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No.25
毒蛇の牙

【シナリオデモ開始】
ジュネーブ
ノーマン「ジュネーブまで遠路はるばるご苦労だったな、レイカー・ランドルフ」
レイカー「私までが呼ばれるとは…余程厄介な事態が起きたようですな」
ノーマン「うむ。エアロゲイターの降伏勧告を重く見た連邦政府は…」「今回の件に関する全権をEOT特別審議会に委ねたのだ」
レイカー「何ですと? では、今回の地球圏防衛会議の主催者は…」
ノーマン「EOT特別審議会のアルバート・グレイ大使だ」
レイカー(ならば、すでに抗戦派の我々は不利だということか)
ノーマン「それから、コロニー統合府のブライアン・ミッドクリッド大統領もこのジュネーブに来ている」
レイカー「ほう、あの名政治家が…」
ノーマン「コロニー統合軍によってら致され、ヒリュウ改に救助されたミッドクリッド大統領なら…」「我々の目的に理解を示してくれるかも知れん」
レイカー(それはどうか…。彼は食えない男と言われているからな)

ジュネーブ
アルバート「君達は事の重大さがわかっているのか!?」「敵は戦力・技術力共に未知数な異星人なのだぞ。戦って勝てる見込みはあるのかね!?」
ノーマン「我々地球圏防衛委員会は以前より今回のような状況を想定し、準備を進めてきている」
アルバート「話にならん! 君達の無謀な賭けに地球人類を付き合わせるわけにいくか!」
ノーマン「ならば、降伏後の地球人類の人権は保証されているのか?」
アルバート「それはこれからの交渉次第だ」
レイカー「彼らの要求は我々の武装解除と降伏のみです」「人権どころか、交渉の場さえ用意される保証はありませんよ?」
アルバート「我々には実績がある。彼らと交渉を行い、南極会談までこぎつけたという実績がな」「あの時に会談が中断されなければ今回のような事態を招かずに済んだのかも知れんのだ」
ノーマン「直轄組織のEOTI機関の暴走を許しておいて、よく言う…!」
ブライアン「…悪いけど、僕はここで責任のなすりつけ合いをしても、何の解決にもならないと思うね」
アルバート「ミッドクリッド大統領…」
ブライアン「大使にお聞きしよう。そもそも、エアロゲイターが地球へ来た目的は何かな?」
アルバート「…不明だ。それを知るための南極会談がDCの反乱によって中断されたおかげでな」
ブライアン「なら、僕はコロニー統合府大統領として…」「現時点での降伏勧告の受け入れに反対させてもらうよ」
アルバート「ほう…。コロニーのノド元へホワイトスターという刃が突きつけられているというのにか?」
ブライアン「確かに…降伏という言葉は、強大な軍事力に裏付けされているものだ」「DCとコロニー統合軍の戦力が残っているならともかく…」「今の地球連邦軍の戦力で、エアロゲイターに勝てる可能性は低いだろうね」
アルバート「ならば、彼らとの戦争には反対ということでいいのだな?」
ブライアン「今のところは。ただでさえもDC戦争によって地球圏は疲へいしているからね」「これ以上の戦争行為は、地球圏と人類の滅亡につながりかねない…」
ノーマン「…では、大統領は異星人に地球圏を明け渡しても良いとお考えなのか?」
ブライアン「そうじゃない。エアロゲイターに関する情報が少ない現状で…」「彼らの降伏勧告を受け入れるのに反対しているだけさ」
アルバート「だが、勧告を受け入れねば、我々は彼らの総攻撃を受けるのだぞ?」
ブライアン「それはどうかな? レビ・トーラーという人物は、そのような表明をしていない」
アルバート「!」
ブライアン「普通、降伏勧告というものは、相手側にある程度の損害を与えてから出される」「けど、エアロゲイターから受けた損害はまだ微々たるもの…」「なのに、どうしてレビは降伏という言葉を使ったのだろう?」
アルバート「それは…彼らが絶大な軍事力を持っているからだ」
ブライアン「だったら、何故、彼らはすぐに総攻撃を仕掛けて来ない?」「何故、僕達が降伏勧告を無視した場合の報復手段を言明していない?」
アルバート「そ、それは……」
ブライアン「疑問点はまだある。彼らが僕達に与えた30日間という猶予…」「こちらが降伏勧告を受け入れるかどうか検討するには、長すぎる時間だと思わないか?」
アルバート「き…君は何が言いたいのかね?」
ブライアン「…ノーマン少将、連邦軍が残存戦力を結集し、ホワイトスターへ攻撃を仕掛けるまでの時間は?」
ノーマン「…対ホワイトスター用の新型兵器の調整期間を含めて、20日ほどだ」
ブライアン「では、30日という時間は、僕達が彼らとの戦いの準備を行うのに充分だね」
アルバート「ま、まさか…君は、エアロゲイターが我々に反撃の機会を与えているというのか?」
ブライアン「多分ね」
アルバート「ハッ、馬鹿な。そんなことをして彼らに何のメリットがある!?」「30日間の猶予は、我々に検討と交渉の準備をさせるためのものに決まっておる!」
ブライアン「グレイ大使…彼らは地球人じゃない。僕達と同じ尺にあてはめるのは危険過ぎる」「だから…まず彼らの真意を探り、それが判明してから対処方法を練るべきだ」「幸い、それを行うだけの時間もあるようだしね」
アルバート「わ、わかっておる。我々が持つパイプを使い、彼らとの事前交渉を試みる」
ノーマン「………」
アルバート「しかし、この件に関する全権は、我々EOT特別審議会に委ねられていることを忘れるなよ」「特にノーマン少将…猶予期間中、エアロゲイターと戦闘を行うことは禁止する」
ノーマン「な…! 彼らから攻撃を受けた場合でもですか?」
アルバート「無論だ。命令に違反した場合、君には相応の責任を取ってもらうぞ」
ノーマン「………」
アルバート「それから、君の指揮下にあるハガネとヒリュウ改にはこのジュネーブの防衛任務を命ずる」
レイカー(あの2艦の監視を直接行うつもりか…)
アルバート「では、今回の会議はこれで終了する」

EOT特別審議会
カール「フン…やはり、アルバートでは荷が重かったようだな」
ニブハル「ブライアン・ミッドクリッドという男…なかなかの人物のようですね」
カール「奴は連邦政府と渡り合って、スペースコロニーの独立自治権を獲得した男だからな」
ニブハル「ほう…。コロニー統合府の大統領にしておくには惜しい人物ですな」
カール「私にとっては、コロニーの住民共を抑えるための駒に過ぎん」
ニブハル(…いずれは、地球の主権を握る人物になるかも知れません…)(シュウ・シラカワ同様、こちらでもマークしておいた方が良さそうですね)
カール「それよりも、交渉の方は大丈夫なのだろうな?」
ニブハル「それはもちろん…。セッティングは私にお任せ下さい」
カール「だが、レビ・トーラーという女はお前達のリストに載っていなかったぞ」「彼らとお前の『国』は、本当につながりがあるのか?」
ニブハル「その点はご容赦を。私達の世界も一枚岩ではないのです。あなた方同様にね…」
カール「フン…」
ニブハル(さて…しばらくはあの哀れな放浪者達の様子見といきますか…)

ハガネ格納庫
イルム「…で、結局、レオナ嬢には全然相手にされてないって?」
タスク「ええ、まあ。取り付く島もないって感じで…」
イルム「あの手の女を口説くのは大変だからなあ」
タスク「何か実感こもってますね」
イルム「…もっと大変なのは口説いてからだったりするけどな」
キョウスケ「………」
タスク「あれ? こんな所で何やってんスか、キョウスケ少尉。アルトの整備は終わったんでしょ」
キョウスケ「ああ」
イルム「ビルトラプターが気になるんだろう?」
キョウスケ「ええ。一度はこの身を預けた機体ですから…」
タスク「へ~え。キョウスケ少尉がこんなもろそうな機体にねえ…。アルトとは大違いだな」
イルム「もろいどころか、分解したことだってあるんだぜ」
タスク「へ!?」
イルム「しかも…キョウスケがテストをしていた時にな」
タスク「そ、それでよく無事だったもんだ…」「少尉、奇跡の大脱出ショーで客を呼べるかも知れねえッスよ」
キョウスケ「あいにく、人前に出るのは苦手でな」
タスク「残念だなあ。エクセレン少尉をアシスタントにして、バニーちゃんのカッコをさせればウケそうなのに…」
イルム「それ、名案だな」
キョウスケ「…やめて下さい。あいつのことだ、そのために脱出ショーをやらされかねん」
イルム「ま、ともかく…キョウスケの悪運の強さは昔から半端じゃなくてな」「何せ、こいつは士官学校時代にシャトル墜落事故から生還したぐらいだからな」
キョウスケ「…昔の話です」
イルム「ま、そう言うなよ。あの事故、エクセレンも居合わせてたって知ってたか?」
キョウスケ「…は?」
イルム「お前は病院送りになってたから知らないか。悪運の強い者同士…ってわけだ」
キョウスケ(…まさか…エクセレン…あいつは…あの時の…?)
タスク「なかなか感慨深いっつーか、縁があるッスねえ」
キョウスケ「そうかも知れんな。…そうだ、イルム中尉…ラプターの問題点は改善されているのですか?」
イルム「ああ」
キョウスケ「…どうやら、おれの失策は無駄ではなかったようですね」
イルム「あれはどう考えたって無茶な緊急時変形の命令を出したハンスのせいだ」
キョウスケ「いえ。おれの腕が未熟だったせいです。予測さえしていれば…」
イルム「未熟な奴がアルトみたいにピーキーな機体を乗りこなせるかよ」
キョウスケ「フッ…単に欠陥機と縁があるだけです」
タスク「俺はそんな縁より、レオナちゃんとの縁が欲しいッスよ。少尉達みたいな感じがベストかなあ」
イルム「そうだ、キョウスケ…俺と賭けをしないか?」
キョウスケ「賭け…?」
イルム「ああ。タスクがレオナを口説けるかどうか…。負けた方が飲みをおごるってことで」
タスク「な…何だそりゃ!?」
キョウスケ「ならば、おれは成功する方で。…頼むぞ、タスク」
イルム「相変わらず分の悪い方に賭けるんだな、お前は。じゃ、俺は失敗する方だ」
タスク「ちぇっ。賭けるんだったら、ブリットがクスハを口説けるかどうかにしてくれりゃあいいのに…」
イルム「ん? 噂をすれば何とやらだ。賭けの対象のご登場だぜ」
レオナ「ライディース…。一応、あなたにお礼を言っておくわ」
ライ「何のことだ?」
レオナ「ダイテツ艦長に口添えをしてくれたのでしょう?」
ライ「お前の腕が、俺達の部隊に必要だと判断しただけだ」
レオナ「フフ…素っ気ない所はエルザム少佐にそっくりね。本家の血筋かしら?」
ライ「…あの男と同じにするな」
レオナ「…エルザム少佐のこと、まだ許す気になれないの?」
ライ「………」
レオナ「………」
ライ「…奴が『エルピス事件』で義姉上を殺したのは、紛れもない事実だ」
レオナ「…あの時は…そうする以外に方法がなかったのよ」「少佐がテロリストに占領されたスペースコロニー・エルピスのドッキングベイを破壊しなければ…」「私達は皆死んでいたわ」
ライ「あの男ほどの腕前があれば、人質にされた義姉上を助けることが出来たはずだ!」
レオナ「ライディース…」
ライ「なのに、奴は義姉上ごとドッキングベイを撃ち抜いたのだ!」
レオナ「…時間がなかったのよ…。少佐がああしなければ、エルピスはBC兵器で全滅していたわ」
ライ「俺は、大義のために自分の妻を手にかけたエルザムを許すことは出来ん!」「そして…そのことをとがめなかった父もな!」
レオナ「あなたは…カトライア様を撃たなければならなかった少佐の気持ちを…考えたことがあるの?」
ライ「何…!?」
レオナ「あの人は、私達を含むコロニー内の住民の命を救うため、苦渋の決断をしたのよ」「その時のエルザム様の気持ちを…」「愛する人を、自分の手で撃たなければならなかった気持ちを…理解しようとしたことがあるの?」
ライ「………」
レオナ「それが出来ないあなたに、ブランシュタインの名を名乗る資格はなくてよ…!」
〔扉を開閉音〕
ライ「………」
イルム「…どうやら、まずい話を聞いちまったみたいだな」
タスク(…もしかして、レオナはエルザムって奴のことを…?)(だとすりゃ、ライバル出現ってワケか…)

極東支部基地
ジョイス「王女を別の場所へ移動させる…?」
ハンス「そうだ。この極東支部も安全な場所とは言えなくなって来たのでな」
ジョイス「はて…。レイカー様からそのようなお話は聞いておりませんが?」
ハンス「時間がない。急いでもらおうか、ルダール公」
シャイン「…そのお話、本当なのでございますか?」
ジョイス「シャイン様…?」
シャイン「爺、とても嫌な予感がする。そこへ行ったら…私は…」
ハンス(フン…。あの男が言ったとおり、優れた予知能力を持っているようだな)
ジョイス「ハンス様、どういうことなのです?」
ハンス「ハハハ。何をおっしゃいます、王女」
シャイン「行くなら、ライディ様も一緒に…!」
ハガネ「まだハガネはこの伊豆基地へ向かっている途中です。さあ…早くご用意を」「あなたを必要としている者達の所へ行くために…」
シャイン「えっ…?」
ジョイス「…レイカー様に確認をさせて頂けませんか?」
ハンス「くどい。…時間がないと言ったはずだ」
〔銃を構える音〕
ジョイス「! あ、あなたは…!」

極東支部司令部
サカエ「何故、警戒レベルがDまで落ちているのだ!? これでは敵の接近を感知出来んぞ!」
一般兵「し、しかし、先程、ハンス中佐からの命令でそうするようにと…」
サカエ「中佐が!?」
オペレーター「T5、応答して下さい! 発進の許可は出ていません!」「…え? ハンス中佐からの特命!? そんな話は聞いていません!」
サカエ「何ごとだ!?」
オペレーター「T5が発進態勢に入っています!」「ハンス中佐の命令とのことですが、こちらに連絡は回って来ていません!」
サカエ「!!」
【シナリオデモ終了】


サブタイトル
「毒蛇の牙」


【戦闘マップ開始】
〔中立ユニット出現〕
サカエ「ハンス中佐! 何をなさるつもりなのです!?」
ハンス「お前に説明する必要はない」
サカエ「な…!」
ハンス「機体を発進させろ」
一般兵「了解です」
〔ハンス、前進〕
サカエ「や、やむをえん…。輸送機を取り押さえさせろ!」
オペレーター「りょ、了解!」
〔味方ユニット出現〕
カイ「T5へ! 直ちに機体を着陸させろ! 命令に従わない場合は攻撃を行う!」
ハンス「カイ、私に手出しすると、人質の安全は保証せんぞ」
カイ「人質だと!?」
シャイン「降ろして! 私をどこへ連れて行くつもりなの!? ライディ様ぁっ!!」
サカエ「シャ、シャイン王女!!」
カイ「ハンス中佐、何の真似だ!?」
ハンス「フン…。貴様の暑苦しい面も今日で見納めだということだ」
カイ「どういう意味だっ!?」
オペレーター「さ、参謀! 所属不明機が基地に接近中です!!」
サカエ「何っ!?」
ハンス「迎えが来たようだな…」
〔味方ユニット撃破〕
〔格納庫に爆発〕

カイ「ぬうっ!!」
オペレーター「格納庫、大破! 迎撃機が発進出来ません!!」
サカエ「な、何だと!?」
〔敵ユニット出現〕
サカエ「あ、あれは…DC残存部隊! すると、ハンス中佐が警戒レベルのランクを下げさせた理由は…」
カイ「奴らをこの基地へ導くためか! おのれ、よりにもよってDCと内通していたとは…許せん!!」
トーマス「首尾はどうだい? ハンス・ヴィーパー」
ハンス「アードラーの依頼どおり、シャイン王女の身柄を確保した」
トーマス「グッド! これで例のお宝は頂きだな」
ハンス「…トーマス・プラット少佐だったな? 上官に対しては敬語を使ってもらおうか」
トーマス「スパイ風情が偉そうな口を利くんじゃねえよ」「こっちはわざわざ日本くんだりまで迎えに来てやってんだ」「プリンセスさえ手に入れば、あんたなんざどうなったっていいんだぜ?」
ハンス「貴様…!」
トーマス「まあいい。あんたの逃げ道だけは確保してやる」
サカエ「カイ少佐、間もなくハガネとヒリュウ改が基地へ帰還してくる! それまで何とか保たせてくれ!」
カイ「了解だ!!」
<戦闘開始>

<ハンスがマップ北端へ到達>

ハンス「これより本機はこの空域から離脱する」
〔中立ユニット離脱〕
カイ「おのれ、ハンス! 裏切り者めがっ!!」
トーマス(よし…これで今回の俺のビジネスは終わりとするか)(今の戦力でハガネやヒリュウ改と戦うのはナンセンスだからな)「いいか、てめえらは残って極東支部を破壊しろ!」
〔敵ユニット離脱〕

<3EP・味方援軍1出現>
〔味方戦艦出現〕
オペレーター「ハガネとヒリュウ改が来ました!」
ダイテツ「参謀、シャイン王女は?」
サカエ「も、申し訳ありません…。ハンスに連れ去られました…」
レフィーナ「そ、そんな…! 間に合わなかったのですね…」
ライ「くっ…!」
リュウセイ「あ、あの野郎! DCのスパイだったのかよ!!」
リューネ「その上、女の子を誘拐するなんて…DCも地に堕ちたもんだね!」
カチーナ「よし、裏切り者と王女を追いかけるぜ!」
キョウスケ「いや…。今はDC部隊を撃滅させるべきだ」
カチーナ「おいおい、今なら王女を助けられるだろうが!」
リュウセイ「このままハンスの野郎を見逃していいってのかよ!?」
タスク「そうッスよ、少尉! 奴にひどい目に遭わされたんだろ!?」
カチーナ「裏切り者には制裁が必要だろうが!」
キョウスケ「優先順位をはき違えるわけにはいかん…今なすべきことは敵機のせん滅と基地の防衛だ」
ライ「今はまだ…奴らは王女の身に危害を加えない…。そういうことか?」
キョウスケ「ああ。それに、ここで伊豆基地を失うわけにはいかないだろう? 少尉」
ライ「…了解した」
カチーナ「…よくもまあ、そこまで割り切れるもんだぜ」
エクセレン「割り切ってないわよぉ…多分、ね。キョウスケ、根に持つタイプだし」
キョウスケ「…ハンス・ヴィーパー…あの男とのケリは必ずつける」「おれなりの流儀でな…!」
エクセレン「ほら、ね」
テツヤ「各機、発進! 敵部隊を撃滅しろ!!」
〈出撃準備〉
※※カチーナ(R-GUN搭乗)出撃の場合、セリフ追加※※
カチーナ(見ていろ、キョウスケ。あたしは必ずこのR-GUNを乗りこなす…)(そして、お前を超えてやるさ!)


<敵全滅・勝利条件達成>
【戦闘マップ終了】

【シナリオエンドデモ開始】

ブリーフィングルーム
リュウセイ「教官! ハンスとシャイン王女を乗せた輸送機はどこへ向かっているんだ!?」
イングラム「不明だ。彼らはこちらの警戒網を突破し、行方をくらませたからな」
ライ「ならば、ハンス中佐達の追撃は困難ですね」
イングラム「ああ。彼は連邦軍側のレーダーサイトの位置を知っているからな」
リュウセイ「だからって、放っとくわけにはいかねえだろ!?」
リオ「そうですよ! 何とかして王女を助けなきゃ!」
ライ「今の状況で、うかつに動くのは危険だ」
リオ「ライ少尉って、ホントにクールなんですね」「一国の王女とはいえ、まだ年端もいかない女の子がさらわれちゃったんですよ」「私達以外に、誰があの子を助けてあげられるって言うんです?」
ライ「だが、王女が連れ去られた先はおろか、DC残存部隊の本拠地すら判明していない」「それと…俺達の頭上にはホワイトスターが鎮座していることを忘れるな」
リオ「より巨大な敵を倒すために、シャイン王女を見殺しにするっていうんですか!?」
ライ「……!」(…まるで同じだな。カトライア義姉さんの時と…)
クスハ「リオ…言い過ぎよ。ライ少尉だって、シャイン王女のことを心配して…」
リオ「! ご、ごめんなさい…」
ライ「…気にするな。連れ去られた者は取り返せばいい。彼女はまだ生きているのだからな」
リオ「はい…!」
イングラム「今後の作戦は、レイカー司令が極東支部に戻り次第決定される」「それまで、勝手な行動は許さん。いいな?」
ライ「…了解です」
イングラム「それから、お前とリュウセイに伝えておくことがある」
リュウセイ「何だよ、教官?」
イングラム「アヤが戻り次第、お前達は特別訓練に入ってもらうことになる」
リュウセイ「特別訓練って…何をやるんだ?」
イングラム「それについては…後ほど説明する」

極東支部基地
マサキ「ったく…。この基地の戦闘指揮官が敵のスパイだったなんてとんでもねえ話だぜ」
ジャーダ「そういうな。こっちだって、驚いてんだからよ」
イルム「今となっちゃ後の祭りだが…今回の戦争じゃ、よくある話だ」「最初、DCが勢いづいたのも連邦側からの裏切り者がゾロゾロ出てきたせいだって言うからな」
ブリット「裏切りっていうより…ビアン博士やマイヤー総司令の考えに賛同した軍人が多かったんです」
イルム「ゼンガー・ゾンボルト少佐やエルザム・V・ブランシュタイン少佐のようにか?」
ブリット「ええ…」
マサキ「ゼンガー? 誰だ、そいつ?」
タスク「先生、質問みたいッスよ?」
エクセレン「はいは~い、新入生のマサキ・アンドー君ね? 説明しましょう!」「ゼンガー・ゾンボルト…私達ATXチームの元隊長で…」「キョウスケやブリット君のお師匠様…ってとこね。わかった? マーサ?」
マサキ「変なアダ名つけるな!」
ブリット(うわぁ…ペースに巻き込まれてるなあ…)
イルム「そういや、ゼンガー少佐はライの兄貴やカイ少佐と同じで、元教導隊のメンバーだったな」
ブリット「…はい」
イルム「…俺達の方は、身近な人間が裏切らなかっただけマシだったってことか」
ブリット「お言葉ですが…中尉。自分は、ゼンガー隊長が裏切ったとは思っていません」「あの人は自分達を地球圏防衛の戦力として鍛え上げるために…あえて敵側に回ったんです」
マサキ「じゃあ、ハンスもそうだってのかよ?」
ジャーダ「あの野郎がそんなに殊勝なタマか。どうせ金か権力目当てで裏切ったに決まってるぜ」
イルム「ま、これでハンスがビルトラプターをテスト飛行中に壊そうとした理由もわかったぜ」
エクセレン「え?」
イルム「奴は連邦軍側に飛行が可能なPTを作らせたくなかったんだろう」「あの当時、空を飛べる人型機動兵器は奴らのAMぐらいしかなかったからな」
エクセレン「あらん、キョウスケはそれのとばっちりで大墜落…ってわけね」
イルム「ま、そういうことになるな」
ブリット「フェアじゃないやり方ですね。男だったら正々堂々と行動すべきだ」
ジャーダ「何言ってんだ。正々堂々としたスパイなんているか」
ブリット「そ、それもそうですね…」
エクセレン「でも、私はちょっとだけハンス中佐に同情しちゃうけどね」
マサキ「同情? 何でだよ?」
エクセレン「だって、キョウスケを本気で怒らせちゃったんだもの」
ガーネット「そ、そんなに怖いの? まあ…確かにいつもムスッとしてて、コワモテだけど…」
エクセレン「根が暗いからねえ。ああいうのって、危ないんだから」
イルム「散々だな、キョウスケの奴」
エクセレン(でも、ハンス中佐より気になるのはお姫様のことなのよね…)(DCの連中はどうしてあの子を狙うのかしら…?)(まさか、自分達のお姫様にするために…って、そんなわけないわよねえ)

極東支部司令部
サカエ「戻られましたか、レイカー司令…」
レイカー「報告書は読ませてもらった。私の留守中に色々とあったそうだな」
サカエ「申し訳ございません。全て自分の責任であります…。かくなる上はいかなる処分も…」
レイカー「いや、お前のせいではない。責任は私にある」「それより、ハガネとヒリュウ改の主要メンバーを大至急招集してくれたまえ」
サカエ「わ、わかりました」

極東支部司令部
ダイテツ「30日?」
レイカー「そう…。それが我々に与えられた猶予の期間だ」
ダイテツ「解せんな…。何故、エアロゲイターは一気に地球へ攻めてこんのだ?」
テツヤ「彼らの目的は地球圏の征服ではないのでしょうか…?」
ショーン「観光が目的だとすれば、あのホワイトスターはいささか物騒な乗り物ですな」「ところで、司令…。レビ・トーラーという女性の映像は送られて来ていなかったのですか?」
レイカー「ああ、音声のみだ」
ショーン「それは残念ですな。個人的には異星人の女性に興味があったのですが…」
ダイテツ「そういう所は、本当に相変わらずだな、ショーン」
レイカー「いずれにせよ、我々以上の技術力を有する彼らが総攻撃を開始すれば…」「地球全土が焦土と化すのに3日とかかるまい」
テツヤ「3日ですって!? いくら何でもそんなことは…」
ダイテツ「奴らは長年の偵察によって、こちらの軍事力や技術力、地球各地の主要拠点をほぼ知っているはずだ」
ショーン「それに加え、地球側にはない空間跳躍技術と未知の兵器を用いた奇襲攻撃…」「3日どころか、3時間で充分かも知れませんな」
テツヤ「さ、3時間…」
ショーン「さらに、あのホワイトスター自体が惑星破壊用大型爆弾であるとも考えられます」
テツヤ「で、では…エアロゲイターの目的は地球そのものの破壊…?」
ショーン「あるいは、太陽系の全てを滅ぼすつもりかも知れませんなあ」
テツヤ「……!」
レフィーナ「副長、テツヤ大尉をからかうのはやめて下さい」
テツヤ「レ、レフィーナ艦長…」
レフィーナ「エアロゲイターの目的が地球の早急な破壊なら、とうの昔にそれは達成されているはずです」「何も私達の前に姿を現し、降伏勧告を行う必要はありません」
テツヤ「そ、そうか…」
ショーン「フフフ…テツヤ大尉は少々修行が足りないようですな」「それではダイテツ中佐の補佐は務まりませんぞ?」
テツヤ「で、ですが、地球を破壊される…あるいは…」「それと同等の危機が発生するという可能性は、決してなくならないと思います」
ショーン「ほう。何故です?」
テツヤ「レビ・トーラーは猶予期間が過ぎた後の報復手段について、何も言明していません」「つまり、彼らが30日後に何をするつもりなのか…現時点ではわからないのです」「よって、最悪の事態は常に念頭に置いておく必要があると思われます」
ショーン「ふむ…。どうやら前言を撤回する必要があるようですな」
ダイテツ「当たり前だ。ワシが見込んで育てている男だぞ。ただ…酒はからきし駄目だがな」
ショーン「それはもったいない。人生の半分は損しておりますな」
テツヤ(や、やっぱり、からかわれてるだけなのか…?)
レイカー「私やノーマン少将の見解もテツヤ大尉と同じだ」「カール・シュトレーゼマンのEOT特別審議会は異星人との交渉の準備に入っているが…」「我々軍人は最悪の事態に備えて行動せねばならん」
ダイテツ「連邦軍はホワイトスターへの反撃態勢に移るのか?」
レイカー「いや…カール議長の政治工作で今回の件の全権はEOT特別審議会に委ねられた」
ダイテツ「何だと…!」
レイカー「そして、連邦軍にはエアロゲイターとの戦闘禁止命令が出された」
レフィーナ「そんな! 彼らが30日の間、大人しくしている保証なんてないのですよ!?」
ショーン「専守防衛の上、反撃は厳禁というわけですか。それは困りましたな…」
ダイテツ「ふん…。いざとなれば現場の判断で行動するまでだ」
ショーン「ええ。それが昔からの私達のやり方ですからね」「もっとも、そのおかげでお互い出世とは縁が遠くなってしまいましたが」
レイカー「いや…そうも言っていられんぞ」
ダイテツ「どういうことだ?」
レイカー「ハガネとヒリュウ改には、ジュネーブの防衛任務命令が出されている」
ショーン「ふむ…。EOT特別審議会は我々に鈴を付ける気ですな」
レイカー「この命令に従わなければ、私やノーマン少将は更迭され…」「お前達は、艦や機体を徴集されることになるだろう」「さらに、最悪の場合は反逆者の扱いを受けるかも知れん」
ショーン「なるほど。我々が命令に違反すれば…」「抗戦派である地球圏防衛委員会を軍から一掃するきっかけを与えることになりますな」
ダイテツ「………」
レイカー「今、軍内部で事を荒立てるのは得策ではない」「すまんが、とりあえずお前達はジュネーブへ向かってくれ」
ダイテツ「………」

ハガネ格納庫
マサキ「よう、リューネ。ヴァルシオーネのコックピットで何やってんだ?」
リューネ「ラーダとリョウトにコンピューターのメモリーを調べてもらってんの」
マサキ「メモリーを? 何のために?」
リューネ「ヴァルシオーネは親父が造った機体だから…」「メモリーにDCの情報が入ってるんじゃないかと思ってね」
クロ「DCの情報?」
リューネ「うん。もしかしたら、残存部隊が拠点にしている秘密基地の位置なんかがわかるかも知れないし」
クロ「ニャるほどね。そしたら、例の王女様が連れ去られた場所も見つけられるかも知れニャいニャ」
リューネ「ちょっとセコいやり方だけど、今のDCをこのままほっとくわけにはいかないからね」「ところで、二人とも…どう? 何かわかった?」
リョウト「シークレットデータのファイルらしき物は見つけたけど…」
ラーダ「プロテクトがあと一歩の所で解除できないの」
リューネ「ふ~ん…」
リョウト「ここに表示されてるパスワードの続きさえわかればいいんだけど…」
ラーダ「! そうだわ…」
リョウト「答えがわかったんですか!?」
ラーダ「そうじゃないけど…こんな時に効果があるヨガのアサナを教えてあげるわ」
リョウト「え…遠慮しときます」
ラーダ「じゃ、クロちゃんとシロちゃんはどう?」
シロ「か、勘弁してくれニャ~」
マサキ(猫にも出来るヨガのポーズなんてあンのか?)
リューネ「ねえ、リョウト。表示されてるパスワードってどんなの?」
リョウト「『のさばる悪を何とする』。この後に続く言葉があるらしいんだけど…」
リューネ「何だ、そんなの簡単よ。続きに『天の裁きは待ってはおれぬ』って入れてみてよ」
リョウト「う、うん…」
〔プロテクトの解除音〕
ラーダ「! プロテクトが解けたわ!」
リューネ「でしょ?」
マサキ「…さっきのパスワードって何なんだよ?」
リューネ「あれ、あたしの好きな古い日本の時代劇のオープニングナレーションなんだ」
マサキ「へ~え…。お前って、結構物知りなんだな。ちょっと見直したぜ」
リューネ「え? あたしを?」
マサキ「ああ」
リューネ「ありがと。お世辞でもうれしいよ」
クロ(…ただのツッコミだと思うけどニャ)
ラーダ「あら、何か映像が出てきたわ」
リューネ「映像?」
ラーダ「ええ。データに添付されていたみたいね」
〔通信のコール音〕
ビアン「…リューネよ、我が娘よ…」
リューネ「! 親父…!?」
ビアン「…お前がこの映像を見ている頃、私はこの世にいないだろう」「…私の死後、予想されうる状況に対処できるよう、このデータをヴァルシオーネに残しておく」「これをどう使うかはお前の望むようにするがいい…」
リューネ「………」
リョウト「! ラーダさん、このデータを見て下さい!」
ラーダ「DCの各種計画書、EOTのデータ、エアロゲイターのデータ…」「どれも重要度の高い情報ね」
リョウト「これなら、DCの残存部隊の本拠地の位置をしぼり込むことが出来るかも知れませんよ」
マサキ「それ、すげえじゃねえか!」
シロ「ホントだニャ!」
リューネ(…親父……)(…後のことも色々と考えてくれてたんだね……)

艦内個室
アヤ「イングラム少佐…ただいま戻りました」
イングラム「ご苦労だったな。R-3の方はどうだ?」
アヤ「何とか戦闘で使用できる状態にはなりました。次からの実戦に参加するつもりです」
イングラム「そうか。コバヤシ博士の下で調整を行ったのが功を奏したようだな」
アヤ「ええ」
イングラム「R-2とR-3のプラスパーツが完成するまで、まだ少しの時間がある」「それまでにT-LINKシステムを完全に使いこなせるようになっておけ」
アヤ「はい。ところで、少佐…一つ質問をしてもよろしいでしょうか?」
イングラム「何だ?」
アヤ「少佐は、リュウの母親が父の特殊脳医学研究所にいたことをご存じだったんですか?」
イングラム「…ああ」
アヤ「まさか、それであの子をSRX計画に?」
イングラム「いや、彼女に息子がいることは、特脳研のデータを見て知っていたが…」「あの日、リュウセイがゲーム大会へ参加したのは、偶然だった」「おかげで、運命の巡り合わせというものを少しは信じる気になったよ」
アヤ「………」
イングラム「…間もなく、次の作戦命令が出る。持ち場に戻れ」
アヤ「…了解です。では、失礼します」
〔扉の開閉音〕
イングラム(…リュウセイの母親、ユキコ・ダテ…)(彼女が力を失っていなければ…)(あの少女は選ばれなかったかも知れんな)

ブリーフィングルーム
ラーダ「リューネが提供してくれたデータで…」「DC残存部隊が集結している可能性の高い場所が判明しました」
レフィーナ「その場所とは?」
ラーダ「アフリカのケニア周辺地下に建設されている巨大人工冬眠施設、『アースクレイドル』です」
レイカー「やはり、アースクレイドルは実在していたか」
ラーダ「計画書では建設が中断されていることになっていますが…」「今までのDC残存部隊の活動範囲から判断して…」「何らかの形で建設が続行され、現在は戦力拠点として使用されている可能性が高いと思われます」
テツヤ「しかし、アースクレイドルはプロジェクト・アークに基づいた人工冬眠施設のはずでは?」
ショーン「いえ…ムーンクレイドルには機動兵器のプラントや整備施設が併設されておりましたからな」「アースクレイドルがあれと同規模の施設だと仮定すれば…」「DC残存部隊にとってこの上ない地下秘密基地となります」
レフィーナ「そして、シャイン王女もそこへ連れ去られた可能性が高いということですね…」
ダイテツ「………」
ショーン「いかが致しますか、艦長? これでDC残存部隊の拠点の目処がついたわけですが…」
ダイテツ「…とりあえず、上層部からの命令通りにジュネーブへ向かう」
ショーン「とりあえずと言いますと?」
ダイテツ「おそらく、DC残存部隊は現状の巻き返しを図るために…」「突出した戦力を持つ我々へ、攻撃を仕掛けてくるはずだ」「もしくは、連邦側の中枢を潰すべくジュネーブへ戦力を送り込んで来るかも知れん」
ショーン「なるほど。相手が仕掛けて来るのを待つというわけですな」
ダイテツ「消極的な作戦だが、現状では仕方あるまい」「では、レフィーナ艦長、テツヤ大尉…直ちにヒリュウ改とハガネの出撃準備を」
レフィーナ「わかりました」
【シナリオエンドデモ終了】


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