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No.36B
ルナティック・ドリーム

【シナリオデモ開始】
ムーンクレイドル
〔扉の開く音〕
ヴィガジ「……」
メキボス「よう、ヴィガジ。お前さんがわざわざムーンクレイドルまで来るとはな」「ネビーイームの方は一段落ついたのかよ?」
ヴィガジ「……今もアインストの攻撃を受けている」
メキボス「なるほど、こう着状態は相変わらずってわけか」
ヴィガジ「不利な状況ではないが、度重なる戦闘で兵器や弾薬の消耗が激しい」「それに、地球側が月に対して不穏な動きを見せているという情報も入った」
メキボス「ほ〜う……もしかして、そいつはハガネとヒリュウ改かよ?」
ヴィガジ「後者だけだ。あの艦は宇宙に上がり、月へ接近しているらしい」
メキボス「それで、兵器生産の催促と護衛を兼ねてお前がここへ来たってわけか」
ヴィガジ「ああ、そうだ。このプラントは我々の生命線の一つだからな」
メキボス「……ご覧の通り、真面目にやってるぜ? 第3次生産は遅れ気味だがよ」
ヴィガジ「急がせろ。このままではウェンドロ様どころか、本国への示しもつかん」
メキボス「へいへい」

ヒリュウ改艦橋
リューネ「ノイエDCの部隊から通信が入ったってホントなの!?」
マサキ「ああ。今、レフィーナ艦長が話してるぜ」
リューネ「あいつら、この期に及んでいったい何のつもりで……!」
マサキ「どうやら、こっちに喧嘩を吹っ掛けてきたわけじゃなさそうだ」
リューネ「え!?」
NDC艦長「……繰り返して言うが、そちらと戦闘を行う意思はない」「我らの敵はあくまでもインスペクター……彼らを退けるために貴艦の力を貸していただきたい」
レフィーナ「……」
リューネ「あんた達、どういうことなの!?」
NDC艦長「リューネ様……!」
リューネ「あたしを知ってるってことは、昔からDCにいたんだね?」
NDC艦長「はっ……。我々はバン大佐直属の部隊でした」
リューネ「あんた達の本当の目的は何? 大佐の仇討ちかい?」
NDC艦長「先程も申し上げた通りです。我らはあなたのお父上やバン大佐の遺志を受け継ぎ……」「異星人から地球圏を守るために集まった者……。二心は持っておりません」
リューネ「集まったって……」
NDC艦長「我々はオペレーション・プランタジネットの後、有志を募り……宇宙へ上がってきたのです」「インスペクターへ一矢なりとも報いるために……」
リューネ「じゃあ、あんた達は……」
NDC艦長「リューネ様、我らの志はあなたと同じです。どうか我々を信じて下さい」
リューネ「……」「……今のDCにもあんた達みたいな連中がいるんだね」
NDC艦長「リューネ様……」
リューネ「信用するよ、あんた達のこと」
NDC艦長「……ありがとうございます」
レフィーナ「……副長、私は彼らの申し出を受け入れようと思っています。異論はありますか?」
ショーン「いえ。こちらとしては少しでも戦力が欲しいところですからな」
レフィーナ「わかりました。では、そちらの作戦をお聞かせ願えますか?」
NDC艦長「了解です」

ブリーフィングルーム
カチーナ「……なるほど、プランタジネットよろしく共同戦線を展開しようってのか」
ショーン「おや……いつもと違う反応ですな、中尉」
カチーナ「あたしだって、今がどういう状況かよくわかってるさ」「アインストは月周辺には現れていねえ……つまり、あたしらはインスペクターの猛攻を受ける」「なら、手下の数は多いほどいいってこったろ?」
ラッセル「て、手下って……」
ショーン(そういう所は同じですな)
レフィーナ「では、ムーンクレイドル奪還作戦の概要について説明します」「まず、我々が月面上空から接近し……敵の迎撃部隊を可能な限り引きつけます」「その間、ノイエDCのパーソナルトルーパー部隊が別方向から月面へ降下……」「クレイドル内部へ突入し、プラントの中枢制御装置を破壊します」
マサキ「……いつもと違って、今度は俺達が囮役か」
リョウト「プランタジネットの時のように向こうが僕達を本命だと思ってくれればいいんだけど……」
カチーナ「相手があの白目のハゲ野郎だったら、トサカに来てあたしらに突っかかってくるかもな」
リューネ「じゃ、あいつが出てきたら、挑発役は中尉に任せるよ」
カチーナ「おう、ああいうのを怒らせるのは得意中の得意だぜ」
カイ「なお、ラミアとアイビスの2名は突入部隊に参加し、任務を遂行してくれ」
ラミア「了解……」
ツグミ「アイビス、あなたの任務はアステリオンの性能を生かしての敵機のかく乱よ」
アイビス「わかったよ」
ツグミ「ラミア、あなたには中枢制御装置の詳細なデータを渡します。万が一の場合は……」
ラミア「機体から降り、制御装置を直接破壊すればいいのだな?」
ツグミ「危険が伴う任務ですが……」
ラミア「……今までにも何度かこなしたことのある任務だ。任せてもらおう」
リン「……レフィーナ艦長、突入部隊には私も参加しよう」
レフィーナ「え?」
リン「ムーンクレイドルの建設には私の会社も加わっており、DC戦争の時はあの中にいたこともある」「クレイドルの内部については、この中の誰よりも詳しいつもりだ」
ショーン「ふむ……いわゆる土地勘をお持ちのリン社長なら……」
レフィーナ「では……お願いできますか、社長?」
リン「了解した。……わがままを聞いてもらってすまない」
リオ「しゃ、社長……」
リン「リオ、ムーンクレイドルの奪還はマオ社やセレヴィスを取り戻すことにもつながる……」「だから、何としてでも今回の作戦を成功させねばならん」
リオ「しかし……!」
リン「危険なのはお互い様だ。お前もユアンを救い出すために全力を尽くせ」
リオ「わ、わかりました」
イルム「……じゃあ、俺も行くとするか」
リオン「いや……私のわがままで、これ以上ヒリュウの戦力を減らすわけにはいかない」「お前は陽動に回ってくれ」
イルム「……」
リン「それとも……私の腕が信用できないか?」
イルム「……わかった。その代わり、助けを求めてきたって知らないぜ?」
リン「フッ……自分のことは自分で何とかするつもりだ」
レフィーナ「では、各員は直ちに配置について下さい」
〔扉の開く音〕
アイビス(ノイエDCの部隊……スレイ、あなたはそこにいるの?)(共同作戦ならばあんたと戦うことはないよね……)
ツグミ「アイビス……今は目の前のことに集中して」
アイビス「わかってる……。でも……」
ツグミ「……スレイのことはなるようにしかならないわ」「あなたは作戦の成功と自分が生き残ることを考えて……」
アイビス「うん……」

ムーンクレイドル内部
〔警報〕
ヴィガジ「何? クレイドルの上空にヒリュウが?」
メキボス「ああ、まっすぐこっちへ向かって来てるぜ」
ヴィガジ「……俺が奴らを迎え撃つ。お前はここの守りを固めろ」
メキボス「おいおい、お前が行くのかよ?」
ヴィガジ「俺が何のためにここへ来たと思っているのだ?」
メキボス「そりゃわかってるが、もう少し様子を見た方がいいんじゃねえか?」
ヴィガジ「言ったはずだ。ウェンドロ様だけでなく、本国への示しもあるとな」
メキボス「……」
ヴィガジ「それに、奴らには二度も煮え湯を飲まされた。このまま済ますつもりはない」
〔扉の開く音〕
メキボス「……」(……リーダーとしてのメンツがあるってわけか)(でも、そんなものに拘ってたら、足下をすくわれかねないぜ……?)
【シナリオデモ終了】

【戦闘マップ1開始】

〔敵ユニット出現済み〕
〔味方戦艦出現〕

ユン「本艦前方に熱源反応あり! インスペクターの迎撃部隊です!」
レフィーナ「各機、直ちに出撃して下さい!」
〔味方ユニット出現〕
〈出撃準備〉
ヴィガジ「フン、たった1隻で我らの勢力下にある月へ正面から乗り込んでくるとは……」「どうやら、ラングレー戦から何も学んでいなかったらしいな。所詮は力だけの野蛮人共か」
イルム「こっちも贅沢言えないんでね。いつもより数が少なくて悪いが、あんた達にはそろそろご退場願うぜ」
ヴィガジ「良かろう。いずれ地球とアインストの方は始末をつけるとして……」「まずはお前達に消えてもらう」
カチーナ「上等だ! てめえこそそこを動くんじゃねえぞ、白目ハゲ!!」
ヴィガジ「だ、黙れ! ハゲではない! これは剃っているだけだ!!」
カチーナ「ヘッ、どうだかな! 今日こそケリをつけてやるぜ!!」
ヴィガジ「おのれ、許さん! ここから先へ行けると思うな、地球人めが!!」
カチーナ「望むところだ! ビビって逃げんじゃねえぞ!!」
ヴィガジ「その台詞、そのまま貴様らに返してやる!!」
マサキ「……見事なまでの火に油の注ぎっぷりだな」
カチーナ「ヘッ、あたしの演技もなかなかのモンだろうが」
ラッセル(演技……だったのか、あれ?)
イルム「何にせよ、こっちの手に乗ってくれそうな感じだな」
ブリット「ええ。後はどこまであの連中を引きつけられるか、ですね」
イルム(リン、アイビス、ラミア……上手くやれよ)
カイ「各機へ。別働隊がクレイドルへ突入するまで、奴らをこちらに引きつけろ」
キョウスケ「了解」
カイ「攻撃開始! 行くぞ!!」
<戦闘開始>

<ヴィガジ以外の敵全滅・勝利条件達成>

ヴィガジ「チッ! もはやバイオロイド共では奴らの相手にならんと言うのか!?」
〔通信音〕
ヴィガジ「クレイドルからの通信? 別働隊の襲撃を受けているだと!?」「おのれ、貴様ら! 囮だったのか!?」
イルム「そういうことだ。気づくのが遅かったな」
ヴィガジ「チッ! そんな戦力をどこに隠していた!?」
リューネ「あんた達が倒したバン大佐直属の部隊さ!」「あの連中も、インスペクターを倒すっていう目的は同じだからね!」
ヴィガジ「くっ、シャドウミラーめ! ノイエDCをまとめ切れておらんとは!!」
イルム「お前達が思ってるほど、地球人は戦争馬鹿じゃないってことさ」
ヴィガジ「ええい、有象無象共が! やらせんぞ!!」
レフィーナ「全機、月面への降下開始! 上空より別働隊を支援します!!」
【戦闘マップ1終了】


サブタイトル
「ルナティック・ドリーム」


【戦闘マップ2開始】
〔味方ユニット出現済み〕
〔敵ユニット出現〕

アイビス「見えたよ、ムーンクレイドルが!」
〔カーソル、ムーンクレイドルを指定〕
ラミア「囮作戦が功を奏しているようだな。防衛戦力が予想より少ない」
リン「ああ。私達でクレイドルへの突破口を開くぞ!」
メキボス「やれやれ、ヴィガジの奴……まんまと連中の手に乗せられやがって」
リン「ラミア、アイビス、クレイドルへは私が先に突入する。目標地点はあそこだ」
〔カーソル、目的地点を指定〕
リン「二人共、援護を頼むぞ」
ラミア「了解」
アイビス「みんなが頑張っている……。あたし達だってやるんだ……!」
メキボス「……例の手は役者が揃ってからにするか。ここらで一網打尽といきたいしな」
リン「全機、突入開始!」
<戦闘開始>

<味方が目的地点へ接近or5PP・味方増援1&敵増援1出現>

メキボス「……さすがに俺もこれ以上見物してるわけにはいかねえか」
〔敵ユニット出現〕
アイビス「くっ、突入口の上に!」
ラミア「インスペクターの指揮官機か!」
メキボス「さあて、いっちょ盛り上げてやるぜ!」
〔実弾の発射音〕
〔味方ユニット撃破〕

アイビス「ノイエDCの機体が!!」
メキボス「ヒュッケバインとお前らの機体はレア物なんでな……。こっちに渡してもらうぜ」
〔敵ユニット出現〕
リン「!!」
アイビス「か、囲まれた!?」
メキボス「命が惜しければ、大人しくお前らの機体をよこしな」
アイビス「黙れ! この命に代えてもアステリオンは渡すもんか!」
メキボス「そうかい。だが、周りの状況をよく見な」「仲間を囮に回したおかげで、お前らは孤立無援だぜ?」
アイビス「くっ……!」
〔通信音〕
スレイ「……相変わらずのていたらくだな、流星」
アイビス「え!?」
スレイ「下がっていろ!」
〔味方ユニット出現〕
スレイ「ターゲット・マルチロック! ファイア!!」
〔スレイ、ミサイル発射〕
〔敵ユニット撃破〕

メキボス「何っ!?」
スレイ「まだだ! 行くぞ!!」
〔スレイ、ミサイル発射〕
〔敵ユニット撃破〕

ラミア「あの機体は……!」
アイビス「どういうつもりなの、スレイ……!?」
スレイ「……お前に借りを作ったままではいられないのでな……」
アイビス「借り……?」
スレイ(テスラ研を奪回して救い出したのはお前達だ……)(なのに、兄様を救うためにノイエDCに加担した私は結局、このザマだ……)
アイビス「スレイ……」
スレイ「私も援護する! そちらへ早くクレイドルへ!」
リン「了解した!」

<メキボスHP80%or味方援軍1の3ターン後PP・味方援軍2&敵増援2出現>
メキボス「フン、たった4機で……しぶとい連中だぜ」「しょうがねえ、タイミングはちと早いが……こいつを使うとするか」
〔メキボスを中心に重力波の広がり〕
アイビス「! き、機体が!!」
〔システムダウンの音〕
スレイ「機体が動かない!?」
〔システムダウンの音〕
ラミア「くっ! 重力フィールドか!?」
〔システムダウンの音〕
リン「これはお前の仕業か!?」
メキボス「そうさ。重力系の技術に関しては、お前らより俺達の方が上なんでな」
リン「……!!」
メキボス「もっとも、効力範囲に難があるんだが……」
〔リン、メキボスへ隣接〕
アイビス「ヒュ、ヒュッケバインが引き寄せられた!?」
メキボス「……範囲内なら、こういう芸当が可能ってわけだ」
リン「お、おのれ……!!」
メキボス「おおっと、じたばたすんじゃねえぞ。……お前らもな」
スレイ「くっ……!」
メキボス「もっとも、動きたくても動けねえだろうが」
スレイ「貴様、何をする気だ!?」
メキボス「もちろん、人質って奴さ。……あいつらに対してのな」
スレイ「!」
〔味方戦艦出現〕
〔味方ユニット出現〕

イルム「リン!!」
リン「イルム……!!」
メキボス「ご覧の通り、お前達の仲間が乗ったヒュッケバインを預かっている」「助けたければ、直ちに武装解除し、お前達の機体をこちらへ引き渡せ」
イルム「何だと……!?」
メキボス「同じことは二度言わねえぜ、イルムとやら」
イルム「チッ……!」
メキボス「さあ、どうする? お前達も下等生物とは言え、分別ぐらいはあるンだろうが」「それとも、ここで仲間を見殺しにするか?」
イルム「……」
リン「私のことは構うな。ムーンクレイドルを取り戻すチャンスを逃がしてはならない……!」
イルム「ああ……わかったぜ、リン」
メキボス「何……!? 仲間を見捨てる気か!?」
イルム「そうだ。人質にした相手が悪かったな、メキボス」
ブリット「イ、イルム中尉! リン社長を助けないんですか!?」
イルム「俺はお前やアラド達ほど格好良くは出来ないんでね……」「この状況で成すべきことは、ムーンクレイドルの奪還だ」「そして、それはあいつが一番良くわかってる」
リン「その通りだ、イルム……」「ここでムーンクレイドルを制圧しなければ、インスペクターとの戦いに勝利はない……!」「構わんから、私ごと奴を撃て!」
イルム「ああ、苦しまずに殺してやる……リン」
メキボス「な、何だと……!?」
リューネ「イルム! あんた、本気なの!?」
イルム「もちろんだ。……行くぞ、メキボス!」
メキボス「だが、ここに来れば貴様も身動きが取れなくなる! 結果は同じだぞ!」
〔通信音〕
???(シュウ)「はたして、そうでしょうか?」
メキボス「!? 誰だ!?」
〔味方ユニット出現〕
シュウ「……」
マサキ「グ、グランゾン!!」
ギリアム「何故、あの男がここに……!?」
メキボス「ハッ、こいつはとんだ珍客だな!」「ちょうどいい、貴様の機体も動けなくしてやるぜ!」
シュウ「フッ……愚かな」
〔シュウを中心に重力波の広がり〕
メキボス「ぐううっ!!」
〔リン、元の位置へ移動〕
リン「! 機体が!!」
ラミア「機体が動く……!!」
メキボス「じゅ、重力干渉波だと!?」
シュウ「ククク、その程度の重力波など……」「重力を操る私のグランゾンにとっては、子供騙しに過ぎませんよ」
メキボス「馬鹿な! 奴は俺達より優れた重力技術を持っていやがるのか!?」
シュウ「フッ……自分達より優秀な者がいないなどとお思いなのですか?」
メキボス「まさか、お前は……!?」
シュウ「……ええ。あなた達の思惑に乗るほど、私は愚かではありません」
マサキ「シュウ! てめえの目的はいったい何なんだ!?」
シュウ「随分な言葉ですね、マサキ。私はあなた達の手助けをしに来たと言うのに……」
マサキ「誰もそんなことを頼んじゃいねえ! 本当の目的は何だ!? 答えろ!!」
シュウ「……ここへは用事ついてでに寄っただけです」「心配なさらずとも、あなた達の邪魔をするつもりなどありませんよ」
マサキ「嘘をつくんじゃねえ!」
シュウ「前にも言ったでしょう? 異星人やシャドウミラーの台頭は、私にとっても好ましくないと……」「だから、私はあなた達に協力しているのです」
マサキ「だが、三度もてめえを信じるほど俺は甘くねえぜ!!」
シュウ「……話になりませんね。それに、今のあなたの相手は私ではないでしょう?」
マサキ「チッ……そんなこと、言われなくてもわかってるぜ!」
シュウ「私もこれ以上のお節介をする気はありません……」「それでは……あなた達の健闘を祈っていますよ、ククク」
〔味方ユニット離脱〕
マサキ「くそっ、あの野郎……!!」
イルム「……だが、これで仕切り直しだな、メキボス」
メキボス「……」「……どうやら、今回もしてやられたようだな」
イルム「……!」
メキボス「俺はお前らに対する認識を間違っていたらしい……」「俺達の予想を上回るお前達の力……その源が何なのか、わかったような気がする」「そして……俺達が下した決断は誤りだったのかも知れねえ」
イルム「どういう意味だ?」
メキボス「ま、今日の所はお前に免じて引きあげるとするぜ」
〔敵ユニット出現〕
ヴィガジ「冗談ではないぞ、メキボス!」
メキボス「……ヴィガジか」
ヴィガジ「このムーンクレイドルは我らのプラントだ! ここを失えば、大きな痛手になるのだぞ!」
メキボス「……」
ヴィガジ「貴様、ウェンドロ様にどう申し開きをするつもりだ!?」
メキボス「ヴィガジ……お前は本当にそれでいいのか?」
ヴィガジ「何だと!?」
メキボス「この戦いの意味を考えたことがあるのか?」
ヴィガジ「馬鹿なことを! この戦いこそは正義!」「宇宙の侵略者である地球人を掃討することが目的だ!!」
メキボス「本当にそう思っているんだな?」
ヴィガジ「我々はウェンドロ様の命令を聞いていればいいのだ!」「軍人である以上、命令は絶対! それをいちいち疑っていては軍は機能せん!!」
メキボス「……なら、お前と話すことはもうない。俺はネビーイームへ帰還する」「そして、ウェンドロの意思を確かめる」
ヴィガジ「好きにしろ! だが、このことはあのお方に報告するぞ!」
メキボス「構わんさ。……お前が生きて還れたらな」
ヴィガジ「世迷い言を言うな! 俺はあんな下等生物共に負けはせん!!」
メキボス「そうかい。じゃ、あばよ」
〔敵ユニット離脱〕
イルム(メキボス、お前は……)
ヴィガジ「チッ、腰抜けめが! お前などいなくても、俺はここで奴らを駆逐する!!」「そう! やがて銀河を蝕むことになる病原菌を! 侵略者を排除するのだ!!」
リューネ「馬鹿言ってんじゃないよ! 侵略者はあんた達の方だろ!」
ヴィガジ「侵略ではない! これは銀河の秩序を守るための予防策! 正義の戦いなのだ!」
イルム「……正義ってのは人それぞれだからな。あんたにも言い分はあるだろうよ」「だがな、因果応報って言葉もある。人の家に土足で踏み込んだ報いはきっちり受けてもらうぜ」
ヴィガジ「黙れ! 貴様らこそ我が正義の鉄槌を受けるがいい!」
マサキ「今までインスペクターがやってきたこと…侵略がてめえらの正義だってんなら……」「俺はそんなものを認めねえ! そして、てめえらの勝手な言い分を黙って受け入れる気もねえ!」「ヴィガジ! ここで引導を渡してやるぜ!」

<ヴィガジ撃破>
ヴィガジ「ば、馬鹿な! この俺が敗れるだと!? あんな……あんな連中に!!」「地球人ごときにこの俺が!! こ、この俺がぁぁっ!!」「認めん! 断じて認めんぞォォォォォッ!!」
〔敵ユニット撃破〕
カチーナ「よし! 怪獣野郎を仕留めたぜ!!」

<敵全滅・勝利条件達成>
レフィーナ「ユン、ムーンクレイドル内に動きは?」
ユン「ありません。沈黙しています」
リン「レフィーナ艦長、私はこれからプラントのラインを止めに行く」「ギリアム少佐、タカクラチーフ、手伝ってくれ」
ギリアム「了解した」
ツグミ「……」
リン「どうした?」
ツグミ「……すみません、スレイ少尉と少し話をさせて下さい」
スレイ「………」
ツグミ「スレイ……戻ってこない?」
スレイ「タカクラチーフ……」
アイビス「もうすぐ、この戦いも終わる……。いや、あたし達が終わらせる……」「そうしたら、またプロジェクトTDが始まるんだ」「フィリオとツグミとあたしとあんたとで……」
スレイ「アイビス……お前は……」(この戦いの最中にも夢を忘れていなかったのか……)(やはり、お前こそが……兄様と夢を同じくする者……。それに引き換え私は……)
ツグミ「スレイ……」
スレイ「さよならだ……
アイビス「え…」
スレイ「兄様と……プロジェクトTDを頼む……」
〔味方ユニット離脱〕
アイビス「スレイ……」
ツグミ「スレイは……私達の元を去った自分自身を許すことが出来なかった……」
アイビス「そんな……」
ツグミ「それが彼女のプライド……スレイはそういう子だから……」
アイビス「スレイ……」
【戦闘マップ2終了】

【シナリオエンドデモ開始】

ヒリュウ改艦橋
ユン「ノイエDC艦、戦闘宙域から離脱していきます」
ショーン「……艦長、よろしいので?」
レフィーナ「ええ。あの状態では戦闘はもう無理でしょう……」
リューネ(礼を言いたかったところだけど……今はあの連中の無事を祈るしかないか……)
レフィーナ「それに……彼らの力があったからこそ、我々はムーンクレイドルを奪還することが出来たのです」
ショーン「確かに」
マサキ「……このままあの連中を見逃すってことかよ?」
ショーン「結果的にはそうなりますな。今の私達に彼らをどうこうする時間や余裕はありませんし……」「今からアースクレイドルへ戻ったとしても、あそこはすでにクロガネ隊によって陥落しております」
マサキ「それ、本当かよ!?」
ショーン「はい。先程、テツヤ艦長代理から連絡がありました」
マサキ「そうか……向こうも上手くいったのか」
〔通信音〕
ユン「艦長、ムーンクレイドルのリン社長より通信が入っています」
レフィーナ「……わかりました。こちらに回して下さい」
〔通信音〕
リン「こちらリンだ。……艦長、予想外の事態が発生した」
レフィーナ「予想外……? まさか、プラントに何か?」
リン「いや、そうではない。クレイドル内の敵バイオロイド兵が全て活動を停止しているのだ」
レフィーナ「えっ……!?」
ギリアム「……どうやら、彼らの制御に使われているNNCネットワークに異常が生じたようです」「しかも原因はインスペクター側にあるのではなく……」「第三者によって仕組まれたウイルス類である可能性が高いと思われます」
リューネ「第三者って……!?」
マサキ「まさか!?」
ギリアム「ああ……シュウ・シラカワ博士だろう」
マサキ「……!」
リン「月に配備されているバイオロイド兵に同じNNCネットワークが使われているとすれば……」「ムーンクレイドルだけでなく、他の月面都市や基地に同じような現象が起きている可能性もある」
レフィーナ「わ、わかりました。すぐにこちらでも確認を取ってみます」
マサキ「……」(シュウのことだ、俺達のためにやったわけじゃねえだろうが……)(結果的には、またあいつに助けられたことになっちまったか……)

ホワイトスター内部
ウェンドロ「ふうん……ヴィガジがやられたのか」
アギーハ「はい。ムーンクレイドル……いえ、月は地球人に奪還されてしまいました」
ウェンドロ「月が? どういうことだい?」
アギーハ「何者かが月面基地や都市に配備されていたバイオロイドの機能を停止させたからです」
ウェンドロ「へえ……地球人にそんな芸当が出来るとはね」「もしかして、シュウ・シラカワの仕業かな?」
アギーハ「おそらくは。あの男はこちら側の技術やシステムをある程度知っているはずですから」
ウェンドル「ま、今回はこれ以上動かないだろうさ。標的が違うからね」
アギーハ「……月の方はいかが致しましょう?」
ウェンドロ「アインストのこともある。しばらくは放っておいていいよ」「こちら側の兵器は、今までの生産分やイスルギからの提供分で充分過ぎるほど数が揃ってるし……」「地球人もここへ攻めてくる余裕はないはずだからね」
アギーハ「わかりました」
ウェンドロ「ところで、メキボスは? あの男も死んだのかい?」
アギーハ「いえ。任務を途中で放棄し、月から単身脱出……現在は音信不通です」
ウェンドロ「……」(ふふふ……メキボス、やっぱり君はその程度の男だったようだね……)

ヒリュウ改艦橋
リオ「父様!」
ユアン「リオ……お前達のおかげで助かったよ」
リョウト「よくご無事で……」
ユアン「ああ。このセレヴィスにいた私達は、インスペクターのバイオロイド達の監視下にあったが……」「被害はほとんど受けていない。社員達もみんな無事だよ」
リン「苦労をかけたな、常務」
ユアン「いえ、社長こそ。早速、私達は本社とムーンクレイドルに行って事後処理を行います」
リオ「父様、私は……」
ユアン「わかっているよ、リオ。ホワイトスターへ行くんだね」
リオ「うん……」
ユアン「……必ず戻ってくるんだ。母さんと一緒にお前とリョウト君、そして皆さんの帰りを待っている」
リオ「ええ、必ず帰るわ」
ユアン「リョウト君、くれぐれも娘のことを……」
リョウト「はい……リオは僕が守ります」
ユアン「うむ、頼むよ」
リン「では、常務……社とクレイドルの方は任せるぞ」
ユアン「ええ。社長達のご武運を祈っております」
〔通信音〕
イルム「……リョウト今のは決まったな」
リョウト「え……?」
イルム「お許しが出たも同然ってことさ」
リョウト「ぼ、僕はそんなつもりで言ったわけじゃ……」
リューネ「それより、イルム。リンを人質に取られた時のこと……あれ、ブラフだったんでしょ?」
イルム「いや、本気さ」
リューネ「え!?」
イルム「本気で撃つつもりだった。もっとも、当たるかどうかはリン次第だったがな」
リン「……私もイルムの弾に当たるつもりなどなかった」
リオ「じゃあ、中尉と社長は……」
イルム「ま、何だかんだで付き合い長いからねえ、俺達。互いのクセのよく知ってるのさ」
リューネ「何だ、やっぱり助けるつもりだったんだね」
イルム「言ったろ? 俺はアラドやブリットほど格好よく出来てないってね」
ショーン「ふむ……素直になれないのは、年を食った証拠ですな」
イルム「こりゃ手厳しいことで」
レフィーナ「……副長、クロガネとの合流ポイントについては?」
ショーン「月軌道上P1147……先方にも連絡をしておきました」
レフィーナ「わかりました。では、これより本艦はクロガネとの合流ポイントへ向かいます」
【シナリオエンドデモ終了】


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