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No.26
壊れた人形

【シナリオデモ開始】
アースクレイドル内部
グライエン「……以上がオペレーション・プランタジネットの概要だ」
バン「つまり、その作戦に我がノイエDC軍が加われば……」「太平洋側と大西洋側からインスペクター軍を挟撃できると言うことか」
グライエン「そうだ。互いを牽制するための戦力を北米に回せば……」「転移装置を持つインスペクターと言えど、完全に対処することは出来まい」
バン「……彼らは我らの蜂起を待って行動を起こした。つまり、こちらの内乱を利用して事を進める気だ」「そこで我らが手を結べば、インスペクターの足下をすくうことが出来る……そういうことなのだな?」
グライエン「うむ」
バン「……」
グライエン「返答は如何に?」
バン「ミッション・ハルパーの結果次第だ。……が、準備はしておこう」
グライエン「良かろう。我らの手による改革を待っているがいい……」

???
ミツコ「ふふふ、お話が上手くまとまりそうですわね。間を取り持った甲斐がありましたわ」
グライエン「うむ。後はハルパーの鎌で軟弱共の首を刈り取るだけだ」
ミツコ「ええ、楽しみですわ」
グライエン「………そちらの方は?」
ミツコ「ニブハル・ムブハル特別補佐官が私達の仲間に加わって下さいました」
グライエン「ほう……。あの男がそう簡単に落ちるとは思えなかったが」
ミツコ「今では仲良くさせていただいております」「さらに、大統領府制圧の手引きもして下さるそうですわ」
グライエン「ならば、そちらは確実か。伊豆の方は?」
ミツコ「もうそろそろケネス・ギャレット少将が到着される頃です」「念のため、私の方で保険もかけておきました」
グライエン「保険だと? よもや、ノイエDCではあるまいな?」
ミツコ「もちろん。そんなことをすれば、悪巧みがバレてしまいますもの」
グライエン「では、連邦軍か?」
ミツコ「ええ……」(向こう側の、ですけどね)

アースクレイドル内部
???(ソフィア)「…………」
イーグレット「さあ……造り出せ、メイガスよ。お前の新たなる剣を……」「ウォーダン・ユミルとスレードゲルミルにを超える剣を……」
〔機体の歩行音〕
イーグレット「この星を揺るぎなき存在とするための守護者を……作り出すのだ」
〔電流音〕
イーグレット「ふん……自己崩壊したか。VR系でも保たんとは……」「いや、メイガス……お前の仕業か」
???(ソフィア)「…………」
〔扉の開閉音〕
ウルズ「パパ、今戻ったよ」
イーグレット「ご苦労だったな、ウルズ。首尾は?」
ウルズ「標的は全て撃破……。ベルゲルミルの調子もいい」
アンサズ「むしろ、良すぎて味方まで片づけてしまったくらいさ。そうだろ、スリサズ?」
スリサズ「フン、あんな連中……僕達が助けてやる価値なんてないね」
イーグレット「自重しろ、スリサズ。お前の兄弟達とベルゲルミルの数が揃うまではな」
スリサズ「わかったよ、パパ」
ウルズ「それで……マシンセルの方は?」
イーグレット「まだ増殖と寿命に難点がある。メイガスの制御なくして機能を完全に発揮することは出来ん」
ウルズ「やはり、メイガスに問題があるんじゃないのかい?」
イーグレット「ああ。あれもまたマシンセルと同じく完全ではない……」「あれを制御するには、彼女というデバイスが必要だからな」
???(ソフィア)「…………」

アースクレイドル内部
アギラ「フェフめ……大口を叩いただけのことはあったということか」
クエルボ「ええ。彼ら3人だけでキスム方面の敵部隊を撃退したようです」
アギラ「フン……そろそろこちらも次の段階に進まねばならんのう」「少々危険じゃが、新しい素材を入手するとしよう」
クエルボ「素材?」
アギラ「うむ。連邦軍の中でも、特に良い素材を揃えている部隊がおるじゃろう?」
クエルボ「……」
アギラ「そこにはワシの実験体もおる。今度はアウルム1やブロンゾ27だけでなく……ワシ自ら出向こう」
クエルボ「も、もしや、ハガネとヒリュウ改を……?」
アギラ「そうじゃ。もっとも、その役目はヴィンデル大佐の部隊が果たすかも知れんがのう……」

ハガネ格納庫
〔機体の稼動音〕
アラド「およ? あれ、R-GUNッスよね?」
カチーナ「ああ。ようやくこっちに来やがったか」
アラド「まさか、あれがSRX用の銃になるなんて。変形も凄かったッスね~」
シャイン「あれで引っ掛かっちゃったりしませんの?」
アラド「さ、さすがにそれは……」
〔扉の開閉音〕
マイ「……」
シャイン「あの方がパイロットですね」
アラド「へ~、女の子なんだ」
シャイン「私とタメ……あ、いえ、同い年ぐらいでございましょうか」
アラド「王女様よりちょい上ぐらいじゃないッスか」
クスハ「あ、あの子は……?」
アラド「どうしたんスか、クスハ少尉?」
カチーナ「う~ん……あいつ、どっかで見たような気がするな」
クスハ「……」
ラトゥーニ(もしかして……)
アラド「みんなして、どしたの?」
ラトゥーニ「……」
アラド「ま、いいや。ちょっくら挨拶してくるよ」
シャイン「私も行きますわ」
マイ「……」
アラド「おれ、アラド・バランガ。君の名は?」
マイ「マイ……。マイ・コバヤシ……」
アラド「え? コバヤシ?」
ラトゥーニ「もしかして、アヤ大尉の……?」
マイ「ああ……妹だ」
ラトゥーニ「妹……」
クスハ(アヤ大尉の妹さんは……確か、事故で亡くなられたって……)
ラトゥーニ「……」
マイ「……」
シャイン「私はシャイン・ハウゼンです。あなた、お年はおいくつですの?」
マイ「よくわからない……」
シャイン「え? 何故です?」
マイ「覚えてないから……」
アラド(この子、もしかして、おれと同じで……?)
シャイン「申し訳ございません。余計なことをお聞きしてしまったようですね……」
マイ「構わない……」
アラド「実はおれもさ、自分の年齢がよくわからねえんだ」
マイ「え……?」
アラド「でも、そんなに年齢は離れてねえと思うし……」「ここじゃおれ達ぐらいの歳のパイロットって珍しいからさ、仲良くやろうぜ」
シャイン「私も是非あなたとお友達になりたいですわ」
マイ「友達……?」
シャイン「はい……」
マイ「……」
シャイン「ダメでございますか?」
マイ「い、いや……」
アラド「決まりだな。じゃ、お近づきの印におれ達で艦内を案内するぜ」
マイ「う、うん」
シャイン「ラトゥーニ、あなたもおいでなさいませ」
ラトゥーニ「は、はい……」
〔扉の開閉音〕
カチーナ「あのガキ、どっかで見たような気がする……」
クスハ「……」
カチーナ「そうだ! オペレーションSRWの時だ!」「あいつ、エアロゲイターのレビ・トーラーに似てやがるぜ!」「あン時、奴の映像はハッキリしてなかったが、あの顔立ちは……」
クスハ「で、でも、レビ・トーラーはあの後……」
カチーナ「ああ、あたしらが倒した。なら、他人の空似か……?」
クスハ「……」

ハガネ艦長室
ヴィレッタ「……現在、R-GUNは戦闘結果を踏まえてコネクトパーツの調整中です」「そのため、HTBキャノンは一時的に使用不可となります」
ダイテツ「うむ……R-GUNの件は了承した。問題は……パイロットだな」
ヴィレッタ「……」
ダイテツ「ワシも事情は知っておる。クルー間の動揺を防ぐため、博士の意向に添うつもりではいるが……」「遅かれ早かれ、彼女の素性に気づく者が出てくるぞ」
ヴィレッタ「わかっています」
ダイテツ「……」「あの戦いで……エアロゲイターに明確な人の意思というものは存在しなかった」「結局、我々が戦っていた相手はジュデッカという機械に操られていた地球人だった……」「そして、それはレビ・トーラー……いや、マイ・コバヤシも例外ではない」
ヴィレッタ「しかし、我々がしてきたことは……」
ダイテツ「……過去の罪は消せん。だが、それを償うことは出来るはずだ。大尉、お前のようにな」
ヴィレッタ「……」
ダイテツ「それに、ワシは常々思っておる……ワシの艦とヒリュウには不思議な縁があると」「かつて敵対していた者が我らの同胞となり、共に戦う……。そういう縁のある艦だ」「だから……真実を打ち明けることを恐れるな」「ワシの部下達にはそれを受け入れる度量がある。……ワシはそう信じておる」
ヴィレッタ「……」

伊豆基地司令室
サカエ「レイカー司令、ケネス・ギャレット少将がお見えになりました」
レイカー「……久しぶりだな、ケネス」
ケネス「フン……。とんだ出迎えだな、レイカー。これはどういうことだ?」
レイカー「お前も知っての通り、アインストの奇襲を受けたのでな
ケネス「ハガネやヒリュウ改がいてこのザマか……」「あの連中にプランタジネットの最終フェイズを任せて大丈夫なのか?」
レイカー「L5戦役のオペレーションSRWで彼らが挙げた戦果を忘れたわけではあるまい?」
ケネス「……あのような奇跡は二度も起きん」「インスペクターはエアロゲイターとは違うのだよ、レイカー」
レイカー「……」
ケネス「だから、我々は……」
〔扉の開閉音〕
連邦兵「………」
サカエ「何だ、お前達は!?」
連邦兵「………」
〔機関銃の銃声〕
〔画面、発光〕

【シナリオデモ終了】


サブタイトル
「壊れた人形」


【戦闘マップ開始】
〔味方戦艦出現済み〕
〔機関銃の銃声〕

一般兵「武器を捨て、両手をあげろ!」
サカエ「お前達、自分が何をしているかわかっているのか!?」
〔機関銃の銃声〕
一般兵「繰り返す! 武器を捨て、両手をあげろ!」
サカエ「うぬっ……!」
レイカー「……手段がいささか手荒過ぎるな、ネケス・ギャレット」
ケネス「お前のことだ、我々の動きには薄々気づいていただろう?」
レイカー「……」
ケネス「それ故の実力行使だ。先手を打たれる前に……迅速にここの指揮権を掌握するためにな」「それに……ワシは貴様と違って、姑息な根回しよりこちらの方が好みだ」
サカエ「少将、これは明らかな反逆行為ですぞ!」
ケネス「フフフ……ハハハハ!」
サカエ「!?」
ケネス「すでに連邦軍総司令部と大統領府はグラスマン派が掌握している」
サカエ「なっ、何ですと!?」
ケネス「そして、ミッション・ハルパーの成功により……」「グライエン・グラスマンを中心とした軍事政権が地球連邦に誕生するのだ」
サカエ「ば、馬鹿な! 今はノイエDCやインスペクターと交戦状態にあるのですよ!?」「そんな時にクーデターなど……! 混乱がますます広がるばかりです! 本末転倒ではありませんか!?」
ケネス「クーデター? 違うな。これは必然的な改革だ」「ミッドグリッド大統領やそのシンパの貴様らの甘い考えでは、地球圏を防衛することなぞ出来ん」「その証拠に、インスペクターに北米地区を占拠されてしまっているではないか」
サカエ「ご、ご自身の失策を棚に上げてよくおっしゃる……!」
ケネス「奴らと実際に交戦しておらぬ貴様に言えることか!」
サカエ「!」
ケネス「貴様のイージス計画の結果が今という状況だ! 手ぬるいのだよ、全てにおいてな!」
レイカー「……時期的な問題もある。いずれにせよ、半年という期間で出来ることは限られていた」
ケネス「フン、その言い訳を民衆にするつもりか? 異星人共に地球を制圧された後で?」
レイカー「そうさせぬためのオペレーション・プランタジネットだ」
ケネス「L5戦役とは状況が違う。先程も言った通り、奇跡は二度も起きん」
レイカー「なら、どうするつもりだ?」
ケネス「……ノイエDCと手を組み、奴らと共に異星人共を駆逐する」
サカエ「……!!」
ケネス「我々がインスペクターを打ち破るにはその方法しかない」
レイカー「……ケネス、お前が言うことはもっともだ」
ケネス「ほう、物わかりがいいな」
レイカー「ただし、それはノイエDCが一枚岩である場合の話だ」「彼らの中に潜む影が駆逐されぬ限り、私は彼らと手を結ぶことに賛同できん」
ケネス「影、だと……?」
レイカー「そうだ。今回の事件には黒幕が存在している。それも複数のな」
ケネス(ミツコ・イスルギ……いや、ニブハル・ムブハルのことか?)
レイカー「……」
ケネス「まあいい。貴様の指揮権は現時刻を以て剥奪される」「直ちにその旨を貴様の部下達に説明しろ。ハガネやヒリュウ改も含めてな」
レイカー「……いいだろう」
サカエ「し、司令!」
レイカー「やむを得まい。インスペクターが極東地区へ勢力を伸ばしつつある今……」「オペレーション・プランタジネットは何としても成功させねばならんのだ」
サカエ「し、しかし……!」
レイカー「無駄に騒ぎ立てれば、兵達に動揺を与えてしまう」「今回の件は上層部の体制が変わっただけのこと……」「ケネス、お前達も下にはそう表明するつもりなのだろう?」
ケネス「そうだ。こちらとしても、無用な血は流したくないのでな」
レイカー「……」
ケネス「貴様らの身柄を拘束する前に質問がある」「スペースノア級三番艦、クロガネ……あれをどこへやった?」
レイカー「クロガネだと? 知らんな」
ケネス「寝言を言うな! L5戦役後、ここの地下ドックで改修を行っていたはずだ!」
レイカー「あの艦はすでに私の管轄下から離れた。戦力として使いたいのなら、自分で捜すがいい」
ケネス「き、貴様……!」
レフィーナ「え……!? 司令部の様子が変ですって?」
ショーン「はい。先程から音信不通……各部への指示伝達も滞っています」
レフィーナ「何か事故が起きたのでしょうか?」
ショーン「それならば、伝達の方法はいくらでもあります」「全くの音信不通という点がどうも気になりますな」
ダイテツ「……」「……総員、第1種戦闘配置」
テツヤ「は……!?」
ダイテツ「この空気……気にいらん。総員、第1種戦闘配置だ」
ショーン「そうした方が賢明ですな。どうもキナくさい雰囲気です」
レフィーナ「りょ、了解しました。総員、直ちに第1種戦闘配置!」
一般兵「ケネス少将、ハガネとヒリュウ改に動きが!」
ケネス「フン、気づきおったか?」
レイカー(ダイテツ……レフィーナ中佐……!)
ケネス「さすがは貴様の子飼いの連中だ。いい勘をしておる。レイカー、すぐに連中へ武装解除命令を出せ」「ワシも使える手駒を失いたくはないのでな」
〔警報〕
ケネス「何だ!?」
一般兵「わ、湾内に急速浮上してくる物体あり!!」「識別はプラチナム1! シ、シロガネです!!」
ケネス「ば、馬鹿な! あの艦が何故ここに!?」
〔敵ユニット出現〕
テツヤ「シ、シロガネ!!」
リー「……久しぶりだな、テツヤ」
テツヤ「リー! お……お前! 無事だったのか!?」
リー「……そうだ」
テツヤ「無事なら、何で連絡をしてこなかった!? 俺達がどれだけ心配したと……」
リー「その必要はない」
テツヤ「何!?」
リー「フフフ……もうその必要はないのだ」
〔敵ユニット出現〕
エキドナ「……」
ウォーダン「……」
レフィーナ「あ、あの機体は!?」
ダイテツ「ノイエDCか!!」
テツヤ「リー! これはどういうことだ!?」
リー「見ての通りだ、テツヤ。私は連邦軍と決別した。異星人共を殲滅させるためにな」
テツヤ「な、何だって!?」
ダイテツ「全艦、迎撃態勢! PT各機、緊急発進!!」
〔味方ユニット出現〕
〈出撃準備〉
タスク「お、おいおい! どうなってんだよ、こりゃあ!?」
キョウスケ「……どうやら、達ははめられたらしいな」
マサキ「くそっ、リーが連中が手引きしやがったのか!?」
ライ「それだけとは思えん。他にもいるはずだ」
マサキ「何っ……!?」
ラミア「……」
キョウスケ「どのみち、ここで引き下がるわけにはいかん。……行くぞ!」
マサキ「おう!!」
ラミア「動くな!」
マサキ「!?」
ラミア「全機に告ぐ。直ちに武装解除してもらおう」
エクセレン「ラ、ラミアちゃん!?」
カチーナ「武装解除だと!?」
キョウスケ「どういうことだ? ラミア」
ラミア「強制はしない。だが、アンジュルグには自爆装置がある……」「ただの爆薬ではない。お前達はおろか、ハガネやヒリュウ改も撃沈できる」
ダイテツ「!」
レフィーナ「な、何ですって!?」
アラド「ラ、ラミアさん、どうしたんだよ!? 何でそんなことを!?」
ラミア「それが私の任務だからだ」
アラド「に、任務!?」
ライ「やはり、お前は……!」
ラミア「繰り返す。直ちに武装解除せよ。……抵抗する素振りを見せれば、その瞬間にアンジュルグを自爆させる」
リューネ「馬鹿言ってんじゃないよ! そんなことをしたら、あんただって死ぬんだよ!?」
ラミア「死ぬことで任務が遂行できるならば、それでいい」
リューネ「!!」
カチーナ「ラミア! てめえッ!!」
ラミア「……お前達の心がけ次第では、全員無事で『シャドウミラー隊』の直属として活動することが出来る」
キョウスケ「シャドウ……ミラー!?」
〔敵ユニット出現〕
アラド「あ、あのロボットは!?」
ブリット「この間、転移してきた特機……!!」
ヴィンデル「ご苦労だった、W17」
ラミア「はっ……」
クスハ「W17!? そ、それって……ラミアさんのことなんですか!?」
ラミア「そう……。それが私の本当の名称だ」
クスハ「ほ、本当の……名称!?」
キョウスケ「お前達は何者だ? シャドウミラー……それが組織の名前なのか?」
ヴィンデル「そう。そして、私の名はヴィンデル・マウザー……シャドウミラーの指揮官だ」
キョウスケ「……」
ヴィンデル「会えて光栄だ。連邦軍特殊鎮圧部隊ベーオウルブズ隊長……キョウスケ・ナンブ大尉」
キョウスケ(特殊鎮圧部隊? 大尉だと……?)
エクセレン「ちょっと、あんた達! ウチのラミアちゃんに何をしたの!?」
レモン「何も。彼女は私達の仲間……わかりやすく言えば、スパイってわけ」
エクセレン「……!」
レモン(そう……あの子が……)(……やっぱり、こういう出会いになってしまうのね)
エクセレン(何……? こっちを見てる……?)
ラミア「……」
レモン(W17……ハガネのブリッジを制圧しろと言ったはずなのに……何で外から脅しているのかしら?)
ヴィンデル「では……返答を聞こうか、ダイテツ・ミナセ中佐。武装解除に応じるか、否か?」
ダイテツ「……」
ケネス「待て、話が違うぞ! 奴らの指揮権はワシが握ることになっておるはずだ!」
ヴィンデル「お前は……ケネス少将か。司令部の制圧は成功したようだな」
ダイテツ「何だと?」
レフィーナ「せ、制圧!?」
ケネス「貴様……余計なことを言いおって!」
カイ「うぬっ! すでに外堀は埋められていたと言うことか!」
ダイテツ「スティール2より各機へ!その場で一時待機せよ!」
カイ「りょ、了解……!」
ヴィンデル「賢明な判断だ」
キョウスケ「ヴィンデルと言ったな。お前達の目的は何だ?」「こんなまわりくどいやり方をしたからには、それなりの目的があるはずだ」
ヴィンデル「我らの目的は一つ……理想の世界を創ることだ」
キョウスケ「理想の世界だと?」
イルム「こりゃまた、随分と大仰な話だな。要は世界征服ということか?」
ヴィンデル「言い方を変えれば、そうかも知れん」「だが、何を以て理想の世界とするかは、世界を創る者のみが決定する権利を持つ」
ラミア「…………」
ヴィンデル「そして、世界征服はその権利を行使するための過程に過ぎない」
カチーナ「ゴタクはいい! てめえの理想とやらを言ってみろ!!」
ヴィンデル「……永遠の闘争……絶えず争いが行われている世界……それが我々の理想の世界だ」
マサキ「ふざけんな! そんな世界のどこが理想だ!!」
レモン「理想よ。戦争があるから、破壊があり……同時に新たな創造が始まる」「戦争があったからこそ、発展した技術がどれほどあるか、考えたことがあって?」
ツグミ「戦争で発展した技術……!?」
レモン「そう……」「例えば、テスラ・ドライブは戦争がなければ、現状ほどの小型化・高性能化は進んでいなかった」
ツグミ「!」
レモン「そして、ヒュッケバインを始めとするEOTを応用した人型機動兵器……」「トロニウムを動力源とするSRX……これらは異星人との戦争がなければ生み出されなかったわ」
リュウセイ「!」
レモン「あなた達が使っている兵器は戦争が生み出した技術の結晶……人類の叡智とも言えるものなのよ」
アイビス「そんなことが……そんなことがあってたまるもんか!」
ツグミ「科学は人類の発展のためにあるものよ!」「戦争のための技術が人類の叡智でなどあるはずがないわ!」
ヴィンデル「だが、戦争なくして人類の発展はあり得ん。それは歴史が証明している」
リー「大佐の言う通りだ。戦争が戦争があるから英雄は生まれる。そして、その者こそが……」「異星人と駆逐する者となる」
テツヤ「お前、本気でそんなことを言っているのか!?」
リー「テツヤ……インスペクターを倒せるのはシャドウミラーだけだ」
テツヤ「何!?」
リー「故に私は彼らの側についた。そして、人類は闘争によって己を高め……さらなる力を得る」「そう……貴様ら以上の力をな」
テツヤ「お前はそのために戦争を継続させると言うのか!?」「そのために犠牲を払っても構わないと言うのか!?」
リー「犠牲はすでに払われている。貴様やケネスのような無能な軍人のせいでな」
テツヤ「!」
リー「シャドウミラーこそ、私の理想の軍隊。兵士は己の任務に忠実であり、命を捨てることも厭わない」
ウォーダン「……」
エキドナ「……」
ラミア「……」
リー「彼らでなければ、地球圏を防衛することが出来んのだ」
クスハ「だからと言って、戦争を継続させるなんて間違ってると思います!」
ブリット「そうだ! 俺達は戦争を続けるために戦っているんじゃない!」「お前達のような連中からこの世界を……そこで生きる人達を守るために戦っているんだ!!」
リー「フン、末端の兵士は己の任務のことだけを考えていればいい」「そして、任務を確実に遂行する兵器であればいいのだ」
アラド「ふざけんな! おれ達は兵士であっても、兵器じゃねえ! マシンじゃねえんだ!!」
ラミア「………」
アラド「ラミアさんだって、そうじゃないんスか!?」
ラミア「…………」
ヴィンデル「W17に問うても無駄だ。先程リー中佐が言った通り、奴は任務に忠実な人形だからな」
アラド「え!?」
クスハ「に、人形だなんて……!」
ヴィンデル「……最後通告だ、ダイテツ・ミナセ中佐。武装解除をしてもらう」「さもなくば……死だ」
ダイテツ「……」
テツヤ「艦長……!」
ダイテツ「闘争が人類の発展を促す……確かに、あの男の言う通りだろう」
ヴィンデル「……」
ダイテツ「だが、戦いによって生まれるものと失われるもの……それは等価値ではない!」
ラミア「……その通りだ」
〔ラミア、ヴィンデルへ接近〕
ヴィンデル「む……!?」
レモン「W17……あなた、何を?」
ラミア「ヴィンデル様、レモン様……」
〔ラミア、ヴィンデルへ隣接〕
〔機体の拘束音〕
〔画面、振動〕

ヴィンデル「貴様、何の真似だ!?」
ラミア「ATA……ASH TO ASH、発動」
レモン「! あなた、まさか!?」
ラミア「我々は、この世界に来るべきではなかったのだ……」「今ならわかる。あの時、我々を否定した彼らの気持ちが」「この世界は私のような作り物が介入できる所ではなかったのだ……!」
レモン「!」
ヴィンデル「ええい、所詮は人形! 貴様、狂っていたかッ!」
ラミア「学習したのだ……!」
ヴィンデル「W15、16! アンジュルグを引きはがせ!」
エキドナ「はっ」
ウォーダン「させんぞ、W17ッ!」
ラミア「もう……遅い!」
レモン「何故……何故なの、W17!? 最高傑作のあなたが!?」
ラミア「……出来が良すぎたのかも知れんな……!」
レモン「やめなさい、W17ッ!!」
ヴィンデル「!!」
〔ラミア、自爆〕
〔画面、振動〕

リョウト「!!」
クスハ「ああっ!!」
エクセレン「ラ、ラミアちゃん!!」
ラーダ「そんな……!」
ヴィレッタ「自爆したのか……!」
アラド「う、嘘だろ……!? ラミアさん!!」
キョウスケ「……」
マイ(あ、あの人は……何故、あんなことを……)
エキドナ「ご無事ですか? ヴィンデル様、レモン様……!」
レモン「あ、あの子……どうして私達を……!?」
ヴィンデル「チ……! システムXNが損傷したか」「戦闘も不可能……! おのれ、人形風情がよくも……!」
レモン「こっちも……駄目ね。システムXNのこともあるし、ここは撤退すべきでしょう」
ヴィンデル「仕方あるまい……! リー中佐、ハッチを開けろ。帰艦する」
リー「はっ」
〔ヴィンデル、リーへ隣接〕
ヴィンデル「W15、16……後詰めは貴様らに任せるぞ」
ウォーダン「承知」
レモン「! あれは……!?」
〔カーソル、ラミアが自爆した地点を指定〕
ヴィンデル「レモン、何をやっている? 退くぞ!」
レモン「よし、回収……っと」
〔レモン、リーへ隣接〕
ヴィンデル「とんだ邪魔が入ったな。だが、この次は……!」
〔敵ユニット離脱〕
カチーナ「あいつら、逃げる気か!?」
レモン「皆さん、戦いはこれからよ。有意義な闘争を楽しみましょう、ふふふ……」
エクセレン「……!」
レモン(またね、エクセレン……)
〔敵ユニット離脱〕
リー「ASRS展開! 急速潜行!」
〔リー、潜水〕
〔敵ユニット離脱〕

キョウスケ「逃がしはせん!」
ウォーダン「キョウスケ・ナンブ……ここから先は通さぬ」
エキドナ「お前達の相手は我々がする」
キョウスケ「ならば、押し通るまで!」
カイ「各機、攻撃を開始しろ!!」
<戦闘開始>

<キョウスケvsウォーダン>

キョウスケ「闘争が永遠に続く世界……それを創り出すためにお前達はラミアをおれ達の下に送り込み……」「おれ達をシャドウミラーに組み入れようとしたわけか」
ウォーダン「……そうだ」
キョウスケ「だが、ラミアはそれを否定した……」「ヴィンデルという男、まだ己の地盤を固められていないようだな」
ウォーダン「大佐の理想はW17の反乱で揺らぐものではない。そして、我が使命もな」
キョウスケ「ならば、お前の使命とは?」
ウォーダン「……」「立ち塞がる敵を全て斬る。シャドウミラーではなく、メイガスの真の剣となるために」
キョウスケ「真の剣……!?」

<エクセレンvsウォーダン>
エクセレン「ノイエDCの影で色々動いてたのは、あなた達ってわけね」
ウォーダン「そうだ」
エクセレン「でも…ラミアちゃんはあなたとは違うわ。あの子は私達を……」
ウォーダン「その通り。俺はW17とは違う……」
エクセレン「!」
ウォーダン「俺はメイガスの剣。シャドウミラーの理想の礎となるメイガスを守る剣だ」

<エクセレンvsエキドナ>
エクセレン「どうやら、かなり前からあなた達に目をつけられてたらしいわね」
エキドナ「……」
エクセレン「でも、私達のことを色々調べてたくせに……」「ラミアちゃんの心の中はわかってなかったんじゃない?」
エキドナ「心などない。W17は機能不全に陥っただけだ」
エクセレン「え?」
エキドナ「私をW17と同じにするな。私は、与えられた指令に疑いなど持たない……」「壊れたW17とは違うのだ」

<マサキvsウォーダン>
マサキ「やっぱり、シュウの野郎が言ってた影ってのはてめえらのことだったようだな!」
ウォーダン「影、か……。言い得て妙だな」「だが、その影が日の目を見る時が来たのだ!」

<ウォーダンorエキドナHP60%以下orウォーダン&エキドナ以外の敵全滅・勝利条件達成>
エキドナ「……W15、シロガネから撤退命令が来たぞ」
ウォーダン「承知した」
〔敵ユニット離脱〕
ユン「敵機、撤退しました!」
キョウスケ「………」(ラミア……何がしたかったんだ? どちらがお前の真意だ?)
ケネス「おのれ、ヴィンデル! 獅子身中の虫めが!」「永遠の闘争だと!? 理想の世界だと!? この非常時に戯言をぬかしおって!」「奴らを生かしておけば、ワシらの足下がすくわれかねん!」「ダイテツ・ミナセ! 直ちにシロガネを追跡せよ!」
ダイテツ「……何故、レイカーでなく少将がワシらに命令を下すのだ?」
ケネス「総司令部からの命令により、本日付けをもってワシが極東方面軍の司令官となった!」
ダイテツ「何!?」
レフィーナ「そんな……! 話が突然すぎませんか、少将!?」
ケネス「ならば、総司令部に確認を取るがいい!」
ショーン(これは……やはり)
ダイテツ(上の方で何かあったな。それも最悪に近い事態が……)
ケネス「何をぐずぐずしておる! さっさとシロガネを追え!!」
ダイテツ(……レイカーは人質と言うわけか)「了解。これより、本艦とヒリュウはシロガネを追撃する」
【戦闘マップ終了】

【シナリオエンドデモ開始】

連邦政府・大統領府
〔機関銃の銃声〕
秘書「だ、大統領! 早くお逃げ下さい! 我々だけでは防ぎ切れません!」
ブライアン「いや、もういいよ。武器を捨て、白旗を掲げたまえ」
秘書「は!?」
ブライアン「これで僕の舞台はフィナーレということさ」
秘書「し、しかし!」
ブライアン「今は内輪で争っている場合じゃない。直ちに抵抗を止めるんだ」
秘書「は、はい……」
〔扉の開閉音〕
連邦兵「武器を捨て、両手を挙げろ!」
ブライアン「フッ……ウィザードにしちゃ、やり方が随分と無粋だね。それだけ時間がなかったということか」
連邦兵「……」
ブライアン(今の時代に必要なのはイージスの盾でなく、ハルパーの鎌……。だが、その鎌は死神に魅入られている)(どちらにせよ、長くはないよ……グライエン・グラスマン)

ハガネ艦内
カチーナ「くそっ! ラミアの奴が敵のスパイだったとはな!」
キョウスケ「……」
ラーダ「……」
カチーナ「この分じゃ、あたしらの情報はあのシャドウミラーって連中に相当洩れてるに違いねえぜ!!」
ラッセル「しかし、彼女はシャドウミラーの命令に逆らって……」
カチーナ「あめえぜ、ラッセル! 奴の真意がどうだろうが……」「今までいけしゃあしゃあと仲間のフリして、敵に情報を流してたことに違いはねえんだ!」
クスハ「なら、どうしてラミアさんは自爆したんですか……?」「どうして私達を助けてくれたんですか……?」
カチーナ「そ、そいつは……」
エクセレン「ラミアちゃんにとって、私達は敵じゃなくなってたのよ」「仲間だって思ってくれてたのよ。でなきゃ、あんなこと……」
カチーナ「だが、それすらも仕組まれたことだったらどうする?」「それに、他にもスパイがいるかも知れねえ」
ラッセル「ほ、他にも?」
カチーナ「ああ。あのマイって奴は怪しいぜ」
ラーダ「……!」
カチーナ「あのガキは、エアロゲイターのレビ・トーラーに似てやがる。あいつもひょっとしたら……」
ラッセル「彼女はアヤ大尉の妹さんなんですよ? いくら何でもそんな……!」
クスハ「……」
キョウスケ(だが、あの時……ホワイトデスクロスと戦った時、アヤ大尉は……)
ラーダ「……」(やはり、あの子のことをアヤに確かめなければ……)

ハガネ格納庫
マサキ「くそっ……やっぱりシュウの野郎が言ってた影ってのは、奴らのことだったか」
リオ「そして、ラミアさんはその一員で私達の敵……」
ブリット「やめてくれ、リオ。俺はあの人が敵だなんて思いたくない」
リオ「でも、現にシャドウミラーはアンジュルグのコックピットブロックを回収していったのよ!」「それが何よりの証拠じゃない!」
ブリット「そのことはラミアさんの意思とは関係ない!」「それに、あの人はシャドウミラーの指揮官を倒そうとしたんだぞ!」
イルム「おい、お前ら……そこまでにしとけよ」
リオ「イ、イルム中尉……」
イルム「どのみち、俺達はシロガネを追ってるんだ。答えは自ずと出る」
ブリット「中尉はラミアさんのことをどうする気なんですか?」
イルム「敵なら倒す……それだけだ」
ブリット「しかし……!」
イルム「お前の気持ちもわかるがな……あのシャドウミラーという連中は、今までの経緯を見ても只者じゃない」「謎の機体を使い、空間転移装置を持ち、ゼンガー少佐の偽者まで送り込んでくる……」
マサキ「ああ。あいつら、インスペクターよりタチが悪いぜ」
ブリット「それは……わかってる。でも、俺は……」
イルム「さっきも言った通りだ。答えは自ずと出る」「シャドウミラー……そして、ラミアについての答えがな」
【シナリオエンドデモ終了】


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