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No.12A
欺かれた観客

【シナリオデモ1開始】
カイル「我々のプロジェクトが中止!? 何故です!?」
ロレンツォ「理由は、先日のテストだ」
カイル「……!」
ロレンツォ「模擬戦中にODEシステム搭載機が暴走し、12名のパイロットが死亡した」「それも同士討ちによってな」
カイル「あ、あれは副総帥の指示で、システムとパイロットの脳髄を無理に直結させたせいで……!」
ジジ「あの時、パイロット達は他者との感覚共有に耐えられず、互いを拒絶してしまったのです」
ロレンツォ(確かに、副総帥の横槍が直接の原因なのだろうが……あのシステムは危うい)(少なくとも、今の段階ではな)
ユルゲン「現状のODEシステムは、完全な物ではありません……。クリアしなければならない問題点があるのです」「ですから、現段階であのようなテストを実施されても……」
ロレンツォ「ユルゲン博士……君は、副総帥の判断に誤りがあったと言うのか?」
ユルゲン「無論です。私のODEシステムは、人間を兵器の部品にするためのものではありません」「むしろ、人的損失を減らすための……」
ロレンツォ「……ビアン総帥は、総合的な観点からODEシステムが危険だと判断された」
ジジ「総帥が……!」
ユルゲン「ま、待って下さい! 我々にもう一度チャンスを!」
ロレンツォ「その必要はない。君達のプロジェクトは中止だ。以後の処置は追って通達する」
〔扉の開閉音〕
ユルゲン「………」
カイル「じょ、冗談じゃない! 副総帥の横槍が入らなければ、あんな事故は起きなかったんだ!」
ジジ「……あの老人の根回しは万全だったようですね」
ユルゲン「うむ……もう手遅れだ……」
カイル「まさか、博士……このまま引き下がるつもりですか!?」
ユルゲン「我々のプロジェクトは、副総帥のゲイム・システムと相対するものだ。抵抗しても、さらなる妨害を受けるだろう」
カイル「ならば、イスルギにあのシステムを持ち込んで……!!」
ユルゲン「……同じだ、カイル君。ビアン総帥から中止命令が出ている以上はな」
カイル「くっ……!」(こんなことが納得できるか……! 納得してたまるものか……!)

テスラ・ライヒ研究所 近郊

輸送機 コックピット
カイル(あれから2年……)(あの時とは違う……。今の俺達は、利用する側にいる。イスルギやロレンツォをな)
所属不明兵「……そろそろ作戦の決行時刻だぞ」
カイル「わかっている。……ヴァルシオーネはテスラ研から出たか?」
所属不明兵「いや」
カイル(フッ……あの女を潜伏させておいて正解だったな)
所属不明兵「だが、奴はミロンガやバルトールにとって、サイバスターやグランゾンと並ぶ強敵だぞ」
カイル「ここの所、サイバスターは確認されていない。それに、シュウ・シラカワは動かん。こちらから手を出さない限りはな」
所属不明兵「しかし、あの男はAMNシステムやODEシステムのことを知っているぞ」
カイル「いくら奴でも、ユルゲン博士の真意までは図れんさ」
所属不明兵「……ヴァルシオーネへの手は打ってあるんだろうな?」
カイル「ああ、奴は動けんはずだ」「ところで、極東の方はどうなっている?」
所属不明兵「第一波攻撃は成功したそうだ。さすがはルー主任だな」
カイル「ああ……」(ジジ……ODEシステムの糧となったか。……だが、俺もすぐにそちらへ行く)
〔通信のコール音〕
カイル「む? あいつからの連絡か」
〔モニターの開く音〕
ダイアン「カイル、いったいどういうことなの!? どうしてバルトールが反乱を!?」
カイル「フッ……中継映像を見たか」
ダイアン「ねえ、説明して! あなた達の目的は、テスラ研の特機やEOTじゃなかったの!?」
カイル「……そいつも後でいただくさ」
ダイアン「え? 後でって……」
カイル「俺達が第一に欲しいのは、テスラ研の優秀な“頭脳”だ」「そいつらを捕らえ、ODEシステムのコアにするのさ」
ダイアン「な、何ですって!? カイル、あなたは……」
〔モニターの閉じる音〕
カイル「テスラ研のガードが下がった。傭兵部隊を先に出せ。事が済み次第、俺達がコンテナを運び込むぞ」
所属不明兵「了解した」
カイル「さて……狩りの始まりだ……!」

テスラ・ライヒ研究所 管制室
スタッフ「……晴海からの中継映像は、以前途絶えたままです」
ツグミ「………」
リューネ「途切れる直前の映像……バルトールがヒュッケバインを攻撃してたよね?」
ロバート「あ、ああ」
アイビス「もしかして、あの時のミロンガみたいに暴走したの……!?」
ツグミ「……これは……」「これは最初から仕組まれていたことだったのかも知れない……」
アイビス「えっ……」
ダイアン「………」
〔警報〕
スタッフ「タカクラチーフ! 所属不明機が研究所に接近中です! こちらの呼びかけにも応じません!」
ツグミ「所属不明機って……」
リシュウ「この機にか。気に入らんな。ワシらに害をなす者と考えるべきじゃろう」
ツグミ「は、はい! 対空迎撃、用意! ピーターソン基地へエマージェンシーコールを!」
スタッフ「了解!」
リューネ「まさか、敵はバルトール……?」
アイビス「そんな……! フィリオ少佐もカザハラ所長もいないこのタイミングで……!」
ロバート「いくら何でも、この短時間で大連からここまで来られんよ」
リシュウ「いや……“敵”が周到な準備を進めておったとしたら、あり得るかも知れんぞ」
ロバート「……!」
〔警報〕
ツグミ「どうしたの!?」
スタッフ「ADATSが作動しません!」
ツグミ「そんな……! この間、点検した時は異常がなかったのに!」
アイビス「こんな時に故障なの!?」
ツグミ「サブシステムに切り替えて! 急いで!」
〔エラー音〕
スタッフ「駄目です! こちらにもエラーが!」
ツグミ「ダイアン、すぐに原因を調べて!」
ダイアン「え? あ……!」
ロバート「……ここは俺に任せてくれ」
〔端末の操作音〕
ロバート「う~ん……巧妙にカムフラージュしてあるが、即効性のウイルスだな、こりゃ」
ダイアン「オオミヤ博士……!」
ロバート「しかも、メインシステムの防壁を回避し、防空システムだけを切り離して、使えなくしている」「このウイルスを作った奴は、相当優秀だな」
ツグミ「オオミヤ博士、ウイルスへの対処をお願い出来ますでしょうか?」
ロバート「何とかしてみよう。ダイアン君、手伝ってくれ」
ダイアン「は、はい……」
ツグミ「いったい、彼らの目的は……!?」
リシュウ「いつぞやのインスペクターと同じで、ここにある特機やEOT関連のデータの入手じゃろうな」
ロバート「防空システムをダウンさせた手口、所属不明機が現れたタイミング……もしかしたら、内通者がいるのかも」
ダイアン「………」
リューネ「ツグミ! あたしはヴァルシオーネで出るよ!」
アイビス「あたしも行くよ! あいつらの好きにさせてたまるもんか!」
ツグミ「でも、アイビス……」
アイビス「わかってる! ツグミはここにいて、指示を出して! AXはあたしが独りで操縦するから!」
ツグミ「頼むわね。連邦軍が来るまでの時間を稼いで」
アイビス「了解! 行こう、リューネ!」
リューネ「うん!」
〔扉の開閉音〕
ツグミ「メイン・マトリックスと超機人ケージを緊急封鎖! アンザイ博士やネート博士、所員達をシェルターへ避難させて!」
スタッフ「は、はい!」
ロバート「ダイアン君、俺達はウイルスの解析を行うぞ」
ダイアン「わ、私は……」
ロバート「どうした?」
ダイアン「い、いえ……何でもありません」
【シナリオデモ1終了】


サブタイトル
「欺かれた観客」


【戦闘マップ1開始】
〔敵ユニット出現〕
ムラタ「フン、テスラ研へ来るのは久しぶりだな」「あの老いぼれは……リシュウ・トウゴウはまだここにいるのか?」
リシュウ「!」(あのガーリオンは……!)(間違いない、彼奴か!)
〔味方ユニット出現〕
アイビス「あ、あの機体は……!」
ツグミ「ミロンガ……!」
ロバート「試作機の方が出てきたか!」
ツグミ(アビアノの時も変だと思ったけど……この様子じゃ、相当数が用意されているようね)
ムラタ「……ヴァルシオーネは動けんはずではなかったのか?」
所属不明兵「カ、カイルの話では、そうだと……」
ムラタ「まあいい。斬る物が増える分には構わん」
所属不明兵「し、しかし、奴のサイコブラスターは!」
ムラタ「密集して射程内に入らんようにすることだな」
所属不明兵「りょ、了解!」
アイビス「リューネ、気をつけて! ミロンガの運動性と連係戦闘能力は半端じゃないよ!」
リューネ「わかった!」
ツグミ「リューネ、アイビス、無理はしないでね……!」
アイビス「……そうはいかないよ。このテスラ研はあたしにとって大事な場所なんだから……!」「フィリオが留守の間にテロリストなんかに指一本だって触れさせてなるもんか!」
<戦闘開始>

<敵5機以下or3PP・味方援軍1出現>

リューネ(機体の調子がここへ来る前より悪くなってる……!)
アイビス「リューネ、どうしたの!?」
リューネ「な、何でもないよ! ここで時間はかけられないからね、サイコブラスターを使うよ!」
所属不明兵「上昇した!? まさか、あれを使う気か!」
リューネ「くらいな! サイコブラスタァァァァァッ!!」
〔カーソル、リューネを指定〕
リューネ「えっ!?」
アイビス「リューネ!?」
リューネ「サ、サイコブラスターが撃てない!?」
〔システムダウンの音〕
リューネ「き、機体がっ!!」
ムラタ「仕込みはされていたようだな」
所属不明兵「チャンスだ! 各機、撃て!!」
〔リューネの周囲に爆発〕
リューネ「うあああっ!!」
【戦闘マップ1終了】

【シナリオデモ2開始】

テスラ・ライヒ研究所 管制室
ツグミ「リューネ! 応答して、リューネ!!」
ロバート「いったい、何が起きたんだ……!?」
〔端末の操作音〕
ロバート「原因は駆動系じゃない……OSのトラブルか!?」
〔端末の操作音〕
ロバート「これは……ウイルス! 誰がこんなものをヴァルシオーネに!?」
ダイアン「………」
〔通信のコール音〕
スタッフ「タカクラチーフ、こちらへ通信が入っています!」
ツグミ「……回線を開いて」
〔モニターの開く音〕
カイル「……テスラ研の所員達に告ぐ。直ちに抵抗をやめ、投降しろ。そうすれば、お前達の生命は保証する」
ダイアン(カ、カイル……!)
ツグミ「あなた達の目的は、ここにあるEOT関連のデータの入手なのですか?」
カイル「まあ、そんなところだ」
ツグミ「………」(ヴァルシオーネは行動不能、アステリオンはミロンガに抑えられてる。万事休すね……)
カイル「我々はお前達にこれ以上の危害を加えるつもりはない」
ダイアン「う、嘘よ……嘘……」
ロバート「ダイアン?」
カイル「直ちに投降しろ。所員達の生命は保証する」
ダイアン「そんなの嘘よ!」
ツグミ「!」
カイル「ふん、セルシア……そこにいたか」
セルシア「………」
ロバート「セルシア……!? 君はダイアンじゃないのか!?」
セルシア「私は……私の本当の名は、セルシア・ファームです」
ツグミ(まさか、彼女がウイルスを……!?)
カイル「セルシア、何故俺の命令に逆らった?」
セルシア「あ、あなたを……完全に信用することが出来なかったから……」
カイル「………」
セルシア「現にあなたは私に嘘をついていたじゃない……!」
ロバート「嘘……?」
セルシア「そう、彼が言っていることは嘘です。彼は、最終的にあなた達の命を奪おうとするはず……!」
ロバート「な、何のために?」
セルシア「そ、それは……」
カイル「その女に聞いても無駄だ。単なる捨て駒だからな」
セルシア「……!!」
カイル「お前の役目は終わった。そいつらもろとも、ODEシステムの糧にしてやる」「そして、新たな世界の礎となれ」
セルシア(カイル……何があなたを変えてしまったの……? 私は……私は……)「私はそんなことのためにあなたに協力してきたんじゃない……!」「ダイアンのような悲劇を繰り返させないために……! 今度こそ、私達の居場所を守るために……!」
〔端末の操作音〕
【シナリオデモ2終了】

【戦闘マップ2開始】

〔戦闘マップ2から継続〕
〔エネルギーの充填音〕

リューネ「! 機体が動く!!」
セルシア「聞こえますか、リューネさん!」
リューネ「!」
セルシア「リューネさん、皆さん……すみません。私が間違っていました……」
リューネ「ダイアン……ううん、セルシア……」
セルシア「先程、ワクチンを転送しました。しばらくすれば、ヴァルシオーネの機能は完全に回復するはずです」
リューネ「……ありがと、セルシア」
セルシア「! リューネさん、私を……」
リューネ「話は後! 今はあいつらを何とかしないと!」
ムラタ「フン、とんだ茶番だったが……ここでヴァルシオーネを倒せばいいだけのこと」「全機、攻撃の手を緩めるな」
〔アイビスの周囲に爆発〕
アイビス「うあああっ!!」
〔リューネの周囲に爆発〕
リューネ「くううっ!!」
ツグミ「アイビス! リューネ!!」
ロバート「いかん、このままでは!」
ツグミ「こちらのADATSではミロンガに対応しきれない……!」
アイビス「リューネは下がって!」
リューネ「なに言ってんの! あんたを残して逃げられないよ!!」
ツグミ「ど、どうすればいいの……!?」
???(リシュウ)「……ここはワシに任せい」
ツグミ「えっ!?」
〔味方ユニット出現〕
ツグミ「グ、グルンガスト零式が!!」
ロバート「まさか、あれに乗っているのは……!?」
リシュウ「そう、ワシじゃ」
ロバート「リ、リシュウ先生!!」
リューネ「無茶だよ、先生! 年寄りの冷や水だよ!!」
リシュウ「その冷や水を、頭からぶっかけてやりたい相手がおってのう」
ロバート「しかし、その零式は!」
リシュウ「大丈夫じゃ。こんなこともあろうかと、ジョナサンに調整を頼んでおいた」
ロバート「えっ!?」
リシュウ「先程、ああ言ったのは、お前さんに心配をかけさせたくなかったからなんじゃ」
ツグミ「先生、危険過ぎます! 相手は最新鋭機なんですよ!」
リシュウ「じゃが、カイルとかいう男は、ここにおらん。つまり、敵はまだ出てくる……」「使えるものは何でも使うしかあるまいて」
〔リシュウ、前進〕
ムラタ「むっ!?」
リシュウ「そこなガーリオン、乗っておるのはムラタ……お主じゃな?」
ムラタ「貴様、リシュウ・トウゴウか!」
リシュウ「応。ムラタよ、どの面下げてワシの前に現れた?」
ムラタ「この面よ。だが、俺は貴様に用があってここへ来たわけではない」「それに、貴様から学ぶべきことはもうないわ」
リシュウ「惜しいの。優れた技量を持ちながら、己の邪な欲望のままに剣を振るか」「卓越した素質を備えながら、人斬りの快楽を追及する愚者に成り下がったか」
ムラタ「フン、剣は人を斬るためのものよ」
リシュウ「然り。じゃが、お主は剣士の意気道理を忘れておる」
ムラタ「俺にそんなものは不要……人機を斬れれば、それで良い」
リシュウ「剣は抜かずに済めば、無事太平……その教えを忘れたか」
ムラタ「笑止。抜かぬ剣など、ただの棒切れ」「俺が貴様を師と仰いだのは、その剣技と獅子王の太刀を手に入れるため」「無意味な題目など、元より馬耳東風。修羅の道を往き、人血と機油で己が心を満たすのみ」
リシュウ「それが……世に混乱を招くことを承知の上でか?」
ムラタ「無論だ。戦乱が続けば続くほど、俺の剣は血を吸える……」「そして、俺の渇きは癒される。ロレンツォの大義やユルゲンの理想など、関係ない」「俺が欲するのは、リシュウ……貴様らを斬る手応えよ。敗者の断末魔の叫びよ」
リシュウ「もはや……救えんか」
ムラタ「救う? 救うだと? 剣は命を絶つための道具。それ以外に使い道などないわ」
リシュウ「じゃが、人を殺す刀が人を生かす剣になることがある」
ムラタ「ククク……剣禅一如など、偽善者や臆病者の題目に過ぎん」「血を吸わぬ剣など、無用の長物。そう、今の貴様のようにな」
リシュウ「悪逆魔道に堕ちたな、ムラタ。ワシは……お主を止めるぞ」
ムラタ「ハッ、笑わせるな! 貴様の剣など、もはや児戯に等しい! 所詮は道場剣法よ!」
リシュウ「………」
ムラタ「修羅の道を進んだゼンガーならいざ知らず、死合をしておらぬ貴様に俺は斬れん!」
リシュウ「………」
ムラタ「リシュウよ! 俺に手ほどきしたことを悔いつつ、骸と化せい!」「直に貴様の弟子や同胞達も冥府へ送ってやるわ!!」
リシュウ「黙れい!!」
ムラタ「!?」
リシュウ「そして、聞けい!」「我が名はリシュウ! リシュウ・トウゴウ!!」「我は悪を断つ剣なり!!」
〔リシュウ、精神コマンド「気迫」「鉄壁」「必中」「熱血」使用〕
ムラタ「こ……この老いぼれが! 戦場を斬り抜けてきた俺に敵うと思っているのか!」
リシュウ「思うたからこそ、ここにおる! そして、ワシはお主を止めねばならん!」「それが、一時でも師であったワシの責務よ!!」
ムラタ「師匠殺しの汚名、望む所! 返り討ちにしてやるわ!!」

<ムラタHP70%以下or6PP・味方援軍2&敵増援1出現>
スタッフ「タカクラチーフ! 新たな敵機が接近中です!」
ツグミ「!!」
〔敵ユニット出現〕
カイル「手こずっているようだな、ムラタ」
ムラタ「だが、俺にとっては望ましい状況よ」
リシュウ「後続が来おったか……!」
ムラタ「あの老いぼれは俺が相手をする。お前は目的を果たすがいい」
カイル「言われるまでもない」
アイビス「リューネ! サイコブラスターはまだ使えないの!?」
リューネ「戦闘は普通に出来るようになったけど、そっちはまだ……!」
セルシア「待って下さい、あともう少しで……!」
カイル「全機、ヴァルシオーネへ集中攻撃を!」「サイコブラスターを使われる前に奴を倒せ!!」
〔敵ユニット撃破〕
カイル「!!」
リューネ「ミロンガが!?」
カイル「ちっ、伏兵か!?」
〔味方ユニット出現〕
マサキ「テロリスト共! てめえらの好きにはやらせねえぜっ!」
カイル「サイバスター!? 何故、奴がここに……!」
リューネ「マ、マサキ!」
マサキ「助太刀に来たぜ、リューネ」
リューネ「でも、どうしてここへ? あんた、ラ・ギアスに帰ったんじゃ……」
マサキ「そいつは……まぁ、色々と訳ありでな」
シロ「本当はもっと早く到着する予定だったんだけどニャ」
クロ「毎度のごとく、迷って遅れちゃったニャ」
マサキ「それにしても……あの野郎が言ってたことは、間違ってなかったようだな」
カイル「よりにもよって、このタイミングで奴が来るとはな……!」
〔アクセス音〕
リューネ「!」
セルシア「リューネさん、これでサイコブラスターが使えるようになったはずです!」
リューネ「よ~し、これで何とかなる!」
カイル(チッ……マイナス要素は、出来る限り事前に排除したかったのだがな)(だが、奴らに一度サイフラッシュとサイコブラスターを使わせれば……)
ムラタ「想定外の状況になったようだな。どうする?」
カイル「……ODEシステムのさらなる性能向上のために、テスラ研という“頭脳”が必要だ」「そして、ここでサイバスターとヴァルシオーネを倒し、後顧の憂いを断つ」
リシュウ(あやつが頭か……!)「リューネ、アイビス、マサキ。あのミロンガを倒せ」
〔カーソル、カイルを指定〕
リシュウ「先んじて頭を討ち、奴らの連係を崩すのじゃ」
リューネ「わかったよ、先生!」
カイル「……さあ、貴様らも糧となれ。ODEシステムのな」「それは、地球圏を守ることにつながるのだ」
アイビス「そんな理屈なんて知らないよ! でも、あんたがテスラ研を襲ったことは許さない!」
リューネ「吐いてもらうよ! あんた達が、あのバルトールで何をしようとしているか!」
マサキ「ひゅう……女二人ですごい迫力だぜ」
シロ「マサキ、おいら達も!」
マサキ「ああ! テロリストを見逃すわけにはいかねえ!」
カイル「高性能なMAPWを持つサイバスターとヴァルシオーネは厄介だが……“学習”させてもらうぞ」

<アイビスvsムラタ>
アイビス「こいつの刀の振り方、リシュウ先生に似ている……!」
ムラタ「小娘……この俺の剣を奴のような道場剣法と同じと思うなよ」
アイビス「それくらいわかってる! だって、あんたの剣は先生のと違って、人殺しの剣だもの!」

<アイビスvsカイル>
カイル「フン、プロジェクトTDの機体か」
アイビス「こいつ……TDのことを知っている!?」
カイル「あの時、総帥は我々のプロジェクトを中止させ、無意味な夢物語を推した……!」「貴様にも俺と同じ悔しさを味わってもらう!」

<リシュウvsムラタ>
ムラタ「リシュウ! 死合を経て、物言わぬ骸となれい!」
リシュウ「ムラタよ! お主に剣を教えたのは、ワシの罪じゃ!」「お主に償いをさせることこそ、ワシの師としての最後の務めと知れい!」

<リシュウvsカイル>
カイル「貴様がムラタの師匠だったとはな……!」
リシュウ「もう奴は破門したも同然じゃ」
カイル「そうか。ならば、貴様の剣技……“学習”させてもらう!」

<マサキvsカイル>
カイル「貴様……俺達がここに現れることを 知っていたのか?」
マサキ「さあ、どうだろうな」
カイル「偶然などとは言わせんぞ。どこで俺達の計画を知った?」
マサキ「てめえに語る舌はねえ! 欲しいものを何でも力ずくで手に入れられると思うなよ!」
カイル「ほざくな! 俺達は……ODEシステムはそうすることでしかこの世界に認められなかったのだ!」

<リューネvsカイル>
カイル「サイコブラスターさえ潰せば、貴様など!」
リューネ「あんた達、いったい何者なのさ!?」
カイル「DCに縁があった者とだけ 答えておこう」
リューネ「何だって!?」
カイル「だが、DCなど過去の遺物!  我らのODEシステムこそが 新時代の地球の守護者となるのだ!」

<ムラタ撃破>
ムラタ「おのれ! この俺がここまで追い込まれるとは!」
リシュウ「観念せい、ムラタ」
ムラタ「まだ終わらん……! まだ斬り足りん……!」「俺の剣は、まだここでは折れん!!」
〔敵ユニット離脱〕
リシュウ「………」

<カイルHP80%以下or11PP・勝利条件達成>
※※カイルHP80%以下の場合のセリフ※※
カイル「くそっ……! 俺に攻撃を集中させてくるとは!」
※※11PPの場合のセリフ※※
カイル「チッ、時間がかかり過ぎだ」

カイル「かくなる上は、あれを……! あれを使うしかない!」
セルシア「もうやめて、カイル! これ以上戦ったら、あなた達は!」
カイル「……!」「そう……だな、セルシア。俺はここで終わるわけにはいかん」「今はまだ、“捨てる”時ではない。機会を改めるべきか」
セルシア「えっ!?」
マサキ「てめえら、逃げる気か!?」
カイル「フン……俺達のシステムは、もう“学習”を始めている」「貴様らとの戦いで、ミロンガやバルトールの性能は上がっていくのだ」
マサキ「どういうことだ!?」
カイル「フッ……いずれわかる」
セルシア「カイル!!」
カイル「セルシア、俺は決して諦めん。あの日、味わった絶望こそが俺の力だからな……!」
〔敵ユニット離脱〕
リューネ「くっ、逃がすもんか!」
ツグミ「深追いしては駄目よ、リューネ。こちらの被害も大きいしね」「まずは事態を把握するためにもセルシアから話を聞きましょう」
セルシア「………」
【戦闘マップ終了】

【シナリオエンドデモ開始】

テスラ・ライヒ研究所

テスラ・ライヒ研究所 管制室
ツグミ「なるほど……そういうことだったのね、セルシア」
セルシア「………」
ツグミ「話してくれてありがとう」
マサキ「おい……それだけで済ます気かよ?」
セルシア「……!」
マサキ「この女の仲間達のおかげで、テスラ研以外の所も被害を受けてんだろ?」
ロバート「ああ……。極東ではバルトールが多くの人々を拉致した」
セルシア「さらわれた人々は、ODEシステムの生体コアとして使用されるのでしょう……」
ツグミ「有機伝達系のパーツになるということね……」
アイビス「それって……つまり、生体コアにされた人は死んじゃうってこと……!?」
ツグミ「脳の伝達系が使用される以上、生命は維持されるとは思うけど……」「思考も行動の自由も奪われた以上、それはもう『人間』と呼べない状態になるでしょうね」
セルシア「ええ……消耗して稼働率が落ちれば、破棄されるパーツに……」
マサキ「冗談じゃねえッ!!」
セルシア「!」
マサキ「どんなお題目があるか知らねえが! 勝手な理屈で街を焼き、命を道具にするような奴らを俺は許しちゃおけねえ!」「そして、この女もその連中の一味だ!」
セルシア「………」
クロ「ちょ、ちょっと、マサキ! 落ち着きニャさいよ!」
マサキ「るせえ! こいつら、人間を消耗品扱いしてんだぞ!! それを許せるか!」
アイビス「でも、マサキ……セルシアさんは、あのカイルって奴に利用されていただけだし……」
リューネ「そうだよ。最後はあたし達に協力してくれたじゃない」
マサキ「だからって、俺はこの女を許す気にはなれねえな! 行くぞ、クロ、シロ!」
シロ「あ! 待つニャ、マサキ!」
〔扉の開閉音〕
リシュウ「あやつ……随分と荒れとるのう」
リューネ「前に聞いたことがある……。マサキは両親をテロで亡くしたって……」
ツグミ「だから、あのカイル達の仲間だったセルシアを許せないのね……」
セルシア「彼の怒りも当然です……。そして、その気持ちも理解できます。私も……大切な人を戦いの中で失いましたから……」
アイビス「え……」
セルシア「ダイアンという名は、エアロゲイターの襲撃で命を落とした私の友人のものなんです……」
アイビス「セルシアさん……」
セルシア「この腕の中で冷たくなっていくダイアンを見ながら、私は戦争を恐れ、憎みました……」「そして、私がカイルへの協力を決意したのは、理不尽に奪われる命を守るためだったんです……」「それなのに……ODEシステムのコアとして人間を使うなんて……」
リシュウ「命を守るために命を奪うとは……矛盾した結末じゃな」
リューネ「それで、セルシア……あんた、これからどうするつもりなの?」
セルシア「軍に出頭して全てを話し、然るべき裁きを受けるつもりです…」
ツグミ「……その前にやってもらうことがあるわ。あなたにしかできないことを」
セルシア「え……?」
ツグミ「大連にあるウォン重工業の本社……。おそらく、そこが彼らの中枢……少なくとも何らかの手がかりがあると思われるわ」「ODEシステムがデータを収集し、その機能を強化させていくとしたら……対処が遅れることは致命傷になる」
アイビス「じゃあ……」
ツグミ「先程、ギリアム少佐から連絡があって……ハガネが大連へ向かうそうよ」「でも、あの艦は敵の目につきやすいから、何らかの妨害を受けることになる。だから、私達は独自に大連へ向かいましょう」
リューネ「了解。DCが関わっていたって聞いちゃ、あたしも黙ってられないしね」
ツグミ「そして、セルシア……あなたは私達と一緒に来てもらうわ」
セルシア「え……?」
ツグミ「出頭するのは後でも出来ます。でも、今は少しでもODEシステムの情報が必要なの」「だから、あなたにはアドバイザーとして私達に同行してもらいたいの」
セルシア「私が……?」
ツグミ「選択はあなたに任せるわ。私達と一緒に大連へ行くか、このまま軍へ出頭するか……」
セルシア「行きます……私を大連へ連れて行って下さい……!」
アイビス「セルシアさん……」
セルシア「知らなかったとは言え、私がしたことは許されるものではありません。でも……でも……!」「だからこそ、私はカイル達を止めたいんです……! 手遅れになる前に……」
リューネ「行こう、セルシア。そして、あんたを利用した奴らをとっちめてやろうよ」
アイビス「今のあたし達にはあなたが必要なんです! 一緒に行きましょう!」
セルシア「はい……。例え許されなくとも、私は自分の罪を仲間と共に償いたいと思います……」
ツグミ「では、決まりね。……オオミヤ博士、テスラ研の留守をお願いします」
ロバート「お、おい……君も行くのか?」
ツグミ「ええ……。アイビスがAXで戦うためには、私のナビが必要でしょうから」
リシュウ「……ワシも往くぞ」
ロバート「せ、先生まで!?」
リシュウ「今回の件には、ムラタも一枚噛んでおるからの……放っておくわけにはいかん」「それに、アイビス達に何かあっては、フィリオやジョナサンに合わせる顔がないからのう」
ロバート「わ、わかりました。では、テスラ研のことは俺に任せて下さい」
リシュウ「頼むぞ」
ツグミ「そうと決まったら、急ぎましょう。各機の整備と補給をすませて、6時間後には大連へ向けて出発します」
アイビス「了解!」
セルシア(カイル……。あなたは変わってしまった……)(私はそれに気づいていながら、あなたに手を貸した……。いつか、あの日のあなたに戻ると信じて……)(でも、それは間違っていた……。あなたを止められなかった罪を、私は償います……)(あなたとODEシステムを止めることで……)

日本 東京・浅草地区

アズマ研究所 居間
〔襖の開閉音〕
コウタ「……ただいま……」
ジャーダ「コ、コウタ! お前、今までどこに!?」
コウタ「……」
ガーネット「キサブローさん! コウタが帰って来たよ!」
コウタ「…………」
ガーネット「お披露目会場で見失ってから、ずっと心配してたのよ」
ジャーダ「何にせよ、お前が無事で良かったぜ……」
コウタ「うるせえ!」
ジャーダ「!」
コウタ「ちっとも良かねえよ! ショウコがさらわれちまったってのに、俺は……俺は……!」
キサブロー「やめんか、コウタ。ジャーダとガーネットは、ずっとお前達を心配しとったんじゃ」「二人はお前だけでも無事だったことを喜んでくれとるんじゃ」
コウタ「………」
ジャーダ「いや……キサブローさん。俺も悪かったんですよ。コウタの気持ちも考えずに……」
ガーネット「ごめん……ごめんね、コウタ……。あたし達がショウコを見失ったせいで……」
コウタ「……あんた達のせいじゃねえ。俺が……俺が全て悪いんだ……」「俺はショウコを守らなきゃならねえのに……このていたらくだ」
ジャーダ「コウタ……」
キサブロー「ジャーダ、ガーネット……済まんかったな」「もう夜も遅い……。二人共、今日は家に帰るんじゃ」
ジャーダ「すんません……何の力にもなれなくて」
ガーネット「コウタ……自分を責めないでね。悪いのは、あんたじゃないんだから……」
〔襖の開閉音〕
コウタ「………」
キサブロー「疲れたじゃろう、コウタ。まずは風呂にでも入ってこい」
コウタ「……ショウコをさらったのは、バルトールじゃねえ。この間の雷神野郎だ……」
キサブロー「知っておる。カイザーの動きは、こちらでもある程度モニターしておったからな」
コウタ「雷神野郎を追って行ったら……見たことのねえ妙なロボットに邪魔されて……」「黒いドリル戦艦とライルって奴に助けてもらったけど……結局、ショウコは……」
キサブロー「……そうか」
コウタ「教えてくれ、爺ちゃん! ショウコをさらった奴らは、何者なんだ!?」「爺ちゃんが言ってたロアを狙う敵だってのか!?」「だったら、何故俺じゃなくショウコをさらうんだ!?」
キサブロー「落ち着け、コウタ。ワシにも奴らの正体や目的はわからん」
コウタ「じゃあ、ロアならわかるのか!? ……おい、ロア! 聞いてんなら、答えろ! てめえの知っていることを全部話しやがれ!!」
キサブロー「やめんか、コウタ。長時間カイザーを稼動させた以上、ロアには休息が必要じゃ」
コウタ「だけどよ! 俺はショウコを助けなきゃならねえんだ! それには、あいつの力が必要なんだ!」「相手が誰であろうと、俺はショウコを守るんだ!!」
キサブロー「その覚悟……本気じゃな?」
コウタ「もちろんだ!」
キサブロー「ならば、ロアの使命を受け入れろ、コウタ。それがショウコを救うことにつながるはずじゃ」
コウタ「爺ちゃん……!」
キサブロー「ロアは、こことは違う世界で生まれ、ワシの前へ現れた男……」「彼は、多くの世界を守るために戦ってきた戦士なんじゃ」
コウタ「じゃあ、あいつの敵ってのは?」
キサブロー「異次元の扉を開き、様々な世界の支配を目論む邪悪な存在。ロアとは浅からぬ因縁があるらしい」
コウタ「! もしかして、あいつが身体を失っちまった原因は……」
キサブロー「そう。彼はこことは違う世界で宿敵と戦い、敗れ……」「大破したコンパチブルカイザーと共にこの世界へ飛ばされてきた」
コウタ「……!」
キサブロー「DC戦争よりも前の話じゃ。ワシは偶然ロアと出会い、彼からカイザーとロア・アーマーを託された」「そして、ワシは来るべき脅威に備えるため……」「市井に身を潜め、長い年月をかけて秘密裏にコンパチブルカイザーを修復したのじゃ」
コウタ「……ロアの宿敵は、俺達の世界へやって来るのかよ……!?」
キサブロー「その可能性は高いじゃろう。奴はコンパチブルカイザーの力を欲しておるらしいからの」
コウタ「じゃ、じゃあ、爺ちゃんがコンパチカイザーを直さなきゃ……」
キサブロー「ロアの宿敵を完全に倒すには、カイザーの力が必要らしいのじゃ」
コウタ「コンパチカイザーはモロバレの剣ってことか」
キサブロー「両刃じゃ、両刃」
コウタ「ああ、それそれ」
キサブロー「……ともかく、ロアとカイザーがワシらの世界へ飛ばされて来た時点で、戦いは避けられぬものとなった」
コウタ「……」
キサブロー「そして……ロアがお前を選んだのは、奇しき運命だった」「ワシがもっと若ければ、ファイター・ロアとなってカイザーに乗り込んでおったのじゃが……」
コウタ「よせやい。その体型じゃ、あのアーマーは着られねえぜ
キサブロー「……コウタ。ロアと彼に選ばれたお前は、異世界からの侵略者と戦う宿命にある」
コウタ「ショウコをさらった雷神野郎や、俺の邪魔をした変なロボットもそいつの仲間なのか?」
キサブロー「そうかも知れん。彼らはコンパチブルカイザーの目覚めを知って、浅草へ現れたようじゃからの」
コウタ「なら、何でショウコをさらう!? ロアを狙うんだったら、俺を襲えばいいのに!」「それに、あの雷神野郎は一度俺達を助けたじゃねえか!」
キサブロー「その謎を解くためにも、お前はロアと共に旅立て」
コウタ「……」「……わかった、爺ちゃん。俺は腹をくくったぜ」「ごねたって、来るもんは来る。逃げたって、敵は襲ってくる。そうなキサブロー「……うむ」
コウタ「なら、俺はロアと一緒に戦う! 俺達の世界へちょっかい出してくる連中をブッ叩く!」「そして、必ずこの手でショウコを取り戻す!」
キサブロー「そうと決まったら、今は休め。ワシはコンパチブルカイザーを整備し、お前の旅支度を整えてやる」
コウタ「……ありがとよ、爺ちゃん。必ず……必ずショウコを連れて帰るからな」
〔襖の開閉音〕
キサブロー「コウタよ……。ロアと共に旅し、そして知るがいい。この世界の危機を……」「それを食い止める力は、お前だけにあるのではない。お前が行く先で出会うであろう戦士達と共にあるはずだ」「頼むぞ、コウタ、ロア。世界の命運をお前達に託す……」
【シナリオエンドデモ終了】



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