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強敵イベント
革命の選択肢

[革命前夜]
【シナリオデモ開始】

サキ「またあの話ですか? 本当に好きなんですね」「いいえ。もちろん構いません」「…とあるところに心優しい男の子がおりました」「これはその心優しい男の子が選択を迫られるお話です…」

ハルト「んぐ、んぐ!」
ガロード「ハルト、そのままいっちまえー!」
ショーコ「はむ、はむ!」
アマタ「頑張れ、ショーコ!」
ラルク「………」
アイナ「あ、ラルクさん! ラルクさんも応援してあげてください! グラウンドをかけて大食い対決してるんです!」
ラルク「あ…いや…すまない…。私には構わないでくれ…」
〔歩き去る足音〕
アイナ「あ…」
キューマ「おい、そろそろ決着つくぞ!」
マリエ「はい…しゅーりょー…」
ショーコ「ぶいっ!」
ガロード「あーあ…しっかりしてくれよハルトォ…」
ハルト「そう言われても…俺は嫌だって言ったのに…」
ショーコ「仕方ないよ。ハルトは勝負ごとって全然センスないから」
ハルト「それはそうなんだけど…なんかショーコに言われたくないな…」
ショーコ「ええ!? ひどーい!」
ハーノイン「うひょ~、向こうにも可愛い子いっぱいだねぇ~」
イクスアイン「自重しろ。すぐにことを起こすんだからな」
五飛「イクスアインの言う通りだ。早々に移動するぞ」
アードライ「出迎えご苦労だった、ウーフェイ。容易く侵入できたのはお前のおかげだ」
五飛「大したことはしていない」
アードライ「では、早速例の場所だが…」
エルエルフ「………」
〔歩き去る足音〕
クーフィア「あれ、ウーフェイに場所聞かなくていいのー?」
エルエルフ「13m単位で並べられたスプリンクラーは、あの建造物手前だけ12.5m単位に変わっている」「窓から見える教室の座席数は40…生徒数は480名…しかし、建造物は一般的な積層後方で建てられている…」「加重の問題から余剰の施設人員が入る余地は無い。導き出される結論は…建造物の地下」
〔歩き去る足音〕
アードライ「さすがだな」
ハーノイン「はー、やだやだ。せっかくのウーフェイ君の見せ場をさらっちゃうなんて」
五飛「くだらん、どうでもいいことだ」
ハーノイン「相変わらず冷静だねぇ…」
アードライ「無駄話はそのへんにしろ。エルエルフが行ってしまう」
ショーコ「ハルトはさー、気持ちが足りないんだよ! さっきの対決、本気で勝とうって思ってなかったでしょ?」
ハルト「そんなこと無いけど…俺は勝ったり負けたり、そいうのが無い世界がいいな」「グラウンドだって、みんな半分こで使えばいいのに」
エルエルフ「お前はハムエッグの黄身も、愛した女も、ナイフで半分に切り分けるのか?」
ハルト「え、あ、あの…?」
エルエルフ「幸せは半分こになんて出来ない」
ショーコ「ちょっと、なに、あなた…」
エルエルフ「お前が戦いたくなくても、向こうが殴ってきたらどうする? ヘラヘラ笑って勝ちを譲るのか?」
ハルト「それは…」
エルエルフ「譲れないなら…戦うしかない…!」
ショーコ「ハルト、危ない!」
ハルト「…!」
〔打撃音〕
〔画面、フラッシュ〕

五飛「やめておけ、エルエルフ」
エルエルフ「ウーフェイ…」
五飛「半分こか…俺も奴の言っていることは好かん」「だが、お前はそう言う人間を、排除するだけか? 犠牲の上に成り立つものなど、まやかしにすぎんぞ」
エルエルフ「………」
五飛「それに、ハムエッグの黄身など、ちゃんと火を入れればナイフで切り分けられる。考えればわかることだろう」「行くぞ」
〔歩き去る足音〕
ショーコ「なんなの、さっきの人たち! ハルトは良いこと言ったのに! 間違ってないのにぃー!」「大体、ハムエッグの主役はハムだし! 黄身に全部火を入れちゃうなんて信じられない!」
ハルト「…うん。どっちも大事だ」「ありがとう、ショーコ。僕の代わりに怒ってくれて。大丈夫、おかげでスッとしたよ」
ショーコ「あ、いや、その…それは…」「と、友達だもん! ハルトが怒らないからだよ!」
ハルト「友達、か…」「…あのさ、ショーコ。僕、ずっと言いたかったことがあるんだけど…」
ショーコ「…え?」
ハルト「友達って響き…良いんだけど、嫌っていうか…あ、そうじゃなくて…その…」
ショーコ「え、え、え、!?」「ああー! 待って待って! ちょ、ちょっと待ってよ…!!」
ハルト「な、なに…?」
ショーコ「だ、だって…その…」「…ど、どうぞ…」
ハルト「う、うん…」「ショーコ、僕は…君のことが…」
〔爆発音〕
〔画面、震動〕

ハルト「え、な、なに!?」「あれは確か、メガノイドのメカ!? それにドルシア軍まで…! なんでモジュールの中に!?」
ショーコ「ハルト、学校が攻撃されちゃってる…! みんなが!」
〔走り去る足音〕
ハルト「ショーコ! ダメだそっちは!」
〔爆発音〕
〔画面、発光〕

ハルト(画面オフ)「ショーコォォォオオ!!」

アードライ「この震動は!?」
イクスアイン[まずい、メガノイドの奴らが先走ってモジュール内に突入したらしい」
アードライ「チィッ。ブラッドマン派の奴らが何かしたのか…!?」
クーフィア「でも、さっさとあれを持ち帰っちゃえば別にどうでも良くない?」
ゼクス「残念だが、君たちにそれを渡すわけにはいかないのでね」
クーフィア「…! 敵が居たぁー!」
ゼクス「フッ…戦うだけに専心とは、青いな」
〔指パッチン〕
〔画面、震動〕

アードライ「な、機体が地上へ!?」

サキ「あなた何してるの!? 早く逃げなさい! 行くわよ!」
ハルト「ショーコ…ショーコが…!」
サキ「さっきの爆発に巻き込まれたんでしょ!? 助からないわよ! 諦めなさい!」
ハルト「嘘だ…。嘘だぁあああああああああああ!!」
〔爆発音〕
〔画面、震動〕

ハルト「…!」
サキ「な、なに…これ…ロボット…?」
ハルト「これなら…!」
サキ「ちょ、ちょっとまさか乗る気!?」
ハルト「許さない…! 許さない許さない許さない!」
【シナリオデモ終了】

【戦闘マップ開始】

ハルト「動け! お前ロボットなんだろ!? 動けよ!」
〔通信の開く音〕
ハルト(モニタに文字…? 『ニンゲンヤメマスカ?』…?)「…わかったよ…やめるよ! やめるから!!」「これだけは譲れないんだ! だから!!」

シャギア「やれやれ…。まだこちらの準備も整ってないというのに、メガノイドのエゴにも困ったものだ」
トロワ「このままいくのか?」
シャギア「手を打っておかねば今後に支障が出る。それに、あちらは待つ気がなさそうだ」

シャギア「なるほど…。敵の戦力はおおむね把握できた」
オルバ「兄さん、モジュール内の制圧は終わったようだよ」
シャギア「よし…。誰にも顔は見られてないな?」
オルバ「フフ…もちろんだよ」
トロワ「ならば、俺たちがここにとどまる理由もないな」
シャギア「ああ、退くとしよう」
【戦闘マップ終了】

【シナリオエンドデモ開始】

ハルト「倒せたのか…? 僕が倒せたのか…?」「でもショーコが…う…うぅ…ううう…」
エルエルフ「………」
ハルト「お、お前は…」
エルエルフ「………」
ハルト「…笑えばいいだろ? 君の言う通り、勝ち負けの無い世界なんて幻想だった…」「誰なんだ君は…!」
エルエルフ「ドルシア軍特務大尉…エルエルフ…」
ハルト「え?」
〔斬撃音〕
ハルト「!?」
〔水の噴出音〕
〔画面、赤にフラッシュ〕

ハルト「うっ…ああああ…」
〔人の倒れる音〕
エルエルフ「………」
〔銃声〕
〔画面、フラッシュ〕
〔銃声〕
〔画面、フラッシュ〕

????(ハルト)「………」
エルエルフ「………」「俺は…また勝ったよ…リーゼロッテ…」
????(ハルト)「………」
エルエルフ「!?」
ハルト「ガァァァァァ!」
〔刺突音〕
〔画面、赤に発光〕

エルエルフ(画面オフ)「うぐぁあああああああ!?」
【シナリオエンドデモ終了】


[外れる仮面]
【シナリオデモ開始】

〔走り寄る足音〕
アイナ「ハルトさん!」
ハルト「………」
キューマ「大丈夫、脈はあるようだ。血だらけだけど身体に傷は無い…」
エルエルフ「………」
キューマ「こっちの奴は…」
サキ「とりあえず、学校に運びましょう。こんな所に置いていけないでしょ」
〔銃声〕
〔画面、フラッシュ〕

サキ「!?」
アードライ「ヴァルヴレイヴ…いや、その機体から離れてもらおう」
サキ「あなたたち…咲森学園の生徒じゃないの!?」
クーフィア「ブブー、残念でした、ドルシアだっての!」「罰ゲームはぁ…この銃をお見舞いしちゃおう!」
????(ハルト(エルエルフ))「………」
〔銃声〕
〔画面、フラッシュ〕

クーフィア「うわ!?」
????(ハルト(エルエルフ))「………」
アードライ「エルエルフ!?」
ハルト「向こうに換気口があります…早く!!」
サキ「…!」
〔走り去る足音〕
アードライ「どういうつもりだ、エルエルフ! 何故銃を向ける!?」
ハルト(エルエルフ)「………」
〔銃声〕
〔画面、フラッシュ〕
〔走り去る足音〕

アードライ「ぐわぁ…!?」
ハーノイン「アードライ!!」
イクスアイン「ハーノイン! すぐに本部に連絡しよう!」「エルエルフが裏切るなんて…!」
アードライ「エルエルフ…! エルエルフゥゥゥァァァァーッ!!」

〔走り寄る足音〕
アマタ「みんな!」
アイナ「アマタさん、みなさん! 良かった…無事だったんですね!」
ガロード「ああ、ちょっとやばかったけどな…」
アイナ「ラルクさんも良かった…」
ラルク「あ、ああ…」
ハルト「お願いです、信じてください!」
ミコノ「あの…そちらの方は…?」
サキ「それが…」
ハルト(エルエルフ)「僕は…ハルトです。何でこの体なのかは分からないんです…けど、ハルトなんです!」
キューマ「なに言ってんだよ…? お前、校舎前でドルシアの奴らと一緒にいた奴じゃないか?」
ハルト(エルエルフ)「それは…格好はそうなんですが…」
ティファ「その人の言っていることは本当です」
ガロード「ティファ…?」
ティファ「理由は分からないけれど…その人からハルトを感じます…」
サキ「…どういうこと?」
ガロード「ああ、えっと…。こういう時のティファの勘は当たるんだ!」
キューマ「ふーん…じゃあお前さ、ちょっとじゃんけんしようぜ」
ハルト(エルエルフ)「え…?」

アマタ「すごい…じゃんけんで全敗って初めて見た…」
キューマ「ハルトなのかお前…!」
ハルト(エルエルフ)「これで認識されるのはちょっと複雑ですけど…そうです」「よく覚えてないんだけど、あのロボットから降りて…」
ガロード「ロボットって…」
アイナ「えっと…ヴァルヴレイヴ…とか呼ばれてました」
ガロード「………」
キューマ「でもハルト、お前、なんで銃を撃てたんだ?」
ラルク「…記憶喪失と一緒じゃないか?」
ミコノ「どういうこと…ですか?」
サキ「記憶を失っても、言葉を喋ったり電話を掛けたりはできるでしょ。それと同じ、ってことじゃない?」
ハルト(エルエルフ)「この身体の持ち主は戦うのが日常ってことか…? たしかドルシア軍とか言ってたし…こいつ、どういう奴なんだ…」
アマタ「それで、これからどうしようか? 校舎はメガノイドとドルシアに占領されたみたいだし…」
ミコノ「先生たちも捕まってしまっていました…」
アイナ「ハルトさんの体も心配です…」
ハルト(エルエルフ)「………」
ガロード「とりあえず、俺たちに任せてくれないか?」
サキ「え?」
ティファ「ガロード…」
ガロード「このまま情報を伏せていたら、こいつらがもっと危険になるかもしれない」
アマタ「…わかった」
アイナ「どういうことですか?」
ガロード「俺たちは、プリベンターの手伝いで咲森学園に来てたんだ。いわゆる潜入任務ってやつだよ」
サキ「プリベンター…って、確か戦乱を未然に防ぐための…あの組織?」
アイナ「戦乱を防ぐ組織が、どうして咲森学園に…」
ガロード「ティファの予知能力さ。咲森学園に危機が迫ってるって教えてくれたんだ」
ガロード「まあ、そんな具体的に分かるわけじゃないから、潜入なんてことになっちまったけど」
ティファ「ごめんなさい…」
ガロード「あ、ティファが謝ることじゃないって! 悪いのは事件を起こす奴らろ!」
アマタ「それで、ゼクスさんやレイカさんの協力で、交換留学生としてここに来たってわけなんだ」
キューマ「え…それじゃあもしかして、ゼクス先生たちも?」
ミコノ「うん…。騙していてごめんなさい」
ガロード「といかく、俺たちは咲森学園の何が狙われてるかを探るために動いてたんだ」「だけど、どうやら敵さんが狙ってたのはあのヴァルヴレイヴだったみたいだな」
キューマ「…ちょっと待ってくれ。この事態を想定していながら、どうして対策できなかった?」
アイナ「先輩…そんな言い方…」
ガロード「それは…」
ラルク「…できないんだ。やろうと思っても」
キューマ「え?」
ラルク「このモジュールはジオールの領地で、ジオールは中立を謳ってるんだろ」「いくら私たちがプリベンターの協力者といっても対策を取ろうと思ったら軍を動かすことになる」「それこそドルシアの思うツボだ。軍事介入を正当化するいい理由になってしまう」
キューマ「だけど、やりようはあるだろ!」
ラルク「…ないんだ。今の私には」
ハルト「先輩、やめましょう。ガロードたちは、咲森学園を守ろうとしてくれていたわけですから」
キューマ「………」
ガロード「…まあ、ドルシアやメガノイドが動いた今なら、また別の手もある。任せておいてくれ」
ハルト(エルエルフ)「いや、ガロードたちだけに全てを任せるわけにはいかないよ」
ガロード「え、なんでだよ? ハルトの身体だって俺たちが…」
ハルト(エルエルフ)「それだけじゃ駄目だ。あのロボットを取り返してアイツらを…ドルシア軍を叩き出す」
アマタ「ほ、本気!?」
ハルト(エルエルフ)「それくらいじゃまだ…僕が失ったモノと全然釣り合わないから…」
ミコノ「それって、どういう…」
ハルト(エルエルフ)「アイツらは…ショーコを殺したんだ…!!」
ティファ「…!」
アイナ「そんな…嘘ですよね…」
サキ「…本当よ。みんなのこと気にかけて…学校に戻ろうとして爆発に巻き込まれたわ」
アイナ「ショーコさんが…そんな…そんな…うぅ…ううう…」
キューマ「くそッ…! 人のこの気にして自分が死んでちゃ意味ないだろうが…」
ハルト(エルエルフ)「僕は行きます。もし止めるなら…僕は容赦できません」
ガロード「………」「わかった。なら、俺たちはお前に手を貸す。一緒にヴァルヴレイヴを取り返そうぜ」
ハルト(エルエルフ)「ありがとう…ガロード」
ガロード「よっし! じゃあ、さっそく行動開始だ!」
【シナリオデモ終了】


[今だ!走れ!]
【シナリオデモ開始】

カイン「ジオール政府は無条件降伏に応じたよ。ジオール併合…まずは成功という所だ…そうだな?」
イクスアイン「はい。モジュール77において敵戦力の無力化を完了し、現在、ジオール人たちを搬送作業中です」「特一級戦略目標はほぼ無傷で確保出来ました。パイロットは未だ意識不明、学生のようです」
カイン「ウーフェイとエルエルフはどうした?」
イクスアイン「ウーフェイはゼクスを取り逃がした責任を取る、と特一級戦略目標の護衛を申し出ました」
カイン「ほう…」
クリムヒルト「まさかプリベンターが介入してくるとは…予想外でしたね」
カイン「ふむ…。それで、エルエルフは?」
イクスアイン「エルエルフは…あの…」
クーフィア「裏切りましたー」
クリムヒルト「…!」
イクスアイン「エルエルフは、アードライを負傷させ、現在逃走中…理由は不明です…」
カイン「………」

ハルト(エルエルフ)「やっぱりメガノイドがいる…」
キューマ「おい、どうする。ヴァルヴレイヴがあるところまでなんとか来られたけど…」
ソルジャー「なあ、仲間がこの宙域で幽霊を見たっていうんだが…」
ソルジャー「幽霊? このご時世に? 夢でも見たんじゃないか?  バカ言うなよ」
ソルジャー「だけどよぉ…」
ソルジャー「それに、俺たちにはウーフェイ様がついてるだろ」
ソルジャー「それもそうか。仮に幽霊でもウーフェイ様なら勝てる気がする…」
五飛「…警戒を怠ったな。俺がその気ならば、貴様らは幽霊の仲間入りだぞ」
ソルジャー「!? ウーフェイ様!」
五飛「くだらんおしゃべりをしている暇があったら己が目的のために何をすべきかを考えろ」
ソルジャー「は…! 失礼しました!」
五飛「俺はナタクのコクピットで待機している。何かあったら呼べ」
ソルジャー「ハッ!」
サキ「メガノイドの仲間にガンダム…。あれじゃ乗り込むのは無理じゃないの…?」
アマタ「ちょっと難しいかもね…」
ガロード「悪いな、お前らだって自分の世界に帰らなきゃならないのに、巻き込んじまって…」
アマタ「それは言いっこなしだよ」…
ハルト(エルエルフ)「え…どういうこと?」
アマタ「突拍子もない話なんだけどさ…俺たち、いわゆる並行世界から来たんだ」
キューマ「…はあ!?」
ガロード「バカ! 声がでかい!」
ソルジャー「今の聞いたか!? 幽霊の声じゃないか!?」
ソルジャー「本当だ…こうなりゃメガノイドだって念仏を唱えるしかない…!」
ガロード「な、なんとかなったみたいだな…」
サキ「心臓に悪いからやめてよ…」
キューマ「わ、悪い。でも、並行世界って…」
アマタ「俺とミコノさんとラルクはとある戦いの後、こっちの世界に来ちゃったんだ」
ガロード「で、路頭に迷ってたこいつらを助けたのが、俺たちってわけさ」
ハルト(エルエルフ)「…そっか。じゃあ、ラルクがたまに空を見てたのってもしかして…」
アマタ「え?」
ハルト(エルエルフ)「いや、彼女、時々なんか寂しそうにしててさ。あれって元の世界に帰りたかったってことかな…」
アマタ(いや、ラルクは多分…力を失って戦えなくなったことをまだ…)
〔通信の開く音〕
ガロード「おっと、おしゃべりはそこまでだ。開幕の合図が来たぜ…」「今だ! 走れ!」
〔走り去る足音〕
〔バーニアの噴射音〕

五飛「…!」
ゼクス「久しいな、『五飛』。いや、今はドルシア軍人の『ウーフェイ』か」
五飛「…戦場で手加減はできん」
ゼクス「フッ…君がそれを言うのか」
五飛「いくぞ!」

ハルト(エルエルフ)「ハァハァ…」
サキ「す、すごいわね、その人の身体能力…」
ハルト(エルエルフ)「ドルシアの軍人みたいだからね。意識のない僕を担ぐなんて簡単…」「…! 流木野さん!? なんでここにいるの!? ここは危な…」
サキ「そんなこと言ってる場合…? 外でもう戦いが始まってるのよ?」
〔爆発音〕
〔画面、震動〕

ハルト(エルエルフ)「くっ…」
サキ「ほら、自分の身体おいたらさっさと手を出して。すぐ縛るから」
ハルト(エルエルフ)「え?」
サキ「元に戻るんでしょ? 戻った時、暴れたら困るじゃない」
ハルト(エルエルフ)「でも、元に戻る方法が…」
サキ「最初のきっかけをもう一度やればいいのよ。少なくとも映画では大体そう」
ハルト(エルエルフ)「それで元に戻れるの…? でも、やれることから試すしかないか…」「あれ、アイツにやられた傷が…治ってる…?」
サキ「何しているの、早く!」
ハルト(エルエルフ)「う、うん」
〔身体を噛む音〕
ハルト「ん…僕は…?」「戻ってる!? 僕の体に!_ やっぱり…噛むと元に戻るのか!」
エルエルフ「…! 何故…お前が生きている…!?」「ここは…いったい…どうして俺が縛られている!」
サキ「…! 敵が来るわ!」
〔金属音〕
〔画面、震動〕

ハルト「うわ、なんだ…!?」「こいつ…さっきいた奴じゃない!? くそ、ヴァルヴレイヴに取り付いて…!」
シャギア「悪いが、このまま宇宙空間まで出てもらおうか」
サキ「ちょっと! このままじゃ、モジュールの外に…!」
ハルト「くそ…! 引き剥がせない!!」
エルエルフ(こいつ…素人か?)

サキ「モジュールの外に…宇宙に出ちゃったわよ!?」
シャギア「聞こえるか、裏切り者のエルエルフ君」
エルエルフ「何…?」
シャギア「君に撃たれたアードライは、まだ医務室だ。カルルスタイン機関に謀反など許されるのか?」
エルエルフ(シャギア・フロストは何を言っている…? 裏切った…?  俺が…?)「どういうことだ!?」
サキ「あの人が言った通りよ…。アナタは仲間を撃った。それが全てよ!」
エルエルフ(どうなっている…俺がアードライを撃った記憶は無い。しかし、記憶に無い傷が俺の身体に…)(俺の知らない内に、俺の肉体に何があった?  操られた? 誰に?)
シャギア「まあいい。いずれにせよ我々には関係のないことだ。さて、そろそろ幕引きだ…」
ハルト「…うぉおおおおお!」
〔金属音〕
〔画面、フラッシュ〕

シャギア「ほう…抜け出したか…」
ハルト「やらせない…」「ショーコを殺したことを償わせるまで…僕は戦う!」
【シナリオデモ終了】

【戦闘マップ開始】

〔通信のコール音〕
ハルト「この音…」「まさか! もしもし!?」
ショーコ「ハルト!?」
ハルト「ショーコ…!? 本当にショーコ!? よかった…よかった! 無事だったんだ!」
ショーコ「うん! レイカ先生に助けてもらって今…」「あ! ごめん、電池切れそう!」
ハルト「大丈夫…! すぐに帰るから、直接話せばいい。帰ったら、話の続きをしよう」
ショーコ「…うん」
ハルト「約束する…必ず帰るから!!」

ハルト「これで終わりだぁあああああ!」
〔システムダウンの音〕
ハルト「!?」
【戦闘マップ終了】

【シナリオエンドデモ開始】

〔軍の警報〕
〔画面、赤に明滅〕

サキ「なんで急に止まったの…!?」
ハルト「この数字が100になったら動かなくなるんだ…ずっと動いているとオーバーヒートして…」
サキ「そんな…!?」
エルエルフ「貴様ら俺に何をした? 俺がアードライを撃った? 有り得ない」
サキ「有り得るから、今ここにあなたがいるんでしょ! 少しは大人しくしてなさ…」
〔人の倒れる音〕
サキ「きゃっ!?」
エルエルフ「動くな…動けばもう一度…殺す…」
ハルト「縄が!? いつの間に!?」
エルエルフ「俺の質問に答えろ。お前は俺に何をした」
サキ「そんなこと言ってる場合? この機体、止まってるのよ!?」
ハルト「お前だって死にたくないだろ!」
〔爆発音〕
〔画面、フラッシュ〕

サキ「きゃあ!?」
ハルト「くそ、ダメだ、動かない…!」
エルエルフ「………」
ハルト「動け、動けよ! ショーコが生きてたんだ…。約束したんだ! 絶対帰るって!」
エルエルフ「………」「41ヘルツ、30マイクロパスカル…エンジン音は継続している」
サキ「何、急に…」
エルエルフ「背面のメディカルボックスに文字を書き換えた跡がある。全ての文字をゴシック体で統一する為だ」
ハルト「…本当だ
エルエルフ「このコクピットのデザイナーは病的に几帳面な性格だと分かる」「だが、熱量のメモリーを見ろ。100の次に666がある」「このデザイナーが無意味な数字を設定するとは考え難い」
ハルト「こんなに危険だってアラートが出てるのに、666の先に何があるんだ?」
エルエルフ「可能性だ」
ハルト「可能性…?」
エルエルフ「だが、もっとも…そんな時間があれば、の話だがな…」
ハルト「…!」

トロワ「上手くいったようだ。どうやら宇宙空間では活動時間に変化があるらしい」
シャギア「とはいえ、いささか不満だな。これ以上手出しができないというのは」
トロワ「…いくぞ」
【シナリオエンドデモ終了】


[曲折が落とす影]
【シナリオデモ開始】

〔バーニアの噴射音〕
ハルト「敵が来る!?」
サキ「数字は!?」
ハルト「まだダメだ!」
エルエルフ「………」
ハルト「くそっ! 早く…早く!!」
サキ「お願い…!」
シャギア「心配するな。捕虜には丁重な扱いで迎え入れよう」
????(画面オフ)「あいい、紳士ならばエスコートはもっとスマートにするべきじゃあないかな?」
シャギア「なに!?」
トロワ「シャギア、気をつけろ」
????(画面オフ)「ダイタァァァンカァァムヒアッ!」
〔変形音〕
〔画面、フラッシュ〕

万丈「ダイタァァァァァンスリィッ!!」
シャギア「あれはまさか…」
万丈「世のため人のため…メガノイドとドルシアの野望を打ち砕くダイターン3!」「日輪のかがy気を恐れぬのならば…かかってこい!」
トロワ「噂の破嵐万丈、そしてダイターン3か」
万丈「ハルト君、悪いがもう少し辛抱してくれ」
ハルト「なんで僕の名前を…」
エルエルフ(破嵐万丈…。火星で死んだはずの奴が現れたということは…奴らも動くか…)
万丈「残念だが、君たちの目論見はこれまでだ」「今ごろモジュール77の中では、ゼクスとガロード君がドルシア軍を鎮圧していることだろうさ」
〔爆発音〕
〔画面、フラッシュ〕

ゼクス「万丈!」
万丈「噂をすれば、だね。首尾はどうだい?」
ゼクス「おおむね順調だ。敵のガンダム1機、およびドルシアの軍隊はすでにモジュールの外だ」
サキ「本当だわ…。ドルシアの機体がどんどん出てきてる!」
五飛「………」
ゼクス「ガンダムはまだ敵意を喪失していないようだが、モジュール内はガロードがうまくやっている」
万丈「よし…ならば、鎮圧にはそう時間はかからなそうだね」
シャギア「ほう…さすが破嵐万丈…。この状況をどうにかできると?」
万丈「もちろんだとも。ヴァルヴレイヴも咲森学園もお前たちのような悪党には渡せないのでね」
シャギア「トロワ、カルルスタイン機関の奴と組みたまえ。私がヴァルヴレイヴに辿り着くまで援護を頼む」
トロワ「いいのか? またヴァルヴレイヴをカインたちに渡すことになるぞ」
シャギア「どちらにせよ、ヴァルヴレイヴが奴らの手にある事態は避けねばならん。なりふりを構っている暇は無い」
トロワ「なるほどな」
シャギア「それに…」「いや、喋っている時間は無いか」
万丈「こちらとしては時間をかけていただいても一向に構わないんだがね」
シャギア「フ…」
万丈「ゼクス、ヴァルヴレイヴは今オーバーヒートで停止している。急いでハルト君のところへ向かうぞ!」
ゼクス「了解した。では、手はず通り…いくぞ!」
【シナリオデモ終了】

【戦闘マップ開始】

シャギア「ソルジャーでは大した足止めにもならないか…。だが、その距離からでは間に合うまい!」
ハルト「くそ…ここで終わりなのか…? 嫌だ…死にたくない…だって、ショーコが!」
シャギア「多少手荒な真似は許容範囲だろう…推進部は破壊させてもらう」「くらえ!」
万丈「そうはさせない!」「日輪の力を借りて、今必殺の…サン…アタァァァック!」
〔発光音〕
〔画面、フラッシュ〕

シャギア「フッ」
〔爆発音〕
〔画面、フラッシュ〕

ハルト「ぐぁあっ!」
万丈「…!」
シャギア「残念だが、君の攻撃は予測済みだ。仲間を救うどころか、自ら危機に追いやるとは実に滑稽だな」
万丈「…いや、狙い通りさ」
シャギア「なんだと…?」
エルエルフ「今ので熱量メモリは666に達した…いけ、時縞ハルト!」
ハルト「うぉぉぉぉぉおおおおおおおおおお!」
〔発光音〕
〔画面、発光〕
〔爆発音〕

シャギア(画面オフ)「な、ハラキリ…だと!?」
【戦闘マップ終了】

【シナリオエンドデモ開始】

シャギア「…なるほどな」
トロワ「たった一撃で艦隊を殲滅…。あれがヴァルヴレイヴの真の力…ARUSが動く前に上層部が動いた理由か」
シャギア(それだけが理由とは思えんがな)
トロワ「…! シャギア、ARUSが避難船を出したと連絡が入ったぞ」
シャギア「まったく、手が早い。ジオールの国力を狙ってるだけのことはある」「しかし、勝つのは我々だ」

エルエルフ「………」
ハルト「…ソイツをどうするんですか?」
ゼクス「我々の監視下に置く。後は任せてくれ」
ガロード「こいつの話を聞く時はお前を呼ぶかもしれねえ。覚えておいてくれ」
ハルト「う、うん」
エルエルフ「…お前は俺が殺した筈だ。なのに何故生きている?」
ハルト「…!」
ガロード「おい、勝手なこと喋んな! 行くぞ!」
エルエルフ「どうして俺はアードライを撃った? 俺にその記憶が無いのは何故だ? 全てお前がやったのか?」
ハルト「そ、それは…」
エルエルフ「化け物め…」
ハルト「…!」
キューマ「お前…!」
万丈「キューマ君、落ち着け。敵の揺さぶりに乗るようなものだぞ」
キューマ「う…」「そう…ですね…すみません」
〔歩き去る足音〕
ハルト「………」
アマタ「あまり気にしない方が良いよ」
サキ「そうよ。あなたのおかげで助かったんだし」
ハルト「うん…」
ラルク「………」
ショーコ(画面オフ)「ハルトー!」
ハルト「ショーコ! レイカ先生も!」
サキ「………」
〔歩み寄る足音〕
万丈「…レイカ、元気そうだね」
レイカ「あら、黙っていなくなっておいてまさかそれだけじゃないでしょうね?」
万丈「おっと、失礼。僕としたことが…」「ただいま、レイカ。しばらく留守にしてすまなかったね」
レイカ「お帰りなさい…万丈」
万丈「…ああ、ようやく戻って来られたよ」
レイカ「でも、本当はもう既に戻ってきてたんでしょう? 私をここに手引きしたのはあなた。違う?」
万丈「…!」
レイカ「落ち着いたらみんなにも知らせてうんと叱ってもらわなくちゃ」
万丈「おいおい…お手柔らかに頼むよ」
レイカ「ふふ…」
アイナ「レイカ先生、嬉しそう…」
ミコノ「うん…そうだね…」
ハルト「………」
ショーコ「あのさ、ハルト…。ありがとね。私たちを救ってくれて」
キューマ「みんなハルトに感謝してるってさ」
アイナ「レインボーって人が、動画を上げてたんです! それをみんな拡散して…」
ハルト「そ、そんな…僕だけの力じゃないし、ガロードやゼクス先生、万丈さんがいたから…」
ショーコ「それでね、その…私、気づいたの。大事なことってその時言わないと無くなっちゃうかもしれないって…」
ハルト「あ…」
ショーコ「だから…あの話の続き…途中になっちゃったから。今…ここでしてもらっちゃダメかな?」
ハルト「ショーコ…」「…あのさ、僕…ずっと言おうと思ってたんだけど…」
ショーコ「うん…」
ハルト「………」「Tシャツがダサいよ」
ショーコ「…は?」
ハルト「あのTシャツはないよー」
ショーコ「えっ!? 何それ、信じられない! そんなこと言う為にあんなマジ顔してたの!?」
ハルト「いや、それぐらい深刻なんだって」
〔歩き去る足音〕
ショーコ「ちょっと!? 何処行くのぉっ!!?」
ハルト(画面オフ)「トイレ! ずっと我慢してたんだー!」
ショーコ「下品! サイテー!」
ティファ「………」

〔走り寄る足音〕
キューマ「お、いいのか?」
ハルト「だって…仕方ないじゃないですか…。僕はこんな…化け物になってしまって気持ちを伝える資格なんて…ないですよ」「こんなに簡単に大事なものが踏み壊されるなんて…思わなかった…」
ラルク「ッ…」
アマタ「…でも、ハルトの力はちゃんとみんなを守ったじゃないか」
ハルト「それはそうだけど…!」
アマタ「………」
〔画面、フラッシュ〕
キューマ「アマタが飛ん…でる…」
アマタ「俺も、この力のせいで悩んでた。みんなに気持ち悪がられて…」「でも、この力があったから大切な人を守ることができたんだ。だから…資格がないなんてそんなことないよ」
ラルク(そう…。力があれば、できるんだ…)
ティファ「特殊な力であっても…何かを捨てる必要なんてないと思います。向き合うのには時間が必要だけれど…でも…」
ハルト「………」
キューマ「なあ、今日はもう休めよ。疲れてると、ろくなこと考えないだろ?」
ハルト「そう…ですね…そうします。ありがとう…みんな…」
〔歩き去る足音〕
アマタ「ハルト…」
【シナリオデモ終了】


[エルエルフという人物]
【シナリオデモ開始】

ガロード「ハルト、顔色が悪いけど…大丈夫か? 話を聞くのは後でも良いんだぜ?」
ハルト「いや、大丈夫だよ。僕の知っていることをみんなに伝えておきたいから…」
エルエルフ「………」
万丈「話を戻すが…つまり彼は、ドルシアの軍人だと言うことだね?」
ゼクス「ああ、ここの生徒ではない」
ハルト「名前はエルエルフって言ってました」
ガロード「…!?」
万丈「ハルト君、今すぐに彼から離れるんだ」
ハルト「え…どういうことですか?」
万丈「彼は危険人物なんだよ。まさかこんなに若いとは思わなかったが…」
ゼクス「二年前のニューギニア紛争。五千年からなる旅団をたった一人で釘付けにした」「以来、彼のことを『一人旅団』と呼ぶ人間もいる」「悪いが、君を監禁することになる。立ってくれ」
ハルト「監禁って…どこに?」
万丈「空き教室に牢屋を作らせてもらった。出来については安心してくれていい」
ハルト「いつの間に…」
万丈「では、そろそろいこうじゃないか」
〔歩き去る足音〕
エルエルフ「ハンドマイク…」
ハルト「え?」
エルエルフ「地震…暴走…3時14分…。お前の後ろに答えは有る…」
〔歩き去る足音〕
ハルト「………」
ガロード「何だったんだ今の…?」「あ…それより、ハルト。俺はゼクスたちとあいつを見張るけどお前はどうする?」
ハルト「僕は…確認したいことがあって…」
ガロード「確認したいこと?」
ハルト「僕の…身体のことを…」
万丈「いくら君でも鉄格子を素手でこじ開けたりはできないだろう?」
エルエルフ「…だろうな」
ライゾウ「こいつは俺が見張っておく! だからあんたらふたりは休んでてくれ!」
ゼクス「ライゾウ…」
ライゾウ「サンダーだ!」「…先公がまさか軍人だったとはな」
ゼクス「私は先生だよ。ライトニングカウントとも呼ばれていたがな」「サンダー、君が我々のことを手伝いたいことはわかったが…」
万丈「良いじゃないか。ARUSとの連絡もあるし、彼に任せてみよう」「エルエルフがこの檻に入っている限りは安全だろうしね」
ゼクス「しかし、生徒の身の安全を考えれば我々が見ておくことが確実だろう?」
万丈(彼は友人を殺されたことで気が立っている。ヘタに勝手に動かれるより我々の監視下に居た方が良い)
ゼクス(…了解した。だが、彼がひとりになる時間は極力短くさせてもらうぞ)
万丈(ああ、僕も細心の注意を払おう)「サンダー君、それじゃすぐに戻ってくるが、何があってもその扉を開けるんじゃないぞ」
ライゾウ「おう、当たり前だろ! なに言ってんだ!」
万丈「頼んだよ、サンダー君」
ゼクス「万丈、そろそろ行こう」
万丈「ああ」
〔歩き去る足音〕
ライゾウ「よぉーやくひとりになったな、ドルシア野郎!」
エルエルフ「………」
ライゾう「てめえが、あのヴァルブレイヴとかいうやつから降りてきたのは知ってんだよ!」「教えろ! 時縞ハルトはどうやって操縦していた!」
エルエルフ「本人に聞けばいいだろう?」
ライゾう「捕まらねえんだよ! 英雄様だかなんだかしらねえが取り巻きがついて離れねえし!」
エルエルフ「お前が操縦方法を聞いてどうする?」
ライゾウ「乗るんだよ! 親友の仇を討つために! てめえらドルシア野郎をぶっ飛ばすためにな!」
エルエルフ「フッ…ペラペラと情報を…。戦場では真っ先に死にそうな奴だな」
ライゾウ「あ? なんか言ったか?」
エルエルフ「お前にいいことを教えてやる。ドルシアの兵はみすみす敵に情報を漏らすことはしない」「その前に、奥歯に仕込んだ歯で自決する。もとも効果的なタイミングでな」
ライゾウ「なに言ってんだ…?」
エルエルフ「『お前』は自ら見張りを買って出た。そして今、『お前』はひとり。俺が死ねば、責任は全て『お前』にかかる」
ライゾウ「な、まさか!? 待て!」
エルエルフ「…!」「うぐっ…ぐ…ぐぁぁ…」
ライゾウ(やべえ、顔色が一気に青白く…!? 先公たちを呼ぶか…? いや、それで間に合うのか?)「仕方ねえ! 開けるぞ!」
〔金属扉の開閉音〕
エルエルフ「………」
ライゾウ「おい、大丈夫か…!」
万丈「近づいちゃいけない、サンダー君」
ライゾウ「!?」
ゼクス「奴は毒など飲んではいない」
ライゾウ「どういうことだ!」
ゼクス「芝居はその辺にしたらどうだ、エルエルフ君」
エルエルフ「………」「ハアッ…!」
ライゾウ「!?」
万丈「危ない! サンダー君!」
〔斬撃音〕
〔画面、フラッシュ〕

エルエルフ「フッ…」
〔走り去る足音〕
ライゾウ「だ、大丈夫か!」
ゼクス「万丈、私は奴を追う!」
〔走り去る足音〕
万丈「任せたよ、ゼクス…!」
ライゾウ「おい、あんた…」
万丈「かすり傷さ。心配ない…。胸騒ぎがして、戻ってきて良かったよ…」
ライゾウ「なんで俺をかばって…」
万丈「当たり前じゃないか…。君が助けを求めていたからね」
ライゾウ「…!」「悪い…」

〔爆発音〕
エルエルフ「爆破完了。座礁を確認」「避難船の座礁、脱出不可、ドルシアのモジュール包囲…。導き出される結論は…時縞ハルトの出撃」「…身体能力、思考レベル、全て正常。いつもと変わらない。やはり、アイツだけがイレギュラーだった…!」「お前はなんなんだ…時縞ハルト!」
【シナリオデモ終了】


[予言の3時14分]
【シナリオデモ開始】

七海「み、みんな、落ち着いて! 避難船が座礁したかはまだわからないわ! 大丈夫、きっと助かるから…!」
ミコノ「リオン先生が頑張ってるけど…」
マリエ「みんな、パニックになってる…」
サキ「誰かが座礁したなんて噂を流したせいね。ホント、いい迷惑」
ティファ「みんなの不安が…伝わってきます…」
ラルク「この状況を自分じゃどうにもできないんだ。仕方ないだろ…」
アイナ「アマタ君、ハルト君を追いかけていったけど…ふたりとも大丈夫かな」
ミコノ「………」

ハルト「残ってる人は居ませんかー? 避難船がもうすぐ来ますー!」
〔轟音〕
〔画面、震動〕

ハルト「また地震…? ここは宇宙なのに…」
〔走り寄る足音〕
アマタ「ハルト!」
ハルト「アマタ…」
アマタ「ひとりじゃ危ない。俺も一緒に行くよ」
ハルト「僕だったら心配ないよ。傷ができても治るしさ…それにほら、僕、刺されても死なないし」
アマタ「心配なのは身体のことだけじゃ…」
ハルト「僕に近づかない方が良いよ」「アマタも見たでしょ。僕が急に我を失って、ヴァンパイアみたいに人を襲ったんだよ?」
アマタ「でも、誰も怪我なんてしなかったじゃないか」
ハルト「そうだね。でも…流木野さんが僕を正気に戻さなかったら、今ごろどうなってたか…」
アマタ「だけど、それはハルトの意志じゃ…」
ハルト「ただ、こんな僕だけどさ! 危ないことだてできるし、役には立つと思うんだ! だから、アマタはみんなのとこに戻ってて!」
〔走り去る足音〕
ハルト「…ダメだよ、ハルト…。それじゃ、待ってるのは悲しい結末だけだ…」

ハルト「はは…逃げちゃった…。心配してくれてたのに…嫌な奴だな…僕は…」「あれ…向こうが…騒がしい?」
七海「みんな、落ち着いて! 走らないで!」
〔轟音〕
〔画面、震動〕

ハルト「…!」「これはエルエルフが言っていた…ハンドマイク…地震…暴走…。3時14分…答えは奥の後ろに!」
エルエルフ「プランD完了」
ハルト「君が答え…?」
エルエルフ「俺と契約しろ。時縞ハルト」
ハルト「な!? な、何を言って…」
エルエルフ「俺たちはドルシアを革命する…!」
ハルト「…!?」
エルエルフ「お前の力とヴァルヴレイヴを組み込めば、俺の革命は5年は前倒せる。まず…」
ハルト「ふ…ふざけるなッ! 敵のくせに…僕を殺したくせに!」
エルエルフ「それでもお前は俺を選ぶしかない…。もちろんメリットは用意しよう。この学校を丸ごと救ってやる。お前の女もだ」
ハルト「…!」
エルエルフ「主義主張に拘っている状況ではない。その証拠に、これを聞いてみろ」
〔通信の開く音〕
ソルジャー「進捗どうなっている!」
ソルジャー「モジュール77の包囲は…多分、もう間もなく完了しそうです!」
ソルジャー「報告は明確に! 適切に言え! 総攻撃まで時間はない。急げ!」
ハルト「こ、これって…」
エルエルフ「ドルシア軍の通信だ。このモジュールは既に大量のドルシア軍とメガノイドに包囲されつつある」
ハルト「そんな話、信じられるか!」
エルエルフ「ならば先程から起きている揺れは何だ? 船の座礁なら、揺れは一度だけのはずだ」
ハルト「…! まさか…敵の攻撃?」
エルエルフ「そう。そして、ここ以外のジオールは既にドルシアに占領されている。つまり、家族を人質に取られたようなものだ」「守りたい物が有るなら、汚れろ…時縞ハルト」
ハルト「汚れろって…」
エルエルフ「その身体で今さら何をためらう必要がある…?」「お前は自分の女を守るためにそんな身体になっても生きているんじゃないのか?」
ハルト「!!」
エルエルフ「俺の手を取れ、時縞ハルト!」
ハルト「僕は…」
エルエルフ「………」
万丈「甘い誘いには用心したほうがいい」
エルエルフ「…!」
ガロード「うりゃあああああ!」「チッ、避けられたか!」
エルエルフ「来たか…」
ゼクス「大丈夫か、ハルト」
ハルト「は、はい…」
エルエルフ「………」
万丈「君は選択肢があると言うんだろうが、その実、選択できるものがない。やり方が感心しないね」
ガロード「そんな奴の手を借りなくても、手なら俺たちだって貸せるぜ、ハルト!」
ハルト「ガロード…」
ゼクス「もちろん答えを急く必要はない。流されない、君の答えが必要なのだ」
ハルト「はい…! 何かあるはずなんだ…この状況をどうにかできる手段が!」
エルエルフ「無駄だ。俺と契約する以外、お前たちに未来は無い」
ガロード「それはまだわからないだろ!」
エルエルフ「ほう…ならばどうする?」
ハルト「…! 僕が守る…呪いの力を使っても!」
エルエルフ「ヴァルヴレイヴでか? だが、そのヴァルヴレイヴは今まさに軍の奴に狙われているぞ」
ハルト「な…!?」
エルエルフ「オルバ・フロストがARUSの人間としてここに紛れ込んでいる。恐らくヴァルヴレイヴ奪取のためにな」「放っておいて良いのか。今ごろお前の頼みの綱は奪われているんじゃないか?」
ガロード「オルバが!? そんなまさか…」
エルエルフ「俺の予測は既に予言だ」
ゼクス「信じがたい話だが、ニセの情報であれば交渉途中に開示する意味はないか…。ハッタリではなさそうだな…」
ハルト「………」
エルエルフ「お前は必ず契約する…」「その時はサインを出せ。俺が救ってやる」
ハルト「何がピースだ…。平和のサインなんて…」「すみません、念の為僕はヴァルヴレイヴを見てきます!」
〔走り去る足音〕
エルエルフ「平和? フッ…つくづく合わないな…」
ゼクス「万丈、私はハルトを追う」
万丈「わかった。アシストは任せてくれ」
エルエルフ「残念だが…」
〔爆発音〕
〔画面、震動〕

ガロード「な、廊下の天井が!?」
エルエルフ「時縞ハルトはひとりで行く必要がある。邪魔はさせない」
万丈「やれやれ…げんなりするね。袋のネズミってだけじゃなく、猫も一緒に入っているときた」
ゼクス「この状況を打破せねば、ハルトは追えん。となれば…」
万丈「やることはシンプルだろうね」
【シナリオデモ終了】


[狙われたヴァルヴレイヴ]
【シナリオデモ開始】

オルバ「速やかに乗り込むんだ。もたもたしている時間はないぞ!」
ハルト「待て!」
オルバ「…!」
ハルト「…ヴァルヴレイヴから離れてください」
オルバ「君は…」「動画で話題になっていた時縞くんじゃないか。僕はARUSのオルバ…」
ハルト「あなたがドルシア側の人間だってことは知っています…!」
オルバ「………」「フ…。ならば、芝居を続けても意味はないね」「残念だがこれは貰っていくよ。すでにうちのパイロットが乗り込ませてもらった」
ハルト「それは呪われている…。どうなっても知りませんよ…」
オルバ「そうかい。では、君は既に呪われた人間ということだね」
ハルト「くっ…」
ドルシア兵(画面オフ)「う、うわああああああああああああ!」
オルバ「!? どうした!」「…! これは…乗り込んだ兵士が…破裂したのか?」
ハルト「死んだ…? 僕の時と違う…どうして…?」
オルバ「違う…?」「まさか、あの機体は人間を選ぶのか…? どうやらまともなシステムではないようだな…」
ハルト(仕掛けるなら…気を取られている今しかない!)「わあああああ!」
オルバ「!?」
〔刺突音〕
〔画面、フラッシュ〕

オルバ「ぐっ…離れろ!!」
〔殴打音〕
〔画面、フラッシュ〕

ハルト「うぐぁっ!?」
〔人の倒れる音〕
ハルト「乗り移れない…なんで? もしかして、肌に触れないとダメなのか…!?」
オルバ「この僕に噛み付くなんて…! 野蛮な奴め!」
〔銃声〕
〔画面、フラッシュ〕

ハルト「ぐぁ…」
〔銃声〕
〔画面、フラッシュ〕
〔刺突音〕
〔画面、フラッシュ〕
〔光弾の発射音〕
〔画面、フラッシュ〕

ハルト「………」
オルバ「危険視されていたが…所詮は子供か」
シャギア(画面オフ)(オルバ、聞こえるか。首尾はどうなっている)
オルバ(ああ、聞こえるよ。今ヴァルヴレイヴを運びだそうとしていた…)(だけど、聞いてよ。忌々しいことにこの機体は選ばれた人間以外が乗ると命を奪われるようだ)(厄介なものを作ってくれたものだよ…。ヴァルヴレイヴを持ち出すのにここまで手間がかかるなんてね!)
シャギア(画面オフ)(オルバよ…感情に流されるな)
オルバ(…!)(ごめんよ、兄さん…)
シャギア(画面オフ)(それでいい)
オルバ(ふたつ、事後報告だよ)(ひとつ、時縞ハルトに僕の正体が知られていた。他の人間が周りに居ないこと考えると、漏れているのは彼だけみたいだ)
シャギア(画面オフ)(…エルエルフか)
オルバ(恐らくね…)(そしてもうひとつ。時縞ハルトは、ついさっき死んだ。僕が殺した)
シャギア(画面オフ)(ふむ…後始末している時間はないな。この後すぐ、別の手段でヴァルヴレイヴを運びその場を離れるんだ)
オルバ(わかったよ。兄さんのほうは?)
シャギア(画面オフ)(こちらは先程、モジュールの包囲を完了した)
オルバ(ごめんよ。包囲が終わる前にヴァルヴレイヴを運び出す予定だったのに…)
シャギア(画面オフ)(仕方がない。オルバよ、一度お前は戻って来い)
オルバ(了解だよ、兄さん。いつエルエルフが僕たちの情報を流すかわからないしね)(それと、兄さん。脱出の準備のために、パニックを起こしている連中を鎮めておきたい)
シャギア(画面オフ)(気をつけろ。おそらくあの少年たちも居るからな)
オルバ(そのあたりは上手くやるよ。これ以上のミスは許されないしね)
ハルト「………」

オルバ「皆さん、ご心配なく。先程からの揺れは、重力装置の不具合による物と判りました」「復旧作業が終わり次第、改めて脱出作業を進めたいと思います。もう少し待っていてください」
アイナ「そうなんだ…良かった…」
マリエ「あれ、ティファとミコノは?」
キューマ「さっき生徒全員を集めてくれとか言われてガロードとアマタを探しに行ったぜ」
〔走り寄る足音〕
ショーコ「………」
キューマ「ショーコ、どうした?」
ショーコ「先輩…私たち大ピンチです」
【シナリオデモ終了】


[揺れる心、迷う心]
【シナリオデモ開始】

サトミ「あそこにいるのがARUSの人間じゃない…?」
ショーコ「本当なんです会長さん! ドルシアやメガノイドがモジュールを包囲してるんですよ!」「あの人ドルシアの人なんです! あの人が私たちを置いてモジュールから脱出した瞬間にここが一斉に攻撃を受けるって…」
サトミ「あまり生徒会長をバカにしないでもらいたいね。私はあの人たちがARUSの人間だと証明してもらったぞ」
タカヒ「そもそも身分を偽れるはずがないでしょ?」
サトミ「大体、敵がモジュールを包囲してたらARUSは避難船を入港させることができなかったはずだろう?」
ミコノ「でも、ショーコさんの言ってることは本当なんです!」
アマタ「俺たちも聞いたんだ。天井が崩れた廊下の所で…!」
ティファ「さっき先導していたのも、ARUSではなくドルシアの人間です…」
サトミ「ドルシアのねえ…そんな風には見えなかったが」
ラルク「…おそらくあいつも軍人だよ」
サトミ「どうして留学生である君たちがそんなことを…?」
ティファ「それは…」
タカヒ「ほら、説明できない。じゃあ、これで解散ね」
ショーコ「ちょっと待って! 信じてください!」
サトミ「どうせ信じるなら、私はARUSの方にするよ」
ショーコ「…わかりました」
ミコノ「ショ、ショーコさん、何を!?」
ショーコ「脱いで身の潔白を晴らします」
サトミ「は、はあ!?」
アイナ「ショーコさん駄目です!」
ショーコ「離して! 私を信じてほしいの!」
サトミ「分かった! 分かったから! 分かったって! だから服に手をかけるのはやめろ!」
ショーコ「分かったって言いました? 言いましたよね!? やったあ!」
サキ「なんなのこの馬鹿騒ぎは…」
マリア「でもなんとかなった」

キューマ「だけど、どうする? 証拠ったって…そんな物あるか?」
ショーコ「…ないです」「でも、生徒会が時間を稼いでる間になんとかして見つけなきゃ、咲森学園がピンチなんですよ!」アイナ「そうだ、ハルト君は?」
ショーコ「電話したんだけど、電源が入ってないみたいで繋がらないんだ…」「喧嘩してるからかな…拒否されてたりして。ハハ…」
サキ「………」
アマタ「くそっ…! こんな時にアクエリオンがあれば…!」
ミコノ「アマタ君…きっと他にも方法はあるよ」
アマタ「ごめん。そうだよね、考えよう」
ラルク「………」
ティファ「ごめんなさい。手伝ってもらってしまって…」
アマタ「大丈夫。このままここを放っておいて自分たちだけ逃げるなんてできないよ」
ミコノ「私たちだって、ティファの力になりたい」
ティファ「ありがとう」
ミコノ「…ガロード君のことも心配だよね」
ティファ「はい…。でも、大丈夫。彼は生きてるから」
アマタ「そういえば、あの崩れた廊下の向こう側…。あそこにガロードたちがいるのは間違いないの?」
ティファ「断言はできませんが恐らく…」
アマタ「ハルトもあそこに居るのか…?」
キューマ「おい! あそこで倒れてるのハルトじゃないか!?」
アマタ「え…!?」

〔複数の走り寄る足音〕
ショーコ「ハルト!? ねえ、ハルト!? しっかりして! 大丈夫!?」
ハルト「…う」
ショーコ「あれ? ハルト、無傷…? 服とかこんな血だらけなのに…」
ハルト「え、ショーコ…?」
アマタ「…! ハルト、大丈夫? また血を見て倒れたんだ?」
ハルト「…! そうなんだよ。誰かの血だまりを見たら気分が悪くなってそのまま…」
ショーコ「そうなの…? もう、ピックリしたよ…」
ハルト「ごめん、心配かけて」
ショーコ「ううん。でも、色々良かった…倒れてたら電話出られないよね」
ハルト「え…?」
キューマ「それより、ニセARUSの件をどうにかした方が良いんじゃないか」
ショーコ「あ、そうだ…! ねえハルト、大変なの…」

ハルト「…うん。確かに、あのオルバって人はARUSの人間じゃない。僕も…それは見た」
ショーコ「やっぱり!」
サキ「じゃあどうするの? ヴァルヴレイヴも、あいつらに運ばれちゃったみたいだし…」
ハルト「とにかく、みんなにあの人がニセモノだっていうことを伝えるしか…」
万丈「いや、それはやめておいた方が良い」
アマタ「万丈さんたち!? 閉じ込められてたんじゃ…」
ゼクス「すまない、脱出するまでに手間取ってしまった」
万丈「それで、今の話の続きだが、みんなに伝えるのはおすすめしないよ」
ガロード「アイツのことはよく知ってるけど…生徒に事実を知られたら、何をするかわからないからな…」
ハルト「確かにそうか…」「でも…なんとかしたいんです」
ショーコ「うん。諦めたくない…!」
ラルク「…現状は明らかに不利だぞ」
ハルト「え?」
ラルク「冷静になってみてくれ。ヴァルヴレイヴも取られて、戦う力もない」「諦めたほうが楽になれることだってある…。みんな、あがき続けられるほど強くないんだ。君たちはどうしてそこまで…」
ハルト「どうして…かな? 戦わなくていいんだったら、戦いたくない。でも…大切な人たちを守りたい。だからかな」
ラルク「君たちは諦めないのか…こんなに絶望的な状況でも…」
ショーコ「絶望的な状況を打ち破るのは、自分の力を最後まで信じるかどうかだよ! その心が、本当の力になれるんだと思う!」
ハルト「ショーコ…」
ラルク「………」(あれ…なんか似たようなことを誰かが言っていた気がする…)(確か、あれはまだ私が…)
キューマ「それじゃ、行動を起こすとして…具体的にはどうしようか?」
エルエルフ「プランなら俺が出そう」
ハルト「!?」
【シナリオデモ終了】


[迫る危機]
【シナリオデモ開始】

ハルト「エルエルフ…」
ショーコ「あ、あなた! この前の!」
エルエルフ「戦える者だけ来い。俺のプランを話してやる」
ハルト「お前の力は借りない…」
エルエルフ「ならば、俺はここで情報を垂れ流すだけだ」
万丈「…話を聞くだけ聞こうじゃないか」「ただ、ショーコ君たちに血なまぐさい話を聞かせるのは忍びないね」
ショーコ「いえ、大丈夫ですよ! 私たちは…」
ゼクス「いや、悪いが外してくれ。これは教師としての立場からの願いだ」
ショーコ「…! はい。わかりました」
〔歩き去る足音〕
万丈「人払いは済んだよ。本題といこうじゃあないか」
エルエルフ「今すぐオルバの部下に乗り移れ」
ハルト「え…」
ガロード「お前、またそんなことを!」
エルエルフ「猶予は27分間しかない。42分後に、敵の突入が始まる」「その15分前には軍からの迎えがやってきて5分前には、オルバはモジュールから脱出を完了しているだろう」「その間に被害なくヴァルヴレイヴを奪取するならお前のその乗り移る力を使い、オルバの小隊を内部から瓦解させるしか方法はない」
ハルト「僕の…力…」
ガロード「その後はどうするんだよ…?」
エルエルフ「その後は、お前たちの機体を使い、モジュールを包囲しているドルシア軍のメガノイドを叩く」「向こうの態勢が整う前であれば、あれだけの機体が揃ってるんだ。負けるわけがない」
ガロード「それより、俺たちの機体でオルバたちを捕まえれば…」
エルエルフ「20人の師匠がでるプランか。俺はそちらでも構わない」
ガロード「ぐっ…」
ハルト「………」
エルエルフ「俺の提案したプランは、お前たちの中でも思いついていた者がいるはずだ」
アマタ「…え?」
万丈「………」
エルエルフ「大方、時縞ハルトの嫌悪感を考慮してなのだろうが…」「人道的観点から有益な作戦を場外するなど、俺から見れば下策の極みだ」
万丈「…確かに、その通りだね」
エルエルフ「………」
ガロード「だけどよ! 俺たちが上手くやれば、お前が言う死傷者20人ってのも防げるかもしれないだろ!」
ハルト「…ありがとう、ガロード。でも、僕は決めた」
ガロード「ハルト…」
ハルト「呪われた力を使っても、みんなを助ける」「それに…このプランなら、師匠はひとりも出ない。そうなんだろ?」
エルエルフ「ああ」
ハルト「なら、あとはできることをただやるだけだ」
ラルク(なんでそこまで立ち向かえるんだ…? 私は…私はどうだ?)(戦う前に力も存在意義も失って…あいつらの背中を見てるだけしかできなかったのに…)
エルエルフ「ではすぐに始めるぞ。こうして話している間にも1分半も過ぎている」
ハルト「わかったよ。でも、さっき試したときは乗り移れなかったんだ」「直接肌を噛まないといけないのかもしれない」
エルエルフ「ならば俺を噛めばいいだろう。すぐにやれ」
ハルト「…わかった」
〔噛み付く音〕
〔人の倒れる音〕

ハルト(エルエルフ)「…やっぱり、直接肌を噛まなきゃいけないのか」
アマタ「ハルト…ごめん。こんな時に、俺は力を貸せない…」
ハルト(エルエルフ)「…一緒に戦ってくれる。それだけで、どれだけ心強いかわからないよ」
アマタ「ハルト…」
ハルト(エルエルフ)「大丈夫。誰も殺させないはしない!」「…よし、いくぞ!」

〔通信のコール音〕
オルバ「なんだ。通信での報告は最小限にしろと言ったはず…」
ドルシア兵(画面オフ)「オルバ大尉! ヴァルヴレイヴが奪われ…ぐあっ!?」
〔銃声〕
オルバ「おい、どうした!?」
ドルシア兵(画面オフ)「仲間が裏切り…ぐああああ!」
〔銃声〕
オルバ「何が起こっている…!」
【シナリオデモ終了】

【戦闘マップ開始】

ガロード「出た! 宇宙だぜ!」「でも…」
ハルト「な、なんて数の敵…この数がモジュールに攻め込んだら…!」
ゼクス「無理は承知! いくぞ!」

トロワ「オルバは失敗したようだな…」
シャギア「弟の責任は私がとろう。私はヴァルヴレイヴを分断する。他の機体は任せるぞ、トロワ、ウーフェイ」
五飛「了解した」

トロワ「…!」
五飛「どうした?」
トロワ「カルルスタイン機関が動くようだ」
五飛「…そうか。ならば退くぞ」
【戦闘マップ終了】

【シナリオエンドデモ開始】

万丈「まいったね。数の暴力に負けるつもりはなかったんだが、まんまとハルト君から離されてしまった」
ガロード「射線も上手く取れないし、サテライトキャノンは使えない…! ゼクス、そっちはどうにかなりそうか!?」
ゼクス「弱音を吐くつもりはないが、モジュールを守りながらでは時間がかかることは否めないな…!」
ガロード「ああ、もう! 早くハルトのとこにいかねえとヴァルヴレイヴが止まっちまうじゃねえか!」

シャギア「我が弟を返してもらおうか!」
〔爆発音〕
〔画面、フラッシュ〕

ハルト「くっ…! 弟を返せって…なんの話を…」
エルエルフ「オルバ・フロストがいる区画を俺が封鎖した。盗聴されていたか何かで、シャギア・フロストに伝わったんだろう」「オルバを野放しにすれば生徒が人質に取られるだけだからな」
ハルト「全て計算済みってわけか…」
〔爆発音〕
〔画面、フラッシュ〕

シャギア「どこを見ている!」
ハルト「まずい…また温度が…!」
エルエルフ「さあ、どうする時縞ハルト。俺ならその状態から助けてやることが可能だ」
ハルト「僕の力だけで乗り越えるっていったはずだ…!」
エルエルフ「俺の手を取れ、時縞ハルト」
ハルト「………」
エルエルフ「もう一度サインを出してやる。だが、選択肢で悩めば悩むほどお前の大事なものが手のひらから零れ落ちるぞ」
ハルト「コイツの手を取る?  取らなきゃ勝てないのか? いや、そんなこと…!」
〔システムダウンの音〕
〔軍の警報〕

ハルト「しまった…! 限界か!?」
【シナリオエンドデモ終了】


[差し出される選択肢]
【シナリオデモ開始】

ハルト「動け…動け!」
エルエルフ「いい加減に諦めろ。言っただろう。お前は俺を頼るしかない」
ハルト「くっ…いや、まだだ! 呪いの力を使ってでも、僕が守るって決めたんだ!」
〔爆発音〕
〔画面、フラッシュ〕

ハルト「ぐっ!!」
アマタ「ハルトッ!」「くそ…見てるだけしかできないのか!」
ラルク「見てるだけ…。そうだ…私は戦う力を失って、見てるだけしかできなかった…」「だから諦めたんだ…。自分にできることはもうないから…」
〔爆発音〕
〔画面、フラッシュ〕

ハルト「ぐあっ!!」
ラルク「…やめろ。もうやめろ!」
ハヤト「ラルク…?」
ラルク「もういいじゃないか! お前はよくやったよ!」「人間じゃなくなっても、おかしな力を手に入れても、気味悪がられてもお前は頑張ってたじゃないか!」
ハルト「…だからって、諦めることなんてできない」
ラルク「どうして…」
ハルト「僕は一度、手放しかけたから。もう二度と…手放したくないから!」
ラルク「…!」「だけど、もう動けないのに…」
ハルト「ショーコも言ってたじゃないか…。自分の力を最後まで信じるかどうかだ、って!」「だから僕も信じるんだ! 誰かの力じゃない…自分自身の力を!」
ラルク「あ…」
????(画面オフ)「なぜならば…! 自分の力を最後まで信じる者にこそ、真の力が宿るからです!」
ラルク「思い出した…」
????(画面オフ)「本物のノノリリは…! 心にバスターマシンをぐぉ持っているのだから!!」
ラルク「なんで…忘れていたんだ…」
ハルト「だから、僕は戦う…!」
エルエルフ「虚勢はいいが、いい加減にしないと死ぬぞ」
ハルト「くっ…」
ラルク「そうだ…そうだよ」「叫んでる…あいつを助けたいって。私の心のバスターマシンが…そう叫んでるんだ!!」
〔発光音〕
〔画面、フラッシュ〕

????(画面オフ)「その言葉を待っていました、お姉様!」
ラルク「!?」
〔光の放出音〕
〔画面、発光〕

バスターマシン7号(画面オフ)「お姉様の熱い心…ノノはようやく感じとることができたのです!」
〔発光、収束〕
ラルク「ノノ…ノノなのか!?」
バスターマシン7号「そしてノノは、ようやくお姉様を迎えに来ることができたのです!」
アマタ「な、なんでノノがここに!?」
ミコノ「アマタ君、あれを見て!」
ゼシカ「アマタ、ミコノ!!」
カグラ「本当に彼方に行っちまいやがって! 迎えに来てやったぜ!」
アマタ「ゼシカ! カグラまで!?」
バスターマシン7号「いきましょう。お姉様の熱い心を取り戻してくれた方を救いに! ディスヌフも首を長くして待っています!」
ラルク「…ああ!」
カグラ「俺たちもいくぞ、アマタ!」
アマタ「カグラ…わかった!」「ミコノさん、ごめん。ちょっと行ってくる…友達を助けに!」
ミコノ「うん!」
アマタ「いくぞ、GO! アクエリオォォン!」
【シナリオデモ終了】

【戦闘マップ開始】

ガロード「すげえ…! あいつらもやるじゃねえか!」
ゼクス「包囲網が崩れ始めた。今なら攻勢に転じることができる!」
万丈「僕らも負けてられないね!」

シャギア「ぐっ…! おのれ…!」
ラルク「時間は火星でやったぞ! 後はお前次第だ、ハルト!」
ハルト「ありがとう…みんな!」
アマタ「いけええええええ! ハルトォォォォォ!」
ハルト「うおおおおおおおっ!!」
〔光の放出音〕
〔画面、発光〕

シャギア(画面オフ)「…!!」
【戦闘マップ終了】

【シナリオエンドデモ開始】

シャギア「くっ…右腕、右足が損傷か…避けるので精一杯とは…恐ろしいエネルギーだった…」
カイン「シャギア大尉ともあろう者が苦戦しているようだな」
シャギア「…カイン大佐、今は戦闘中です。余計なノイズは作戦の失敗を招きますよ」
クリムヒルト「フロスト大尉! 大佐に向かって…」
カイン「良い。クリムヒルト」「シャギア大尉、私も別に用もなく通信を入れたりはしない」
シャギア「なに?」
カイン「カルルスタイン機関の人間をそちらに送った。共闘してヴァルヴレイヴ拿捕に努めて欲しい」
シャギア「…!」
カイン「ブラッドマン卿の了解は得ているよ。それではよろしく頼む」
〔通信の閉じる音〕
シャギア「…カインめ」

アードライ「エルエルフ…! 何故俺を撃った! 何故裏切った!」
ハーノイン「落ち着けよ、アードライ!」
クーフィア「これって、ヴァルヴレイヴをボコボコにする最高のチャンスだよねぇ…!!」
イクスアイン「クーフィア、前に出すぎだ!」
万丈「あれはカルルスタイン機関の…! まさか、ヴァルヴレイヴに隙が生まれるのを待っていたとでもいうのか!?」
ガロード「やべえ! ハルトの奴、あのままじゃ…!」
アマタ「カグラ! ベクターマシンに…!」
カグラ「だめだ、それでも間に合わねえ!」
ラルク「ハルトォォォォォ!!」
ハーノイン「悪いけど、その機体はもらっていくぜ!」
ハルト「くっ…」
〔爆発音〕
〔画面、フラッシュ〕

アードライ「ぐぅっ!?」
ハーノイン「なんだ、攻撃だと!? 後ろから!?」
トロワ「………」
シャギア「トロワ…貴様!」
クーフィア「…後ろから狙うんだ!? お堅い奴かと思ってたけど、卑怯なこともするんだねぇ!」
五飛「卑怯で結構だ!」
イクスアイン「ウーフェイ!?」
トロワ「五飛「こちらは残弾を気にせずにいく」
五飛「良いだろう。フォローはしてやる!」
〔爆発音〕
〔画面、フラッシュ〕

アードライ「くそっ…! まだだ、俺はエルエルフに…!」「何故だ、エルエルフ!」
イクスアイン「アードライ、作戦は失敗だ。退くぞ!」
アードライ「何故だぁああああああ!」

アキラ「さっきの戦闘の動画と…これも拡散…っと…」

トロワ「勝手な行動を取ってすまなかった。だが、今ヴァルヴレイヴが奪われればモジュールごと爆破されかねんと思ったのでな」
五飛「もう少し潜伏していたかったが…。ドルシアには…いや、カインには俺の思惑がバレていたようだな」「でなければ、カルルスタイン機関の虎の子を旧式機体で出撃させるはずがない」
トロワ「俺たちが行動を起こすように仕向けられたということか」
ゼクス「いや、いずれにしてもいい判断だった」
ハルト「あの人たち、ガロードの仲間だったんだ…」
ガロード「俺も知らなかったけどな。知ってたのはゼクスと万丈くらいだよ」
サキ「とにかく、これで一段落ね」
エルエルフ「いや、一段落はしない。状況は何も変わってないからな」
ガロード「エルエルフ…!」
エルエルフ「SNSにも情報がアップされたが、他のモジュールの包囲が終わったようだ。お前たちは家族を人質に取られたな…」
ショーコ「………」
ハルト「また…コイツの言う通りに…」「いや、違う!」「確かに、僕たちが生き残るためにはお前の手を取った方が良いのかのしれない。でも、悲しむ人もきっと増える」
エルエルフ「………」
ハルト「だから、僕はお前の手は取らない!」
エルエルフ「それで本当にここだけでなく家族も救えると?」
ショーコ「大丈夫…。家族には指一本触れさせない!」
エルエルフ「何…?」
ショーコ「こっちも脅そう! 私たちの家族に手を出したら今ここにある戦力をARUSに渡しますって!」
エルエルフ「…!」
万丈「なるほど…僕たちの力は戦局を左右する重要な鍵になる」
ゼクス「この戦力を人質として発表する、か。発想の転換だな」
ハルト「いける…それはいけるよ、ショーコ!」
ショーコ「うん! 私たちは今から独立するのっ! この学校はドルシアともARUSとも対等の、独立国に!」
トロワ「フ…。上にとっては、どう処理するべきか頭が痛い事案だろうな」
万丈「さすがのレディも、この事態は想定していなかっただろうしね」
アマタ「はは…」
カグラ「アマタ、お前はどうするんだ?」
アマタ「みんなさえよければ、俺はもう少しこの世界に残ろうと思う」
ミコノ「私もアマタ君と同じ気持ち。だって、みんなのことを救っておけないもの」
ゼシカ「あんたたちが言うんじゃ、しょうがないね」
ノノ「もちろん、お姉さまもですよね?」
ラルク「ああ。私にもできることがあるからな!」
ハルト「みんな…ありがとう…ありがとう!」
エルエルフ「何なんだ奴らは…何故計算が合わない…」「フフ…何だこの感覚…? フフフ…ハハハッ…! 久しぶりだ、笑ったのは…!」「良いだろう…お前たちの行く末、全て計算してやろう。面白くなってきた…!」
【シナリオデモ開始】


● 強敵イベント「革命の選択肢」


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