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No.5C
バトリング

この世界には二つの「日本」が存在する。

片方の日本は大時空震動以来、大きな戦いに
さらされる事も無く、今日の世界の中では比較的
平穏な日々を送っていた。

一方の日本は7年前の極東事変において
ブリタニア・ユニオンの属領となり、その名を
エリア11に改められた。
さらに日本人はイレヴンと呼ばれ、ブリタニア・
ユニオンに忠誠を誓った名誉ブリタニア人以外は
明確な差別を受ける事となった。

それに対してイレヴンの一部はレジスタンスと
なり、ブリタニア・ユニオンに抵抗を続けた。
仲でも多数のアストラギウス銀河の人間が
住み着く事となった関東ブロックは、
エリア11の中心でありながら、治安が悪化し、
それに伴う混乱の陰で、多くのレジスタンス
グループが活動していた。

世界で戦火が広がりつつある中、エリア11は
大国ブリタニア・ユニオンの統治の下、
一見すると昨日と変わらぬ日々を送っていた。
そう、あの日が来るまでは……。

【シナリオデモ開始】
  ~ギルガメス軍 オフィス~
ロッチナ「…キリコの現在位置はどうなっている?」
ギルガメス兵「ブリタニア・ユニオンのエリア11のカントウ地区…シンジュクゲットーに潜伏している模様です」
ロッチナ「奴に仕込んでおいた発信機は健在か…」(キリコ・キュービィー…どう動くか、見せてもらうぞ)

エリア11
トウキョウ租界 アッシュフォード学園

  ~アッシュフォード学園 生徒会室~
ミレイ「みんな、時間通りに集まってるわね。感心感心」
シャーリー「ミレイ会長の招集に遅れると後が怖いですからね」
ミレイ「言ってくれるじゃないの、シャーリー。せっかく、遅刻者には罰ゲームを用意してたのに残念~」
リヴァル「そいう所が怖いって言ってるんスよ」
沙慈「…一応、聞いてもいいですか? その罰ゲームの内容…」
ミレイ「男女逆転の刑って事で男子は女装、女子は男装して一日過ごしてもらうの」「それを拒否した場合は一週間、頭にウサ耳、語尾に『ピョン』付けてしゃべってもらうバニーの刑よ」
ルイス「な~んだ、それなら沙慈に遅刻してもらえばよかった。女装が似合いそうだもんね」
沙慈「えっ!?」
ルイス「そしたら、あたしも男装して、デートしてあげたのに」
沙慈「ええっ!?」
リヴァル「お前…色々と大変だな…」
ミレイ「は~…ルイスの場合、罰ゲームにならないわね、これじゃ…」
ルイス「どうも、すいません」「でも、あたし…本当に会長には感謝してます。スペインからの留学生のあたしをこうして生徒会に誘ってくれて」
ミレイ「どういたしまして。…でも、気にしないでよ。留学生のお世話をするのも私の務めだから」
リヴァル「さすがは我がアッシュフォード学園理事長の孫、生徒会長のミレイ・アッシュフォード」
ニーナ「ミレイちゃん…昔から世話好きだものね」
沙慈(でも、そうやって学校で孤立しがちな僕にも声を掛けてくれたんだよな、会長って)
ミレイ「どうしたの、沙慈? 私に見とれてるとルイスがヤキモチ焼くわよ」
沙慈「そ、そういうわけじゃ…!」
ルイス「じゃあ、どういうわけよ、沙慈! …そりゃ、あたしは会長みたいにスタイルはよくないけどさ…」
ミレイ「あら、ルイス…この部屋の中で一番のナイスバディはシャーリーよ」「何しろ、3サイズは上から…」
シャーリー「どうして会長が私のサイズを知ってるんですか!?」
ミレイ「それも会長の務めよ。…無論、誰かさんの恋する相手についても当然、チェック済みよ」
シャーリー「な、何ですか、それ!? プライバシーの侵害ですよ!」
ミレイ「だって、誰かさん…想ってるだけで、なかなかアプローチしないからじれったいんだもの」
ルルーシュ「…会長…俺達、生徒会メンバーを集めたのは何のためです?」
ミレイ「さすが、ルルーシュ。絶妙のタイミングでナイトの登場ね」
シャーリー(ルルが私を助けてくれた…。…それとも、私の想いが迷惑だから…?)
ミレイ「では、ルルーシュの質問に答えましょう。今日、我々は生徒会に新たなメンバーを加える事になりました」
ルルーシュ「やっぱりね…」
ミレイ「私の考えを読んだの? さすがはチェスの名手…!」
リヴァル「今回はルルーシュじゃなくてもわかったっスよ」
シャーリー「朝から学園中が、あの子の話題で持ちきりでしたからね」
ルルーシュ「それで、彼女はどこに?」
ミレイ「今、ナナリーが迎えにいっているわ」
〔自動扉の開閉音〕
ナナリー「皆さん、お待たせしました。リリーナ・ドーリアンさんをお連れしました」
リリーナ「お招きありがとうございます、ミレイ会長。リリーナ・ドーリアンです」
ミレイ「ようこそ、アッシュフォード学園へ。…では、みんなにも改めて紹介しましょう」「本日、この学園に転入されたリリーナ・ドーリアン嬢です」
リリーナ「初めまして、皆さん」
リヴァル「いや~何とも言えない気品があるねぇ。さすが転校初日でプリンセスのあだ名が付いただけある!」
リリーナ「そうなんですか…? …何だか恥ずかしいです…」
ミレイ「気にしない、気にしない。そう言われるにふさわしい品格があるもの」「私みたいな落ち目のブリタニア貴族に言われても、嬉しくないかも知れないけど」
リリーナ「いえ、そんな…」
ミレイ「では、リリーナって呼んでいいかしら?」
リリーナ「喜んで」」
ミレイ「リリーナ…今日、あなたを招いたのは、あなたに生徒会の一員になってもらいたいからなの」
リリーナ「転校してきたばかりの私がですか?」
ルイス「そういうのは気にしなくていいの。生徒会って言っても、名ばかりで遊び仲間の集まりみたいなもんだから」
シャーリー「ルイスの言う通りよ。みんな、会長の目に留まって強引に集められたようなものだから」
ミレイ「主な活動は、学園生活を楽しく送るために様々なイベントを計画、実行する事よ。その手伝いをあなたにも頼みたいの」
リリーナ「…わかりました。私でよければ、喜んでお手伝いさせていただきます」
ミレイ「これで決まりね。じゃあ、自己紹介といこうか」「私は生徒会長のミレイ・アッシュフォード。よろしくね」
シャーリー「シャーリー・フェネットよ。生徒会は水泳部と掛け持ちでやってるの。わからない事があったら、何でも聞いてね」
リヴァル「俺、リヴァル・カルデモンド。エスコート役は俺に任せてね」
ニーナ「ニーナ・アインシュタインです。幼馴染のミレイちゃんに誘われて生徒会役員をやってます」
ルイス「あたし、ルイス・ハレヴィ。スペインからの留学生なんだ」
沙慈「沙慈・クロスロードです。宇宙工学を専攻しています」
ルイス「あ、リリーナ! 沙慈はあたしのだから、手を出しちゃ駄目よ!」
沙慈「な、何を言ってるんだよ、ルイス!」
リリーナ「仲がおよろしいのですね」
ミレイ「手出し厳禁と言えば、うちの副会長も駄目よ。誰かさんが怒るから」
シャーリー「会長…!」
ミレイ「ほら、ルルーシュ。自己紹介しなさいよ」
ルルーシュ「副会長のルルーシュ・ランペルージだ。よろしく、リリーナ」
ナナリー「妹のナナリー・ランペルージです。中等部ですが準会員という事で生徒会に出入りさせてもらっています」
ルルーシュ「俺とナナリーは、このクラブハウスに住んでいるんだ」
リリーナ「寮ではなく、ここにですか?」
ナナリー「私、目も見えず、足も不自由なので、特別なんです」
リリーナ「あ…ごめんなさい」
ナナリー「お気になさらないで下さい。お兄様やミレイさん達がよくして下さいますので何も困っていませんから」
ミレイ「ルルーシュ達は私の遠縁に当たるから、理事長であるおじいちゃんも便宜を図って下さってるの」
リリーナ「そうなのですか」
ルルーシュ「リリーナ…君のお父さんは国連のドーリアン外務調停時間と聞くけど…」
リリーナ「はい。この度の転校も父の意向によるものです」
ルルーシュ「外務次官の?」
リリーナ「父は私に世界について学ぶ事を勧め、そのためにエリア11を知るように言いました」
ルルーシュ「なるほどね…。7年前にブリタニア・ユニオンの植民地となったここは世界の縮図のような場所だ」「今の世界を知るための様々な要素がこのエリア11にはあると言える」
リリーナ「父もそれを肌で感じさせるために私に転校を勧めたのだと思います」
ルルーシュ「だが、果たしてそれはトウキョウ租界にいるだけで学べるかな?」
リリーナ「とおっしゃられますと?」
ルルーシュ「トウキョウ租界はブリタニア人の居住区だ」「本当に真実を学びたいのなら、イレヴン旧日本人が住むゲットーにも行ってみるべきだろう」
リリーナ「ゲットー…」
シャーリー「無茶言わないの、ルル! ゲットーなんて治安の悪い所に行ったら、危険なんだから!」
リヴァル「あそこは相当のカオスって話だぜ。アストラギウスの人間達も住み着いてるらしいからな」
ニーナ「アストラギウス…。2年前にこの世界に転移してきた人達のいた別の銀河…」
リヴァル「聞いた話じゃ、あそこは長い戦争で誰も彼もが荒みきってたらしいからな」「あの世界の人間は未だに戸籍もないし、元軍人は傭兵、民間人は全員がゴロツキか、チンピラらしいぜ」
沙慈「それはちょっと言い過ぎなんじゃない?」
リヴァル「当たらずとも遠からずってやつさ」
ルイス「でも、あそこってブリタニア・ユニオンに抵抗を続けてるイレヴンのレジスタンスもいるんでしょ?」
ルルーシュ「7年前の極東事変に敗れた日本人の一部はブリタニア・ユニオンに忠誠を誓い、名誉ブリタニア人となった」「だが、未だにそれを認めず、ナンバーズ…いわゆるイレヴンとして生きている者もゲットーに住んでいる」
リリーナ「支配する者とされる者…。ゲットーはこの世界の縮図…」
ルルーシュ「冗談だよ、リリーナ。シャーリーの言う通り、あんな処には所には近づかない方がいい」「それよりも、この学園での生活を満喫してくれ」
リリーナ「はい…ありがとうございます」
ルルーシュ(そうだ…。知らないで済むのなら、知らなくていい…)(だが、俺は違う…。ナナリーが平和に暮らせる世界のために俺は真実と向き合わねばならない…)

エリア11
シンジュクゲットー

  ~シンジュクゲットー~
クロウ(…さてと、あの死神君の言葉を信じて、エリア11に来たはいいが、どこにコロニーのガンダムがいるのやら…)(奴等の機体のデータは、いい金になる。ソレスタルビーイングで儲け損なった分をここで取り戻すぜ)(財団のコネでブラスタを持ち込めはしたが、派手に動くのはまずい…。ここは地道に足で調べるしかないか)(ま…俺としても現地潜入任務は本職だがな…)
ココナ「お兄さん…見かけない顔だね。ブリタニア・ユニオン本国からの観光客?」
クロウ「まあ、そんなところだ。…と言っても、道に迷ってこんな所に来ちまったんだがな」
ココナ「だよね。まともなブリタニア人がゲットーに来る事なんてないもんね」
クロウ「って事は、まともじゃないブリタニアの人は来るのか?」
ココナ「鋭い…! …本当はお兄さん、ブリタニアの軍の人じゃない?」「で、昨日の捕り物に何か関係してるの」
クロウ「捕り物?」
ココナ「知らないって事は無関係か。このゲットーを仕切ってる治安警察の連中が、誰かを追ってたみたいなんだよ」
クロウ「善良な一市民の俺には関係ない話だな」(…追われてたのは例のガンダム乗りの可能性もある…。ここは、この子からネタをもらうか…)
ココナ「じゃあ、お兄さんも迷子のふりして、例のアレを見に来たってわけか」
クロウ「…まあな。お嬢ちゃん、案内してくれるかい?」
ココナ「いいよ。お兄さん、ちょっといい男だからサービスしちゃう」
クロウ「っと、身体に触るのは無しだ」
ココナ「へえ、変わってる。ここに来るブリタニアの人は、みんな、スケベだと思ってたよ」「でも、お兄さん…ただの観光客じゃないでしょ。もしかして、パイロット?」
クロウ「わかるのかい?」
ココナ「あたいはアストラギウスの人間だからね。血の代わりにオイルが流れてるような奴をいっぱい見てきたよ」「ねえ、何だったら、お兄さん…見物じゃなくて、アレの選手になってみない? いい小遣い稼ぎになるよ」
クロウ「どうしようかな…」
バニラ「くぉら、このドラ猫! 人のシマで商売するたぁ、いい度胸してるじゃねえか!」
ココナ「何がシマよ! この人はあたいが先に見つけたんだからね!」
バニラ「兄さん、悪い事はいわねえ。やるんなら、俺と契約しねえか? 稼がせてやるぜ」
ココナ「何言ってんのよ! あたいがドラ猫なら、あんたは獲物を横取りする野良犬じゃないのさ!」
バニラ「んだと!? 俺はこっちの兄さんのためを思って言ってるんだよ!」
クロウ「まあまあ、二人共。俺はまだ、その選手をやると決めたわけじゃ…」「伏せろ!」
〔足音〕
バニラ「な、何だ!?」
クロウ「そこか!!」
〔武器の発射音〕
ココナ「な、何が起きてんのよ!? 何であたい達が狙われてんのよ!」
クロウ「いや…狙われたのは俺だろう。どうやら賊は行っちまったようだがな…」
バニラ「大丈夫か、あんた! 怪我したみてえじゃねえか!」
クロウ「かすり傷だ…と思いたい。それに俺の反撃で相手も傷を負ったと見た」
ココナ「とにかく、手当てした方がいいよ。あたいの部屋においでよ」
バニラ「そうやって、この兄さんを引っ張り込む気かよ! こんな時にも商売たぁ恐れ入ったぜ!」
ココナ「じゃあ、どうしろってのよ! 怪我した人を放っておけって言うのかい!」
バニラ「…仕方ねえ。とりあえず、とっつぁんの所へ行こうぜ。ここから近いしな」
ココナ「えーっ! あのタヌキ親父の所へ連れて行ったら、こっちの上前をはねられるに決まってるよ!」
クロウ「あのよ…。そろそろどっちかに決めてくれないか、段々気が遠くなってきた…」
ココナ「ご、ごめんよ、兄さん! バニラ! こうなったら仕方ない! ゴウトの所へ行くよ!」
バニラ「おう。だが、俺だって儲け話をふいにする気はねえ。余計なことはとっつぁんの前でしゃべるなよ」
クロウ(犬も歩けば、棒に当たる…。とりあえず、この流れに乗れば、ゲットーの裏がわかるかも知れん…)(…出血多量であの世に行かなければの話だがな…)

  ~シンジュクゲットー 公園跡~
リリーナ(ここがシンジュクゲットー…。危険だと言われながら、来てしまった…)(ここに来るまでに多くのイレヴン…日本の方を見た)(みんなが悲しみと諦めを湛えた目をしていた…。それが戦争の爪痕…。7年経っても、消える事のない傷…)
〔足音〕
リリーナ「誰です!?」
ヒイロ「………」
リリーナ「あなた…怪我をしているのですね? どうしたのです?」
ヒイロ「俺に触るな…」
リリーナ「え…」
ヒイロ「そこをどけ…!」
〔走り去る足音〕
リリーナ「………」(彼の目…日本の方とも違う…。あの目は…何かと戦う人の目…)「私は…私はリリーア・ドーリアン…。あなたは…?」

  ~ゴウトの倉庫~
バニラ「いるかい、とっつぁん!」
ゴウト「バニラとココナか…。金にならねえ二人がつるんでるとは珍しいな」
ココナ「そんな話は後だよ! 救急箱を借りるよ!」「さあ、兄さん、傷を見せてよ。すぐに手当てするから」
クロウ「すまないな。あんたらに借りを作っちまった」
ココナ「だったら、後で…」
バニラ「くぉら! 抜け駆けすんじゃねえって言ってんだろ!」
ゴウト「何言ってんだ、お前等?」
ココナ「何でもない! 何でもないよ!」
ゴウト「で、そっちの兄さんは何だい? ここらの住民には見えないが…」
クロウ「そう言えば、そっちのお嬢ちゃん達にも自己紹介してなかったな」「俺はクロウ・ブルースト。クロウと呼んでくれ」
ココナ「あたいはココナ。向こうがバニラで、この倉庫の持ち主がゴウトだよ」
バニラ「よろしくな、兄さん」
ゴウト「悪いな、クロウとやら。コーヒーの一杯も出せないが、ゆっくりしていってくれ」
バニラ「あれ、とっつぁん? どこかに出かけるのかい?」
ゴウト「ん、まあな…。お前等もゆっくりしていっていいぞ」
〔歩き去る足音〕
バニラ「あからさまに怪しいな…」
ココナ「あたい、見たよ。昨日、ゴウトの家に若い男がいたのを」「もしかして、あいつ…治安警察が追ってた奴かも」
バニラ「何者だ?」
ココナ「わからないけど、耐圧服を着てた」
バニラ「ボトムズ乗りか…。って事は、とっつぁんは…!?」
ココナ「うん! ありえる!」
クロウ「すまない。話が見えないんだが…」
ココナ「ねえ、クロウ。とりあえず、契約は後回しにして、今日は見物だけにしとこうよ」
バニラ「くそっ! とっつぁんの奴、転がり込んできた野郎をバトリングの選手にするつもりかよ!」
クロウ(バトリング…。どうやら、この二人が俺を選手にすると言っていたのは、それの事のようだな…)

  ~バトリング会場~
ゴウト「どうだ、キリコ? これがお前の出場するバトリングの会場だ」
キリコ「………」
ゴウト「お前さんだって聞いたことがあるだろ? 軍を抜けて仕事にあぶれたAT乗りが客の前で戦うんだよ」「客は勝敗に金を賭けて楽しむ。噂じゃブリタニアの連中もスリルを求めて、見に来てるらしいぞ」
キリコ「そうか…」
ゴウト「他人事みたいに言うなよ。ワシと契約した以上、お前も今日ここで戦うんだ」
キリコ「………」
ゴウト「お前はツイてたよ。治安警察に追われて転がり込んできたのがワシの所でな」「ワシは一目見てピンと来た。こいつは相当の腕を持ったボトムズ乗りだってな」
キリコ「………」
ゴウト「なあ…人間は食ってくために働かなきゃならねえ」「この地球に跳ばされてきたおかげでアストラギウスの人間はみんな、苦労してきた」「大時空震動とやらにちょっと遅れて跳ばされてきただけで社会からつまはじきだ」「ギルガメスとバララントの正規軍は戦争をやめて、それぞれ傭兵稼業を始めたが、所詮は雇われ者だ」「お前も傭兵をやってた口だろうから散々見てきたろう? 生命が安く売り介されてるのを」
キリコ「………」
ゴウト「だが、ワシについてくれば心配ない。ワシがお前のマネージャーをやってやる」「バトリングで勝ち続ければ、いい暮らしも出来る。まあ、このゲットーの中でだけだがな」
キリコ「俺は何をすればいい?」
ゴウト「勝つ事だ。今夜がお前のデビュー戦だ」「ワシのコネで人気選手『イレヴンの赤い悪魔』との試合を組んだ」
キリコ「赤い悪魔?」
ゴウト「謎の選手だよ。乗っているのはATじゃなく、ブリタニアのKMFだ」「ブリタニア・ユニオンに支配された日本人が奴等への怒りからKMFに乗り、暴れまわってるってギミックだ」「まあ…客を盛り上がるためのホラ話に決まってるがな」「だが、腕はなかなかのもんだ。そいつを倒したとなりゃ、一気にお前の名前を知れ渡る事になる」「そうなりゃ、マネージャーの俺にも儲けが転がり込んでくるってわけだ。頼むぞ、キリコ」
キリコ「ああ…」
ゴウト「それじゃ、今夜お前の乗るATを見に行くか。今日はブロウバトルだから、火器の使用は禁じられている」「ドッグ系、トータス系…お前の好きなのを選べばいいぞ」
〔歩き去る足音〕
コニン(あれはキリコ…。奴め、生きていたか…)(そして、この街に現れたという事は奴はギルガメス軍の犬となり、俺達の組織をかぎまわっているのか…)

  ~シンジュクゲットー 旧倉庫地区~
デュオ「よう…やられたようだな」
ヒイロ「お前には関係ない」
デュオ「可愛げのない奴だぜ。人が心配してるんだから、もうちょっと言い方があるだろうが」「このエリア11にいる間は協力し合うって決めたんだろ」
ヒイロ「お前と俺の任務が重なっていただけだ」
デュオ「エリア11の解放…。お互いに無理難題を押し付けられたもんだな」「ま…少しでもブリタニア・ユニオンにゆさぶりがかけられりゃ、成功ってところだな」
ヒイロ「………」
デュオ「で、例の奴はどうした? 仕留めたのか?」
ヒイロ「次は必ず殺す」
デュオ「やめとけって。向こうは別に俺たちをどうしようってつもりじゃないだろうさ」
ヒイロ「だが、奴は俺達を追ってきた」
デュオ「あいつを騒動に巻き込みゃ、こっちの仕事もやりやすくなるって踏んだんで行き先を教えてやったまでだ」「その上で俺達の敵に回ったら、そこでやればいいだけの話だ」
ヒイロ「………」
デュオ「それより、面白い情報を拾ってきたぜ。ブリタニア・ユニオンはゲットーの管理のためにアストラギウスの人間を雇ってるんだが…」「その連中…いわゆる治安警察は裏でPMCトラストと繋がってるらしい」「PMCトラストはギルガメス軍から抜けたレッドショルダーの連中がいる組織だ」「それがブリタニア・ユニオンの下請けと繋がってるんだ。こいつは何かあるかも知れないぜ」
ヒイロ「………」
デュオ「少しはリアクションしてくれよ。話してて張り合いがねえぜ」「まあいい…。そろそろ俺達も行動を起こそうぜ。次に騒動が起きたら、動くとするか」
【シナリオデモ終了】


サブタイトル
「バトリング」


【戦闘マップ開始】
〔味方ユニット出現済み〕
〔歓声〕

ゴウト「頼むぞ、キリコ…。ワシはお前に賭けてるからな」
ココナ「やっぱり、昨日の男を選手にしてたね…!」
ゴウト「お、おう…来てたのか、ココナ、バニラ」
バニラ「来てたのか…じゃねえよ、とっつぁん! 俺達を出し抜きやがってよ!」
ゴウト「へへ…金の卵がワシの所に転がり込んだんだ。悪く思うなよ」
バニラ「ちっ…今に見てろよ。俺だって、いい選手を見つけて、がっぽり稼いでやるぜ!」
クロウ「で、そのいい選手ってのが、俺かい?」
バニラ「おうよ、クロウ! 契約金はたっぷりはずむぜ!」
クロウ「98万G」
バニラ「はぁ!?」
クロウ「俺の背負ってる借金の現在額だ。それだけ出してくれるんなら、やるぜ」
ココナ「あんた、何言ってんのよ! 常識ってもんを考えなよ!!」
バニラ「このド守銭奴! そんな金が払えるわけねえだろうが!」
クロウ「フ…守銭奴か。借金だらけの俺は守るより攻めるしかない身だがな」
バニラ「ちっ…しらけちまったぜ。もうお前との契約話は無し無し」「こんなのと組んだら、儲けるどころか、ケツの毛まで抜かれちまうぜ」
ココナ「金にうるさい男ってのは嫌だねぇ。あ~…あたしの眼鏡も曇ったもんだよ」
クロウ「まあまあ…最初の話通り、仲良くバトリング見物といこうぜ」「で、あっちのスコープドッグがそっちの親父さんが見つけてきた選手が乗ってるのかい?」
ゴウト「名前はキリコ・キュービィー。ワシが見た所、かなりの腕だ」
バニラ「どうかな~? とっつぁんの見立ては当てにならねえからな」
ココナ「でもさ、ちょっといい男だったよ。そっちの借金持ちなんかと違ってさ」
クロウ「これだから女ってのは…」
バニラ「だがよ、相手はイレヴンの赤い悪魔だろ? 勝てるのか?」
ゴウト「わからん。だが、ワシはキリコに賭けてみる事にした」
ココナ「幾ら?」
ゴウト「…5Gだ」
バニラ「んだよ! 大きな事言ってるわりにゃ、賭け額は小せえじゃねえか!」
ココナ「結局、信じてるわけじゃないんだね。ま…本当に金の卵だったら儲けもんってところが本音と見たよ」
ゴウト「まあな。だが、全く自信が無いわけでもないぞ」
バニラ「よう、クロウ。そんなに借金があるんなら、キリコの方に張ってみろよ」「当たればデカい大穴だぜ」
クロウ「やめとく」
ココナ「どん底にいるくせに勝負する度胸もないの!?」
クロウ「ギャンブルで金を稼ぐのは俺の主義じゃない。クソ親父から学んだ数少ない知恵だ」
ゴウト「ま…バトリングの楽しみは金儲けだけじゃないさ。ここには他では味わえないスリルがある」「それを楽しみたくて、ブリタニアの連中もこっそり来てるのさ」
クロウ「スリルね…。毎日が綱渡りの俺はノーサンキューだ」
ゴウト「さあ、そろそろ時間だ。イレヴンの赤い悪魔が出てくるぞ」
〔敵ユニット出現〕
ココナ「イレヴンの赤い悪魔じゃないよ!」
バニラ「2対1のハンディキャップマッチかよ!?」
ゴウト「どうなってんだ、これは!?」
コニン「無名の新人がイレヴンの赤い悪魔とすぐに戦えると思っているのか!」
クロウ「誰だ、あれ?」
バニラ「バトリングの選手達のリーダー格のコニンとかいう男だ」「この街に来たのは最近だが、やたらと羽振りがいいんで、幅を利かせてる」
コニン「俺達の試合申し込みをすっ飛ばして奴に挑戦する以上、その新人の実力を試させてもらう!」
〔歓声〕
市民(若者・男)「いいぞーっ! やらせろ! ド新人をぶっ潰してやれ!!」
クロウ「だからって、2対1はおかしいだろ」
バニラ「無駄だよ。ここにいる連中はスリルに飢えてんだ。こうなったら、誰にも止められねえ」
ゴウト「キリコ、戻って来い! こんなハンディキャップマッチなんざ受ける必要はない!」
キリコ「………」
〔キリコ、前進〕
ココナ「あいつ、やる気だよ!」
ゴウト「馬鹿野郎! 相手は海千山千のボトムズ乗りだ! 2対1じゃ無理だ!」
コニン「よし! 戦闘開始だ!」
キリコ(コニン…。あの作戦を執った男がこの街にいるのか…)
<戦闘開始>

<キリコが戦闘>

キリコ(あの日、小惑星リドで見た素体と呼ばれる女…。俺の運命は、あの日から変わった…)(コニン少尉を問い詰めれば、あの日の作戦の意味もわかるのか…)

<敵全滅・敵増援1出現>
〔歓声〕
コニン「ちいっ! しぶとい奴め! ならば、次は…」
〔敵ユニット出現〕
ココナ「出たよ! イレヴンの赤い悪魔だ!」
コニン「貴様、何をする気だ!? まだ奴のテストは終わってないぞ!」
カレン「あたしの試合にケチをつけるのもいい加減にしな!」
ココナ「ええっ! イレヴンの赤い悪魔って女だったの!?」
バニラ「マジかよ! こいつは驚きだ!」
カレン「テストなら、もう済んだ。スクラップになったあんたの手下のATがその結果さ」
〔歓声〕
カレン「ほら、お客さんも待ってるじゃないか。あたしはやらせてもらう」
コニン「ちいっ! こうなったら…」
カレン「さあ、邪魔者は黙ったよ。待たせたね、新人さん」
キリコ「………」
カレン「あんたには恨みはないけど、日本人の力を見せ付けるためにも相手をしてもらう!」
ココナ「ねえ、おやっさん! キリコ、勝てるかな!?」
ゴウト「ワシにもわからん! だが、奴はワシが予想してた以上の腕だったわ!」
バニラ「こうなったら、俺は奴を応援するぜ! やっちまえ、キリコ!!」
クロウ(まずいな…。あのコニンとかいう奴、何かしでかす気だ…)

<キリコvsカレン>
カレン「KMFの実戦訓練を兼ねて参加したバトリングで、これ程の相手と会えるとはね…」「でも、こいつを倒せないようじゃ、ブリタニア・ユニオンには勝てない…! やってみせる!」

<カレン撃破orHP30%以下or敵増援1出現の2ターン後PP・味方援軍1&敵増援2出現>
※※カレン撃破の場合、セリフ追加※※
〔カレンに爆発〕
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

カレン「こいつ…強い!」
〔敵ユニット出現〕
カレン「何なの!?」
AT乗り「コニン少尉の命令だ! バトリングの秩序を乱したお前達を潰す!」
カレン「何言ってるのさ! 勝手を押し付けてきたのはそっちじゃないか!」
AT降り「黙れ、女!」
〔カレンの周囲に爆発〕
ココナ「実弾を撃ちやがったよ!」
バニラ「馬鹿ヤローッ! キリコ達は武器無しでやってんだぞ!」
ゴウト「逃げるぞ、コオナ、バニラ! 奴等、ここで本気でドンパチをやる気だ!」
ココナ「でも、このままじゃキリコが!」
バニラ「待て! 何か来る!」
〔味方ユニット出現〕
クロウ「素手の相手に銃を持ち出すとはな。みっともないぜ、兄さん達」
バニラ「その声! クロウか!」
クロウ「フ…いいファイトを見ていたら、俺も厚くなってきちまった。相手をしてもらうぜ」
AT乗り「ちいっ! 邪魔をするなら、お前も叩き落としてやる!!」
ゴウト「キリコ、姐さん! こっちだ! 武器を用意したぞ!!」
カレン「助かる!」
〔カレン、敵から味方へ〕
〔カレン&キリコ、ゴウトのいる地点へ隣接〕
〔カレン、前進〕

カレン「そっちがその気なら迎え撃つまでだ! 手加減はしない!」
クロウ「そっちのキリコっての! お前も準備はいいな!」
キリコ「………」
〔キリコ、前進〕
クロウ「意外と熱い奴だな。それじゃ、行くか…!」
キリコ(コニン少尉…。奴ならば、あれの正体を知っているはずだ)(俺の運命を変えた素体と呼ばれる女の正体を…)

<敵4機撃破or敵増援2出現の2ターン後PP・味方援軍2&敵増援3出現>
クロウ「気をつけろ、二人共…! 何か来るぞ!」
〔敵ユニット出現〕
カレン「治安警察…!」
治安警察「全員、大人しく投降しろ! これ以上、戦闘を続ける者は我々が鎮圧する!」
コニン(キリコめ…! こうなれば、俺自らの手で奴を仕留める!)
ココナ「見て、バニラ! コニンのATもいるよ!」
バニラ「あの野郎! 治安警察にチクりやがったのかよ!」
ゴウト「コニンの奴、治安警察の力を借りてキリコ達を潰すつもりらしいぞ!」
キリコ「………」
カレン「くっ…数が違い過ぎる…!」
クロウ「待て…! また何か来るぞ!」
〔味方ユニット出現〕
クロウ「コロニーのガンダム! やっぱり、トウキョウにいたか!」
デュオ「あおアクシオンの新型のいるところにトラブルありだな。本当に使える奴だぜ」
ヒイロ「ターゲット確認。攻撃目標、治安警察」
クロウ「連中の狙いは治安警察か。ブリタニア・ユニオンの手先を叩くのは当然と言えば、当然だな」
治安警察「ええい、応戦しろ! 抵抗する者は全て叩き潰せ!」
デュオ「さて…俺達のエリア11でのデビュー戦だ。ブリタニア・ユニオンの連中にたっぷりアピールといこうか」「もっとも、俺の姿を見た奴にはみんな死んでもらうがな!」

<コニン撃破・勝利条件達成>
〔コニンに爆発〕
キリコ「コニン少尉…!」
コニン「キリコ曹長…お前はあの時、死ぬ…べき…だったんだ………」
〔敵ユニット撃破〕
キリコ(いったい何を言っている…。何故、俺は死なねばならないんだ…)
バニラ「とっつぁん! コニンがやられて、奴等、総崩れだ!」
ゴウト「だが、ボヤボヤしてたら、今度はブリタニア・ユニオンの正規軍が出てくる!」「キリコ、クロウ! こっちだ! ずらかるぞ!」
クロウ「聞こえるか、イレヴンの赤い悪魔にコロニーのガンダム。ここは退いた方がよさそうだ」
デュオ「了解だ。ここはそっちの誘導に乗らせてもらうぜ」
〔味方ユニット離脱〕
キリコ(コニン少尉は何かを知っていた…。小惑星リドで見た素体と呼ばれる女…あれは何だったんだ…)
〔味方ユニット離脱〕
【戦闘マップ終了】

【シナリオエンドデモ開始】

キリコ(この街は地獄だ…。俺が戦った戦場と同じに、それは地獄に見えた)(俺はどうやらまた地獄に迷い込んでしまったらしい…)

エリア11
シンジュクゲットー

  ~シンジュクゲットー 倉庫街~
ゴウト「ここはワシが仕入れた武器を隠しておく倉庫だ。治安警察の目も、ここまでは届かん」
デュオ「俺達のガンダムも隠せるとはな。悪くないアジトだぜ」
カレン「とりあえず、ありがとう。離脱を手伝ってくれた事は礼を言う」
ココナ「へえ…あんたがイレブンの赤い悪魔かい」
バニラ「あれ! お前、もしかして…!?」
〔シャッターの開く音〕
扇「大丈夫か、カレン!」
カレン「見ての通り、傷一つないですよ。KMFも無事です」
玉城「あれ? どうして、ここにバニラがいんだよ?」
バニラ「驚いてるのはこっちだぜ。どっかで見た顔だと思ったら、玉城の仲間がイレヴンの赤い悪魔だったとはよ」
ココナ「知り合いなの?」
バニラ「ああ、こいつらは俺がとっつぁんの所から武器を仕入れて流しているレジスタンスのグループだ」
ゴウト「イレヴンの赤い悪魔が反ブリタニア・ユニオンのレジスタンスだったとはな」「噂も半分は当たりだったって事か」
カレン「悪いけど、仲間を呼ばせてもらった。助けてもらったけれど、あんた達を信用したわけじゃないから」
デュオ「当然だな。ここにいるのは追われる身ってのは同じだが、数時間前までは全く互いを知らない間柄だ」
クロウ「そうかい、死神? 俺の事を忘れたとは言わせないぜ」「だいたい、俺がエリア11に来たのはお前の誘いに乗ってやったからだぜ」
デュオ「意外に鋭いな。ちょっと見直したぜ、トラブルメーカーさんよ」
クロウ「俺だって好きで揉め事に首を突っ込んでるわけじゃねえんだよ」「で、そっちの無口な奴が、可変型のガンダムのパイロットか?」
ヒイロ「………」
デュオ「ああ、そうだ。名前はヒイロ・ユイってんだ」
クロウ「先に言っとくぜ。誤解しているようだが、俺はお前等を的にしてるわけじゃない」「俺もお前も怪我をしてる以上、昼の事は恨みっこ無しだ」
ヒイロ「………」
扇「ヒイロ・ユイ…。非暴力・非武装を謳っていたかつてのコロニー解放運動の指導者か」
カレン「その人って暗殺されたんですよね…」
扇「ああ…。そして、彼の死に怒ったコロニー側の抗議運動は暴動に発展し…」「結局、地球側の三大国家によるコロニー弾圧の契機となってしまった」
デュオ「こいつのコードネームはその指導者にあやかってるんだろうな」「俺はデュオ・マックスウェル。相棒はガンダムデスサイズだ」
扇「俺は扇要。レジスタンスの扇グループのリーダーをやっている」
玉城「俺は玉城信一郎ってんだ。グループの財務担当なんで、バニラとは武器の買い付けで顔なじみだったんだ」
カレン「あたしは紅月カレン。バトリングには実戦訓練を兼ねて、素性を隠して参加していた」
クロウ「じゃあ、次は俺だな。名前はクロウ・ブルースト、クロウと呼んでくれ」「アクシオン財団のテストパイロットで、あのブラスタの戦闘データを集める仕事をしてる」
キリコ「………」
ココナ「ねえ、あんたも自己紹介しなよ」
キリコ「キリコ・キュービィーだ」
バニラ「いい腕してるな、兄さん。ゴウトのとっつぁんは放っといて、俺と組まねえか?」
ココナ「あんた、まだバトリングをやらせる気? あれだけの騒動起こしたんだから、無理に決まってるよ!」
バニラ「ばぁ~か! 俺だって、そんな事ぁわかってるに決まってるだろうが!」「こいつの腕があれば、もっと大きな仕事が出来るぜ。な…だから、俺と組もうぜ」
ゴウト「勝手に話を進めるな! キリコはワシと契約が済んでるんだ!」
ココナ「駄目だよ、キリコ! こんな奴等と組んだら、ロクな目に遭わないよ!」「ね、あたいと組もうよ。あんたの腕があれば、幾らでも稼ぐ当てがあるさ!」
バニラ「俺だ! 俺がこいつと組むんだ!」
ゴウト「ワシだ! ワシがキリコのマネージャーだ!」
デュオ「盛り上がってるのはいいけどよ、当の本人は聞いちゃいねえぜ」
キリコ「………」
カレン「寝てるの? だとしたら、相当の図太い神経だね…」
クロウ「いや、違うだろう…。俺達の話に全く興味がないようだ」
デュオ「やれやれ…。無愛想もここまでいくと、人間離れしてるな」「ま…俺は、こういうのは慣れっこだけどな」
ヒイロ「………」
クロウ「こいつも無口を通り越したレベルだな」
デュオ「元々こういう奴らしいぜ。誰に対してもこんなもんだ」「もっとも、俺もエリア11に来てからの付き合いだけどな」
クロウ「コロニーのガンダムは全部で5機が確認されているが、それぞれ別の組織に属してるのか?」
デュオ「まあな。少なくとも俺とヒイロは別のコロニーから送り込まれてる」「ブリタニア・ユニオンをかく乱するって目的が同じだから、ここでは手を組んでるだけだ」
カレン「ねえ、君…モビルスーツ1機でブリタニア・ユニオンに勝てると思ってるの?」
デュオ「全軍と正面から戦って勝てるとはさすがに思ってないさ」「だが、俺達がブリタニア・ユニオンに揺さぶりをかければ、三大国家の軍事バランスが崩れる」
扇「そうなれば、コロニー側が有利に事を運ぶ事が出来るというわけか」
デュオ「だから、俺達はブリタニア・ユニオンの重要拠点であるエリア11を攻撃してるのさ」
扇「なあ、デュオ君…君とヒイロ君の力を俺達に貸してくれないか?」
デュオ「レジスタンスグループに協力しろって事か?」
扇「俺達はそれ程大きなグループではないが、ブリタニア・ユニオンの支配に対して俺達なりのやり方で抵抗している」
カレン「そのためにあたしはKMFの操縦を覚えたんだ」
扇「だが、現実は俺達だけでは治安警察の暴徒鎮圧部隊にさえ苦戦する有様だ」「頼む、デュオ君。君達と俺達の目的は同じだ。手を貸してくれ」
デュオ「…そうだな…。確かに俺とヒイロだけじゃ出来る事も限られる…」「あんたらの力を貸してもらえば、任務達成も見えてくるかもな」
扇「では、俺達に協力してくれるんだな?」
デュオ「ヒイロ…お前もいいな?」
ヒイロ「好きにしろ」
デュオ「じゃあ、OKって事にさせてもらうぜ」
バニラ「扇よぉ、じゃあ俺も手伝ってやるぜ」
扇「前にレジスタンスに誘った時には断ったのにか?」
バニラ「ガンダムちゃんが2機も加わったとなりゃ、話は別だ」「俺の治安警察の野郎にはいつか一泡吹かせてやりたいと思ってたからな」
ゴウト「それはワシも同じだ。どうだ、扇…バニラを通さず、ワシが直接武器を売ってやるぞ」
扇「それは助かります。是非お願いします、ゴウトさん」
ゴウト「いいって事よ。俺だってお得意さんが出来りゃ、商売の得になる」「ついでに出血大サービスだ。キリコもお前達に貸してやる」
扇「彼が加わってくれるのは心強いですけど、本人の意思を聞かなくていいんですか?」
ゴウト「こいつもボトムズ乗りだ。戦いの中でしか生きていけんさ」
キリコ「………」
カレン「目を開けたって事は話しに興味が出てきたって事か…」
キリコ「治安警察には俺も借りがある。その話、乗ってもいい」
バニラ「そうこなくっちゃ! へへ…お前と一緒なら、デカい仕事が出来るってもんだ」
ココナ「キリコがやるってんなら、あたいも行くよ」「これでもゲットーの情報についちゃ、何でも仕入れる自信があるよ」
クロウ「よかったな、レジスタンス。一気に戦力アップだ」
玉城「他人事みたいに言ってんなよ。お前にも手伝ってもらうぜ」
クロウ「俺か?」
玉城「あれだけ派手に暴れたんだ。もうお前だって表通りは歩けないぜ」
クロウ「確かにな…。…そういう生活にはうんざりだったが、身についた癖ってのは抜けないもんだ」
扇「どうだい、クロウ君。よかったら、君も俺達に協力してくれないか?」
クロウ「幾ら出す?」
扇「え…?」
クロウ「すまないな。俺は借金持ちの身なんで、この話は報酬次第って事にさせてもらう」
玉城「幾らなら飲むんだよ?」
クロウ「98万G」
扇「な!?」
玉城「このド守銭奴が! 物事には限度ってもんがあるだろうが!」
バニラ「俺と同じリアクションだな」
クロウ「わかった。俺も無茶を言った事は理解した。一仕事50Gでどうだ?」
扇「それ位なら何とかなりそうだ」
ココナ「何よ! あたいらの時とは全然話が違うじゃない!」
クロウ「俺も世間の相場を学んだんだよ。ま…ブリタニア・ユニオンのやり方にちょいと言いたい事もあるんでな」
カレン「あんたもブリタニアに恨みがあるの?」
クロウ「ま…昔の話だ。逆恨みに近いがな」
ゴウト「決まりだな。ここはアジトの一つとして自由に使ってくれ」
玉城「よっしゃ! 一気に戦力が集まったぜ!」
カレン「頑張ろうね、扇さん」
扇「あ、ああ…」(勢いで協力を頼んだが、この戦力を俺は使いこなす事が出来るのか…)

エリア11
トウキョウ租界 アッシュフォード学園

  ~アッシュフォード学園 外観~
リヴァル「おっす、沙慈! 昨日のニュース、見たか?」
沙慈「ゲットーの方の騒動だよね。すごかったみたいだね」
リヴァル「ガンダムが現れたって聞いたぜ。ソレスタルビーイングがエリア11に来たのかな?」
沙慈「いや…違うよ。あれはコロニーから送り込まれたって噂されてるガンダムだ」
ルイス「コロニーから? 何でそいつらがエリア11にいるの?」
沙慈「エリア11を混乱させる事でブリタニア・ユニオンに揺さぶりをかけるのが目的らしいんだ」
シャーリー「詳しいのね、沙慈」
沙慈「ほら…僕の姉さんがJNNの記者で、国際情勢を追ってるから」
リヴァル「そっか…。…お…プリンセスのご登校だ」
〔歩み寄る足音〕
リリーナ「おはようございます、皆さん」
シャーリー「おはよう、リリーナ。昨日の歓迎会の後、どこかに寄ってから帰ったみたいだけど…」
リリーナ「ちょっと父に頼まれていたものを探しに行っていたんです」
シャーリー「よかった。昨日、ルルに変な事を言われたんでゲットーに行ったのかと思った」
リリーナ「………」
ルイス「もしゲットーに行ってたら、危なかったね。昨日は大きな戦闘があったみたいだし」
リリーナ(あの怪我をした少年…。昨日のゲットーの戦いに関係があるような気がする…)(彼の目は戦う意志に満ちていた…)
ルルーシュ「おはよう、リリーナ。朝から考えすぎると授業中に疲れてしまうな」
リリーナ「ルルーシュさん…」
ルルーシュ「君のお父さんの見立て通り、このエリア11は変わろうとしているのかも知れないね」
リリーナ「コロニーのガンダムですか…」
ルルーシュ「それだけじゃない。この間のソレスタルビーイングの宣言で世界全体が動き始めている」「このエリア11もきっとその渦に巻き込まれるだろう」
リリーナ「はい…」
ルルーシュ(変わりつつある世界の中で俺に何が出来る…? 今の俺ではナナリーのための平和な世界を創ってやる事は出来ない…)(力が欲しい…。この世界を変えるだけの力が…)
【シナリオエンドデモ終了】


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