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No.22A
砂塵の果て

【シナリオデモ開始】
アフリカ サハラ砂漠

サハラ砂漠
バルトフェルド「…で、自ら降下を志願し、僕の隊に合流したと?」
イザーク「はっ。自分はクルーゼ対所属、イザーク・ジュールです」
デュアッカ「同じく、ディアッカ・エルスマンです」
バルトフェルド「宇宙から大変だったな。歓迎するよ」
イザーク「ありがとうございます」
バルトフェルド「だが、ケガの具合はどうなんだい? 君達を預かる以上、無理はさせられないんでね」
イザーク「………」
〔包帯を外す音〕
ディアッカ「お、おい、イザーク…」
バルトフェルド「大丈夫なのかい?」
イザーク「…問題ありません」
バルトフェルド「戦士が消せる傷を消さないのは、それに誓ったものがあるからだと見た」「君のその誓いに期待させてもらうよ」
イザーク「………」
バルトフェルド「そう言われて顔を背けるのは屈辱の印…という所かな?」
イザーク「そんなことより、足つきとαナンバーズの動きは?」
バルトフェルド「目下のところ、こちらの手の平の中だ。だが、彼らは一筋縄ではいかない相手…」「ま、僕もクルーゼ隊を笑えんということさ」
イザーク「………」
ディアッカ「…では、機体の整備もありますので失礼します」
イザーク(ストライク…αナンバーズ…。討ってやるさ、次こそ必ず…! この俺がな…!)
バルトフェルド「…いいねえ、若さは」
ダコスタ「クルーゼ隊からの増援ですか…」
バルトフェルド「かえって邪魔なだけのような気がするがな。宇宙戦の経験しかないんじゃ」
ダコスタ「でも、彼らは赤服…エリートですよ」
バルトフェルド「それ以前に、クルーゼ隊ってのが気に入らん。僕はあいつが嫌いでね」
ダコスタ「はあ…」

アフリカ サハラ砂漠 アークエンジェル

バニング「…以上がタッシルの街の被害状況です」
ミサト「街は全壊。だけど、人的被害は無し…とはね」
マリュー「どういうことなのかしら?」
ムウ「少なくとも俺達を誘き出そうとしてやったわけじゃなさそうだな」
バニング「俺もそう思う」「レジスタンスの拠点であるタッシルを焼くことで抵抗の意識を削ぐことが目的だったんだろう」
ミサト「昼間は私達と共闘して、その夜には再出撃なんて…フットワークの軽い奴ね」
アムロ「虎の異名は伊達ではないということか」
ナタル「しかし、レジスタンスが邪魔なら正面から叩き潰せばいいものを…」
バニング「虎はそういう男だ。奴は超一流の戦争屋であるが、同時に独自のモラルを持ち合わせている」
ミサト「そのモラルが民間人を戦争に巻き込むことを嫌ったと?」
バニング「自分はそう判断します」
ムウ「随分と優しいところがあるな、あの虎は…」
カガリ「何を言っている! こちらは街を焼かれたんだぞ! こんなことをする奴のどこが優しい!」
ムウ「お前さんの気持ちはわかるけどさ」
カガリ「バニング大尉もだ! あいつのモラルなど知ったことか!」「あいつは臆病な卑怯者だ! こちらに手を貸すことで油断させる一方で街を焼いて、勝ったつもりになる!」「何が砂漠の虎だ!!」
ムウ「え~と…ヤな奴だな、虎って…」
カガリ「あんたもな!」
キサカ「どこに行く気だ、カガリ?」
カガリ「スカイグラスパーの操縦訓練だ! 虎は私の手で討ってやる!!」
〔扉の開く音〕
アムロ「荒れているな、彼女」
ムウ「昨日も彼女を追っていた坊主と一悶着あったみたいですよ」
アムロ「すまない、艦長。俺がついていながら、パイロット間でつまらん諍いが起きているようだ」
マリュー「あ、いえ…」
バニング「シャバっ気が抜けていない野戦任官の小僧達だからな。大尉のせいではないさ」
ミサト「とは言っても色事だものね。どんな状況でも起こりえることだわ…」
マリュー「でも、いつからそんな…」
ムウ「さぁ…地球に降りてからじゃないの? それまでそんな余裕なかったでしょ」
マリュー「あの子はサイ君の彼女でしょう? それがキラ君と…」
ムウ「意外? …だよね。俺もそう思うんだけどさ」
ミサト「そう? あのフレイって子…あの歳にして、既に自分が女であることを自覚してるわよ」
ムウ「じゃあ、葛城三佐は彼女の方から坊主にモーションをかけたと?」
ミサト「あのキラ君が自分から友達の彼女に手を出すと思う?」
ムウ「…思えませんねえ」
ミサト「恋にルールは無いってのは、だいたい女の発言よね」
ムウ「…説得力がありますなぁ」
ミサト「ま、純粋な恋心だったら私達がどうこう言うことじゃないけど」
ムウ「おかしくなったからそうなったのか…。そうなったからおかしくなったのかは知らんが、ともかくうまくないな、坊主のあの状態は…」
マリュー「それにしてもうかつだったわ。パイロットとして、あまりにも優秀なものだから、つい…」
アムロ「ああ。メンタルな面でのケアが不十分だったのは認めざるを得ない」
ムウ「大人はみんな同罪ですよ。こんな状況の中で、みんなg坊主に戦うことを求めた…」「なまじ彼と同じような年頃の子供がαナンバーズに参加しているだけに」
ミサト「そうね…」
ムウ「その無責任な期待が、坊主を追い詰めていっちまったんでしょうよ」
マリュー「解消法に心当たりは? 先輩でしょ?」
ムウ「え? う~ん…」「あまり参考にならないかも」
マリュー「…のようですわね」
ミサト「その目つきを見る限りはね」
ムウ「こりゃ失礼」
アムロ「だが、ああいった悩みや苦しみは誰もが抱えるものだ」「ただ彼の場合…コーディネイターという特殊な立場が本人も気づかない内に心に壁を作っているように思える」
ムウ「そればっかりは俺達がどうこう言っても無駄でしょうね」
ミサト「気晴らしをさせてみてはどう? 丁度、いい任務もあるし」
ナタル「消耗品の買出しですか?」
ミサト「ええ。駄目押しにその道の先輩も同行させるわ」

アフリカ サハラ砂漠

バナディーヤ
シンジ「砂漠の中にこんな街があるなんて…。しかも、随分と賑やかだ」
カガリ「平和そうに見えたって、そんなのは見せ掛けだ」「逆らう者は容赦なく殺される。このバナティーヤの街はザフトの…砂漠の虎のものなんだ」
アスカ「納得いかないわ! そんな所へあたし達を行かせるなんて、ミサトは何考えてんのよ!?」
レイ「砂漠の真ん中で買い物が出来る場所がここしかないからだと思うわ」
アスカ「違~~うっ! あたしが納得できないのは、このメンバー構成よっ!!」
キラ「………」
カガリ「言っておくが、それは私の台詞だ。こんな危険な場所に何故素人のお前達を同行させたんだ?」
レイ「…カムフラージュのためよ」
カガリ「何?」
レイ「私達、戦闘要員には見えないでしょう?」
カガリ「確かにそうだが、その制服はかえって目立つぞ。ここは日本じゃないんだ」
シンジ「修学旅行中の中学生…ってことじゃ駄目かな?」
カガリ「何!? 日本の中学生はアフリカへ修学旅行に来るのか!?」
アスカ「そんなの聞いたことないわよ!」
レイ「…言い争いをしない方がいいわ。余計に目立つから」
シンジ「そうだね…。カガリさん、良かったらどこかで昼ご飯にしない?」
カガリ「何を悠長な!」
シンジ「ほら、お腹が減ってると怒りっぽくなるし。どう、カガリさん?」
カガリ「カガリでいい。…確かにお前のいうことも一理ある。ついて来い」
アスカ「おいしい物、食べさせてよね」
カガリ「ああ、任せろ」
キラ「………」
シンジ「どうしたの、キラ君?」
キラ「いや…あの子を言いくるめるなんて凄いなと思って…」
シンジ「まあ、アスカで鍛えられたからね」
キラ「………」
シンジ「さ、僕達も行こう」
キラ「う、うん…」
シンジ(良かった…。ミサトさんの読み通り、気晴らしになってるみたいだ…)

バナディーヤ
キラ「何…これ?」
カガリ「ドネル・ケバブさ」
アスカ「なかなかおいしそうじゃない。ファースト、あんたはどうすんの?」
レイ「私は野菜だけでいいわ」
カガリ「それじゃ、ドネル・ケバブを極められないぞ?」
シンジ「ああ、綾波はベジタリアンなんだ」
カガリ「そうなのか…」
キラ「これ、どうやって食べるの?」
カガリ「それはだ…。このチリソースをかけて…」
バルトフェルド「あいや待った! ちょっと待った!」「ケバブにチリソースなんて、何を言ってるんだ? このヨーグルトソースをかけるのが常識だろうが!」「いや、常識と言うよりももっとこう……」「そう! ヨーグルトソースをかけないなんて、この料理に対する冒涜だよ!
カガリ「何なんだ、お前は!?」「見ず知らずの男に、私の食べ方をとやかく言われる筋合いはない!
〔ソースをかける音〕
バルトフェルド「あぁ、何という!
カガリ「ん~まぁいーっ! ほら、お前もケバブにはチリソールが当たり前だ
キラ「………」
バルトフェルド「ああ、待ちたまえ! 彼まで邪道に落とす気か!
カガリ「何をするんだ、ひっこんでろ!
バルトフェルド「君こそ何をする! ええい、この!
シンジ「あ、あの…そんなに暴れると…」
〔物の倒れる音〕
〔画面、振動〕

カガリ「………」
バルトフェルド「ああ、これは失礼を!」
カガリ「…アンドリュー・バルトフェルド…」
キラ「え…?」
カガリ「砂漠の虎…!」
バルトフェルド「とんだ失礼をした。この償いは是非ともさせてもらうよ」
キラ(この人が…砂漠の虎……)

バルトフェルドの屋敷
バルトフェルド「…僕はコーヒーにはいささか自信があってね」
キラ「………」
バルトフェルド「ところで良かったのかい? 友達を先に帰してしまって」
キラ「え、ええ…。彼らには荷物を持っていってもらったので…」(何かあった時に備えて、シンジ君達には連絡役になってもらわないと…)
バルトフェルド「まあ、かけたまえよ。くつろいでくれ」
キラ「…このレリーフは…?」
バルトフェルド「エヴィデンス・ゼロワン…。実物を見たことは?」
キラ「いえ…」
〔ドアノブを回す音〕
〔扉の閉じる音〕

バサラ「………」
バルトフェルド「よう…戻ってきたか」
バサラ「ああ、ギターの弦が切れちまってな」
バルトフェルド「丁度いい。特製ブレンドのコーヒーが入っている。君も飲んでいってくれ」
バサラ「じゃ、いただくぜ」
キラ「あの…この人は?」
バルトフェルド「先日、砂漠で出会ってね。こんな時代に流しをやってるらしい」
キラ「え? 砂漠でですか?」
バサラ「俺はステージを選ばねえのさ。宇宙も広いが、この砂漠ってのも果てし無くて悪くねえからな」
キラ「はあ…」
バルトフェルド「話を戻すぞ、少年」
キラ「は、はい」
バルトフェルド「…ま、異星人が頻繁に地球へやってくる時代だから、宇宙にこんな生物がいても不思議ではないが…」「この羽の部分なんか、ロマンにあふれていると思わないか?」
キラ「………」
バサラ「こんな奴らがいるから、宇宙ってのはおもしれえんだ」
キラ(この人…まるで外宇宙を見てきたみたいだ…)
バルトフェルド「どうせ宇宙からのお客さんがこの地へ来るのなら、こいつみたいなのが現れれば良かったんだが」
キラ「………」
バサラ「何かが来るのを待つのが嫌なら、自分で動くしかねえな」
バルトフェルド「もう行くのかい?」
バサラ「ああ。コーヒー、ご馳走さん」
〔ドアノブを回す音〕
〔扉の閉じる音〕

バルトフェルド「ところでどう? コーヒーの方は?」
キラ「え…と……」
バルトフェルド「君にはまだわからんかな、大人の味が。ま…楽しくも厄介な存在だよね、これも」
キラ「このエヴィデンス・ゼロワンがですか?」
バルトフェルド「宇宙に人類以外の生命がいるのが確認されたのは、宇宙移民が始まる前だったそうだ…」「そのおかげで人類には希望っていうか、可能性が出てきちゃったわけだ」
キラ「………」
バルトフェルド「人はまだもっと先までいける…ってさ」「それが宇宙時代の始まりであり、コーディネイター誕生の裏にあるなら…この戦争の一番の根っこって言えるな」
キラ「………」
バルトフェルド「待つのが嫌なら自分で動くしかない…か…」「さっきの彼の言葉…久しぶりに未来や希望を感じさせてくれたよ」
〔ドアノブを回す音〕
〔扉の閉じる音〕

アイシャ「準備出来たわよ、アンディ」
バルトフェルド「すまないね、アイシャ。さあ、お披露目といこうか」
カガリ「………」
キラ「女…の子…」
カガリ「てめえ!」
キラ「いや…だったんだねって、言おうとしただけだよ!」
カガリ「同じだろうが、それじゃ!」
バルトフェルド「あははははは!」
アイシャ「ふふふふ」
カガリ「………」
バルトフェルド「ドレスもよく似合うねえ。というか、そういう姿も実に板についている感じだ」
カガリ「か、勝手に言ってろ…!」
バルトフェルド「しゃべらなきゃ完璧」
カガリ「そういうお前こそ、本当に砂漠の虎か?」「何で人にこんなドレスを着せたりする? これも毎度のお遊びの一つか?」
バルトフェルド「ドレスを選んだのはアイシャだし、毎度のお遊びとは?」
カガリ「変装して街でヘラヘラ遊んでみたり、住民は逃がして街だけ焼いてみたりってことさ」
バルトフェルド「いい目だねえ、まっすぐで。実にいい目だ」
カガリ「ふざけるな!」
キラ「カガリ…」
バルトフェルド「死をも恐れずに向かってくる。それは生きていることに耐えられない状況の人間の行動だ…」「君も死んだ方がマシな口かね?」
カガリ「………」
バルトフェルド「そっちの彼…君はどう思っている?」
キラ「え…?」
バルトフェルド「どうなったら、この戦争は終わると思う? モビルスーツのパイロットとしては」
カガリ「お前、どうしてそれを!?」
キラ「あなたは僕達をαナンバーズだと知って…!」
バルトフェルド「はははははは! あまりまっすぐ過ぎるのも問題だぞ」「戦争には制限時間も得点もない…スポーツの試合のようなね」「なら、どうやって勝ち負けを決める? どこで終わりにすればいい?」
キラ「どこ…で…?」
〔銃を構える音〕
バルトフェルド「敵である者を全て滅ぼして…かね?」
キラ「くっ……!」
バルトフェルド「やめた方が賢明だ。いくら君がバーサーカーでも、暴れて無事にここから脱出出来るものか」
キラ「バーサーカー?」
バルトフェルド「ここにいるのはみんな君と同じコーディネイターなんだからね」
カガリ「え? お前…!?」
キラ「………」
バルトフェルド「君の戦闘は2回見た。君は同胞の中でもかなり優秀らしいな」「あのパイロットをナチュラルだと言われて、素直に信じるほど私はのん気ではない」「君が何故同胞と敵対する道を選んだか知らんが…あのパイロットである以上、私と君は敵同士ということだな」
キラ「………」
バルトフェルド「…やっぱり、どちらかが滅びなきゃならんのかねえ?」
キラ「………」
バルトフェルド「、あ…今日の君は客人で、ここは戦場ではない」「帰りたまえ。話せて楽しかったよ。良かったかどうかはわからんがね」
キラ「………」
バルトフェルド「また戦場でな…」

サハラ砂漠
キラ「………」(どちらかが滅びる、か…)
〔砂の上を歩み寄る足音〕
フレイ「見張り、お疲れ…」
キラ「フレイ…」
フレイ「シンジって子から聞いたわ。昼間は大変だったみたいね」
キラ「うん…」
フレイ「………」「…サイ、馬鹿よね…」
キラ「え?」
フレイ「あなたにかなうわけないのに…。馬鹿なんだから…」
キラ「フレイ…艦に戻りなよ」
フレイ「どうしたの、キラ…?」
キラ「…ごめん…一人でいたいんだ」
フレイ「わ…わかったわ…」
〔砂の上を去っていく足音〕
キラ(…あの時のカミーユさんの言葉…。僕だってわかっているんだ…)(自分だけが戦ってるわけじゃないってこと…。自分一人の力じゃ何も出来ないってこと…)
〔砂の上を走り寄る足音〕
キラ「誰…?」
コウ「お邪魔かな、ヤマト少尉?」
キラ「あ、いえ…」
シンジ「コーヒーを持ってきたんだ。飲む?」
キラ「シンジ君…」
コウ「砂漠の夜は冷えるんだ。コーヒーを飲んで温まろう」
キラ「…はい」
シンジ「ミサトさんがいれてくれた物だから、インスタントだけど…」
キラ「ううん、ありがとう」
シンジ「はい、ウラキ少尉も」
コウ「いただくよ」「! に、苦いな、これ」
シンジ「多分、眠くならないようにするためだと思いますけど…」
コウ「いや、葛城三佐だけに適当にいれただけかも」
シンジ「…あり得ますね、それ」
キラ「あの…ウラキ少尉は砂漠の虎と何度も戦ってきたんですよね?」
コウ「ああ」
キラ「あの人って…どういう人間ですか?」
コウ「難しい質問だな…。一言で言えば、大きな奴…かな」
キラ「大きい?」
コウ「ああ。用兵の手腕もそうだけど、何となくスケールの大きさを感じる男だよ」
キラ「………」
コウ「君達こそ砂漠の虎本人に会ったんだろう? その話を聞かせてくれよ」
キラ「ウラキ少尉も虎に興味があるんですか?」
コウ「そうだな…生命のやり取りをする相手だからね」
キラ「でも、フラガ大尉は相手のことなんか知らない方がいいと言っていました」
コウ「大尉の言うことも正しいだろうな。でも、相手のことを知った上で戦うのも必要だと思っている」
キラ「ウラキ少尉…」
コウ「俺にはずっと追っていた敵がいてね。最初はその男のことをただ憎く思っていたが…」「彼の信念を戦いの中で知った時、俺自身も戦う意味を見つけられたような気がした」
キラ「その人は…」
コウ「アナベル・ガトー…ソロモンの悪夢と呼ばれた男さ」
キラ「…名前は知ってます。ジオンの人ですよね」
コウ「ああ」
キラ「その人に出会うまで、ウラキ少尉は戦いの意味をわかっていなかったんですか?」
コウ「俺は軍人だからね…任務として戦っていた。だけど、戦う意味ってのは任務や義務とは別の所にあると思う」
シンジ「…わかります…」
キラ「シンジ君…」
シンジ「僕も前は周りに流されるままEVAに乗っていたけれど…」「今は自分の意志であれに乗ってる。自分なりに戦うことの意味を考えて…」
キラ「でも…」
シンジ「キラ君…αナンバーズのみんなも同じだよ」
キラ「え…」
シンジ「僕達の部隊は全員が軍人じゃないんだ。僕や君みたいに戦いに巻き込まれてしまった人も多いんだよ…」「僕だって悩んださ。何度も何度も逃げた。でも、その先には…自分の世界しかなかった」「そこへ逃げ込んだって、誰も手を差し伸べてくれなかったんだ」
キラ「………」
コウ「ありがちな台詞だけどさ…苦しんだり、悩んだりしているのは君だけじゃないんだ」「ただ、当の本人は追い詰められているから…周りが見えていない。だから、自分一人で何もかもやっているような気になる」「自分一人で頑張らなきゃと思ってしまう。だけど、それは間違いなんだ」
キラ「………」
コウ「自分の目が曇れば、想いも曇る。だから、戦う意味を見失う。戦わされている気になる…」
キラ「でも、僕は…」
コウ「急がなくてもいいさ。こういうことは誰かに言われてどうにかなるものじゃないしね」
キラ「………」
コウ「ん? もうすぐ夜明けだな。今日も暑くなりそうだよ」
〔警報(アークエンジェル)〕
シンジ「警報!?」
キラ「まさか、バルトフェルドさんか…?」
コウ「行くぞ、二人共!」
キラ「は、はい!」
【シナリオデモ終了】


サブタイトル
「砂塵の果て」


【戦闘マップ開始】
〔味方戦艦出現〕
〈出撃準備〉
トール「艦長、シティ7の退避が完了しました!」
マリュー「各機へ通達! 敵はおそらくこの地で勝負を決する気と思われる!」「逆に言えば、ここで砂漠の虎を倒せば、我々がアフリカを抜けられるだけでなく…」「この方面の戦局を決することになる! 各員の奮闘に期待する!」
※※ミリアが出撃している場合、セリフ追加※※
ミリア「ガムリン中尉、フィジカ少尉…ザフトがバトル7を接収したのなら、我々はそれを奪還しなくてはなりません」「そして、そのためにはαナンバーズの協力が不可欠です」
フィジカ「それは承知していますが何も市長自らが前線に立たなくとも…」
ミリア「いいえ。私は市民の安全を守る義務があります」
ガムリン「だからと言って、金竜隊長のVF-17のカラーリングを勝手に変えるなんて…」
ミリア「細かいことに構っている猶予は私達にはありません。あなた達もそれを肝に銘じるように」
ガムリン「…了解です」

キラ「………」
ブリット「…大丈夫か、キラ?」
キラ「え、ええ」
ブリット「…俺に言えたことじゃないけど、戦いの中で迷いは禁物だぞ」
キラ「はい…!」
アスカ「少しは改心したみたいね。バカシンジの説得も役に立ったってことかしら」
シンジ「僕は別にそんな…。キラ君が自分で決めたことだよ」
アスカ「ま、いいわよ。どういう風にふんぎりつけたか、見せてもらうわ」
サイ「レーダーに反応! ザフト、来ます!」
ナタル「対艦、対モビルスーツ戦用意!」
〔敵ユニット出現〕
コウ「来たか! アンドリュー・バルトフェルド!」
ジュドー「見ろよ! 宇宙で戦ったガンダムもいるぜ!」
五飛「どうやら、あいつらも俺達を追って地上に降りたようだな」
バルトフェルド「あ~ああ~。αナンバーズの諸君、聞こえるかな?」「こちらはザフト・アフリカ方面軍のアンドリュー・バルトフェルドだ」
キラ「………」
モンシア「野郎…! 決戦の前に名乗りをあげるたあ、シャレた真似をしやがる!」
バルトフェルド「…ところで、君達に重要な知らせがある。バトル7という戦艦についてだ」
ミリア「!」
バルトフェルド「もう知っているかも知れないが、我々ザフトはあの艦を接収した」「そして、諸君らが保護したシティ7がバトル7の僚艦でことも知っている」
ミリア「そこのあなた! いったい何が言いたいの!?」
バルトフェルド「我々ザフトはシティ7の引渡しを諸君らに要求する」
ガムリン「何だと!?」
バルトフェルド「無論、ザフトは移民船団の権利を認め、相応の待遇で彼らを迎えるつもりである」「ここでシティ7を渡してくれれば、諸君らの通行を黙認してもよいと上層部も言っている」
マリュー(にわかには信じられないわね)
ミリア「こちらはシティ7の市長、ミリア・ファリーナ・ジーナスです」「貴官は自分がどれだけ恥知らずなことを言っているかおわかりか…!?」
バルトフェルド「これは手厳しい」
ミリア「我々、超長距離移民船団は自治体としての権利を有している」「それを接収することや引渡しを要求するなど、内政干渉…いえ、侵略行為と言えます」
バルトフェルド「そりゃ、ごもっとも」
ダコスタ「認めてどうするんですか!」
バルトフェルド「だが、市長。銀河を旅していたあなたはお分かりにならないかも知れないが…」「今はそんなことを言っている場合じゃあないんですよ」
カガリ「勝手な理屈を! 戦争だったら何をしてもいいと言うのか!?」
ナタル「ラミアス艦長、彼らの要求を飲む必要はないと思います」
マリュー「…わかっています。総員、第一戦闘配置! シティ7を守るためにもここで雌雄を決します!」
バルトフェルド「どうやら怒らせてしまったようだ。僕としては無血で任務を果たすつもりだったんだがね」
ダコスタ「無茶ですよ、隊長。これは戦争なんですから」
バルトフェルド「…敵である者を全て滅ぼして…か……」
ダコスタ「何か言いました?」
バルトフェルド「独り言だよ。…では、各機はαナンバーズに攻撃を」「彼らを壊滅させて任務を果たすとしよう」
キラ「バルトフェルドさん…!」
マリュー「攻撃主目標は敵旗艦レセップス! 各機、攻撃開始!」
<戦闘開始>

<バルトフェルド撃破・敵増援1出現>

ベイト「やったか!?」
バニング「まだだ! 虎がこの程度で終わるはずがない!」
バルトフェルド「…ダコスタ君」
ダコスタ「は、はい!」
バルトフェルド「後退信号を出せ」
ダコスタ「しかし!」
バルトフェルド「勝敗は決した。残存兵をまとめてカーペンタリアへ引き揚げろ」
ダコスタ「隊長!」
バルトフェルド「君も脱出しろ、アイシャ」
アイシャ「そんなことするぐらいなら、死んだ方がマシね」
バルトフェルド「君も馬鹿だな…」
アイシャ「何とでも」
バルトフェルド「では、付き合ってくれ!」
〔敵ユニット離脱〕
〔敵ユニット撃破〕

シンジ「まだやる気なの!?」
モンシア「さすがは虎だぜ、誉めてやらぁ!」
キラ「バルトフェルドさん!」
バルトフェルド「まだだぞ、少年!」
キラ「もう止めて下さい! 勝負はつきました! 降伏を!」
バルトフェルド「言ったはずだぞ! 戦争には明確な終わりのルールなどないと!」
キラ「バルトフェルドさん!」
コウ「キラ、戦うんだ!」
キラ「ウラキ少尉!?」
コウ「ここで終わりにしなければ、死ぬのはお前だ!」
キラ「でも、僕は…!」
コウ「逃げるな、キラ! 虎を否定するなら、自分の答えを出せ! それが出来ないのなら、ここを去れ!」
バルトフェルド「わかっているじゃないか、コウ・ウラキ少尉…」
コウ「俺の名を…!?」
バルトフェルド「ソロモンの悪夢、アナベル・ガトーと互角に渡り合ったガンダムのパイロット…」「それぐらいの情報は得ている。だが、君は滅びの道を選んだようだな」
コウ「人は理想や信念があるからこそ、戦いをやめることは出来ない! それはあなたも承知しているだろう!?」
バルトフェルド「もちろん。…では、決着をつけようか。互いの信念を懸けてな」
コウ「望むところだ!」
バニング「ここでお前との戦いに終止符を打たせてもらう! でなければ、俺達は先へ進めんからな!」
バルトフェルド「よかろう! 僕の屍を越えられるものなら、越えてみたまえ!」「少年、君もな!」
キラ「ぼ、僕は…!」
ムウ「坊主!」
キラ「僕はっ!!」
バルトフェルド「そうだ! 戦いしかなかろう!? 互いに敵である限り!」「どちらかが滅びるまでな!」

<アムロvsバルトフェルド(ラゴゥ搭乗)>
バルトフェルド「光栄だね、あのアムロ・レイと直に刃を交わすことが出来るとは!」
アムロ「そこまでの技量と度量を持ちながら、何故無益な争いをする!?」
バルトフェルド「力を持つ者は自分が間違っていると思わないものさ。そういう意味で君達は危険な存在…」「そう、コーディネイターにとって忌むべき存在なのさ!」

<カミーユvsディアッカ>
カミーユ「長距離も一長一短だ! この角度なら!」
ディアッカ「弱点くらいこっちも把握してるっつーの。調子に乗るなよ!」

<ジュドーvsバルトフェルド(ラゴゥ搭乗)>
ジュドー「くそっ! 同じ砂漠の敵でも、あいつとは大違いだぜ!」
バルトフェルド「誰に重ねているかは知らんが、先入観で相手を測るのはよくないぞ」

<コウvsバルトフェルド(ラゴゥ搭乗)>
コウ「軍人としてのあはたは、尊敬に値すると言っていいかも知れない…!」
バルトフェルド「そりゃどうも」
コウ「だが、俺達は敵として出会った! あなたが退かぬと言うのなら、俺もまた退くわけにはいかない!」
バルトフェルド「それも答えの一つだ! 来たまえ、コウ・ウラキ少尉!」

<バニングvsバルトフェルド(ラゴゥ搭乗)>
バニング「長いようで短い付き合いだったな、アンドリュー・バルトフェルド!」
バルトフェルド「全くだ。ここでお別れするのが惜しい。まさに好敵手だったよ、君達は」

<ヒイロvsバルトフェルド(ラゴゥ搭乗)>
バルトフェルド「君は何のために戦っているのかね?」
ヒイロ「…その質問をする者は、その大半が己の戦う理由に迷いを生じさせている」
バルトフェルド「おやおや」
アイシャ「ふられたわね、アンディ」
バルトフェルド「ま、そう上手くはいかんさ」

<キラvsイザーク>
イザーク「見つけたぞ、ストライク! 傷の礼をさせてもらう!!」
キラ「あいつ…! 僕達を追ってきたのか!?」

<キラvsディアッカ>
キラ「バスターが相手なら砂を巻き上げて…!」
ディアッカ「ちっ! ビームの減衰率が高すぎる! 大気圏内じゃこんなかよ!」

<キラvsバルトフェルド(ラゴゥ搭乗)>
バルトフェルド「君の相手は僕だよ、奇妙なパイロット君」
キラ「くっ! バクゥとは動きが違う! でも!」
バルトフェルド「やはりね…。大したもんだよ、君は」「軍に入って日も浅いだろうに、僕のラゴゥを捉えるなんてね」「やはり、君は何か違う…! 本当にバーサーカーなのかも知れんな!」

<キラvsバルトフェルド(ラゴゥ搭乗)(戦闘後)>
アイシャ「なるほど、いい腕ね」
バルトフェルド「だろう? 今日は冷静に戦っているようだが、こないだはもっとすごかった」
アイシャ「何でそんなに嬉しそうなの?」
バルトフェルド「………」
アイシャ「辛いわね、アンディ。ああいう子、好きでしょうに…」

<ムウvsイザーク>
ムウ「砂漠に不慣れみたいだな! 後ろががら空きだぜ!」
イザーク「戦闘機ごときが生意気なんだよ!」

<ムウvsディアッカ>
ディアッカ「いい加減に落ちろ!」
ムウ「ちっ! やらせるかよ!」

<ムウvsバルトフェルド(ラゴゥ搭乗)>
ムウ「短い付き合いだったが、ここでお別れだ!」
バルトフェルド「そうだねぇ、そろそろ飛び回られるのも目障りになってきたのでね!」

<カガリvsバルトフェルド(ラゴゥ搭乗)>
カガリ「いくぞ、卑怯者っ!!」
バルトフェルド「やはり、死んだ方がマシな口かね、君は!!」

<ミリアvsバルトフェルド(ラゴゥ搭乗)>
ミリア「このエースのミリアを敵に回して、ただで済むと思わないことね!」
アイシャ「怒らせちゃったわね」
バルトフェルド「ちょっと厄介な敵だな。頼むよ、アイシャ」

<イサムvsバルトフェルド(ラゴゥ搭乗)>
イサム「犬だか狼だか知らねえが、この俺に当てようなんざ100年早えぇ!」
バルトフェルド「アイシャの腕を甘く見ない方がいいぞ」
アイシャ「おだて過ぎよ、アンディ」

<ガムリンvsバルトフェルド(ラゴゥ搭乗)>
ガムリン「まさか、同胞と戦うことになろうとは…!」
バルトフェルド「我々コーディネイターを同胞を言うか。ま、同じ地球人であることに違いはないがね」
アイシャ「星の海から来た人達にすれば、コーディネイターとナチュラルの違いなんて小さなものなのかも知れないわね」
バルトフェルド「が、今は敵同士…戦いしかない!」

<イザーク撃破>
イザーク「くっ! αナンバーズめ!!」
バルトフェルド「君は後退しろ。その状態じゃ、これ以上は無理だ」
イザーク「しかし!」
バルトフェルド「君はあくまで助っ人だ。こんなところで無理をするな」
イザーク「りょ、了解…!」
〔敵ユニット離脱〕
バルトフェルド「あの少年のような真似は誰にでも出来るというものでもないってことだ…」

<ディアッカ撃破>
ディアッカ「ちっ! 砂漠ってのは、どうにもやりづらいぜ!」「バスター、後退する! 後は任せるぜ!」
〔敵ユニット離脱〕
バルトフェルド「いい引き際だ。彼は長生き出来そうだね」

<バルトフェルド撃破・勝利条件達成>
バルトフェルド「まだだ!」
〔バルトフェルド、精神コマンド「根性」使用〕
キラ「バルトフェルドさん!」
バルトフェルド「少年! 見せてもらうぞ、君の答えを!」
〔バルトフェルド、キラから後退〕
ミリアリア「ストライクのパワー、危険領域に入ります!」
ムウ「坊主!」
キラ「!」
〔キラ、フェイズシフトダウン〕
[イベントデモ「キラ、SEED覚醒」]
〔バルトフェルド、キラへ隣接〕
[イベント戦闘「キラvsバルトフェルド」]
アイシャ「アンディ…!」
バルトフェルド「………」
〔敵ユニット撃破〕
カガリ「………」
〔敵ユニット離脱〕
キラ「………」「僕は…僕は…!」「殺したくなんかないのにぃぃっ!!
【戦闘マップ終了】

【シナリオエンドデモ開始】

L5宙域 プラント

プラント最高評議会議場
パトリック「…本日、アフリカ方面を指揮していたバルトフェルド隊壊滅の報が入りました」
シーゲル「その敗戦によって駄目押しをしようとするのかね…?」
パトリック「私は勝つための戦略を検討しているだけです」
シーゲル「君の提出案件であるパナマ基地への攻撃作戦…オペレーション・スピットブレイクは本日可決されるだろう」「世論も傾いている。もはや止める術はない」
パトリック「我々は総意で動いているのです、シーゲル。それを忘れないでいただきたい」
シーゲル「…戦火が広がれば、その分、憎しみも増すぞ。どこまで行こうというのかね、君達は…」「地球圏には外宇宙からの侵略者も来ているのだぞ」
パトリック「そうさせないためにも早期終結を目指さねばならないのです」「戦争は勝って終わらねば意味がない…。我らコーディネイターはもはや別の新しい種です。ナチュラルと共にある必要はない」
シーゲル「早くも道に行き詰った我らのどこが新しい種かね!」「婚姻統制を強いてみても第3世代の出生率は下がる一方なのだぞ!」
パトリック「これまでとて決して平坦な道ではなかったのだ」「今度もまた必ず乗り越えられる…我らが英知を結集すれば」
シーゲル「パトリック、生命は生まれいずるものだ。造り出すものではない」
パトリック「そんな概念、価値観こそがもはや時代遅れと知られよ。人は進む…常により良き明日を求めてな」
シーゲル「そればかりが幸福か?」
パトリック「これは総意なのです、クライン議長閣下」「我らはもう今持つ力を捨て、ナチュラルへ逆戻りすることなぞ出来んのですよ」
シーゲル「………」
パトリック「…ジブラルタルでの式典のスケジュールを早めます」「ラクス嬢の不参加についての病欠と発表しておきます」
シーゲル「…わかった」
パトリック「では、失礼します」
〔扉の開く音〕
シーゲル「………」「我らは進化したのではないぞ、パトリック…」

クルーゼ私室
クルーゼ「く…うう…!」「また…発作か…」
〔アラーム音〕
〔アラームを切る音〕

クルーゼ「これはザラ委員長閣下…このお時間ではまだ評議会の最中では?」
???「オペレーション・スピットブレイクが可決された。とりあえずその報告だ」
クルーゼ「では?」
???「真のオペレーション・スピットブレイク…頼んだぞ」
クルーゼ「間もなくの議長選、シーゲル・クラインの後任は間違いなく閣下ですから、準備ぬかりなく…」
???「うむ…」
クルーゼ(せいぜい思い上がれよ、パトリック・ザラ……)

西ヨーロッパ ジブラルタル

バトル7 艦長室
ザフト高官「では、我々の要請を拒絶されるというわけですな? マクシリアン・ジーナス艦長」
マックス「当然だ。我々移民船団は地球を発った時に自治権を認められている」「その権利に基づき、我々とバトル7の即時解放を要請する」
ザフト高官「融通の効かぬことを。地球圏がどういう状況下にあるか、何度も説明したではありませんか」
マックス「………」
ザフト高官「我々ザフトは地球連邦政府に対し、自由と独立を訴えているのです。それへ協力することに何の問題があるのです?」
マックス「確かにあなた方が宣戦布告に至った背景には同情すべき点があり…連邦政府に疑問を感じる点も多々ある」「だが、貴官こそ我々のもたらした情報を真剣に検討して欲しい」
ザフト高官「ほう…」
マックス「私は地球圏どころか、銀河系レベルでの滅亡の危機が迫りつつあると述べているのだ」
ザフト高官「そのためには、地球人類が一丸となって問題に対処せねばならないと?」
マックス「無論だ」
ザフト高官「では、その前に足場を築く意味合いでも連邦政府の打倒が必要ですな」
マックス「…話にならん」
ザフト高官「交渉決裂ですな。では、バトル7は我々ザフトで運用させていただきます」
マックス「…バトル7で何をするつもりかね?」
ザフト高官「3日後の式典にて、我々の新兵器と共に盛大なお披露目を行います」
マックス(かつてのティターンズと同じことをするつもりか…)
ザフト高官「よろしいか?」
マックス「…好きにしたまえ」
ザフト高官「ほう…これは随分と殊勝な」
マックス「その代わり、クルーの身の安全を保証してもらうぞ」
ザフト高官「それはもちろん。では、後ほど艦長には我々の下へ来ていただきます」
マックス「人質代わりか?」
ザフト高官「人聞きが悪いですな。ゲストとしてお招きするのですよ」
マックス「………」
ザフト高官「では、私はこれで」
〔扉の開く音〕
マックス「………」(…艦長としては最悪の決断だな)(だが、このまま引き下がる私ではない。手は打たせてもらうぞ…)

ジブラルタル基地 執務室
ザフト高官「バトル7の件は片がついた。式典は予定通り行う」
マージ「ラクス・クラインについては?」
ザフト高官「プラントから連絡があり、欠席は確実となった」
マージ「それは残念です。彼女の歌声を楽しみにしていましたので」
ザフト高官「彼女の代わりがバトル7であり、君達のシャロン・アップルだ。調整は大丈夫なのだろうな?」
ミュン「そのような言い方は控えて下さい。彼女は既に独立した人格を持っております」
ザフト高官「CGのバーチャル・アイドルがか?」
マージ「………」
ザフト高官「そんなものは虚像に過ぎんよ」
ミュン「なら、それを利用したプロパガンダにも同じことが言えますわね」
マージ「やめて下さい。スポンサーに対して失礼ですよ」
ミュン「よくもそんなことを…! 彼らと裏で取り引きしていたのはあなたでしょう?」
マージ「そうでもしなければ、シャロンのデビューは不可能でしたので。そのことはあなたもご存じのはず」
ミュン「……!」
ザフト高官「…ともかく、式典でのシャロン・アップルの効果に期待している」
マージ「お任せ下さい…」
ミュン「………」(イサム…ガルド…私はとんでもないことに巻き込まれてしまった…)(あなた達は今…どこにいるの…?)
【シナリオエンドデモ終了】


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