明は後! とにかく、神名君を!!」
エルフィ「カミナ…!?」

<アレグレットHP70%以下or綾人HP50%以下or3PP・勝利条件達成>
綾人「う、うう…! このままじゃ…!」
玲香「………」
綾人「! み、美嶋!? な、何でこいつの肩の上に!? 逃げたんじゃなかったのか!?」
玲香「………」「歌いなさい、ラーゼフォン。お前の歌を……禁じられた歌を!
綾人「!?」
玲香「歌いなさい、ラーゼフォン。いつか、全てが一つになるために…!
綾人「美嶋…!?
〔アレグレット、後退〕
〔アレグレット、綾人へ攻撃〕

[イベント戦闘「綾人vsアレグレット」]
綾人「う、ううっ! 美嶋……美嶋!!」「!? い、いない……!」「う…う……うううっ!」「うああああああああああっ!!」
〔綾人に水の一滴〕
[デモムービー「ラーゼフォン、バイザーオープン」]
〔綾人、気力上昇〕
〔綾人、アレグレットへ隣接〕

三輪「ゼフォンの量子凝縮場、計測限界まで増大! レベル、12プラス!」
九鬼「アリアと共鳴している…!?」
綾人「うおおおおおおっ!!」
〔綾人、アレグレットへ攻撃〕
[イベント戦闘「綾人vsアレグレット」]
〔敵ユニット撃破〕
綾人「はあっ、はあっ、は…!」
九鬼「これは…!」
三輪「量子凝縮場、タイポール型に収束中! 境界と融合していきます! 回廊が形成されました!」
エルフィ「な、何だ!? 上空に穴が…!」
遙「まさか、障壁を突破しようと言うの!?」
エルフィ「!」
遙「エルフィ、今の内に私達も外へ!」
エルフィ「りょ、了解!」
〔味方ユニット離脱〕
三輪「…ゼフォン、障壁を跳躍したようです」
九鬼「障壁を!? 外に出たというのか!? 奴がオリンと外に…! 何てことだ……」
麻弥「…行くがいいわ、綾人。お前は必ず私の所に戻ってくる。イシュトリと…共に。必ず…」
【戦闘マップ1終了】

【戦闘マップ2開始】

〔味方戦艦出現済み〕
〔味方ユニット出現済み〕

〈出撃準備〉
ブライト「トーレス、TOKYO JUPITERの様子は?」
トーレス「依然、変化ありません。反対側にいるTERRA艦隊からも、特に報告はありません」
ブライト「そうか。では、出撃した機体、及び待機中の機体は現状維持だ」
竜馬「内部に侵入したTERRAの飛行隊は大丈夫なんだろうか…」
隼人「さあな。こう音沙汰がないんじゃ、わかりやしねえぜ」
甲児「侵攻作戦っていうから、派手な戦いになるって思ってたけど…この様子じゃ、何事もなく終わるかもな」
デューク「甲児君、油断は禁物だ。外側から見ているだけじゃ、中で何が起きているかわからないからな」
甲児「ああ」
ビーチャ「それにしても…暇だねえ」
モンド「滅多なこと言うなよ、ビーチャ。俺達が暇なのはいいことじゃないか」
ビーチャ「そうだけどさ。MUのドーレムだかドーナツだかがどんな力を持っているか、この目で確かめたいんだ」
エル「勘弁してよ。ドーレムって、あたし達が生まれた頃ぐらいに地球の都市を壊滅させたんでしょ?」
ビーチャ「だからさ。今度はそうさせないように、ドーレムの力を見ておきたいんだよ」「どっちみち、俺達はいずれ奴らと戦うことになるんだからさ」
ライト「勇ましいねえ、少年」
ビーチャ「茶化さないでくれよな、ライトさん」
ジュドー「………」
〔カーソル、TOKYO JUPITERを指定〕
プルツー「ジュドー、どうしたの?」
ジュドー「ああ、TOKYO JUPITERって…」「見れば見るほど、木星にそっくりだなって思ってさ」
ルー「そっか…。あなた、ハマーンとの戦いが終わったら、木星へ行ってみたいって言ってたもんね」
プル「ジュドー、それホントなの?」
ジュドー「まあね」
プル「ね、ね、プルツー。木星って、行くまでどれぐらいかかるの?」
プルツー「今なら、往復で3年近くはかかるよ」
プル「え~!? そんなにジュドーに会えなくなるの!?」「そんなのヤダ、ヤダ! プルも一緒に行く!」
プルツー「わがままを言っちゃダメだよ、プル」
プル「ヤダったら、ヤダ! プルも行く! プルツーだって、そうでしょう?」
プルツー「そ……それは…そうだけど…」
タップ「おやおや、モテモテだねえ、ジュドー君?」
ジュドー「か、からかわないでよ」
甲児「ま、ボソンジャンプネットワークのヒサゴプランが完成すれば、木星までの往復時間も少しは短縮されるさ」
プル「それでも、ジュドーと一緒に行く!」
アクア「…作戦中だってのに、緊張感ないわねえ…」
ヒューゴ「それだけ平常心でいられるってことだ。見習った方がいい」
アクア「はいはい。どうせ私は実戦経験の少ないサブ・パイロットですよ」
ヒューゴ「すねるなよ。……む?」
アクア「こ、この反応は…!」
〔レーダー反応〕
トーレス「こちらへ高速接近中の機体を発見!」
ブライト「TOKYO JUPITERの中からか!?」
トーレス「いえ、外です!」
ブライト「外? では、MUではない…!?」
〔敵ユニット出現〕
アクア「あ、あれはっ!」
ヒューゴ「メディウスか!」
???(アルベロ)「…このポイントでいいのだな?」
???(エルデ)「はい」
???(アルベロ)「ここにはネェル・アーガマ隊もいる。結果的には一石二鳥か。戦闘はこちらに任せてもらうぞ」
???(エルデ)「……どうぞ、お好きに…」
???(アルベロ)「フン…心、ここにあらず、か?」
???(エルデ)「…AI1に見せておきたいのです。あのTOKYO JUPITERを…そして、中から現れるであろう者を」
???(アルベロ)「それが何であろうと、俺には興味がない」「俺はこのメディウスが奴を…あの悪魔を超えさえすればいい」
???(エルデ)「それを成し遂げるために、ここへ来たのですわ」
ヒューゴ「奴め…何故、こんな所へ!?」
アクア「あの時、あのまま逃げたんじゃなかったの…!?」
???(アルベロ)「では、仕掛ける。戦闘データの収集を」
???(エルデ)「わかりました」
ヒューゴ「ブライト艦長、メディウスのろ獲許可を下さい!」
ブライト「了解した。ヒューゴ少尉以外の者は引き続き周辺の警戒を!」
<戦闘開始>

<ヒューゴvs???(アルベロ)>

ヒューゴ「乗っているのは誰だ!? 答えろ!」
???(アルベロ)(フフフ…知らぬ方がお前のためだ)
ヒューゴ「どうした? 何故、答えない!?」
アクア「ヒューゴ、こうなったら…!」
ヒューゴ「ああ! メディウスを破壊してでも!」

<ヒューゴvs???(アルベロ)(戦闘後)>
ヒューゴ(メディウスの動きが前と少し違う…? だが、その基本となっているのは…!)
???(実戦での慣らしは終わったようだな。しかし、今のお前の身体が機体の動きに耐えられるか…?)

<???(アルベロ)HP80%以下or戦闘マップ2開始の次PP>
〔 ???(アルベロ)、HP回復〕
ヒューゴ「!!」
甲児「あいつ、ダメージを回復しやがったぞ!」
アクア「もしや、ラズムナニウムが!? でも、あの速度で修復するなんて…!」
ヒューゴ「ああ、こないだのテストの時はまともに機能していなかったのに…」
???(アルベロ)「…予想外だな。どういうことだ?」
???(エルデ)「これがラズムナニウムの…いえ、AI1の力ですわ」
???(アルベロ)「何…?」(奴がラズムナニウムの修復率を制御するというのか…?)(メディウスのスペックノートにそんなことは書かれていなかったぞ)
???(エルデ)「…そう。AI1、見たいのね? よくてよ。あれは、あなたにとって素晴らしい『教材』だもの」
???(アルベロ)「む? 機体が動かん…! 何の真似だ?」
???(エルデ)AI1が見ようとしているのです。絶対障壁の中から出てくる者を…」
???(アルベロ)「そのために奴がメディウスのコントロールを奪ったと言うのか?」
???(エルデ)「…どうか、あの子の好きにさせてやって下さい」
???(アルベロ)「馬鹿を言うな。戦場で動けぬ者は、標的以外の何ものでもない」「コントロールをすぐに戻せ。お前も、ここで死ぬつもりはありまい?」
???(エルデ)「………」
〔???(アルベロ)、TOKYO JUPITERの方へ方向転換〕
弁慶「何だぁ? あのロボット、TOKYO JUPITERの方を見てやがるぞ」
隼人「…戦闘中によそ見するなんざ、随分と余裕があるじゃねえか」
デューク「だが、様子が変だ…」
ルー「変って、どういうこと?」
デューク「あまりにも無防備すぎる…」「まるでロボット自身がTOKYO JUPITERを見ているかのようだ」
ルー「メディウス自身が…見る?」
アクア「ヒューゴ、今がチャンスよ!」
ヒューゴ「う!?」
アクア「ヒューゴ!?」
ヒューゴ「ぐ、ううっ…!」
竜馬「ヒューゴさん、どうしたんだ!?」
ヒューゴ(手と足にしびれが…! 馬鹿な、まだそんな時間じゃないはずだ)
アクア「ヒューゴ! どうしたの、ヒューゴ!?」
ヒューゴ(薬の効き目が弱まってきている…!?)(冗談じゃないぞ、こんな所で手足が動かなくなったら…!)
アクア「ちょっと、ヒューゴ! ちゃんと操縦しなさいよ!」
ヒューゴ(くっ、ザパトが言っていたのはこのことか…!)
〔レーダー反応〕
ブライト「どうした!?」
トーレス「TOKYO JUPITERの絶対障壁表面に高エネルギー反応!」
ブライト「ドーレムか!? 全機、警戒せよ!!」
???(エルデ)(来たわ…!)
〔味方ユニット出現〕
ケーン「な、何だ、あれ!?」
ビーチャ「あいつがドーレムなのか!?」
プルツー「人の姿をしている…!」
ミチル「それよりも、あれはまるで…!」
〔カーソル、綾人を指定〕
〔ラーゼフォンの歌声〕

甲児「!!」
ケーン「あ、あのロボット、吠えやがったぞ!」
甲児「に、似てるぜ…! どことなく、感じがあいつに…!」
竜馬「あ、ああ…! 洸君のライディーンに…!」
〔味方ユニット離脱〕
タップ「い、行っちまいやがったぜ!」
ライト「何だったんだ、奴は…!?」
〔味方ユニット出現〕
遙「待って、綾人君! 綾人!!」
〔味方ユニット離脱〕
???(アルベロ)「…AI1はさっきの人型を見たがっていたのか?」
???(エルデ)「ええ」
???(アルベロ)「…あれは何なんだ?」
???(エルデ)「私にはわかりません」
???(アルベロ)「わからないだと?」
???(エルデ)「ええ。AI1はセンサーで量子凝縮反応を知り…ここへ来たいと言っただけですから」
???(アルベロ)(馬鹿な。戦闘データ以外の『知識』を欲したというのか? 奴が…ただの機体制御用人工知能が……)
???(エルデ)「それよりも……目的は達成しました。この場からの離脱をお勧めします」
???(アルベロ)「………了解した」
〔敵ユニット離脱〕
アクア「メ、メディウスが!」
ジュドー「逃げた!?」
アクア「ヒューゴ!」
ヒューゴ(…しびれが治まってきた。薬が切れたわけじゃないらしい…)
アクア「あなた、大丈夫なの!?」
ヒューゴ「ああ…。メディウス・ロクスを追うぞ」
アクア「了解! 今ならまだ間に合いわ! ブライト大佐に確認を取って…」
〔味方ユニット出現〕
エルフィ「紫東遙大尉! 紫東! くっ、奴を追いかけて行ったのか…!?」
ケーン「あれ、TERRAの戦闘機だよな?」
ライト「ああ、さっきの奴もな」
ケーン「じゃあ、オーバーロード作戦は…」
トーレス「TOKYO JUPITER表面に、さらなる高エネルギー反応! 多数です!」
ブライト「!!」
〔敵ユニット出現〕
エルフィ「! MUめ、追ってきたのか!!」
トーレス「識別終了! TERRAからのデータによれば、D2・ドーテムです!」
ブライト「MUの小型兵器か! 全機、攻撃開始! 友軍機を援護しろ!」
アクア「ブライト大佐、私達は!?」
ブライト「今はドーテムの迎撃が最優先だ! メディウスの追尾は他の部隊に任せる!」
アクア「わ、わかりました!」
ヒューゴ(くそっ! 俺の身体が何ともなければ…!)

<ヒューゴvsドーテム>
ヒューゴ(くそ…! 早めに勝負をつけなければ、いつまた俺の手足が…)
アクア「ヒューゴ! 大丈夫なの!?」
ヒューゴ「…もちろんだ! 今は目の前の敵に集中するぞ!」

<ジュドーvsドーテム>
ジュドー「何だ、こいつは…。機械? それとも生物なのか…?」

<甲児vsドーテム>
「くそ…このまま、またMUの侵略が始まるのかよ…!」

<デュークvsドーテム>
デューク「何だ…この機体の向こうに意思のようなものを感じる…」

<竜馬or隼人or弁慶vsドーテム>
竜馬「ここでこいつらを食い止めなければ、15年前の惨劇の繰り返しだ!」

<ケーンvsドーテム>
ケーン「このハニワ野郎! 東京から出てきたんなら俺達が相手になってやるぜ!」

<エルフィvsドーテム>
エルフィ「仲間の仇だ! 砕け散れ、泥人形め!」

<敵全滅・勝利条件達成>
トーレス「ドーテムの反応、消えました。TOKYO JUPITERからの敵増援も見受けられません」
ブライト「そうか。TERRAの戦闘機は?」
トーレス「健在です。本艦へ通信が入ってきています」
エルフィ「ブライト大佐、自分はエルフィ・ハディヤット中尉であります。先程の援護、感謝致します」
ブライト「中尉、TOKYO JUPITER内へ侵入した他の機体は?」
エルフィ「…自分と……紫東遙大尉を除き、全滅しました」
ブライト「…そうか」
エルフィ「では、自分は母艦へ帰還致します」
〔味方ユニット離脱〕
ジュドー「ブライトさん……」
ブライト「ああ…全滅…とはな」(オーバーロード作戦……もしや、真の目的は先程の巨人を…?)
【戦闘マップ2終了】

【シナリオエンドデモ開始】

ムトロポリス

〔研究所のサイレン〕
マリ「な、何が起きてるの!?」
東山所長「神面岩のライディーンから強いムートロン・エネルギー反応が出ている…!」
マリ「そ、そんな! 洸がフェード・インしてないのに!」
東山所長「…ひびき博士、どう思う?」
ひびき博士「うむ…。ライディーンが私達の目の前に初めて姿を現した時と似ているな」
マリ「まさか、妖魔帝国が!?」
洸「そんなことがあるものか! 俺は大魔妖帝バラオを倒したんだぞ!」「神宮寺や母さんという大きな犠牲を払って…!!」
東山所長「洸君の言う通りだ。あの時、確かにバラオと妖魔島は滅びた…」「ラ・ムーの星の輝きを得たライディーンと洸君によってな」
洸「………」
マリ「ごめんなさい…。あの戦いでお母さんを失った洸の気持ちを考えないで…」
洸「…いや、いいんだ…マリ」
ひびき博士「む…。エネルギー反応が収まったか」
東山所長「いったい、ライディーンに何があったというのだ?」
ひびき博士「あの時と同じように、我々へ警告を与えているのかも知れん」
東山所長「警告か…。洸君、君はどう感じた?」
洸「ライディーンが俺達に何かを伝えようとしたのは間違いないと思いますが、その内容までは…」
ひびき博士「…洸、念のために出撃準備を。マリ君も頼む」
洸「わかりました、父さん。…マリ、行こうぜ」
マリ「う、うん…」
〔扉の開閉音〕
ひびき博士「…東山君、これはTERRAの如月博士が言っていた事と関係があるかも知れんぞ」
東山所長「うむ。オーバーロード作戦とタイミングが重なっているのも気になる…」「如月博士がRMUシステムの開発を依頼してきたのは、このことを予見して…?」
ひびき博士「ああ。ライディーンの調査を執拗に要請してきたバーベム財団もな」(やはり、ライディーンと例のオーパーツの間には何か関係があるようだな…)

麻弥「…そちらの件の首尾は上手くいったようですね」
三輪「はい。ドーテムは全機が障壁突破に成功致しました」
九鬼「この東京に入ることが可能なら、その逆もまた然り…」「TERRAのシステムを応用すれば、ドーレムによる外側の世界の武力支配が可能になるということですな」
麻弥「…それを支配と呼ぶのなら」
九鬼「麻弥様…ここにきて、何をためらわれるのです?」
三輪(…やはり、この男は麻弥様のお考えを何も理解していない…)
麻弥「九鬼、お前も三輪の報告を聞いていたのなら、外への回廊形成にどれだけのエネルギーが必要となるかわかるはず…」「外の勢力と対等に戦えるだけの戦力を送り出せば、こちら側にも大きな影響が出てしまうのですよ?」
九鬼「それはその通りですが…」
麻弥「当面の標的は綾人のみとします」
三輪「それでよろしいのですか?」
麻弥「綾人を外に出してしまったのは、私の失策でした…」「17歳になったとはいえ、あの子がゼフォンに乗れるほど成長しているとは思っていなかったからです」「それに、ゼフォンが東京の外へ出すことを許すはずがないと考えていました」「…ですが、今回の件は綾人を成長させる良いきっかけになるかも知れません」「あの子を外の世界に触れさせ、試練を与えれば、奏者としての目覚めの日が近くなるでしょう」
九鬼「TERRAはどうするのです?」
麻弥「彼らも同じことを目論むはず…。こちらもお手伝いの一つもするのが当然ではなくて?」
三輪「しかし、それではドーレムと同調されている方が危険な目に遭うのでは?」
麻弥「ムーリアンの二、三人がどうだのいうのです。必要とあれば、千人の同胞を失っても構いません」
三輪(…麻弥様はそれほどまでのご決断を…)
九鬼「しかし、障壁の向こうにはあちら側のムーの遺産が存在します。あれとゼフォンの接触は危険では?」
麻弥「今は大丈夫…彼らのコンダクターはまだ目覚めていません」
九鬼「は…」
麻弥「いいですね? 綾人の目覚め…それこそが我々の計画の目的であり、願いであることを忘れぬように」

総一「…現在、5Aは本艦の甲板上に固定。今のところ、異常は見られません」
功刀「そうか」
一色「それにしても、よくあれをこのリーリャ・リトヴァクへ誘導できたものだ」
総一「ええ…紫東遙大尉のおかげですよ、一色真監察官」
一色「フッ…因縁だな」
総一「何のことです?」
一色「いや、独り言だ。気にしないでくれたまえ」
総一(…この人、連邦政府からTERRAの動向調査をするために来た監察官って触れ込みだけど…)(やっぱり、財団側の人間だな)
一色「それで…5Aについて新たに判明したことは?」
総一「現時点では特にありません。詳細はニライカナイへ帰還次第、如月樹博士が調査する予定です」
一色(樹か…)
総一「あ、そうそう…。一つだけわかったことがありました」
一色「何かね?」
総一「5Aの名前です。例の少年が『ラーゼフォン』と呼んでいました」
一色「フッ…まるで買ったばかりの玩具に名前をつける子供だな」
功刀「今、彼は?」
総一「先程、検査が終わったところです。お会いになられますか?」
功刀「…そうだな」

綾人「…どうして、ただ乗艦するっていうだけで血液検査をしなくちゃならなかったんですか?」
遙「「ほら、まあ…儀礼的なものだから」
綾人「…僕の血、赤かったですよ」
遙「え、ええ…」
綾人「それと、紫東さん…」
遙「遙でいいわ。代わりに私も綾人君って呼ぶから。…それで、何?」
綾人「この艦はどこへ向かってるんです?」
遙「ニライカナイよ」
綾人「…ニライカナイ…。確か、沖縄の言葉で『神々が住む島』って意味ですよね」
遙「よく知ってるわね。けど、あそこは神様が住む島ではないし、沖縄でもないの」「九州沖の根来島に人工島を増設した海上実験都市よ」
綾人「実験って…あなた達が言うところの東京…TOKYO JUPITERに関係があるんですか?」
遙「そうよ。そして、あの島にはTERRAの本部があるの」
綾人「TERRA…?」
〔扉の開閉音〕
功刀「そう、対MU戦略研究機関TERRA…MU襲来の原因究明と対策が主任務の組織だ」
綾人「あなたは?」
功刀「私は功刀仁。TERRAの司令だ」
綾人「司令…」
功刀「神名綾人君…君の処遇についてはまだ正式な決定が下されていない」「よって、本艦がニライカナイへ到着するまでの間、艦内での君の行動は制限されるから、そのつもりで」
綾人「………」
功刀「それと、忘れぬ内に君は自分の時計の時間を直しておくように」「…正しい時間にな」
綾人「どういうことです?」
功刀「…紫東大尉、彼を所定の部屋へ案内した後、艦橋へ出頭したまえ」
遙「え…?」
功刀「聞こえたな?」
遙「はい…」
功刀「では、以上だ」
〔扉の開閉音〕
綾人(何だよ、あの態度…)
遙「その…ちょっと気難しいけど、悪い人じゃないから」
綾人「それより、正しい時間ってどういうことです?」
遙「………」
綾人「あなたは東京で僕に世界の全てを教えてくれると言った…」「いったい、この世界は何なんです? 世界は侵略者の攻撃で東京を残して滅びたんじゃないんですか?」
遙「…綾人君…今、世界の人口がどれぐらいだか知ってる?」
綾人「昨日までは2300万人だと思ってました」
遙「そうね…。でも、この世界ではスペースコロニーも含めて100億近い人間が暮らしているわ」
綾人「………」
遙「君は今、17歳よね? 今年が何年だかわかる?」
綾人「宇宙歴76年…」
遙「…落ち着いて聞いてね。今は宇宙歴89年なの」
綾人「え…っ!?」
遙「私の時計を見て。時刻表示が二つあるでしょう?」「…上が私達の世界の時刻、下が東京の時刻よ」
綾人「ど、どういうことなんです?」
遙「TOKYO JUPITERの中と外では時間の流れが違うの…」「向こうの1秒はこちらの6秒、向こうの1年はこちらでは6年になる」
綾人「嘘だ…! なんでそんなことが起きるのさ!?」
遙「物理的な説明は難しすぎてとても私には出来ないわ。でも、これが現実なのよ」
綾人「じゃあ、外の世界は…!?」
遙「あなた達が侵略大戦と呼ぶ戦い…世界が侵略者に滅ぼされた戦争を私達はMU大戦と呼んでいるの」
綾人「ムー?」
遙「今から15年前、東京の上空に空中都市のような物体が現れたの」「その中にいる人間達は自らをMUと名乗るだけで、こちらからの呼びかけには応答しなかったわ」「…攻撃を仕掛けてくるわけでもなく、ただそこにいる…それは私達にとって不気味な存在だったわ」「だから、当時の人達はきっと何かあると想像したの」「そして、人類は自分達が見た悪夢に押し潰され、MUの空中都市へ攻撃を仕掛けてしまった…」
綾人「MUはどうしたんです?」
遙「当然、反撃してきたわ。ドーレムと呼ばれる巨大な兵器で」
綾人(ドーレム…俺が東京で戦った奴か)
遙「そして、たった一日でいくつもの都市が壊滅し、人類がMUとの全面戦争を覚悟した時…」「突如、球状の次元障壁が東京を覆い、MUはその中に閉じこもった」「それから、MUと人類は互いの接触を断ち…こちらでは15年の、東京では2年ちょっとの時間が経ったの」
綾人「………」
遙「でも、本当に大変だったのはTOKYO JUPITERが発生した後だったわ…」「セカントインパクトや一年戦争、蜥蜴戦争…こっちでは地球圏を大きく揺るがす出来事が次々と起きた」「MUはそのことを知っていて、絶対障壁の中に閉じこもったんじゃないかと言われたぐらいよ」
綾人「でも…東京には当たらず触らずで15年も過ごしてきたのに…どうして遙さんは僕を連れ出そうとしたんです?」
遙「命令だったから…。私も詳しいことは知らないわ」
綾人「………」「…一つだけ教えてよ…。母さんや友達は今でもいるんだよね…」「あの壁の向こう…TOKYO JUPITERに…。生きてるんだよね、そこで?」
遙「うん…」
綾人「…生きてるんだ…」
遙「…綾人君、話はここまでよ。今から、君をある部屋に案内するから」
綾人「それって、功刀って人が言ってた…?」
遙「ええ…そうよ」

エルフィ「紫東遙大尉…」
遙「!」
綾人「どうしたの?」
遙「悪いけど、先に行ってて。ここを真っ直ぐ進めば着くから」
綾人「え?」
遙「ちょっと込み入った話があるの。女同士でね」
綾人「う、うん…」
〔歩く足音〕
エルフィ「なるほど。初対面でおごってもらったアブサンはは高くついたよ」
遙「中へ入って生還したのはあなただけと聞きました。さすがですね、ハディヤット中尉」
エルフィ「紫東大尉、情報部の人間と知った上で尋ねます。答えはイエス、ノーでいい」
遙「言っとくけど、あの日の飲み代は領収書をもらってないから。ホントよ」
エルフィ「…今回のオーバーロード作戦の全容…あなたも把握していたのですか?」
遙「………」
エルフィ「私の仲間の血の見返りがあのつまらない少年なわけですか?」
遙「どこでその話を聞いたの?」
エルフィ「私が知りたいのは、あなたがこの作戦を把握していたかどうかだ!」
遙「…来週のチャイニーズレストランはお流れみたいね」
エルフィ「!!」
〔殴打音〕

綾人「…本当にこっちでいいのかな…。ん? あれは…」「なんだ、床屋か。空母の中にこんなのがあるんだ。しかも、看板まで…」
久遠「らら?」
綾人「!」
久遠「この看板はもともと野戦病院の印だったの」
綾人「赤と青の縞々が? …っていうか、君は誰なの?」
久遠「…この色は赤い血管と青い血管を表しているんだって」
綾人「そ、そうなんですか」
久遠「人の血は赤いのに…」
綾人「ん?」
久遠「どうして二色の血管があるのでしょう…」
綾人(二色…赤い血と青い血……)(…あの時、母さんは確かに青い血を流していた…)
久遠「行きましょう、オリン」
綾人「え? その…オリンって?」
久遠「いいの」
綾人「ちょ、ちょっと待ってよ!」

遙「どういうことですか、司令!? 綾人君の部屋…あれは対ムーリアン仕様の監禁室ですよね!?」「無理に開けようとすると、室内の者は爆死するという…!」
功刀「………」
総一「…指標生体分子の解析結果が出たんです」「ヌクレオチド、ペプチドの全てに渡って、MUフェイズの反応が見られたんです」
遙「でも、彼は何も知らないんですよ! お願いします、解除して下さい! 彼は協力的なはずです!」「とにかく、私達と同じ赤い血の人間なんです!」
功刀「今は、だ」
遙「……!!」
功刀「いずれは彼も…」
遙「………」

プル「ねえねえ、みんなで何やってるの?」
ミチル「さっきの戦闘で記録した映像を見てるのよ、プルちゃん」
プル「映像って…何の?」
甲児「あの時、TOKYO JUPITERから出てきたロボットさ」
ライト「…それで、あいつが何に似てたって?」
甲児「実は妖鳥シ……」
隼人「それ以上言うと、空から攻められちまうぜ?」
プル「何の話?」
甲児「あ、いや…こっちの話」
ライト「じゃあ、本当のところは何なんだよ?」
竜馬「ああ…あのロボットと感じが似ているのはライディーンなんだ」
イーノ「それって、確か妖魔帝国と戦ったという…?」
隼人「そう。古代ムー帝国の遺産、ムートロンを力の源とするロボットだ」
プル「ムー帝国って何? どこにあるの?」
ミチル「今から一万年前ぐらいに栄えてた国なんだけど、天変地異で海の中に沈んじゃったの」
タップ「ん? ってことは…ひょっとしてライディーンは大昔のロボットなのか?」
隼人「その通りだ」
ビーチャ「へ~え…。大昔にそんなものが造られてたなんて信じられねえな」
甲児「そうでもねえぜ? 以前に俺が戦ってた機械獣も、元は古代遺跡から発掘された巨人兵だったりするからな」
エル「何かさ、昔の技術の方が今よりすごい気がしない?」
ルー「言えてるわねえ」
弁慶「ところで、リョウ…洸はいつ俺達の部隊へ来るんだ?」
竜馬「さっき東山所長から連絡があって…予定より少し遅れるらしい」
ミチル「そう…。ムトロポリスで何かあったのかしら?」
ライト「…で、話を戻すんだが…どうしてお前達はさっきのロボットとライディーンが似てると思ったんだ?」
竜馬「ああ、ライディーンと一緒に戦ったことがある俺達には何となくわかるんだ…」「あのロボットが持つ独特の雰囲気はライディーンに通じるものがある」
隼人「つまり、両者の存在自体が近しいってことだ」
イーノ「じゃあ、あのロボットも大昔のものなのかも知れませんね」
〔扉の開閉音〕
ケーン「おい、お前ら! 大変だぞ!」
タップ「どうした、ケーン? リンダちゃんからメールでも来たか?」
ケーン「いや、それが全然でさ。もう俺のこと忘れちまったのかなあ」
プル「ね、ね、リンダって誰なの?」
ライト「俺達が地球へ降りてくるまで同じ艦に乗ってた女の子で…ケーンの片想いの相手さ」
ケーン「るせえ! 見てろよ、いつか両想いになってやるかんな!」
エル「な~にをそんなに力んでんだか」
タップ「で、結局何が大変なんだよ?」
ケーン「そうそう、さっきのロボットがな、あのリー…リー…リー…リー…」
甲児「ん? コオロギか?」
弁慶「いや、一塁ランナーだろ?」
ケーン「違う! ほら、リー…リー…ええい、思い出せねえ!」
ライト「リーリャ・リトヴァクだろ? TERRAの航空母艦の…」
ケーン「それそれ! あのロボット、そこに収容されたらしいぜ」
隼人「何だと…?」
竜馬「じゃあ、オーバーロード作戦の本当の目的は、あれを東京の中から持ち出すことだったのか?」
ケーン「どうやら、そうみてえだぜ」
ライト「やれやれ…俺達だけじゃなく、連邦軍の艦隊や地上部隊まで出張ってたってのにねえ」
弁慶「大山鳴動してネズミ一匹って奴か」
隼人「ただのネズミじゃねえ。俺達を駆り出してまで手に入れようとしたロボットだ…」「何か重要な秘密が隠されているとみて間違いないな」

リィナ「ヒューゴさん、大丈夫ですか?」
ヒューゴ「ああ…。もう何ともない」
ジュドー「でも、いったいどうしたのさ?」
ヒューゴ「ちょっとした発作みたいなものだ。たまに手足がしびれて動かなくなる」
プルツー(…発作…)
アクア「ちょっとした? たまに? 冗談じゃないわ、あなたのせいでメディウスを逃がしてしまったのよ?」
ヒューゴ「………」
アクア「それに、そういう持病があるなんて初耳だわ。どうして今まで教えてくれなかったの?」
ヒューゴ「…言う必要がなかったからだ」
アクア「ふざけないで! △△△△△△の操縦と戦闘は俺に任せろって言ったくせに…」「実は爆弾を抱えてました、なんて冗談じゃないわよ!」「よくそんな身体でパイロットをやってこられたものね!」
ヒューゴ(好きでこんな身体になったわけじゃない)
ジュドー「アクアさん。俺、事情はよくわかんないけど…今のはちょっと言い過ぎじゃない?」
プルツー「私も…そう思う」
アクア「あ…そ、そうね。ごめんなさい、ヒューゴ」
ヒューゴ「きにはしてない。それに、メディウスを逃がしたのは俺のせいだ。すまなかった」
アクア「………」
ヒューゴ「どうした?」
アクア「ううん、別に」(年下のくせに可愛げがないって思ってたけど…実はそうじゃないのかもね)
リィナ「ヒューゴさん、とりあえず先生の診察と精密検査を受けて下さいませんか?」
ヒューゴ「いや、いい」
ジュドー「そう言わず、念のために受けといた方がいいって。次もああなったら命取りだぜ?」
ヒューゴ「それは…わかってる」
アク「なら、どうして診察を受けないのよ? まさか、注射が怖いとか?」
ヒューゴ「口やかましい年上の女の方が怖いな」
アクア「なっ…!」(さっきの撤回! やっぱり可愛げがない!)
リィナ「じゃあ、ヒューゴさん…せめて、お薬だけでも」
ヒューゴ「自前があるんだ。…色々心配かけてすまなかったな」
〔扉の開閉音〕
アクア「あ、待ってよ! ヒューゴ!」
ジュドー「…ヒューゴさん、大丈夫なのかよ?」
リィナ「診察を受けてくれないと、本当のところはどうなのかわからないわ」
プルツー(あの症状、もしかして…)(筋肉増強剤か、神経系鎮痛剤の副作用…?)(でも、よほどの量を投与するか…薬そのものの効力が強くなければ、ああはならないはず……)

ブライト「日本地区での警戒任務?」
ミスマル「うむ…ベガ星連合軍の襲撃やドーテム出現を重要視した極東方面軍司令部から、私の方へ依頼があった」
ブライト「D兵器の輸送任務はどうなるのです?」
ミスマル「重慶基地の受け入れ態勢がまだ完全に整っていない…」「また、参謀本部もしばらく君達に時間を稼いでもらいたいと言ってきている」
ブライト「…了解しました。では、極東方面軍に協力し…日本地区の警戒任務につきます」
ミスマル「うむ、頼むぞ」
【シナリオエンドデモ終了】


● スーパー系主人公 → 早乙女研究所 → No2「不滅のマシンゲッターロボ」 へ戻る

  リアル系主人公 → 洋上 → No4「D and E」 へ戻る

● 星見町 → No6「碧い奇跡」 へ進む

  関東廃墟 → No7「悪夢のガンダムファイト」 へ進む

  宇宙科学研究所 → No8「仮面の下の悲しき瞳」 へ進む


◆ 「スーパーロボット大戦MX PORTABLE」 へ戻る




当館に記載されている作品名・製品名などは、各社の登録商標です。
当館の内容は、各社からの正式許可を受けてはおりません。