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No.11B
オン・ユア・マークス

【シナリオデモ開始】
宇宙
地球圏外縁

  ~プトレマイオス ブリーフィングルーム~
スメラギ「…では、このプトレマイオスのクルーを紹介するわね」「
クリス「オペレーターのクリスティナ・シエラです。クリスって呼んでね」
リヒティ「操舵士のリヒテンダール・ツエーリっス。リヒティって呼んで下さって結構です」
ラッセ「ラッセ・アイオンだ。本来なら砲撃士だが、この艦には武装が無いんで、サブの操舵士をやってる」
フェルト「フェルト・グレイス…。戦況オペレーターです」
イアン「イアン・ヴァスティ。メカニック担当だ」
クロウ「これに医療スタッフとガンダムマイスターの4人を加えてソレスタルビーイングか」
デュオ「と言っても、ここにいるのは実行部隊だけだろうがな」「あれだけの事をやってのける連中がこれっきりの人数のわけがない」
ロックオン「察しの通りだ。ソレスタルビーイングのサポートメンバーやエージェントは世界中にいる」
スメラギ「私もその全ては把握していないわ。それだけ広くて深いのよ、ソレスタルビーイングは」
クロウ「そこらの話を詳しく聞きたいが、どうせ話してくれないんだろ」
スメラギ「そうね。その辺りは大人の事情ってところで察してくれるとありがたいわね」
クロウ「了解だ。俺としては、まずは戦闘データの収集が第一だ。余計な事まで首を突っ込む気はねえよ」
ロックオン「おいおい…物事は正確に言おうぜ。お前の目的は借金の返済だろ?」
クロウ「随分と早耳だな」「まさか、ソレスタルビーイングは俺個人をマークしてたのか…!?」
デュオ「そんなわけあるかよ。俺が話しただけだ」
クロウ「ジョークだよ。少しでもこの場を和ませようとしてな」
ヒイロ「………」
刹那「………」
ティエリア「下らん…」
アレルヤ「逆効果だったみたいだね」
クロウ「らしいな。こいつはハードルが高過ぎだ」
リヒティ「ドンマイっス。気持ちだけは伝わりましたから」
クリス「うん。全然、面白くなかったけど」
クロウ「盗人に追い銭…。貧乏人がさらに借金…。フ…俺の人生、そのものだぜ」
スメラギ「じゃあ、一通りの交流が済んだところで状況の説明をするわ」「既に国連では謎の船団と通信によるコンタクトを済ませたわ」「彼等は超長距離移民船団…通称フロンティア船団と呼ばれる一団で我々とは別の地球からの来訪者だそうよ」
葵「別の地球…!?」
くらら「では…!?」
スメラギ「そう…彼等はあの大規模次元震…時空震動で並行世界から転移してきた地球人だそうよ。…彼等の言葉を信じるならね」
朔哉「宇宙船の集団ごととはよ…。アストラギウスの連中が来た時以来の大規模な転移者だな」
隼人「だが、あれだけの宇宙船を建造する技術は俺達の地球にはない」「どうやら航宙関連のテクノロジーにおいては差があるようだな」
竜馬「で、何だよ? その超長距離移民船団ってのは」
スメラギ「それを説明するためには、彼等の地球について語る必要があるわね」「さっき隼人がテクノロジーの差を指摘したけど、それには理由があるの」「彼等の地球は銀河規模の星間戦争に巻き込まれ、一時は滅亡の寸前までいったそうなの」
武蔵「地球が滅亡寸前だって…!?」
ジョニー「星間戦争という事は異星人同士の戦いに巻き込まれたと?」
スメラギ「その通りよ。…地球に落下した異星人の艦…後にマクロスと呼ばれる艦が全ての始まりだった…」「地球人はその艦に残された異星人の文明OTM…オーバーテクノロジーオブマクロスを吸収した」「そして彼等は、改修したマクロスを中心に巨人型異星人ゼントラーディと戦ったそうなの」
ティエリア「異星人…異種…」
ロックオン「それも巨人型とはな…。宇宙は広いもんだ」
スメラギ「でも、それは銀河全体から見れば、ほんの小さな平和に過ぎない事を彼等は痛感したの」「その結果、人類という種を広げるために彼等は船団を組織し、銀河系全域を対象に移民を開始したの」
クロウ「それが超長距離移民船団か…」
スメラギ「彼等、フロンティア船団はその第55次計画にあたるそうよ」
デュオ「何とも言えない話だな。新天地を求めて地球を発った宇宙船が別の地球にたどりついちまうなんて…」
武蔵「でもよ、相手は同じ地球人だ。少なくとも戦争って事にはならねえようだな」
ジョニー「そうとは限らないと思います。彼等が僕達の事を同胞とみなさない場合、僕達の地球を侵略する可能性もあります」
朔哉「同じ地球人が地球を寄越せって言うのか?」
ジョニー「あくまで仮定の話です。僕だって、そんな事は望んではいませんよ」
スメラギ「この話をフロンティア船団から聞かされた時、当然、ジョニーの言ったような事態を懸念する声もあがったわ」「だから、フロンティア船団への接触は示威的な手段を使うべきだと主張する一派もいたそうよ」
ロックオン「どうせ三大国家のどこかだろうさ」
デュオ「同感だ。連中は物事の解決をすぐに力でやりたがるからな」
スメラギ「でも、平和維持理事会代表のエルガン・ローディックは、いたずらに敵意を刺激するような行動は控え…」「まずは対話による接触を試みるように主張し、結局、反対派を抑え込んだそうよ」「その結果、使節団はほぼ丸腰でフロンティア船団に向かっているわ」
クロウ「いい判断だな。こちらに敵意がないのを見せるのなら、そこまでやらにゃならんさ」
葵「やるじゃないの。そのエルガン・ローディックって人」
くらら「国連と言えば、三大国家の顔色をうかがうだけかと思ったら、そういう人間もいるのね」
隼人「やり方は相当強引だと聞くがな」
ティエリア「ヴェーダのデータでも、彼は自分の主張を通すためなら、あらゆる手段を講じる人物だとされている」
竜馬「あらゆる手段か…。ふ…俺達と同じ匂いがするぜ」
ロックオン「ボートマンとやらの提案を受けて、俺達を秘密裏に雇い入れたのもその一環ってわけか」
スメラギ「恐らくはね。船団の情報をボートマンに渡したのも彼だと思われるわ」
クロウ「一歩間違えれば、国連に対する背任行為だぜ。よくやるよ…」
スメラギ「国連はフロンティア船団への使節としてドーリアン外務調停次官とコーナー外務調停大使を派遣したそうよ」
ヒイロ「ドーリアン…」
刹那「リリーナ・ドーリアンの父親だ。気になるか?」
ヒイロ「…!」
デュオ「どうして、お前がリリーナお嬢さんとヒイロの事を知ってるんだ?」
刹那「ソレスタルビーイングは各国の利害の調停役であるドーリアン外務次官の動きはマークしている」「俺はエリア11の潜入工作員だ。次官が娘を突然あの地へ転入させた事も調査対象だった」
デュオ「で、リリーナの事も追ってたってわけか」
ティエリア(彼女にマークをつけた理由はそれだけではないがな)
デュオ「なあ、刹那…あの子とヒイロが俺の目の届かない所で何やってたか教えろよ」
刹那「報告するような事はない。敢えて言うならば…」
ヒイロ「余計な事を言うな…」
刹那「………」
ヒイロ「………」
ロックオン「そこまでにしとけよ。一応プライベートな話だからな」
デュオ「ちっ…せっかく、あいつの弱みでも握れると思ったのによ」
ヒイロ「俺はエリア11の任務からは離れた。もうあの女とは関係ない」
デュオ(そうやって、わざわざ宣言する所がらしくねえんだよな)
アレルヤ「…それでスメラギさん、使節団とフロンティア船団の会談はどうなっているんです?」
スメラギ「さすがにそこまではわからないわ。リアルタイムで情報が入るわけじゃないから」「ただ、船団側も情報収集が第一でしょうから、初手から大きな動きはないと思うわ」
武蔵「移民の艦って事はあれには民間人も乗ってるって事だよな」
スメラギ「ええ。聞いた話では、艦の中には街があって、地球と変わらぬ暮らしをしているそうよ」
ジョニー「下手すれば数十年に渡る航海でしょうからね。人間の生理機能を考えれば、そういった形にするのが一番なのでしょう」
朔哉「そいつらの艦ってのは移動型のコロニーみたいなもんだな」
アレルヤ「彼等の転移は、地球圏に新たな国が誕生したようなものだね」
ロックオン「それもこれまでの地球にないような技術を持った国…」
ティエリア「新たな火種になる可能性が高いな…」
クロウ「そう悪い方ばかりに考えるなよ。同じ地球人だ…仲良くなれるかも知れないぜ」
スメラギ「では、それを確かめに行きましょうか」
ジョニー「でも、船団への接触は国連の使節団に一任されていますよ」
くらら「まさか、潜入するんですか?」
スメラギ「忘れていない? 私達はソレスタルビーイングならびにその協力者…」「言わば、国際的な非合法集団なのよ」
クロウ「要するに必要とあらば、ルールもモラルもぶっちぎりってわけね」
スメラギ「そう…。そして、この場合、必要とあらばに当たると私は判断するわ」

フロンティア船団
アイランド1

  ~アイランド1 美星学園~
ナナセ「おはようございます、早乙女君。…何だか、ずっと忙しいみたいですね」
アルト「ああ…色々あってな」(学生としての生活に加えて、S.M.Sの隊員としての生活があるからな…)
ナナセ「本当に色々ありましたね、この数日の間に」
アルト「そうだな…」
ナナセ「あのバジュラって蟲…怖かったですね…」
アルト「ああ…」
ナナセ「でも、もう大丈夫ですよね。政府は宇宙生物の一種で、完全に撃退したって発表してましたし」
アルト「だといいがな」
ナナセ「それより…フロンティア船団…どうなっちゃうんでしょうね…」
アルト「まさか、別の世界の地球にたどり着くとはな」
ナナセ「こっちの地球はゼントラーディとの戦いもなく、統合政府もないって聞きます」
アルト「各国家を代表した国連ってのの使節団と政府が会談するってニュースで言ってたが…」
ナナセ「戦争になったりしませんよね…?」
アルト「まさか…。種の存続を目的に銀河を旅してきたのに地球人同士で争うなんて馬鹿過ぎるだろう」「折り合いが悪くなったら、また銀河の中心に向けて出発すればいいだけの話だ」
ナナセ「でも…ここって私達のいた世界ではないんですよ」
アルト「移民船団にいる以上、もう地球を見る事はないと思っていたからな。そうショックでもないさ」「そう思ってる奴が大半だからか、こうやって学校も街もとりあえずは普段通りの日々を送ってるんだろうさ」
ナナセ「そうですね…」
アルト「…出て行くんだとしたら、その前に一度地球に降りてみたいけどな…」
〔歩み寄る足音〕
ルカ「おはようございます、ナナセさん、アルト先輩!」
ナナセ「おはよう、ルカ君。それにミシェル君も」
ミシェル「よう、アルト姫。疲れ顔は、より一層セクシーだな」
アルト「ミハエル…」
ミシェル「歌舞伎俳優の18世早乙女嵐蔵の長男。10歳で初舞台。その後、美星学園中等部演劇コースに入学…」「高等部進学時にパイロットコースに転科。美貌に加えて、多彩とは嫉妬しちゃうね」
アルト「そいつはイヤミかよ」
ミシェル「まあな。クラスの首席は俺だし、あっちの方でもお前の遥か上を行ってるしな」
ナナセ「あっちの方?」
ルカ「え、ええと、ほら! EX-ギアのアクロバットチームの話ですよ」
アルト「俺にイヤミを言うためにわざわざ呼び止めたのかよ、ミハエル?」
ミシェル「一応の友人として忠告する。泥沼に頭まで入り込む前に逃げた方がいいぜ」「今のままじゃ、いずれ自分が死ぬか、誰かを殺す」
アルト「てめえ!」
ミシェル「そうやって、すぐに頭に血を上らせて冷静に状況を見れないようじゃ、俺の言葉を証明しているようなもんだ」
アルト「くっ…!」
ルカ「アルト先輩! もうすぐ学校が始まりますよ!」
アルト「今日は自主休校だ!」
〔歩き去る足音〕
ルカ「先輩…」
ナナセ「どうして、ミシェル君はアルト君にああいう言い方をするんですか?」
ミシェル「言ったろ? 友達だからさ」「というわけで、俺とルカもアルトに付き合って自主休校だ」
ルカ「え…僕もですか?」
ミシェル「友達甲斐がないな、ルカ。やっぱり、友情よりも恋の方が大事か?」
ナナセ「恋?」
ルカ「な、何でもありません、ナナセさん!」
ミシェル「ほら行くぞ。このままお前をナナセの前に置いていっても何の進展もなさそうだしな」
ルカ「ミシェル先輩!」

  ~アイランド1 市街地~
クロウ「ここがフロンティア船団の居住区ね…」
デュオ「綺麗な街並みだな。俺達のコロニーとは大違いだぜ」
ロックオン「下手すりゃ産まれてから死ぬまでこの中で暮らすんだ」「余計なストレスを生まないためにも環境には人一倍、気を遣ってんだろうさ」
クロウ「確かにな。崖っぷちの俺の日常よりも数倍は健康的だ」
ロックオン「基本的な情報はヴェーダを介してのハッキングで入手している」「俺達のミッションは街の人間の反応を直に探る事だ」
クロウ「スメラギさんは上の人間同士の政治的な摂政よりも、市民の人となりを見たいってわけか」
デュオ「それはわかったけどよ…。どうして、スメラギさんはこいつらを潜入メンバーに選んだんだよ」
刹那「………」
ヒイロ「………」
デュオ「この健康的でこざっまりした街並みにこいつら、あまりに浮き過ぎてるぜ」
ロックオン「刹那はマイスターとして、こういった任務に対する教育も受けてる。ちゃんと市民の役をこなすさ」「そっちのヒイロにしても…」
ヒイロ「………」
ロックオン「まあ、その…何だな、うん…」「万一の時には工作員としての腕に期待させてもらう」
デュオ「サジ投げてんなよ!」
クロウ「やれやれ…引率者としては苦労の絶えないメンバー構成だぜ」
〔物音〕
クロウ「っと! 接触事故か!」
アルト「あ…すまない。考え事をしてたもので」
クロウ「学生さんか…。丁度いい、アンケートに答えてもらえない?」
アルト「アンケート?」
ロックオン「社会学の講義でね。今回の時空震動における人々の意識調査をしているんだ」「俺とそっちのタレ目は教授の助手をやっていてね。今日はゼミの学生を連れての実習なんだ」
クロウ(しかし、笑っちまうような設定だな。世間を騒がすガンダム乗りが街頭アンケートとは)
デュオ(文句があるなら、スメラギさんに言えよま…不特定多数に声を掛けるにはうってつけの筋立てだな)
アルト「悪い…。そういうのは好きじゃないんだ」
刹那「お願いします。僕…このままじゃ単位が危ないんです」「今日中に回答を30人分集めないと留年しちゃうんですよ」
アルト「そうなのか…」
刹那「そっちの二人もちゃんとお願いしなよ。君達も僕と同じなんだろ」
デュオ「わ、わかったよ、委員長」
ヒイロ「………」
刹那「そんな風に突っ張ってちゃ駄目だよ、君」
アルト(不良の面倒も見なきゃならないなんて、あいつ、大変なんだな…)
刹那「お願いします。そんなに手間は取らせませんから」
クロウ(やるじゃねえか、刹那。ちゃんと学生役を演じてる)
ロックオン(だろ? 伊達にマイスターをやってねえのさ)
クロウ(でもよ、愛想よく出来るんなら、普段から、そうしろってんだ)
ロックオン(そいつは少し同意だ)
アルト「…わかったよ。ぶつかった詫びもある。協力する」
デュオ「毎度あり!」
〔歩み寄る足音〕
ミシェル「何やってんだ、アルト?」
アルト「見ての通りだ。アンケートに答えてる」
ロックオン「お友達かい? だったら、君達もついでに協力してくれ」
ミシェル「………」
ロックオン「何だい?」
ミシェル「あなた、射撃を…それもスナイピングをやっていませんか?」
ロックオン「…そういう君もだろ? 目を見れば、同業は何となくわかる」
アルト「同業?」
ミシェル「話がある、アルト。アンケートはそこまでだ」
アルト「お、おい…。それじゃ彼も困るだろうが…!」
ミシェル「大事な話だ」
刹那「あ、あの…」
アルト「すまないな。どうも緊急らしい」
〔歩き去る足音〕
クロウ「…気付かれたか?」
ロックオン「こちらの素性はともかく、ただの学生と講師じゃないのは気づかれたかも知れない」「参ったな…。まさか、こんな所で同業と出会うとは」
デュオ「って事は?」
ロックオン「あのメガネの彼…学生の格好をしていたが、スナイパーだ」「それもライフル競技の類じゃない。明らかに兵士のそれだ」
クロウ「学生さんが狙撃兵とはね。このフロンティア船団…予想に反して物騒な連中の集まりかもな」
デュオ「どうする、ロックオン先生。アンケートは切り上げて、とっとと学校に戻るかい?」
ロックオン「いや…さっきの学生さん達を追う」
ヒイロ「始末するか?」
クロウ「そこまではやり過ぎだぜ」
ヒイロ「任務の性質上、やむを得ない事だ」
クロウ「お前さんが仕事熱心なのはわかったが、下手すりゃ、余計な騒ぎを起こすだけだ」
ヒイロ「…了解した」
デュオ「怖い、怖い…。けど、スメライさんがお前をメンバーに選んだのは、こういう時のためなのかもな」
ヒイロ「…そうだ。本来の俺はこういう人間なんだ…」
デュオ「は?」
ヒイロ(その俺が、何故リリーナを殺せない…)
ロックオン「とにかく、さっきの連中を追うぞ。もしかすると、この船団の裏側がわかるかも知れん」
刹那「了解」
クロウ「この落差…。普段から素直な学生クンのままでもいいのによ…」

  ~アイランド1 グリフィスパーク~
アルト「どういうつもりだ、ミハエル?」
ミシェル「どういうもこういうもないさ。得体の知れないアンケートに捕まってる友人を助けてやったまでだ」
アルト「余計なお世話だ。誰がそんなことをしてくれと頼んだ」
ミシェル「ただのキャッチセールスなら、放っておいたさ」「だがな、あの連中…もしかしたら、フロンティア船団の人間じゃないかも知れない」
アルト「何っ…!?」
ルカ「L.A.I技研から、今朝、報告があったんですが…」「アイランド1付近で未知の粒子の発生を感知したとの事です」
アルト「未知の粒子?」
ルカ「その粒子でレーダーがかく乱されたらしく、防衛用監視網に数陣だけ空白の時間帯があったんです」
アルト「あさか、その空白の隙を突いて、侵入者が…!」
ミシェル「ありえない話じゃない。こっちの地球の人間が秘密裏に船団に探りに来るのは当然の展開だ」
アルト「さっきの連中が、その侵入者だって言うのか?」
ミシェル「確かに不審な点がなかったとは言えないが、それを調べるのは俺達の仕事じゃない」「侵入者がいるとしてもそれを捜し出すのは軍に任せるさ」「俺達、S.M.Sには12時間後から船団周辺の特別警戒に当たるよう指示が出された」
ルカ「僕達はそれをアルト先輩に伝えようとしたんですが…」
アルト「お前とミハエルで見習い隊員の世話を焼いてくれるってわけか」
ルカ「それは…」
ミシェル「自分がヒヨッコだってわかってるなら、もう少し素直になってもらいたいな」
アルト「お前は黙ってろ…!」
ミシェル「お前のお守り役をやれってのは隊長の指示だ」「だがな、戦場に出てお前の身勝手さに振り回されていたら、こっちの生命がもたない」
アルト「ミハエル…」
ミシェル「生半可な覚悟で戦場に出るのはやめろ。今のままじゃ、いずれ自分が死ぬか、誰かを殺す」
アルト「てめえ!」
〔BGM「アイモ」〕
アルト「え…」
ルカ「これは…歌…?」
ミシェル「どこから聴こえて来るんだ…」
アルト(やっぱり、不思議な歌だな…)(この歌、聴いていると…心がほぐれてくる…)「ランカ…いるんだろ?」
〔歩み寄る足音〕
ランカ「ケンカ…もうしない?」
アルト「そんな気分は吹っ飛んじまったよ」
ルカ「さっきの歌…ランカさんだったんですね」
ミシェル「驚いた…。ランカちゃんが歌うのが好きだってのは知ってたけど…」
ランカ「ミシェル君も、もうケンカしない?」
ミシェル「アルトと同じだよ。あの歌を聴いたら、そんな気にはなれないさ」
アルト(ランカは幼い頃にバジュラに襲われ、家族と記憶を失った)(隊長はランカを引き取り、妹として育てたけれど、記憶は戻らなかった)(そのランカが唯一覚えていたのが、あの歌か…)
〔拍手〕
???(シェリル)「いい歌だったわよ…」
ランカ「え…!」
アルト「またお前か…」
シェリル「見つけたわよ、早乙女アルト。今日こそ返してもらうわよ、あたしの…」
デュオ(お、おい…あの乱入女って、噂のシェリル・ノームだろ?)
ロックオン(このフロンティア船団とは別の船団であるギャラクシーから来たトップアーティスト…)(船団を挙げてのVIP待遇の超セレブ、ついた通り名は銀河の妖精…)
クロウ(くそっ…! こんな立場じゃなかったら、サインをもらえるのによ!)
ロックオン(お前…ああいうのは好きなのか?)
クロウ(いや、売り払って借金の足しにするためだ)
デュオ(だと思ったぜ)
クロウ(しかし、その超VIPと個人的な交流があるとは、あのハンサム君、いったい何者なんだ…?)
ロックオン(美少年とスナイパーと姫君…。こいつは、どういう取り合わせなんだ…)
〔マクロスの警報〕
艦内放送「マクロスフロンティア行政府よりお知らせします」「全艦に避難警報が発令されました。市民の皆さんは速やかに最寄のシェルターに避難して下さい」
シェリル「もう! またなの!?」
アルト「ルカ、ミハエル!」
ミシェル「俺達にも出撃の指示が出た。相手は奴等だ」
ランカ「お兄ちゃん…アルト君…」
アルト「心配するな、ランカ。俺達は必ず船団を守ってみせる」(そのために俺は戦う事を決めたんだ)
ミシェル「………」
【シナリオデモ終了】


サブタイトル
「オン・ユア・マークス」


【戦闘マップ開始】
〔マクロスの警報〕
ドーリアン「いったい何が起きているのです、グラス大統領?」
ハワード「我々と共に時空転移に巻き込まれた宇宙生物がこちらに接近しているらしいのです」
ドーリアン「宇宙生物?」
三島「我々はそれをバジュラと呼んでいます」
アレハンドロ「それが、この地球圏に侵入したとするなら、由々しき問題ですね」
三島「ご心配なく。こちらの世界に転移したものを叩けば、事は済みます」「そのために既に我が軍は迎撃態勢に入っております」
アレハンドロ「それは頼もしい。では、お手並みを拝見させていただきます」
〔味方ユニット出現〕
アルト「新統合軍は出撃しないのかよ」
カナリア「こちらの地球との折衝中だ。正規軍を動かしたくないのだろう」
ミシェル「賢明な判断ですよ。それに相手がバジュラだとしたら、連中の装備じゃ太刀打ち出来ないでしょうしね」
オズマ「交渉の最中に自軍の負ける様を見せるわけにはいかんというわけか」
ミシェル「その点、S.M.Sなら、どれだけやられても後で言い訳が効きますからね」
オズマ「フン…もっとも俺達は負ける気はないがな」
クラン「しかし、奴等も転移に巻き込まれたとしたら、どれだけの数が、この宙域に来ているんだ…」
オズマ「考えるのは後だ。来るぞ…!」
〔敵ユニット出現〕
ルカ「バジュラ、確認しました…!」
アルト「それ程の数はいないようだな」
オズマ「スカルリーダーより、各機へ! 各機の判断で速やかにバジュラを迎撃しろ!」「今日はギャラリーもいる! 抜かるなよ!」
<戦闘開始>

<敵2機撃破or味方が撃破されるor2PP・味方援軍1&敵増援1出現>

〔敵ユニット出現〕
アルト「別の群れだと…!?」
ミシェル「くそっ! 蟲のくせに時間差とはやってくれるぜ!」
クラン「いかん…! これだけの数では突破されるぞ!」
ルカ「待って下さい! この宙域に接近する艦があります!」
〔味方戦艦出現〕
〈出撃準備〉
スメラギ「フロンティア船団へ。これよりそちらを援護します」
オズマ「こちらの地球の軍か…?」
スメラギ「我々の所属を明かす事は出来ませんが、あなた方の敵ではありません」
カナリア「どうする、オズマ?」
オズマ「状況が状況だ。手伝ってくれるなら、拒む理由はない」「どこの誰かは聞かんが、助かる。頼らせてもらうぞ!」
スメラギ「了解です。同じ地球人として、同胞の危機に対し全力を尽くします」
クロウ「同法の危機に対してね…。いい事言ってくれるじゃない」
スメラギ「デリケートな状況だものね。こういう時は、照れずにきちんと気持ちを言葉にするべきよ」
ロックオン「感心するのは後にしとけ。相手は未知の宇宙生物だ」
竜馬「インベーダーと似たようなもんだ。あいつらも地球に来たってんなら、叩き潰すまでだ」
デュオ「このどさまぎで船団からの脱出もスムーズにいったが、あんな奴等を野放しにしてちゃ、コロニーも危険だしな」
葵「あたし達の本来の任務は使節団の護衛だもの。これもサービスの範囲内ね」
ハワード「彼等はいったい…?」
ドーリアン「所属は不明ですが、我々の地球の自警団のようなものと思われます」(彼等がエルガン代表の言っていたもしもの時のための力か…)(しかし、あのソレスタルビーイングとコロニーのガンダムとは…)
アレハンドロ「………」
三島「では、今度は我々がお手並みを拝見させていただきましょう」
スメラギ「各機、攻撃開始! 相手は未知の敵である以上、十分に注意を!」
クロウ「犬も歩けば、棒に当たる…。俺の行く所、未知の敵だらけだぜ…」

<敵8機以下or4PP・第3軍増援1出現>
アルト「やるもんだな、こっちの地球の機体も」
ルカ「はい。最新鋭装備を使用しているS.M.Sと同等の戦闘力を有しているようです」
クラン「だが、あまりに装備がバラバラだ。おそらくワンオフの機体を集めた特殊部隊なのだろう」
カナリア「彼等のおかげで何とかなりそうだな」
オズマ(ランカ、心配は要らんぞ。お前を守るため、俺は絶対に死なない)
フェルト「レーダーに反応…! この宙域に何かが来ます…!」
スメラギ「あの蟲の増援!?」
〔第3軍ユニット出現〕
竜馬「インベーダーが来やがったか!」
オズマ「おい! 奴等は何だ!? 生物なのか!?」
隼人「詳しいことはわからんが、俺達の…いや、人類の敵である事は確かだ」
アルト「バジュラと同じようなものって事か…!」
武蔵「ま…こっちの地球に来ちまった以上、奴等との出会いも何かの縁だと思ってくれ」
〔マップ上に爆発〕
ミシェル「あっちのバケモノ、見境なしかよ!」
ルカ「あのインベーダーという怪物、僕達とバジュラの両方をターゲットにしているようです!」
クラン「どうやら、バジュラの方も奴等に仕掛ける気らしいぞ!」
葵「三つ巴になるって事!?」
ロックオン「蟲とバケモノが潰しあってくれると助かるが、そううまくはいかないか」
デュオ「だけど、チャンスだぜ。奴等がぶつかれば、こっちが付け入る隙も出来るってもんだ」
クロウ「どちらも言葉が通じん相手だ。やるしかないな」
オズマ「バジュラ退治を手伝ってくれた礼だ。俺達も手を貸すぞ」
スメラギ「各機は蟲とインベーダーの両方を迎撃!」
オズマ「三つ巴になるぞ! 挟まれるなよ!」

<敵&第3軍全滅・勝利条件達成>
クリス「敵勢力の全滅を確認。増援もありません」
リヒティ「蟲とインベーダーが相手とは思った上にキツい事になったスね」
スメラギ「平和維持理事会の正規の戦力じゃ、あれの相手は厳しかったでしょうね」
アレルヤ「エルガン代表の万が一の備えが役に立ったのか…」
ティエリア「だが、ここに不必要に留まるのは得策ではない。スメラギ・李・ノリエガ…撤退を進言する」
スメラギ「ティエリアの言う通りね各機は後退を」
葵「せっかくだから、銀河を旅する艦をもっとじっくり見たかったけどね…」
隼人「俺達は日陰の身だ。国際交流の場は似合わんさ」
竜馬「あの艦の中の事は、クロウ達に聞くとするか」
クロウ「OK。ゴシップ誌に売りつけたくなるような大ネタがあるぜ」
〔味方ユニット離脱〕
〔味方戦艦離脱〕

アルト「行っちまったか…」
オズマ「向こうが所属を伏せている以上、余計な詮索はするな」
ミシェル「しかし、あのインベーダーとかいう奴等…かなりの戦闘力だったな」
クラン「あんな奴等がいるとしたら、こちらの地球も安全とは言えんな」
ルカ「今日、現れたバジュラ…僕達と一緒に転移してきたんでしょうか…」
ミシェル「そこそこの数がいるようだ。もしかしたら、奴等も群れごと跳ばされてきたのかもな」
クラン「だとしたら、また来るかも知れん」
オズマ「時空震動のおかげで、少なくとも奴等とは顔を合わせずに済むと思ったが、そうもいかんようだな…」
【戦闘マップ終了】

【シナリオエンドデモ開始】

宇宙
地球圏外縁

葵「トップアーティストのプライベートな密会をスクープした?」
クロウ「まあな。と言っても、そいつをパパラッチする程の下衆じゃねえさ」
ジョニー「あなたの事ですから、サインを手に入れて売りさばくのを考えていたかと思いましたよ」
クロウ「………」
ロックオン「………」
デュオ「………」
くらら「何なの、この妙な間は?」
朔哉「ジョニーの指摘が図星だったんだろうぜ」
竜馬「そんなのはジョニーじゃなくても丸わかりなのによ」
クロウ「いやはや、どうにも…。こうも俺の事を理解してもらえるとは光栄の極みだな」
デュオ「へこたれないな、あんたも」
クリス「でも、いいなぁ。噂のシェリル・ノームを見られるなら私もついていけば、よかった」
リヒティ「もう彼女のファンになったんスか?」
クリス「えへへ…船団の情報をハッキングしたついでに彼女の歌も聴いたの」「すっごい迫力よ。後でみんなにも聴かせてあげるね」
武蔵「クロウ、もしかして、その妖精ちゃんの生歌が聴けたのか?」
クロウ「残念ながら、それは無しだ。だけど、別の歌を聴いたぜ」「何だか、よくわからないが、いい歌をよ」
葵「よくわからない歌?」
デュオ「不思議に心に響く歌だったぜ。なあ、ヒイロ?」
ヒイロ「………」
デュオ「ま…お前に感想を求めても無駄か」
ロックオン「もしかして、本気で魔法の歌かもな。その子の歌でケンカが止まったし」
クロウ「現実の戦争も、そんな具合で止まればいいのにな」
刹那「下らん…」
〔ドアの開閉音〕
クロウ「…ご機嫌を損ねちまったみたいだな」
ロックオン「気にするなよ。刹那はその手のジョークが嫌いなだけさ」
デュオ「とりあえず、俺達の掴んだ雰囲気では船団の人間は、今回の転移にそれ程のショックは受けていないようだ」
葵「さすがは銀河の旅人といったところね」
ロックオン「それ以外のメンタリティについては俺達のそれと似たようなもんだな」「こっちの地球を警戒する人間もいれば、興味津々の奴もいる」
アレルヤ「つまり、状況によっては友好的な関係も築けるだろうけど…」
隼人「下手をすれば、互いに憎み合う可能性もないと言えないわけか」
ロックオン「まあ、あくまで私的な感想だがな。でも、いい人間は間違いなくいる」
クロウ「そうだな。単位を落としそうなってる学生クンを助けてくれた奴もいるしな」
竜馬「後は国連の使節団と船団のトップの会談の結果待ちか」
クロウ「例の銀河の妖精ちゃんの歌も聴きたいしな。なるべく穏便な線に落ち着くのを祈るぜ」
【シナリオエンドデモ終了】


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