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戦いの意義

【シナリオデモ開始】
シモーヌ「それじゃ、このあたりを調べてみましょう。わたしはこっちを見てみるから、 マサキはあっちのほうをお願いね」
マサキ「ああ、わかった」

マサキ「……とは言ったものの、さて、なにから手をつけりゃいいんだか……」
クロ「取り敢えず、このへんの人たちに情報を聞いてみましょうよ」
シロ「あ、あそこに人がいるニャ」
マサキ「おーい、そこの女の子、ちょっと聞きたいんだけど」
女の子「きゃっ!? な、なに、なに? あ、もしかしてこれ、噂の魔装機神?」
マサキ「あのさ、このへんでナグツァート見掛けなかったか?」
女の子「なぐつぁーと? なに、それ? 大体あたし、この土地の人間じゃないわよ」
マサキ「……なんだ、悪かったな」
女の子「もういいでしょ。あ、ちょっと、先生待ってよ!」
クロ「聞く相手をちゃんと選ばなきゃ、ダメみたいね」
マサキ「とはいっても、このあたりにゃほとんど民家はねえし……」
シロ「こういうのって、地道ニャ操作が基本だろ。足で稼ぐっていうじゃん」
マサキ「めんどくせえな。もう、シモーヌに任せちまうか」
クロ「ダメよ、マサキ! まったく、横着ニャンだ……あら?」
シロ「どうしたニャ?」
クロ「今、精霊レーダーに反応が……すぐに消えちゃったけど」
マサキ「怪しいな……。調べてみるか。場所は?」
クロ「すぐ近くよ。西に20キロくらい」
マサキ「よっしゃ、行ってみるか」

マサキ「さて、このあたりだな」
シロ「……なんかにおうニャ」
マサキ「ああ。邪気が渦巻いて、チリチリするぜ」
クロ「あ、マサキ! あれ!!」

マサキ「へっ、まさかこんなとこにのこのこ出てくるとはな!」
ルオゾール「まったく、しつこいお方だ……。あなたは、一体なんのために戦っておられ るのですかな?」
マサキ「おもしれえこと言うじゃねえか。てめらテロリストをブッ倒すために決まってん だろうがっ!!」
ルオゾール「あなたがた地上人には、この世界のことは関係ないでしょうに。第一、なに が正で、なにが邪か、あなたは本当にわかっておられるのですかな?」
マサキ「ああ、テロなんぞやってるやつに善人はいねえってことぐらいは、はっきりして るぜ!」

ルオゾール「おう、どうやら現れましたな」
ガスパ「すいやせん、ダンナ! こいつの受け取りでチョイともめごとがありやして」
ルオゾール「……その口調はやめろと何度も言っているてしょう?」
ガスパ「へい、すいや……とと、すみませんボス」
マサキ「ちっ、増援か!」
ガスパ「!? てめえ……いつぞやのガキか!?」
マサキ「なんだ? オレはおっさんみたいな怪しげなやつに、知り合いはいないぜ」
ガスパ「やかましいっ! てめえに殺された部下たちの恨み、ここで晴らしてやるっ!!」マサキ「恨み? このオレにか?」
シロ「逆恨みってやつだニャ」
ガスパ「ルオゾールのダンナは下がっててくれ!! こいつはオレたちが倒す!!」
ルオゾール「いいでしょう、拝見させていただきますよ」

マサキ「こんなやつら、サイフラッシュで一発よ!」
クロ「あ、言い忘れてたけど、サイフラッシュは使えニャいわよ」
マサキ「なんだあ? さっきはいけたじゃねえかよ!?」
クロ「ダメ、出力が不安定ニャンだから、ここでつかっら壊れちゃうわ」
マサキ「ち、うっとうしいな。帰ったらウェンディに見てもらうか」

ガスパ「レッカはガキができたばかりだった……。ウィノは5年越しに付き合ってた女と 来週、結婚するはずだった……。それを……てめえはっ!!」
マサキ「う、うるせえっ!! 人を恐怖で支配しようとしやがるテロリストが、なに言って やがるっ!!」
ガスパ「てめえのその正義の味方面が気に食わねえんだよっ!! 青二才がいい気になるな っ!! てめえだって、ただの人殺しなんだよっ!!」

ガスパ「すまねえ……レッカ……ウィノ……。てめえらの仇……討ってやれなかった……」 
テロリスト「ラングラン解放戦線、ばんざーいっ!!」

テロリスト「魔装機神なんざ、この世界に必要ねえんだっ!! どっかへ行っちまえっ!!」

テロリスト「レッカとウィノを返せっ!! この人殺しがっ!!」

マサキく、くそっ!! あいつら、好き勝手言いやがって……」
クロ「マサキ、気にすることニャいわよ」

ルオゾール「ふ……まあ、所詮はこんなものですな……ククク」
マサキ「てめえっ!! なにがおかしいっ!?」
ルオゾール「喜劇と悲劇は紙一重……。二流の役者では、悲劇も喜劇になってしまうもの です。戦えば人が死ぬ、当然の摂理です。しかし、ランドール殿、あなたはその死に値 する大義をお持ちでない」
マサキ「な、なにを……」
ルオゾール「死は、万物に平等であり、尊いものです。それをあなたは、自分の感情だけ で巻き散らしております。死を、共通の目的とする。我らヴォルクルス信者にとって、 あなたの行動は醜悪極まりないのですよ。わたしめがヴォルクルス様に代わり、あなた に死という福音を授けて差し上げましょうぞ」

ルオゾール「ランドール殿、あなたはなぜそんなに戦えるのですかな? あなたには大義 もなければ思想もない」
マサキ「う、うるせえっ!!」
ルオゾール「あなたの価値判断が、絶対に正しいと言い切れますかな?」

シモーヌ「マサキ、大丈夫だった?」
マサキ「……」
シモーヌ「? どうかしたの、マサキ?」
マサキ「いや、なんでもねえ」
ルオゾール「む、援軍ですか……、ならば、わたしめも援軍を出さねば不公平ですな」

ルオゾール「ま、このあたりが適当かと」
シモーヌ「またデモンゴーレム? もう、わたし飽きちゃったわ」

ルオゾール「ほう、お強そうなお嬢さんだ。あなたは、なぜ戦っておられるのですかな?」
シモーヌ「あんたたちが気に食わないからさっ!」
ルオゾール「それが、正しいことだと信じておられる?」
シモーヌ「フン! 悪人がヘ理屈並べたところで、聞く耳持たないね!!」

ルオゾール「くっくっくっ……楽しい暇つぶしでしたよ……。では、またお会いしましょ う、ランドール殿」

シモーヌ「まあ、確かにここにルオゾールはいたけど、ここくになにか意味があるってわ けじゃさそうね。? マサキ、さっきからどうしたの? なんか暗いわよ」
マサキ「なんでもねえって言ってるだろ!」
シモーヌ「変なの」

フェイル「そうか、ルオゾールはテロリストと接触を取っていただけだったか」
セニア「でも、テロリストの親分は倒したんでしょ? なら少しは平和になるかもね。し ばらくはデュカキスも必要ないか」
シモーヌ「なんです、デュカキスって?」
セニア「あたしが設計したコンピューターよ。論理飛躍が可能なの。つまり『カン』がい いってことね」
シモーヌ「わ、わたしコンピューターっちょっと……よくわからないんですけど」
セニア「あら、そう? スゴイんだけどなあ。マサキ、あなたならわかってくれるわよね ? ? マサキ、どうかしたの?」
マサキ「……別に」
フェイル「二人ともご苦労だった。部屋に戻ってゆっくり休んでくれ」

マサキ「……」
シロ「とどうした、マサキ。元気がニャいニャ」
クロ「さっきのこと、まだ気にしてんの?」
マサキ「……オレは……なんのために戦ってるんだ?」
クロ「ニャに言ってんのよ! この世界を守るために決まってんじゃニャい!」
マサキ「……」
シロ「ダメだこりゃ。こーゆー猪突猛進タイプがニャやみだすと、とことんいっちゃうか らニャあ……」
コンコン
ウェンディ「マサキ、いる?」
シロ「あ、ウェンディさんだ」
マサキ「……」
クロ「どうぞ、入ってください」
ウェンディ「さっき、様子がおかしかったから、心配で……あら、どうしたのマサキ?」
シロ「落ち込んでるんですよ。ニャンか自分が戦ってることに自身が持てニャくニャって るみたいだニャ」
マサキ「シロ! 余計なこと言うな!」
ウェンディ「……マサキ、前に行ったわよね。あなたが魔装機神の操者であることが重荷 になったときは、わたしに相談してって」
マサキ「……オレは……本当に正しいことをしているのか?」
ウェンディ「そうね、それは難しい質問だわ。ね、マサキ、どうして魔装機神には高位の 政令を宿してあるか知ってる?」
マサキ「そんなもん、知るわけねえだろ」
ウェンディ「精霊の力で、魔装機の動きを制御してるっていうのが、一般にされている説 明なんだけど、それだけじゃないの。精霊はね、自らの意志を持って操者を選ぶのよ。 その意味がわかる?」
マサキ「……わかんねえ」
ウェンディ「あなたは、精霊が正しいと認めた操者なの。あなたは、間違いなく正しい心 を持っているわ」
マサキ「……それは、オレじゃなくて、オレを選んだ精霊を信じてるってことか?」
ウェンディ「精霊というのはね、わたしたちの『信じる心』によって、存在しているの」
マサキ「オレは精霊なんて半信半疑だぜ」
ウェンディ「このラ・ギアスに住む人たちは違うわ。小さい頃から精霊を信じ、その姿を 見ることだってできるんだから。あなたたちの世界……地上だって、信じている人がい れば、かすかでにでも精霊は存在しているのよ。つまり精霊はわたしたち一人一人の心 の現れなの。無意識の集合体といってもいいわ。その精霊の判断は、わたしたちラ・ギ アスの人たち全ての判断と同じなのよ」
マサキ「……」
ウェンディ「今はまだ、よくわからないかもしれないけど、あなたは自分の信じた道を進 めばいいの。他の誰が、なんと言おうと、わたしはあなたを信じています、マサキ」
マサキ「……ありがとう」
ウェンディ「元気出してね。元気のないマサキなんて、らしくないもの。あ、それとサイフラッシュは直しておいたわ。これでもう、心配せずに使えるはずよ」