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第29話
駆け抜けた宇宙


サブタイトル
「駆け抜けた宇宙」


【シナリオデモ開始】
旧NY メトロポリタン美術館前
〔炎の噴き上がる音〕
ル・カイン「フハハハ! 燃えろ、燃えろ! 地球の物など、すべて灰になるが良い!」
市民(男)「あ、ああ…なんて事を…貴重な美術品が…」
治安隊隊員「なんだ、貴様! 文句があるのか!」
〔殴打音〕
〔画面、振動〕

市民(男)「ぐあっ!」
〔人の倒れる音〕
市民(女)「ああ…」
ル・カイン「見よ! 地球人ども!」「ここにある者は、愚劣な物のかたまりにすぎん!」「地球の愚劣な精神はこうしてすべて灰となり、消え失せていくのだ!」
〔炎の噴き上がる音〕
アンナ「…………」
〔走り寄る足音〕
治安隊隊員「むっ! 何だ、貴様!」
アンナ「皆さん、力を貸して下さい! 地球人の宝を運び出して下さい!」
治安隊隊員「やめろ!」
〔殴打音〕
〔画面、振動〕

アンナ「きゃあっ!」
〔人の倒れる音〕
アンナ「く…」「ここにあるのは私達の…地球人の誇りの数々です!」「一人1つずつ、美術品を運び出して下さい!」「素晴らしい地球の宝が燃えてなくなろうとしているのです」「皆さん、力を貸して下さい! 勇気を出して下さい!」
市民(男)「…………」
市民(女)「…………」
アンナ「お願いです…勇気を…!」
治安隊隊員「貴様! 本当に殺されたいのか!」
ル・カイン「フ…その女はレジスタンスだ。殺さず捕らえよ!」
治安隊隊員「はっ!」「さあ、来るんだ!」
〔画面、振動〕
アンナ「離してっ!」
治安隊隊員「ジタバタするな!」
〔殴打音〕
〔画面、振動〕

アンナ「ああっ!」
〔人の倒れる音〕
アンナ「ああ…エイジ…」

グラドス軍 本部庁舎
ル・カイン「フフフ…地球の古き文化は滅び、偉大なグラドスの英知によってこの星は生まれ変わるのだ」「グラドスに刃を向ける者達は私の足元に血まみれの身体を横たえる事になろう…」
〔扉の開閉音〕
〔走り寄る足音〕

グラドス兵「大変です! ル・カイン様!」
ル・カイン「何事だ!」
グラドス兵「報告します! 我がグラドスのステーション衛星が地球軍によって破壊されました!」
ル・カイン「なにっ!?」「ドブネズミがごとき地球軍に我が軍がしてやられたと言うのか!」
グラドス兵「はい、間違いありません。ホワイトベースという戦艦を中心とした部隊との事です…」「しかも、そのホワイトベースが北米に侵入したとの情報も入っております!」
ル・カイン「フン…この地域のレジスタンスと合流しようと言うのだろう…」「もうよい! 下がれっ!」
グラドス兵「はっ!」
〔走り去る足音〕
〔扉の開閉音〕

ル・カイン「連邦軍のホワイトベースか…レジスタンスもろとも、この私が葬り去ってくれる!」「ロアン・デミトリッヒ!」
ロアン「はっ! ル・カイン様!」
ル・カイン「お前は使える地球人と聞いている」
ロアン「光栄です。私にできます事は何なりとお申し付けください!」
ル・カイン「我がグラドスに逆らうレジスタンスの事は知っているな?」
ロアン「はい」
ル・カイン「私が司令となった以上、そのような輩はことごとく抹殺されるであろう」
ロアン「結構な事です。あんな愚劣な者の集まりは一刻も早く消滅させるべきです」「彼らが優れたグラドスの文化を受け入れられないのは、その品性が劣悪だからに他なりません」
ル・カイン「うむ、その通りだ!」「ロアン・デミトリッヒ! 手始めにレジスタンスの捕虜、アンナ・ステファニーを公開処刑せよ!」
ロアン「なるほど…。公開処刑を広く宣伝し、レジスタンスをおびき寄せるのですね?」
ル・カイン「フ…察しがいいな」「アンナ・ステファニーはあのエイジ・アスカと共に、我がグラドスに正面から戦いを挑んできた者達の生き残りだ」
ロアン「はい! レジスタンスをおびき寄せる餌として最高の素材かと」
ル・カイン「フ…しかし、アンナという女…昔はお前の仲間だったのだろう? それを処刑する事ができるかな?」
ロアン「おっしゃる通り、かつての私は無謀にも彼らと共にグラドスと戦いました」「ですが、我々は負けたのです」「過去の戦いを清算せず、無用な戦いを繰り返すなど…私は彼らに心底失望しています!」「アンナ・ステファニーの死も、彼女がグラドスの理念を理解しない以上、仕方ありません」「私の手で始末する事がせめてもの情けかと存じます」
ル・カイン「よかろう! この任務はお前に最適のようだ」
ロアン「はっ!」

荒野
〔機体の発進音〕
ミト王子「へぇ~、これが地球かぁ」
カークス「案外、何もないところですなぁ」

ホワイトベース ブリッジ
シノブ「軌道上から見た限り、緑の多い美しい惑星でした。ここがたまたま荒野なだけだと思いますよ」
剣人「あたぼうよ! 俺の済んでた日本なんて景色のきれいな名所がいっぱいあるんだぜ」
弾児「ああ、懐かしいな。あんたらも気に入ると思うぜ」
ミト王子「そりゃ楽しみだなぁ」
キョオ「俺なんか、このくらいの景色の方が落ち着くけどなぁ…」
ダバ「ミズンに似てるからな」
忍「けど、本当にこんな荒野に基地があるのかよ」
ブルース「レジスタンスの基地ですからね。意外な所に作るのが当然でしょう」
シュテッケン「俺はむしろ、地球での戦のやり方は変わらんという事に安心してるがな」
佐馬「あんたは相変わらず戦いの事ばっか考えてんだな」
ライラ「仕方ないわよ。あたし達は観光に来たわけじゃないんだから」
ビート「とは言え、早いとこ一休みしたいぜ」
エイジ「安心してくれ。そろそろ見える頃だ…」

忍「まさか、あの廃墟か?」
エイジ「そうだ…」「ブライト艦長、廃墟の地下に、レジスタンスの基地があります」「このまま着陸してください」
ブライト「よし、ミライ!」
ミライ「わかりました。ホワイトベース、着陸します!」

レジスタンス 基地
エリザベス「ようこそ、レジスタンス基地へ。私がこの基地の副責任者、エリザベス・クレブリーです」
アラン「そして私が責任者と戦闘隊長を兼務するアラン・イゴールだ」
亮「イゴール…?」
忍「じゃ、まさか、あんた…!」
ブライト「イゴール長官のご子息?」
アラン「ええ、そうです」「ですが、精神論を騙る父のやり方に疑問のあった私は独自の抵抗組織を作り、今に至っています」
忍「ま、わからなくもないな…」
エイジ「僕も地球に降りてから、イゴール長官の下から離れてここで活動していました」
沙羅「アハハ! かわいそうに…嫌われてるね、長官!」
エイジ「違いますよ。イゴール長官はアランさんが心配で僕を護衛につけたんです」
アラン「…まあ、そういう事にしておこう…」「それよりも作戦の話をしておきたい」
ブライト「そうだな…」

レジスタンス基地 作戦司令室
アラン「現在、北米大陸はグラドス軍の支配下にある」「ジャブロー陥落の後、星間連合は南米全域をも制圧した」「今度は戦力を北米に戻し、我々のような抵抗組織を掃討するつもりだ」「その前に基地を撤収し一旦、日本の部隊と合流したい」
エイジ「撤収作業はどのくらい進んでいますか?」
エリザベス「ほぼ完了しているわ。あとは輸送機に積み込むだけよ」
ブライト「うちの若いのを総動員しましょう。副司令から指示を出して下さい」
エリザベス「わかりました」

レジスタンス基地 格納庫
〔鉄の扉の開く音〕
ビーチャ「へへっ…間違いねえ…。ここがレジスタンスのドックだ」
イーノ「うまく潜り込めたね…」
モンド「さっき、すげえ音しただろ。でかい船が入ったはずだぜ…」
ジュドー「おい、見ろよ! ありゃあ、ホワイトベースだ!」
イーノ「本当だ…ジオンとの戦いで沈んだって聞いてたけど…」
ビーチャ「こいつは同型艦じゃないのか? ペガサス級は1隻じゃないんだろ?」
モンド「細かいところが偽装されちゃいるけど、間違いなくホワイトベースだ」
エル「ふ~ん、やっぱオタクは違うねぇ」
モンド「へっ! ジャンク屋稼業をやるんだったら当然の知識さ」
ジュドー「しっかし、こりゃあ…ザクやジムどころじゃねえな…」「うまくすりゃ、ガンダムがかっぱらえる!」
〔鉄の扉の開く音〕
ビーチャ「待て…誰か来たぞ…!」
リィナ「何してるの、お兄ちゃん! ここ、レジスタンスの関係者以外立ち入り禁止のはずよ!」
ジュドー「なんだ、リィナかよ…」「危ないから来るなって言ったろ!」
リィナ「危ないって自覚してるならこんな事しないでよ!」
ジュドー「いいだろ? モビルスーツ売って大もうけしたら、お前にも楽させてやれるんだから!」
ビーチャ「妹思いだねぇ、ジュドーは」
リィナ「お願いよ…もうこれ以上、お兄ちゃんを巻き込まないで!」
〔扉の開閉音〕
ジュドー「な、何だ!?」
モンド「ヤバいっ、乗組員が出て来たぞ!」
エル「大丈夫。まだこっちに気付いちゃいないよ」
ジュドー「よし、とりあえずそこのコンテナに入ってやり過ごそう」
〔足音〕
〔歩み寄る足音〕

クワトロ「よし、アムロ。次はこのコンテナだ」
アムロ「はい! これはMSデッキですね?」
クワトロ「ああ、頼むぞ」
〔エンジン音〕
〔機械の動作音〕
〔機体の拘束音〕
〔画面、振動〕
〔エンジン音〕

ルー「あの、クワトロ大尉、よろしいでしょうか?」
クワトロ「確か君はガンダムMkーIIの2号機を運んできたパイロットだな?」
ルー「ルー・ルカです! 本日付けでホワイトベースに配属になります」
クワトロ「了解した」「早速だが、搬入を手伝ってくれ。今日中に積み込まねばならない」
ルー「了解で!」
クワトロ「よろしく頼むぞ」

レジスタンス基地 司令部
エリザベス「作業はおおむね順調ね」
アラン「手慣れたパイロットが多いようだからな…」
エイジ「そういえば、デビッドとシモーヌはどうしたんですか?」
アラン「そうだな。彼らが見えないのは珍しいじゃないか」
エリザベス「地球型SPTのテストを兼ねて、ニューヨークに敵の動きを探りに行っています」
エイジ「『ドール』が完成したんですか?」
エリザベス「ええ…。今、量産を急がせているわ」
〔通信のコール音〕
アラン「通信が届いた。デビッド達からだ」
シモーヌ「シモーヌです」「ニューヨークを偵察中にアンナの居場所がわかりました!」
エイジ「何だって!?」
エリザベス「それで、アンナは?」
シモーヌ「もうすぐアンナは公開処刑されます…」「至急、応援部隊を送って下さい!」
アラン「ル・カインめ…あからさまな罠を…!」「対策はこちらで検討する。軽率な行動は取るなよ!」
シモーヌ「了解」
〔通信のコール音〕
エイジ「アンナが…!」
エリザベス「見捨てるわけには…いかないわね…」
アラン「我々だけで救出に行こう。ホワイトベースはすぐに動けんしな…」
エイジ「わかりました…」
アラン「では、行くぞ。Dr.エリザベス、後は頼む!」
エリザベス「はい!」

ホワイトベース ブリッジ
〔戦艦の警報〕
〔画面、点滅〕
〔機体の飛行音〕

カミーユ「今、出て行ったのは…?」
ブライト「アランとエイジだ。ニューヨークに向かったようだが…」
ルー「無茶よ! あそこはグラドスの本部じゃない!」
クワトロ「ブライト艦長、ここはホワイトベースで追った方がいい」
ブライト「しかし…それでは、かえって事が大きくなる…」
ララァ「大丈夫です。私達の総力で臨めば、なんとかなります」
アムロ「ブライトさん、僕もそう思います。アランさん達を追いましょう」
ブライト「わかった…」「作業を一旦停止! 全戦闘員を乗せて出港する!」

ホワイトベース デッキ
〔機体の発進音〕
〔画面、振動〕

モンド「おい、この艦…発進したみたいだぞ!」
ビーチャ「焦るこたあねえ。モビルスーツを奪って逃げりゃ…」
エル「撃ち落とされちゃうわよ!」
モンド「貴重なモビルスーツだ。そう簡単に手は出せないさ」
ジュドー「それよりも、エル! リィナを連れてきたの、お前だろ!」
エル「え、いや…」
ジュドー「なんで連れて来たんだ!」
エル「だってさぁ…」
ビーチャ「あーっ、買収されやがったな!」
リィナ「ビーチャさん! お兄ちゃんを悪の道に染めないで下さい!」
ビーチャ「な、なんて事を言うの!」
ジュドー「怒るぞ、リィナ! これは俺達の仕事なんだ!」
リィナ「人の物を盗るのが仕事!? 仕事はいくらでもあるでしょう!」
ジュドー「お前のためなんだ、リィナ…」
リィナ「だったら…私も働く!」
ジュドー「お前は、俺みたいな事する必要はない!」
リィナ「ほら、やっぱり! お兄ちゃんは自分のやってる事、いけない事なんだってわかってるんだ」
ジュドー「く…」
イーノ「麗しい兄妹愛だね、ジュドー」
エル「でも、これからどーすんのさぁ?」
ジュドー「決まってる! 一人1機ずつ、モビルスーツを奪うんだ!」
エル「そう来なくっちゃ!」
〔複数の金属板の上を走り去る足音〕
【シナリオデモ終了】

【戦闘マップ開始】

〔カーソル、アンナがいる地点を指定〕
治安隊隊員「ほらっ、早く歩け!」
アンナ「うう…」
ロアン「アンナ、残念だけど…君は今から公開処刑される」
アンナ「ロアン、ちゃんと説明して! 私には信じられない!」「どうしてなの…? どうしてあなたがグラドスの側に…」
ロアン「今の君から見れば僕は裏切り者。今更、何を言われても別にこたえませんよ」
アンナ「え…?」
ロアン「つまらない誇りなど捨てて早くグラドス人になる事です」「ここであなたが宣言すれば助かる道もあるでしょう…」
アンナ「…………」
ロアン「考える事はないと思いますがねぇ…」「すべての面でグラドス人は地球人より優れていますよ」「君も彼らに飛び込んでみればそれがよくわかるはず…」
アンナ「ロアン…あなたって人は…」
ロアン「ふぅ…最後の忠告でしたが、どうやら考えを変える気はないようですね…」「よし、連れて行け!」
治安隊隊員「はっ!」
アンナ「ロアン…どうして…?」
〔足音〕
アンナ「う…っ!」
治安隊隊員「とっとと歩かんか!」
〔足音〕
アンナ「ああ…エイジ…」
市民(男)「かわいそうに…」
市民(女)「グラドスに逆らいさえしなければ…」
市民(男)「あのまま撃たれるのかね…」
デビッド「くそっ! アンナ、助けてやる!」
シモーヌ「無理をしないで、デビッド。もうすぐ助けが来るはずよ」
デビッド「う…く…!」
治安隊隊員「ロアン様、あの女…いつまで吊るしておくのですか?」「一思いに殺した方がいいんじゃないですか?」
ロアン「公開処刑というのは、見せしめのためのものだ。あっさり終わらせては効果はない」「それに…あまり急いては大きな獲物を逃がす事になる…」
デビッド「だめだ…もう我慢できねえ!」「行くぜっ!」
シモーヌ「あ! デビッド、待って!」
〔味方ユニット出現〕
治安隊隊員「あ、あれは、レジスタンスのSPT!?」
ロアン「フ…かかったな。しかし、あれはまだ小物だ」
〔敵ユニット出現〕
グラドス兵「バカめ! 飛んで火にいる何とやらだぜ!」
グラドス士官「慌てるな! じっくりいたぶって、仲間を呼び寄せるんだ」
グラドス兵「へへっ…了解!」
〔ガンステイド隊、前進〕
デビッド「やっぱり待ち伏せしてやがったな!」
シモーヌ「馬鹿ね…相手は始めからそういう狙いよ…」
デビッド「かといってあのまま放っておいたらアンナが!」
シモーヌ「わかってるわ!」「エイジ達が来るまで私達が持ちこたえて時間を稼ぐしかない!」
デビッド「ああ…やってやろうじゃねえか!」
<戦闘開始>

<4PP・味方援軍1出現>

〔味方ユニット出現〕
エイジ「デビッド、大丈夫か?」
デビッド「ああ、何とかな…」
シモーヌ「もう少し遅かったら危なかったわ…」
アラン「間に合ってよかった」
エイジ「ええ…」
アラン「よし! このままアンナを救出し、離脱するぞ!」

<5PP・敵増援1出現>
ロアン「エイジ、やっぱり来たんだね」「でも、今すぐ降伏する事を勧めるよ」
エイジ「ロアン! なぜグラドスに手を貸すんだ!」
ロアン「戦争は勝った者に従うのが正しい道だよ」
エイジ「勝てば何をしてもいいと言うのか!」
ロアン「グラドスは僕のような地球人をちゃんと受け入れてくれている」「もっとも、それは能力あっての事だけどね」
デビッド「じゃあ、一般人はどうしろってんだよ!」
ロアン「僕からすれば、能力のない人間は努力が足りないだけだよ」「努力もしない人達まで甘やかそうとする社会こそ問題だと思うけどね」
デビッド「この野郎!」
ロアン「フフ…相変わらずだね、デビッド。そんな事でよく生き残ってこれたと感心するよ」
〔敵ユニット出現〕
ロアン「さあ、もう逃げ場はないよ」

<6PP・敵増援2出現>
エイジ「アンナ! 今、助けに行くぞ!」
アンナ「ああ、エイジが私のために来てくれた」
ロアン「フフ…無駄ですよ」
〔敵ユニット出現〕
エイジ「はっ、あの機隊は…!」
〔ル・カイン、エイジへ接近〕
ル・カイン「さあ、味わうがいい! 我が光の洗礼を!」
〔ル・カイン、「V-MAXレッドパワー」発動〕
〔ル・カイン、エイジへ攻撃〕

[イベント戦闘「エイジvsル・カイン」]
〔ル・カイン、エイジへ連続突撃〕
〔エイジに爆発〕
〔画面、振動〕

エイジ「うわああああ!」
ル・カイン「フフフ…V-MAXはレイズナーの十八番ではないのだよ!」
アラン「エイジ! 大丈夫か!」
エイジ「ええ…何とか…」
〔ル・カイン、グラドスタワーへ移動〕
ル・カイン「地球人どもよ! 聞けい!」「私に立ち向かう事がいかに愚かな行為であるかは見たであろう!」「我々に逆らおうとするな! お前達、地球人の幸せは我々に支配される事にあるのだ!」「支配する者とされる者。およそ宇宙には、その原理しかない!」「より良き支配、無垢なる従順!」「これこそが理想なる世を現出するただ1つの真理だ!」「私がこの地へ来たのはその原理に基づいて、真の平和を確立するためだ」「今より古き文化を一切、捨てよ! グラドスを信じよ!」「そして我を信じよ!」
アンナ「違います!」「地球は地球人のものです。地球で生まれ育った者こそが地球を支える事ができるんです!」
デビッド「グラドスは地球からとっとと消えろ! それが地球人の望みだ!」
エイジ「この惑星はグラドス人のものではない!」「グラドスがいなくなればこの地はすぐにでも平和になる!」
ル・カイン「フン! あいにく私は血が濁った者の世迷言など聞く耳を持ち合わせておらん!」
エイジ「ル・カイン! 俺達も好き勝手にさせておくほどお人好しではない」「いいか! 俺はあんたとグレスコ提督を必ずこの地球から叩き出してみせる!」
ル・カイン「よかろう! ならば行動でそれを示してみせよ!」「いくぞっ! 地球人ども!」

<7PP・味方援軍2&敵増援3出現>
〔味方戦艦出現〕
アラン「…ホワイトベースか!」
忍「助けに来たぜ、アランさんよ!」
アラン「馬鹿な! なぜこんなリスクの大きい事を…!」
沙羅「イゴール長官との親子の会話、見てみたいじゃない?」
雅人「ははは! それは見ものかもね!」
亮「フッ…そうだな…」
アラン「まったく…」
エイジ「ブライト艦長、グラドスの機動兵器は小型、高機動のSPTが主力です」「大型機の武器では照準が難しいと思われます。注意してください!」
ブライト「わかった」「クワトロ大尉、編成をそのように変更してくれ」
クワトロ「了解だ、艦長。こちらも機動性重視の編成で行く!」
〔機械の動作音〕
オスカ「ブライト艦長! ホワイトベースのハッチが勝手にオープンしています!」
ブライト「なんだと!? 機動兵器の発進命令は出していないぞ! ハッチを強制的に閉じろ!」
オスカ「だ、だめです! こちらからのアクセスを受け付けません!」
〔味方ユニット出現〕
ジュドー「うひょう! こりゃあ凄い! 並みのパワーじゃねえぞ!」
アラン「『ZZガンダム』…誰が乗っている!」
ジュドー「へえ~、このモビルスーツ、ダブルゼータって言うのか…」「最新型、いっただきぃ!」
〔味方ユニット出現〕
モンド「ぐわっ! なんて加速力だ!」
〔味方ユニット出現〕
ビーチャ「へへっ! うまくいったぜ!」
〔味方ユニット出現〕
エル「早いとこ、ずらかろうよ!」
リィナ「エルさん…戻ろうよ。戻って素直に謝れば…」
エル「ここまで来たら、やるしかないよ!」
リィナ「そ、そんなぁ~」
ジュドー「エル! リィナを頼んだぜ!」
エル「あいよ!」
〔味方ユニット出現〕
イーノ「みんな~、待ってよ~!」
モンド「かーっ! キャノンかよ!?」「鈍そうなの持って来るなよな!」
イーノ「だって、近くにこれしか…」
ビーチャ「わかった、わかった…」
ジュドー「よし、行こうぜ!」
〔ジュドー&エル&ビーチャ&モンド&イーノ、前進〕
クワトロ「やられたな…。乗っているのは子供か?」
ルー「密航者がいたのね…。ジャンク屋稼業の子供達ってところかしら…」
アムロ「でも…うまい…」
カミーユ「あれだけのパワーをよくも…」
ブライト「感心している場合か! 敵が目の前なんだぞ!」
ルー「私が1機捕まえます!」
〔金属板の上を走り去る足音〕
〔扉の開閉音〕
〔味方ユニット出現〕
〔ルー、エルへ隣接〕

エル「きゃああああ! 何すんのよ!」
ルー「おとなしくしなさい! コックピットを焼き切るわよ!」
エル「ううっ…」
〔ルー&エル、ブライトへ隣接〕
〔味方ユニット離脱〕

イーノ「ジュドー! エルとリィナが捕まっちゃったよ~!」
ジュドー「なんだって!?」
クワトロ「ジュドーくん、聞こえるか? 君の妹、リィナは預かっている」
ジュドー「ちくしょう! リィナを返せ!!」
クワトロ「モビルスーツを戻したら返してやる」「だが、あいにく今は戦闘中だ。死にたくなければ下がっていろ」
ブライト「各機、発進! グラドス軍を撃退する!」
〈出撃準備〉
〔ジュドー&ビーチャ&モンド&イーノ、後退〕
ビーチャ「どうする、ジュドー。このままずらかるか?」
ジュドー「リィナやエルを置いていけるか!」
モンド「じゃあ、おとなしくじっとしてるしかないな…」
イーノ「うん…」
ジュドー「いや…このままグラドスをやってやる!」
イーノ「ええ~っ!?」
ジュドー「そもそも、あいつらが来なけりゃ、俺達はもっとマシな生活してたんだ!」
モンド「そうだよなぁ。俺もあいつらは許せない!」
ビーチャ「よし、やるか! 戦果をあげりゃ、うまく交渉できるかもしれないしな!」
〔ジュドー&ビーチャ&モンド&イーノ、前進〕
ブライト「あいつら…! 戦う気なのか!?」
クワトロ「よせっ! 君達にはまだ無理だ!」
ビーチャ「やってみなきゃ、わからないでしょ?」
ジュドー「あんた達より俺達の方がグラドスには恨みがあるんだ!」「それにこんな状況で黙って見ていられるか! リィナは俺自身の手で守る!」
リィナ「お兄ちゃん…」
ル・カイン「フ…あれが噂のホワイトベースか」
ロアン「かなりの兵力のようですが、如何致しますか?」
ル・カイン「すべて手はずどおりだ」「出でよ、死鬼隊!」
〔敵ユニット出現〕
マンジェロ「ようやく我々の出番か…」
ボーン「へっへっへ…今日の獲物は活きが良さそうじゃねえか」
ゲティ「うおおっう! 喰らい尽くしてやるぜ!」
〔ゴステロ、エイジへ接近〕
ゴステロ「エイジーィ! エイジーィイイイ!」
エイジ「ゴステロ! 生きていたのか!」
ゴステロ「生きていた?」「さぁ~てなぁ!」「この体のどこからどこまでが生きているのやらっ! ふあーっはっはっはっはっ!」
エイジ「来いっ、ゴステロ! 勝負だ!」
ゴステロ「はぁーっははっ! たまんねえなぁ!」
〔敵ユニット出現〕

<8PP>
カミーユ「よりにもよってモビルスーツを盗むなんて! 覚悟はできてるんだろうな!」
ジュドー「そんな事、言ってる場合かよ! 今はあいつらをやっつけるのが先だろ!」
アムロ「モビルスーツは玩具じゃない! 怪我しないうちに早く降りるんだ!」
ジュドー「お小言は後でいくらでも聞いてやる!」「それよりほら! 敵さんが来るよ!」
忍「おい、そこの盗人小僧!」
ジュドー「何だよ! あんたも俺に説教しようっての!?」
忍「俺はそんな気はねえから安心しな」「やっちまった事をとやかく言っても仕方がねえからな」
ジュドー「へえ~。頭の固い軍人さんばかりと思ってたけどあんたみたいな人もいるんだな」
忍「ま、とにかく話は後だ。今はこいつらを蹴散らすのを手伝いな!」
ジュドー「おう!」「やってやるぜ!」
忍「こ、こいつ、俺のセリフを…」

<ジュドーが戦闘>
ジュドー「あんたらのせいで地球はこのザマだ!」「今まで好き勝手されてきた分、まとめて返してやる!」

<ビーチャが戦闘>
ビーチャ「せっかく盗み出したんだ! 壊されてたまるかよ!」

<モンドが戦闘>
モンド「ほ、本当に俺、こんな奴と戦えるのか…!?」

<イーノが戦闘>
イーノ「リィナ達を助けるまでやられるもんか!」

<アランが戦闘>
アラン「根性論ではなく、データを基にした戦いがいかに有効かを今証明してやる」

<エイジが戦闘>
エイジ「グラドスめ! アンナは返してもらうぞ!」

<デビッドが戦闘>
デビッド「今までいいようにされてきたがこれからはそうはいかねえ!」「地球人の意地、見せてやるぜ!」

<シモーヌが戦闘>
シモーヌ「私だって伊達にレジスタンス活動をしていたわけじゃないのよ!」「甘くみないでよね!」

<ゴステロと戦闘>
ゴステロ「ぐぅぅぅぅ…! 傷が疼いて仕方ねえ~!」「この疼きはてめえらをブッ殺す快感で抑えてやるぅ~!」

<ゲティと戦闘>
ゲティ「死鬼隊に出会ったが最期! てめえは死ぬしかねえ!」

<マンジェロと戦闘>
マンジェロ「俺様の美しい顔に傷をつけようとする奴は誰だろうと許さねえ!」「腹に風穴空けたるだけじゃなく、バラバラの肉塊にしてやる!」

<ボーンと戦闘>
ボーン「エルダールのスネーク・ドリルでお前を内部からグチャグチャにしてやるぜ!」

<光珠vsル・カイン>
光珠「女の子を痛い目にあわすなんて最低よ!」「絶対に許さないんだから!」
ル・カイン「愚かな地球人の分際で私にそのような口を利くとは…」「楽に死ねると思うなよ、貴様!」

<アムロvsル・カイン>
ル・カイン「我らに抵抗するのが以下に虚しいものかを示す良い機会だ」「貴様の命、ここで貰い受ける!」
アムロ「僕達にはやるべき事があるんだ! むざむざと殺されはしない!」

<クワトロvsル・カイン>
クワトロ「指導者にはそれなりの器というものが必要なのだ」「貴様にそれがあるようには見えんな!」
ル・カイン「グラドス人と地球人を一緒にするなよ」「地球人は我らグラドス人に支配されてこそ、幸福を得られるのだ」
クワトロ「この思想…ザビ家よりも危険な相手という事か…」

<カミーユvsル・カイン>
カミーユ「戦争ばかりしている地球人は確かに野蛮で好戦的な人種かもしれない…」「けど、地球に侵攻してきた上に公開処刑を行う自分達は野蛮じゃないとでも言うのかよ!?」
ル・カイン「口を慎め、地球人! 例え行動が同じだとしても、貴様達とは志が違うのだ!」
カミーユ「何が志だ! 結局、お前はその一言で自分の行動を正当化しているに過ぎないんだよ!」

<ジュドーvsル・カイン>
ル・カイン「おとなしく我らの思想を受け入れないから痛い目を見るのだ!」
ジュドー「だからってこんな酷い事していいわけあるか!」「そんな考えで、好き勝手やられちゃたまんないんだよ!」

<クリスvsル・カイン>
ル・カイン「私に勝てるつもりでいるとは…愚かにも程がある」
クリス「あんまり自分の力を過信しているといつか足元すくわれるわよ!」

<シローvsル・カイン>
シロー「公開処刑だなんて! それでも貴様、人間か!」
ル・カイン「政治には恐怖心を与える事も必要なのだ! それすらもわからん貴様が口を挟む事ではない!」

<號vsル・カイン>
號「せっかくのピカピカボディだが、派手にブッ壊させてもらうぜ!」
ル・カイン「猿が私に逆らうというのか!」
號「誰が猿じゃ! 俺はそう呼ばれるのが一番嫌えなんだよ!」

<剣人vsル・カイン>
ル・カイン「自ら死地に飛び込んで来るとは呆れた愚か者よ」
剣人「偉そうに金色の機体に乗りやがって!」「ふんぞり返っていられるのも今のうちだぜ!」

<ワッ太vsル・カイン>
ワッ太「お前のような奴がいる限り、地球とグラドスに友好の橋を架ける事はできないんだ!」
ル・カイン「所詮、現実が見えていない子供の考えだな。あの世で世界の姿を見下ろしてくるがいい」

<ミト王子vsル・カイン>
ル・カイン「トクガー王家の人間が、よりにもよってこのような下賎の者と行動を共にするとは…」「エドンの先も見えたな」
ミト王子「黙れ! 他人を見下す貴様こそ恥を知るがいい!」「人を導く立場にある者は他者を思いやる心を持つべきなのだ!」

<ダバvsル・カイン>
ダバ「人は皆、平等なんだ! 一部のものが支配する権利などありはしない!」
ル・カイン「それがあるのだよ! 我らグラドス人にはな!」

<ケーンvsル・カイン>
ル・カイン「貴様たちの戦力がどれ程のものだろうと、我らの敵ではない!」
ケーン「その異常なまでの自信、木っ端微塵にしてやらあ!」

<エイジvsゴステロ(戦闘後)>
ゴステロ「エイジィイイ…! 相変わらずの甘ちゃんぶりだなぁ!」
エイジ「くっ!」
ゴステロ「えぁあはっはっはっ! 骨という骨をきしませてやる!」

<エイジvsル・カイン>
ル・カイン「母星であるグラドスを裏切るだけでなく、我らに反抗するとはな!」
エイジ「俺はグラドスを裏切ってなどいない! グラドスだけでなく、地球もまた俺にとって母星なんだ!」「その2つの星が戦争になるのを黙ってるわけにはいかない!」
ル・カイン「戯言に耳を貸すのもここまでだ…」「我が前から永遠に消えよ!」
エイジ「消滅するのはル・カイン、お前の方だ! 行くぞ、レイ!」
レイ「レディ」

<キッドorボウィーvsル・カイン>
アイザック「いたいけな少女を公衆の面前で死刑しようなどとは言語道断!」
ル・カイン「下等な地球人ごときがこの私に意見しようというのか?」
キッド「アイザック、どうやらこの御仁にはキツイお仕置きが必要なようだぜ」

<士郎vsル・カイン>
ル・カイン「我が力の前に恐怖するがいい…二度と歯向かう気が起きぬ程にな」
佐馬「人を恐怖で支配しようとはとんでもねえ悪党だぜ!」
士郎「あなたのような人を野放しにしてはおけません! 覚悟してもらいます!」

<ロックorビートvsル・カイン>
ル・カイン「我が理想国家の実現を邪魔する者は誰であろうと許さん!」
ブルース「あなたの理想国家には決定的に足りないものがある」「それは…自由だ!」
ビート「お~怖わ。そんな息苦しい理想国家は願い下げだね」
ロック「安心しな。こいつをブッ倒しゃ、そんなもんはジ・エンドだぜ!」

<エイジvsゴステロ>
ゴステロ「エイジィイイ…! 相変わらずの、甘ちゃんぶりだなぁ!」
エイジ「くっ!」
ゴステロ「えぁあはっはっはっ! 骨という骨をきしませてやる!」

<ジュドーが敵撃破>
ジュドー「へへ…だいぶ慣れてきたぜ」「悪いけど、勝手にやらせてもらうよ!」
ブライト「ここまでダブルゼータを操れるとは…」「アムロやカミーユと同じか…」

<デビッドが敵撃破>
デビッド「どうだ! 地球製のSPTをなめるな!」「さあ来い、グラドス野郎! 叩き潰してやるぜ!」

<シモーヌが敵撃破>
シモーヌ「やったわ…。これがドールの力ね…」「これならグラドスのSPTと互角にやれる!」

<ゴステロ撃破>
ゴステロ「くそう…!」「こ、殺してやるぅうう!」
ル・カイン「ゴステロ! 見苦しい真似はやめろ!」
ゴステロ「うわっ、うわあああ! お、お許しを~!」「お、お許しを~! ル・カイン様~!」
ル・カイン「フン! 負け犬はこの場から去れ!」
ゴステロ「は、はは~っ!」
〔敵ユニット離脱〕
ル・カイン「ゴステロを倒すとは…噂だけの事はあるようだな」

<ル・カイン撃破or50%以下>
ル・カイン「ほう…やるな。久々に我が闘争本能が刺激されるわ」「フフフ…ハハハハハ! 地球人どもめ、なかなか楽しませてくれる!」
〔通信のコール音〕
グレスコ「ル・カイン…退き時だ」
ル・カイン「これはこれは、父上。もう南米から戻られたのですか?」
グレスコ「ル・カイン…ただちに戦いを止め、司令部に帰還するのだ」
ル・カイン「何を言われる、父上! 今こそ奴らを一網打尽にする時!」
グレスコ「もうじきジャブロー攻略を終えた主力部隊が戻って来る。ここでお前が退いても大局は変わらぬ…」「今は異次元同盟との戦いに備え、戦力を温存するのだ」
ル・カイン「ぬ…くく…!」
グレスコ「お前に放したい事がある。帰還後、ただちに出頭しろ」
ル・カイン「…わかりました…父上」
〔通信のコール音〕
ル・カイン「ロアン・デミトリッヒ! 後始末は任せるぞ」
ロアン「はっ!」
〔敵ユニット離脱〕

<ゲティ撃破>
ゲティ「こ、こんなはずじゃねえ…!」「くそっ…ここんとこ地球人の雑魚ばかりが相手で腕がなまっちまってる!」
〔敵ユニット離脱〕

<マンジェロ撃破>
マンジェロ「く…俺のスピードについてこれる奴がいるとはな…」「この借りは必ず返すぞ!」
〔敵ユニット離脱〕

<ボーン撃破>
ボーン「ぬうう…こんな奴らに…!」「…次にやる時は必ず地獄に送ってやる!」
〔敵ユニット離脱〕

<敵全滅・勝利条件達成>
エイジ「敵の防衛戦が崩れた…!」「アンナ! 今、助ける!」
〔エイジ、アンナがいる地点へ接近〕
アンナ「ああ…エイジ!」
治安隊隊員「ああっ、敵のSPTが…!」「このままでは人質を奪われます!」
ロアン「…諦めろ。SPT相手に地上部隊ではどうにもならん」「速やかに撤収し、部隊を再編成するんだ!」
治安隊隊員「了解しました…」
〔エイジ、アンナがいる地点へ隣接〕
エイジ「アンナ、もう大丈夫だ。怪我はないか?」
アンナ「ええ…」「うう…エイジ…ありがとう…」
エイジ「さあ、帰ろう」
〔味方ユニット離脱〕
〔戦艦の警報〕

オスカ「艦長! 敵の大部隊が接近中です!」
ブライト「南米方面に展開していた敵の本隊だ」「相手にせず、速やかに撤退する!」「全機、着艦してくれ!」
イーノ「全機…って…僕達もだよね?」
ビーチャ「このままグラドスのど真ん中に残るわけにもいかないだろ…」
モンド「ホワイトベースに帰ったら何されるかわからないぞ」
ジュドー「出たとこ勝負! 覚悟を決めるしかないな」
〔味方ユニット離脱〕
クワトロ「艦長、彼らは鍛えれば使えるな」
ブライト「大尉がそう言うなら…」「どのみち軍の機密を知られた。日本に連れて行くしかない…」
クワトロ「そういう事だ」
エマ「少し甘いのではないですか?」
アムロ「事情はあると思います。まずは彼らの言い分も聞くべきでしょう」
ブライト「だが、甘やかすわけではない」
カミーユ「そうですね。僕が行って修正してやります!」
〔味方戦艦離脱〕
〔敵ユニット出現〕

ル・カイン「く…私が出ながら、エイジとホワイトベースを取り逃がすとは…」「奴らはステーション衛星を破壊した舞台…小部隊だからと言って侮ってはならん…。ここで潰しておくべきだったのだ」「今の父上は戦略に溺れ、戦場の機微が見えなくなっておられる…」
【戦闘マップ終了】

【シナリオエンドデモ開始】

ホワイトベース デッキ
〔殴打音〕
〔画面、振動〕

モンド「ぐわっ!!」
〔人の倒れる音〕
モンド「いてててて…」
カミーユ「遊びでやってるんじゃないんだよ!」
ジュドー「俺達だって生きるために必死なんだよ!」
カミーユ「この野郎!」
〔殴打音〕
〔画面、振動〕

ジュドー「ぐっ!」
シロー「よせ、カミーユ。それくらいでいいだろう」
カミーユ「こんな事、何度もされたらこっちの命がいくつあっても足りませんよ!」
リィナ「ごめんなさい、皆さん。お兄ちゃん達もほんの出来心で…」
シロー「出来心でモビルスーツ盗みか…」
モンド「戦争のおかげでみんな出稼ぎなんだ」
ビーチャ「ジオンとの戦争の時も酷かったけど今の方がもっと酷い…」
剣人「俺達と同じだ…。戦火の中をくぐり抜けて生きてきたんだな…」
アムロ「彼らも戦争の被害者です…」
シロー「だが…軍の新兵器を無断で持ち出そうとしたんだ」
カレン「普通なら拘束の上、それ相応の処罰を受ける…」
ジュドー「おい! リィナは関係ないだろ!?」
イーノ「生きていくために仕方なくやってたんだ!」
エル「誰のせいでこうなったと思ってんだよ!」
ビーチャ「大人の政治なんか関係ないね! 俺達はここで、のうのうと過ごすのさ!」
アラン「それはできない。軍の機密を知った以上、君達は日本まで同行してもらう…」
ジュドー「結果的にそうだってのは気に入らないんだよ!」
ルー「大人には色々事情があるのよ!」
ビーチャ「言う事なんざ聞かねえぞ!」
シロー「わかったわかった。とにかく一旦落ち着いて話を聞いてくれ」
アラン「君達には基本的な教育も含めて、しばらく自習室に入ってもらうが特に罰則を課すつもりはない」
モンド「そのうちホワイトベースの位置を敵に知らせちゃうかもよ? 金になりそうだしな!」
シロー「仕事に励んでくれたら給料も出すそうだよ。なにしろ艦内は人手不足だからね」
カミーユ「シローさん!」
リィナ「あの…私、一生懸命働きます! だからお兄ちゃんもこの艦で働かせてください!」
ルー「お兄さん想いの、いい子ねぇ」「ジュドー? こんな子を悲しませちゃだめよ」
ジュドー「リィナ! 勝手な事言うな!」
リィナ「お兄ちゃんはこの艦で働くべきなのよ!」
アラン「強制はしない。冷静になって考えてみてくれ」
ビーチャ「けっ! 逃げ場のない艦の上じゃほとんど強制じゃんかよ…」
アラン「何か言ったか?」
モンド「いえいえ、何も!」
アラン「とにかく、今は自習室に入っていてもらう。そこでゆっくり考えてくれ」
エル「は~い! 自習させていただきま~す!」
〔複数の歩き去る足音〕

グラドス軍 本部庁舎

グラドスタワー グレスコ広間
グレスコ「ル・カイン…私が南米に出征している間、派手にやったそうだな?」
ル・カイン「もう耳に入りましたか…」
グレスコ「地球人の言論、文化の弾圧…意味のない殺戮と破壊は民衆を離反させるだけだ」
ル・カイン「父上の政策に賛同するからこそです!」「父上は占領政策の1つの柱として、地球文化のグラドス化を掲げられました」「しかるに、それを徹底なさらずに2つの拠点を封鎖したまま残しておられた」
グレスコ「それで…ニューヨーク図書館とメトロポリタン美術館を焼き払ったのか…」
ル・カイン「そうです! 政策の不徹底は地球人どもに軽んぜられる元となります!」
グレスコ「…………」
ル・カイン「どうなされたのです、父上!」「大量殺戮兵器を使い、この大陸の地球人どもの7割を抹殺した方のお言葉とは思えません」
グレスコ「それは一時の事…。支配の法則には段階というものがあるのだ」
ル・カイン「わかりません…」
グレスコ「すべては…お前のためなのだ」
ル・カイン「…………」
グレスコ「お前はグラドス人が地球人よりも遥かに優れた人種だと思っている」
ル・カイン「事実ですから致し方ありません」
グレスコ「優れた者によるより良き指導…それに従う無垢なる従順…」「それがお前の支配の原理か?」
ル・カイン「その通りです」
グレスコ「…………」「ジュリア、入って来るのだ」

〔扉の開閉音〕
〔歩み寄る足音〕

ジュリア「…………」
ル・カイン「この女は…?」
グレスコ「ジュリア・アスカ…あのエイジ・アスカの姉だ」

グレスコ「元々、我が軍の兵士であったが、今は『クスコの聖女』と呼ばれ、地球人の支持を受けている…」
ル・カイン「また地球人との混血ですか? なぜそのような者を神聖なるこの部屋へ!」
グレスコ「南米への出征の途中で我が艦に乗り込んできたのだ。私を説得するためにな…」
ル・カイン「説得!?」「何を説得するのですか?」
グレスコ「ジュリアよ。ル・カインに話すがよい」

ジュリア「ル・カイン様 あなたは間違っておられます」「グラドス人と地球人は同等なのです」「元を正せば、グラドス人も地球人も同じ根から発生した種族だという事です」
ル・カイン「フンッ! 現れた途端、奇異な事を言う!」
ジュリア「いいえ、嘘ではありません。グラドス人と地球人の先祖は同じなのです!」
ル・カイン「黙れ! ジュリア!」

ル・カイン「父上! いつまで世迷言を言わせておく気です!」
グレスコ「ル・カイン…ジュリアの言葉は全て事実だ。嘘はない…」
ル・カイン「父上! なりませんぞ!」「まさか父上は、血の濁ったこのような女の言う事を真に受けているわけではないでしょうな」
グレスコ「そうではない…。グラドスの権力の中枢にある者はいずれは知る事になる秘密なのだ」
ル・カイン「…!?」
グレスコ「お前は支配の原理を学ばなければならん」「支配とは、自らを悪と認めるところから出発する」「支配力を維持するために幾百万の人間の血が流された事をお前は知らなければならない」
ル・カイン「だからこそ、流された血を無駄にしないためにも!」「支配する者は優れていなくてはならないのです!」
グレスコ「優れているとは、どういう事だ?」「知識か…肉体か…家柄か…容貌……危ういものだ」「そのような価値観はうつろい易い…」
ル・カイン「では、父上の言う支配とは、何なのですか?」
グレスコ「支配とは力だ! 他者を押さえつける力だ!」
ル・カイン「…!」
グレスコ「自らをまず悪と認める事ができる者が必要なのだ」「すべてを知った上でなお、超然と君臨できる者が必要なのだ!」
ル・カイン「ぐ…!」

グレスコ「やはり…占領軍司令官としてはまだまだ未熟なようだな…ル・カイン…!」
ル・カイン「それは父上のお考え!」「私の場合は、あくまで優れた者が支配すべきという考え方です!」
グレスコ「支配だけなら愚者でも可能だ!」
ル・カイン「いえ! 優れている者こそですっ!」
グレスコ「まだわからんのかっ! ル・カイン!」
ル・カイン「父上こそ、おわかりになっていない!」「父上は支配の高みからお逃げになろうとしている!」
グレスコ「口が過ぎるぞ、ル・カイン! 下がれっ!」
ル・カイン「お待ちください、父上!」
グレスコ「私はお前を買いかぶりすぎていたわ! お前は幼すぎる…」
ル・カイン「うぐ…!」「卑怯ですぞ、父上! 私が父上の意にそぐわぬからといって!」「それが父上の支配の論理ですか!」
グレスコ「ル・カイン! 私はお前を罷免する!」
ル・カイン「父上!」
グレスコ「下がれっ!」
ル・カイン「ぐっ…!」
〔画面、「銃口」を表示〕
〔銃を構える音〕

ル・カイン「父上!」
グレスコ「フ…激情に駆られ、父に銃を向けるか…ル・カイン!」
〔銃声〕
グレスコ「ぬうっ!」
〔人の倒れる音〕
〔画面、振動〕

グレスコ「ぐおお…」

ジュリア「ああ…なんという事を!」
ル・カイン「うう…」
〔足音〕
グレスコ「ル・カイン…ジュリアを殺せ…」
ル・カイン「うう…」
グレスコ「グラドスの支配と…お前の…お…お前自身の…ために!」「私の…死の真相は…ひ、秘密に…するのだ!」
ル・カイン「ち、父上…」
グレスコ「グ…グラドス創世の秘密は…守らねばならん…!」「ジュ…ジュリアを…ジュリアを殺せぇ…!」「ぐはっ…!」
〔人の倒れる音〕
〔画面、振動〕

ル・カイン「父上…!」「父上ーっ!」
ジュリア「…………」

グラドス軍 本部庁舎
ル・カイン「聞け! 全兵士諸君!」「私はここに亡き父の遺志を継ぎ、グラドス人と地球人のための理想国家建設に努力する事を誓うものである!」「ロアン・デミトリッヒ! ここへ!」
ロアン「ハッ!」
ル・カイン「兵士諸君、紹介しよう。これから私の右腕となるロアン・デミトリッヒだ!」「地球人でありながら、実に優れた男だ」「これからの私は優れた者ならばたとえ地球人であろうとも分け隔てなく雇用する事にした!」「それでこそ、はじめて理想的な国家が建設できると気付いたからだ!」
〔ざわめき〕
ル・カイン「見ての通りだ、諸君! 私の理想はこのような形で実現される!」
ロアン「閣下のご希望に沿って新たな都市計画の準備は整っております!」
ル・カイン「古きもの! 悪しきものが浄化されながら消滅する!」
〔炎の噴き上がる音〕
ル・カイン「古きものよ! 悪しきものよ!」「新しきもの、理想なるものの誕生のため…炎の洗礼を受けよっ」

グラドスタワー周辺
ロアン「アーサー! こんなところに呼び出していったい何事だい?」
アーサー「…………」
ロアン「…用事がないなら僕は行くぞ? 僕は忙しいんだ!」
アーサー「待てよ…! ロアン!」「今日こそは本心を聞かせてもらうよ」
ロアン「本心?」「それはどういう意味だい?」
アーサー「つらかったろうなぁ…」
ロアン「つらい?」
アーサー「君はル・カインの言いなりになってるように見せて、時を待ってる!」
ロアン「…………」
アーサー「僕にだけはその苦しい胸の内を明かしてくれ」
ロアン「何の事だい? いくら君でも、その発言はまずいよ。僕の立場はわかっているんだろう?」
アーサー「じゃあ、ロアン…本当に君は!」
ロアン「…………」
アーサー「へへへへ…またまたぁ! もう、お芝居はよそうぜ?」「本心を明かせよ。本当はスパイなんだろ?」「わかってるさ…つらいだろうなぁ…」
ロアン「重大な話って、その事かい?」
アーサー「ああ…そうだよ」
ロアン「アーサー…本当に君って甘ちゃんだな」「忠告するよ。グラドスに忠誠を尽くす事だ」
アーサー「なんだとぉ!」「いや…またまたぁ! 本当に君って用心深いんだな…」
ロアン「君は本当に馬鹿だなぁ…」「昔のよしみだ。この話は聞かなかった事にしておくよ」
アーサー「ううっ…待てよ! ロアン!」「見損なったぞ! そこまでグラドスに身を売りたいのか!」「ル・カインと一緒に地球人を支配したいのか! 裏切り者ぉっ!」
ロアン「人間なんて弱いものさ…。たとえ敵であっても僕を正当に評価してくれるとねぇ…」
アーサー「嘘だ! ロアン!」
ロアン「君は現実を見てきたのだろう?」「やはり優れた者しか最後には生き残れないのさ」「君が着ているその制服のおかげでどれだけの見返りがあるか…考えてみる事だね?」「じゃ、僕は失礼するよ」
〔砂の歩き去る足音〕
アーサー「うう…ロアン…僕は信じてるぞ! 信じてるぞぉーっ!」「う、ううう…」

レジスタンス基地 格納庫
デビッド「ふう…ようやく帰ってきたってのに、休む間もなく出発かよ」
シモーヌ「いいじゃない。アンナも救えたんだし」
アラン「敵が来る前に撤収を終わらせるぞ」
エリザベス「全輸送機の発進準備は整っています」
アラン「よし。ブライト艦長、いつでもいけるぞ」
ブライト「了解した。これよりホワイトベース隊は輸送機を護衛しつつ日本へ向かう!」

ホワイトベース 自習室
ビーチャ「くそう…こんなとこに閉じ込めやがって…」
モンド「どうにかして逃げ出してやろうぜ」
ジュドー「ああ…このままじゃ腹の虫がおさまらないしな…」
リィナ「もうやめなさいよ! 真面目に勉強した方がいいって!」
エル「何やってんのよ…ったく」
ルー「なに? 抜け出す事、考えてるわけ?」
ジュドー「な、なんだよ…」
ルー「実はね…」

ジュドー「な…何ーっ!? この俺にダブルゼータに乗れって?」「そんなんやだね! 見ず知らずの奴のために戦うなんざ…」
ルー「あらあ? …お友達や妹さんのためには戦わないといけないんじゃないの?」「それに…素質を感じるってブライト艦長やクワトロ大尉が言ってたわ」
ジュドー「お…おだてて乗せようとしてる?」「ダメ! ダメだよ、そんなの!」
リィナ「すっかりおだてられてる…」
イーノ「ジュドーの奴…おだてとリィナには弱いから…」

ホワイトベース 個室
光珠「いよいよ、日本に帰れるのね…」
フェアリ「ええ…きっと皆さん元気だと思いますよ」
光珠「うん…ちょっと涙出そう…」

ホワイトベース デッキ
ワッ太「やっと、帰れるのか」
郁絵「今回の出張は長かったですものね」
木下「帰ったら、パーッとやりましょう! パーッとね!」
厚井「こらこら、ワシら大人は会社で色々とやる事があるんだぞ」
柿小路「そうですぞ、木下くん!」「これまでにかかった経費の計算だけでも大変な事に…」
ワッ太「ああ…かおるちゃん、俺の事忘れてないよな…」
【シナリオエンドデモ終了】


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● 第29話「死鬼隊の魔の手」 へ進む

● 第30話「激闘、ダブルマジンガー」 へ進む


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