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テューディの怨念

【シナリオデモ開始】
セニア「やった!? うまくいった!! これでアカデミーのデータに侵入できるわ! うふふ、わくわくするなあ、どんなデータが詰まってるんだろ」
テュッティ「セニア様、今はそれどころじゃないでしょう?」
セニア「あ、そっか。ごめん」
マサキ「で、どうなんだよ、なんかわかったのか?」
セニア「せかさないでよ、今見てるから。え〜と、ディレクトリはここでいいはずよね。開発項目……シークレット……。これね。開発コード、ナンバー17……。わあ、まだ念入りに隠してある。しかも、ダミーデータまで混ぜて。でもここまできたら、後はラクチンよね。これと、これで……さて、なにが出てくるか……」

マサキ「お、出てきた……!? こりゃあ、魔装機じゃねえか……」
セニア「やっぱり……。コードネームは『イスマイル』だって。神話に出てくる、復讐の女神の名前よ」
マサキ「ウェンディは、これに関わってるのか? しかし、あのウェンディがこんな物、造るとは思えねえ……」
テュッティ「脅されてるのかもしれないわ」
マサキ「……いや、たとえ脅されても、ウゥンディはやらない。そういうところはしっかりしてるぜ」
セニア「あれ? 開発責任者の名前……ウェンディじゃないわよ。テューディ=ラスム=イクナートだって。ウェンディの姉妹かしら?」
マサキ「そんな話、聞いたことねけどなあ」
テュッティ「とにかく、ウェンディさんが関わってるわけじゃないのね? じゃあ、なぜ帰ってこないのかしら……」
マサキ「……やっぱりオレ、アカデミーに忍び込んでみらあ。どうしても気になる」
テュッティ「そうね……。仕方ないわね。ほかにいい方法もないし、あれから随分経ってるもの。心配だわ」
マサキ「じゃ、ちょっくら行ってくらあ!」
テュッティ「あ、マサキ、待って! 一人で行くつもり?」
マサキ「なんだよ、そのほうが身軽でいいだろ」
テュッティ「もう、そんなことしたら、どこに行っちゃうか、わかったもんじゃないわ。誰かと一緒に行きなさい」
マサキ「……ちぇっ、わかったよ」

マサキ「……で、なんでミオ、おまえが一緒なんだよ?」
ミオ「だって、リューネさんが具合が悪くって行けないっていうんだから、仕方ないでしょ」
マサキ「けど、よりによって、一番頼りないのとはなあ……」
ミオ「なに言ってるのよ。すべてこのミオ様に任せておけば安心安心」
ジュン「師匠、着きましたで」
ミオ「おお、左様か。ご苦労であった」
マサキ「……ついていけねえな」
…………
マサキ「さて、侵入の段取りだが……」
ミオ「えっ!? なになに!? まだ侵入してないのに見つかっちゃったの!?」
マサキ「いや、オレたちが見つかったんじゃねえ!! 見ろ!!」
ミオ「なにあれ!? 魔装機……」
マサキ「イスマイル……。完成していたのか……」

ミオ「きゃあっ!!」
マサキ「アカデミーを攻撃してやがる!? どういうことだ!?」
ミオ「敵……なの!?」
マサキ「ああ、味方じゃねえ……。みんなに連絡を取れ! このままじゃ、アカデミーがブッつぶされる!」
ミオ「了解!!」

マサキ「てめえ……なにもんだ!?」
テューディ「サイバスター……マサキか」
マサキ「お、おまえは!?」
ミオ「知ってるの?」
マサキ「ウェンディ……」
テューディ「ふ……わたしはウェンディではない。テューディ=ラスム=イクナートだ」
マサキ「どういうことだ!?」
テューディ「わたしは、生まれることのできなかった、ウェンディの双子の姉……」
マサキ「ウェンディはどうした!?」
テューディ「ウェンディか……。あいつはもう、この世には存在しない。かつてのわたしがそうであったように、わたしの中に埋もれている。今まで、あいつは日の当たる場所を歩き続けてきた……。だが、もうそれも終わりだ。今からは、このわたしが、この身体を使わせてもらう!!」
ミオ「えっ!? じゃ、あの身体は……ウェンディさんなの!?」
テューディ「さて、マサキ……。おまえだけはわたしの元に来るのなら、許してやってもいいぞ」
マサキ「誰が……誰が貴様などにっ!! ウェンディを返せっ!!」
テューディ「くっ!? 貴様もか……。みんな……みんなウェンディのことばかりっ!! 死ねっ!! 貴様らも死ぬのだっ!!」

マサキ「なにっ!?」
ミオ「デモンゴーレムを召喚したの!?」

マサキ「ウェンディを返せっ!!」
テューディ「ムダだ……。もう、ウェンディはいない……。さみしいなら、貴様も後を追わせてやる!!」

テュッティ「マサキ、ミオ!! 大丈夫……えっ!? あれは……イスマイル!?」
テューディ「ザコが増えたか……」

テューディ「むっ……さ、さすがは魔装機神……。だが、このままでは……うっ!? な、なんだ!? くっ!? な、なぜだ!? おまえの意識は、わたしが飲み込んだはず……。な、なぜ出てくる!? ううっ!?」
ウェンディ「姉さん……もうやめて……。憎むのならわたしを……。この世界を憎むなんて、間違ってるわ……」
テューディ「くうっ!? は……はあ……はあ……。ま、まだ意識が残っているのか……くっ!? このままでは……。ここは一旦退かねばならんということか……」

テュッティ「……ウェンディさんが、そんなことになってたなんて……」
ミオ「もう、どうしようもないのかなあ……。かわいそう、ウェンディさん……」
マサキ「くそっ!!」
ヤンロン「テューディには逃げられたが……。また来るな」
テュッティ「あんな物を造るなんて……。ラングラン政府とアカデミーにも抗議しておかないと……。とにかく、王都に戻りましょう。いつまでもこうしていても、始まらないわ」
マサキ「ああ……」