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シーン9 バグラチオン作戦
No.60
シト新生

<ラスト 第3新東京市>
シンクロ率の低下に悩むアスカ、EVAシリーズの量産計画
の裏に隠された事実を知ろうとするミサト。そんな彼らの前
にドーレムと5人目の子供が現れる…。

【シナリオデモ1開始】
ネルフ本部

ミサト「…地球連邦軍の反攻作戦、バグラチオン作戦は最終フェイズに突入…」「ギガノス帝国、火星の後継者、ベガ星連合軍は間もなく無力化するものと思われます」
冬月「これで残る敵はMUとガルファ、デビルガンダム…そして、使徒か」
ミサト「…はい」
ゲンドウ「MUの空中都市…ヒラニプラの様子は?」
ミサト「これまでに56基が確認され、現在も増殖を続けていますが…」「ヒラニプラへの攻撃、内部への侵入、スキャンなどは一切不可能…先方も沈黙を続けています」
冬月「さながら幻影都市だな。それで、東京の様子は?」
ミサト「依然、変わりありません。神名麻弥以下、MUの首謀格と思われる人物の消息も不明です」
冬月「だが、ヒラニプラにいるのは間違いないのだろう?」
ミサト「はい…」
ゲンドウ「…MU世界がこちら側と完全に同化するまでの時間は?」
ミサト「如月博士の計算では、およそ7日後とのことです」
冬月「それが人に与えられた審判の日までの時間か」
ゲンドウ「ああ。そして…」「ダウンフォール作戦による絶対障壁の消滅は、ムーリアンの計画を進行させる結果となった」「それに対し、委員会はこちらのスケジュールの遅れを取り戻そうとするだろう」
ミサト「………」
冬月「…葛城三佐、例の計画については?」
ミサト「現在、TERRAのスタッフとムトロポリスが中心となり、6基のT・Jバスターを修復・再調整…」「連邦軍の協力を得て、6日後に発動される予定です」
冬月「時間差はたった一日か。それで…絶対障壁の再形成は可能なのかね?」
ミサト「現状での成功確率は66.6%です」
冬月「まずまずと言いたいところだが…ムーリアン達がT・Jバスターを放っておくわけがあるまい」
ミサト「それに関しては、バーベム財団から派遣された量産型ヴァーミリオン部隊が各基の護衛に当たっています」
冬月「ほう…。あの老人が重い腰を上げたか」
ミサト「………」
ゲンドウ「では、葛城三佐…EVAに関する今後の予定を伝える」
ミサト「はい」
ゲンドウ「零号機と3号機は現状維持。弐号機はシンクロテストを行い、パイロットの適性を最終確認せよ」
ミサト(適性の最終確認…? アスカの? いったいどういうこと?)
ゲンドウ「…聞こえなかったのか?」
ミサト「いえ、了解しました。それで、初号機は?」
ゲンドウ「初号機は現時刻を以て凍結。以後の出撃を一切禁止する」
ミサト「! 何故です!?」
ゲンドウ「理由を説明する必要はない」
ミサト(あの時、初号機が覚醒してしまったから…? でも、どうして今になって凍結処分を…)

ムトロポリス

〔扉の開閉音〕
樹「…ひびき博士。T・Jバスター各基に関する現状の報告をお持ちしました」
ひびき博士「うむ…。RMUシステムの方はどうかね?」
樹「今の所は順調です。ですが、単体ではネリヤ神殿のジュピター・システム以上の出力は望めないでしょう」
ひびき博士「…そうだな」
樹「博士、次の計画は何としても成功させねばなりません…」「失敗すれば、二つの世界が重なり合い…共に消滅してしまうかも知れないのです」
ひびき博士「何が言いたいのかね?」
樹「66.6%という数字を可能な限り100%へ近づけるために…」「ラ・ムーの星の本当の在処を教えていただけませんか?」
ひびき博士「………」
樹「あれをRMUシステムに組み込めば、我々の計画は…」
???(弐神)「…困りますなぁ。そうやって、いきなり話の革新を突いてもらっちゃあ」
樹「! あなたは…」
弐神「おっと、この格好の時は弐神ということで」
樹「…いつからここに?」
弐神「ついさっきですよ。あなたと同じ質問をするために出向いたというわけで」
ひびき博士「………」
弐神「ひびき博士、如月博士もああおっしゃってるんだ…これ以上の秘密主義はどうかと思うんですがねえ」
ひびき博士「………」
弐神「あるんでしょう、ラ・ムーの星は? それも、最初から神面岩の地下に」
ひびき博士「…そうです」
樹(やはり…!)
弐神「大方の予想通りでしたな。…やれやれ、あなたも人が悪い。ずっと我々に黙っていたというわけだ」
ひびき博士「それはお互い様でしょう?」「現に、このムトロポリスはあなたが所属する統括部六課、連邦軍情報部、さらにバーベム財団…」「その他にも様々な組織からのハッキングを受け続けてきたのですから」
弐神「こりゃ失礼」「しかし、それにしても…よく今までラ・ムーの星を奪われずに済んだものですなぁ「ハッキングどころか、諜報員の潜入…果てはデスアーミーの襲撃まで受けたというのに」
ひびき博士「その理由は単純明快ですよ」
弐神「そりゃまた、どういったことで?」
ひびき博士「誰もラ・ムーの星に触れることが出来ないからです。無論…この私と息子の洸も」
樹「!」
弐神「ほう…そいつぁ妙な話ですなぁ」「ラ・ムーの星は妖魔帝国との最終決戦で姿を現し、ライディーンと融合して妖魔大帝バラオを倒した…」「博士はともかく、ライディーンの操縦者であるご子息の洸君までもがあれに触れられないのはどうしてです?」「もしや、博士の奥さんの玲子さん…いや、古代ムー帝国の生き残りであるレムリア姫の意思ですか?」
ひびき博士「その通りです」
樹「…わけをお聞かせ願えますか?」
ひびき博士「…あの時…洸とライディーンがバラオとの決戦に挑む前…」「ラ・ムーの星の発動を決意した玲子は、私だけにあることを伝えたのです」
樹「あること?」
ひびき博士「ライディーンには妖魔帝国の他にも戦いを宿命づけられた者達がいる…」「そして、バラオが倒れた後…自分はその者達に奪われぬよう封印すると…」
樹「それで、奥様は…」
ひびき博士「ラ・ムーの星を発動させ、力を使い果した彼女は…」「あれと共に神面岩の地下にある遺跡の中で永遠の眠りについたのです」
弐神「…なるほど。奥さんはバーベムがラ・ムーの星を狙ってくると予見されていたわけですな」
ひびき博士「そして、それは現実となった…」
弐神「では、ライディーンが戦いを宿命づけられた相手というのは…」「やはり、ラーゼフォンですか?」
ひびき博士「それはわかりません。しかし、今までのライディーンとラーゼフォンとの共鳴現象を見れば…」
弐神「むしろ、MUだと?」
ひびき博士「おそらくは」
弐神「おそらく? そいつも不明だとおっしゃるんで?」
ひびき博士「十数年前のMUの出現後、私は彼らと古代ムー帝国の関連について調査を続けてきました…」「ですが、古代文献では核心が語られておらず…」「それどころか、故意に削除されたと思われる部分も見受けられたのです」
弐神(…そりゃバーベムの仕業だな)
ひびき博士「そして、それは神面岩からライディーンが出現してからも同じでした」
弐神「つまり、結局…ライディーンとラーゼフォン、MUの関係はよくわからんということですか?」
ひびき博士「そうです。今までも如月博士と協力し、調査を続けてきたのですが…」「真実を知っているのは、妻だけなのかも知れません」
弐神「ふむ…。あなたや洸君にも教えていないぐらいだ、よっぽど重大な秘密なんでしょうなぁ」
樹「…では、ひびき博士。誰もラ・ムーの星へ触れられない理由については?」
ひびき博士「あれは神面岩地下の遺跡…さらにその中にある異次元空間への扉の向こうに封印されています」「そして、その扉を開くことが出来る者は玲子だけなのです」
弐神「異次元にいる奥さんを説得しなきゃ、ラ・ムーの星は輝かないというわけですか」「…こりゃ大変だ。何とかならないもんなんですかねぇ」
ひびき博士「全ては妻の意志次第…。そして、鍵となるのは洸とライディーンです」
弐神「なのに、息子さんをマグネイト・テンへ出向させていていいんですか?」「今すぐここへ呼べば、ラ・ムーの星が出てくるかも知れませんよ?」
ひびき博士「…その時が来れば、玲子はラ・ムーの星の力をライディーンに与えるでしょう…」「今の私達は顔所を信じ、時を待つしかありません」
弐神「こりゃ手厳しい。世界が滅ぶかも知れないってのに、のんきな話ですなぁ」
ひびき博士「…ですが、実は私はT・Jバスターの動力源として、あの星をつかうことについては反対なのです」
樹「何故です?」
ひびき博士「ムートロン・エネルギーは未知数の力…その源であるラ・ムーの星の力を完全に解放した時…」「何が起きるかは不明です。再び絶対障壁で東京を覆うどころか、この地球でさえも……」
樹「………」
弐神「何にせよ、この世界の命運は博士の奥さんが握っているわけですな」
ひびき博士「それは違います」
弐神「!」
ひびき博士「世界の命運を握る者、それは私達一人一人の人間であり…その者達から希望や未来を託された…」「マグネイト・テンなのです」
弐神「なるほど…。そいつぁ、そうかも知れませんな」

ネルフ本部

リツコ「…聞こえる、アスカ? シンクロ率、8も低下よ。いつも通り、余計なことは考えずに」
アスカ「やってるわよ!」
マヤ「アスカのシンクロ率、下がる一方ですね…」「このままだと、起動指数ギリギリまで落ちてしまうかも知れません」
リツコ「そうね…」
マヤ「やっぱり、この間の使徒との戦闘が原因で…?」
リツコ「でも、その後のスクリューネイル作戦で特に問題点は見受けられなかったわ」
マヤ「では、バグラチオン作戦から外されたせいでしょうか?」
リツコ「そうかも知れないわね」
マヤ「…こちらに回されたのはアスカだけじゃないのに」
リツコ「プライドの問題でしょう。それに…」「ここ数回のテスト結果はシンジ君やレイ、鈴原君より下回っているしね」
マヤ「ええ…」
リツコ「ともかく、困ったわね…この余裕のない時に」(弐号機のパイロット…フィフスに交代させるのもやむなしかしらね)

シンジ「…アスカ」
アスカ「………」
シンジ「ねえ、アスカってば」
アスカ「うるさいわね、何の用?」
シンジ「調子悪いみたいだけど…大丈夫?」
アスカ「それ、余裕見せてるつもり?」
シンジ「どういうこと?」
アスカ「EVAにS2機関を取り込んで、シンクロ率も絶好調の無敵のシンジ様がこの私を気にかけて下さるなんて…」「ありがたくて涙が出るわ」
シンジ「そういうつもりで言ったんじゃないよ」
アスカ「じゃあ、どういうつもり?」
シンジ「…あのさ、前から言おうと思ってたんだけど…」
アスカ「な、何よ?」
シンジ「そうやって肩肘張るの、あんまり良くないんじゃないかな」
アスカ「あんた、この私に説教する気!?」
シンジ「そうじゃないよ。でも、そういうのって疲れるだろ?」
アスカ「大きなお世話よ! いったい、何様のつもり!?」「バカシンジのくせに、生意気なのよっ!!」
シンジ「でも、僕も昔そうだったからわかるんだ」
アスカ「あんたと…! あんたと私を同じにしないで!!」
シンジ「…ごめん。先に戻ってる」
〔歩く足音〕
アスカ「くっ……」
レイ「………」
アスカ「…何よ?」
レイ「………」
アスカ「………」
レイ「………心を開かなければ、EVAは動かないわ」
アスカ「心を閉ざしているっての!? この私が!?」
レイ「そう。EVAには心がある」
アスカ「あの人形に!?」
レイ「…わかっているはずよ」
アスカ「ハッ! あんたから話しかけてくるなんて、明日は雪かしらね!」
レイ「………」
アスカ「何よ!? 私がEVAに乗れなくなるのがそんなに嬉しい!?」「心配しなくっても、敵が攻めてきたら無敵のシンジ様がやっつけてくれるわよ!」「私達は何もしなくていいのよ! シンジだけがいればいのよっ!!」
レイ「…マサト君や綾人さん達はそんなこと思ってないわ」
アスカ「じゃあ、どうして私達はバグラチオン作戦から外されたのよ!?」
レイ「…他にやるべきことがあるから」
アスカ「やるべきこと!? 同じテストを何回も繰り返すことがそうだっていうの!?」
レイ「ええ」
アスカ「いったい、何のためにそんなことをやらなきゃなんないのよ!」
レイ「それは審判の日を迎えるため」
アスカ「審判の日!?」
レイ「そう…世界が一つになる日よ」
アスカ「MU世界との融合のこと…!?」
レイ「ええ。あと7日しかないわ」
アスカ「二つの世界の対消滅なんてどうせシンジとマグネイト・テンが何とかするわよ!」「だから、私達は何もしなくったっていいのよ! もう用済みなのよ!!」
レイ「………」
アスカ「あ~あ…シンジだけじゃなく、機械人形みたいなあんたにまで同情されるとは…」「この私もヤキが回ったわね」
レイ「私は人形じゃない」
アスカ「うるさい! 人に言われたまま動くくせに!」「あんた、碇指令が死ねと言ったら死ぬんでしょう!?」
レイ「そうよ」
アスカ「!」
〔殴打音〕
レイ「………」
アスカ「やっぱり人形じゃない! あんたって人形みたいで、ホント昔から大っ嫌いなのよ!!」
レイ「………」
アスカ「みんな…みんな大っ嫌い!!」

ミサト「…5人目!?」
マコト「ええ…これがその資料です」
ミサト「…渚カヲル…。生年月日はセカンドインパクトと同じ。それ以外の過去は抹消済み、か」「…レイと同じね。どこから?」
マコト「委員会から直接…です」
ミサト(そうね…。彼はシンジ君の学校にいなかったもの)「でも、どういうわけ? 3号機は鈴原君が乗っているし、5号機と6号機は建造中…そして、それ以降は…」
マコト「………」
ミサト(もしや、アスカの代わりに?)
マコト「これは上海経由で得た情報ですが…世界7カ所で13号機までの建造が開始されたようです」
ミサト「……!」
マコト「ソースに信頼は置けます。おそらく、MUへの対抗手段だと思うんですが…」
ミサト「ウチも彼らに対しては専守防衛よ。こっちから彼らへ攻撃を仕掛けることはあり得ないわ」
マコト「そうですよね…。本部を失ったとは言え、TERRAはまだ活動を続けていますし」
ミサト「あるいは、7日間というタイムリミットが理由なのか…」
マコト「EVA4号機を失い、現在は1機が凍結中ですから…第2次整備に向けて予備戦力の増強を急いでいるのでは?」」
ミサト「どうかしら。今までだって、ドイツで建造中の5号機と6号機のパーツを回してもらってたのよ…」「最近、随分と金が動いているわね」
日向「ここに来て、予算倍増ですからね。それだけ上も切羽詰ってるってことでしょうか?」
ミサト「委員会の焦りらしきものを感じるわね…」(碇司令が言っていた、スケジュールの繰り上げって、このこと…?)
マコト「今までのように単独ではなく、使徒の同時複数開のケースを想定しているんでしょうか?」「あるいは、『欠番』の使徒が出現することを予想して…」
ミサト「欠番?」
マコト「第3から第7まできて、その次の呼称がいきなり第13、第14でしたからね」「第一課じゃ、6から12までが出てくるんじゃないかって噂ですよ」
ミサト「…欠番は欠番よ。時計の針が巻き戻されることはないわ」
マコト(…どういうことなんだ?)
ミサト「いずれにせよ、EVAの量産を非公式に行う理由がないわ…」「何か別の目的があるのよ。私達には秘密の、ね」
マコト「…それと関係があるかどうかはわかりませんが、他にも気になることがあるんです」
ミサト「何?」
マコト「追加された予算枠の中に、怪しげなものがあって…」「コードは『MX』、または『MODEL-X』…どうもEVAとは別の兵器の予算らしいんですが…」
ミサト「MX…? EVAとは別の?」
マコト「はい。いつぞやのJAのような使徒迎撃用ロボットか…あるいは、この予算そのものがダミーなのか…」
ミサト「…気になるわね。調べておいてくれる?」
マコト「任せて下さい」
ミサト「…ところで…加持リョウジがどこへ行ったか知らない?」
マコト「そう言えば、最近姿を見かけませんね」
ミサト「………」

銀河「え!? その話、マジ!?」
ベガ「ええ、ミスマル司令から連絡があって…バグラチオン作戦は成功。マグネイト・テンも無事よ」「それにケーン君や元ナデシコ艦長のミスマル・ユリカ大佐も戻ってきたわ」
恵「よ、よかったぁ…!」
ヒューゴ「さすがだな、みんな」
美久「ええ…」
ヒューゴ「これで残る敵はガルファにデビルガンダム、MUか」
マサト「けど、大変なのはこれからです。地球上のヒラニプラも増殖し続けているみたいですし…」
ヒューゴ「…ああ」
銀河「でも、あれって幽霊みてえなモンなんだろ? あんなのがいくら増えたって…」
エルフィ「忘れたのか? こちらの世界とMUの世界が一つになったら、全てが終わるんだぞ」
銀河「そ、そっか…」
遙「それに関しては、樹君達の計画の成功を祈るしかないわね…」
北斗「また東京を絶対障壁で覆ってしまうんですよね?」
遙「そうよ。もっとも、一時しのぎの対策でしかないけど…」
銀河「でもさ、それで時間が稼げるんなら、その間にガルファをブッ倒せるぜ」
エルフィ「フッ…お前は本当に前向きな奴だな」
銀河「俺、ゴチャゴチャ考えてじっとしてんの嫌なんだよ」
マサト「…ベガさん、これから僕達はどうなるんですか?」
ベガ「マグネイト・テンはデビルガンダム捜索とガルファの迎撃を担当することになる…」「私達はネェル・アーガマとナデシコCが地球へ戻り次第、彼らと合流するわ」

アスカ「…あなたは私の人形なんだから、黙って私の言うとおりに動けばいいのよ」「何で兵器に心なんているのよ…。邪魔なだけなのに」「とにかく、私の命令に逆らわなきゃいいのよ!」「………」「バッカみたい…。何で私、EVAに話しかけてんのかしら」
〔ネルフの警報〕
アスカ「!!」
【シナリオデモ1終了】


サブタイトル
シト新生


【戦闘マップ1開始】
シゲル「目標はD1と判明! まもなく第3防衛線に差し掛かります!」
マコト「一般市民の避難率、現在80%!」
ミサト(…ドーレムがT・Jバスターを無視してこっちへ来るなんて…)(あれよりも人類補完計画の方がMUにとって脅威だということ?)
リツコ「連邦軍とヴァーミリオン隊は何をやっていたの?」
マコト「今回のD1出現に対し、連邦軍部隊は迎撃に出ていません。ヴァーミリオン隊も同様です」
ミサト「T・Jバスターの防衛を優先させているのね」
マコト「え、ええ…今、あれがやられてしまったら、取り返しのつかないことになりかねませんから」
ミサト(お互い余裕がないってわけね)
冬月「…こちらを丸裸にしようというバーベムの目論見か」
ゲンドウ「おそらくな」「葛城三佐、初号機を除いたEVA各機、及びマグネイト・テンの機体にD1を迎撃させろ」
ミサト「了解です」
冬月「…MUはフィフスの存在に気づいたのか?」
ゲンドウ「それを確認するために来たのかも知れん」「あるいは、バーベムと同じくこちらの切り札を崩すつもりか…」
冬月「あの少年を放っておいていいのか?」
ゲンドウ「監視はつけてある」
〔ネルフの警報〕
シゲル「D1群、最終防衛線を突破! 第3新東京市へ侵入します!」
〔敵ユニット出現〕
???(鳥飼)「さあ…出てくるがいい、オリン。そして、神になりそこねた者共よ…」「今日この地で、お前達の時間を止めてやる」
マコト「葛城三佐、各機の出撃準備が整いました!」
ミサト「…レイと鈴原君は?」
マヤ「零号機、3号機共に順調。いけます」
ミサト「では、各機出撃。ただし、弐号機はバックアップに回って」
アスカ「私がバックアップ!?」
ミサト「そうよ」
アスカ「冗談じゃないわよ! EVA弐号機、発進します!!」
〔味方ユニット出現〕
リツコ「アスカ!」
ミサト「いいわ、やらせてみましょう」
マコト「葛城三佐…!?」
リツコ「ここでダメなら、アスカもこれまでということね」
マヤ「ラストチャンス…ですか?」
リツコ「…弐号機パイロットの変更、考えておくわよ」
マヤ「…はい」
ミサト「続けて、各機発進!」
〔味方ユニット出現〕
???(鳥飼)「初号機が出ていない…? ネルフめ、気の利いた歓迎をしてくれる」
マサト「あのドーレム…前にここへ現れた奴だ」
銀河「ああ、動きがメチャ速い奴だよな」
遙「油断のならない相手ね…」
ミサト「遙…! それに乗ってるのはあなたなの!?」
遙「ええ、そうよ」
ミサト「どうして…!?」
遙「初号機は凍結中…マグネイト・テンもいないし、戦力は少しでも多い方がいいでしょう?」
ミサト「でも…!」
綾人「ミサトさんの言う通りですよ。やっぱり、遙さんは戻って下さい」
遙「こういう時だもの…出来ることはするつもりよ」
綾人「………」
エルフィ「…本当にいいんだな、遙?」
遙「ええ。いつまでもみんなに守られてるだけってわけにはいかないから」
エルフィ(そうやって、お前は神名を守るつもりか…)「…なら、くれぐれも前線には出るな。あいつを心配させるんじゃない」
遙「わかったわ。バックアップは任せて」
ベガ「じゃあ、みんな! 攻撃を開始するわよ!」
トウジ「おっしゃ! シンジの分も頑張るでぇ!!」
銀河「アスカさん、あんまし調子が良くないんだろ? 雑魚は俺達に任せて…」
アスカ「後ろに下がってろっての!? 冗談じゃないわよ!あんたみたいなガキまで私を馬鹿にするの!?」
銀河「? お、俺はただ…」
アスカ「あんな奴らなんか、本当は私一人だけでも充分なのよ! なのに、みんな私を邪魔者扱いして!」
レイ「…そういう風に受け取るのは良くないわ」
アスカ「うるさいっ! そんなこと、あんたにだけは絶対に言われたくないのよ!」「人の気持ちなんか、わかりもしないくせに!!」
レイ「………」
トウジ「お、お前…どうないしたんや? シンジと何かあったんか?」
アスカ「もういい! 私のことは放っといて!!」
ミサト(アスカ…)
アスカ(ここでしくじったら、多分私は弐号機から降ろされる…!)(ミスは許されないわよ、アスカ!)
<戦闘開始>

<綾人vs???(鳥飼)>

???「オリン! 俺は貴様を絶対に許さない!!」
綾人「何だ…これは敵意…!? いや、憎しみか…!」

<???(鳥飼)HP90%以下or???(鳥飼)以外の敵全滅or4EP・敵増援1出現>
???(鳥飼)(…フン、余興はここまでだ)(エヴァンゲリオンのパイロット…お前達の心を壊してやる)
〔敵ユニット出現〕
トウジ「何や、あいつは!?」
美久「あのドーレム…!」
マサト「初号機とラーゼフォンを取り込んだ敵か!?」
〔ビバーチェ、アスカへ隣接〕
アスカ「!!」
〔D1アリア〕
アスカ「ううっ! あああああっ!!」
アクア「アスカッ!?」
マヤ「アスカの心理グラフが乱れています! 精神汚染が始まります!」
綾人「お、同じだ…あの時と…!」
???(鳥飼)(エヴァンゲリオンを失えば、奴らの計画は後退する…)(そして、この世界は『補完』ではなく、『調律』されるんだ)
ミサト「全機、あのドーレムに集中攻撃! 弐号機を救出して!!」
ベガ「わかったわ! みんな、アスカを助けるわよ!!」
綾人「は、はい!!」

<ビバーチェへ攻撃>
マコト「駄目です! 目標にダメージを与えられません!」
リツコ「前の時と同じで、あれは影というわけね…!」
ミサト「……!!」

<敵増援1出現の次EP・勝利条件達成>
〔D1アリア〕
アスカ「あああ…うああああっ!!」
マヤ「さらに精神汚染が進行! 危険です!!」
〔アスカに精神汚染〕
アスカ「嫌ぁぁっ! あたしの、あたしの中に入ってこないで!!」
〔アスカに精神汚染〕
アスカ「ああうっ!!」
〔アスカに精神汚染〕
アスカ「いやあっ!!」
〔アスカに精神汚染〕
アスカ「あたしの心までのぞかないで! お願いだから、これ以上心を心を侵さないでっ!!」
ベガ「アスカッ!!」
???(鳥飼)(フフフ…お前達の心など、もろいものだ)(だから、エヴァンゲリオンそのものではなく…パイロットの心を壊せばいい…!)
マヤ「心理グラフ、限界!!」
リツコ「精神回路がズタズタにされてる…! これ以上の過負荷は危険すぎるわ!」
ベガ「ミサト! 早く弐号機を戻して!!」
ミサト「アスカ、戻りなさい!!」
アスカ「嫌よっ!!」
ミサト「命令よ! 撤退しなさい!!」
アスカ「嫌! 絶対に嫌っ!! 今戻るなら、ここで死んだ方がマシだわ!!」
ミサト「ア、アスカ…!」
マヤ「弐号機、心理グラフシグナル微弱!!」
リツコ「LCLの精神防壁は!?」
マヤ「ダメです! 触媒の効果もありません!!」
リツコ「生命維持を最優先! EVAからの逆流を防いで!」
マヤ「はい!」
スバル「このままじゃ、あの人が危ない!」
北斗「でも、あのドーレムに攻撃が通用しないんじゃ、どうしようもないよ!!」
銀河「だからって、見てるわけにゃいかねえだろうが!!」
トウジ「そやけど、どないしてあいつを倒すんや!?」
マサト「次元連結システムを使うか…!? けど、下手をすればアスカが…!」
綾人「…あの時と…あの時と同じように俺達で…!」
アクア「でも、初号機は凍結中だし、洸君達もまだ月から戻ってきてないわ!!」
綾人「……!」
シンジ「…僕が初号機で出ます!!」
冬月「いかん! 目標はパイロットの精神侵食が目的だ。また、前回と同じ目に遭う可能性もある」
シンジ「だったら、やられなきゃいいんでしょう!?」
ゲンドウ「その保証はない」
シンジ「でも、このままじゃアスカが!!」
〔アスカに精神汚染〕
【戦闘マップ1終了】

【シナリオデモ2開始】

アスカ「う…あ…ああ…」「う、うう……わ、私は………」「…私は子供じゃない…。早く大人になるの…」「だから、ヌイグルミなんていらない…」「私はママの人形じゃない…。自分で考え、自分で生きるの…」「パパもママもいらない…誰もいらない…一人で生きるの…!」「だから…ママ…! お願いだから、ママをやめないで…!!」
【シナリオデモ2終了】

【戦闘マップ2開始】

〔戦闘マップ1から継続〕
〔アスカに精神汚染〕

アスカ「いやぁっ!! こんなの思い出させないで!!」「せっかく忘れてるのに、掘り起こさないで!!」「こんな嫌なこともういらないの! もうやめて! やめてよう……!!」
ミサト「アスカッ!!」
アスカ「う、うう…誰も…」「誰も私を助けてくれない…! 誰も…誰も!」「あたしの心が…あたしの心が汚されちゃった…どうしよう…加持さん…」
〔ネルフの警報〕
マヤ「危険な状態です! このまま精神汚染が続けば、パイロットの生命維持に問題が!!」
ゲンドウ「…直ちに弐号機を回収せよ」
ミサト「りょ、了解!!」
〔味方ユニット離脱〕
???(鳥飼)(…これで終わった。次は…お前だ)
レイ「!」
綾人「させるかよ!!」
〔綾人、ビバーチェへ隣接〕
???(鳥飼)「お前には無理だ、オリン。お前にそいつを守ることは出来ない」
綾人「! その声…!!」「守…!? 守なのか!?」
鳥飼「そうだよ、綾人」
綾人「う、嘘だろ、守…!? どうしてお前がドーレムなんかに!?」
鳥飼「…そんなことより、浩子はどこへ行ったんだ?」
綾人「!!」
鳥飼「お前があいつを連れ出したんだろう? 東京の外へ…」
綾人「そ、それは…!」
鳥飼「なのに、お前は別の女と一緒にいるのか?」
遙「もしかして、あの子は…!?」
綾人「ま、守…いったい、何を…!?」
鳥飼「それはお前が一番わかっていることだろ、オリン
綾人「オリン…!?
鳥飼「お前のことだよ、オリン。奏者としての刻印を持つ者…あるだろう? 印がさ
綾人「!」
鳥飼「俺はお前をずっと監視してたんだよ…!
綾人「嘘だ! じゃあ、今までのことは…僕はお前を友達だと思って…だから、お前を守るんだって…!
鳥飼「守る? 守るだと…? くははははははははは! はははははははは!!」「浩子も守れなかったのにか…? そのことを俺に言う勇気さえなかったのにか…!?
綾人「……!!」
鳥飼「…浩子はお前が好きだった…俺ではなく、お前のことが…」「そして、その浩子を殺したのはお前だっ! オリン!!
綾人「う、ううっ…!!」
〔綾人、気力低下〕
遙「あ、綾人君!?」
鳥飼「綾人、おまえには誰も守れやしない…! 浩子を救えなかったお前にはな!」
マサト「綾人さん!!」
銀河「ど、どうしちまったんだよ!?」
リツコ「ラーゼフォンも精神侵食を受けたの!?」
マヤ「いえ、その兆候は見られません!」
ミサト「まずいわ、綾人君まで動けなくなったら…!」
鳥飼「さあ、続けようか…」
〔D1アリア〕
〔レイ、精神汚染〕

レイ「!!」
シゲル「目標、零号機と物理的接触!!」
ミサト「零号機のA.T.フィールドは!?」
マヤ「展開中ですが、目標に中和されています!」
リツコ「前回と同じで、体内にEVAを取り込む気!?」
レイ「く…うう……は……!」
マヤ「危険です! 零号機の生体部品が侵されていきます!」
レイ「ううううっ…!! あああっ!!」
【戦闘マップ2終了】

【シナリオデモ3開始】

???(レイ)「………」
レイ「…誰? 私? EVAの中の私…」「…いえ、私以外の誰かを感じる」
???(レイ)「………」
レイ「あなた、誰? ドーレム?」「私達がドーレムと呼んでいるモノに融合している青い血のヒト…」
???(レイ)「…私と一つにならない?」
レイ「いいえ。私は私…あなたじゃないわ」
???(レイ)「そう。でも、ダメ。もう遅いわ」「私の心をあなたにもわけてあげる。この気持ち、あなたにもわけてあげる」
レイ「……!」
???(レイ)「痛いでしょう? ほら、心が痛いでしょう?」
レイ「痛い……いえ、違うわ…」「寂しい……そう、寂しいのね?」
???(レイ)「寂しい?」
レイ「自分達の住む世界を失って寂しいんでしょう?」「だから、私達と…私達の世界と一つになろうとする」「心の壁だけでなく、世界を隔てる壁を乗り越えてまで…」
???(レイ)「寂しいのはあなた自身でしょう?」
レイ「!」
???(レイ)「あなたは身体はドーレムと同じ…ただの容れ物…そして、その心は悲しみに充ち満ちている……」「あなたは人形なのよ…。ドーレムと同じ土の人形……。たくさんある人形……」
レイ「…私は…人形じゃない…!」
???(レイ)「でも、そのことが悲しい…。元の姿に戻ることが辛い…。多くの中へ帰ることが怖い…」「そして、誰かの身代わりにされるのが嫌になってきている…」
【シナリオデモ3終了】

【戦闘マップ3開始】

〔戦闘マップ2から継続〕
レイ「……!」「これが…涙? 泣いているのは…私?
ミサト「レイッ!!」
ゲンドウ「…初号機の凍結を現時刻を以て解除。直ちに出撃させ、ラーゼフォンと共にレイを救出させろ」
ミサト「え!?」
ゲンドウ「出撃だ」
ミサト「は…はい!」
冬月「…いいのか? 凍結を解除すると、委員会が黙っていないぞ」
ゲンドウ「フィフスの投入、EVAシリーズの量産…老人達は自らの手で時計の針を進めた」「そして、こちらの計画の直接阻止に出たMU…」「彼らが次へ事を進める前に全ての準備を済まさねばならん」
冬月(我々の計画のために、か…)
マコト「初号機、発進します!」
〔味方ユニット出現〕
シンジ「………」
遙「シンジ君!?」
ヒューゴ「初号機の凍結が解除されたのか!?」
ミサト「シンジ君、A.T.フィールド展開…レイの救出急いで!」
シンジ「はい!」
鳥飼「現れたな、初号機! 貴様さえ抹消すれば、お前達の計画は!」
〔ビバーチェ、シンジへ接近〕
レイ「碇くん!!」
シンジ「!!」
ミサト「シンジ君、応戦して!!」
シンジ「はい!!」
〔ビバーチェに爆発〕
???(リリス)「…イタイ…イタイノ…」
シンジ「!?」
???(リリス)「…イカリクン…イカリクン…」「ウフフフ……フフフフ……ウフフフフフフ……」
シンジ「あ、綾波…!?」
レイ「これは…私の心…! 碇君と一緒になりたい…」「駄目…!
〔レイ、ビバーチェへ隣接〕
ベガ「レイ!?」
マヤ「A.T.フィールド反転! 一気に侵食されます!!」
リツコ「ドーレムを押さえ込むつもり!?」
マヤ「フィールド限界! これ以上はコアが維持できません!!」
ミサト「レイ!! 機体を捨てて、逃げて!!」
レイ「駄目。私がいなくなったら、A.T.フィールドが消えてしまう。だから、駄目
ミサト「レイ…! 死ぬ気!?」
マヤ「コアが潰れます! 臨界突破!!」
エルフィ「!? 全機、防御! いや、離脱するんだ!!」
〔味方ユニット撃破〕
〔敵ユニット撃破〕

シンジ「あ、綾波…!!」
アクア「そ、そんな…!」
綾人「お、俺達を助けるために…!?」
北斗「嘘だ…嘘だろ…!?」
鳥飼「ふ…ふふふふ…」
綾人「守…!?」
鳥飼「これがお前らの運命だよ、オリン」「お前らはもう守れやしないのさ。仲間…親…恋人…そして、この世界に住む赤い血の人間達を」
綾人「……!!」
鳥飼「綾人よ、この広い空と海が全て青いのは…」「それが全て青い血の人間のものだからさ」
???(カヲル)「…まだそうとは言い切れないよ」
鳥飼「!!」
カヲル「この世界が君達のものになるかどうかはまだわからない…」「未来を手に入れるのが君達であるかどうかはまだ決められていない…」
シンジ「だ、誰なんだ…!? あんな所に…!」
鳥飼「貴様……ムーリアン!? いや、違う…貴様は…!?」
カヲル「…僕も君達と同じ来訪者…」
鳥飼「何…!?」
カヲル「僕は使者さ…」「古のまつろわぬ白き月の民と黒き民の末裔の手によってこの世界へ送り込まれた…」「最後のシ者さ」
鳥飼「まさか……オリン……!?」
カヲル「僕には彼のような音色を奏でることは出来ない。…楽器が与えられていないからね」「でも、歌は好きさ。楽器がなくても…歌うことは出来る」
鳥飼「イシュトリ…!? 貴様もイシュトリなのか!?」
カヲル「…そうかも知れない。でも、僕はオリンと共にヨロテオトルへ至ることは出来ないんだよ」「それは…僕の役目じゃない。世界の中心に立つ者は僕じゃないんだ…おそらく、今回も。この世界でも」
シンジ「あの子、何をしているんだ…?」
ヒューゴ(あの少年…ムーリアンと話をしているとでも言うのか…!?)
鳥飼「貴様はいったい…!?」
カヲル「僕は生き続けなければならない…永遠の輪廻の中で…死と新生の儀式を繰り返すために」「そして…未来への選択肢を君達に選ばせるために」「そう…僕は神と呼ばれる存在が人へ与える試練そのものなんだ」
鳥飼「貴様も…調律者か…? いや、それに近しい存在なのか!?」
カヲル「彼らが僕と出会わなければ、世界の調律も補完も行われない。…これは通過儀礼なのさ」
鳥飼「……!!」
カヲル「さあ…彼らを苦しめるのはもうやめてくれないか?」「シンジ君達の心は繊細なんだ。…君と同じでね」
鳥飼「う……!!」
〔鳥飼、マップ端へ移動〕
綾人「守ぅぅっ!!
鳥飼「綾人…お前は遠からず人ではいられなくなる。人を捨てる時が来る
綾人「!」
鳥飼「俺はそのお前を見届ける…! 見届けてやる…!!
〔敵ユニット離脱〕
シゲル「目標の反応、消えました!」
ミサト「…現時刻を以て…作戦を終了します…! 第一種警戒態勢へ移行…!」
マコト「了解…状況イエローへ速やかに移行」
ミサト「…零号機は?」
マヤ「…エントリープラグの射出は…確認されていません」
ミサト「生存者の救出…急いで…!」
リツコ「…もし、いたらの話ね」
ミサト「!!」
リツコ「………」
冬月「…フィフスに救われたな」
ゲンドウ「ああ」
冬月「彼を外に出したのはあの男か…」
ゲンドウ「………」
【戦闘マップ3終了】

【シナリオデモ4開始】

久遠「……!」
麻弥「どうしたの?」
久遠「…歌が聞こえる…。ずっと昔に聞いたことがある歌…」
麻弥「そう…」(…やはり、現れたのね、あの少年が)(なら、いよいよ始まる…。最終楽章への序曲が……)

委員A「…これで我らに対するMUの干渉は阻止された」
委員B「バーベムが次なる策を講じても、我々には対抗手段が…マグネイト・テンとメディウス・ロクスがある」
委員A「ザパトの死という多少の番狂わせがあったがな」
委員B「予測範囲内の出来事だ。いずれにせよ、あの女は我らの手の内から逃げられん」「それに…あの悪魔が消滅すれば、メディウスと彼らは用済みだ」「…そして、ゼーレの死海文書に記述されている使徒はあと一つ…」
キール「約束の時は近い。その道のりは長く、犠牲も大きかった」
委員B「左様…零号機の損失、碇を解任させるには充分過ぎる理由だ」
委員A「人柱が必要だな…碇に対する」
キール「そして、事実を知る者が必要だ…」

ネルフ本部

ベガ「ミサト! レイは…レイはどうだったの!?」
ミサト「………」
銀河「な、何で返事してくれないんだよ!? 前の時だって、A.T.フィールドで無事だったじゃねえか!?」
ミサト「…私にもわからないのよ。零号機の残骸回収は、技術部が極秘裏に行っているから」
恵「極秘裏にって…」
トウジ「…ミサトさん…ワイらに何か隠してるんとちゃいますか?」
ミサト「私だって知りたいわ。リツコ達が何をしてるかを…」
シンジ「………」
ミサト「シンジ君…」
シンジ「…ミサトさん…出ないんだ、涙」「悲しいと思ってるのに出ないんだよ、涙が……」
ミサト「………」
北斗「…あ、あの…アスカさんは…?」
ミサト「…病院に収容されたわ。命に別状はないけど…意識が戻らないの」
北斗「…そ、そんな…」
銀河「く、くっそぉぉぉ…!! 俺達が…俺達がちゃんとやってれば、こんなことには!!」
ミサト「…あなた達のせいじゃないわ。私の…判断ミスよ」
ベガ「自分を責めないで、ミサト…」
ミサト「………」「…それで、綾人君は?」
恵「……今、お兄ちゃんが……」「お姉ちゃんが一緒にいます……」

遙「……綾人君……」
綾人「…描けないんだ…」
遙「え…?」
綾人「…君に見てもらいたかった絵が」
遙「………」
綾人「知ってたんだろ? 僕と朝比奈…守のこと…」
遙「…ええ…」「でも、彼のことは……」
綾人「母さんも…守も僕に嘘をついていた。何のために…僕に何をさせるために…」「…僕は…僕はいったい何なんだ…?」
遙「…綾人君…」

冬月「…綾波レイ…」「彼女は俺の絶望の産物であり、だお前の希望の依代でもある…」
ゲンドウ「………」
冬月「やはり、忘れる方が無理というものか…」
ゲンドウ「………」
冬月「…碇……お前の息子は、我々にとってのオリンとなるのか?」
ゲンドウ「それはまだわからん」「わかっているのは…EVA初号機だけなのかも知れない」

吉良国「…どうだった?」
マサト「とりあえず、僕達は現状維持とのことです…。引き続き、ここで警戒態勢に…」
吉良国「…EVAを3機失ったも同然だからな。今、ここを攻められたら、ひとたまりもないよ」
ヒューゴ「それより、あの少年だ。5人目のエヴァンゲリオンのパイロット…奴は何なんだ?」
マサト「あのドーレムは彼と何か話をしているようでした…」「そして…僕達や綾人さんにトドメを刺さず、撤退を…」
エルフィ「まさか、奴もムーリアンなのか?」
マサト「多分、違うと思います。彼は……彼には……」
エルフィ「?」
マサト(僕と同じような匂いがする……。何者かに仕組まれ、生まれてきた子供…)(僕の予想が正しければ…彼は……)
〔扉の開閉音〕
アクア「ヒューゴ! みんな!」
ヒューゴ「どうした、アクア?」
アクア「レ、レイが…! レイが無事だったのよ!!」
ヒューゴ「!!」

レイ(…私…何故、ここにいるの?)(私…何故、また生きているの?)(何のために…誰のために……)
シンジ「綾波っ!!」
レイ「………」
シンジ「よかった…綾波が無事で…」
レイ「………」
シンジ「…あの…父さんは来てないんだ?」
レイ「………」
シンジ「…ありがとう…助けてくれて」
レイ「何が?」
シンジ「何がって…零号機を捨ててまで僕達を助けてくれたじゃないか、綾波が…」
レイ「そう…あなた達を助けたの」
シンジ「…覚えてないの?」
レイ「いえ、知らないの」「多分…私は三人目だと思うから」
シンジ「…三人目…!?」
レイ「行って」
シンジ「え…!?」
レイ「行って。私のことは心配いらないから」
シンジ「う、うん…」
〔歩く足音〕
レイ「………」
カヲル「…君がファーストチルドレンだね」
レイ「………」
カヲル「綾波レイ…君は僕と同じだね。お互いにこの星で生きていく身体はリリンと同じ形へと行き着いたか…」
レイ「…あなた、誰?

ゲンドウ「そうだ、ファーストチルドレンは現状維持だ…」「セカンド、サード、フォース…そして、フィフスは監視だけでいい。弐号機のシンクロテストを開始しろ」
〔通信を切る音〕
冬月「フィフスの少年がレイと接触したのか?」
ゲンドウ「ああ」
冬月「今、フィフスのデータをMAGIが全力を挙げて洗っている…。おそらく、彼は…」
ゲンドウ「………」
冬月「それに、レイが生きているとなればキール議長らがうるさいぞ?」
ゲンドウ「ゼーレの老人達には別の物を差し出してある…心配ない」
冬月「…いずれにせよ、MUとフィフスは我々にとって招かれざる来訪者…」
ゲンドウ「そして、終わりと始まりの扉を開く忌むべき鍵だ」

リツコ「………」
キール「我々も穏便に事は進めたい。君にこれ以上のつらい思いはさせたくないのだ…」
リツコ「私は何も感じてはいませんが」
委員A「気の強い女性だ…碇が側に置きたがるのもわかる」
委員B「だが…君を我々に差し出したのは他でもない…碇君だよ」
リツコ「……!」
キール「零号機パイロットの尋問を拒否…代理人として君を寄こしたのだよ、赤木博士」
リツコ(レイの代わり…私が…?)
キール「では…審問を始めよう」

冬月「…あと0.3下げてみろ」
マヤ「はい」
冬月「このデータに間違いはないな?」
マコト「全ての計測システムは正常に作動しています」
マヤ「MAGIによるデータ誤差、認められません」
冬月「…よもやコアの変換もなしに弐号機とシンクロするとはな…」
マヤ「しかし、信じられません。いえ…システム上あり得ないです」「すぐにこの事実を赤木博士に…」
冬月「彼女は今、別件で出ている。報告は後でいい」
マヤ「は、はい…」
ミサト「………」
マコト「どうします?」
ミサト「事実をまず受け止めてから、原因を探ってみて」
マコト「はい…」

トウジ「しっかし、驚きやな。EVAに乗ったん、初めてやろ?」
カヲル「そうだよ」
トウジ「そやのに、あんなシンクロ率を叩き出すなんて…」
シンジ「凄いんだね、カヲル君って…」
トウジ「ホンマや。これで惣流も治療に専念できるかも知れへんな」
カヲル「フフ…でも、君達にはかなわないよ」
シンジ「そ、そんなことないよ。僕だって、最初にEVAへ乗った時はわけがわからなくて…」
レイ「………」
カヲル「…シンジ君はこれからどうするんだい?」
シンジ「ぼ、僕は部屋に戻るけど…」
カヲル「一緒に行っていいかい?」
シンジ「え…? な、何で…?」
カヲル「君に興味があるからさ」
シンジ「きょ、興味って…」
トウジ「何やセンセ…怪しいなァ?」
シンジ「な、何言ってんだよ、トウジ」
トウジ「ともかく、ワイらは邪魔者みたいやな。ほな、行こか、綾波」
レイ「………」
〔歩く足音〕
カヲル「あ…トウジ…綾波…」
カヲル「…一時的接触を極端に避けるね、君は。怖いのかい、人と触れあうのが…?」
シンジ「…昔はそうだった…。でも、今は……」
カヲル「他人を知らなければ、裏切られることもない。互いに傷つくこともない…」「でも、君は苦しみや悲しみを乗り越えてきたんだろう? マグネイト・テンの中で」
シンジ「う…うん…」
カヲル「けど、人は寂しさを永久になくすことは出来ない…人は一人だからね」「ただ、忘れることが出来るから…人は生きていけるのさ」「かつての世界の記憶…そこでの試練…苦しみ…悲しみ…その全てを忘れて…」
シンジ「ど…どういうことなの?」
カヲル「常に人は心に痛みを感じている。心が痛がりだから…生きるのも辛いと感じる」「でも、それは崩れゆく世界を止めるために必要なことなんだよ」
シンジ「崩れゆく世界って…」
カヲル「…辛かったんだろう、シンジ君? それを止めるための戦いが…」
シンジ「カ、カヲル君…」
カヲル「ガラスのように繊細だね、特に君の心は…」
シンジ「僕が…?」
カヲル「そう、好意に値するよ」
シンジ「好意…」
カヲル「好きってことさ」
シンジ「!」
カヲル「…僕は君に出会うためにこの世界へ生まれてきたんだよ」
シンジ「そ、そんなこと…」
カヲル(そう…以前と同じようにね)
〔通信のコール音〕
シンジ「? リツコさんからの呼び出し…?」
カヲル「用事が出来たのかい? なら、行くといいよ」
シンジ「え? でも…」
カヲル「僕のことは構わない。君との話はまたすることが出来るからね」
シンジ「う…うん…それじゃ」
〔歩く足音〕
カヲル(真実を知ることは辛いね…)(でも、シンジ君…君はそれを受け止めなければならない)(あのオリンのように……)

委員A「…よいのか? 赤木博士の処置」
委員B「彼女は帰した方が得策だ」
委員A「EVAシリーズの功労者…今少し役に立ってもらうか」
委員B「左様…我々人類の未来のために。世界に崩壊を乗り越えるために」
委員A「そのためのエヴァンゲリオン…すでに8体まで用意されつつある」
委員B「残るはあと4体か…」
キール「EVAシリーズの完成を急がせろ。約束の時はその日となる」

ミサト「どう? フィフスの少年のデータ、入手できた?」
マコト「これです。伊吹二尉から無断で借用したものです」
ミサト「ごめんね。泥棒みたいな真似ばかりやらせて」
マコト「気にしないで下さい。俺だって真実を知りたいですから」
〔コンピュータの動作音〕
ミサト「何、これ…?」
日向「…マヤちゃんが公表できないわけですよ。理論上はあり得ないことですから」
ミサト「そうね…謎は深まるばかりだわ…」「EVAとのシンクロ率を自由に設定できるとはね…それも自分の意志で」
〔端末の操作音〕
ミサト「!」
マコト「どうしたんです?」
ミサト「…何でもないわ。この話はまた今度に」
マコト「は、はあ…」
ミサト(…リツコ…戻って来たのね…)

リツコ「………」
〔エラー音〕
リツコ「! パスコードが…?」
???(ミサト)「無駄よ…私のパスがないとね」
リツコ「そう…加持君の仕業ね」
ミサト「…ここの秘密、この目で見せてもらうわよ」
リツコ「いいわ。ただし、この子も一緒にね」
シンジ「ミサトさん……」
ミサト「…いいわ」

シンジ「これは……EVA……!?」
リツコ「最初のね。でも、失敗作よ。十年前に破棄されたわ」
シンジ「…こんなにたくさん…! まるで…EVAの墓場だ…」
リツコ「ただのゴミ捨て場よ。…そして、あなたのお母さんが消えた所でもあるわ」
シンジ「!」
リツコ「覚えてないかも知れないけど…あなたも見ていたのよ。お母さんの消える瞬間を」
シンジ「……!!」
ミサト「リツコ!」
リツコ「…行きましょう。まだ奥があるの」

ミサト「…これが…」「ダミープラグの基だというの…?」
リツコ「…真実を見せてあげるわ」

ミサト「こ、これは…!?」
シンジ「綾波…レイ…!」
ミサト「まさか、EVAのダープラグは…!?」
リツコ「そう…ダミープラグのコアとなる物…その生産工場よ」
ミサト「これが…!?」
リツコ「ここにあるのはダミー…そして、レイのためのただのパーツに過ぎないわ」「人は神様を拾ったので喜んで手に入れようとした…。だから、バチが当たった」「それが15年前…」
ミサト「セカンドインパクト…!」
リツコ「せっかく拾った神様はそのせいで消えてしまったわ…」「でも、今度は神様を自分達で復活させようとしたの。それが…アダム」「そして、アダムから神様に似せて人間を創った……それがエヴァ」
シンジ「ヒト…? エヴァンゲリオンは人間なんですか!?」
リツコ「そう…人間なの。本来、魂のないEVAには、人の魂が宿らせてあるもの」「みんな…こことは違う世界からサルベージされたものなの」
ミサト「それじゃ、MUと同じで…EVAや使徒は別の世界から…!?」
リツコ「でも、魂の入った容れ物はレイ一人だけなの。あの子にしか魂は生まれなかったの」「ガフの部屋は空っぽになってたの」「ここに並ぶレイと同じ物には魂がない。ただの容れ物なの。ドーレムと同じような人形なの」「…だから、壊すの。憎いから」
〔プログラムのエラー音〕
〔泡の音〕

シンジ「!!」
ミサト「あんた! 何やってんのか、わかってんの!?」
リツコ「ええ…わかっているわ。破壊よ。人じゃないもの。人の形をしたモノなの」「でも、そんなものにすら私は負けた…! 勝てなかったのよ…!」「あの人のことを考えるだけで、どんな…どんな凌辱にだって耐えられたわ…!」「私の身体なんて、どうでもいいのよ…!」「でも…でも、あの人は…あの人は…!」
ミサト「………」
リツコ「わかっていたの…! 馬鹿なのよ、私は…! 親子そろって大馬鹿者だわ…!」
シンジ「………」
ミサト(リツコ…)
リツコ「私を殺したいのなら、そうして。いえ…そうしてくれると嬉しい…」
ミサト「…それこそ、馬鹿よ…あなたは…」
リツコ「…う、うう…ううう…」
ミサト(…EVAに取りつかれた人の悲劇…)(私も………同じか)
シンジ(…綾波レイ……。やっぱり、あの感じ……母さん…?)(父さん…父さんは母さんや綾波を…何を…何をしてるんだ…!?)(僕は僕はどうすればいい…? どんな顔をして綾波に会えばいい…?)(教えてよ…母さん…アスカ…カヲル君…!)(僕はどうしたらいいんだ…!?)

カヲル「人は無からは何も作れない。人は何かにすがらなければ何も出来ない。人は神ではありませんからね
キール「だが、神に等しき力を手に入れようとしている男達がいる」
委員A「我らの他に、再びパンドラの箱を開けようとしている者達がいる…」
カヲル(それは青い血の人々…そして、エルンスト・フォン・バーベム)
委員B「そこにある希望が現れる前に箱を閉じようとしている男がいる」
カヲル「希望? あれがリリンの希望ですか?
委員A「希望の形は人の数ほど存在する…」
委員B「希望は人の心の中にしか存在しないからだ」
キール「だが、我らの希望は具象化されている…」
委員B「それは偽りの継承者である黒き月よりの我らの人類…その始祖たるリリス」
委員A「そして、正当な継承者たる失われた白き月よりの使徒…その始祖たるアダム」
委員B「そのサルベージされた魂は君の中にしかない」
キール「だが…再生された肉体はすでに碇の中にある」
カヲル「シンジ君の父親…彼も僕と同じか
キール「だからこそお前に託す…我らの願いを」「偽りの継承者…青き血の民…機械仕掛けの髪とその操者が調律の音色を奏でる前に…」「我らの人類補完計画…いや、『多元世界補完計画』を遂行するために……」「あまねく世界とそこに生きる者達を一つにし…」「死と新生の輪廻から逃れ、新たな未来を手にするために……」

カヲル「わかっていますよ。そのために僕は今、ここにいるわけですから…」(全てはリリンの流れのままに…。決断はシンジ君達に委ねられる…。あなた達の思惑とは別にね)
???(玲香)「………」
カヲル「やあ…僕を止めに来たのかい? イシュトリ」
玲香「………」
カヲル「君達の音色を妨げるつもりはない…彼もそれを望んでいないからね」
玲香「…あなたは何を選ぶの?」
カヲル「それは…君達のオリンと僕達のオリン次第さ」
玲香「でも、あなた達の願いをかなえる『槍』は…」
カヲル「あれは必要ない。神の心の臓を刺す槍は要らないんだ。無論…君達の神にもね」「だから…神に捧げられし者を止めることは出来ない」「そして…君も僕を止めることは出来ないのさ」
玲香「………」
カヲル「そう…。あまねく世界が進む道を決めるのは、僕じゃないんだよ、イシュトリ…」「さあ、行くよ。アダムの分身…そして、リリンのしもべ

〔ネルフの警報〕
マコト「EVA弐号機、起動!!」
ミサト「そんな馬鹿な! アスカは!?」
シゲル「303病室です! 確認済みです!!」
ミサト「じゃあ、いったい誰が!?」
マヤ「無人です! 弐号機にエントリープラグは挿入されていません!!」
ミサト(誰もいない…!? フィフスの少年ではないの!?)
マコト「セントラルドグマにA.T.フィールドの発生を確認!!」
ミサト「弐号機!?」
マコト「いえ、パターン青! 間違いありません、使徒です!!」
ミサト「何ですって!?」(使徒…! あの少年が!?)
シゲル「目標はセントラルドグマを降下! 第4層を通過しました!!」」
冬月「セントラルドグマの全隔壁を緊急閉鎖。少しでもいい、時間を稼げ」
シゲル「目標、第5層を通過!!」
冬月「…やはり、あの少年が…!」
ゲンドウ「ゼーレの老人達はさらに予定を繰り上げるつもりだ。…我々の手で」
〔ネルフの警報〕
シゲル「装甲隔壁が、EVA弐号機により突破されていきます!!」
マコト「目標は第二コキュートスを通過!!」
ゲンドウ「EVA初号機を追撃させる。他の機体も直ちに出撃準備」
ミサト「はい…!」
ゲンドウ「いかなる方法を以てしても、目標のターミナルドグマ侵入を阻止しろ」
ミサト(しかし…! 使徒は何故、弐号機を…!?)
冬月「もしや、弐号機との融合を果たすつもりなのか?」
ゲンドウ「あるいは、破滅を導くためかだ」

シンジ「嘘だ! 嘘だ! 嘘だ! カヲル君が使徒だったなんて! そんなの嘘だぁっ!!」
ミサト「事実よ…受け止めなさい」「直ちに出撃…いいわね?」
シンジ「……!!」「裏切ったな…! 僕の気持ちを裏切ったな!! 父さんと同じに裏切ったんだ!!」

シゲル「初号機、最下層に到達! まもなく、目標と接触します!」
ミサト「日向君…初号機の信号が消えて…もう一度変化があった時は…」
マコト「わかっています。その時はここを自爆させるんですね?」
ミサト「ええ」
マコト「サードインパクトを起こされるよりはマシですからね」
ミサト「すまないわね」
マコト「いいですよ。あなたと一緒なら」
ミサト「…ありがと」
〔爆発音〕
〔画面、振動〕

ミサト「何!? どういうこと!?」
マコト「これまでにない強力なA.T.フィールドです!!」
シゲル「光波、電磁波、粒子も遮断しています! モニター不可能!」
マコト「これでは初号機以外の機体がドグマへ降下できません!!」
ミサト「まさに結界か…!」
マヤ「目標、及びEVA弐号機、初号機共にロスト! パイロットとの連絡も取れません!!」
〔爆発音〕
〔画面、振動〕

ミサト「じょ、状況は!?」
マコト「再びA.T.フィールドです!!」
シゲル「ターミナルドグマの結界付近に先程と同等のA.T.フィールド発生! 結界を中和していきます!!」
マコト「こ、これで他の機体も降下可能になりました!!」
ミサト「フィールドを中和しているのは誰!? まさか、新たな使徒!?」
冬月「……レイか」
ゲンドウ「………」
シゲル「さ、最終安全装置が解除されました!!」
日向「ヘヴンズドアが…開いていきます…!!」
ミサト「ついにたどり着いたのね…使徒が…!」
【シナリオデモ4終了】

【戦闘マップ4開始】

〔敵ユニット出現〕
カヲル「遅いな…シンジ君
〔カヲル、前進〕
カヲル「アダム…我らの母たる存在。アダムに生まれし者はアダムに還らねばならないのか…? 人を滅ぼしてまで
〔カーソル、リリスを指定〕
カヲル「違う…! これは……リリス? そうか…そういうことか、リリン
〔味方ユニット出現〕
カヲル「待っていたよ、シンジ君
シンジ「カヲル君!!
カヲル「EVAシリーズ…アダムより生まれし人間にとって、忌むべき存在…」「それを利用してまで生き延びようとするリリン…僕にはわからないよ
シンジ「カヲル君! やめてよ! どうしてだよ!?
カヲル「EVAは僕と同じ身体で出来ている。僕もアダムより生まれし者だからね」「魂さえなければ、同化できるさ。この弐号機の魂は今、自ら閉じこもっているから
シンジ「!!」
〔シンジ、精神コマンド「必中」使用〕
<戦闘開始>

≪味方援軍1出現前≫
<シンジvsカヲル>

シンジ「アスカ…! ごめん!」

≪味方援軍1出現前≫
<シンジvsカヲル(戦闘後)・味方増援1出現>

シンジ「A.T.フィールド!?」
カヲル「そう。君達リリンはそう呼んでいるね。何人にも侵されざる聖なる領域…心の光…」「リリンもわかっているんだろう? A.T.フィールドは誰もが持っている心の壁だということを
シンジ「そんなのわからないよ! カヲル君!!
〔味方ユニット出現〕
綾人「シンジ!!」
シンジ「あ、綾人さん…! それに、みんな…!!」
カヲル「フッ…ここへ彼らを導いたのは、彼女か」
レイ「………」
マサト「シンジ君、彼が最後の使徒なのか…!?」
シンジ「そ、それは…!」
カヲル「その機体は…」
マサト「!」
カヲル「ガフの扉の鍵を持っているね」
美久「鍵…!? まさか、次元連結システムのこと!?」
カヲル「そう。それは異世界から無限の力を取り出す装置であると共に…」「世界を隔てる壁を開く鍵でもある。ただ…あの時には使われなかったけどね」
美久「あの時…!? ま、まさか…!!」
マサト「僕が…木原マサキが…ゼオライマーを奪ったから…!?」
カヲル「ああ。君は鍵をゼーレの老人達に預けることをよしとしなかった」「そして、自らの手で終末への扉を開こうとしたんだ」
美久「じゃ、じゃあ、ゼオライマーやハウドラゴンは…!?」
カヲル「そう…。真実を知る者達が、この世界へ終わりをもたらすために作り上げたもの…」「僕達が全て消滅してしまった場合に備えてね」
美久「……!」
カヲル「だけど、君はその選択肢を選ばなかったようだ…」
マサト「ああ…! 僕はゼオライマーを本来の目的通りに使うつもりはない…」「それが…僕の贖罪なんだ。決して、この世界を終わらせたりはしない…!」
銀河「そいつは、俺達だってそうだ!」
カヲル「過去より受け継がれし力と希望…そして、7つの光……」
北斗「え…!?」
カヲル「最後の希望は、君自身の中にある」
北斗「最後の…希望!?」
ベガ「な…何を知っているというの!?」
カヲル「いずれ、わかることだよ」
ベガ「……!」
カヲル「君達の心は繊細ながらも強い…。だから、未来を手に入れる資格がある」「はたして、時の彼岸にたどり着くのは僕か君達か…いや、もうここがすでにそうなのかも知れない」
銀河「あ、あいつ…さっきから何言ってやがんだ!?」
エリス「そ、そんなのわからないわよ…!」
カヲル「さあ、オリン…君の歌で僕の心を潤してくれ」
綾人「!!」
カヲル「君がヨロテオトルへ至るには、この試練を乗り越えなければならない…」「でなければ、僕があまねく世界を調律することになる」
綾人「い、いったい、何を…!?」
カヲル「僕達は同じような宿命を背負っているんだよ。…そして、シンジ君も」
シンジ「え…!?」
カヲル「世界の中心にあるべき存在…幾多の世界を見守る存在…永遠の輪廻の中核となる存在…」「今までの試練は、それが誰なのか決めるためのものなんだ」
シンジ「君の言ってることがよくわからないよ、カヲル君…!」
カヲル「今はそれでいいんだ、シンジ君」「さあ、オリン…歌うがいい。禁じられた君の歌を…」「過去から未来へと響く君の歌を…かつて、ガフの部屋の扉を開き、僕達を目覚めさせた歌を…」「リリン達を『約束の地』へと導く歌を…!」
綾人「!!」
〔ラーゼフォンの歌〕
〔綾人、気力上昇〕

[デモムービー「ラーゼフォン、真理の眼が開く」]
カヲル「機械仕掛けの神か…」「さあ、歌うがいい。禁じられた君の歌を
綾人「……!」
カヲル「さあ…君の歌で僕の心を潤してくれ
遙「あ、綾人…!!」
カヲル「おいで。ここで僕を止めなければ、君達が滅びることになる」
銀河「滅びるって…ど、どうすんだよ!?」
ベガ「彼を…倒すしかないわ」「ミサトは言っていた…使徒がアダムと接触すれば、サードインパクトが起きるかも知れないと…!」
銀河「……!!」
エルフィ「なら、その事実を認めるわけにはいかない…!」
トウジ「や、やるしかあらへんのか…!」
ヒューゴ「ああ…! 全てを終わりにするには、まだ早過ぎる…!」
カヲル(…歴史は繰り返す…)(…幾千幾万の輪廻を経ても、リリンは死から逃れることは出来ない…)(だけど、死と生は同じ所にある…。滅びの宿命は新生の喜びでもある…)(人が自分の心の中にある希望を捨てさえしなければ、それでいい…)(そうすれば、例えこの世界が滅びを迎えても…希望は未来へと紡がれていく…)(そして、いつか人は無限力に支配された輪廻から逸脱することが出来るはず…)

<ヒューゴorアクアvsカヲル>
アクア「あなたが使徒だったなんて…!!」
カヲル「だが、君達はこの事実を受け止めなければならない。そしてAI1という名に込められた意味も…」
ヒューゴ「!! お前、AI1の何を知っているんだ!?」
カヲル「いずれわかるさ。その時、僕はもう一度君達と出会うことになるかも知れない…」

≪味方援軍1出現後≫
<シンジvsカヲル>

シンジ「カヲル君…! 僕は…僕は…!!」
カヲル「構わないよ…これは儀式なんだ。『約束の地』へ至る者が誰なのか…それを決めるためのね」

<トウジvsカヲル>
トウジ「お、お前…ワイらを騙しとったんか!?」
カヲル「そう思われても仕方がないのは事実だね」
トウジ「何やて!? ワイはともかく、シンジの気持ちを踏みにじったことは許せへん!!」「あいつを騙したことをワイは絶対に許さへんで!」
カヲル「フフ…君のようないい友人がいれば、シンジ君は大丈夫だね…」

<銀河or北斗vsカヲル>
銀河「お前の言ってることは俺には訳わかんねえよ!」
カヲル「構わないよ。君達はもう自分の中に未来への答えを持っているから」
北斗「じゃあ、教えてよ! 僕の中の最後の希望って、何なの!?」
カヲル「それは君が…いや君達が自分自身で見つけるべきものだよ…」

<マサトvsカヲル>
カヲル「君はどうするんだい? 再び扉を開くのか、それとも…」
マサト「僕の答えは決まっている…! 世界を終わらせてしまう扉など開くものか!」
美久「マサト君…!」
カヲル「君がそう決心したのなら、その鍵はもう使われないだろう。後は扉を閉じるだけだよ…」

<綾人vsカヲル>
綾人「教えてくれ! 君は僕のこと…ラーゼフォンのことを知っているんだろう!?」
カヲル「全ての答えは君の中にある。そして、君はもうすぐそれを知ることになる…」「その時、この世界は君の歌で満たされるかも知れない…」

<カヲル撃破・勝利条件達成>
※※シンジが撃破の場合のセリフ※※
カヲル「…ありがとう、シンジ君。弐号機は君に止めてもらいたかったんだ」
※※シンジ以外が撃破の場合のセリフ※※
カヲル「…ありがとう。弐号機は君達に止めてもらいたかったんだ」

カヲル「そうしなければ、彼女と生き続けたかも知れないからね」
シンジ「カヲル君…どうして…!?」
カヲル「僕が生き続けることが、僕の運命だからだよ。…結果、人が滅びてもね」「だが、このまま死ぬことも出来る…」「生と死は等価値なんだ…僕にとってはね。自らの死…それが唯一の絶対的自由なんだよ」
シンジ「何を…カヲル君、君が何を言っているのかわかんないよ…! カヲル君…!」
カヲル「遺言だよ。さあ、僕を消してくれ。そうしなければ、君らが消えることになる」「滅びの時を免れ、未来を与えられる生命体は一つしか選ばれないんだ…」「そして、君は死すべき存在ではない…」
レイ「………」
カヲル「………」
シンジ「………」
カヲル「君達には未来が必要だ」
シンジ「………」
カヲル「ありがとう。君達に会えて嬉しかったよ」
〔十字の爆発〕
〔敵ユニット撃破〕

【戦闘マップ4終了】

【シナリオエンドデモ開始】

シンジ「…カヲル君が好きだって言ってくれたんだ、僕のこと」
ミサト「………」
シンジ「初めて…初めて他人から好きだって言われたんだ」「僕に似てたんだ…綾波にも。好きだったんだ…」
ミサト「………」
シンジ「生き残るなら、カヲル君の方だったんだ…」「僕なんかより…ずっと彼の方がいい人だったのに…」「カヲル君が生き残るべきだったんだ…」
ミサト「…違うわ。生き残るのは生きる意志を持った者だけよ」「彼は死を選んだ…。生きる意思を放棄して、見せかけの希望にすがったのよ」「…シンジ君は悪くないわ」
シンジ「冷たいね、ミサトさん」
ミサト「そうならなければ、生き残れないわ…これから先」

ベガ「え…? こっちに残る?」
遙「ええ。私達はいったんTERRAに戻って、例の計画に参加することになったの」「ブライト艦長の許可はもう取ってあるわ」
ベガ「そう…」
遙「それに…ミサトやシンジ君達もネルフへ残ることになったみたいよ」
ベガ「あんなことがあった後だものね…」
遙「ベガ達はどうするの?」
ベガ「マサト君やヒューゴ君達と宇宙へ上がって、ナデシコCやネェル・アーガマと合流するわ」「バグラチオン作戦は成功したけど、ガルファとの戦いはまだ続くでしょうし…デビルガンダムの件も気になるもの」
遙「そして、MUも…」
ベガ「ええ…」
遙「じゃ、気をつけて行ってきてね、ベガ」
ベガ「遙、あなた達も……」
【シナリオエンドデモ終了】


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