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No.11
パラダイム・シフト

【シナリオデモ1開始】
〔耳鳴り〕
ランド「ぐわあああああああっ!!」
シエロ「ランド! ガンレオンから降りろ!!」
ランド「だ、だがよ!!」
シエロ「始末は俺がつける! ヒヨッコはすっこんでろ!!」
ランド「俺は…俺は!!」
シエロ「後は俺に任せとけ! だが、覚悟しとけよ! 帰ったら一から修行のやり直しだ!」
ランド「お、親方ぁ!」
シエロ「情けねえ声を出すんじゃあねえ! ザ・ヒートの名が泣くぜ、このトウヘンボクが!」「ガンレオンは預ける! だが、俺が帰るまでメールには手ぇ出すんじゃねえぞ!!」「ありゃ、いい女になるからな」
ランド「親方ーっ!!」
〔画面、発光〕

ランド「うがあぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
ドロシー「ノーマン、気がついたみたい」
ノーマン「何とも騒々しいお目覚めですな」
ランド「こ、ここは…!?」
ノーマン「パラダイムシティでございます」
ランド「パラダイス!? 天国か!」
ノーマン「パラダイムシティです。天国でもなければ、かと言って地獄でもありません」
ランド「パラダイム…シティ…? 聞いた事もねえぞ…」
ノーマン「私はノーマン・バーグ。この屋敷の執事を務めております」「数日前、私の主人が雨の中であなたを見つけ、ここに運ばせていただきました」
ランド「こりゃ、どうもご丁寧に。まずはお礼と自己紹介を…」「俺はランド・トラビス…人呼んで…」「………」
ドロシー「どうしたの?」
ランド「お、思い出せねえ…! 俺が何者で、どこから来たのか…名前以外の全てを忘れちまった!」
〔強い殴打音×3〕
ドロシー「テーブルに頭を打ち付けるのは何のため?」
ランド「何って…。こうすればボケちまった頭が治ると思って…」
ノーマン「それは『治す』と言うより『壊す』行為ですな」
ランド「あ…今、何かチクンと来た…!」
ドロシー「メモリーが無いのはこの街では珍しい事ではないわ」
ランド「へ…?」
ノーマン「ここはパラダイムシティ…。人々が記憶…メモリーを失った街です」
ランド「…記憶を失った街…だと…?」

  ~ロジャー邸~
ランド「ふん! ふん!」「うっしゃ! 腕立て300回達成!」
〔ドアノブを回す音〕
ノーマン「そのご様子だと、お身体の方は完全に回復されたようですね」
ランド「ありがとうよ、ノーマンさん。すっかり世話になっちまって」「俺…明日には屋敷を出るよ」
ノーマン「メモリーを失ったままでございますか?」
ランド「この街じゃ、そんなのは珍しくないだろ?」「だったら、俺だってやれるさ」
ノーマン「いい笑顔ですな。少々暑苦しゅうございますが」
ランド「ありがとよ、ノーマンさん」
ノーマン「私も執事としてのメモリーが残されており、今の仕事に就く事ができました」「そうやって生きていく事がこの街のルールのようなものです」
ランド「それでだ…再出発に当たってこの街…パラダイムシティについてもう少し教えてくれねえかな?」
ノーマン「かしこまりました。と言っても、私に話せる事などたかが知れておりますが…」「パラダイムシティが、いつ誕生し、いつから人々が住み着いているかという点については、定かではありません」「ただ、40年前に起こったとされる何かによって世界は滅び…」「その後にこの街は出来たとされています」
ランド「40年前か…。俺はともかく、あんたは生まれていたはずだよな」
ノーマン「さあ…。この街には40年前より過去の記憶はありませんので…」「今、この街に住む人々は各々に残っていた部分的なメモリーを頼りにし、それぞれの生活を送っています」
ランド「しかしよ…街を出て、別の場所で暮らしていこうって奴はいなかったのかい?」
ノーマン「ここを出ても、行く当てがありませんからな。街で生まれた者は街で生きる…ごく自然な事でありましょう」
ランド「そんなもんかね…。どうもそこらは理解出来ねえな…」
〔ドアノブを回す音〕
ドロシー「ノーマン…出かけてくるわ」
ノーマン「ロジャー様にお会い出来たら、今夜のご夕食について伺っておくれ」
ドロシー「わかったわ…」
ノーマン「気をつけてな、ドロシー…」
ランド「ここ数日、ドロシーはどこかに出かけているようだが…」
ノーマン「ええ…ロジャー様をお捜しになっております」
ランド「この屋敷のご主人様か…。一度、挨拶せにゃあならんな」
ノーマン「申し訳ございません。ロジャー様は所用により屋敷を空けておられまして…」
ランド「さっきの話からして、ただの留守じゃぁなさそうだな」
ノーマン「…ロジャー様はお仕事の都合上、屋敷にお戻りになられない事も珍しくはないのですが…」「今回は少々それが長引いているようなのです」
ランド「そう言えば、そのロジャー様は何の仕事をしてるんだい?」
ノーマン「ネゴシエイターをなさっておられます」
ランド「ネゴシエイター? 交渉人…って奴か…」
ノーマン「様々なトラブルの当事者の間に立ち、交渉によって円満な解決を図られるお仕事です」「ロジャー様は優秀なネゴシエイターですが、どうも今回の依頼は面倒な事になってしまったようです」
ランド「よかったら、その依頼の内容ってのをおしえてくれよ。事と次第によっちゃ、力になれるかも知れねえ」
ノーマン「謎の連続殺人事件…今回の依頼は、その第一の被害者です」
【シナリオデモ1終了】


サブタイトル
「パラダイム・シフト」


【戦闘マップ1開始】
ランド「これがパラダイムシティね…」
〔画面、マップ画面を表示〕
ランド「何だか陰気くせえ街だな…」
ドロシー「あなた…どうしてついてきたの?」
ランド「そう連れない事言うなよ。一宿一飯の恩義って奴だ」「それに、そのロジャーって旦那を捜してる間に、お前さんも事件に巻き込まれるかも知れないだろ?」「だから、俺がボディガード役をやろうって言うのさ」
ドロシー「暑苦しい…」「私なら心配は要らないわ。それとも、あなた…前にもこういう仕事していたの?」
ランド「う~ん…よく憶えてないが、物をぶっ壊すのはお手の物だった気がする」
ドロシー「まあ、いいわ…。じゃあ、あなたは私の助手ね」
ランド「はいよ、親方!」
ドロシー「親方? そう呼びたければ、それでいいわ」
ランド「じゃあ、俺の事はダーリンと呼んでくれ」
ドロシー「冗談のセンスは最低みたいね」
ランド「初手から厳しいねえ…。で、あの巨大なドームは何だい?」
〔画面、パラダイム本社を表示〕
ドロシー「あれはパラダイム社のドームよ」
ランド「パラダイム社…?」
ドロシー「この街の全てを司るものよ。…行きましょう、今日は西のブロックを回るわ」
ランド「了解だ。隠し事をしている野郎は、俺が片っ端ならシメてやるぜ!」
ドロシー「あなたって最低だわ。ロジャーとは別の意味で…」
【戦闘マップ1終了】

【シナリオデモ2開始】

  ~パラダイムシティ~
ランド「でよ、親方…聞き込みの前に事件のだいたいのあらましってのを教えてくれねえ?」
ドロシー「詳しい事はロジャーしか知らない」「わかっている事は…今この街には何人もの人間を殺した者がいる」「その最初の犠牲者がロジャーの依頼人だった」「もっとも依頼の電話をかけてきただけで、ロジャーに会う前に殺されたのだけど」
ランド「で、お前さんのご主人様はその仇討ちをしようってのか?」
ドロシー「それはわからない。彼はヘソ曲がりだから」
ランド「おいおい…メイドさんなんだから、ご主人様の事ぐらいしっかり把握していてくれよ」
ドロシー「私は以前、ロジャーにネゴシエーションしてもらった。家事をするのは、その代金の代わり」
ランド「へえ…支払いを融通してくれて、おまけに依頼人の仇討ちまでやるとは…ナイスガイだな、ご主人様は」
ドロシー「最低の男よ。特に服の趣味は」
ランド「どうでもいいけどよ、お前さん、ちゃんと寝てるか? 目の下にクマ出来てるぞ」
ドロシー「下がって」
ランド「な、何だ…!?」
ダヴ「あたし達に尾行によく気がついたじゃないの?」
Tボーン「伊達にあの野郎の助手をしてるわけじゃないようだな」
ランド「何だよ、このいかにも小悪党な二人組は?」
ドロシー「知らない」
Tボーン「悪いな、お嬢さん。恨むんなら、あんたのボスを恨みな」
ダヴ「そうよ! あんたには奴をおびき出すための人質になってもらうわよ!」
ドロシー「断るわ。ロジャーを捜しているのはこちらの方だから」
〔衝撃音〕
〔画面、振動〕

Tボーン「が、街灯を素手でへしおった!?」
ダヴ「こ、この小娘! 人間じゃないの!?」
ランド「お、親方!?」
ドロシー「………」
Tボーン「く、くそお! ボスが注意しろって言ったのはこの事だったのかよ!」
ダヴ「覚えてらっしゃいよ! 次は必ずさらってみせるから!!」
〔走り去る足音〕
ランド「ちょっと待った、親方! その細腕でどんだけ力が出んだよ!?」
ドロシー「ノーマンに聞いていない? 私はアンドロイドよ」
〔拍手〕
エンジェル「さすがね。私の出る幕は無かったみたい」
ランド「む…謎めいた美女の登場かい?」
エンジェル「お上手ね、あなた」
ランド「で、あんたは?」
エンジェル「そうね…。エンジェルとでも呼んでもらおうかしら。…あなたがロジャーに拾われたって人ね」
ドロシー「あなた…ロジャーに会ったの?」
エンジェル「3日前にね。あなた達、彼を捜しているのでしょう? だったら、伝えて欲しいの…」「余計な事はするな…ってね」
ドロシー「わかったわ。そちらもロジャーに伝えて」「ノーマンからの伝言…。今日の夕食は何を希望するか」
エンジェル「確かに承ったわ。もっとも、彼にもう一度会える保証は無いでしょうけどね」
〔歩き去る足音〕
ランド「いいのかい、親方? あの姐さん、いかにも秘密を握ってますって顔してたが…」
ドロシー「構わない。どうせ何か知っていてもしゃべらないから」
ランド「そういうもんか…」
ドロシー「あそこの店にロジャーと親しくしていた人がいるわ。行きましょう」
ランド「おう、了解だ」

ビッグ・イヤー「…ロジャーにはこの一週間、会っていないな」
ドロシー「そう…。邪魔したわね」
ビッグ・イヤー「いいさ…。何か用があったら、また訪ねてくるといい。私はいつでもこの店にいる」「有益な情報があれば提供しよう」
ランド「ちょっと待った! ロジャーって奴は今、危険に巻き込まれてるかも知れないんだ」「心当たりがあったら、何でもいいから思い出してくれ」
ビッグ・イヤー「…マイクル・ゼーバッハ」
ランド「誰だ、そりゃ?」
ドロシー「1ヶ月前、パラダイム社から受けた依頼…。シュバルツバルト…」
ビッグ・イヤー「そう…。ロジャーは新聞記者であった彼の未発表の原稿を追っていた…」「だが、マイクル・ゼーバッハは自ら包帯だらけの奇怪な男…シュバルツバルトを名乗り…」「ロジャーの目の前で自らの原稿と共に炎の中へ消えていったと聞く…」
ランド「そいつが今回の連続殺人事件に関係があるって事か?」
ビッグ・イヤー「どうだろう? だが、その一件がロジャーの中の危険な扉を開けてしまったかも知れない」
ランド「危険な扉ね…。そういうのって開けたくなるんだよな」
ドロシー「………」

ランド「しっかし滅茶苦茶だな…。連続殺人に誘拐犯、謎の美女に自殺した包帯男…」「親方…何か手がかりになりそうな事、あったか?」
ドロシー「………」
ダストン「…ロジャーは見つかったかい、お嬢さん」
ドロシー「まだよ…」
ダストン「こちらの見かけない顔は?」
ランド「俺はランド・トラビス。ロジャーの旦那のお屋敷にお世話になっている」「人呼んで…え~と…」
ドロシー「メモリーもないくせに」
ダストン「俺は軍警察のダン・ダストン大佐だ。ロジャーとは昔からの付き合いでな」
ランド「そうかい…とりあえずはよろしく。まあ、警察のご厄介になる事は無いと思うがな」
ダストン(しかし、暑苦しい男だ…。あいつの周りにはどうも変わった人間が集まるな)
ランド「で、大佐もロジャー・スミスの捜索を?」
ダストン「失踪人届も出ていない以上、軍警察は動けんよ。今、こちらは脱獄囚の追跡で手一杯だ」
ランド「脱獄囚と来たか…。この街は犯罪者の見本市かよ…」
ダストン「だが、そいつらの足取りを追っていたら、ロジャーらしき人間を目撃したという話も拾えた」「奴はアイルズベリィへ向かったらしい」
ドロシー「農園地帯ね」
ダストン「こちらは連続殺人の犯人も追わなきゃならない。ロジャーの事は任せる」
ランド「待ってくれ、大佐。殺人事件の情報があったら、教えてくれねえか」
ダストン「…こちらから話せる情報はこれだけだ。目撃例を総合すると、犯人はどうやら少女らしい…」
ランド「少女…? 女の子が人殺しだってのか…」
ドロシー「………」

  ~アイルズベリィ~
ゴードン「…来たか…」
〔歩み寄る足音〕
ドロシー「ゴードン・ローズウォーターね?」
ゴードン「君達の事を待っていたよ。ロジャー・スミス君の足取りを追っているんだね」
ランド「随分と早耳だな、じいさん。その通りだよ」
ゴードン「だが、残念だ…。彼はもうシティへ帰ったよ」
ランド「ちっ…ついてねえな。せっかく足取りをつかめたってのに…」
ゴードン「そう急ぐ必要はないぞ、君。全ては運命で決められている」「君がここに来た事も、ロジャー君がここに来た事も…」
ランド「何、言ってんだ…?」
ドロシー「ロジャーは何をしにここへ来たの?」
ゴードン「私の書いた小説の続きを聞きにきたんだよ」
ランド「こんな時に随分と余裕をかましてくれるじゃねえか…!」
ゴードン「…彼も真実という名の幻を知りたくなったのかも知れない…」「パラダイムシティ…そして、世界の真実をね」
ランド「お、おい、じいさん…。疲れてるんなら、少し寝た方がいいぜ」
ゴードン「君はまだ気づいておらんか…。無理もない話だな…。君は野性のトマトだから」
ランド「いい加減にしてくれよ。俺はランド・トラビスだ。トマトでもカボチャでもねえ」
ゴードン「もがれたトマトは一箇所に集められ、『そこにある』という事だけが事実…つまり、真実となる」「ロジャー君は、トマトでありながら収穫する者の事を考えてしまったのだろう。殺された人々と同じように…」
ランド「じいさん…ボケてねえとしたら、あんたは連続殺人事件についても何か知ってんじゃねえか?」
ゴードン「…ロジャー君に送った言葉を君にも送ろう」「収穫の時期を間違えてはいかん。だが、君なら自分で答えを得ることが出来る…」「いや…出来るはずなのだ」
ランド「じいさん…」
ゴードン「…君達に迎えが来たようだ。ロジャー君に会えたら、よろしくな」
〔歩み寄る足音〕
エンジェル「また会えたわね」
ランド「謎の美女の登場かよ…。タイミング、良すぎるぜ」
ドロシー「私達に何の用?」
エンジェル「社長の使いとして来ました。あなた方をパラダイム社へとご案内いたします」

  ~パラダイム社 社長室~
ランド「しかし、あんたがパラダイム社の社長秘書だったとはな」
エンジェル「あら? そちらのお嬢さんからお聞きになっていなかったの?」
ドロシー「私はあなたが何をしているか、よく知らないから」
〔ドアノブを回す音〕
アレックス「お待たせしたようだね。僕がパラダイム社の社長のアレックス・ローズウォーターだ」
ランド「ローズウォーターだと?」
アレックス「そう…ゴードン・ローズウォーターは僕の父だよ」「そして、このパラダイム社の前社長でもある」
ドロシー「あなたはロジャーの居場所を知っているの?」
アレックス「その答えはノーだ。僕はこのシティの全てを管理する身だが、人の生死までは面倒は見切れない」「だが、彼が消えたとしても僕は驚かないな。何しろ彼は多くの事を知り過ぎたからね」
ランド「で、その偉い社長さんが俺達に何の用だい? やっぱり、ロジャーがらみか?」
アレックス「そうではない。僕が興味を持っているのは、君達だ」
ランド「お、お断りだ。あんたの個人的な趣味に付き合う気は毛ほどもねえ!」
アレックス「いや…訂正しよう。君達の持つメモリーが欲しい」
ランド「そっちでも同じだな。渡せるような記憶をあいにくと俺は持ってねえんでな」
アレックス「その事は彼女からも聞いている。だから、今日の所は手付けのようなものだと思ってくれ」「君達がその気になったら、メモリーを僕に渡すと約束して欲しい」
ドロシー「断った場合は?」
アレックス「どうなるだろうね…?」
ドロシー「………」
ランド「ま…無い袖は振れねえんだよ。そういうわけで帰らせてもらうぜ」
アレックス「正論だな、ミスター・トラビス。まあ、今日の所は顔合わせという事で十分だ」「君…彼女達を車で送ってやってくれ」
エンジェル「かしこまりました」
ランド「結構だ。あんたに貸しを作っておくと、何かと面倒な事になりそうだからな」
アレックス「そう…。でも、気をつけておくれよ。街で噂の連続殺人の被害者達は…」「失われた40年前のメモリーを取り戻したから殺されたらしいからね」
ランド「………」

ランド「しかし、金持ちの考える事はわからんぜ。俺の記憶なんかを欲しがるとはよ」
ドロシー「疲れたの、ランド?」
ランド「まさか…俺はタフさが服を着て歩いているような男だぜ」
ドロシー「服を着る気がないのなら、警察に引き渡すわ」
ランド「そういう意味じゃなくてだな…」「ま…確かに今日は色々あり過ぎた」「まるで芝居を観てるみてえに次から次へと順序良く色んな奴が出てきやがってよ…」
ドロシー「昨日まで停滞していた捜査が今日になって動き始めた。これならロジャーもすぐに見つかる」「今日はもう帰るわ。タクシーを拾ってくる」
ランド「悪いな、親方」(おかしなもんだな…。前にもこうやって誰かと一緒に行動していたような気がするぜ…)(誰だったんだろうな…。俺にとって絶対に守らなくちゃならん大事な人間だったような気がするが…)
〔歩み寄る足音〕
ランド「おう、親方。タクシーは見つかったのかい?」
???(R・D)「………」
ランド「そのコート、どうしたんだ? 赤は親方に似合わねえぜ」
???(R・D)「死ね…」
〔銃声〕
ランド「いきなり何しやがる!?」
???(R・D)「かわしたか」
ランド「てめえ、親方じゃねえな!?」
R・D「私はR・D…。お前は…死なねばならぬ運命にある」
ランド「こいつが連続殺人事件の犯人か…! だが、どうして俺を狙う!?」
R・D「お前のメモリーは完全に取り戻す前に殺す…」
ランド「メモリー…記憶…。俺は…俺は…!」
R・D「そのメモリーは許されない!」
???(ロジャー)「そこまでだ、R・D!」
R・D「ロジャー・スミス…」
ロジャー「………」
ランド「じゃあ、こいつが…!?」
ロジャー「その通りだ。元気になったようで良かったよ」「改めて自己紹介をしよう。私の名はロジャー・スミス。この街でネゴシエイターをやっている」
R・D「………」
ロジャー「私は、私の依頼人を殺した者を追っていた。そして、お前が40年前のメモリーに目覚めた者を消しているのを知った…」「理由も明かさずに人の命を奪っていくという行為は、フェアではないな」
R・D「………」
ロジャー「アンドロイドには人は殺せないはずだが、お前は特別か?」
R・D「私は命ぜられた」
ロジャー「誰だ? 40年前に起きた事を人々から隠そうとするものにか?」「そして、お前の顔はなぜドロシーに似ている!?」
R・D「私は存在した瞬間からその命令が聞こえてきた。だから、殺した」「それは雨の中、傘をさすくらいに当たり前の行動だ」
ロジャー「Rはレッド…。Dはデス、デビル、ダーク…」
R・D「デスティニー」
ロジャー「運命だと!?」
R・D「ロジャー・スミス! お前は誰に命ぜられている?」
ロジャー「私は誰にも命令されはしない!」
R・D「では、なぜあれに乗る!?」
ロジャー「メガデウスの事を言っているのか!?」
R・D「あれは神の乗り者だ。あれに乗る者は命ぜられるはずだ。もし、お前が違うと言うのなら…」「死なねばならない!」
ランド「な、何だ、こいつはよ!」
ロジャー「逃げるぞ、君!」
R・D「ロォォォォジャァァァァ!!
ランド「大将! あんた、銃は持ってねえのか!?」
ロジャー「私はネゴシエイターだ! 武器は使わない!」
ランド「じゃあ、とっととその口先であいつを止めてくれよ!」
ロジャー「大丈夫だ! そこで会ったドロシーにあれを運んでもらうように頼んだ」
〔機体の歩行音〕
〔画面、振動〕

ランド「ビルからロボットだと!?」
ロジャー「あの趣味に悪いカラーリングは!」
【シナリオデモ2終了】

【戦闘マップ3開始】

〔敵ユニット出現〕
ベック「ひさぁしぶりだなぁ、ロジャー・スミス! 女に追いかけられてるとは結構なご身分だな!}
ロジャー「その声…ベックか!?」
ランド「知り合いか、大将!?」
ロジャー「ジェイソン・ベック…。顔と名前と、その曲がった性根を知っているに過ぎない」「プロたる資格のない犯罪者…。チンピラ、ゴロツキと同類だ」
ベック「言ってくれるじゃねえか!」
R・D「ロォォジャァァァァァ!!」
ベック「お前はすっこんでろ!」
R・D「!」
〔ベック、R・Dのいる地点へ隣接〕
〔R・Dのいる地点の周囲に爆発〕

ランド「やった…のか!?」
ベック「へ…俺の復讐を邪魔する奴は誰でもこうなるのさ!」「ついでだ! 俺の出所祝いを派手にいくぜ!」
〔マップ上に爆発〕
ダストン「くそ、あの脱獄囚め! 早速、やってくれるか!!」
ダヴ「素敵よ、アニキ!」
Tボーン「待っていましたぜ、この日を!」
ベック「ありがとうよ、お前ら!」「あのカラス野郎のおかげで入ったムショでの暮らし…長かったぜ…」「だが、俺は可愛い部下達のおかげで再び自由を得た!」「後はあの野郎に借りを返すだけだぜ!」
ドロシー「ロジャーなら、もういないわ」
ベック「何だって! どこへ消えやがった!?」
ドロシー「あそこよ」
ロジャー「………」
ベック「あんの野郎、まさか!」
ロジャー「ビッグオー、ショウタイム!
[イベントデモ「ビッグオー登場」]
ダストン「メガデウス…来ちまったか…」

ベック「来やがったな、カラス野郎! だが、こっちにはベック・ビクトリー・デラックスがある!」
ロジャー「無駄な抵抗を続けるか。相変わらず美意識の欠片も感じられんな」
ベック「ぬああ! そのスカした口の利き方が気に食わねえんだよ!」
ロジャー「いいだろう。お前もは図らずも命を救われたという借りがある」「お前のお遊戯に付き合ってやる事でそれを返そう!」
ベック「ぬかせ! 今日が貴様とそのメガデウスの命日だ!」
ロジャー「そうはさせない…!」「ビッグオー、アクション!!」
<戦闘開始>

<ロジャーvsベック(1回目)>

ベック「行くぜ、カラス野郎! お前との腐れ縁もここで終わりだ!」
ロジャー「ベック…! 勝手に縁などにしないでもらおう。君が付きまとっているだけなのだから!」
ベック「うるせえ! お前のその屁理屈を聞いてるだけで虫唾が走るんだよ!」
ロジャー「知性と品性に乏しい君でもわかるレベルで話しているだけだ。そう…つまり、挑発しているんだよ」「私は私自身と私の信じる法を侵す者を決して許さない! 覚悟するがいい、ベック!」

<ロジャーvsベック(2回目)>
ロジャー「しかし、その趣味の悪い金色はどうにかならなかったのか?」
ベック「何を言ってやがる! お前のカラスみてえな黒ずくめの方がセンスの欠片もねえだろうが!」
ロジャー「どうやら、私達は美的センスにおいても決して相容れないようだ」「私と私の信じる法、そして、美意識を懸けて戦おう!」

<ベック撃破・味方援軍1&敵増援1出現>
〔ベックに爆発〕
Tボーン「ボス、もう駄目だ! 機体がもちませんぜ!」
ダヴ「は、早く脱出しましょう!」
ベック「くっそおぉぉぉぉっ!! せっかくムショから出てきたってのに、また負けかよ!!」「覚えてろよ、カラス野郎! 次こそは叩き潰してやるからな!!」
〔敵ユニット撃破〕
ダストン「確保だ、急げ!! 絶対に奴を逃がすなよ!!」
ロジャー「後の事はダストンに任せておけばいいか…」「しかし、いかんな…。いくら相手が卑小な悪党と言えど、ネゴシエイターが暴力に訴えては…」
???(シュバルツ)「そうだ…! 君に刺客はない! この世界に存在する資格が!」
ロジャー「あれは!?」
〔敵ユニット出現〕
ロジャー「マイクル・ゼーバッハ! いや、シュバルツバルトか!」
シュバルツ「その通りだ、ロジャー・スミス。久しぶりだな」
ロジャー「私の目の前で炎に消えた君が生きていたとはな」
シュバルツ「当然だ。私は真実にたどり着くまで死ぬ事を許されぬ身だ」「…真実を掘り出して記事を書く。しかし、この街で真実など新聞記者ごときが触れられるものではない事がよくわかった」「それに、本当に知らなければならな真実はこの街の誰もしようとはしていない」「私は知りたい。知らなければなならない事を…」
ロジャー「君の最後の原稿の文章か…。それで、見つかったのかい? その真実とやらは」
シュバルツ「無論だ。それ故に私は、この街に今一度舞い戻ったのだ」「そして、私が掘り出した真実をまず君に見せたくてな。腐った街の飼い犬よ!」
ロジャー「冗談にしては笑えないな。新聞記者というものはユーモアのセンスは育たないようだ」
シュバルツ「私は真実しか語らない。その一端がこれだ!」
〔敵ユニット出現〕
ロジャー「シティの地下迷宮で見たメガデウスのアーキタイプか!?」
シュバルツ「その通り。これも私が見つけた真実の一端だ」
ロジャー「物好きな墓堀に眠りを妨げられた亡霊とミイラか…!」
ランド「まずいぜ! いくら黒ずくめの大将でも数が違い過ぎる!」
ドロシー「では、戦ったら? あなたのメガデウスも持って来ているから」
〔味方ユニット出現〕
ランド「あれは…!?」
ドロシー「あなたのメガデウスでしょう。ロジャーがあなたと一緒に見つけたのだから」「ビッグオーと一緒にここまで運んでもらったわ」
ランド「ぐっ…うう…! 頭が…痛え…」「頭だけじゃねえ…。あいつを見てると、身体中がきしみやがる…!」
シュバルツ「ここにも真実から目を背ける愚か者がいるか!」
ロジャー「君! 君である事を忘れるな! 君が君であるメモリーを自分の力で取り戻せ!」
ランド「るせえ! 外野が勝手な事を言うんじゃねえ!」
シュバルツ「無駄だ! 痛みを忘れようとするのは人の性だ!」「だが、私は違う! それを超えて真実を掴む! 世界に痛みを伴おうとだ!」
ランド「痛みを…超えるだぁ…?」「ナメんじゃねえよ、オッサン。こちとらガキの頃から生き死に賭けて戦ってきたんだ…!」「この程度の痛み、親方のマジ拳固に比べりゃ、屁でもねえんだよ!!」
〔カーソル、ランドのいる地点からガンレオンへ移動〕
〔ガンレオンのパイロット、無人→ランドへ変更〕

ランド「待たせたな、相棒! お前の当面のご主人様のお帰りだ!!」
〔機体の起動音〕
ランド「吠えろ、ガンレオン! 俺達の出番だ!!」
シュバルツ「失われたメモリーを自力で取り戻したか!」「奴も世界のルールを超え、真実にたどり着く者だというのか!」
ロジャー「君は…」
ランド「改めて自己紹介と行くぜ! 俺はランド・トラビス」「さすらいの修理屋ビーター・サービスのサブリーダー…」「人呼んで、ザ・ヒート!」
ロジャー「暑苦しい…!」
シュバルツ「いいだろう! だが、この世界のザ・ビッグが二つ要らないように…」「真実の探求者は私一人でいいのだ!」
ロジャー「新聞記者の成れの果てらしいよ。特ダネの最初の発見者になりたがるのは」「だが、気に食わないな。自分を一段高い位置に置いたその振る舞いは…!」
シュバルツ「ロジャー・スミス! そして、真実の探求者よ! お前達はここで死ぬがいい!」「真実を知る事もなくな!」
ロジャー「やれるな、ザ・ヒート?」
ランド「その名で呼ばれりゃ、燃えねえわけにはいかねえな! ネゴシエイターの大将よ!」
ロジャー「ならば、行こう。よみがえったミイラを墓場に戻すために!」
ドロシー「もしかして、最低コンビ…?」

<ランドvsシュバルツ>
ランド「行くぜ、ミイラ野郎! 包帯を引っ張って、ヤーパン伝来の帯回しをやってやる!」
シュバルツ「ヤーパン? シティの外の土地の名か?」
ランド「元は記者のくせに物を知らないようだな!」
シュバルツ「その通りだ。私は何も知らない…いや、知らなかった。だから、知りたいのだ、全てを!」「そして、真実は世界に明かされる! その時にこそ、この街の存在する意味も明らかになろう!」
ランド「やりたきゃ勝手にやりな…と言いたいが。俺に手を出した以上、ケジメはつけさせてもらう!」「今日は大解体ならぬ、包帯の大切断だぜ!!」

<ロジャーvsシュバルツ>
ロジャー「シュバルツ! その包帯の下を暴かせてもらうぞ!」
シュバルツ「いいだろう、ロジャー・スミス! 君はそこに隠された真実を見る事になるのだからな!」
ロジャー「君のような道を踏み外した男が語る真実など聞く気はない…!」「「もし、本当にあるのなら、私は自分でそれを見つけるつもりだ!」

<シュバルツ撃破・勝利条件達成>
〔シュバルツに爆発〕
ロジャー「ここまでだ、シュバルツ」「君の探求心は見上げたものだが、街を混乱させる以上、見逃すわけにはいかない」
シュバルツ「これで終わりではない。私が見せたのは真実の一端だけだ、パラダイムの犬よ!」
ロジャー「いい加減、勘違いはやめろ。私の仕事はネゴシエイターだ!」
シュバルツ「ロジャー・スミス! 炎と共に真実を、ここに!!」
〔シュバルツの周囲に爆発〕
ドロシー「爆発した?」
ロジャー「違う…! 包帯が燃えているんだ!」
シュバルツ「フハハハハハハハ! ハハハハハハハハ、見るがいい!」
〔シュバルツ、変化〕
ランド「何だ、ありゃ!?」
ロジャー「赤いビッグオー…」
シュバルツ「フフフ…見えるぞ、ロジャー・スミス。お前の驚く顔が」「だが、本当の衝撃はお預けだ!」
ロジャー「どこへ行く気だ、シュバルツ!」
〔シュバルツ、浮上〕
シュバルツ「ドームという偽りの空など、この世界には不要なのだ!」「40年前、この世界で起こった真実を全ての人間は知らねばならない。それをこれからこの私が行うのだ!」「このビッグデュオを使って!!」
ロジャー「ビッグデュオだと!」
シュバルツ「ビッグデュオ! エスギプト・ショウツァイットゥ!!」
〔シュバルツ、上昇〕
〔敵ユニット離脱〕

ロジャー「シュバルツ…。君の言う真実とやらはパラダイムシティの外にあるのか…」
ランド「そいつはわからねえが、俺の探し物は、ここにはねえみたいだ」
ロジャー「そうか…。元々君は。この街の人間ではないのだからな…」
ドロシー「ランド…ノーマンから伝言。メガデウスの修理が遅れて申し訳なかったって」
ランド「大したもんだな、ノーマンさんは。俺のガンレオンを修理するなんてよ」「ドロシー。お前から礼を伝えといてくれ。あんたの修理の腕は最高だってな」
ドロシー「わかったわ」
ランド「お前もありがとうな。全然タイプは違うが、あいつといたみたいで楽しかったぜ」
ドロシー「あいつ?」
ランド「思いっ切り説明を省けば、俺のフィアンセ…って事になるらしい。俺はそいつを捜しにいかなきゃならねえ」
ロジャー「また会おう、ランド・トラビス」「その時、私のネゴシエイターとしての力が必用なら遠慮なく言ってくれ」
ランド「ありがとよ、大将。そっちも修理が必要な時は俺が力になるぜ」
ロジャー「君のこれからに幸運を」
ランド「っと言い忘れてた。ドロシー! お前のその黒い服、似合ってたぜ!」「あばよ!」
〔味方ユニット離脱〕
ロジャー「粗野な所はあるが、私の趣味を理解するとは…なかなかのセンスを持っている」
ドロシー「あなた達の服の趣味、最低ね…」
ロジャー「ともあれ、事件は解決だ。多くの謎を残したままだがな…」
ドロシー「あっけないものね。今日までのロジャーの働きは無駄だったみたい」
ロジャー「ドロシー…地道な活動をおろそかにしては私の仕事は成功しない」「だが、今回の場合は認めよう。彼はこの事件のパズルの最後のワンピースだったと…」
〔モニターの開く音〕
ロジャー「ノーマンか?」
ノーマン「お仕事が一段落したようですな。お夕食はいかがします?」
ロジャー「そうだな…。明日から少し遠出をする事になる。買い置きの食料を使い切ってくれ」
ノーマン「遠出…でございますか?」
ロジャー「ああ、そうだ。ノーマン…君とドロシーも一緒だ。準備を進めてくれ」
ノーマン「かしこまりました。これは忙しくなりますな」
ドロシー「ロジャー…シティの外に出るの?」
ロジャー「少し仕事の幅を広げたくてね」
ドロシー「シュバルツが気になるの?」
ロジャー「私の意志が、あの男の言葉ごときで揺らぐ事はない」「今回の件もいつものヘソ曲がりだと思ってくれ」
ドロシー「わかったわ。家に帰って支度をしましょう」
ロジャー「だが、リゾートに出かけるわけではない。用意する服は全て黒だ」「それが私と生活を共にする人間のルールだからな」
ドロシー「もう最低という言葉は言い飽きたわ」
アレックス「ロジャー・スミス…。君もパラダイムシティの法を破るようだな…」「これではっきりしたよ。やはり、君にはドミュナスの資格はないようだ」
エンジェル(ロジャー・スミス…あなたはこの街を出て、そこに何を求めるの…)
ロジャー「…雨の中、傘を差さずに踊る人間がいてもいい…。自由とは、そういう事だ…」「この街の外に真実があるのなら、私はそれを確かめてみよう。この私自身の目で…」
【戦闘マップ3終了】

【概要】

 記憶を失った街パラダイムシティで発生した謎の連
続殺人事件。ロジャーは真実を求め、ビッグオーと共
に旅立ちを決めるのであった。


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