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No.16
第三の凶鳥

【シナリオデモ開始】
連邦政府・大統領府
グライエン「ホワイトスターが異星人に占拠されただと?」
秘書「は、はい」
グライエン「馬鹿な……駐留艦隊は何をしていた?」
秘書「そ、それが……敵の戦力はこちらの予想を遥かに上回っており……」「艦隊はヒリュウ改を除いて全滅したようで……」
グライエン「直ちに連邦軍総司令部へ連絡。宇宙軍の総力を挙げ、異星人を撃退せよと伝えろ」
秘書「は、はい!」
〔扉の開閉音〕
ブライアン「……インスペクターか。ついに正体を現したね」「だが、これで彼らとの交渉の道が開けるかも知れない」
グライエン「何を悠長な。異星人との話し合いなど、無駄だと言ったはずだ」
ブライアン「前例がないわけじゃない。そうだろう、ムブハル補佐官?」
ニブハル「はて……。私にはわかりかねますが」
ブライアン「……」「ともかく、彼らとの接触を急いでくれ。それと、バン・バ・チュンともね」
グライエン「ノイエDCと停戦交渉を行うつもりか?」
ブライアン「ああ。もう内輪で争っている場合じゃない」「バンには振り上げた拳の下ろし所を見極めてもらおう」
グライエン「もっともな意見だ。ならば、それは私が担当しよう」
ブライアン「ほう……伝手があるみたいだね。蛇の道は蛇と言うことかい、グラスマン委員長?」
グライエン「私をシュトレーゼマンと同じにするな」
ブライアン「異星人に地球を売り渡すような真似はしないということか」
グライエン「そうだ。地球圏存続のための手段は選ばん。例えお前が反対しても、だ」
ブライアン「……」

月・マオ社
看護婦「……回復は順調ね。これなら、明日にでも退院できるわ」
アラド「じゃあ、メシも普通に食っていいッスか?」
看護婦「ええ。でも、一人分にしてね」
アラド「も、もう一声! 三人分!」
〔扉の開閉音〕
ラーダ「あらあら、今度はおなかを壊して入院するつもり?」
アラド「あ、ラーダさん」
ラーダ「検診は終わったみたいね。じゃあ、こないだの続きをしましょう」
アラド「つ、続きって……ヨガ!?」
ラーダ「違うわ。ヒアリングよ」
アラド(ふう、助かった~)
ラーダ「じゃあ、この間の話の続きを聞かせて」
アラド「え、ええ……」
ラーダ「スクールであなた達の教育を担当していたのは誰?」
アラド「……メイガス・ケーナズっていうコンピューターです」
ラーダ「え……!?」
アラド「アースクレイドルの中枢、メイガス・ゲボの試作タイプです。そいつが……おれ達の親の一人」
ラーダ「そ、そう……他には?」
アラド「アギラ・セトメっていうばあさんと……クエルボ・セロ博士です」
ラーダ「!!」
アラド「ど、どうしたんスか?」
ラーダ「そ、そんな……! クエルボ……あの人が?」
アラド「え? ラーダさん、セロ博士を知ってるんですか!?」
ラーダ「……」
アラド「ラ、ラーダさん……?」
ラーダ「……そうよ……。あなたの言った通り、私は彼を知っている……」「彼との出会いは……連邦軍の特殊施設の中だったわ」
アラド「……」
ラーダ「クエルボはマン・マシーン・インターフェイスの研究を行っていて……」「私はその被験者だったの」
アラド「え……っ!?」
ラーダ「そして、軍内である特殊プロジェクトが立ち上がった時……」「クエルボは私を被験者ではなく、開発者として誘ってくれた。その後、彼から色々なことを教わったわ」
アラド(も、もしかして……ラーダさんとセロ博士って……?)
ラーダ「でも、EOTI機関が設立された時……」「クエルボは自分の研究をよりよい環境で進めるために、そちらへ行ってしまったの」
アラド「じゃ、じゃあ……」
ラーダ「ええ、彼とはそれきりよ」
アラド「……」
ラーダ「その後、DC戦争が始まってしまったから……あの人がDCにいるのはわかっていたけど……」「まさか、あなた達の教育を担当していたなんて……」
アラド「……」
ラーダ(クエルボ……それがあなたの目指したものなの?)(人の……それも、子供達の記憶を操作し、戦わせる……それがあなたの……)(だったら、どうしてあの時……被験体だった私を拾ってくれたの……?)

月・マオ社
リオ「……く……ううっ!!」
マリオン「TPレベル、3まで低下」
リョウト「コネクター、5番と8番に異常発生!」
マリオン「TPレベル、2まで低下。いけませんわね、これでは……」
〔脳波の乱れる音〕
リオ「あうっ!!」
リョウト「リ、リオ!」
マリオン「逆流現象ですわ。ハミル博士、リンクの中止を」
カーク「ああ。サイコ・クラッチを切れ」
〔ブレーカーの落ちる音〕
リオ「う、ううっ……」
カーク「リオ、テスト終了だ。ヒュッケバインMk-IIIから降りろ」
〔ハッチの開く音〕
リョウト「リ、リオ……大丈夫?」
リオ「ええ……逆流にちょっとビックリしただけ。頭もそんなに痛まないわ」
リョウト「や、やっぱり、僕がテストを……」
リオ「なに言ってるの。それじゃ、私の仕事がなくなっちゃうじゃない」
リョウト「でも……」
リオ「大丈夫、大丈夫。あなたも開発に関わってる機体だもん、信用してるわ」
リョウト「……」
リオ「リョウト君は開発の仕事に専念したいんでしょ? だから、テストパイロットは私に任せて」
リョウト「う、うん……」
マリオン「……ともかく、T-LINKシステムがこの有様では話になりませんわね」
カーク「だが、問題は念動力のレベルではない」
マリオン「SRXの反省点を生かしたとは言え……」「T-LINKシステムをトロニウム・エンジンの出力調整にも使うなど、無理があり過ぎです」
カーク「……」
マリオン「ガンナーだけをロールアウトさせても、本体が使えなければ意味はありませんわよ?」
カーク「わかっている。もう一度セッティングをやり直そう。リョウト、手伝ってくれ」
リョウト「わかりました」
マリオン「……では、私は自分の仕事に戻りますわ」
カーク「ビルガーの新プランはまとまったのか?」
マリオン「ええ、装甲を増加する方向で。今のままでは、アルトのコンセプトを受け継いでいるとは言えませんもの」
カーク「わかった。ただし、ビルトファルケンとの連携戦闘は……」
マリオン「もちろん、パターンはそちらに対応させますわ」「ただし……武装面は好きにさせてもらいますわよ」
カーク「いいだろう」
リオ「……じゃ、リョウト君。私は社長の所へ行ってくるわ」
リョウト「うん……」

月・マオ社
リン「ホワイトスターで大規模な戦闘があっただと?」
ユアン「ええ……先程、爆発らしき光がいくつも確認されました。そして、セレネ基地との通信も途絶えています」
リン「……!」
リオ「父様、もしかして……!?」
ユアン「ああ……例の連中かも知れない」
リン「……」「常務、直ちに社員を率いてセレヴィスへ避難してくれ」
ユアン「しゃ、社長はどうされるので?」
リン「新型機や試作機を輸送機に積み込み、ここから脱出する」
ユアン「わ、わかりました」
リオ「父様、みんなをお願いね……!」
ユアン「ああ、お前も気をつけてな。リョウト君と一緒に社長の力になるんだぞ」
リオ「う、うん……!」
【シナリオデモ終了】


サブタイトル
「第三の凶鳥」


【戦闘マップ開始】
リン「リオ、セレネ基地からの応答はあったか?」
リオ「い、いえ……!」
リン「では、機体の積み込み作業の方は?」
リオ「AMボクサー、ビルガー、ブレード他各機、予備パーツ類は解体して輸送機へ移送済みです」「残っているのはシュッツバルトの1号機、008L、Mk-III、AMガンナーです」
リン「時間がない……シュッツバルトは破棄。Mk-IIIを積み込み次第、輸送機を発進させろ」
リオ「残りの2機は?」
リン「008Lには私が乗る。AMガンナーはお前に任せるぞ」
リオ「は、はい!」
リン「さあ、作業を急げ! 彼らは必ずここへ現れるぞ!」
〔味方ユニット出現〕
リン「シュッツバルト……? ラーダか!?」
ラーダ「……」
リン「何故、そこにいる? 常務と一緒に避難しろと言ったはずだ」
ラーダ「すみません、社長。独断で機体を使わせていただきます。始末書は後ほど」
リン「待て、その機体は……」
ラーダ「ここで破棄されるのでしょう? でも、この機体にはまだ果たすべき役目が残されていますわ」
リン「何……!?」
ラーダ「シュッツバルトの名の通り、敵という風を防ぐ林に……そして、輸送機を守る盾になります」
〔敵ユニット出現〕
リン「やはり、現れたか!」
ラーダ「社長、私が時間を稼ぎます。早く輸送機の発進準備を!」
リン「たった一人で……! 死ぬ気か、ラーダ?」
ラーダ「ご心配なく。そんなつもりはありませんわ」「それに、社長もお気づきなのでしょう? 彼らがここへ現れた理由に……」
リン「……」「……私達もすぐに出る。それまで何とか保たせてくれ」
ラーダ「わかりました」
リン「行くぞ、リオ!」
リオ「はいっ!」
ラーダ(……ここで死ぬわけにはいかない。あの人の……クエルボの意思を確かめるためにも)
<戦闘開始>

<2PP・味方援軍1出現>

ラーダ(敵はマオ社に攻撃を仕掛けようとしない……。やはり、彼らの目的は……)
〔味方ユニット出現〕
ラーダ「量産型のMk-II……! 誰なの!?」
アラド「おれッス、ラーダさん」
ラーダ「アラド……! あなた、どうして!? それに、その機体は……?」
マリオン「私が特別に用意しておいた物ですわ」
ラーダ「ラドム博士……!」
マリオン「アラド・バランガ、あなたに合わせて武装を選んでおきました。使いこなしてみせなさい」
アラド「アサルトマシンガンにナイフ、チャクラム……確かにおれ向きだ」「でも、鉄球ってのはいくら何でも行き当たりばったり過ぎないッスか?」
マリオン「失礼な。確かに急造品ですが、3、4回ぐらいは使えましてよ。それに……」「ファルケンであんな戦い方をしたあなたに、そのようなことを言われる覚えはありませんわ」
アラド「そ……そうッスね」
ラーダ「でも、あなた……!」
アラド「大丈夫、これでも一応スクール出身ッス」「それに、マオ社には世話になっちまった恩があるし……」「色々と守らなきゃならないものもあるんで」
ラーダ「……わかったわ。あなたの力、借りるわね」
アラド「はいっ!」

<敵全滅or5PP・味方援軍1&敵増援1出現&第3軍増援1出現>
〔精神感応音〕
ラーダ「!!」「アラド、敵の増援が来るわ! 気をつけて!」
アラド「え? ええっ!?」
〔敵ユニット出現〕
アラド「ホ、ホントに来た!!」
ラーダ「さすがにこちらの動きに気づいたようね。でも……!」
〔味方ユニット出現〕
〔第3軍ユニット出現〕

リン「Su半径適正値、ブラックホールエンジン出力安定。……起動!」
〔機体の起動音〕
アラド「が、元祖ヒュッケバイン!」
リン「リオ、AMガンナーはどうだ?」
リオ「G・インパクトキャノンは一門しか使えませんが、いけます」
リン「リョウト、社内にスタッフは残っていないな?」
リョウト「は、はい。僕達で最後です」
リン「ハミル博士、ソースデータの処理は?」
カーク「全てラドム博士が作成したダミーに差し替えた。マスターはこちらにある」
マリオン「さらに、ダミーには特性のウイルスを仕込んでおきましたわ」
リン「フッ……いい置き土産になるな」
カーク「ああ。これでしばらく工場のラインを稼動させることが出来なくなる」
リン「では、これより私とリオで正面の突破口を開く」
アラド「しょ、正面ッスか!?」
リン「そうだ。他の方角に行けば、セレヴィスや月面施設を戦闘に巻き込んでしまうからな」
アラド「そ、そうか……!」
リン「臆したか、アラド・バランガ?」
アラド「いえ! 正面突破、望む所ッス!!」
マリオン(ふふ、いい心がけですわね)
リン「よし……他の者は輸送機と共にこのエリアから離脱しろ」
〔カーソル、離脱ラインを指定〕
リン「いいな、何としても輸送機を無事にあのラインへ到達させるんだ」
ラーダ「わかりました」
リオ「……リョウト君、敵の相手は私達がするわ。あなたは輸送機をお願いね」
リョウト「う……うん。くれぐれも気をつけて、リオ」
リオ「ええ、戦闘は任せておいて!」
リョウト「……」
リン(後は連邦軍……ヒリュウ改に何とか接触できればいいのだが……)
〔カーソル、ヒュッケバインMk-II・Mを指定〕
リン(行くもヒュッケバイン、阻むもヒュッケバインか。……つくづく因果な機体だな)(だが、あれを操っている連中に教えてやる……)(凶鳥の力……その何たるかをな!)

<敵全滅orリョウトが離脱ラインへ接近・敵増援2出現>
〔警報〕
リョウト「こ、これは!?」
リオ「どうしたの、リョウト君!?」
リョウト「き、機動兵器らしき熱源反応がこっちに!!」
リオ「!!」
〔敵ユニット出現〕
リョウト「う、うわああっ!!」
アラド「しまった、輸送機に!!」
メキボス「……やれやれ、こっちの方はこのザマかよ」「やっぱり、人形共にゃキツかったか。危うく取り逃がすところだったぜ」
リン「みんな、輸送機を守れ!!」
メキボス「ん? あの機体は……」
〔カーソル、リンを指定〕
メキボス「なるほど、あれが元祖か。話には聞いていたが、上手くあのサイズにまとめたもんだ」「未開地の野蛮人とは言え、そういう所はさすがだな」
リオ「リョウト君! 早く逃げてっ!!」
リョウト「!!」
メキボス「おっと、そうはいかないぜ」
〔リョウトに爆発〕
〔画面、振動〕

リョウト「うあああっ!!」
リオ「リョ、リョウト君っ!!」
リョウト「だ、駄目だ! 墜落する!!」
リオ「リョウト君! ハミル博士! ラドム博士っ!!」
〔通信音〕
メキボス「……ま、そう騒ぐなって。スラスターを狙っただけだ」
リオ「!?」
ラーダ「つ、通信……!?」
リン「お前は何者だ!?」
メキボス「俺の名はメキボス。ゾ……じゃねえ、『インスペクター』だ」
リン「インスペクター……!?」
メキボス「ああ、『ゲスト』ってことでもいいぜ。とりあえず」
リン「何だと!? ならば、お前は……!?」
カーク「……異星人か」
メキボス「ああ、お前達から見ればそうなるな」
リン「い、異星人……! もしかして、エアロゲイターとは別の!?」
リン「ああ……」
メキボス「元祖ヒュッケバインの開発に関わっただけあって、心当たりがあるようだな?」
リン「……」
メキボス「色々と大変だったそうじゃねえか、そいつの片割れの起動実験は」「ま、基地一つを吹っ飛ばしただけで済んだのを幸運に思うんだな」
カーク(やはり、あの事故は……?)
マリオン「……どういうことですの? ハミル博士」
カーク「……」
メキボス「それじゃ、その輸送機の中身をいただこうか」
リオ「!」
アラド「も、もしかして、連邦軍の部隊をさらってたのはあんた達かよ!?」
メキボス「ああ、そうだ」
リオ「いったい何のために!?」
メキボス「まぁ、その内わかるさ」「それより……素直にお前達の機体を渡せば、特別に命は助けてやってもいいぜ?」「こっちとしても、優秀な兵器の開発者は欲しいところなんでな」
リオ「え……!?」
リョウト「……!」
メキボス「どうだ、そんなに悪い話じゃないだろう?」
リン「……断る。お前達に私達の機体を渡すつもりはない」
メキボス「そうかよ。じゃあ、力ずくで持ってくことにするぜ」
リン「みんな、奴に集中攻撃をかけ、輸送機から引き離せ!」
リオ「は、はい!」
リン「リョウト! ハミル博士とラドム博士を連れて機から脱出しろ!」
リョウト「で、でも、Mk-IIIやビルガーは!?」
リン「後で輸送機ごと回収する! お前達はセレヴィスへ避難しろ!」
リョウト「そ、そんな……!」
リン「早く行って、リョウト君! Mk-IIIは必ず守ってみせるから!」
リョウト「リ、リオ……!」

<リオvsメキボス>
メキボス「命乞いをしても、もう遅いぜ!」
リオ「誰がそんなことをするもんですか! あなたにMk-IIIは渡さないわよ!」

<アラドvsメキボス>
メキボス「量産型のヒュッケバインは間に合ってる。お前はここで死にな」
アラド「や、やっぱし!?」

<ラーダvsメキボス>
メキボス「旧式に用はねえ。死んでもらうぜ」
ラーダ「そうはいかない……! 輸送機は守ってみせるわ!」

<リンvsメキボス>
リン「お前達の狙いは新型機だけではあるまい……」「私の会社の工場も手に入れるつもりなのだろう?」
メキボス「そうさ。お前達の機体をいただくだけじゃ、なかなか数が揃わねえからな」「今後は工場で一気に大量生産ってわけだ」
リン「それがお前達のやり口か……!」
メキボス「他にもあるぜ。種を蒔き、刈り取る……一部の連中は気づいてたみたいだけどな」

<メキボスHP90%以下or敵増援1出現の2ターン後のPP>
メキボス「さあて、ウォーミングアップは終わった。そろそろ本気でいくとするか」
アラド「ゲ! マ、マジ!?」
メキボス「ま、そう心配するな。しばらくは楽しませてもらうからよ」
リオ「くっ、ふざけたことを!」
ラーダ「社長……!」
リン「連邦軍はこちらの状況に気づいているはずだ……」「援軍が来る可能性は低いが、今はそれに賭けるしかない……!」「みんな、敵機の駆動系を集中的に狙え! 奴の動きを止め、時間を稼ぐんだ!」
ラーダ「は、はい!」
リオ(リョウト君、何やってるの!? 早く輸送機から脱出して!)
マリオン「……二人共、脱出の準備が整いましたわよ」
リョウト「……」
カーク「どうした?」
リョウト「僕は……残ります」
マリオン「あなた、正気ですか? ここに残って何をするおつもり?」
リョウト「……Mk-IIIを起動させます」
マリオン「この緊急時に? 今のタイプLはT-LINKシステムが安定しなければ……」
リョウト「システムを一時的に切り離します。そうすれば、援護ぐらいは出来るはずです」
マリオン「何を馬鹿なことを。あなた、ここでMk-IIIを失ってもいいとおっしゃるの?」
リョウト「しかし、みんなを助けなければ、それより大切なものを失ってしまいます!」
マリオン「……」
カーク「……」(出力の調整次第で機体は動く。それに、リョウトも適格者の素質を持っている……)(後はSRXの時と同じケースが発生するかどうか……。危険だが、賭けてみる価値はあるか)
リョウト「後は僕が何とかします。お二人はセレヴィスへ行って下さい」
カーク「……今のタイプLで戦うのならT-LINKシステムをサブに回し、OSを切り換える方がいい」
マリオン「切り離しは無し……ということですわね。でも、その方法だと時間がかかってしまいますわよ」
カーク「私がサポートに入れば、短縮できる」
リョウト「ハミル博士……!」
カーク「私としてもMk-IIIを彼らに渡すわけにはいかんのでな。……マリオン、お前は先に行け」
マリオン「言ったはずですわよ、あなたにそう呼ばれる理由はもうないとね」
カーク「……そうだったな」
マリオン「でも、二人より三人。私もお手伝い致しますわ」
リョウト「え……!?」
カーク「……いいのか?」
マリオン「あなたと同じで、ビルガーやアルト、ヴァイス用の予備パーツを彼らに渡すつもりはありませんわ」
リョウト「ラドム博士……」
マリオン「さあ、あなたは早くMk-IIIにお乗りなさい。即席で仕上げますわよ」
リョウト「は、はいっ!」

<メキボスHP80%以下orメキボスHP90%以下の4ターン後PPor敵増援1出現の5ターン後PP・勝利条件達成>
メキボス「……そろそろ飽きてきたな。終わりにするか」
アラド「ゲ! も、もうちょっと楽しんでいかねえッスか!?」
メキボス「そう言って、助けが来るのを待ってンだろ? ……駄目だな」
アラド「や、やっぱり?」
カーク「……リョウト。こちらの作業は終了した」「だが、システムから多少の逆流が出ると思われる。覚悟しておけ」
リョウト「わかっています」
カーク「……ラドム博士、火器管制の方は?」
マリオン「終わりましたわ。基本装備は使えるはずです」
カーク「よし。ハッチを開けるぞ、リョウト」
リョウト「はい。ヒュッケバインMk-III、起動します!」
〔機体の起動音〕
リオ「! 輸送機のハッチが……!!」
〔味方ユニット出現〕
メキボス「ん? あれは……」
リョウト「トロニウム・エンジン、クォータードライブ……火器管制、オールグリーン」
ラーダ「マ、Mk-IIIが……!!」
リン「誰が乗っている!?」
リオ「も、もしかして、リョウト君!? リョウト君なの!?」
リョウト「そうだよ、リオ」
リオ「ど、どうして!? あなたはもう……!」
リョウト「……」「……ターゲット、ロック。マルチトレースミサイル、発射!」
〔リョウト、MAP兵器「マルチトレースミサイル」使用〕
〔メキボスに爆発〕

メキボス「!? 味な真似を!」
リョウト「続けて行くよ!」
〔リョウト、メキボスへ隣接〕
〔精神感応音〕

リョウト「!!」「くあっ!!」
リオ「リョウト君!?」
ラーダ「も、もしかして、T-LINKシステムが!?」
リョウト「くっ! う、うう……!!」「うあああああっ!!」
[イベント戦争「リョウトvsメキボス」]
リョウト「ファ、ファングスラッシャー!」「行ってくれ!!」
メキボス「! あの機体は……!?」

メキボス「……どうやら、最新型のヒュッケバインらしいな」
アラド「あ、あれ……戦闘とかはまだ無理だったんじゃ……?」
リオ「リョ、リョウト君!」
リョウト「う、うう……! ね、念の逆流が……」
マリオン「ハミル博士……! あれが多少の、ですの?」
カーク「……」
リオ「無茶よ、リョウト君! 逃げてっ!!」
リョウト「い、嫌だ……!」
リオ「!?」
リョウト「みんなを置いて、僕だけ逃げるわけにはいかない。僕だって守らなきゃならないものがある……」「それに、ここで戦わなきゃ男じゃないよ……!」
リオ「リョ、リョウト君……!」
メキボス「フッ、カッコをつけてくれるじゃねえか。だがな!」
[イベント戦闘「リョウトvsメキボス」]
メキボス「さっきのお返しをさせてもらうぜ!!」
リョウト「駄目だ、よけられない! うわああっ!!」

リオ「リョウト君!!」
リョウト「う、ううっ……! 機体が……!!」「機体が動かない……っ!」
メキボス「はて、そこまで痛めつけた覚えはないんだが……操縦系のトラブルか?」
リョウト「く、くそっ!」
メキボス「ま、何にせよちょうどいい。その機体をいただくぞ」
リン「させるか! リオ、援護しろ!」
リオ「は、はいっ!」
メキボス「おおっと、邪魔はさせねえぜ」
〔リオに爆発〕
〔画面、振動〕

リオ「きゃああっ!!」
リョウト「リ、リオッ!!」
メキボス「心配すンな。あっちの機体も持ち帰るつもりだからな、壊しゃしねえよ」「もっとも、中身の方は保証できねえが」
リョウト「!!」
メキボス「さあ、お前も下手な真似をするなよ。自分の命が惜しかったらな」
リョウト「く……くそっ! 動け、動いてくれ、Mk-III!! 動いてくれっ!!」
メキボス「ま、気持ちはわからんでもないが、無理すンな」「それに、世の中そう都合良くはいかねえぜ?」
リョウト「頼む! 動いてくれ、ヒュッケバインMk-III!!」「リオやみんなを助けなくちゃいけないんだ!」「僕とお前はこんな所で終わるわけにはいかないんだっ!!」
〔サイコドライバー能力発現〕
リョウト「!!」
〔リョウト、精神コマンド「熱血」使用〕
メキボス「何!?」
アラド「マ、MK-IIIが!!」
リン「動いた……!!」
マリオン「出力が上がっていく……! これはいったい!?」
ラーダ「ま、まさか!?」
カーク(……起動したか、あのシステムが)
リョウト「う……うああああっ!!」
メキボス「!!」
[イベント戦闘「リョウトvsメキボス」]
リョウト「わあああああっ!!」
メキボス「くっ! 何っ!?」

リオ「リョウト君!!」
マリオン「システムが切りかわっている……!? これは……ウラヌス?」「しかし、あれはT-LINKシステムの補助だったはずでは……!?」
カーク「……」
メキボス「チッ、やってくれるじゃねえか!」
リョウト「まだ終わりじゃない! この出力ならいけるっ!」
メキボス「何だと!?」
リョウト「リオッ!!」
リオ「!?」
リョウト「ガンナーとドッキングする! コントロールをこっちに!!」
リオ「ま、まさか、いきなりあれをやるの!?」
リョウト「ああ、そうだ!」
リオ「無茶よ! まだ一度もテストを……!」
リョウト「いいから、僕の言う通りにするんだ!!」
リオ「……!!」「わ、わかったわ! ガンナー、ドッキングモードに!!」
〔リオ、リョウトへ隣接〕
〔画面、発光〕
〔リョウト、合体〕

メキボス「何をするつもりだ!?」
リオ「ドッキング、コネクト完了!」
リョウト「行くよ、リオ!!」
リオ「わかったわ、リョウト君!!」
[イベント戦闘「リョウトvsメキボス」]
リョウト「G・テリトリー、集束!」「ターゲット・ロック!」「いっけええええ!!」「フルインパクト・キャノン!!」
メキボス「うぐうっ!!」

アラド「す、すげえ……!」
メキボス「くっ、推進系がやられたか!」
リン「! 動きが止まった!?」「ラーダ、アラド! 今の内に輸送機を!」
ラーダ「はい!」
〔アラド&ラーダ&リン、タイゼントフェスラーへ隣接〕
〔味方ユニット離脱〕
〔第3軍ユニット離脱〕

メキボス「……やれやれ、してやられたぜ。ちょいと連中を甘く見過ぎちまったようだ」「こりゃ、ムーンクレイドルを手に入れても、大目玉を食らっちまうだろうな」
【戦闘マップ終了】

【シナリオエンドデモ開始】

輸送機・機内
ラーダ「社長、月面からの離脱に成功しました」
リン「敵の追撃は?」
ラーダ「ありません。セレヴィスも無事のようです」
リオ「ほ、本当ですか!?」
ラーダ「ええ……。異星人の攻撃を受けていないわ」
マリオン「しかし、マオ社は彼らに占拠されてしまいましたわね」
リン「ああ。彼らの目的は我々の機体と我が社の工場を手に入れることだった」「おそらく、今頃はムーンクレイドルも……」
アラド「インスペクターに襲われてるって言うんですか!?」
リン「そうだ」
カーク「マオ社はまだしも、あちらの方は手の打ちようがないな」
リン「ああ。彼らはクレイドルのプラントを使い、地球側の兵器を量産するつもりだろう」
マリオン「武器を現地調達するなどと……セコい異星人ですわね」
リョウト「……」
リオ「リョウト君、大丈夫……?」
リョウト「う、うん……」
マリオン「それにしても、あの状態のMk-IIIがガンナーとのドッキングどころか……」「フルインパクト・キャノンまで発射するなんて」
カーク「……」
マリオン「どうやら、あのシステムは火事場の馬鹿力を誘発するためのものらしいですわね」
リョウト「え……?」
カーク「……私はMk-IIIの再調整をしてくる」
〔扉の開閉音〕
マリオン(……逃げましたわね)
リョウト(あのシステムって……T-LINKシステムのことなのか?)
リオ「……リョウト君」
リョウト「何?」
リオ「助けてくれてありがとう。あなたがMk-IIIで出なかったら、今頃私達は……」
リョウト「そ、そんな……。僕はただ無我夢中でやっただけさ」
リオ「ううん、あなただからこそ出来たのかも知れない」
リョウト「そんなことはないよ。リオやみんながいてくれたからさ」
リオ「……」
リョウト「リオ……僕はこれからもMk-IIIに乗るよ」
リオ「え? でも、あなたは……」
リョウト「もうそんなことを言ってられない……」「異星人はマオ社やムーンクレイドルだけでなく、地球とコロニーも狙うはずだ」「だから、僕も戦う。DC戦争やL5戦役の時のように……」「そして、僕の大切なものを守るために」
リオ「リョウト君……」
リョウト「それに、Mk-IIIは自分が開発に加わった機体だし……最後まで面倒を見たいんだ」
リオ「わかったわ……」
〔通信音〕
ラーダ「! これは……」
リン「どうした?」
ラーダ「ヒリュウです! ヒリュウから通信が入っています!」

ヒリュウ改艦橋
レフィーナ「皆さん、よくご無事で……」
リン「そちらも。ホワイトスターで大規模な戦闘があったようだが……」「敵はインスペクターか?」
レフィーナ「ええ……」
ギリアム「駐留艦隊はほぼ壊滅……。その後、セレネを初めとする月面軍の基地が同時に攻撃された」
リョウト「やはり、空間転移による奇襲で……?」
ギリアム「ああ。現在はムーンクレイドルを含め、音信不通になっている」
リン「そうか……」
ラーダ「他の月面都市はどうなのでしょうか?」
ショーン「インスペクターの攻撃は受けておらぬようですが……」「彼らに制圧されたと見て間違いないでしょうな」
リオ「じゃ、じゃあ、父様達は……!」
ショーン「おそらく、インスペクターの手中に……」
ラーダ「……」
リオ「……父様……みんな……」
ショーン「どうやらインスペクターは兵士以外のものを極力現地調達するつもりのようですから……」「生産力のある月面都市やそこに住む人間に対し、必要以上の手出しはしないでしょう」
リオ「じゃあ、父達は……?」
ショーン「ご無事だと思われます。後はどうやってあの方達を救出するか、それを考えましょう」
リオ「は、はい……!」
リン「……レフィーナ艦長、ヒリュウ改はこれからどうするのだ?」
レフィーナ「コロニーへ向かい、L4宙域軍と合流する予定です」
リューネ「あそこはまだインスペクターの攻撃を受けてないみたいだからね」「あたし達も行って、月やホワイトスターの奪還作戦に参加するつもりだよ」
ギリアム「そのことなのだが……」「レフィーナ艦長、ヒリュウ改は地球へ向かっていただきたいのです」
レフィーナ「え……?」
リューネ「まさか、このまま尻尾を巻いて逃げろって言うの?」
ギリアム「いや、そうではない。おそらく、インスペクターの次の目標は地球……」「そして、彼らはマオ社同様、テスラ・ライヒ研究所を占拠しようとするはずだ」
リューネ「あそこで作ってる機体を手に入れるために?」
ギリアム「ああ」
ショーン「ふむ……テスラ研の機体をインスペクターに奪われ、量産されでもしたら厄介なことになりますな」
ギリアム「ええ。ケースEの発令で警戒態勢が強化されているとは言え、連邦軍の苦戦は必至……」「テスラ研の防衛に手が回らぬ恐れがあります」
ショーン「故に、我々で開発中の機体をピックアップしろと……」
ギリアム「ええ、後々のために」
ショーン「しかし、この位置からでは到底間に合いませんぞ?」
ギリアム「実は、テスラ研の機体引きあげに関しては既に私の方で手を打ってあります」「しかし、最悪の事態に備えるためにも、ヒリュウ改には北米へ向かっていただきたいのです」
レフィーナ「……わかりました」
リン「では、我々もそれに同行しよう」
レフィーナ「しかし、あなたや博士達を戦闘に巻き込むわけには……」
リン「まだ調整が必要な機体もある。出来れば、艦内で作業を続けたい。それに、いざという時は……」
ラーダ「ま、待って下さい。社長の身に何かあったら大変です」
リョウト「そ、そうです。マオ社の将来のためにも……戦闘は僕達に任せて下さい」
リン「……わかった」
ヴィレッタ「……ギリアム少佐、あなたはどうするの?」
ギリアム「すまんが、しばらく別行動をとらせてもらう。調べなければならないことがあるのでな」
ヴィレッタ「……」
レフィーナ「では、針路変更……本艦はこれより地球へ向かいます」

ホワイトスター内部
ウェンドロ「ふうん……マオ・インダストリーのラインは使えないのかい?」
メキボス「ええ。制御装置にウイルスが仕込まれていました。復旧にはしばらくかかりそうです」
ウェンドロ「彼らの機体データは?」
メキボス「全てダミーでした」
ウェンドロ「彼らもなかなか味な真似をしてくれるね」「まあいい、新型機は彼らの調整が済んでから手に入れることにしよう」「それで、ムーンクレイドルの方は?」
メキボス「そちらは問題ありません。すぐにでも生産に入れます」
ウェンドロ「では、すぐに兵器の量産を開始してくれ」
メキボス「了解」
〔通信音〕
ウェンドロ「さて……これで足場は固まった。作戦を次の段階へ進めようか」
ヴィガジ「各機の転送準備は既に終了しております」
ウェンドロ「攻撃対象地区は北米。まず、ラングレー基地を始めとする敵軍事施設……」「そして、テスラ・ライヒ研を抑えるんだ」
ヴィガジ「はっ」
ウェンドロ「あと……シュウ・シラカワとグランゾンの行方も調べておいてくれ」
ヴィガジ「了解。直ちに出撃します」
【シナリオエンドデモ終了】


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