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オリーヴ冥王記
[14番目の13]
【シナリオデモ開始】
オリーヴ「はぁ…」
ベルタ「どうした溜め息なんかついて。嫌いな食べ物でも入っていたのか?」
オリーヴ「いえ、そうじゃなくて…」「新年の挨拶の時に、偉い人たちに言われちゃったじゃないですか。私たちに足りないモノがあるって…」
カタリーナ「そういえば、そんなこと言ってましたね」
オリーヴ「それがどうしても気になっちゃって…」
アヤメ「いますぐに答えを出せという類のものではなかったはずですが?」
オリーヴ「足りないモノがあるって言われたら、気になっちゃいませんか?」
ベルタ「気にならんな。我には足りないモノなど存在せん!」
カタリーナ「へぇ、そうなんですか」
ベルタ「…おい、カタリーナ。どこを見ながら言っている…」
オリーヴ「はぁ…」
アヤメ「どうやら、重症のようですね…」
カタリーナ「気にしなくて大丈夫ですって。どうせ、適当にそれっぽいことを言いたかっただけですから」
オリーヴ「そうなんですか?」
ベルタ「いや、さすがにそれはないだろ…」
カタリーナ「だいたい、欠けてる部分も個性じゃないですか。それを消そうっていうのはどうなんですかね?」
アヤメ「その個性が強すぎるので、直せと言われている気がするのですが」
カタリーナ「ほへ~?」
ベルタ「いつまでも考えていても仕方あるまい。さっさと食事を済ませて、訓練を開始するぞ」
オリーヴ「はい…」
ベルタ「………」
【シナリオデモ終了】
【シナリオエンドデモ開始】
ベルタ「オリーヴよ。自分に足りないモノは見つかったのか?」
オリーヴ「いっぱいあるのはわかるんですけど、どれかと言われると…」
ベルタ「そんなに自分を卑下することはないと思うがな」
オリーヴ「このまま見つからなかったら、私クビになっちゃうんじゃないでしょうか?」
ベルタ「さすがにそれはないだろ」「…ないよな?」
オリーヴ「そうだといいんですけど…」
ベルタ「こ、困るぞ、クビになったら! クビになったらダメだからな!」
オリーヴ「ダメと言われても、私の力ではどうにも…」
ベルタ「自分の力で見つけた方がいいと思っていたが、こんな状況では仕方があるまい…」「オリーヴに足りないモノを、我が教えてやろう!」
オリーヴ「わかるんですか!?」
ベルタ「当然だ。この冥王13柱がひとりである、我にわからないものなど存在しない!」
オリーヴ「わかるなら教えてください。あたしに足りないモノを!」
ベルタ「オリーヴ、お前に足りないものはズバリ…」
オリーヴ「ズバリ…」
ベルタ「個性だ!」
オリーヴ「個性、ですか…?」
ベルタ「アヤメはメシマズ、カタリーナはだらしがない、我は完全無欠と個性に溢れている」「だが、お前はどうだオリーヴ。なにか個性があるのか?」
オリーヴ「特にない…ですかね…」
ベルタ「そうだろう。だが、安心しろ。それも今日この時までの話!」
オリーヴ「は、はあ…」
ベルタ「これからお前は冥王として覚醒し、13柱の一角として君臨するのだ!」
オリーヴ「う、うーん? でも、私が入ると冥王14柱になっちゃんじゃないですか?」
ベルタ「安心しろ。冥王13柱がひとり、木の冥王スリリルムが肺炎で入院している」「オリーヴはその空席に入るがいい」
オリーヴ「冥王なのに肺炎で入院しているんですか…?」
ベルタ「ああ、病とは恐ろしいものだ…。お前も気を付けるんだぞ、オリーヴ」
オリーヴ「病気は置いといて、見つからないモノを探すためには、思い切って視点を変えてみた方がいいかもですね」「わかりました、やってみます!」
ベルタ「では、早速儀式の用意に取りかかるとするか」
オリーヴ「儀式ですか?」
ベルタ「ああ、冥王になるための儀式を執り行う。服を着替えて、裏山に往くぞ!」
【シナリオエンドデモ終了】
[暗き炎が身を焦がす]
【シナリオデモ開始】
オリーヴ「…結構、登って来たと思うんですけど、まだ着かないんですか?」
ベルタ「いや、もう着いた。あれが目的の場所だ!」
オリーヴ「あれ…」「もしかして、あの黒い犬小屋みたいなのですか?」
ベルタ「犬小屋ではない! あれは冥王の祠だ!」「木材を切ったり色を塗ったりして、作るの大変だったんだぞ!」
オリーヴ「ベルタさんが作ったんですか?」
ベルタ「ッ!?」「…し、知らんな。旧き民たちが建てたのだろう…」
オリーヴ「いま、作るのが大変だったって…」
ベルタ「うるさいうるさい! さっさと儀式を始めるぞ!」
オリーヴ「その儀式についてなんですけど、具体的になにをするんですか?」
ベルタ「おっと、説明するのを忘れていたか」「冥王となる資格を得るために、我以外の11柱をこれから呼び出す。生贄の儀式をすることでな」
オリーヴ「生贄…」
ベルタ「そうだ。奴らの好物である、血と魂を捧げるのだ」
オリーヴ「あの、ちょっとそういうのはあんまり…」
ベルタ「なにを怖じ気づいているのだ、オリーヴ! お前のクビがかかっているのだぞ!」
オリーヴ「だからって、生贄はやり過ぎなんじゃ…」
ベルタ「折角用意したのだ、さっさとコイツらを捧げろ!」
オリーヴ「こ、これは…!」
ベルタ「生贄といえば、ニワトリとウサギと相場は決まっておる」
オリーヴ「可愛い~! どうしたんですか、このヌイグルミ!?」
ベルタ「クゥ~クックックッ! 我が縫ったに決まっているだろう」
オリーヴ「ベルタさん、ヌイグルミも作れたんですね。今度、作り方を教えてください」
ベルタ「よかろう。我が技術を伝授してやる…」「って、違ぁぁぁぁうッ! コイツらはヌイグルミではなく生贄だ! とっととこのナイフで殺せ!」
オリーヴ「え~!? こんなにカワイイのに!」
ベルタ「うるさい! 早くやれ!」
オリーヴ「やるって決めてここまで来たんですもんね…。ごめんなさい、ニワトリさん!」
〔画面、フラッシュ〕
ベルタ「ぐさー! コ…コケコッコー…。ガクッ」
オリーヴ「…あのそういうのやめてもらえますか?」
ベルタ「なにを言っているのかさっぱりわからんな。ほら、ウサギもやれ」
オリーヴ「うー! ごめんなさい!」
ベルタ「ぐさー! こ…子供たちよ…強く生きる…ぴょん…」
オリーヴ「ホントにやめてくださいよ! 罪悪感が凄いじゃないですか!」
ベルタ「これくらい非情にならなくては、冥王になどなれんのだ!」「そして、中身の綿…じゃなかった、臓物を祠に撒き、この蝋燭に暗き炎を灯す…」
オリーヴ「わあ、綺麗。紫色の炎なんてできるんですね」
ベルタ「炎色反応というヤツだ。塩化カリウムを燃やせば、こういう色になる。って、違うと言ってるだろうがッ!」
オリーヴ「なんで怒られたんですか私?」
ベルタ「と、とにかく、あとはオリーヴの二つ名を決めれば、お前も晴れて冥王13柱の一角になれるぞ!」
オリーヴ「二つ名ですか?」
ベルア「13柱全員に〇〇の冥王と、二つ名がついておるのだ」
オリーヴ「へえ、そうなんですね。じゃあ、格好いいのをお願いします」
ベルタ「うむ、任せておけ!」「オリーヴな、オリーヴと言えば…。普通のオリーヴ…?」
オリーヴ「やっぱり私って個性がないんですね…」
ベルタ「待て、すぐに考えるから! オリーヴだろ! オリーヴと言えば…!」「…笑顔?」
オリーヴ「ううっ…」
ベルタ「なしなし! いまのなし!」
オリーヴ「………」
ベルタ「今度はなんの顔だ?」
オリーヴ「あの、ヌイグルミと祠が燃えてるんですけど…」
ベルタ「え…?」
〔炎の音〕
ベルタ「わー!? 蝋燭が倒れたのか!」
オリーヴ「このままじゃ、ニワトリさんが、フライドチキンになっちゃいます!」
ベルタ「言ってる場合か! すぐに火を消し止めるぞ!」
【シナリオデモ終了】
【シナリオエンドデモ開始】
ベルタ「はぁ…はぁ…。なんとかボヤですんだな…」
オリーヴ「はい…。火の扱いには気を付けましょう…」
ベルタ「ああ、火は危険だ…」「そうだ…。オリーヴの二つ名は黒灰にしよう。黒灰の冥王オリーヴだ」
オリーヴ「完全にボヤからきてるじゃないですか…」
ベルタ「気にいらんか…。では、無色の冥王ではどうだ?」
オリーヴ「黒灰でいいです…」「でも、これで冥王13柱のひとりになれたんですね」
ベルタ「馬鹿者ッ!」
オリーヴ「ええ~!?」
ベルタ「冥王13柱にそう簡単になれると思うな! お前など、まだ新米冥王だ!」
オリーヴ「あ、そうなんですか?」
ベルタ「そうなのだ! お前はスタートラインに立っただけに過ぎん!」「これより『幽玄の四試練』に挑み、真の冥王として覚醒しなければならんのだ!」
オリーヴ「なるほど、そういうシステムなんですね」
ベルタ「では施設へと帰るぞ、オリーヴ!」
オリーヴ「あれ? 帰っちゃうんですか?」
ベルタ「もうすぐ日が落ちて、辺りが真っ暗になるからな」
オリーヴ「それは戻らないとですね。怖いですから」
ベルタ「ああ、怖いから戻ろう」
【シナリオエンドデモ終了】
[幽玄の四試練]
【シナリオデモ開始】
ベルタ「日を跨いでしまったが、これより幽玄の四試練を執り行なうぞ!」
オリーヴ「あのあと、疲れて眠っちゃいましたからね…」
ベルタ「ボヤ騒ぎでかなり体力を使ってしまったな…。って、そんなことはどうでもいい!」「まずは、第一の試練。『回転する舌疾』だ!」
オリーヴ「…物々しい名前ですけど、いったいなにをするんですか?」
ベルタ「冥王たる者、いつ何時でも呪文や技名を叫ばなければならない」「そのために、早口言葉を練習するのだ!」
オリーヴ「早口言葉ですか。それなら、私にもできそうです」
ベルタ「嘗めてかかると痛い目に遭うぞ? 舌だけにな!」
オリーヴ「………」
ベルタ「舌だけにな!」
オリーヴ「あ、はい…」
ベルタ「では、これを素早く読んでみせよ!」
オリーヴ「カエルぴょこぴょこ3ぴょこぴょこ、合わせてぴょこぴょこ6ぴょこぴょこ、ですね。覚えました、ではいきます!」「カエルぴょこひょこ3ひょこぽこ、合わしぇてぽこぽこ6ぽこひょこ!」
ベルタ「失格ッ!」
オリーヴ「あれ? いけると思ったんですけど…」
ベルタ「試練を失敗したお前には、死の懲罰を受けてもらおうか」
オリーヴ「死!? そんなの聞いてないんですけど!?」
ベルタ「真の冥王になるための試練なのだ。ペナルティーがないはずがあるまい」「さあ、早く舌を出せ」
オリーヴ「舌…? こうれふか?」
ベルタ「その舌を、この洗濯バサミで挟んでくれるわ!」
〔物音〕
〔画面、フラッシュ〕
オリーヴ「いふぁい! いふぁいれすよ~!」
ベルタ「クゥ~クックックッ! この試練の恐ろしさを、ようやく実感できたようだな」
オリーヴ「ほんなのあれもれきれませんよ~」
ベルタ「なんだって…?」
オリーヴ「あれもれきないって、いってるんれふ~!」
ベルタ「なにを言ってるのかわからんから、洗濯バサミを外して喋れ…」
オリーヴ「ぷはっ! こんなの誰もできないって言ってるんです!」
ベルタ「誰もできないとは笑わせてくれる。我にとっては造作もないことよ」
オリーヴ「だったら、お手本を見せてくださいよ」
ベルタ「いいだろう。我が雄姿をとくと見ておけ!」「カエルふぉこふぉこ3ふぉこふぉこ。合わせてふぉこふぉこ6ひょこふぉこ!」
オリーヴ「全然駄目じゃないですか!」
ベルタ「ま、真て! 今のは舌の調子が悪かった! もう1回やらせてくれ!」
オリーヴ「早くベロを出してください!」
ベルタ「ううっ…」
オリーヴ「死の懲罰!」
〔物音〕
〔画面、フラッシュ〕
ベルタ「…いらい」
〔歩み寄る足音〕
カタリーナ「楽しそうですね、その遊び。私も参加していいですか?」
ベルタ「あふぉひあない! これは、しれんら!」
カタリーナ「ベルタの舌にいくつ洗濯バサミをつけられるか、それを競うゲームなんですよね? よし、頑張っちゃいますよ」
ベルタ「ぷはっ! 遊びじゃないと言っているだろうが!」
カタリーナ「言ってましたっけ? それで、なにをしてるんですか」
オリーヴ「実は、かくかくしかじかということでして」
カタリーナ「早口言葉ですか。私でもできちゃいそうですね?」
ベルタ「いや、絶対に無理だろ…」
カタリーナ「そんなことないですって」
ベルタ「なら、やって見せてみろ!」
カタリーナ「カエルぴょこぴょこ3ぴょこぴょこ。合わせてぴょこぴょこ6ぴょこぴょこ」「ほら」
オリーヴ「スゴい! 言えちゃいました!」
ベルタ「ええ!? なんでだ!」
カタリーナ「では、私もベルタに洗濯バサミを」
〔物音〕
〔画面、フラッシュ〕
ベルタ「いふぁい!?」
カタリーナ「思った通り、最高に楽しいですね」
ベルタ「おほえてろほ、カファリーファ!」
オリーヴ「大変! もう訓練の時間ですよ! 早く行かないと!」
カタリーナ「アヤメがうるさいですからね。急ぐとしますか」
オリーヴ「はい!」
【シナリオデモ終了】
【シナリオエンドデモ開始】
オリーヴ「早口言葉の試練はクリアしましたけど、次はなんの試練をやるんですか?」
ベルタ「早口言葉の試練ではなく、回転する舌疾な」「まあいい、次なる試練はこれ! 『破砕の慟哭』だ!」
オリーヴ「瓦が積み上げられているということは…!」
ベルタ「冥王たる者、全てをねじ伏せる力が必要だからな。素手でこの瓦を全て割るのだ!」
オリーヴ「やっぱり!」
ベルタ「どうした、怖じ気づいたか?」
オリーヴ「いえ、頑張ります。私は立派な冥王になると誓ったんです!」
ベルタ「ん? 何か目的が変わっている気がするが、まあいいだろう!」
オリーヴ「瓦だって、全力でガツンとやっちゃいます!」
ベルタ「その意気やよし! ガツンとやってやれ!」
オリーヴ「いきます! ガツン!」
〔殴打音〕
〔画面、フラッシュ〕
オリーヴ「痛っったぁぁぁい!」
ベルタ「なにをやっているのだ…。1枚も割れてないではないか」
オリーヴ「この瓦、硬すぎじゃないですか…?」
ベルタ「瓦の硬さなど、どれも変わらんだろうが」
オリーヴ「いやいや、絶対に硬いですって。ベルタさん、やってみてくださいよ」
ベルタ「死の懲罰を避けたくて、適当なことを言ってるのではあるまいな?」
オリーヴ「そんなことないですって」
ベルタ「わかったわかった。我が手本を見せてやるとするか」「いくぞ! 冥王白撃・桜金掌!」
〔殴打音〕
〔画面、フラッシュ〕
ベルタ「ッ!?」
オリーヴ「だ、大丈夫ですか…?」
ベルタ「痛い…」
オリーヴ「ベルタさんも割れてないじゃないですか。やっぱりこの瓦が硬すぎますって…」
ベルタ「そんなはずはない! 割れやすいって書いてあったもん!」
オリーヴ「でも、実際に割れてないですよ?」
ベルタ「割ってやる、割ってやるぞ! てりゃ! てりゃ!」
オリーヴ「ベルタさん危ないですよ。そんな木の棒で瓦を叩いたりしたら…」
〔歩み寄る足音〕
アヤメ「ようやく見つけました」
オリーヴ「アヤメさん。どうしたんですか?」
アヤメ「整備員さんに言われて、ベルタを呼びに来たのですが…」
ベルタ「この! この!」
アヤメ「…なにをやっているのですか、ベルタは?」
ベルタ「見ればわかるだろ! 瓦を割ろうとしているのだ!」
アヤメ「なにをしているのですか、あなたは…」「そんなやり方では、いつまで経っても瓦は割れませんよ」
ベルタ「そんなことはない!」
アヤメ「ほら、貸してみてください」
〔歩み寄る足音〕
ベルタ「む、むう…」
アヤメ「いきます…!」「てりゃああああ!」
〔打撃音〕
〔画面、フラッシュ〕
オリーヴ「割れた!?」
ベルタ「ええ~!?」
アヤメ「瓦というのは、こうやって割るのです」
ベルタ「お、おう…」
アヤメ「では行きますよ、ベルタ」
〔歩き去る足音〕
ベルタ「アヤメには逆らわない方がよさそうだな…」
オリーヴ「そうですね…」
【シナリオエンドデモ終了】
[冥王誕生]
【シナリオデモ開始】
オリーヴ「むーっ!」
ベルタ「どうだ、第三の試練『突き刺さる雷撃』は。さぞや辛かろう?」
オリーヴ「ただ、正座をしているだけですけどね…」
ベルタ「この試練を受けながら、まだそんな口が利けるとは驚きだな」「だが、これでもまだ同じことが言えるかな? つんつん!」
オリーヴ「うひゃ!?」
ベルタ「どうだ、この雷撃の味は!」
オリーヴ「邪魔してくるなんて、ヒドいです!」
ベルタ「ただ1時間正座しているだけのような、生やさしい試練のわけがあるまい。雷撃に耐えてこそ、試練よ!」「ほれ! ほれ!」
オリーヴ「ううっ…!」
ベルタ「連打だ、連打しちゃうぞ! つんつんつんつん!」
オリーヴ「うひぃ!?」
ベルタ「冥王たる者、辛苦に耐え、常に王としての威厳を保たねばならない! さあ、耐え続けるのだ、オリーヴ!」
オリーヴ「………」
ベルタ「ん? どうした? さすがにちょっとやり過ぎたか…?」
オリーヴ「…冥王になるんです。この程度の児戯で動揺してる場合ではありません」
ベルタ「…なに?」
オリーヴ「フッ…」
ベルタ「オ、オリーヴ…?」
〔ハッチの開閉音〕
アヤメ「そろそろ訓練の時間ですよって…まだ遊んでいたのですか?」
ベルタ「お、おう、もうそんな時間か」
アヤメ「ほら、ふたりとも早く着替えて下さい。遅れてしまいますよ」
オリーヴ「ちょ、ちょっと待ってください…。あ、足が…」
アヤメ「足がどうしたのですか?」
オリーヴ「さ、触っちゃ…ひあ!?」
アヤメ「む? どこか怪我でも?」
オリーヴ「怪我じゃない、怪我じゃないですか…。触らない…うひぃ!?」
アヤメ「むむむ?」
ベルタ(先ほどのオリーヴは…。いや、我の気のせいか…)
【シナリオデモ終了】
【シナリオエンドデモ開始】
ベルタ「な、なあ、やめておかないか…?」
オリーヴ「なんですか? 素敵じゃないですか、降霊術」
ベルタ「素敵か!? 本当に素敵か!?」
オリーヴ「ほら、静かにしてないとダメですよ、みんなの声が聞えないですから…」
ベルタ「みんなって誰!? 我とオリーヴのふたりしかいないよね!?」
〔ノックの音〕
ベルタ「誰だ、扉を叩いたのか!?」
オリーヴ「…どうやら、来てくれたみたいですね」
ベルタ「誰が!?」
オリーヴ「久しぶりですね、おばあちゃん。元気でしたか?」「って、もう亡くなってるんでしたね。ふふふ…」
ベルタ「ひぃぃぃぃぃ!?」
オリーヴ「彼女はベルタさん。とっても良くしてもらってるんですよ?」
ベルタ「おばあちゃんに紹介しなくていいから!」「も、もう無理だ! 我はここから脱出するぞ!」
オリーヴ「…無駄ですよ」
ベルタ「開かない!? なんで、ドアが開かないんだ!?」
オリーヴ「まだ、試練の途中じゃないですか。ちゃんと皆さんとお話しないと」
ベルタ「やだぁぁぁ! お話したくないぃぃぃぃ!」
オリーヴ「さすがは冥王ですね。皆さん、ベルタさんのこと気に入っていますよ?」
ベルタ「あばばばばっ」
オリーヴ「私も早くベルタさんのような、真の冥王になりたいです」
ベルタ「なった! もうなったから! だから、ここから出してくれ~!」
オリーヴ「あはっ。ようやく認めてもらえました。これで私も、冥王13柱の一員ですね」
ベルタ「もうやだ…もう、やだよぉ…。ひく…ひっく…」
オリーヴ「あはっ、あははははは!」
【シナリオエンドデモ終了】
[冥王決戦]
【シナリオデモ開始】
ベルタ「ううっ…、ひとりでお手洗いに行けそうにない…」「お前のせいだからな! ちゃんとついてくるんだぞ、オリーヴ!」
オリーヴ「はい」
ベルタ「しかしこれで、オリーヴの悩みは解決されたな。冥王という属性を活かし、精進するが良い」
オリーヴ「すみません…。冥王になったことで、新しい悩みが出てきちゃったんです…」
ベルタ「なんだと?」
オリーヴ「冥王って、13人もいるじゃないですか。でも、私はひとりでいいんじゃないかなって思うんですよね」
ベルタ「…なにを言ってるんだ、お前は」
オリーヴ「つまりですね…」「妾以外の冥王は、不必要だと言っているのだ」
ベルタ「こ、こいつまさか…!?」
オリーヴ「うぬには感謝しているよ。妾を呼び起こしてくれたのだからな」
ベルタ「色んな意味で覚醒してしまったのかッ!?」
オリーヴ「その礼を込めて、うぬを一番先に斃してやるとしよう」
ベルタ「ふざけおって! 新米冥王が、偉そうな口を叩く!」
オリーヴ「順序に拘るとは小さきことよ」「力ある者が上に立つのがこの世の理。なれば、この力を以てうぬを屈服させてやろう」
ベルタ「その思い上がりを我が叩き伏せてやるわ! かかって来い、オリーヴッ!」
オリーヴ「真の冥王の力、その身に刻んでくれるわ!」
【シナリオデモ終了】
【シナリオエンドデモ開始】
ベルタ「手こずらせおって…」「だが、これではっきりとしたな。真の冥王が誰であるのかが」
オリーヴ「そのようだな…」
〔機体の稼働音〕
ベルタ「なに!?」
オリーヴ「この程度の実力しかないとはな。やはり、妾以外の冥王は不必要なようだ」
ベルタ「お前は確かに倒したはず! なのに、なぜまだ立ち上がることができる!」
オリーヴ「あの程度の攻撃で、妾を倒せたなどと本気で思っていたのか?」「あはははは! その傲慢、笑いが止まらんわ1」
ベルタ「ゾンビめが…」
オリーヴ「冥王は、死を司る王。生き返ったところでなんの不思議もあるまい?」
ベルタ「不死者に死を与えるのも、また冥王の力! 今度こそお前を眠らせてくれるわ!」
オリーヴ「強がりはやめておけ。先の戦いで力を使い果たしてることは、わかっているぞ」
ベルタ「だからどうした。お前を倒すことなど、この程度の力で充分だ」
オリーヴ「フッ…。大人しくしていれば楽に眠れたものを」
ベルタ「安心しろ。眠るのはお前の方だオリーヴゥゥゥゥッ!」
カタリーナ「なんかす凄いことになってますけど、放っておいていいんですか、あれ?」
アヤメ「私たちには計り知ることのできないストレスが、オリーヴさんにはかかっていたのでしょう。いまは好きにさせてあげましょう…」
カタリーナ「ストレスというか、キャラが崩壊しちゃってますけどね?」
アヤメ「たとえ、あれが彼女の本心だとしても、あれも含めてオリーヴさんなのです。ちゃんと受け止めてあげましょう」
カタリーナ「それは全然いいんですけど、怒られちゃうんじゃないのかな」
【シナリオエンドデモ終了】
[忘れ去られし物語]
【シナリオデモ開始】
ベルタ「ぐう…!?」
オリーヴ「ここまでのようだな。もっと妾を愉しませてくれるかと思っていたが、存外にだらしがない」
ベルタ「…どこに目を付けているんだ、お前は。我はまだ倒れてなどいない。まだ…十二分に戦うことができる!」
オリーヴ「…なら、これで沈め」
〔武器の発射音〕
〔画面、フラッシュ〕
ベルタ「がはっ!?」
オリーヴ「ほう、これでも膝を付かんか。ならば、もう一撃!」
〔武器の発射音〕
〔画面、フラッシュ〕
ベルタ「ッ!?」
オリーヴ「この期に及んでしぶといではないか。なら、どれだけ耐えられるものか、試してみるとしようか!」
〔武器の発射音〕
〔画面、フラッシュ〕
カタリーナ「ベルタが一方的にボコられちゃってるんですけど、助けなくていいんですか?」
アヤメ「訓練用の武装なので、殺傷能力はありません。様子を見ていても大丈夫でしょう」
カタリーナ「アヤメってオリーヴさんには、かなり甘いですよね?」
アヤメ「そうでしょうか?」
メカニック「確かに甘いよなあ」
カタリーナ「急に入ってくるの、やめてもらえますか。プライバシーの侵害ですよ?」
メカニック「プライバシーって、ハインヘルムに登場時のデータは、全部収集してるんだからさ…」
アヤメ「あのふたりの戦闘データも、ちゃんと記録できているんですよね?」
メカニック「もちろんん。ハインヘルム同士を戦わせるなんて、なかなか上が許可ださないからな」「でも、いいのか。あんなこと勝手にさせちゃって。パイロットスーツも着てないし」
カタリーナ「ダメでしょうね。でも、私たちがさせたんじゃなくて勝手にしてることですから」「知ったこっちゃないってことで」
メカニック「まあ、あのすぼうじゃ機体が壊れることもないだろうからな」「戦闘データをちゃんと纏めて提出すれば、反省文くらいで済むんじゃないか?」
カタリーナ「年が明けていきなりそれも、どうかと思いますけどね」
オリーヴ「いつまで粘るつもりだ、早く倒れろ!」
〔武器の発射音〕
〔画面、フラッシュ〕
ベルタ「絶対に倒れてたまるものか…」
オリーヴ「なぜだ…なぜ倒れん…! もう限界などとうに超えているはずだろう!」
〔武器の発射音〕
〔画面、フラッシュ〕
ベルタ「…我は倒れるわけにはいかんのだ」
オリーヴ「なんだと…?」
ベルタ「オリーヴ、お前を助ける。それまで、我は絶対に倒れん!」
オリーヴ「妾を助けるだと…? なにを言って…」
ベルタ「闇に飲み込まれおって、このたわけが。どうやら、お前に冥王は荷が重かったようだな」
オリーヴ「なにを、わけのわからないことを!」
〔武器の発射音〕
オリーヴ「妾の攻撃を弾いた!?」
ベルタ「終わりにするぞ、オリーヴ」
オリーヴ「終わるのは、うぬの方だ! 妾こそが真の冥王なのだからなッ!」
ベルタ「笑わせるな!」「この銀河を統べる冥王13柱がひとり、ベルタ・ベルンシュタインが、真の冥王というものを見せてくれるわ!」
【シナリオデモ終了】
【シナリオエンドデモ開始】
オリーヴ「う、うーん…」
〔画面、発光〕
オリーヴ「ここは…?」
ベルタ「ようやう起きたか、この寝ぼすけが」
オリーヴ「あれ!? なんで私、ハインヘルムに乗ってるんですか!?」「てか、私服だし! どうなってるんですか、これ!?」
ベルタ「覚えてないのか?」
オリーヴ「うーん…。正座をした辺りまでは覚えてるんですけど…」
ベルタ「そうか。それならばそれでいい」
オリーヴ「なにがあったのか、教えてもらえると助かるのですが…」
ベルタ「なにもなかった。ただ悪い夢を見ていただけさ」
オリーヴ「全然わからないです…」
〔歩み寄る足音〕
カタリーナ「起きて早々ですみませんけど、偉い人がふたりを呼んでますよ?」
オリーヴ「えっ!?」
アヤメ「頑張ってください、オリーヴさん」
オリーヴ「私は、なにを頑張ればいいんでしょうか…?」
カタリーナ「いつも通りでいいと思いますけどね」
ベルタ「そうだな。オリーヴはオリーヴのままでいい。我は今回のことを通して、それを学んだよ」
オリーヴ「ダメです…。全然話についていけてないです」
アヤメ「幸運を祈っています」
オリーヴ「なんの幸運なんでしょうか…?」
ベルタ「ほら、行くぞオリーヴ。ケジメだけはちゃんとつけなければな」
オリーヴ「うーん…」
〔歩き去る足音〕
アヤメ「これで、一件落着ですね」
カタリーナ「どこに着いたのか、さっぱりわからないんですけど?」
アヤメ「オリーヴさんにはオリーヴさんの良さがあるということです」
カタリーナ「てか、そもそもそんな話でしたっけ?」
アヤメ「む?」
カタリーナ「それはそれとして…」
オリーヴ「………」
カタリーナ「なんか、残っちゃってる気もしますがね。まあいいですけど」
アヤメ「私たちも行くとしましょう。そろそろプリンの時間ですからね」
カタリーナ「はいはーい。プリンプリン~」
【シナリオエンドデモ終了】
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