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No.20A
超音速の妖精

【シナリオデモ開始】
???
ミツコ「北米では散々な目に遭われたようですわね、ケネス・ギャレット少将」
ケネス「……」
ミツコ「何かお気に障りました?」
ケネス「……我が軍の情報をDC残党に流していたのは貴様だったのか、ミツコ・イスルギ」「量産型ヒュッケバインMk-IIやビルトファルケンの強奪は、貴様が裏で手を引いていた事だったのか……!」
ミツコ「あら、今頃お気づきになりましたの?」
ケネス「そして、ノイエDCを支援していたのもやはり貴様……!」
ミツコ「ええ。そうした方が我が社の売上が上がりますもの」
ケネス「この女狐めが!」
ミツコ「あらあら、真っ赤になって。私が狐なら、そちらはタコですわね」
ケネス「ふざけるな!」
グライエン「……いい加減にせんか。見苦しいぞ」
ケネス「も、申し訳ございません」
グライエン「ケネス少将、オペレーション・プランタジネットの話は聞いているな?」
ケネス「は……。地球圏防衛委員会のメンバーが立案したインスペクターへの反攻作戦でありますな」「何でもレイカー・ランドルフの極東方面軍を主軸にするとか……」
グライエン「うむ。そこで、我々の計画……『ミッション・ハルパー』だが……」「オペレーション・プランタジネットの前に敢行する」
ケネス「では、もうまもなくですな」
グライエン「うむ。インスペクターが動きを見せておらぬ今が好機だ」「ハルパーの発動により、ブライアンやそのシンパの者共を速やかに拘束……」「その後、『犯人』を逮捕。政府内に非常事態宣言を出し、以後は我々が主導権を握る」
ミツコ「つまり、一芝居を打つというわけですわ」
ケネス「……連邦軍上層部の方は?」
ミツコ「ご心配なく。根回しは済んでおります」「大統領の生ぬるいやり方に憤っておられる方が多く、お金をあまり使わずに済みましたわ」
ケネス「……」
ミツコ「後は政府の方と同じお芝居を打ち、地球圏防衛委員会の方々にご退場を願えば……」「クーデターは成功というわけです」
グライエン「クーデターではない。これは必然的な改革だ」
ミツコ「あら、ごめんあそばせ」
グライエン(フン、戦争商人めが……)
ケネス「……で、グラスマン委員長。ハルパーでの自分の任務とは?」
グライエン「オペレーション・プランタジネットのオブザーバーとして極東方面軍伊豆基地へ赴き……」「ハルパー発動と同時にレイカー・ランドルフの身柄を拘束せよ」「そして、お前が以後の作戦指揮を執るのだ」
ケネス「はっ」
ミツコ「極東方面軍はハンス・ヴィーパーという前例もあって、ガードが固く……」「根回しが出来ませんでしたの。ですから、気をつけて下さいましね」
ケネス「貴様に言われるまでもない。実力行使も辞さぬつもりだ」
ミツコ「あら、頼もしいですわね」
グライエン「……ところで、ノイエDCの方はどうなっている?」
ミツコ「報告によれば、バン大佐は異星人と戦うつもりのようですわ」「案外、こちらからの提案を素直に受け入れてくれるかも知れません」
グライエン「ほう……」
ミツコ「なので、一度私の方から話を持ちかけてみますわ」「ノイエDCがオペレーション・プランタジネットへ参加するように、ね」
ケネス「何……!? あの連中と手を組むと言うのか!?」
グライエン「オペレーション・プランタジネットをより確実なものにするためだ」
ケネス「し、しかし、委員長……」
グライエン「インスペクターとの戦い……いや、来るべき星間戦争で地球人類が生き残るには……」「地球圏の軍事力が一つにまとまらねばならん」「そう……ブライアンやバンではなく、この私の下にな」
ケネス「それは……承知しております」
グライエン「ハルパー成功後はノイエDCと連携を取るのだ、ケネス・ギャレット」「新たな体制の下で己の椅子を欲するのならな」
ケネス「はっ……」
ミツコ「……」(これで……こちらのお膳立ては出来ましたわね)(では、私はもう一つのビジネス・パートナーとの交渉を始めることにしましょう……)

ハガネ艦橋
ダイテツ「……レイカー、オペレーション・プランタジネットの準備は順調に進んでいるのか?」
レイカー「予定の6割と言ったところだが、やはり戦力不足が否めない」「ノイエDCやアインストがいる以上、他方面軍の戦力を必要以上に割くわけにはいかん……」「それに、インスペクターの次の攻撃目標が極東地区とも限らんからな」
ダイテツ「だが、そちらは現状で大丈夫なのか?」
レイカー「すまんが、総司令部やアビアノ基地のダンスト司令と交渉し……」「ヒリュウ改を先にこちらへ回してもらうことになった」
ダイテツ「そうか……」
レイカー「本音を言えば、ノイエDCと一時休戦し、彼らと共同作戦を展開したいところだが……」「お前達が遭遇したという謎の部隊が気になる。それに……上層部の動きもな」
ダイテツ「上で何か起きているのか?」
レイカー「まだ確証はつかめていない。ともかく、お前達はお前達の任務に専念してくれ」
ダイテツ「……了解した」

ブリーフィングルーム
レフィーナ「……と言うわけで……」「ヒリュウ改は伊豆へ向かい、シロガネとハガネはこのアビアノ基地に残ることになります」
マサキ「何だ、せっかく合流したってのにまたバラバラになるのかよ」
リューネ「しょうがないよ。インスペクターの連中が極東を狙ってるって言うんだからさ」
テツヤ「だが、シロガネとハガネもこちらでの任務が済み次第、伊豆へ向かうことになる」
キョウスケ「その任務とは?」
テツヤ「リクセント公国……そして、北アフリカ地区の奪還だ」
ライ(リクセント……。ならば、アーチボルドが相手か。望むところだ)
レオナ「……」
レフィーナ「なお、ATXチームとカチーナ隊、マサキ、リューネ、リオ少尉とリョウト少尉は……」「私のヒリュウ改に乗って下さい」
リョウト「了解です」
カチーナ「じゃ、あたしら以外の連中はしばらくアビアノに居残りか」
エクセレン「ラトちゃん、王女様のためにもリクセントを取り戻してあげてね」
ラトゥーニ「はい……そのつもりです」
カーク「……レフィーナ艦長、私も参式1号機やAMボクサーと共に伊豆へ行こう」「ボクサーはロブの手を借りねばならんが、1号機は道中で調整を終えられそうなのでな」「それに、あれは伊豆で今のエンジンをトロニウム・エンジンに交換する予定だ」
レフィーナ「わかりました。リン社長とラドム博士は?」
リン「私は事後処理のため、パリ支社へ行くつもりだ」
マリオン「私はビルガーの調整がありますから、アビアノに残りますわ」
レフィーナ「了解です。では、ヒリュウ改のクルーは直ちに出発の準備をして下さい」
エクセレン「は~い。んじゃ、行きましょっか、キョウスケ」
キョウスケ「その前に……アラド、これをお前に渡しておく」
アラド「え? 何ですか?」
キョウスケ「アルトの戦闘データだ。今後の参考になるかも知れんと思ってな」
アラド「は、はい! ありがとうございます!」
エクセレン(あらら……そんなの渡しちゃったら、ますます突撃君になっちゃうわね)
ブリット「リュウセイ、アラドのことを頼むよ」
リュウセイ「ああ。そっちも参式のテストをしっかりな」
タスク「じゃ、俺達は一足先に伊豆へ行って、みんなが来るのを待ってるぜ」
〔扉の開く音〕
ショーン「……結局、何だかんだで杯を交わす時間がありませんでしたな、ダイテツ中佐」
ダイテツ「やむを得まい。それはオペレーション・プランタジネットが成功した後にしよう」
ショーン「そうですね。では、レフィーナ艦長……私達も参りましょうか」
レフィーナ「はい」
レオナ「……すみません。少しよろしいですか、艦長」
レフィーナ「何です?」
レオナ「命令違反である上に、身勝手な申し出なのは重々承知しておりますが……」「私をリクセント奪還作戦に参加させていただけないでしょうか」
レフィーナ「え……?」
ライ「レオナ……」
タスク(あ……もしかして……)
ショーン「その理由は……ノイエDCのアーチボルド・グリムズという人物に関係があるのですかな?」
レオナ「は、はい……。彼が起こしたエルピス事件は、ブランシュタイン家だけでなく……」「ガーシュタイン家にとっても許し難く、忘れ難い過去なのです」
ライ「……」
ショーン「なるほど、あなた方の手で彼との決着をつけたいとおっしゃる……」
レオナ「はい……」
ダイテツ「私怨だけではあるまいな?」
レオナ「はい……あの男を野放しにしておけば、エルピス事件以上の悲劇が起きるかも知れません」「それだけは……何としてもこの手で食い止めたいのです」
ダイテツ「……彼のやり口を知る者がいれば、奪還作戦を有利に進められるかも知れん……」「レフィーナ艦長、レオナ少尉をワシの部隊に組み入れたいのだが、どうか?」
レフィーナ「構いません。リクセント公国の奪還は急務ですから」「ただし、レオナ少尉……私情に駆られての行動は慎んで下さい。……ライディース少尉も」
ライ「……わかりました」
レオナ「……ありがとうございます、レフィーナ艦長……」
タスク「レオナ……」
レオナ「ごめんなさい、タスク。私……」
タスク「いいって、いいって。俺、伊豆で待ってるからさ」「その代わり、アーチボルドからリクセント公国を取り戻してくれよ」
レオナ「ええ……」
レフィーナ「では、ダイテツ艦長。私達ヒリュウ隊のメンバーは……」「キョウスケ中尉、エクセレン少尉、ブルックリン少尉、クスハ少尉、ラミア……」「マサキ、リューネ、カチーナ中尉、ラッセル少尉、タスク少尉……」「そして、リョウト少尉、リオ少尉と言うことで」
ダイテツ「では、アビアノ基地に残るのは……」「カイ少佐、イルム中尉、ヴィレッタ大尉、リュウセイ少尉、ライディース少尉、レオナ少尉……」「ラトゥーニ少尉、アラド曹長、アイビス、ラーダだな」
プレイヤー選択
「アビアノ基地に残る」
「伊豆基地へ向かう」

≪「アビアノ基地に残る」を選択≫

ショーン「では、ご武運を。ダイテツ中佐」
ダイテツ「うむ。そちらもな」

≪「伊豆基地へ向かう」を選択≫
(→ No20B「燃えよ斬艦刀」 へ移動)

連邦軍・アビアノ基地
アイビス「タカクラチーフ、火器管制システムのチェックは終わりました」
ツグミ「ごめんなさいね、アイビス。調整を手伝ってもらって……」
アイビス「それは構いませんが……シルバーとゴールドって、あの二人用の機体だったんですね」
ツグミ「ええ……そして、プロジェクトTDの副産物でもあるわ」
アイビス「でも、アステリオンやカリオンにはないシステムが色々あるようですけど……」
ツグミ「カザハラ所長の意向で組み込まれたものよ」「多分……今回の事態をある程度予測されていたのでしょうね」
アイビス「え? まさか、次の作戦でこれを使うんですか?」
ツグミ「彼女はそのつもりよ。まだ起動テストもしてないのに……」
アイビス「チーフはあの子が戦うことに反対なんですね……」
ツグミ「当然よ。一国の王女である前に、あの子は只の子供なのよ……」「訓練も受けていないのに、戦場に出すなんて……」
アイビス「でも、あの子の気持ち、あたしにはわかります……」
ツグミ「え……?」
アイビス「自分の大切なものを守りたい、取り戻したいという気持ち……」「その気持ちがある限り、いくら周りが止めても、あの子は戦うと思います……」「タカクラチーフにもわかるんじゃありませんか……?」
ツグミ「……」
アイビス「だから、あたし……あの子に協力してあげたくて……」「……」
ツグミ「……わかったわ、アイビス」
アイビス「え……」
ツグミ「戦う意志は本人のもの……。周囲が止められるものじゃない……」「それならメカニックは最高の機体を用意するだけだわ」「それがパイロットを守ってあげる方法なんだもの」
アイビス「タカクラチーフ……」
ツグミ「そうと決まれば調整を急ぐわよ。手伝ってくれるわね、アイビス」
アイビス「はい! あたし、体力には自信ありますから!」
ツグミ「そう? じゃあ、力仕事もお願いね」

連邦軍・アビアノ基地
レオナ「え……? 私に008Lを?」
リン「ああ、お前に預ける。何かと因縁のある機体だが、次の作戦で役立ててくれ」
レオナ「でも、あの機体は社長の……」
リン「私も戦列に加わりたいところだが、今の状況ではそうもいかんのでな」
レオナ「……わかりました。では、所長がお戻りになられるまで私がお預かりします」
リン「戻る、だと……?」
イルム「フッ、お見通しってことか」
リン「イルム……」
イルム「自分の仕事が終わったら、こっちへ戻ってくるつもりなんだろ?」
リン「……ああ」
ラーダ「社長……」
リン「今回ばかりは人任せにするわけにはいかない……」「自分の会社は自分の手で取り戻したいのだ」
ラーダ「わかりましたわ。社長がそこまでおっしゃられるのなら……」
イルム「ま、今はお互いのやるべきことをやろうぜ、リン」
リン「ああ。……では、私はパリへ行く。後のことは頼むぞ」
ラーダ「はい。どうかお気をつけて……」
イルム「自分の出番に遅れるなよ?」
リン「フ……わきまえているつもりだ」

ブリーフィングルーム
ダイテツ「……全員、揃っているな。では、これよりブリーフィングを始める。大尉、内容の説明を」
テツヤ「はっ……」「今回の作戦目的は、ノイエDCの南欧方面侵攻の橋頭堡となっているリクセント公国を奪還することである」「まず、作戦の第一段階についてだが……」「シロガネを中心とする別働隊が、リクセント周辺に展開する敵部隊に対し、陽動をかける」「その間、我々は地中海側から同国領土内へ進行する」
ヴィレッタ「現在のリクセントの状況は?」
テツヤ「偵察隊からの情報によれば、敵はライノセラス級を中心とした部隊をリクセント城内に展開している」「そこで、我々は戦力を二つに分け……」「先発隊が城内の敵を外へ陽動、その後、後発隊が敵旗艦を攻撃……敵部隊をかく乱する」
イルム「後発隊は誰なんです?」
テツヤ「それについては……カイ少佐、お願いします」
カイ「うむ。後発隊の任務はフォワードとバックスの連携が重要になることから……」「リュウセイとライにやってもらう」
ライ「了解です」
リュウセイ「じゃ、今回は俺がフォワードだな」
ライ「ああ、任せる」
イルム「ライ、前回のような無茶をするなよ?」
ライ「……ええ」
ヴィレッタ「リュウセイ、私との訓練の成果を見せなさい」
リュウセイ「わかってるぜ、隊長」
カイ「……残りの者は先発隊となる。ただし、アイビス……」
アイビス「は、はい」
カイ「お前には機体の特性を生かし、我々が先に誘き出す敵を可能な限りかく乱してもらいたい」「……出来るか?」
アイビス「わかりました。……やってみせます」
カイ「うむ。それと、リュウセイ、ライ……お前達の任務の詳細についてだが……」
〔扉の開く音〕
シャイン「……私にもそれをお聞かせ願えませんか?」
ラトゥーニ「シャイン王女……!」
ラーダ「ど、どうしてここに?」
シャイン「……」
ダイテツ「……王女、我々の話を聞いてどうなさるおつもりか?」
シャイン「お願いでございます! どうか……どうか、私をリクセントの奪還作戦に参加させて下さいませ!」
ダイテツ「な……」
アラド「何だってぇ!?」
ラトゥーニ「もしかして、あの時の決意と覚悟とは……?」
シャイン「はい……。この手で私の国を取り戻すことでございます……」
ライ「王女……」
シャイン「ライディ様……私はあなたに言われた通り、守るべき場所を守りたいのです……」
ライ「しかし、どうやって……」
シャイン「その術はあるのでございます」
ライ「術……?」
〔扉の開閉音〕
ツグミ「……そうです。今からそれについてご説明します」
ラーダ「タカクラチーフ……」
ツグミ「……モニターをお借りします」
〔通信音〕
テツヤ「こ、これは!?」
レオナ「もしや、リオンシリーズ……!?」
ツグミ「はい。フェアリオン・タイプGとタイプS……」「リクセント公国からテスラ研へ依頼があり、開発された機体で……」「本来は式典用として使われる予定のものだったのですが……」
ラトゥーニ「でも、あの形は……」
アラド「ど、どう見ても女の子だよな」
リュウセイ「か、可愛い……」
イルム「……さては親父の仕業だな」
リュウセイ「で、でも、何で2機セットなんだ?」
ツグミ「それは……脳波制御装置やW-I3NKシステムを搭載しているためです」
ラーダ「W-I3NKシステム……?」
ツグミ「はい。タイプGとタイプS……その2機の動きをシンクロさせるためのシステムです」
イルム「なるほど……読めたぞ」「タイプGはシャイン王女用……脳波制御装置は、彼女の予知能力を生かすためのものだ」「そして、タイプSはラトゥーニ用……」
ラトゥーニ「え!?」
イルム「そのW-I3NKシステムとやらでタイプGをサポート……いや、コントロールしようってんだな」
ツグミ「そ、そうです。よくおわかりになりますね」
イルム「そりゃ、あの親父の考えることだからな」
ダイテツ「……シャイン王女、そのフェアリオンで我々の作戦に参加すると言われるのか?」
シャイン「は、はい……。厚かましいお願いと思いますが、どうか……」
アラド「け、けど、いくら何でも王女様を……」
シャイン「覚悟は出来ております。私に皆様のお手伝いをさせて下さいませ」「私を逃がしてくれた側近達や親衛隊……そして、民を助けるためにも……どうか……」
アイビス(シャイン王女……)
ラトゥーニ(王女も私と同じで……自分の大切な人を助けるために……)「……」「……私、フェアリオンに乗ります」
シャイン「……!」
リュウセイ「お、おい、ラトゥーニ……」
ラトゥーニ「危険なのはわかってる……。でも、王女の気持ちもわかるの……」
リュウセイ「で、でもよ」
ラトゥーニ「フェアリオン……そして、W-I3NKシステムが私達のために作られたものなら……」「私はそれを使いこなしてみせる……。シャイン王女を守ってみせる……」
シャイン「ラトゥーニ……」
ダイテツ「……」「……タカクラチーフ、フェアリオンの防御面については?」
ツグミ「ハイパー・ジャマー・システムにEフィールド発生装置……」「それに、機体の機動性、ラトゥーニ少尉の技量とシャイン王女の能力が加われば……」
ダイテツ「……良かろう。シャイン王女、御身の参加を認めよう」
テツヤ「か、艦長!?」
カイ「……本当によろしいのですか?」
ダイテツ「現金な言い方だが、別働隊に戦力を割かねばならぬ状態で、奪還作戦を成功させるには……」「我が隊の戦力は少しでも多い方がいい」
カイ「……」
ダイテツ「それに、王女の決意は並々ならぬもののようだ」
シャイン「ええ……。リクセントの奪還は、私が果たさねばならぬ使命でございます」
カイ「わかりました。では、シャイン王女はラトゥーニと共に後発隊へ加わって下さい」
シャイン「は、はい」
カイ「リュウセイ、ライ、ラトゥーニ。お前達に王女を任せるぞ」
リュウセイ「了解!」
ラトゥーニ「はい……!」
ライ「了解です」
イルム「ライ、花道は俺達が作っておいてやる。その代わり、王女様のエスコート役をしっかり頼むぜ」
ライ「ええ」
シャイン「ライディ様……」
ライ「御身のお気持ちはわかりました。後は……成すべきことを成すだけです」
シャイン「はい……」
ダイテツ「では、総員出撃準備にかかれ。その後、我々はリクセントへ向かう」

ノイエDC戦艦艦橋
アーチボルド「ほう……連邦軍の部隊が動きを見せましたか」
NDC艦長「はっ。このリクセント公国へ攻撃を仕掛けるつもりのようです」
アーチボルド「当然でしょうね。では、出迎えの準備をして下さい」
NDC艦長「了解です。市内の民間人はいかがいたしますか?」
アーチボルド「そうですね……道路を封鎖し、彼らを市外へ出さないようにして下さい」
NDC艦長「それでは民間人を戦闘に巻き込むことになりますが?」
アーチボルド「ああ、構いませんよ。ちょっとした手を打ちたいのでね」「それに、バン大佐からは民間への被害を極力抑えよ、と言われています」「つまり、少しなら被害を出してもいいと言うことですよ、フフフ……」

ノイエDC戦艦・格納庫
一般兵「急げ! 敵が来る前にこいつをシェルター内へ運び込むんだ!」
ユウキ「……お前達、何をやっている?」
一般兵「はっ。アーチボルド少佐からの特命で、コンテナを市外のシェルターへ運んでいるのであります」
ユウキ「コンテナ? 中身は何だ?」
一般兵「自分達は非常食糧だと聞いておりますが……」
ユウキ「中を見せろ」
一般兵「そ、それは少佐の許可がなければ……」
ユウキ「……」
【シナリオデモ終了】


サブタイトル
「超音速の妖精」


【戦闘マップ開始】
〔敵ユニット出現〕
NDC艦長「アーチボルド少佐、敵艦1、第3防衛網を突破! ハガネです!」
アーチボルド「フッ、そういう用途の艦とは言え、正攻法で飛び込んで来るとは……」「ハガネの艦長は馬鹿正直な男のようですね」「しかし、ここへは踏み込ませませんよ。各員、迎撃準備」
NDC艦長「はっ」
アーチボルド「そうそう……封鎖の方は万全でしょうね?」
NDC艦長「ええ、民間人は市内にとどまっています」
アーチボルド「結構」
カーラ「少佐、どうして民間人を市外へ避難させないの!?」
アーチボルド「ああ、それは……いざという時、彼らが僕達の盾になってくれるからですよ」
カーラ「冗談じゃない! 戦争はあたし達でやれば済むことだろ!」
アーチボルド「カーラ君、これはゲームじゃないんですよ?」「あ、でも……僕にとっちゃ、そうですけど」
カーラ「!」
アーチボルド「どうしても民間人に情けをかけたいのなら、全力で敵を倒して下さい」「そうすれば、彼らが盾になることもないんですから。ねえ?」
カーラ「くっ! あんたは!!」
ユウキ「……カーラ、いい加減にしろ」
カーラ「で、でも!」
ユウキ「戦場での情けは己の死を招くぞ」
カーラ「あ、あんたまでそんなことを言うなんて……!」
ユウキ「もうお前は綺麗事では済まない段階まで踏み込んでしまっている」「そして、それは自分で選んだ道のはずだ」
カーラ「だ、だけど、あたしは……あたしみたいな境遇の人を増やさないために……!」
ユウキ「それも綺麗事だ。今は敵の迎撃に専念しろ」「結果的に、それが民間人への被害を抑えることになる」
カーラ「わ……わかったよ」
NDC艦長「少佐、ハガネが侵入してきます!!」
〔味方戦艦出現〕
〈出撃準備〉
ダイテツ「スティール2より各機へ。別働隊を突入させるため、城内のランドグリーズを城外へ誘き出せ」
〔カーソル、ランドグリーズを指定〕
ダイテツ「ただし、こちら側は城内へ進入してはならん」
〔カーソル、目標ラインを指定〕
ダイテツ「この作戦は時間勝負だ。5分以内に必ずランドグリーズを城外へ誘導し、撃破せよ」
カイ「了解! ……各機へ。聞いての通り、標的は射程の長いランドグリーズだ」「相対距離に留意し、上手く奴らを城外へ誘い出せ」
レオナ「では、下手に前進しない方がいいですね」
カイ「ああ。焦っていきなり奴らの射程圏内へ飛び込むような真似をするなよ」
レオナ「了解」
アラド(敵の大将がアーチボルドなら、ユウキ少尉とリルカーラ少尉もあそこにいるかも知れねえ……)(正直言って、あの人達とはやり合いたくねえけど……)(リクセント公国を取り戻すためには、戦わなくちゃならねえ……!)
イルム「それじゃ、早々に王女様の花道を作るとするか」
ラーダ「ええ、私達で敵を引きつけましょう」
ツグミ「アイビス、くれぐれも突っ込み過ぎないように」
アイビス「了解……!」
ダイテツ「全機、攻撃を開始せよ!」
<戦闘開始>

<3PP>

テツヤ「スティール2から各機へ! タイムリミットまで、あと3分だ!」「ランドグリーズ全機をこちらへ引きつけ、撃墜しろ!」

<3EP>
アーチボルド「ふふふ、さしものハガネも城内には入れないようですね」
ユウキ(本当にそうか……?)
アーチボルド「皆さん、その調子で頑張って下さい。あの艦を沈めれば大金星ですよ」

<4PP>
テツヤ「スティール2から各機へ! タイムリミットまで、あと2分!」「ランドグリーズ全機を城外へ誘き出し、撃墜しろ!」

<5PP>
テツヤ「スティール2から各機へ! タイムリミットまで、あと1分しかない!」「急いでランドグリーズを城外へ誘い出し、撃墜するんだ!!」

<味方が城内へ進入or6PP>
※※味方が城内へ侵入の場合のセリフ※※
エイタ「味方機が城内に進入しました!」
※※6PPの場合のセリフ※※
テツヤ「艦長、時間切れです!!」

ダイテツ「作戦失敗か……!」
→(GAME OVER

<ランドグリーズ全機撃破>
ユウキ(やはり、妙だな。彼らは何故、こちらへ踏み込んでこない?)(いったい、何を企んでいる?)
アーチボルド「多少の損害が出たようですが、何とかハガネを食い止められたようですね」「じゃ、僕達も打って出ましょうか。それでチェックメイトです」「機動部隊の発進を……」
〔警報〕
一般兵「少佐! 0時方向から接近する機体が!!」
アーチボルド「なるほど、別働隊がいたんですか。外周の部隊にさっさと撃墜させて下さい」
一般兵「だ、駄目です! 突破されます!!」
アーチボルド「!」
〔味方ユニット出現〕
アラド「来たか、ラト!」
ラトゥーニ「突破成功……! W-I3NKシステム、異常なし」
イルム「王女様、花道は作っておきましたよ」
シャイン「ありがとうございます、皆さん……!」「それに、リクセントのみんな……! 私、戻って参りましたわ!」
アーチボルド「な……何ですか、あれは?」
カーラ「お、女の子ロボ!?」
ユウキ「新型のリオンシリーズなのか?」
NDC艦長「迎撃だ! 迎撃しろ!!」
〔精神感応音〕
シャイン「!」「来ます、ラトゥーニ!!」
ラトゥーニ「W-I3NKシステム、ダブルモード! シンクロ!」
〔ラトゥーニ&シャイン、前進〕
〔シャインのいた地点に爆発〕
〔ラトゥーニ&シャイン、後退〕

カーラ「あ、あの距離でかわした!?」
シャイン「ラトゥーニ、あの戦艦の足を止めます! あれをやりますわよ!」
ラトゥーニ「はい!」
〔ラトゥーニ、ライノセラスへ隣接〕
〔シャイン、ライノセラスへ隣接〕

[イベント戦闘「ラトゥーニvsライノセラス」]
シャイン「ラトゥーニ…」
ラトゥーニ「シャイン王女……行きます!」「W-I3NKシステム、ダブルモード!」
シャイン「ユーハブコントロール!」
ラトゥーニ「アイハブコントロール!」「パターンセレクト、R・H・B……!」「エンゲージ!」「王女、ここはシングルで!」
シャイン「後は任せますわよ、ラトゥーニ!」
ラトゥーニ「ファイナルシーケンス……!」「これで……!」
シャイン「終わりでございますわ!」
NDC艦長「(通常台詞)」

カーラ「な、何!? 今の動き!?」
NDC艦長「お、おのれ! 弾幕を張れ! 奴らを逃がすな!」
シャイン「! ラトゥーニ!!」
ラトゥーニ「フィールド展開! 回避! 間に合わせてみせる!」
NDC艦長「撃て! 撃ち落とせ!!」
〔味方ユニット出現〕
NDC艦長「! 新手か!?」
リュウセイ「させるか! G・リボルヴァー、ランダムシューーッ!!」
〔ライノセラスに爆発〕
NDC艦長「ぬおおっ!!」
ラトゥーニ「リュウセイ……!」
リュウセイ「……やれやれ、やっと追いついたぜ」「これじゃ、どっちがエスコート役だかわかりゃしねえ。なあ、ライ?」
〔味方ユニット出現〕
ライ「……」
アーチボルド「おや、あれは……」
ライ(アーチボルド・グリムズ……奴はあの艦にいるはずだ)
アーチボルド「フッ……道理で見かけないと思っていたら、お守り役をやっていたとはね」
ラトゥーニ「リュウセイ、私達はこのまま突撃するわ」
リュウセイ「お、おい、露払いは俺達に任せろって! 王女さんもいるんだぞ!」
ラトゥーニ「大丈夫……そのためのW-I3NKシステムだもの。シャイン王女は私が守ってみせる」
シャイン「頼みますわよ、ラトゥーニ!」
ラトゥーニ「はい……! 目標、敵旗艦……フル・ブースト!」
〔ラトゥーニ、前進〕
〔シャイン、前進〕

カーラ「は、速い!!」
アーチボルド「ですが、こちらの陣形の中央に飛び込んでくるとは……ただの勇み足ですね」
リュウセイ「くっ、あれは挟み撃ちになっちまう!」「ライ、お前は先に行け! 目の前の連中は俺が引きつける!」
ライ「!」
リュウセイ「アーチボルドとのケリもつけてえんだろ!? ここは俺に任せて、先に行け!」
ライ「だが、それではフォーメーションが……」
リュウセイ「俺がバックスに回る! その代わり、ラトゥーニと王女さんのフォローを忘れんじゃねえぞ!」
ライ「お前……!」
リュウセイ「いいから、行けってんだ!」
ライ「……すまん、リュウセイ」
〔ライ、精神コマンド「加速」使用〕
〔ライ、前進〕

アーチボルド「なるほど、大将首狙いというわけですか」「いやはや、盛り上げてくれますねえ……ライディース君?」
ライ「アーチボルド・グリムズ……!」
アーチボルド「諸々のリベンジと言うわけですか……いいでしょう」「楽しいショーを見せていただいたお礼に、義姉上の所へ送って差し上げますよ」
〔敵ユニット出現〕
ライ「そんなもので俺達の行く手を阻めると思うな」
シャイン「ライディ様のおっしゃる通りですわ!」
アーチボルド「!」
カーラ「あ、あの機体……ホントに女の子が乗ってるの!?」
アーチボルド「もしや……」
シャイン「私の国を返していただきます! 覚悟なさいませ!」
アーチボルド「やれやれ、本当に楽しいショーですね。王女自らご出陣なさっていたとは」
シャイン「民と国を守る……それが私の戦い。ですから、私は戦に身を投じる決意をしました」
アーチボルド「……それが何を意味するかおわかりですか?」
シャイン「己と他人の血を流すということでございましょう? その覚悟は出来ています……!」
カーラ「……!」
アーチボルド「ほう」
シャイン「この赤いフェアリオンはその証! 私の国と民を脅かす者に容赦は致しませんわ!」
アーチボルド「高貴なる者の務めというわけですか。結構」「そうとなれば、今が切り札の使い時……ですかねえ」
シャイン「え!?」
アーチボルド「プリンセス・シャイン、そしてハガネの皆さん……」「直ちに戦闘を中止し、武装解除してもらいましょうか」
ダイテツ「何……!?」
リュウセイ「ふざけんな! そりゃこっちの台詞だ!!」
アーチボルド「おや、いいんですか? 市内にいるリクセントの国民が爆死することになっても」
リュウセイ「!!」
シャイン「ど、どういうことですの!?」
アーチボルド「ここより南の数ヵ所……民間人の集まっている所に爆弾を仕掛けてありましてね」「今すぐ抵抗を止めていただかないと……ボン、ですよ?」
シャイン「ほ、本当なの!?」
アーチボルド「ええ。実は僕……そっちの方が専門だったんですよ。ねえ、ライディース君?」
ライ「貴様……!」
レオナ(確かに、あの男ならやりかねない……!)
カーラ「少佐! あんた、最初からそのつもりで!?」
アーチボルド「言ったでしょう? 民間人は僕達の盾だとね」
ユウキ「少佐、バン大佐の命令をお忘れですか?」
アーチボルド「現場の判断ですよ、ユウキ君。この地を失うわけにはいかないでしょう?」
ユウキ「……」
アラド「ユ、ユウキ!? やっぱり、ユウキ少尉が……!!」
ユウキ「! アラドか!?」
カーラ「あ、あんた、生きてたの!?」
アラド「え、ええ……!」
アーチボルド「おやおや……死んだと思っていたあなたが、そんな所にいるとは」「今回は本当に驚くことが多いですね」「でも、あなたがそちら側についていても、どうにもなりませんよ」
アラド「く、くそっ……!」
アーチボルド「さあ、どうなさいます? プリンセス・シャイン」
シャイン「う、うう……!」
テツヤ「艦長……!」
ダイテツ「……」
アーチボルド「やはり、信じておられないようですね。なら、証拠を見せねばなりませんか」
レオナ「待ちなさい、アーチボルド・グリムズ!」
アーチボルド「そう言って、ここを狙い撃つ気でしょう?」「でも、結果は同じことになりますよ」
レオナ「……!」
ヴィレッタ(起爆装置を破壊しても無駄だと言うことか……!)
アーチボルド「さて……私に起爆スイッチを押させますか? それとも、あなた方が押しますか?」
レオナ「くっ……!」
カイ「おのれ、卑劣にも程がある!!」
アラド「く、くそっ! どうすりゃいいんだよ!?」
アーチボルド「ふふふ……そう、その反応……いいですねぇ。ふふっ……ふ……はははは……」
ライ「!?」
アーチボルド「あ~っはははははは!」
レオナ「!!」
アーチボルド「では、証拠をお見せ致しましょう! 話はそれからです!」
シャイン「ま、待って!!」
アーチボルド「待ちませんよ! あはははははは!!!」
〔通信音〕
アーチボルド「ははは……は?」
カーラ「ば、爆発しない……!?」
ユウキ「……」
アーチボルド「どういうことです!?」
一般兵「き、起爆システムにバグ発生! 爆破できません!」
アーチボルド「な……!?」
ライ「! もしや、起爆装置が作動しないのか?」
ラトゥーニ「そうみたいです」
シャイン「なら、チャンスですわ! ラトゥーニ、ライディ様!」
アーチボルド「やれやれ……人質作戦は失敗に終わりましたか」
ユウキ「……正攻法でいく。この地はお前達に渡さん。ノイエDCの理想のためにな」
ライ「いいだろう……来い!」
アーチボルド(……なるほど、そういうことですか)(ならば、退き際を見定めねばならないようですね)
ダイテツ「各機、突撃! 敵旗艦に狙いをしぼれ!!」

<リュウセイvsアーチボルド>
リュウセイ「もうてめえの手はなくなったはずだ! 観念しやがれ!」
アーチボルド「まあ、今回は仕方がありませんね。でも、ここで死ぬ気もありませんよ」

<ライvsアーチボルド>
ライ「義姉上や多くの人々を死に至らしめた罪……今こそあがなえ!」
アーチボルド「勘違いをしてもらっては困りますねえ、ライディース君」「あなたの義姉上を殺したのは私ではありませんよ」「それに、あなたも他人のことは言えないでしょう?」
ライ「……!」

<ライvsユウキ>
ライ「……起爆装置に細工をしたのはお前か?」
ユウキ「それを聞いてどうする? お前には関係のない話だ」

<レオナvsアーチボルド>
レオナ「あなたは……あなただけは許すわけにはいかない!」
アーチボルド「ほう、あなたも僕に恨みをお持ちですか?」
レオナ「エルピス事件のことを忘れたとは言わせなくてよ!」
アーチボルド「なら、コロニーの出身者……いや、ブランシュタイン家と縁のある方ですか?」
レオナ「そう、私はレオナ・ガーシュタイン……!」
アーチボルド「なるほど、分家の……。では、僕に恨みがあって当然ですね」

<ラトゥーニvsアーチボルド>
ラトゥーニ「シャイン王女は私が守る……!」
アーチボルド「……! なるほど、そういうことですか」「プリンセスがあんな物を乗りこなしているのは妙だと思っていましたが……」「どうやら、あなたが糸を手繰っているようですねえ」
ラトゥーニ「……」
アーチボルド「なら、あなたから先に片づけてあげましょう!」

<アラドvsアーチボルド>
アーチボルド「元上官だった僕に楯突くとは……いい度胸をしてますね、アラド・バランガ君」
アラド「あんたと……あんたと戦うことにためらいはしねえぞ!!」
アーチボルド「裏切り者は処刑……といきたい所ですが、それは次の機会に回した方が良さそうですね」
アラド「何!? どういう意味だ!?」
アーチボルド「いや、こちらの話です。とりあえず、どれぐらい成長したか見せてもらいましょうか」

<アラドvsユウキ>
ユウキ「まさか、お前が生きていたとはな……」
アラド「ユウキ少尉、ここは退いて下さい! おれは少尉と戦いたくない!」
ユウキ「甘いな。目の前の敵を倒さなければ、お前が死ぬぞ」
アラド「くっ……!!」

<アラドvsカーラ>
カーラ「アラド! あんた、どうしてハガネにいるの!?」
アラド「お、おれは……おれはゼオラを取り戻すために……」「でも、それだけじゃない! アーチボルドみてえな奴を放っておくことが出来ないんだ!」
カーラ「ア、アラド……!」
アラド「リルカーラ少尉だって、そうなんじゃないんスか!?」
カーラ「……!」

<シャインvsアーチボルド>
シャイン「さあ、私の国から立ち去りなさいませ!!」
アーチボルド「ふふふ、お転婆な姫君にはお仕置きが必要ですね」「その悪趣味な人形ごと壊してあげますよ!」

<アーチボルドorユウキorカーラ撃破orHP70%以下・勝利条件達成>
※※アーチボルド撃破orHP70%以下の場合の台詞※※
ラトゥーニ「! 旗艦が動きを止めた……!?」
※※ユウキ撃破HP70%以下の場合の台詞※※
ユウキ「チッ、このままではこちらが不利か」
※※カーラ撃破orHP70%以下の場合の台詞※※
カーラ「こ、これじゃちょっとヤバいかも……!」
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

〔敵ユニット出現〕
アーチボルド「……やれやれ、とんだ大番狂わせでしたよ」「プリンセス・シャインがあんな形で舞い戻り、しかも身内にあざむかれるとはね」
カーラ「え!?」
ユウキ「……」
アーチボルド「各員へ。遺憾ながら、リクセント公国を放棄します。直ちに戦闘区域から離脱して下さい」
ライ「! アーチボルド!!」
アーチボルド「ASRS展開。またお会いしましょう、ライディース君」
〔敵ユニット離脱〕
カーラ「少佐!!」
ユウキ「俺達も撤退するぞ、カーラ」
カーラ「で、でも!」
ユウキ「少佐が切り札を出した時点で俺達の敗北は決まっていた」
カーラ「ユウ……あんた……!」
ユウキ「……行くぞ」
カーラ「う、うん!」
〔敵ユニット離脱〕
アラド「に、逃げやがった!?」
テツヤ「艦長!」
ダイテツ「追撃は別働隊に任せる。我々は城内と市街地の安全確保を優先するぞ」
【戦闘マップ終了】

【シナリオエンドデモ開始】

リクセント城・城内
ジョイス「お、おお……シャイン様……!」
シャイン「爺、私……戻って参りましたわ」
ジョイス「まさか、シャイン様ご自身が奪還作戦に加わっておられたとは……」
シャイン「ええ……。でも、この国を取り戻せたのは……」「ラトゥーニやライディ様、ハガネの皆様のおかげです」
ジョイス「シャイン様……」
シャイン「皆は無事ですか?」
ジョイス「はい。私も含め、城の者は市内のシェルターへ避難しておりましたので」「しかし、よもやノイエDCの者達がシェルターに爆弾を仕掛けていたとは……」
シャイン「ええ……。敵の中には、あのような真似を平然と行う者もいるのです……」「そして……同じようなことが私の国だけでなく、他の所でも……」
ジョイス「………」
シャイン「爺……お願いがあります」

ハガネ格納庫
リュウセイ「しっかし、色んな意味でビックリしたな。このフェアリオンには」
アイビス「う、うん……。連携戦闘と回避能力に主点を置いた機体だってことは知ってたけど……」「まさか、あんな動きをするなんて……」
リュウセイ「あれ、カザハラ所長とフィリオ少佐が考えたモーションなのかな?」
ツグミ「ま、まさか……」
イルム「案外、あの二人で踊って決めてたりして」
ツグミ(そ、想像したくない……。フィリオはともかく、所長のそんな姿は……)
アラド「それで、ラト。お前、こいつに乗るのか?」
ラトゥーニ「う、うん……。機体との相性もいいし、そのつもりだけど……」
アラド「だけど?」
ラトゥーニ「外見の方をもうちょっと何とか……」
ツグミ「嘘……。このデザインが気に入らないの……」
ラトゥーニ「え……?」
ツグミ「その服、そのリボン……。パイロットと機体の完璧なコーディネイトなんだけど……」
ラトゥーニ「コ、コーディネイト……?」
アイビス(そ、そう言えば、タカクラチーフの趣味って……)
イルム「外見ねえ。なら、装甲を変えなきゃならないな」
ツグミ「じゃあ……機体は重くなるし、可愛くなくなってしまうけど、ガーリオンの装甲を……」
リュウセイ「……俺はあれでいいと思うけどなあ」
ラトゥーニ「え?」
リュウセイ「とりあえず、機体性能の方に問題はないんだろ?」
ラトゥーニ「う、うん……」
リュウセイ「じゃあ、あれ……可愛いし、スカートはいてるし。ラトゥーニに似合ってると思うぜ」
ラトゥーニ「……」
アラド(スカート……関係あるのかな?)
ラトゥーニ「なら……あのままにする……」
ツグミ「良かった……。私も少尉に似合ってると思うわよ」
アイビス(や……やっぱり?)
リュウセイ「さて……そうと決まれば、早速写真を撮っとくとするか」
ツグミ「じゃあ、私が撮ってあげるわ。フェアリオンと一緒にね」
リュウセイ「お! いいねえ、それ!」
ラトゥーニ「……」
ツグミ「ほらほら、ラトゥーニ少尉も入りなさいな」
ラトゥーニ「え……? で、でも、リュウセイに悪いから……」
リュウセイ「なに言ってんだ。お前、こいつのパイロットだろ? 一緒に撮ろうぜ」
ラトゥーニ「う、うん……」
アラド「じゃあ、おれも!」
イルム「こらこら、野暮を言うんじゃねえの」
アラド「え? あ……そ、そうッスね」
ツグミ「じゃあ二人共、撮るわよ」
リュウセイ「おう、頼むぜ」
ラトゥーニ「……」
イルム(親父の奴、あの外見はこれも見越してのことか?)(……いや、さすがに考えすぎか)

ハガネ艦橋
ライ「……結局、アーチボルドの行方はわからずじまいですか?」
テツヤ「ああ。彼らは別働隊の追撃を振り切り、地中海方面へ逃げたようだ」
ライ「……」
レオナ「ライディース……」
ライ「今回の作戦目的はリクセントの奪還……。それが達成できただけで充分だ」
レオナ「ええ……」
〔扉の開閉音〕
エイタ「艦長、シャイン王女とルダール卿をお連れしました」
ダイテツ「うむ、ご苦労」
ジョイス「ダイテツ・ミナセ艦長……あなた方のおかげで、我が国は救われました」「何とお礼を申し上げれば良いのやら……」
ダイテツ「いや……。以後、貴国には連邦軍部隊が駐留し、防衛任務に就くことになる」「また、今回の件でノイエDCは地中海方面から後退……」「我々も追撃を行うため、貴国が再び彼らによって危機にさらされることはないと思われる」
シャイン「ですが、完全に……と言うわけではないのでしょう?」
ダイテツ「……」
シャイン「それは私の国だけでなく、他の所も……ノイエDCや異星人の脅威を振り払わぬ限りは……」
ダイテツ「……」「……王女は我々と行動を共になさるつもりか?」
シャイン「はい……」
ライ「!」
レオナ「な……!」
テツヤ「ほ、本気なのですか、王女!?」
シャイン「……ええ」
ジョイス「私も説得したのですが、リクセント公国を守るだけでは駄目だと申されて……」
ライ「しかし、王女……あなたがいなければ、リクセント公国は……」
シャイン「わかっております。それもまた……逃げであることを」「でも、さらに大きな脅威から逃げるわけには参りません……」
ライ「……」
シャイン「私も……ライディ様達と同じく、この星のために戦いたいのです……!」「リクセントだけでなく、多くの地と人々を守るために……!」
ダイテツ「……」「……相手が王女であろうと本人が志願される以上、我々にはそれを拒む理由も権利もありません」
シャイン「では……!」
ダイテツ「ですが、忘れないでいただきたい……」「戦場に出れば王女の命も兵一人のそれと何ら変わりはないということを」
シャイン「私も一人の兵として扱うということでしょうか……?」
ダイテツ「敵の弾は平等に当たる以上、御身の命の保証は出来ませんぞ。それでもよろしいか?」
シャイン「はい、覚悟の上でございます……!」
テツヤ「し、しかし、これは我々だけの問題では……!」
ジョイス「王女の意思は我が国の意思……連邦政府の方には私の方からご説明致します」「そして……王女がおられぬ間のリクセントは、我々で維持していく所存です」
テツヤ「……」
ダイテツ「大尉、お前の言いたいことはわかる。が、ワシは王女の意思を尊重したい」「この地球を守るという強い意思……これからの戦いは、それがなければ勝てん」
テツヤ「……わかりました。シャイン王女、これからもよろしくお願い致します」
シャイン「こちらこそ……ありがとうございます」
ライ「……」
シャイン「ライディ様……」
ライ「出撃前にも申し上げた通り……成すべきことを成しましょう。お互いに……このハガネで」
シャイン「はい……」
ジョイス「では、シャイン様……。くれぐれもお身体にはお気をつけて」「そして、我々はあなた様のお帰りをいつまでもお待ちしております」
シャイン「ええ。私は必ずリクセントへ……皆の所へ帰ります」「この地球に……平穏を取り戻した後で……」

ノイエDC戦艦艦橋
アーチボルド「……やれやれ、また潜水艦の中に逆戻りとはね」
ユウキ「……」
アーチボルド「では、ユウキ君。先程の件について釈明していただきましょうか」
ユウキ「自分は……バン大佐の命令を守ったまでです」
アーチボルド「ほう……。それで、起爆装置に細工をしたと?」
ユウキ「……ええ」
アーチボルド「……」「ま、いいでしょう。おかげでバン大佐への言い訳も立ちますからね」
ユウキ「……」
アーチボルド「ただし、ユウキ君……君には相応の罰を受けてもらいます。他の部下への示しもあるのでね」
ユウキ「……了解です」
アーチボルド「では、彼を独房へ」
一般兵「はっ」
〔扉の開閉音〕
アーチボルド「……」(……僕はこのまま終わりはしませんよ……)(あのハガネに……そして、プリンセス・シャインに報復するまでは……)
【シナリオエンドデモ終了】


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