No.02A
目的地、火星!
サブタイトル
「目的地、火星!」
【シナリオデモ1開始】
光子力研究所/コントロールセンター
ローリィ「弓教授。連合軍から通信が入っています。どうされますか」
弓「例の件だろう。彼らは我々の制止を振り切り『逃げた』と伝えてやりたまえ」
鉄也「しかし教授、本当によかったんですか。紫雲って奴はともかく、あの3人・・・俺たちに言っていないことがまだいくつもあるのは間違いない」
弓「私も多少の人を見る目はあるつもりだ。少なくとも悪意からのことではないと思っている」
鉄也「しかし・・・」
弓「実は気になることがあってね。少々特殊なルートで軍の記録を確認してもらったのだが、極秘扱いになっている興味深いデータがあった」
ジュン「どういうことですか、教授」
弓「月面で未確認機に対し、連合軍機が緊急出撃したという記録があったのだ」
ロール「教授はそれが、あの子たちと関係があるとお考えなのですね」
弓「未確認機同士の交戦も確認されたようだ。彼女たちの言っていたことと符合するとは思わないかね」
鉄也「あの3人を逃したという者と、追っ手との交戦、というわけですか」
弓「うむ。しかし問題はそこではない。連合軍のメビウスは未確認機に接近した所で原因不明の機体トラブルで行動不能におちいり、そのまま撃墜されてしまったそうだよ。それも発進した全機が」
鉄也「全機に機体トラブルですって? そんなバカな。どれだけ整備兵がなまけていたとしても、そんなことは」
弓「そう、普通ならあり得ないことだ。軍でも調査したようだが、原因は解明されていない。もしそれが人為的なものだとしたら・・・」
鉄也「まさか、その未確認機が?」
弓「それはわからない。だがもしそうだとしたら、それが何者がつくった兵器であっても、恐ろしいことになる気がするのだ。それにその何者かは連合軍を敵とみなしているのも明らかだ。彼女たちが何らかの理由でそれらと敵対する立場にある者なら、疑いの目を向けて我々にとっても敵となるようなことにはしたくない。そう考えたのだよ」
鉄也「わかりました。連合軍の手の届かない所で、様子をみるというわけですね。兜やさやかさんが連中と一緒に火星の人々を助けに行くと言い出したのを止めなかったのも、そういう事情があったからですか」
弓「すまないね、しばらくは君たちだけでやってもらうことになってしまうが」
鉄也「兜の分くらいは、俺とグレートでカバーしてみせますよ」
ローリィ「弓教授、先ほどの地震でまたオーガニック・プレートが出たそうです。リクレイマーのアンチボディが出ているらしく、こちらにも警戒に当たるようにとの通達がきています」
弓「そうか。鉄也くん」
鉄也「わかりました、待機します。しかし連中はプレート回収を強行するだけで、明確な敵対行動をとったことはない。何が目的かは知らないが、あまり心配することはないでしょう」
〔カーソル、山岳部へ移動〕
山岳部
カナン「プレートはあれね」
勇「これもビー・プレートじゃないな」
カナン「どちらにしてもプレートはすべて回収、でしょう?」
勇「真面目だな。そんなに認められたいのか?」
カナン「あたしはこのアンチボディ、グランチャーのパイロットになれてよかったと思っているわ。それに、リクレイマーのリーダーがご両親のユウとは立場が違うでしょう」
勇「そんなの・・・」
〔振動音〕
〔画面、振動〕
勇「また地震か」
カナン「ユウ、新しいプレートの反応が出たわ。クインシィ・イッサーに照会しなくては」
勇「『プレートはすべて回収せよ!』だろ? 急ごう。連合軍の戦闘部隊や木星トカゲと遭遇したら面倒だ」
【シナリオデモ1終了】
【戦闘マップ1開始】
〔マップ上に爆発〕
〔画面、振動〕
比瑪「きゃああぁぁーっ!!」
アカリ「比瑪姉ちゃん!!」
比瑪「な、何なの一体。プレートが・・・」
ユキオ「比瑪姉ちゃん、これテレビで言ってたリバイバルってやつなの?」
比瑪「プレートからアンチボディが生まれる・・・?」
〔プレート、リバイバル〕
〔味方ユニット出現〕
ユキオ「グランチャーって奴が出てきたのか!?」
比瑪「・・・そういうのと違うみたい」
アカリ「比瑪姉ちゃん、危ないよ!」
クマゾー「危ないも!」
比瑪「大丈夫、悪い感じはしないわ。この子、やさしい目をしてるよ。生まれたばかりで、誰かに面倒を見てもらいたがってるのよ。ね?」
ブレン「・・・・・・」
〔アンチボディの声〕
比瑪「ここに入ればいいの?」
〔カーソル、ヒメ・ブレンへ移動〕
比瑪「どうしたらいいって? あなたはどうしたいの? 生まれたからには、何かやりたいんでしょ? 立てば? 立ってから考えましょう」
ブレン「・・・・・・」
〔アンチボディの声〕
比瑪「え・・・何!? 何があったの、きみ!」
〔アンチボディ転移〕
〔敵ユニット出現〕
勇「このあたりか。出現場所からかなり移動したな」
カナン「ユウ、見て!」
勇「そんな・・・こんなに早くプレートがリバイバルしている!? カナン、グランチャーじゃないぞ!」
カナン「プレンパワード・・・アジャストした人がいるんだわ」
〔比瑪、後退〕
比瑪「別のアンチボディ? どうしたのきみ、落ち着いて。あれきみの仲間なの?」
勇「動かしている!? ブレンパワードにリバイバルしたら破壊するのが規則だ! カナン!」
〔比瑪、後退〕
勇「そこのお前! 素人がそんなものに乗るな!」
カナン「すぐに降りなさい! 危険です!」
比瑪「どうして!? そのグランチャーっていうのだって、これとおなじアンチボディっていうやつなんでしょ!?」
勇「ブレンパワードは使っちゃいけないんだ! 降りないのなら、撃破する!」
カナン「待ちなさいユウ!」
〔勇、比瑪へ隣接〕
〔勇、姫へ攻撃〕
[イベント戦闘「比瑪vs勇」]
カナン「あのブレンパワード、力がある!?」
比瑪「すごいよ、きみ!」
勇「貴様っ!」
比瑪「貴様じゃない! あたしは宇都宮比瑪よ! この子はただ立ちたかっただけなのよ。飛びたかっただけなのよ! それなのにいきなり現れて攻撃してくるなんて、あなた達こそ何なの!?」
勇「グランチャーでオルファンの意思を表すものだ!」
比瑪「なによカッコつけて。オルファンなんて海の底で世界中に地震を起こしてる遺跡でしょ!」
勇「そんなのがオルファンのやろうとしていることじゃない!」
比瑪「なによ偉そうに! 世界中でプレート集めてるっていうけど、何でかわからないってニュースでやってたわ! あんたみたいのがとりつかれてやってるんだ。何でさ!?」
勇「ッ!」
カナン「ユウ、戻りましょう。タイムリミットよ。連合軍の部隊が接近中。戦闘になれば木星トカゲも集まってくるわ」
勇「くっ・・・」
〔アンチボディ転移〕
〔敵ユニット離脱〕
比瑪「消えた・・・? あたしと同じくらいの歳なのに、グランチャーであんなことして。あの子、誰・・・?」
【戦闘マップ1終了】
【シナリオデモ2開始】
地球連合軍パナマ基地/一室
コルベット「この非常時に民間用戦艦とは。ネルガルめ、ふざけるにもほどがある。月面での戦闘で見せたあの戦闘能力、むざむざと無駄にできん。そうでしょう、ミスマル提督。確かあのナデシコとやらの艦長は、提督の娘さんでしたな」
コウイチロウ「コルベット准将、なにがいいたいのかね」
コルベット「あれは我が連合軍の戦力とすべきだ。木星トカゲとの戦いにも、プラントへの恫喝にも、使いでがある。それが統合作戦本部の決定ですよ。提督にはすぐにでも、ナデシコ拿捕のための命令が下されるはず。期待しておりますぞ」
コウイチロウ「・・・・・・」
月面都市/ネルガル重工ドック
フェステニア「へぇ、ここにそのナデシコって戦艦があるんだ」
統夜「・・・まったく、なんだって俺が・・・」
甲児「なんだよ、まだそんなこと言ってるのか。オレたちだってつきあってやるんだ、もういいかげんあきらめろって」
統夜「けどさ・・・」
さやか「甲児くんの言う通りよ。ここまで来て今さらなに言ってるのよ」
統夜「あんたたちはいいよ。火星の人たちを助けるってさ、会ったこともない連中のことを心配する余裕があるんだ。けど、俺は・・・」
フェステニア「統夜・・・」
カティア「ごめんなさい。でも、私たちはあなたが来てくれたこと、とても感謝しているわ。あなたがいてくれて本当によかったって。それに、あなたなら大丈夫よ」
メルア「はい」
統夜「・・・・・・」
甲児「あれ、どこかで見た顔だと思ったら、あそこにいるのは南原コネクションの連中じゃないか」
さやか「本当だわ。そういえばお父さまが、ネルガルはあちこちに協力を要請しているって言ってたわね」
カティア「お知り合い?」
甲児「まぁ、知り合いといえば知り合いかな」
ちずる「あら・・・さやかさん? 甲児くんもいるのね」
甲児「やあちずるさん、相変わらず綺麗だなぁ」
ちずる「そんなこと言ってると、さやかさんが怒るわよ」
ロペット「オヒサシブリデス、コウジサン、サヤカサン」
豹馬「なんだ、お前たちも行くのか? 弓教授もネルガルの資金提供に釣られた口かよ」
さやか「違うわよ。お父さまは断るつもりだったもの。あたしと甲児くんが行くって言ったの。火星の人たちは気になるし、それに付き添いみたいなものよ。あの子たちの」
カティア「よろしく」
統夜「・・・・・・」
十三「みかけん顔の上に無愛想やな。軍の奴のわけあらへんし、またどこぞの研究所で何ぞつくりよったんか」
統夜「いや、俺は・・・」
豹馬「ま、これから一緒なんだ。よろしく頼むぜ。俺たちは先に来て一度戦闘に参加したんだが、ナデシコって戦艦はすごいぜ。木星トカゲをまとめて吹っとばしちまった」
小介「はい。あのディストーションフィールドというのも・・・」
ガイ「うおぉっ! こいつはあの有名な“鉄の城”マジンガーZ! くぅ、まさかこんな所でお目にかかれるとは、感動だぁ!」
甲児「な、なんだ!?」
豹馬「またあいつか。ナデシコのパイロットなんだけどさ、コン・バトラーやマジンガーのことをよく知ってるみたいで、なんだかえらく喜んでるんだよな」
十三「ヤマダはん、もうちょい静かにしてぇな。やかましゅうてかなわんで」
ガイ「ダイゴウジ・ガイ!」
ちずる「ヤマダ・ジロウさんでしょう?」
ガイ「だから、それは仮の名前だと言っただろう! ダイゴウジ・ガイは魂の名前、真実の名前なのだ!」
フェステニア「・・・なんか面白い人だね」
ガイ「ところであのマジンガーと一緒に運ばれていった格好いいロボットは一体なんだ?」
甲児「ああ、あれはこいつらので、△△△△△△ってやつだ」
ガイ「そうか、お前も正義を愛する我々の仲間というわけか。自由と正義の旗のもと続々と集う仲間たち! くぅっ、燃えてきたぁっ! レッツゲキガイン! で、あのロボットは・・・」
統夜「うるさいんだよあんたは! 俺に聞かれたってわかるもんか! そんなことは俺じゃなくてこいつらに聞けよッ!」
フェステニア「あっ、統夜待ってよ!」
甲児「やれやれ」
ガイ「いきなりなんだぁ? あいつなんで怒ってるんだ。変な奴」
カティア「ごめんなさい、少し事情があるの。でも、あなたもかなり変よ」
ノアル「ったくずいぶんとにぎやかだな。おいアキ、ここはネルガルのドックじゃなくてハイスクールらしい」
アキ「ちょっとノアル。あなたたち、ちょっといい? あたしたち今日からナデシコに乗艦する予定なんだけど、艦長さんはどこかしら?」
ナデシコ/プリッジ
プロスペクター「というわけで、以上が当ナデシコの主だったクルーです。南原コネクションのみなさん、光子力研究所のみなさん、外宇宙開発機構のみなさんは、ナデシコに乗艦の間、ネルガルの契約社員に準じた扱いとなります。規約については目を通していただいていると思いますが・・・」
ノアル「やれやれ、嫌な予感が的中しやがった。プロスペクターさん、ネルガルってのはいったい何を考えてる。マジンガーやコン・バトラーの連中はいいが、ナデシコのクルーは素人ばかりじゃないか。しかもパイロットは1名コック兼任だ。これで本当に木星トカゲとやりあうつもりなのか」
ミナト「あらぁ。でもあたしたち、もう実戦も経験済みなのよ。大丈夫よねえ、ルリちゃん?」
ルリ「ええ。たぶんだけど」
メグミ「そうですよ」
フクベ「・・・・・・」
プロスペクター「その通り。すべて優秀なスタッフです。連合軍にも引けは取りません。それに艦長は連合大学の総合戦略シミュレーションで無敗を誇った逸材です。先の戦闘でも・・・」
アキ「あの、さっきから気になっていたんですが、その艦長さんは・・・?」
甲児「そうそう。オレたちもまだ会ってないぜ」
プロスペクター「はあ、それがその・・・」
〔扉の開閉音〕
ユリカ「すみませ~ん、遅れちゃいましたぁっ!」
ジュン「ユリカ、遅いよ」
ノアル「ヒューッ。艦長の美人秘書さんかい。うらやましい。で艦長さんは?」
[イベントデモ「ミスマル・ユリカ登場」]
ユリカ「はい、私が艦長のミスマル・ユリカで~す! ぶいっ!」(これでみんなのハートをガッチりキャッチ!)
甲児「・・・は?」
ルリ「・・・バカ」
さやか「さ、さすがにこれは、予想外だったわね」
ノアル「・・・おい、こいつはいったいなんの冗談だ?」
ユリカ「へ? 冗談? 何がですかぁ?」
プロスペクター「彼女は間違いなくこの艦の艦長ですよ」
ノアル「・・・・・・」
アキ「なんだか大変な所へ来てしまったみたいね・・・」
ナデシコ/プリッジ
プロスペクター「まあそれはともかく。ホシノさん、艦内放送をオンにしてください」
ルリ「どうぞ」
プロスペクター「え~みなさん。今まで軍の追求をかわすため、一部の方以外にはナデシコの目的を明かしていませんでした。ネルガルが独自に戦艦を建造・運用するのには、理由があります。以後当艦は、スキャハパレリ・プロジェクトの一環をにない、軍とは別行動をとります。目的地は、火星です」
フクベ「・・・・・・」
ミナト「火星ですって? またすごいこと考えるものねぇ」
ジュン「ユリカ、知ってたのかい!?」
ユリカ「もっちろん。ユリカは艦長さんだよ。えっへん」
アキト(火星に・・・火星にまた行ける・・・?)
ジュン「では、ネルガルは現在地球が抱えている問題は無視するというのですか!?」
プロスペクター「多くの人々が火星へ殖民していたというのに、連合軍は彼らを見捨てて地球圏のみの防衛を選択しました。プラントも、反連合の国々も、オーブさえも火星については沈黙したままです。いったい火星に残された人々はどうなったのか・・・」
ルリ「どうせ全滅でしょ」
プロスペクター「わかりません。ですが確かめる意味はあります」
アキト「そうだよ、きっとまだみんな生きているんだ! 全滅なんて、そんなことないよ!」
ルリ「ごめんなさい、テンカワさんは火星出身でしたね」
メグミ「じゃ、もしかしてみなさんそのために?」
豹馬「ま、そういうこった。俺たちのコン・バトラーは、もともと異星からの侵略に対抗するためにつくられたわけだしな」
甲児「ああ、火星の人たちを見捨てておけないぜ」
統夜「・・・・・・」
アキ「火星にはあの時、外宇宙開発機構が主催した火星体験教室“コズミックカルチャー・クラブ”の3期生たちもいたのよ。あたしたちには彼らの生死を確認し、ご家族に報告する義務があるの」
ノアル「まだガキどもが生きているなら、助けて連れ帰る責任もな。だからネルガルからこの話がきたとき、うちのチーフは参加を決めたのさ。それで派遣されたのが俺たちってわけだ。・・・まさかこんな艦とは思わなかったが」
ガイ「火星の人々を救うため、単身過酷な戦いにおもむく仲間たち! くぅっ、これが熱血だぁ! 正義の熱い魂がほとばしるぜ!」
ルリ「・・・バカ」
プロスペクター「まぁ、そんなわけでしてね。ナデシコは本日、月を発進し、そのまま火星へと向かいます。みなさん頼みますよ」
フクベ「では艦長、発艦の準備に取りかかってもらいたい」
ナデシコ/ブリッジ
ユリカ「さぁ、いよいよ火星へ向けて出発です。みなさ~ん、準備はいいですか~」
ルリ「艦長」
ユリカ「木星トカゲさんたちをやっつけて、一気に火星までいっちゃいましょう!」
ルリ「艦長艦長」
ユリカ「はい?」
ルリ「ネルガルのドックは連合艦隊に包囲されてます。進路確保できません」
ユリカ「へ? なんで?」
メグミ「艦長、連合艦から通信です。スクリーンに出します」
〔モニターの開閉音〕
コウイチロウ「こちらは連合宇宙軍第3艦隊提督、ミスマルである。おおユリカ、元気だったかい」
ユリカ「お父さま、これはどういうことですか」
コウイチロウ「ああいやなに、ナデシコは連合軍の管理下におくことが決まってな。これも任務なのだ。許しておくれ。パパもつらいんだよ」
プロスペクター「こまりましたなぁ。軍との折衝はすんでいるはずですが。ナデシコはネルガルが私的に使用すると」
コウイチロウ「我々連合軍は確実に木星トカゲと戦える兵器、プラントの独断的な行動を抑制できる兵器を必要としているのだ。ナデシコは即刻明け渡してもらいたい。抵抗は無用に願う。・・・というわけなんだよユリカ。大人しくパパのいうことを聞いておくれ」
ジュン「ユリカ・・・提督が正しいよ。地球圏の状況を無視して、これだけの戦艦をむざむざ火星になんて」
フクベ「いや、我々は軍人ではない。従う必要はない」
コウイチロウ「フクベさん・・・。これ以上、生き恥をさらすおつもりですか」
フクベ「・・・・・・」
ナデシコ/食堂
ノアル「だとさ」
カティア「どうも雲行きが怪しいわね」
フェステニア「この艦が捕まっちゃったら、アタシたちもまずいよね・・・」
統夜「結局、こうなるんじゃないか」
甲児「まいったぜ。まさかこんな展開になるとはなぁ」
さやか「あの艦長さん、どうするつもりかしら」
豹馬「さぁなぁ。あんまりあてになりそうにないぜ」
ちずる「連合艦隊の司令官は実のお父さまということだものね」
十三「なんやつまらんことになりよったなぁ」
ナデシコ/ブリッジ
コウイチロウ「さ、ユリカ。おとなしく艦を渡しておくれ」
ユリカ「ミナトさん、エンジン出力あげてください。ルリちゃん、ナデシコ発進します。発進と同時にディストーションフィールド展開」
コウイチロウ「ユ、ユリカ・・・?」
ユリカ「ちょっとくらいぶつけちゃっても構いません。連合艦隊を強行突破します!」
ミナト「あら、艦長ってば過激ねぇ。エンジン、いいわよ」
ルリ「ナデシコ、発進。連合艦隊を強行突破」
メグミ「あれ、ルリちゃんいま笑った?」
ルリ「別に」
コウイチロウ「ユリカ、待ちなさい! ユリカ!」
ユリカ「艦長たるもの、いかなる時も艦を見捨てたりしません。そう教えてくださったのは、お父さまです」
ルリ「ドック出ます。ディストーションフィールド展開」
ユリカ「総員対ショック体制! 全速前進、いっちゃってください!」
ナデシコ/食堂
アキ「きゃっ。いきなり連合軍に敵対するなんて」
ノアル「まったく無茶もいいとこだぜ。いったい何考えてるんだ、あの艦長」
ガイ「フッ、熱いぜ」
小介「ミスマル提督の艦隊は振り切れても、月軌道の防衛艦隊に補足されるのは間違いありませんよ」
豹馬「そうなったら俺たちの出番だな」
さやか「でも、連合軍と交戦しちゃって、本当にいいのかしら」
アキト「・・・俺は火星を助けたい。軍が地球のことしか考えないって言うなら、なおさら俺は・・・」
ガイ「よくいったコック! うおぉぉっ、正義の血が燃えるぜ!」
〔カーソル、月方面へ移動〕
ナデシコ/ブリッジ
〔レーダー反応〕
ルリ「包囲突破しましたけど、別の艦隊が接近中。まもなく接触します」
フクベ「交戦しないわけにはいかんようだな」
プロスペクター「道理にあわない要求をしてきたのは向こうです。いたしかたありますまい」
ユリカ「総員、戦闘配置。パイロットのみなさん、出撃用意してください」
【シナリオデモ2終了】
【戦闘マップ2開始】
〔味方戦艦出現〕
ルリ「接近中の連合艦隊から機動兵器の離艦確認。きます」
〔レーダー反応〕
〔敵ユニット出現〕
メグミ「通信入ります」
〔モニターの反応音〕
コルベット「戦艦ナデシコに告ぐ。こちらはコルベット准将だ。我々地球連合軍はできるだけ紳士的にことを収めようとした。だがそうもいかんようだな。ネルガルがどうあってもナデシコの提供を拒むというのなら、こちらにも考えがある。わしの合図1つで攻撃が開始される。これが最後通告だ。艦を停止し、ナデシコを引き渡せ」
ユリカ「私たちは火星の人たちを助けに行くんです。通してくれるとユリカ感激!」
コルベット「火星だと? ふざけるな! そんなことは認められん!」
ユリカ「じゃあ、無理やり通ります」
コルベット「おのれ、これではっきりしたな。ナデシコは敵だ! 全機、攻撃を開始せよ! 我々のものにならぬなら撃沈してもかまわん!」
メグミ「そんなの横暴です!」
ユリカ「ではお手柔らかに。みなさん、発進してください!」
ガイ「よっしゃあ、いくぜぇっ!」
ウリバタケ「エステバリスはナデシコから離れると重力波ビームが届かなくなって動かなくなるぞ。おい、聞いてるのか」
ガイ「さあ博士、研究所のバリアを開けてくれ! コック・・・いやテンカワ、俺に続けっ!」
十三「博士て誰や」
さやか「なんだか光子力研究所にいるみたいだわ」
統夜「冗談じゃないよ。なんで俺まで」
甲児「そんなこと言ったって、向こうは本気で攻撃してくるんだぜ? やってもやらなくても、結果は一緒だろ」
フェステニア「そうだよ。カティア、どう?」
カティア「エクストラクター起動終了。サイトロン活性化確認。△△△△△△発進準備終了。統夜、早く乗って。今回は私が一緒に出るわ」
ウリバタケ「おい何やってんだ。さっさと出ろーっ!」
統夜「・・・くそっ」
ロペット「コンバインオッケー。コンバインオッケー」
〈出撃選択〉
ガイ「束になってかかってこい! ヒーローの戦いぶり、たっぷりと見せてやるぜ!」
アキト「俺は、火星に行くんだ!」
ユリカ「アキト・・・アキト、また私を守るために命をかけてくれるのね! ユリカうれしい!」
アキト「ちがぁうっ!」
豹馬「十三、ちずる、大作、小介、いくぞ!」
ノアル「やれやれ、こいつは洒落にならんぜ。アキ、接近しすぎるなよ」
アキ「ラーサ」
カティア「統夜、地上とは違うわ。周囲のどこからでも攻撃がくる。それだけ注意して。後は私がフォローします。一度実戦をしたのだから、基本的な操作はもうわかっているわよね」
統夜「・・・そんなの、わかるものかよ。それでもやれって言うんだろ!?」
カティア「統夜・・・」
統夜「いいさ、やってやるよ。だけど、どうなったって知らないからな!」
カティア「サイトロンが教えてくれる。あなたなら大丈夫よ。私を信じて。私と、△△△△△△を」
統夜「・・・・・・」
プロスペクター「ほほう、あれが弓教授が言っていた例の機体ですか」
<戦闘開始>
<敵3機以下>
ルリ「艦長、活動休止状態にあったチューリップに活性化反応。接近してます。迎撃に向かった連合艦クロッカス消失。木星トカゲの機動兵器も出現してる。まもなく接触」
ユリカ「まとめてやっちゃいましょう。メグミちゃん、パイロットのみなさんに教えてあげてください」
<敵全滅・味方援軍1&敵増援1出現>
ルリ「連合軍機沈黙。増援はないです」
ユリカ「さぁ、後は木星トカゲさんたちを片付けて、火星へ向かいましょうみなさん!」
ルリ「敵機動兵器、くる」
〔敵ユニット出現〕
〔モニターの開閉音〕
ルリ「友軍機の信号確認。ネルガルの機体みたいです。数3」
プロスペクター「間に合ってくれましたか」
〔味方ユニット出現〕
ヒカル「やっほー」
リョーコ「ったくよ、いきなり盛大にやってやがるじゃねーか。おい、お前ら聞こえるか。手伝いにきたぜ!」
※※まだ甲児&豹馬健在の場合、セリフ追加※※
甲児「なんだ?」
小介「あれは、エステバリスですね。きっと味方の援軍ですよ!」
イズミ「そう、私たちは猿の軍団。・・・えんぐん。クククククッ、アーッハハハハッ」
ユリカ「はぁ・・・そうですか」
豹馬「なんなんだいったい」
リョーコ「おいイズミ、くだらねぇこと言ってんじゃねぇ!」
ヒカル「そうよ、あたし猿じゃないもん。プンプン!」
リョーコ「・・・ええいもうなんでもいい! いくぜ!」
ルリ「・・・またバカばっか?」
<敵全滅・勝利条件達成>
ルリ「敵残存兵器なし。連合軍に追撃の様子もありません」
フクベ「よくやった、艦長」
ユリカ「みなさんを回収します。回収後そのまま進路を火星へ向けてください。地球圏を離脱します」
※※まだ統夜健在の場合、セリフ追加※※
統夜「はぁ、はぁ、はぁ・・・」
カティア「おつかれさま。大丈夫、もう終わったわ」
統夜「終わった・・・? そうか・・・」
甲児「やっぱりできるじゃないか。こんだけやれりゃ上等だぜ」
統夜「そ、そうかな・・・」
カティア「ええ、そうよ」
統夜「・・・・・・」
【戦闘マップ終了】
【シナリオエンドデモ開始】
〔カーソル、地球圏〕
ナデシコ/格納庫
リョーコ「かーっ、たまんねぇぜまったくよ。急がせやがって、ろくな準備もできなかったじゃねぇか。おい、まずフロ。それからメシな」
豹馬「おい、いきなりなんだよ。とりあえず自己紹介くらいするのが筋ってもんだろ」
リョーコ「人に聞くときはまずてめぇからだろ」
十三「そらそうやな」
豹馬「チッ。オレは葵豹馬、コン・バトラーVのメインパイロットだ」
リョーコ「ふーん、あのでかぶつか。ガキばっかだな。あたしはスバル・リョーコ、見たとおりネルガルに雇われたエステバリスのパイロットだ。で、フロどこ?」
ヒカル「はいはーい、わたしパイロットのアマノ・ヒカル。蛇使い座の18歳! 好きなものはピザの端の固いところと、ちょっとしけったおせんべいでーす。よろしくお願いしまーす」
イズミ「ウフフ、アハハハハ、あ~空気がおいしい」
リョーコ「あ~こいつはマキ・イズミ。見たとおりの変な奴。しかしお前らホントに全員パイロットか? しけた顔した奴も混ざってるしよ」
アキト「俺は、ホントはコックなんだ」
リョーコ「やっぱり。顔がパイロットじゃねえよ。そっちの奴は」
統夜「俺・・・俺は、乗りたくて乗ってるわけじゃ、ないから」
リョーコ「なんだぁ? ならやめちまいな。そんな奴に命あずけんのはごめんだぜ」
統夜「くっ、俺だって好きでこんな所にいるんじゃないんだよ!」
イズミ「キレのある冗談。逆ギレ。ククククッ」
フェステニア「ちょっと! 統夜はアタシたちが頼んで来てもらったんだ! ヘンなこと言わないでよ!」
リョーコ「へぇ。ま、いいや。誰か、フロ案内してくれよ」
ナデシコ/格納庫
ノアル「あれが残りのパイロットか。まったくとんでもない面子だぜ。あのプロスペクターっておっさん、どういう連中を集めたんだ」
アキ「でも、みんな実力は確かのようね」
甲児「そりゃ火星まで行って帰ってこようってんだ。そうじゃなきゃ困るよな」
さやか「変な人で実力もないんじゃ、目も当てられないものね」
統夜「・・・・・・」
ガイ「おい、少年」
統夜「・・・なんです」
ガイ「いいか、いろいろ事情があるようだが、巻き込まれてロボットに乗るなんてのはな、王道なんだよ。なんだかんだ言いながらも、仲間たちと共に戦ううちに一人前のパイロットに成長していく。そういうもんさ。そう、『熱血ロボ! ゲキ・ガンガー3』のようにな」
統夜(・・・なんだよ、ゲキ・ガンガーって)
ガイ「ま、生きてりゃいいこともあるって。だが、見せ場で俺より目立つ死に方はするなよな。お前もだぞテンカワ」
メルア「あなたは、死ぬために生きてるんですか?」
ガイ「格好よけりゃなんでもいい! 正義をつらぬく男には、ふさわしい生きざまと死にざまってもんがあるのさ!」
ノアル「やれやれだな。おい、頼むから死ぬときは俺たちを巻き添えにせず一人でやってくれ」
ナデシコ/食堂
豹馬「ふぁ~あ。昨日の出発の時の騒ぎが嘘みたいに何もないな。甲児たちは?」
ちずる「さやかさんと二人で艦内を探検しにいったわ」
豹馬「ちぇっ、要はデートかよ」
小介「このナデシコは戦艦とはいえ民間用ですから、かなり居住性が高く設計されているみたいなんです。レクリエーションの施設も充実してますよ」
フェステニア「そういえばお風呂すっごい広かったね。アタシたちあんなお風呂はじめて」
ちずる「銭湯みたいだったわよね。気持ちよかったわ」
ウリバタケ「おう、少年少女諸君。だらけてるな。おーい、火星丼、大盛りで。ところであの不機嫌そうな面した奴はどうした」
フェステニア「それって、統夜のこと? 統夜なら部屋だと思うけど、どうかしたの?」
ウリバタケ「ちょっと整備のことでな。コン・バトラーやマジンガーについちゃ整備マニュアルがあるんだが、△△△△△△ってのはさっぱりわからん。だがどこで造られたものだろうがキッチリ安全整備できないなんざ、メカニックチーフとしての俺のプライドが許さねぇんだよ。んでちょっと話を聞こうと思ってな」
カティア「ごめんなさい。詳しいことは、統夜も私たちもわからないの。でもトラブルがあればすぐにわかるから、とりあえず基本的な点検整備だけやってもらえればそれで大丈夫のはずです」
ウリバタケ「なんだ、よほど高度なセルフチェック機能でもあるのか。そいつの使い方を教えてくれりゃこっちで・・・」
カティア「機体のコントロールと同じで、私たちにしか使えないから。ごめんなさい」
ウリバタケ「あ、いや、謝られても困っちまうんだが・・・。ん? あいつら何やってるんだ」
ガイ「テンカワも紫雲もさっさとこい」
アキト「俺コックの仕事があるんだけど」
統夜「なんなんです、一体。俺は考えごとを」
ガイ「いいか、俺がとっておきのビデオをみせてやる。幻の傑作ロボットアニメ、ゲキ・ガンガー3だ! こいつを見て熱血のなんたるかをだな・・・」
〔カーソル、火星圏へ移動〕
ナデシコ/ブリッジ
〔モニターの開閉音〕
メグミ「ネルガルの光通信を受信。ルリちゃん、デコードお願い」
ルリ「オモイカネ、デコードしてメインスクリーンにデータ表示」
ナデシコ/ブリッジ
フクベ「むぅ・・・ついに始まってしまったか」
メグミ「ウソ・・・」
ユリカ「そんな・・・これってどういうことなのぉ!?」
ルリ「どうって、見たまんまです。独立を望むプラントに対し、連合軍は農業プラント“ユニウス7”に対し核攻撃を実行。ユニウス7は崩壊し、民間人約24万人が犠牲に。プラント最高評議会は即時報復を決定。ザフト軍を展開し月と地球にニュートロンジャマーを投下。地上では深刻なエネルギー問題が発生。その後ザフトは月に侵攻。エンデュミオンクレーターのグリィマルディ戦線において、ザフト軍のモビルスーツ隊によって連合宇宙軍第4艦隊が壊滅。・・・つまりプラントと連合が全面戦争になったってことです」
ミナト「・・・まいったわね」
プロスペクター「どうりで力ずくでもナデシコを奪取しようとしたわけですな。開戦前に地球圏を出ることができたのは幸いでした」
ユリカ「幸いって、それだけですか」
プロスペクター「遅れていたら我々もザフト軍の攻撃を受けていたでしょうから」
ユリカ「でも・・・」
フクベ「艦長、我々が戻ったところで何もできんよ。それよりも、プラントと連合が開戦したとなれば、我々の役割はますます重要となる。恐らく地球圏では誰も火星のことなど考えている余裕はあるまい」
ユリカ「あ、そっか」
ルリ「でも気になります」
ユリカ「なにが?」
ルリ「これだけ大規模な戦闘が発生したのに、グリィマルディ戦線には木星トカゲの関与がみられません。いつもならすぐに集まってくるはずなのに」
ユリカ「うーん、巻き込まれたくなくて様子見してたとか? トカゲさんたちにはどっちも敵だから、数が減った方がいいに決まってるし」
ルリ「でもそれって、木星トカゲに高度な戦略的判断ができるってことですよね。そのことを前提にすると、敵が制宙権を確保しているはずの火星までは、様子見程度で本格的な攻撃はないと考えられますが、艦長はどう思います?」
ユリカ「むむ。ルリちゃんするどいね。子供なのに」
ルリ「私、少女です」
ユリカ「は?」
ミナト「でもぉ、たまたまかもしれないわよ?」
ルリ「ええ、その可能性もあります」
ユリカ「う~ん。あ、そうだ。ところでニュートロンジャマーってなに?」
ルリ「なんでもザフトの新兵器で、効果範囲内の核分裂を抑制し、電波障害を引き起こすものだそうです。詳しい原理は不明。もっぱら核兵器を無効化するものですが、兵糧攻めという意味もあるみたいです」
ユリカ「そっかぁ。じゃ、すくなくともお互い核ミサイルをどばどば~と撃ち合うことはないんだ」
プロスペクター「まあ、せめてもの救いですかな」
メグミ「あの、それでこの情報って、艦のネットワークに流しちゃっていいんですか?」
【シナリオエンドデモ終了】
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