TOP PAGEへ

No.20
未知への飛翔

【シナリオデモ開始】
地球近海 転空魔城

転空魔城内 修羅王の間
ミザル「無様だな、マグナス」
マグナス「も、申し訳ございませぬぅ~」
ミザル「将軍のお前が、みすみす占領地を敵に奪い返されるとは……」
マグナス「赤い機神と黒い衝角船の者共に邪魔されましてぇ……フォルカめも役に立たずぅ……」
アルティス「……」
マグナス「その上、腹も減ってぇ~」
ミザル「何が腹だ、何が。次にこのようなことがあれば、降格だぞ」
マグナス「そ、それだけはご勘弁を~」
メイシス「……黒い衝角船……。ヘルゲートの戦いにも現れたクロガネですね」
ミザル「ああ。他の修羅達もあの船に手こずっている」
メイシス「後はハガネとヒリュウ改。地球人の中でも最強の部類に入る者達……」
ミザル「今の内に何とかせんと、後々の憂いになるやも知れぬ」
アルカイド「捨て置けい」
ミザル「は?」
アルカイド「強者との戦は我が望み。我が欲するのは、血湧き肉躍る戦いよ。烏合の衆相手では、覇道に陰りが生ずる」「我はこの業拳を受けるに足る漢を欲しておるのだ」
ミザル「修羅王様と拳を交える資格を持つ者など、世界を探しても両手の指に満ちませぬ」
アルティス「……」
メイシス「……」
マグナス(むむむぅ……さしもの俺様も修羅王様には勝てねぇ~)
アルカイド「では、ミザル……うぬはどうだ?」
ミザル「この私が……?」
アルカイド「そうだ。考えてみれば、うぬとは手合わせをしたことがない」
ミザル「ご冗談を。私は軍師……修羅王様の忠実な僕でございます」「修羅王様が先の修羅界で覇道を歩み始めた時から、このミザル……心よりの忠誠を誓っておりますゆえ」
アルカイド「うむ。うぬは我の右腕……頼りにしておるぞ」
ミザル「ありがたきお言葉。それで、修羅王様……例の小娘の件ですが、私が直々にヘルゲートへ連行致しまする」
アルティス「その際には、フォルカを同行させるのが良かろう」
ミザル「何故に?」
アルティス「あの少女は、フォルカに心を許しているからだ」
ミザル「むう……。しかし、奴は……」
アルティス「何か問題でも?」
ミザル「御前死合で勝利を得たにも関わらず、敗者に情けをかけ、命を奪わなかった」「それが相手にとって、どれだけ屈辱か……修羅ならばわかっていようものを」
マグナス「奴はハコダテでも気が入らぬ戦いをしておりましたぁ~」
アルティス「だが、フォルカは将軍候補に挙げられた程の漢」
ミザル「……」
アルティス「それとも、フォルカの同行に不都合があるとでも?」
ミザル「い、いや、そんなことは」
アルカイド「ミザル、アルティスの言う通りにせい」
ミザル「は、ははっ」
ミザル(アルティスめ……まさか、気づいておるのか?)
アルティス「……」(フォルカ……はたして、お前は……)

転空魔城 内部
〔扉の開閉音〕
フォルカ「………」
ショウコ「お帰り、フォルカ」
フォルカ「あ、ああ………」
ショウコ「ちが~う!」
フォルカ「え?」
ショウコ「ほら、教えてあげたでしょ。お帰りって言われたら、ただいま!」
フォルカ「た……ただいま」
ショウコ「そうそう。……で、今日もまたお話?」
フォルカ「それは……」
ショウコ「?」
フォルカ(言えん……。お前がデュミナスに差し出されるとは……)
ショウコ「どうしたの? 何か元気ないね」
フォルカ「……」
ショウコ「……ふふ、変だよね。ショウコ達の世界に攻め込んでる人のことを心配するなんて……」
フォルカ「ショウコ……」
ショウコ「でもね、こうしてあなたと話すのが今のあたしにとって一番楽しい時間なんだ……」
フォルカ(だが、それも今日で終わる……)
ショウコ「そうそう、お話ね。こないだはどこまで話したっけ?」
フォルカ「……」「……ほおずき市という祭の話だ……」
ショウコ「あ、そうだったね。それでね……その日にお参りをすれば、四万六千日分の意味があるの」
フォルカ「お参り?」
ショウコ「神様に頼み事をするの。ねぇ……フォルカは何かお願いってある?」
フォルカ「願いか……」
ショウコ「うん」
フォルカ「……お前はあるのか?」
ショウコ「え? ショウコ? ショウコは……」「うちに帰りたい……。お兄ちゃんやお爺ちゃんの所へ……」
フォルカ「……すまん。……いや、俺は詫びの言葉を言える立場じゃない。全ては……俺のせいだ」
ショウコ「ううん。フォルカは、命令でショウコをさらってきただけ……それはわかってる、わかってるの」「でも……ずっとここに閉じ込められてたら、もうほおずき市で願掛けすることも出来ない……」
フォルカ「………」(弱き者を守るための戦い……)(ショウコの兄達が守ろうとしているもの……)(己にとって大切なもの……失いたくないもの……)(…………)(そう……。だからこそ、あの時……俺は掟に逆らった)
ショウコ「……どうしたの?」
フォルカ「ショウコ……」「お前の願い、俺が叶えよう」
ショウコ「え……?」
フォルカ「俺と一緒に来るんだ。やはり、お前のいるべき場所はここじゃない」
ショウコ「フォルカ……!」

転空魔城内 闘議室
ティス「ふ~ん……やっと『鍵』を渡す気になったんだ」
ミザル「ああ。修羅王様のお許しが出た」
ティス「ま、あんた達があれを持ってても仕方ないんだけどね」
ミザル「そちらの準備は?」
ティス「『Gサンダーゲート』が使えるようになったよ。多分、あの赤い機神……コンパチブルカイザーが目覚めたからだと思うけど」
ミザル「ほう」
ティス「デュミナス様が予想してたコンパチブルカイザーとGサンダーゲートの関係……どうやら当たってたみたい」「だから、あたい達はあれも手に入れることにしたんだ」
ミザル「では、やはり……」
ティス「コンパチブルカイザーとGサンダーゲートを組み合わせることによって、初めて『門』を開く『鍵』になるのかも知んない……」
ミザル(異なる世界への瞬転手段というわけか……)
ティス「という事だから、コンパチブルカイザーと“時の歯車”……エクサランスを壊しちゃダメだよ」「あたいの言うことを聞かなかったら、結局あんたも困ることになるんだからね」
ミザル「……わかっておる」
ティス「で、『鍵』はいつヘルゲートに?」
ミザル「もう間もなく、私がそちらへ連行する」
ティス「へ~え」
ミザル「不満があるなら、お前達が受け取りに来い」
ティス「その手には乗らないよ~だ。絶界宝の結界内に入ったら、あたい達の戦機人形が動かなくなるもん」
ミザル「……」
ティス「いい? 結界を展開したまま転空魔城がこれ以上ヘルゲートへ近づいたら……」「あたい達はもうあんた達に協力しないからね」
ミザル「それもわかっておるわ」
ティス「ま、仮にあんたが裏切ってもデュミナス様には敵いっこないんだから。こっちには駒も色々揃ってるしね」
ミザル(フン……小娘が。大口を叩きおって)(『奥の院』はともかく、絶界宝と瞬転刀の全仕様解明を急がねば、いざという時の切り札にならぬ)(ここはデュミナスに再度頭を垂れてでも……。それもフォルカめに悟られぬように……)
〔扉の開閉音〕
修羅兵(金)「ミ、ミザル様! 大変でございます!」
ミザル「貴様……! ここへは入ってくるなと言っておいたはずだ」
修羅兵(金)「も、申し訳ございません! ですが、一大事が起きまして!」
ミザル「何だ?」
修羅兵(金)「フォルカ・アルバークが例の小娘を連れて、出奔致しました!」
ミザル「何っ!? どこへ行った!?」
修羅兵(金)「彼奴めはアルティス様分の瞬転刀を使って、瞬転を……!」
ミザル「ならば、到達地点を割り出せい!」
修羅兵(金)「ははっ!」
ティス「ちょっとぉ、どういうこと? 勝手に『鍵』を手元に置いといた上にその体たらく?」
ミザル「……我が意志ではない。下級修羅の……謀反だ」
ティス「あんたの管理に問題があるんじゃないの?」
ミザル「ぬ……!」
ティス「しょうがないね。到達地点がわかったら、あたい達に知らせて。転移して追っかけるから」
ミザル「わかった。こちらからも兵を出す」
ティス「これで貸し一つだよ、ミザル。じゃあね」
〔モニターの閉じる音〕
ミザル(チッ……生意気な邪鬼め)(いや、それよりフォルカの追っ手だ。マグナスでは、小娘ごと屠りかねん)(ならば、アルティスかメイシス……いや、あの二人もいかん)(………)(フフフ……うってつけの漢がいたわ。フォルカを屠ることをためらわぬ漢が……)
【シナリオデモ終了】


サブタイトル
「未知への飛翔」


【戦闘マップ開始】
〔第3軍ユニット出現〕
〔味方ユニット出現〕

フォルカ「瞬転、完了……」(2回連続の瞬転成功……。これは何かの導きだと思いたい……)
ショウコ「う、うう……」
フォルカ「ショウコ、お前の国についたぞ。もう少しの辛抱だ」
ショウコ「で、でも、本当にいいの……? これって命令違反でしょ……?」「後で罰を受けるんじゃ……」
フォルカ「俺は……もう転空魔城へ戻らん」
ショウコ「え!?」
フォルカ「お前が話してくれた色々なこと……修羅の世界になかったものに俺は触れてみたい」
ショウコ「フォルカ……」
フォルカ「お前に会う前から、漠然とした疑問が俺の中にあった……」「それが今、形になっただけだ」
ショウコ「でも、 これからどうする気なの……?」
フォルカ「わからん……。だが、まずはお前を逃がすつもりだ」
ショウコ「じゃあさ、うちに来ない?」
フォルカ「だが、俺は……」
ショウコ「後のことはうちのお爺ちゃんに相談しよ……。あれでなかなか顔が広いし」「それに……お兄ちゃんにはショウコからちゃんと説明するから」
フォルカ「……それより、先を急ごう。お前がこのヤルダバオトに乗り続けていると……」
〔第3軍ユニット撃破〕
ショウコ「!!」
フォルカ「瞬転刀が……! 追っ手か!?」
〔敵ユニット出現〕
フォルカ「ビレフォール……フェルナンドか!」
ショウコ「フェルナンドって、フォルカの友達の!?」
フォルカ「向こうはそう思っていないだろうが」(それにしても……正確な単独瞬転を行ってきたと言うことは……)
フェルナンド「フォルカ、貴様……こんな所で何をしている? 行き先を間違っているぞ」
フォルカ「フェルナンド……」
アリオン「ヒュ~ッ! やるねえ、フォルカ。貢ぎ物のお嬢ちゃんと逃避行とはな」
ショウコ「え? 貢ぎ物って……」
フォルカ「……」
アリオン「欲しいものは力尽くで奪う。まァ、修羅の生き方としちゃ真っ当だが……」「修羅王様に逆らうってのはどうなのよ?」
フォルカ「……」
フェルナンド「そうだ、フォルカ……貴様のその行為は、修羅王様への反逆だ」
フォルカ「言われなくても、わかっている」
フェルナンド「ならば、何のためにその小娘を連れ出した? 何ゆえに転空魔城から脱走した?」
フォルカ「俺は、戦い以外の生き方があることを……」「血で血を洗う争い以外にも生きる道があることを、この世界の戦士やショウコから学んだ」
フェルナンド「フン……どのような道だと言うのだ?」
フォルカ「わからん。わからんが……その答えを探したい」「そして、俺もショウコ達のように生きてみたい」
ショウコ「フォルカ……」
アリオン「へ~え。俺様以上の自由を求めるってわけね、フォルカ君」「堅物だと思っていたが、なかなかどうして。お前、自由戦士の素質があるかもよ?」
フォルカ「自由戦士……お前が勝手に名乗っているだけだろう?」
アリオン「だから、自由……なのさ。閃光だの氷槍だの重震だの、ご大層でむずがゆくってねぇ」「ストレートに自由戦士。どうだ、飾りが無くていいだろ?」
ショウコ「もうちょっと飾った方がいいんじゃない?」
アリオン「じゃあ、“大自由戦士”でどうだい? お嬢ちゃん」
ショウコ「む~、何でも“大”ってつけりゃいいってわけじゃないと思うけど」
アリオン「こりゃ手厳しいネ」
フォルカ「もしかして、お前が将軍の座を辞退したのは……」
アリオン「それもまた自由戦士の自由たる所以なのさ。……ちなみに二代目も募集中だぜ?」
フェルナンド「アリオン! お前は黙っていろ!!」
アリオン「お~、怖い怖い」
フェルナンド「だいたい貴様は……!」
アリオン「そう、面白そうだからついてきただけ」
フェルナンド「ミザル様がこのことを知れば……」
アリオン「行けとも行くなとも言われなかったんでね。そこらへんは俺様の自由ってわけ」
フェルナンド「チッ……!」
アリオン「まァ、因縁の相手だ。躍起になる気持ちはわかるぜ」
フェルナンド「貴様! それ以上ほざくと……!」
アリオン「わかった、わかった。黙ってるよ」
フォルカ「フェルナンド……黙って俺を行かせてくれ」
フェルナンド「ふざけるな! 再び修羅の掟を破るだけでなく、修羅の名を捨てる気か!?」
フォルカ「修羅の掟……か」
フェルナンド「そうだ! 貴様のせいで、俺は……俺は生き恥を!」「あの時、貴様が修羅の掟を破ったせいで!!」
フォルカ「俺は……嫌だった」
フェルナンド「何!?」
フォルカ「友や家族を殺さなくてはならない掟なぞ、俺は……!」
フェルナンド「黙れ! それ以上の侮辱は許さんぞ!」
フォルカ「フェルナンド……!」
フェルナンド「その情けは、俺にとって恥辱以外の何ものでもない!」「貴様をこの手で倒しても、それは消え去らんのだ!!」
フォルカ「……聞いてはくれんか。逃げるぞ、ショウコ」
ショウコ「う、うん……!」
〔フォルカ、前進〕
ショウコ「う……!」
フォルカ「どうした?」
ショウコ「な、何でもない……。ちょっと頭がフラフラしただけよ」
フォルカ「………」(修羅神は操者の“覇気”……命の力を吸収することで動く)(ここでショウコを乗せたまま、彼らと戦うことになれば……)
ショウコ「フォルカ……?」
フォルカ「ショウコ、お前は一度降りろ。俺はフェルナンドと戦うことになるかも知れん」
ショウコ「でも……あの人、フォルカの友達か家族なんでしょ?」
フォルカ「そう……友だ」「しかし、俺は答えを探すと決め、転空魔城を出た」「戦い以外の生きる道が見つかれば、俺達は互いに争わずに済むかもしれない」
アリオン「今は一触即発状態だけどな」
フェルナンド「アリオン!」
アリオン「やれやれ、あっちに絡むのもなしかよ」
フォルカ「……さあ、ショウコ。ヤルダバオトから降りろ」
ショウコ「あの人と戦うの……?」
フォルカ「………」
ショウコ「戦うことでしか解決できないのなら、しょうがないけど……」「そうじゃなかったら、別の方法を探してみてね」
フォルカ(別の……方法……)
〔フォルカ、前進〕
フェルナンド「覚悟を決めたか、フォルカ」
フォルカ「フェルナンド……このまま転空魔城へ戻り、俺は死んだと報告してくれ」
フェルナンド「この期に及んで命乞いか?」
フォルカ「今ここでお前と戦いたくない」
フェルナンド「なら、そこを動くな。俺が貴様の首を取る」
フォルカ「どうしてもか?」
フェルナンド「くどい! 貴様は死ね! 修羅ではなく、反逆者として!」
フォルカ「俺は……」「俺はここで死ぬわけにはいかん。ショウコのためにも……」「お前が退かぬのなら、俺は!」
[デモムービー「ヤルダバオト登場」]
〔フォルカ、気力上昇〕
フェルナンド「!」
アリオン「ほう、その気になったか」
フォルカ「今日から俺は、己の未来を切り開くために戦う!」「フェルナンド、お前が俺の行く手を阻むと言うのなら……」「俺はお前と戦わなければならない!」
フェルナンド「そうだ……それでこそ修羅! 争覇の宿命から逃れられるものか!」「アリオン! 貴様は手を出すなよ!!」
アリオン「へいへい」
ショウコ「フォルカ……!」
<戦闘開始>

<2PP・味方援軍1&敵増援1出現>

アリオン「ふふん。さて……どうなるかな、この勝負」
フェルナンド「奴とじゃれ合うつもりはない。一気にケリを……!」
アリオン「おっと、お客さんが来たみてえだぜ?」
フェルナンド「何!?」
〔味方ユニット出現〕
ショウコ「あ、あのロボット、浅草で出てきた……!」
フォルカ「赤き機神……!」
アリオン「え~と、コンパチブルカイザーだったっけ」
コウタ「……函館に続いて雷神野郎とハチ合わせたあ、運が向いてきたのかも知れねえな」
フォルカ「奴がここに現れるとは……やはり導きがあるようだな」
コウタ「てめえ、今日は逃がさねえぞ!!」
ロア「待て、コウタ」
コウタ「待てるか! 浅草へ帰るのは、あいつをとっつかまえてからだ!!」
ロア「いや、その必要はなさそうだ」
コウタ「何ぃ!?」
ロア「あそこに……ショウコがいる」
ショウコ「………」
コウタ「ショ、ショウコッ!!」
〔コウタ、前進〕
アリオン「おおっと!」
〔アリオン、コウタへ接近〕
コウタ「邪魔すんじゃねえ、馬面野郎!」
アリオン「馬?」「ま、確かにこの世界の馬ってのに似てるねえ、マイハニー・アガレスちゃんは」
コウタ「ワイハーだと! てやんでえ、マジでハワイまでブッ飛ばすぞ!!」
アリオン「おー、熱い熱い。お前、修羅の素質があるかもよ?」
コウタ「るせえ、さっさとそこをどけ! 馬刺しにして食っちまうぞ!!」
ロア「コウタ、相手をするな。奴の目的は時間稼ぎだ」
コウタ「だが、あの馬面をどかさねえとショウコが!!」
ショウコ「あ、あああ……!」
???(アルコ)「……ククク……逃がさんぞ、小娘」
ショウコ「!!」
アルコ「お前が見出した希望は、絶望に変わる! このアルコ様の手によってな!」
ショウコ「きゃあああっ!」
フォルカ「あれは!?」
ショウコ「放して! 放してよ!!」
アルコ「そうはいかん! お前はミザル様の大事な取引材料だからな!」
フォルカ「アルコ! 奴も来ていたのか!」
コウタ「し、しまった!!」
アリオン「そういうこと。悪いねぇ、ボク」
コウタ「て、てめえら! てめえらぁぁぁぁぁっ!!」
アルコ「ククク……赤き機神よ、もう遅い」
ティス「遅いのはあんたよ。さっさとその小娘を連れて下がりな」
アルコ「お、お前も小娘だろうが!」
ティス「うっさいわね。デュミナス様を怒らせると、あんたのボスが困ることになるよ」
アルコ「チッ……!」
ティス「さあ、行きなよ。後はあたいがやるから」
ショウコ「嫌っ! 放して!!」
アルコ「行くぞ、小娘。お前は奴らへの貢ぎ物だ」
ショウコ「嫌ぁぁぁぁっ!!」
〔カーソル、マップ端へ移動〕
コウタ「ショウコォォォォッ!!」
フォルカ「くっ! アルコめ!!」
ティス「そんじゃま、コンパチブルカイザーも持って帰ろうかなっと」「おいで、テュガテール!」
〔敵ユニット出現〕
コウタ「!!」
フォルカ「やはり、フェルナンドとアリオンが正確な瞬転を行ったのは……」「デュミナスの子がいたからか」
コウタ「ち、ちっきしょう……!!」
ティス「ねえ、あんた。妹に会いたいんでしょ?」
コウタ「何!?」
ティス「そのロボット……コンパチブルカイザーとあんたの鎧をあたいにくれたら願いを叶えてあげるよ」
コウタ「……!!」
ロア「……」
ティス「どう、悪い話じゃないでしょ?」
コウタ「そうだな」
ロア「コウタ、お前……!」
ティス「意外に物わかりがいいんだね。じゃあ、あたいと一緒に来なよ」
コウタ「その前に一つ教えやがれ」「ショウコとコンパチカイザー、ロア・アーマーを手に入れて何をするつもりなんだ?」
ティス「あたい達の所に来たら、教えてあげるよ」
コウタ「はい。そうですか」「……なんて言うと思ってんのか、このガキ!!」
ティス「あたいの顔みたことないくせに。ダイナマイトバディだったら、どうする気?」
コウタ「どうするもこうするもあるか!」
ティス「この可愛い声でナイスバディだったら、萌えでしょ?」
コウタ「ああ、燃えてるぜ! てめえらへの怒りの炎がな!!」
ティス「ってことは、あたいと一緒に来る気がないんだね?」
コウタ「たりめーだ! ヘルゲートであんな真似されて、信用できるわけねえだろうが!!」
ティス「じゃ、力尽くで手に入れるしかないね」
コウタ「させるかよ!!」
フォルカ「……」
コウタ「おい、雷神野郎! てめえも逃げるんじゃねえぞ!!」
フォルカ「……」
ロア「やめろ、コウタ。あの修羅はこちらに敵意がないようだ」
コウタ「だが、最初にショウコを連れ去ったのは奴だ! 俺はあいつを許さねえ!!」
フォルカ「そう言われて当然だ。だが、今は追っ手を振り払わねばならない」「事が済めば、責めを受けよう」
コウタ「何っ……!?」
ロア「コウタ、今は彼の言葉を信じるのだ」
コウタ「ロア!?」
ロア「ショウコをここまで連れて来たのは、彼なのかも知れん」
コウタ「……!」
コウタ「……わかった。おい、雷神! さっきてめえが言ったこと、忘れるんじゃねえぞ!」
フォルカ「ああ」
アリオン「あいつら、一時休戦かい?」
フェルナンド「構わん! まとめて倒すまでだ!!」

<3PP・味方援軍2出現>
ロア「コウタ、クロガネが来たぞ」
コウタ「!」
〔味方戦艦出現〕
〔味方ユニット出現〕

〈出撃準備〉
ラウル「コウタ、状況は!?」
コウタ「ショウコを見つけた……」
ラウル「ええっ!?」
マサキ「ホントかよ!?」
コウタ「でも、あいつはまたさらわれちまった……!」
ラウル「そ、そんな……!」
アラド「けど、晴海でショウコを連れ去ったのはあの『髪の毛』なんだろ!?」
ゼオラ「それがどうしてあなたと一緒に……?」
コウタ「どうやら、ショウコをここまで連れ出してきたのはあいつみてえなんだ」
フォルカ「………」
カーラ「ど、どういうこと!?」
ユウキ「あの男、自分の組織を裏切ったのか?」
レーツェル「各員、詮索は後だ。直ちに敵を撃破しろ」
ラウル「りょ、了解!」
ティス「エクサランスも出てきた。仕上がり具合はどうかな~?」
ラージ「ラウル、気をつけて下さい。あの機体はエクサランスを狙ってくるはずです」
ラウル「わかってる! あいつに時流エンジンを渡しはしない!」
アリオン「……黒い衝角船のお出ましか。雲行きが怪しくなってきたねぇ」
フェルナンド「いい機会だ。ここでフォルカもろとも倒し、修羅王様やアルティス様に彼の力を示す」
アリオン「それで、目指すは将軍ってか?」
フェルナンド「茶化すな! 俺とフォルカの戦いに手を出すなよ!」
アリオン「はいはい」

<ラウルvsティス>
ティス「仕上がり具合が気になるけど、とりあえずもらっとこうかな」
ラウル「お前達、時流エンジンを手に入れて何をする気なんだ!?」
ティス「あんたには教えてあげないよ~だ!」

<コウタvsティス>
ティス「あんまり壊したくないからね。下手に動かないでよ?」
コウタ「うるせえ! こっちこそてめえをとっつかまえて、洗いざらい吐かせてやる!!」

<コウタvsアリオン>
コウタ「てめえら、ショウコをどうしようってんだ!?」
アリオン「さあ……俺様は知らんが、何か使い途があるんじゃない?」
コウタ「ふざけんな! 俺の妹はてめえらの道具じゃねえっ!!」

<レーツェルvsアリオン>
レーツェル「黒き馬……まるでトロンべだな」
アリオン「ほ~う。マイハニーに興味があるのかい?」
レーツェル「マイハニー……変わった名前だが、その甘美な響きもまた良し」
アリオン「いやいや、こいつの名前はアガレスちゃんよ」
レーツェル「アガレスチャン? さらに変わった名だな」
アリオン「……あんた、わざと言ってるだろ?」

≪フェルナンドHP70%以上≫
<フォルカvsフェルナンド>

フォルカ「フェルナンド! 俺は出来ることなら、お前と戦いたくない!」
フェルナンド「戯言を! そうやってまた俺に情けをかける気か!?」「そして、俺を高みから見下ろす気か!?」
フォルカ「違う! 修羅にも戦い以外の生き方がきっとある!」「俺はそれを……!」
フェルナンド「黙れ! 裏切り者には死の制裁が与えられる!」「フォルカ! 俺は貴様を倒すぞ!!」

<フォルカvsアリオン>
アリオン「掟破りの次は、脱走か。自由を求めて……ってことかい?」
フォルカ「俺は真の自由を知らない。ましてや、修羅であることに囚われているお前には……!」
アリオン「あいたた、耳が痛いね。だがな、これはこれで満足しているのさ。……一応な」

<ティスHP50%以下>
ティス「くっ、やってくれるね……!」
〔通信のコール音〕
ティス「!」
デュミナス「……戻りなさい、ティス」
ティス「え!? でも、コンパチブルカイザーとエクサランスが目の前に……!」
デュミナス「手に入れたものを確実にヘルゲートまで到達させることの方が大事です」「私の下へ帰ってきなさい」
ティス「わ、わかりました……」
〔敵ユニット出現〕
コウタ「消えた!!」
ロア「転移したか……!」
コウタ「ショウコはどうなったんだ!?」
ロア「おそらく、一緒に……」
コウタ「く、くそっ! ショウコが! あいつがそこにいたのに!!」「俺は……俺はっ!!」
ラウル「コウタ……」

<フェルナンドHP70%以下>
フェルナンド「ぬうっ! 俺は倒れん! まだ倒れんぞ!!」「フォルカ! 貴様をこの手で屠るまではな!!」
フォルカ「!」
フェルナンド「ビレフォール! 轟撃の修羅神よ!!」「俺の覇気をくれてやる! 今一度、お前の力を見せろっ!!」
〔フェルナンド、精神コマンド「気迫」使用〕
フェルナンド「さあ、フォルカ! 我が機神轟撃拳を受けろ!!」
フォルカ「俺もここで倒れるわけにはいかない……!」「ヤルダバオト! 俺の覇気をお前に!!」
〔フォルカ、精神コマンド「気迫」使用〕
フォルカ「行くぞ、フェルナンド……!」「俺の……いや、修羅の新しき道を切り開くために!!」

≪フェルナンドHP70%以下≫
<フォルカvsフェルナンド>

フェルナンド「修羅の新しき道を切り開くのは、貴様ではない! 修羅王様だ!」
フォルカ「それでは同じことの繰り返しだ!」
フェルナンド「何を言う! 戦って、戦って、戦い抜いて! 立ちはだかる者を倒すことが修羅の本懐!」「俺は貴様を超え、阿修羅の頂点を目指す!!」

<アリオンHP50%以下>
アリオン「あらら……こりゃ参ったね」
レーツェル「フッ……荒馬の扱いは慣れているのでな」
アリオン「気に入ったぜ、あんたら。俺様の名前はアリオン・ルカダ……自由を愛する男だ」「会いたい時は、風に行き先を聞いてくれ。あばよ」
フェルナンド「待て! 貴様、退く気か!?」
アリオン「言ったはずだ、風に聞けとな。……お前もあんまり無理するなよ」
〔敵ユニット離脱〕
フェルナンド「ア、アリオンめ!!」
カーラ「何なの、あいつ……?」
マサキ「気障な野郎だぜ、まったく」
レーツェル「修羅の中にも変わり種がいるようだな」
カーラ(他人のこと、言えないと思うけど)

<フェルナンド撃破・勝利条件達成>
フェルナンド「くおおおっ! 俺の……俺の負けだ!!」
フォルカ「フェルナンド……!」
フェルナンド「く、ううっ……! フォルカ……!」「修羅の掟に従い、とどめを刺せ……お前のその手で……!」
フォルカ「………」
フェルナンド「敗れた修羅が……情けをかけられることは最大の屈辱……!」
フォルカ「………」
フェルナンド「お前はまた俺を汚辱の中へ突き落とす気か? あの御前死合の時のように……!」
フォルカ「お前の……命を奪うことは出来ん」
フェルナンド「フォルカァッ!」
フォルカ「勝敗が決した今、これ以上の戦いに何の意味がある?」「勝利を得たからと言って、何故、友や家族の命を奪う必要がある?」「何のためにそんなことを……!?」
フェルナンド「それは俺達が修羅だからだ! 掟からは何人たりとも逃れられん!」
フォルカ「俺はもう……その掟には従わん」
フェルナンド「貴様……!」
〔フェルナンドに爆発〕
フェルナンド「ぐううっ!!」
フォルカ「脱出しろ、フェルナンド!」
フェルナンド「覚えておけ、フォルカ! 貴様が見逃したこの命によって、貴様は死を迎えることになる!」「この汚辱……必ず! 必ず晴らしてみせるぞ!!」
〔敵ユニット離脱〕
※※まだアリオン健在の場合、セリフ追加※※
アリオン「やれやれ。フォルカの奴、やっぱり……」
ゼンガー「で、貴様はどうするのだ?」
アリオン「俺様の名前はアリオン・ルカダ……自由を愛する男だ」「会いたい時は、風に行き先を聞いてくれ。あばよ」
〔敵ユニット離脱〕
ゼンガー(風に……か)(どうやって聞くのだ?)
※※まだティス健在の場合、セリフ追加※※
ティス「だらしない連中だね! こうなったら、あたいだけでも……!」
〔通信のコール音〕
ティス「!」
デュミナス「……戻りなさい、ティス」
ティス「え!? でも、コンパチブルカイザーとエクサランスが目の前に……!」「手に入れたものを確実にヘルゲートまで到達させることの方が大事です」「私の下へ帰ってきなさい」
ティス「わ、わかりました……」
〔敵ユニット離脱〕
コウタ「消えた!!」
ロア「転移したか……!」
コウタ「ショウコはどうなったんだ!?」
ロア「おそらく、一緒に……」
コウタ「く、くそっ! ショウコが! あいつがそこにいたのに!!」「俺は……俺はっ!!」
ラウル「コウタ……」
※※まだ敵健在の場合、セリフ追加※※
〔敵ユニット離脱〕
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

フォルカ「フェルナンド……」
マサキ「何なんだ、あいつら……? 執念深いのもいれば、あっさり帰っちまったのもいる」
ユウキ「これまでの戦いからも、修羅のメンタリティが俺達と違うことはわかっていたが……」「彼らは仲間同士の戦いでも、本気で命のやり取りをしているようだ」
シロ「でも、あの赤い修羅神は青い修羅神にとどめを刺さニャかったニャ」
マサキ「そうだな……赤い方は今までの修羅とどことなく違うような気がするぜ」
フォルカ「………」
コウタ「おい、雷神野郎。さっき言ったこと、覚えてるだろうな?」
フォルカ「……ああ……」
コウタ「あんたには聞きてえことが山ほどある! いや、その前に!」「一発ぶん殴ってやらなきゃ、気がすまねえ!」
ロア「コウタ」
コウタ「止めるな、ロア! あいつのせいで、ショウコは!!」
フォルカ「覚悟は……出来て……いる」
コウタ「ん?」
ロア「様子が変だぞ」
フォルカ「くっ……! 覇気を……吸われ過ぎたか……」
〔システムダウンの音〕
ミズホ「動きが止まった……!?」
カーラ「ど、どういうこと……?」
コウタ「おい、雷神! どうした!?」
〔カーソル、フォルカを指定〕
コウタ「返事がねえ……!」
ゼンガー「……レーツェル」
レーツェル「あの修羅神を回収する。彼には聞きたいことがあるのでな」
コウタ「俺は……」
レーツェル「コウタ、お前も一度艦へ戻れ。浅草へ行くのは、その後だ」
コウタ「……あ、ああ」
【戦闘マップ終了】

【シナリオエンドデモ開始】

日本近海

クロガネ 医務室
フォルカ「う……うう……」
カーラ「あ、気がついたみたいね」
フォルカ「こ、ここは……?」
カーラ「クロガネの医務室だよ」
フォルカ「クロガネ……黒い衝角船か。俺は捕らえられたのだな」
カーラ「それ以前に……あんた、あの機体の中で気を失っててさ」
フォルカ「ヤルダバオトは……俺の修羅神は……?」
ゼオラ「私達が回収しました。でも……」
マサキ「ハッチを開けようとしたラージやミズホがブッ倒れちまった。いったい、てめえのマシンは何なんだ?」
フォルカ「修羅神は……操者の覇気を吸って動く……」
マサキ「覇気……!?」
フォルカ「修羅以外の者が操縦座へ近づけば、覇気を吸い取られ……消耗する」
クロ「覇気って、プラーナみたいなものニャの?」
フォルカ「………」
クロ「どうしたニャ?」
フォルカ「この世界のビョウは喋るのか?」
シロ「ビョウ?」
クロ「もしかして……猫のこと?」
フォルカ「喋るビョウがいるとは……ショウコからそんな話は聞いていなかった」
ゼオラ「ショウコからって……」
フォルカ「……」
〔扉の開閉音〕
コウタ「………」
ゼオラ「コウタ……」
フォルカ「お前は……」
コウタ「てめえ……! てめえがショウコを!!」
〔強い打撃音〕
フォルカ「ぐっ……!」
カーラ「やめなよ、コウタ! 相手は病人だよ!」
ゼオラ「リルカーラ少尉の言う通りよ! それに、この人は……」
フォルカ「………」
コウタ「てめえ、なんで俺の拳を止めなかった!?」
フォルカ「………」
コウタ「何のつもりだ!? まさか、これでチャラにしろってか!?」
フォルカ「俺には……他の償いの方法が思いつかん」
コウタ「ふざけんな!!」
マサキ「やめな、コウタ。こいつをぶん殴ったって、お前の妹は戻ってこねえ」
コウタ「だけどよ!!」
マサキ「お前の気持ちはわかる。……俺にも大事な妹がいるからな」
コウタ「……!」「わかっ……た」
ゼオラ「……許してあげるの?」
コウタ「許すも何も、無抵抗の奴をこれ以上殴れるかよ」
フォルカ「………」
コウタ「ショウコによく言われたぜ。もめ事が起きても、無闇に喧嘩すんじゃねえって……」「他の解決方法も探してみろって……」
フォルカ「俺も……彼女に同じことを言われた」
コウタ「何……?」
フォルカ「彼女は俺に色々なことを話してくれた。この世界のことを……戦い以外のことを……。だから、俺は……」
コウタ「おい、調子に乗るなよ」
フォルカ「……!」
コウタ「ショウコはお人好しだから、お前みてえな奴にも親切にしただけだからな。だいたい、お前……お前は……」
フォルカ「フォルカ……フォルカ・アルバーク。それが俺の名だ」「そして、俺はもう修羅ではない。帰る所も……ない」
コウタ「……」

クロガネ 食堂
ラウル「大丈夫か? ミズホ」
ミズホ「ええ、ちょっとフラフラしますけど……」
マサキ「クスハの栄養ドリンクがあったら、バッチリ回復できるんだけどな」
ラトゥーニ「その前にもう1回倒れてしまう……」
マサキ「そりゃそうだ。……で、ヤルダバオトについては?」
ラージ「ああいう仕様の兵器は、どうかと思いますね」
マサキ「どういうこった?」
ラージ「そうですね……。まず、彼が言う覇気とは、プラーナと同性質のものだと考えていいでしょう」
シロ「でも、魔装機神は近づくだけで人が倒れることニャんてニャいニャ」
ラージ「ヤルダバオトは、文字通り操縦者の命を削って動いているようです」
ラトゥーニ「つまり、全ての動力を生体エネルギーで賄っていると?」
ラージ「ええ。対応訓練を受けているはずのフォルカ・アルバークが、あの激しい戦闘の後で気を失ったのなら……」「普通の人間である僕達が、近づいただけで倒れてしまうのは当然でしょう」
マサキ「ちょい待ち。ヤルダバオトはしょっちゅう人間のプラーナを吸収してんのかよ?」
ラージ「それはもう少し調べてみないとわかりませんが……程度や条件はあるでしょう」「でないと、パイロットや整備員が死んでしまいます」
ユウキ「確かにな」
ラージ「完全分解して調査したいところですが……バイタリティが高い人間でないと、ヤルダバオトに近づくのは危険ですね」
ラトゥーニ「バイタリティが高い……」
シロ「アラドとか?」
マサキ「後はゼンガーの大将とかな」
クロ「ニャんか二人共、壊しちゃいそうニャ気がするニャ」
ユウキ「……で、他にわかったことは?」
ミズホ「駆動系はヴァルシオーネやダイゼンガーなどと同じく、人体の筋肉に似たものとなっています」「また、構成材は地球の物と似て非なる物で、ある程度の自己再生機構を持っているようです」
マサキ「メンテいらずってことかい?」
ミズホ「完全にというわけではないでしょうが、迂闊に近づけない機体であるという問題点をそれで補っているのかも知れません」「あと、今までに入手した量産型修羅神のデータとの相似点ですが……」「構成材の経過年数調査により、ヤルダバオトは製造されてからかなりの年月が経っていることが判明しました」
ユウキ「どれぐらいだ?」
ミズホ「ざっと300年です」
マサキ「300年!?」
シロ「骨董品だニャ~」
ミズホ「最近になって修復された所もあるみたいなんですけど、最も古い部分だと、それぐらいの経過が……」
ユウキ「そういう所は、龍虎王に似ているな。……個人的には信じ難いが」
ラージ「これは僕の仮説ですが……ヤルダバオトのような修羅神は、修羅にとってロスト・テクノロジーなのかも知れません」
ラウル「それって、つまり……」
ラージ「ある程度の改造や補修は可能でしょうが、新しいヤルダバオトクラスの機体を作り出すことは不可能……」「量産型の修羅神は、古い修羅神のデッドコピーではないでしょうか」
ミズホ「私も同意見です。量産型に自己修復機能はありませんし、構造も簡略化されているみたいですから」
ラージ「ヤルダバオトを作り出した技術は、今の僕達以上のレベルだと思いますが……」「現在の修羅は、技術面において退化が進んでいるのかも知れません」「転移装置であるダガーも今ひとつ使いこなせていないようですからね」
ラウル「なるほど……」
ラージ「あと、修羅神に関する件ではありませんが、判明したことがあります」
マサキ「何だ?」
ラージ「ソーディアンの結界についてです。あれは生体エネルギーの類まで遮断しているわけではないようですね」
ラウル「そうか……! それで修羅神は結界内でも動けるのか」
ラトゥーニ「動力源が生体エネルギーだから……」
マサキ「じゃ、生き物なら結界内に入っても大丈夫ってことか」
ラージ「それについては、前から予測できていました。あれが全てのエネルギーを遮断しているのなら、修羅達も無事では済みませんからね」
ラトゥーニ「でも、ソーディアンは宇宙にいる……」「私達の機体は、結界内に入った時点で生命維持装置が停止してしまう」
マサキ「……だな。裸で宇宙に出るわけにはいかねえし」
シロ「息を止めとくってのはどうニャ?」
クロ「シロ、水の中じゃニャいから」
マサキ「となると、結界破りの裏技を見つけるか、ソーディアンの内部へ瞬間移動するしかねえな」
ラウル「……」
マサキ「ラウル、時流エンジンで何とかならねえのかよ?」
ラウル「今は……無理だ」
ラージ「……」
ラウル「でも、これからも……」
マサキ「え?」
ラウル「俺達は事故により、こちらの世界へ来た。だったら、その事実を受け入れて、この世界で生きていくという選択肢もある……」「争いの元になる時流エンジンは、いっそのこと存在しない方が……」
ラージ「ラウル、あなたの言っていることは全ての科学に対する冒涜です」
ラウル「ラージ……」
ラージ「科学によって生み出されるもの……それ自体には何の罪もありません。使う者次第で、善にも悪にも変わるのです」
ミズホ「ラウルさん……あたしもその通りだと思います」「前に教えてくれたじゃないですか。殺人刀と活人剣の違いを……」
ラウル「ゼンガー少佐が言っていた、人を活かす剣か……」
ユウキ「お前に時流エンジンを守るという意志がある限り、俺は協力するつもりだ」
ラウル「ありがとう、ユウキ」
ラージ「……」(でも、僕達はこの世界に長居するべきじゃない……)(時流エンジンが次の段階へ進み、ライトニング・フレームとエターナル・フレームが完成した後……)(僕達が選ばなければならない道は……)
ユウキ「……」

地球近海 転空魔城

転空魔城内 修羅王の間
アルカイド「そうか……フォルカがな」
アルティス「は……」
マグナス「おのれ、フォルカめぇ~! 轟級以上の修羅神は残り少ないと言うのにぃ~」
メイシス「修羅神は乗り手を選ぶ。超級や轟級なら、尚更な」「長らく眠っていた双子の修羅神の操者が、同時に輩出されたのは僥倖だったのだが……」
マグナス「フォルカ自体は惜しくないぃ~」
メイシス「だが、あの漢の離反によって、こちら側の情報が漏れることになる」
マグナス「そぉだぁ。アルティス、貴様が余計なことを言わなければ、こんなことにはならなかったぁ~」「ど~う責任を取るぅ?」
アルティス「……」
アルカイド「マグナス、フォルカの同行を許したのは我だ。アルティスだけを責めてはならぬ」
マグナス「は、ははっ」
アルカイド「アルティスよ……裏切り者には死を。それが掟だ」
アルティス「……承知しております」
アルカイド「彼奴の首を我が前に。よいな?」
アルティス「はっ」
アルカイド「では、以上だ」
〔歩く足音〕
マグナス「アルティスよ、何なら俺様がフォルカの首を獲ってきてやるぞぉ。グフフフ~」
〔歩く足音〕
アルティス「……」
メイシス「……で、どうなさるのです?」
アルティス「フォルカの件は……私自らの手で始末をつけるつもりだ」
メイシス「それは……彼を切り捨てる意志表明だと受け取ってよろしいのですね?」
アルティス「……ああ」
メイシス「……」

地球近海 ヘルゲート

ヘルゲート内部
デュミナス「……ご苦労でした、ミザル」
ミザル「では、以後の助力……よしなにな」
デュミナス「わかっています。そちらも二心なきよう」
ミザル「フン……」
〔歩く足音〕
ラリアー「……デュミナス様。あの人を信用していいんでしょうか……」
デュミナス「ええ、今の所は。それに修羅達には時間を稼いでもらわねばなりません」
デスピニス「でも、転空魔城がこちらに近づいてきたら……」
デュミナス「その時のために、ティスが良い物を見つけてきてくれました」
ティス「ちょっと気持ち悪いけど、あれなら転空魔城の結界内でも動けるよ」
デュミナス「ええ。……ラリアー、バルトールの方は?」
ラリアー「新たなマスターコアの組み込みは、デュミナス様のご指示通りに」「また、ウェンディゴの量産とODEシステムへの適応作業も進んでいます」
デュミナス「エクサランスの仕上がり具合は?」
ティス「進展はなさそうだけど、後はあたい達でも何とかなりそうな気がします」
デュミナス「では、次の機会にでも」
デスピニス「あの……コンパチブルカイザーの方は……」
デュミナス「その前に、あれを試しましょう。……彼女を連れてきなさい」
ティス「はい」
〔扉の開閉音〕
ショウコ「…………」
ティス「やかましかったから、薬で静かにさせときました」
デュミナス「では、あのお方からの預かり物……『エミィ・アーマー』をここへ」
ラリアー「はい」
ショウコ「…………」
【シナリオエンドデモ終了】


● No19「震える大地」 へ戻る

● No21「無垢なる刺客」 へ進む


◆ 「スーパーロボット大戦OG外伝」 へ戻る




当館に記載されている作品名・製品名などは、各社の登録商標です。
当館の内容は、各社からの正式許可を受けてはおりません。