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バゴニア領内

【シナリオデモ開始】
ジノ「ほう、そうか、きみはあの剣皇ゼオルートの娘だったのか」
プレシア「はい」
ジノ「では、きみとわたしは縁があるな。わたしは剣聖シュメルの弟子だったんだ」
プレシア「シュメルおじちゃん……じゃなかった、シュメルさんの?」
ジノ「ああ、2年程剣術を教えていただいたことがある。そのときによく、剣皇ゼオルートの話をしてもらったよ。確か、ゼオルート殿は亡くなられたんだったね?」
プレシア「……ええ」
ジノ「あ、いや、悪いことを聞いてしまったかな……」
プレシア「ううん、いいんです。もう、過去のことですから」
ジノ「……強いな、きみは」
プレシア「そんなこと、ないです。だって、あたし、いつもお兄ちゃんに守ってもらってて……」
ジノ「? ゼオルート殿に息子がいたとは聞いたことがなかったな」
プレシア「養子なんです。でも、あたしにとっては、本当のお兄ちゃんと同じくらい……いえ、もっと、もっと大切な……」
ジノ「いいお兄さんなんだね」
プレシア「……あたし……どうしよう……。勝手にこんなことしちゃって……」
ジノ「なに、そんな優しいお兄さんなら心配はいらないよ。ただ、お尻の一つくらいは、ぶたれるかもしれないけどね。さあ、では君の家まで送っていって……むっ!? どういうことだ!?」
プレシア「どうしたんです?」
ジノ「何者かがこの敷地に侵入したようだ。プレシア、きみはここでじっとしていなさい」
プレシア「あ、はい」

マサキ「やいやい、バレンシアとかいう野郎!! 出てきやがれっ!!」

ジノ「サイバスターだと? ラングランの魔装機神が、わたしの家になんの用だ?」
マサキ「てめえがバレンシアかっ!! プレシアを返せっ!! この人さらいがっ!!」
ジノ「人さらいだと……。貴様、礼儀というものを知らんのか!!」
マサキ「やかましいっ!! てめえがプレシアをさらっていったことは調べがついてるんだよ!! 今すぐプレシアを返しやがれっ!! さもねえと……」
ジノ「どうするというのだね?」
マサキ「てめえを叩きのめして連れていくっ!!」
ジノ「面白い。無断でバゴニア領内に侵入し、あまつさえ、罵詈雑言を浴びせ、わたしの名誉を傷つける……。許すわけにはいかんな!」
マサキ「やってやるぜっ!!」

プレシア「待って、お兄ちゃん!! ジノさんは悪くないの、あたしが勝手に……」
マサキ「プレシア!! 待ってろ、今助けてやるぜっ!!」
プレシア「お兄ちゃん、あたしの話を聞いて……」
マサキ「行くぜ、バレンシアッ!!」

プレシア「お兄ちゃんっっっっ!!!」
マサキ「どわっ!? な、なんだよ、プレシア? 急にでっかい声出しやがって……」
プレシア「もう、お兄ちゃん、あたしの話全然聞いてくれないっ! なんで、いつもそうなのよっ!!」
プレシア「今だって、許可も取らずに勝手にバゴニアに入ってくるし」
マサキ「……プレシア、おまえだって……」
プレシア「あたしのことはいいのっ!! 今はお兄ちゃんのことを話してるんだからっ! お兄ちゃん、どうしてあたしのこと、認めてくれないの!? あたしだって、役に立ってみせてるじゃない! それなのに、お兄ちゃん、いつまでたってもあたしのこと、一人前だとみてくれない……。あたし、お兄ちゃんに認めてもらいたいから、一生懸命がんばってるのよ! もう……お兄ちゃんなんて知らないっ!! 帰って、帰ってよ!!」

マサキ「プレシア……」
ジノ「……確か、マサキ=アンドーくんだったな」
マサキ「あ、ああ」
ジノ「きみが、プレシアを心配する気持ちはわかるが、今の行動はいただけないな。しばらく離れていたほうが、お互いのためだと思うが」
マサキ「そ、それは……くそっ! た、確かにそうかも……しれねえ」
リューネ「マサキ、あいつの言うとおりだよ。二人とも、頭を冷やさなきゃ」
ジノ「プレシアは、わたしが責任を持って預かろう。気持ちがおさまれば、彼女をきみの元に連れていく。約束しよう」
マサキ「し、しかし……」
リューネ「それがいいね。あいつ、信用できると思うよ。あんたよりずっと冷静だったし」
マサキ「……わかった。しばらくあんたの元にプレシアを預ける。バレンシア少佐」
ジノ「ジノでいい。では、早々に……むっ!?」

ゼツ「ひゃひゃひゃ、バレンシア少佐、勝手な行動はやめるんじゃな」
ジノ「ゼツ殿……」
ゼツ「あやつらは、我らの敵。今ここで決着をつけてくれようぞ!」
ジノ「ゼツ殿、おやめください!!」
ゼツ「うるさいっ!! 若造は引っ込んでおれっ!!」
ジノ「くっ……」
ゼツ「ラングランめアカデミーの連中め、積年の恨み、今晴らしてくれるわ!」
マサキ「……そうかい、そんな相手になってほしいんなら、相手をしてやらあ!! ジノ、プレシア! 下がってな。ここは、オレとリューネでカタをつけてやる!!」
リューネ「任せてっ!」
ジノ「すまない……」

プレシア「お兄ちゃん……」

ゼツ「ひーっひっひっひっ!! ラングランの魔装機神がどれほどのものかよ!」
マサキ「な、なんだこいつ……」

ゼツ「なんじゃ、この機体は……。ラングランのものとも違うようじゃが……。ま、いずれにしろ、大したものではないわな」
リューネ「うっさいね! ヴァルシオーネをあまく見ると、痛い目にあうよっ!!」

ゼツ「ふひゃひゃひゃ! 魔装機神なにするものぞ!! わしこそが、魔装機造りの天才なのじゃ!! アカデミーのバカどもめ、思い知ったか、ひょほほほほ!! わーしは、天才♪ 天才じゃあ♪ ……むむっ!? な、なんじゃ!? バ、バカな、オーバーロードじゃと!? このわしの設計にミスがあったというのかっ!? ぬ、ぬううう……ここまできておきながら……。く、くちおしや……。撤退じゃっ!!」

ゼツ「む、むおおおっ!? わ、わしの魔装機がこんなやつらに倒されるなど……そんなバカなっ!? こうなったら、もっと強力な魔装機を開発せねば……。覚えておれよっ!」
ジノ「すまない。あのゼツ殿は、魔装機開発の功により、特権が与えられていてな……。お恥ずかしい話だが、今、あのゼツ殿は防衛の最高責任者なのだ……。わたしごときでは、止めることができんのだよ。今回のことは、ゼツ殿にも非があることだし、問題にならぬと思うが、きみたちは早く立ち去ったほうがいい」
マサキ「ああ、わかった」
プレシア「……お兄ちゃん……」
マサキ「プレシア、落ち着いたら、戻っておいで。オレも悪かったよ」
プレシア「……」

ジノ「……いいお兄さんだな」
プレシア「はい……」

リューネ「やりすぎたのが、裏目に出たね、マサキ」
マサキ「……」
リューネ「なに落ち込んでるのよ。プレシアだってすぐ戻ってくるわよ」
マサキ「なあ……オレって鈍感なのかな?」
リューネ「……あたしにそう言うこと自体が、その証明だと思う」
マサキ「?」

ミオ「お帰りなさい、早かったね。で、プレシアは?」
マサキ「……しばらく頭を冷やすよ」
ミオ「?」
リューネ「プレシアは、バゴニア軍のジノ少佐って人の所に、世話になってるんだ。二人とも強情っぱりだからね、しばらくプレシアは、その人のとこに世話になるってさ」
テュッティ「そう……。まあ、いい判断ではあるわね」