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No.7
過去、そして彼方より

【シナリオデモ開始】
〔第3軍ユニット出現済み〕
???(ノイレジセイア)「……」「問題……あり」「……宇宙……」「監視……。静寂……で……なければ……」「二つのルーツ……。望んでいない……世界」「混乱……混沌……。守護者を……排除……」「世界の……修正……」「完成する……。新たなる生命……」「……失敗」「やはり……ニンゲンは……」

日本近海
アーチボルド「ほう……ヒュッケバインMk-IIに続き、R-1の量産型ですか」
ユウキ「ええ。確認した機体はまだ試作初期段階の物のようでした」
アーチボルド(はて、妙ですね)(そんな物が伊豆にあったにも拘わらず、ローズは何も言ってきませんでしたが……)
ユウキ「どうかされましたか?」
アーチボルド「いえ、別に。それでは、ユウキ君……次の作戦内容を伝えます」
ユウキ「はっ」
アーチボルド「本艦隊はこれより黄海方面へ転進……」「中国山東地区沿岸でアーマードモジュール隊を出撃させ、ポイントF2234を偵察します」
ユウキ「あの周辺に連邦軍の基地などありませんが?」
アーチボルド「ええ、知っていますよ」
エキドナ「そこへ行って、あなた方の主任務が果たせるのですか?」
アーチボルド「これは手厳しい。しかし、上手くいけば大きな見返りがあるかも知れないんですよ」
エキドナ「見返り? 現時点の情報では賛同できかねます」
アーチボルド「なら、目的地に我々の戦力となり得るものが眠っているとすればどうです?」
エキドナ「戦力?」
アーチボルド「ええ。古代中国で造られていたという『超機人』……」「かつて、LTR機構のマコト・アンザイ博士がその存在を立証しようとした古の機械人形……」「伝説では悪魔と戦ったと言われる巨大なロボットですよ」
クエルボ「!」「そ、そんな物が過去に実在していたのですか……?」
アーチボルド「まあ、にわかには信じられない話だと思いますがね」
エキドナ(超機人……。こちらのデータにはないな)
ユウキ「古代中国でロボットが造られていたなど……非常識ではありませんか?」
アーチボルド「おやおや、君は意外に頭が固いようで」「旧西暦時代ならともかく……今は異星人の存在が実証されている世の中ですよ?」
ユウキ「それとこれとは話が別だと思いますが」
アーチボルド「もしかして、君は超常現象や怪奇現象を信じていないクチですか?」
ユウキ「それが何か?」
アーチボルド「……ひょっとして、宇宙人の存在も?」
ユウキ「……」
アーチボルド「呆れましたね。確固たる証拠がある上、政府公認の存在だと言うのに……」
ユウキ「……」
アーチボルド「いいですか、ユウキ君」「事実は小説より奇なり。この世界には、君の想像を遥かに超えた物が実在しているのです」「現に超機人は過去の文献にもいくつか記述が見られるんですよ」
ユウキ「神話や伝説の類ですか?」
アーチボルド「それに加え、旧西暦の世界大戦前後に超機人が出没したという記録も残されています」
クエルボ「少佐はその記録を調べられたのですか?」
アーチボルド「実は意外に身近な所に手掛かりがありましてね……」
クエルボ「手掛かり?」
アーチボルド「ええ。僕の家、グリムズ家に伝わる文献です」「それによると、僕の先祖は過去に超機人と接触していたようなのです」
クエルボ「……!」
アーチボルド「ご存じかも知れませんが、僕の家は元々イギリス貴族でしてね」「一時期は財団を持つほどの隆盛を誇ってましたが……」「どうやら超機人と関わったことが没落のきっかけになったようです」「おかげで、今は貴族などとは無縁の生活ですよ。ま、別に困っちゃいませんが」
ユウキ(それで先祖代々の因縁があると言っていたのか……)
エキドナ「少佐、あなたはその超機人の存在を信じているのですか?」
アーチボルド「正直、僕もこの間まではマユツバものでした」「しかし、ローズからの情報でLTR機構が遺跡の発掘をしていることがわかり……」「是非、自分の目で真実を確かめてみたいと思いましてね」
エキドナ(超機人……。レモン様に報告する必要があるな)「いいでしょう。私もこれ以上反論はしません」
アーチボルド「ユウキ君はどうです?」
ユウキ「命令とあらば従います」
アーチボルド「結構。セロ博士、ブロンゾ27と28は次の任務で使えますか?」
クエルボ「それが……実は27号……ゼオラが若干不安定な状態なのです」
アーチボルド「おやおや、欠陥品は28号の方だけではなかったのですか?」
クエルボ「申し訳ありません。原因は早急に追及します」
ユウキ(モノ扱いか? あの二人は……)
エキドナ「では、彼らの代わりに私が出撃しましょう」
アーチボルド「ほう……君は僕達の監視をしているだけかと思っていましたよ」
エキドナ「何か問題でも?」
アーチボルド「いえいえ。では、ご協力願いましょうか」

DC戦艦個室
カーラ「具合はどう? ゼオラ」
ゼオラ「すみません、頭痛と腹痛がひどくて……」
カーラ「ま、しょうがないよ。前回、あんな目に遭ったんだから」
ゼオラ「でも、あれぐらいのことでダウンするようじゃスクールの名折れです」
カーラ「……ね、一つ聞いていいかな?」
ゼオラ「はい。何でしょうか?」
カーラ「あんた、本気でDCを再興しようって思ってんの?」
ゼオラ「ええ。ビアン総帥の仇を討ち、あの方の悲願であった軍事政権の樹立を実現させ……」「異星人から地球圏を守るために……」
カーラ「……」
ゼオラ「……リルカーラ少尉はどうしてDCに?」
カーラ「あたし? あたしもあんたと同じような感じかな」
ゼオラ「え……?」
カーラ「あたしの故郷さ、L5戦役の時にエアロゲイターの攻撃を受けちゃってね」「父さんや母さん、弟が死んで……あたしだけ生き残ったんだ」
ゼオラ「……」
カーラ「そして、そこをユウ達に助けられたの」
ゼオラ「じゃあ、少尉はご家族の仇討ちを……?」
カーラ「うん……。まあ、そんなところかな」
〔扉の開閉音〕
クエルボ「……ゼオラ、薬を持ってきたよ」
ゼオラ「あ、セロ博士……」
クエルボ「すまない、リルカーラ少尉。席を外してくれないか?」
カーラ「……ああ、いいよ」
〔扉の開閉音〕
クエルボ「……前々回の戦闘、ビルトファルケンの奪取任務の後からあまり調子がよくないようだね」
ゼオラ「……」
クエルボ「何かあったのかい?」
ゼオラ「実は……」「ビルトファルケンにラトが乗っていたんです」
クエルボ「ラト? もしや、ラトゥーニ11か……!?」
ゼオラ「……」
クエルボ「あ、いや……すまない。あの子には名前を付けてあげることが出来なかったからね」「しかし、彼女が生きていたとは……」
ゼオラ「ええ、私も驚きました」「それで……わけがわからなくなって、ラトに拳銃を……」
クエルボ「何だって……?」
ゼオラ「自分でもどうしてあんなことをしたのか……わからないんです」
クエルボ(調整中に投与した精神高揚剤のせいか? 思考が混乱しているようだな)
ゼオラ「あの時、ビルトファルケンと一緒にラトも連れて帰ってあげれば……」
クエルボ「何故、今までそのことを僕に黙っていた?」
ゼオラ「す、すみません。アラドには話したんですが……」
クエルボ(アラドへの依存心が不必要に強すぎるな。再調整が必要かも知れない)
ゼオラ「お願いです、博士。この事をオウカ姉様に伝えて下さい」「ラトを一番可愛がっていた姉様が来てくれれば、きっとあの子も……」
クエルボ(だが、今のオウカにとってラトゥーニの存在は逆効果になるかも知れん……)
ゼオラ「博士?」
クエルボ「わかった。彼女のことは僕から伝えておくよ」「とにかく、今は体調を整えることに専念するんだ」
ゼオラ「……はい」

伊豆基地格納庫
ラミア(すぐにハガネの出撃命令が下ると思ったが、待機とはな)(なら、今の内にアンジュルグで指令のディスクを確認しておくか)(……)
〔モニターの開く音〕
ラミア(……! 機密通信装置がショートしている)(やはり、連絡がつかなかったのはこのためか)(W16との接触タイミングが予めわかっていれば、部品と言語部位の交換用シナプスの請求が出来たものを)(ここでの修理が無理となると、ディスクも見られん。しばらくは独自の判断で動くしかないか)

ハガネ艦内
リュウセイ「なあ、ハガネはいつ出撃するんだ?」
エクセレン「さあねぇ」
リュウセイ「かれこれ三日……もう待ちくたびれたぜ」
キョウスケ「敵の本命はこの伊豆基地かも知れん。下手に動くのは得策じゃない」
エクセレン「そそ。『家宝は寝て持て』って言うでしょ」
ブリット「あれ? 『練って待て』じゃありませんでしたっけ?」
キョウスケ「『果報は寝て待て』だ。しかも使い方が違うぞ」
リュウセイ「何でもいいけど、このままハガネに缶詰ってのもなあ」
ラミア(だが、この機会に伊豆基地の情報を収集することが出来た)(後はSRXの性能を調べたかったが……)(パイロットの処遇を含め、向こうとは事情が違うようだな)
リュウセイ「……あ~あ、ライの野郎がうらやましいぜ」
ラミア「少尉はどこかへ行かれましたでございますか?」
リュウセイ「京都だよ。それにしても、その喋り方……全然直らないんだな」
ラミア(自分でもどうにもならん)
エクセレン「まあ、そのうち気にならなくなるわよ。それより……」「色男さんてば、もしかして噂のシャイン王女と京都で密会とか? いやん、大胆ねぇん」
リュウセイ「あり得ねえ。300%ぐらいあり得ねえ」
ラミア「では、何をしに?」
リュウセイ「半休を取って墓参り。ほら、あいつ……R-2パワードが仕上げるまで時間があるからさ」
ラミア「墓参り……。もしかして、エルザム・V・ブランシュタイン少佐の?」
リュウセイ「いや、あいつの兄貴は行方不明だけど……死んじゃいねえと思うよ」
エクセレン「ボスと一緒に山の中でキャンプでもしてるんじゃなぁい?」
ブリット「まさか……いくら何でもそんな」
ラミア(……生存は確実ということか)
リュウセイ「にしても、ライに兄貴がいるってよく知ってたな」
ラミア「ええ。何かと有名な方でいらっしゃられますから」
キョウスケ「……」
ラミア(やはり、予想以上に向こうと状況が違っているな)

京都地区
ライ「……」(カトライア義姉さん……)(エルザム兄さんと同じく、しばらくの間、ここへは来られなくなります)(もし、過去を清算し……再びここにあなたの名前と同じ花を捧げることが出来たら……)(その時、俺はあなたに本当の別れを告げます)(ですから……それまでは)
〔通信音〕
ライ「緊急コール……? もしや!」

ハガネ艦橋
エイタ「テツヤ大尉、R-2パワードの搬入が終了しました」
テツヤ「ライと連絡は取れたか?」
エイタ「はい。途中で本艦と合流するそうです」
ダイテツ「敵潜水艦隊の進路は?」
エイタ「南西諸島小宝島沖で我が軍の第12艦隊に捕捉された後、北北西へ進路を変更……」「69.3%の確率で黄海へ進入すると思われます」
ダイテツ「目的地は中国大陸か……?」
テツヤ「敵は先日伊豆基地に奇襲をかけてきた連中でしょうか? それとも別艦隊による陽動……」
ダイテツ「まだわからんな。だが、レイカーから出撃命令が出た以上、行くしかあるまい」「これより本艦は第12艦隊と連携をとり、敵艦隊を追撃する」
テツヤ「了解! 総員、発進準備を急げ!」
【シナリオデモ終了】


サブタイトル
「過去、そして彼方より」


【戦闘マップ開始】
〔敵ユニット出現済み〕
スタッフ「アンザイ博士、すぐに避難して下さい!!」
エリ「あ、あの機体は!?」
スタッフ「あれは連邦軍ではありません! おそらく、DCの残党です!」
エリ「何てこと……! ようやく超機人の発掘作業が軌道に乗ったというのに」
スタッフ「やはり、彼らは……?」
エリ「ええ。最後の超機人がこの蚩尤塚に眠っていることを知っているようね」
スタッフ「そ、そんな! どうやってそのことを!?」
エリ「私の父の説……20世紀初頭に超機人が姿を現していたという説が本当だとしたら……」「超機人に関する資料……神話や伝承以上に詳しいものが他に存在していてもおかしくないわ」
アーチボルド「……ふむ。どうやら、まだ宝物は掘り出されていないようですね」
ユウキ「今というタイミングで確認する必要はなかったのでは?」
アーチボルド「見つかってからでは遅いんです。動き出す前の超機人を押さえないと面倒なんですよ」
エキドナ(だが、遺跡の地下からは何の反応もない……本当にそんな物がここに眠っているのか?)
カーラ「……ねえ、ユウ。何か変な感じがしない?」
ユウキ「どんな?」
カーラ「何か寒気みたいなの。地面の下から漂ってきてない?」
ユウキ(言われてみれば……)
カーラ「もしかして、チョーキジンって奴のせいかな?」
ユウキ「関連性があるとは思えん。それに、俺はまだ超機人の存在を信じちゃいない」
カーラ「ユウはこの手の話、苦手だもんね」
ユウキ「非常識だからな」
アーチボルド「……では、敵の追撃隊が現れる前に仕事を済ませましょうか」
エキドナ「仕事?」
カーラ「まさか、あたし達で超機人を発掘すんの!?」
アーチボルド「そうですよ。何のためにここまで来たと思ってるんです?」「爆薬を使って、一気に土砂を吹き飛ばしますよ」
ユウキ「遺跡ごとですか?」
アーチボルド「ええ。必要なのは超機人だけですし、あれはそう簡単に壊れる物ではありませんからね」
エキドナ「発掘現場にいる人間は?」
アーチボルド「ああ、気にする必要はありませんよ」
エキドナ「了解」
カーラ「ちょっと待ちなよ! 相手は民間人だよ!?」
アーチボルド「何を今さら。僕達は戦争をやってるんですよ?」
カーラ「でも、相手は非武装なのに!」
アーチボルド「関係ありませんね」
ユウキ「少佐、ここは彼らに退去勧告を出せば済むことだと思います」「まもなく現れる敵を迎撃するためにも、弾薬は節約するべきでは?」
アーチボルド「なるほど。ユウキ君、君は無駄な血を流したくないと?」
ユウキ「少なくとも、今という状況では」
アーチボルド「そうですか。でも、僕は無駄な血を流すのが好きなんですよ」「特に民間人のね」
ユウキ「!」
〔発掘現場に爆発〕
〔画面、振動〕

スタッフ「うわあああっ!!」
〔発掘現場に爆発〕
〔画面、振動〕

スタッフ「うああっ! に、逃げろ!」
アーチボルド「ふふふふ……はははは」
ユウキ「!?」
アーチボルド「あ~っははははは!!」
エキドナ「!」
アーチボルド「この感覚、たまりませんねぇぇ!!」「格別、格別です! 無抵抗の人間を相手にするのは! あははははは!」「いや、まったく! 昔を思い出しますよ、はははは!」
カーラ「くっ……!!」
アーチボルド「あァ、これは失敬。僕としたことが、つい興奮してしまいました」「それに、君の過去を思い出させてしまったようですねぇ」
カーラ(こ、こいつ……!)
エキドナ(自分の楽しみのためにあれだけの弾薬を消費するのか。……非効率的すぎる)
アーチボルド「カーラ君、どうです? 君も狩りを楽しまれては?」
カーラ「じょ、冗談じゃないよ!!」
アーチボルド「まあ、いいでしょう。無理強いはしません。予想以上に早く追っ手が来たことですしね」
カーラ「!」
〔味方戦艦出現〕
〔味方ユニット出現〕

カーラ「ハガネ……! もう追いついてきた!?」
ダイテツ「やはり、敵は伊豆基地へ仕掛けてきた連中だったか」
テツヤ「しかし、彼らは何のためにここへ……!?」
ダイテツ「詮索は後だ。敵部隊の撃退と同時に民間人の救出作業を行う」「直ちにPT部隊を出撃させろ」
テツヤ「はっ!」
〈出撃準備〉
エクセレン「ねえ、キョウスケ。何なの、ここ?」
キョウスケ「LTR機構の発掘現場だ。説明を聞いていなかったのか?」
エクセレン「そうじゃなくて、何か変な感じがしない?」
キョウスケ「変だと?」
エクセレン「うん……」
イルム「特に何も感じないがな。リュウセイ、お前はどうだ?」
リュウセイ「言われてみれば、空気が妙によどんでいるような……」
ブリット「ああ。足の下から冷気みたいなものを感じる。地下に何かあるのか?」
エクセレン「ん~……そういう感じ方とは違うんだけど」
ラミア(わからんな。彼らは何を言っている?)
カイ「お前達、今は目の前の敵に集中しろ。いいな?」
エクセレン「はぁ~い」(とは言ったものの、気になるのよねぇ)
ラミア(地下から特殊な反応など出ていない。いったい何があるというのだ?)
エキドナ(あの機体はSMSCアンジュルグ……パイロットはW17か)(出来れば、この場での交戦は避けたいところだな)
カイ「ライ、機体の調子はどうだ?」
ライ「特に問題ありません。いけます」
アーチボルド「ほう、あれはSRX計画のR-2……」「なら、パイロットはブランシュタイン家の次男、ライディース……ふふ、因縁ですね」
ユウキ「少佐はあの機体のパイロットを知っているのですか?」
アーチボルド「ええ、まあ。もっとも、直接の面識はありませんが」
ユウキ「……」
アーチボルド「では、僕達は遺跡の発掘に専念しますから、他の皆さんは敵の足止めを頼みますよ」
カイ「来るぞ! 各機、散開して迎撃!」
<戦闘開始>

<2EP・敵増援1出現>

エクセレン「!?」
キョウスケ「どうした?」
エクセレン「何か胸騒ぎがする……。何なの、これ?」
キョウスケ「エクセレン?」
エクセレン「ここにはやっぱり何かがある……!?」
ラミア(この感覚……微妙にだが、空間が歪んだ……?)(まさか、あの技術がこちら側に……?)
〔警報〕
エイタ「艦長! 本艦周辺に重力異常反応が!」
ダイテツ「反応の数は!?」
エイタ「4つ……5つ……! ど、どんどん増えていきます!」
ラミア「これは空間転移だ! 警戒しろ!」
エクセレン「え!?」
キョウスケ「空間……転移だと?」
ラミア(だが、この反応は本隊のものではない……!)
エクセレン「う、うう……! 何、これ?」
テツヤ「スティール2より各機へ! 周辺を警戒せよ!」
リュウセイ「い、いったい、何が出て来るってんだ!?」
〔敵ユニット出現〕
ブリット「あ、あれは……!!」
イルム「見た目は骸骨に植物……何者なんだ、あいつら?」
ラミア(やはり、本隊ではない。そして……)
エキドナ(彼らでもない。もしや、あれが超機人なのか?)
アーチボルド「……」
ラトゥーニ「該当するデータ、なし。可能性があるとすれば、エアロゲイター……」
ライ「だが、奴らの兵器とは系統がまるで違うぞ」
リュウセイ「ああ。まるで特撮物に出てくる怪獣みてえだぜ」
ラミア(こちらのデータにも該当なし。正真正銘のアンノウン、か)
キョウスケ「いずれにせよ、転移してきたのなら、出所はあの遺跡ではないようだな」
エクセレン「……」
???(アインストクノッヘン)「……メザメ……サセルワケニハ……」
エクセレン「!」
キョウスケ「ん? 今、奴らが言葉を……」
リュウセイ「は!? なに言ってんだ?」
ブリット「そんなもの聞こえませんでしたけど……」
キョウスケ「何……!?」
エクセレン「今、あのホネホネが喋らなかった?」
ライ「いや、何も聞こえていない」
エクセレン「え!?」
リュウセイ「こっちも声なんて聞こえなかったぜ」
エクセレン(ど、どういうこと?)
ラミア「エクセ姉様、機体のレコーダーにもそのような物は記録されてませんでございます」
エクセレン「そんな……」
キョウスケ(聞こえたのはおれとエクセレンだけか……? どういうことだ?)
アーチボルド「……どうやら、予想外の客が現れたようですね」
エキドナ「ならば、あれは超機人ではないと?」
アーチボルド「ええ。資料に書かれていたものとは大きく違います」(ですが、これで信憑性が出てきましたよ)(あの物体の正体はわかりませんが……)(僕達と同じく超機人目当てでここに現れた可能性が高いですからね)「じゃ、皆さん。ここは撤退しますよ」
ユウキ「……いいのですか?」
アーチボルド「予想外の客に対する準備はしてきていませんし、命あっての物種ですからね……」「残念ですが、超機人の件はまたの機会にしましょう」
ユウキ「了解です」
〔敵ユニット離脱〕
エイタ「DC残党部隊、撤退しました!」
テツヤ「直ちに追撃を!」
エイタ「待って下さい! アンノウンが遺跡への攻撃を開始しました!」
テツヤ「攻撃!? なら、あれは兵器なのか!?」
ダイテツ「DC残党の追撃は別部隊に任せる! PT各機はアンノウンを迎撃しろ!」
カイ「了解!」
エクセレン「う、うう……!」
キョウスケ「どうした、エクセレン!?」
エクセレン「だ、大丈夫。ちょっと気持ち悪いだけ」
キョウスケ(だが、おれは何ともない。どういうことだ?)
カイ「各機、散開してアンノウンを叩け!」

<敵全滅・勝利条件達成>
エイタ「アンノウンの全機撃墜を確認しました。新たな反応もありません」
リュウセイ「……いったい何だったんだ、あいつら?」
ブリット「さあ……中に人は乗ってなさそうだったが」
エクセレン「……」
テツヤ「エイタ、DC残党部隊はどうなった?」
エイタ「第12艦隊の報告待ちですが、おそらくロストしたかと」
テツヤ「そうか……」
ダイテツ「本艦はここに止まり、LTR機構スタッフの救出作業を行う。PT各機に周辺の警戒をさせろ」
テツヤ「はっ」
【戦闘マップ終了】

【シナリオエンドデモ開始】

ハガネ艦橋
テツヤ「艦長、発掘責任者のエリ・アンザイ博士をお連れしました」
ダイテツ「うむ」
エリ「LTR機構、特殊考古学部門主任のエリ・アンザイです」「先程は我々を救助していただきありがとうございました」
リュウセイ「……なあ、ブリット。LTR機構って何だ?」
ブリット「名前は聞いたことあるけど、詳しいことは知らないな」
ライ「ロスト・テクノロジー・リサーチ機構……主にオーパーツの発掘・調査を行っている組織だ」
リュウセイ「オーパーツ?」
ライ「それを生み出した時代や文化のレベルに合わない発掘物のことで……」「旧西暦時代に発見されたマヤ遺跡の水晶ドクロや、ボゴタの黄金シャトルが有名だ」
リュウセイ「ふ~ん」
イルム「……LTR機構のアンザイ博士……どこかで聞き覚えがあるな」
エイタ「さすがイルム中尉。チェックが早いですねえ」
イルム「ああ、ちょっとキツめな感じが結構好みでな……じゃなくて」「そう、思い出した。何年か前に地球内空洞説の新説を唱えた博士じゃないか?」
ブリット「地球内空洞? それって、もしかして……」
イルム「ああ、マサキがいたっていうラ・ギアスのことだろうな」「そして、アンザイ博士はサイバスターが現れる前からその存在を主張していた……」
エリ「それは私ではなく、父のマコトですわ」
イルム「じゃあ、お父上は?」
エリ「1年前、行方不明になり……そのまま消息を絶ちました」
イルム「そうだったんですか……」
ダイテツ「アンザイ博士、単刀直入にお聞きする。遺跡を襲撃したアンノウン……あれに心当たりは?」
エリ「確証は持てませんが、『百邪』の一種か、それに近いものだと思います」
ダイテツ「百邪?」
エリ「はい。太古の昔、この地上に存在していたと言う悪魔や妖怪の類ですわ」
テツヤ「神話や伝説ならともかく、現実にそんな物が存在しているなんて……」
ダイテツ「だが、あのアンノウンを見た以上……信じられぬ話ではあるまい」
テツヤ「確かに……」
ダイテツ「それで、博士……アンノウンがここへ現れた理由について何かおわかりか?」
エリ「おそらく、あの遺跡……」「『蚩尤塚』に眠っている物を狙ってきたのだと思います」
テツヤ「しゆうづか?」
エリ「蚩尤とは中国神話に登場する軍神……」「伝説の帝王・黄帝との戦いで敗れ、封印された魔神のことです」
ダイテツ「では、博士は遺跡からその蚩尤を?」
エリ「いえ。私達が発掘していたのは『超機人』……」「古の時代の人々が百邪と戦うために造り出した巨大な機械人形のことです」
テツヤ「な……!?」
ブリット「巨大な機械人形!?」
リュウセイ「それって、スーパーロボット!?」
エリ「そう考えてもらっても構いませんわ」
リュウセイ「大昔にそんなのが造られてたなんて……も、燃えるぜ」「もしかしたら、超機人対大怪獣ってな展開が……!」
ライ「不謹慎だぞ、リュウセイ」
リュウセイ「あ……すまねえ」
テツヤ「待て、お前達。それ以前に疑問を感じないのか?」
リュウセイ「疑問?」
テツヤ「そうだ。現代ならともかく、古代中国の話だぞ。そんな時代にロボットが造られていたなど……」
リュウセイ「だから、オーパーツって奴なんでしょう?」
エリ「ええ、そうです」
ブリット「……本当に蚩尤塚の中にロボットが埋まっているんですか?」
エリ「それを実際に確かめるため、私達は発掘作業を行っていたのです」
ダイテツ「もしや、先程のDC残党も……?」
エリ「はい。どこかで超機人の情報を入手し、蚩尤塚へ現れた可能性が高いと思います」
ブリット「……超機人はどんな姿や力を持っているんですか?」
エリ「この地方の古文書によれば、蚩尤塚に眠る超機人は1体……」「龍と虎の姿を持ち、その力は一国の運命をも変えると言われています」
ブリット「龍と虎……」
イルム「国の運命をも変える、か。DC残党が手に入れようってのもわかるような気がするな」
ライ「そして、アンノウンの登場が超機人の信憑性を高めたというわけですね」
エリ「はい」
ブリット「……博士、超機人は人が乗って操作する物なんですか?」
エリ「古文書には超機人に選ばれた人間ならば可能と記されていました」
ブリット「選ばれた人間……」
エリ「逆に、それは超機人自体が意志を持っていることを示唆しています」
リュウセイ「まさに神秘のスーパーロボットだな。ああ、乗ってみてえ~」
ブリット「リュウセイ、誰でも乗れるものじゃないんだぞ」
リュウセイ「そりゃわかってるけど、選ばれる基準って何なんだろ?」
ブリット「さあ……」
エリ「いずれにせよ、詳細は実際に超機人を発掘してからでないと……」
ダイテツ「博士は今後も作業を続けられるおつもりか?」
エリ「……はい。あのアンノウンとの関連性を含め、調査を進める必要があると思います」
ダイテツ「それはこちらからもお願いしたい所だ」「ただ、今後もDC残党やアンノウンが蚩尤塚に現れる可能性が高い」「発掘現場の護衛に関しては今回の件の報告も含め……」「ワシの方から極東方面軍司令部に掛け合ってみよう」
エリ「ありがとうございます」
イルム「軍だけじゃなく、テスラ研にも話をしておいた方がいいかもな」
エリ「テスラ研……あのオーバーテクノロジー研究機関の?」
イルム「ええ。古今東西、ロボット絡みの話なら、あそこの力を借りた方がいいですね」
エリ「しかし、すぐに協力してもらえるとは……」
イルム「じゃあ、俺の方から連絡しておきますよ」
エリ「え?」
テツヤ「彼の父親……ジョナサン・カザハラ博士はテスラ研の所長を務めているんです」
エリ「そうなんですか。では、お言葉に甘えさせてもらってよろしいでしょうか?」
イルム「構いませんよ。じゃ、博士の連絡先を教えて下さい」「出来れば、プライベートのアドレスも込みで」
エリ「あいにく、仕事先のものしか持っておりませんの」
イルム(あらら、もしかしてラドム博士と同じタイプ?)
エイタ「残念でしたね、中尉」
イルム「なになに、これからさ」

ハガネ艦橋
ダイテツ「……DC残党のみならず、あのような物体が出現するとはな」「超機人とやらの存在も含め、どうもキナ臭くなってきたようだ」
テツヤ「何かの前触れでしょうか?」
ダイテツ「ああ。前回のような……いや、それ以上の戦乱のな」
テツヤ「……」
ダイテツ「大尉、別働隊が到着次第、本艦は伊豆基地へ帰投するぞ」
テツヤ「はっ」

ブリーフィングルーム
カイ「ラトゥーニ、アンノウンの残骸の分析結果は?」
ラトゥーニ「現時点では生物……のようなものだと推測されています」
カイ「生物のようなもの?」
ラトゥーニ「はい。機動兵器特有の熱源反応や金属反応がなく……」「かと言って生物でもない。まさにアンノウンです」
キョウスケ「あれは地球上の物体なのか?」
ラトゥーニ「まだわかりません。詳細は調査中です」
ラミア(地球外から来た物体だという可能性もあるのか)(だが、エアロゲイターはいざ知らず……彼らはあのような物を使っていなかった)
カイ「そう言えば、キョウスケ……お前、奴らの声がどうとか言っていなかったか?」
キョウスケ「ええ。しかし、自分とエクセレン以外には聞こえなかったようですね」
ラミア「……」
エクセレン「何だったのかしら、あれ。キョウスケも聞いてるんだから、空耳じゃないと思うけど」「あ……もしかして、私ってエスパーかしらん?」
ラトゥーニ「思考波か何かが少尉達に向けられ、それを受信したと考えるのが妥当だと思います」
エクセレン「いやん、ラトちゃんてば現実的なんだから」
カイ「なら、何故キョウスケとエクセレンだけにアンノウンの声が聞こえたんだ?」
ラトゥーニ「私達にはない何らかの共通点が中尉達にあるのかも知れません」
エクセレン「んん~、私達の共通点ねぇ……」
ラミア「何かございまして? エクセ姉様」
エクセレン「そうねぇ、愛し合う恋人同士……かしらん?」
キョウスケ「真面目に考えろ」
エクセレン「んも~、ちょっとは合わせてくれてもいいんじゃなぁい?」
キョウスケ「……」(おれとエクセレンの共通点と言えば……)(あの時の事故か? だが、理由がわからん)(奴らはいったい……)
エクセレン「それより、ラミアちゃん。あのホネホネが現れる前、『空間転移』って言ったわね?」「何でそんなことがわかったの?」
キョウスケ「おれもその点が気になった。何故だ?」
ラミア(ぬかった……)
キョウスケ「お前はあの反応を知っているのか?」
ラミア「何て申し上げますればいいのですかしら……何となく、ですことよ」「それに異星人も同様の技術を持っていましたでしょう?」
キョウスケ「反応が全く同じなら、な。だが、そうだったら、ハガネの方でも気づくはずだ」
ラミア「そう言われましても……困りましたですわ」
キョウスケ「お前はアンノウンを……いや、異星人とは別の空間転移技術を知っているんじゃないのか?」
ラミア「ほほほ、まさか。では、中尉……私はアンジュルグの整備がありますので」
キョウスケ「……」
ラミア(私としたことがこんなミスを犯すとは……)

DC戦艦艦橋
???(ミツコ)「……結局、例の物を発掘することは出来なかったのですね?」
アーチボルド「しかし、確証は得られましたよ。アンノウンのおかげでね」
???(ミツコ)「データは見ました。私の商売相手にはならなさそうで残念ですこと」
アーチボルド(やれやれ、彼女は人外の物にも自社の製品を売りつけるつもりですか)
???(ミツコ)「で、確証とは何ですの?」
アーチボルド「蚩尤塚に超機人が眠っているからこそ、アンノウンは現れたと考えられます」「そして、それは龍虎の機械人形の目覚めが近いことを意味しているのかも知れません」
???(ミツコ)「ですが、今回の失敗によって……」「超機人の情報があなたの上官やアースクレイドルの方々へ必要以上にもれたのではなくて?」
アーチボルド「なに、構いませんよ。彼らにはこんな酔狂な話に付き合っている暇などありませんし……」「戦力なら、あなた方から充分過ぎるほど提供されていますからね」
???(ミツコ)「ふふふ、そうでしたわね」
アーチボルド「それより、一つ質問があります」
???(ミツコ)「何でしょう?」
アーチボルド「私の部下が伊豆基地でR-1の量産試作型と接触したのですが……」「あれは奪取しなくて良かったのですか?」
???(ミツコ)「ええ」
アーチボルド「はて、面妖な。あれもビルトファルケン同様、マオ社の最新鋭機ですよ?」
???(ミツコ)「それでも必要ありませんの」
アーチボルド(やはり……アースクレイドルには僕達の知らない何かがあるようですね)「……では、超機人発掘の件は?」
???(ミツコ)「LTR機構の方に根回しをしますわ」
アーチボルド「では、あれの発掘は彼らに任せると?」
???(ミツコ)「ええ。発見後、我が社で預かるように手配します」
アーチボルド(やれやれ、彼女も人が悪い。僕達に依頼などせず、最初からそうすればいいものを)(ま、発掘中にDC残党の襲撃を受け、行方不明……というのがベストであることはわかりますが)
???(ミツコ)「では、補給はいつもの手順で。見返りは……」
アーチボルド「ええ、わかっていますよ……ローズ。こちら側の情報ですね?」
???(ミツコ)「そうです。……では、ごきげんよう」
〔通信音〕
アーチボルド「お互いに利用し合っている内が華ですか。フフフフ……」
【シナリオエンドデモ終了】


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