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夢のその先へ
[なくしていた夢]
【シナリオデモ開始】
男(※中年)「…さて、今日君たちを呼び出した理由だが、なぜだかわかるかね?」
アヤメ「…いつもと同じ理由でしょうか?」
男(※中年)「いつもとは、随分と曖昧な表現だな。もっと明確に答えたまえ」
アヤメ「えぇと…」
カタリーナ(このお偉いさん、なんか怖いですよね)
オリーヴ(しー! 聞こえちゃいますよ!)
男(※中年)「どうした、アマノミヤ君。無為に時間を浪費するつもりかね?」
アヤメ「いえ、そういうわけでは!」
男(※中年)「では、速く答えてもらおうか」
アヤメ「…ベルタが訓練機を破壊したことでしょうか?」
ベルタ「ッ!?」
男(※中年)「…初耳だな、それは」
ベルタ「い、いや! あれは訓練中の事故で! あとで報告書を出そうと!」
男(※中年)「とにかく、その件ではない」
アヤメ「だとすると…、ベルタがハインヘルムの兵装で外壁部に穴を空けたことでしょうか?」
男(※中年)「…それも初耳だな」
ベルタ「おい! なんで我のことばかり言いつけるんだ!」
アヤメ「言いつけるというか、それしか呼び出される理由が思いつかなくて」
ベルタ「そんなはずがないだろうが! お前だって食堂の鍋を、爆発させていたではないか!」
アヤメ「あれは、ただの料理中の事故です!」
ベルタ「料理をしていて鍋が爆発するなど、聞いたことがないわ!」
男(※中年)「ゴホン…」
アヤメ「…!」
ベルタ「…!」
男(※中年)「なにをしているのだね、君たちは…」
アヤメ「すみません…」
ベルタ「静かにしてます…」
男(※中年)「とにかく、君たち4人に集まってもらったのは、ソリスとして新たな宣伝戦略を展開するためだ」
アヤメ「と、言いますと?」
男(※中年)「アマノミヤ君とオペール君の両名には、本日よりアイドルとしての活動をしてもらう」
アヤメ「えっ…?」
オリーヴ「本当ですか!?」
男(※中年)「先に展開したアイドル活動での効果が、こちらの予想を上回っていてね」「それを受けて、君たちふたりにも任せたいのだ」
オリーヴ「わかりました!」
アヤメ「………」
男(※中年)「ベルンシュタイン君とカンパーニ君は、自分達の活動と並行して、ふたりを指導してやって欲しい」
ベルタ「了解した」
カタリーナ「はいはーい」
男(※中年)「話は以上だ。なにか質問はあるかね?」
アヤメ「………」
男(※中年)「どうしたんだ、アマノミヤ君。私の話を聞いていたのか?」
アヤメ「………」
カタリーナ「完全にフリーズしちゃっていますね」
ベルタ「本当にダメなやつだな、こいつは…」
オリーヴ「アヤメさん、アヤメさんってば」
アヤメ「………」
男(※中年)「仕方あるまい。君たちはパイロットとして、ここソリスにいるのだからな」「もし、無理だと言うのなら…」
アヤメ「やります!」
カタリーナ「復活しましたね」
男(※中年)「う、うむ、そうか…。少し近いぞ…」
アヤメ「絶対にやります!」
男(※中年)「では、両名は本日より、アイドル活動を開始したまえ」「細かいスケジュールに関しては、後ほど伝える」「…それと、いつも通り訓練は忘れないように」
アヤメ「はい!」
【シナリオデモ終了】
【戦闘マップ開始】
カタリーナ「いつも通りって言ったって、執務室からそのまま訓練っていうのは、ヒドいですよね」
オリーヴ「そうは言っても、訓練は大切ですからね。今日も一緒に頑張りましょう」
アヤメ「今日の私はやる気に満ちていますよ! はあぁぁぁぁッ!」
オリーヴ「アヤメさんもやる気満々ですし、私たちも見習わないと!」
カタリーナ「あれを見習うのは、どうかと思いますけどね?」
【戦闘マップ終了】
【シナリオエンドデモ開始】
アヤメ「アイドル…。私がアイドルですか…。ふふ…うふふふ…」「やったー! アイドルだー! アイドルになれちゃいましたよ!?」「ひゃっほー!」
〔ハッチの開閉音〕
オリーヴ「お待たせしました、アヤメさ…」
アヤメ「あっ…」
オリーヴ「あっ…」
アヤメ「す、すみません! お見苦しいものを見せてしまって!」
オリーヴ「いえいえ、大丈夫ですから! 気にしないでください!」
アヤメ「ふっ…」
オリーヴ「ふふふ」「良かったですね、アヤメさん。アイドルになれて」
アヤメ「はい、子供の頃の夢でしたから」
オリーヴ「そうだったんですか?」
アヤメ「似合わないですよね。でも、どうしてもアイドルになりたくて、毎日毎日、歌やダンスの練習をしていました」
オリーヴ「そんなことないです。だって、アヤメさんは、とっても可愛いじゃないですか」
アヤメ「可愛いなんて…。私はガサツで荒っぽくて、可愛らしさなど微塵もありません」「それに気付いた時、私はアイドルになることを諦めました」
オリーヴ「そうですか」
アヤメ「すみません、つまらない話でしたね。でも、いまは諦めて良かったと思っているんです」
オリーヴ「どうしてですか?」
アヤメ「それは、オリーヴさんたちという、かげがえのない仲間に出会えたからです」
オリーヴ「ありがとうございます」
アヤメ「こちらこそ、ありがとうございます」
オリーヴ「それにしても、夢、叶っちゃいましたね」
アヤメ「そうですね。人生なにがあるかわからないものです」「ですが、全てはここからです。ライブも近いことですし、しっかりと練習をして備えなければ」
オリーヴ「私、ダンスとかやったことないので、色々と教えてくださいね?」
アヤメ「もちろんです。一緒に頑張りましょう」
【シナリオエンドデモ終了】
[夢のステージ]
【シナリオデモ開始】
オリーヴ(※アイドル)「これから、私たちの初めてのライブが始まるんですね…」
アヤメ(※アイドル)「アイドル活動をすると決まってから、本当にあっという間でした」
オリーヴ(※アイドル)「うー、緊張します! ちゃんとできるかな…」
アヤメ(※アイドル)「大丈夫ですよ、たくさん練習したんですから」「それに、ベルタとカタリーナも遠い空の向こうで見守ってくれています…」
オリーヴ(※アイドル)「………」「なんだか、いなくなっちゃったみたいな言い方でしたね…」
アヤメ(※アイドル)「すみません。訓練で見に来られないけど、応援してくれていると言いたかったのですが…」
オリーヴ(※アイドル)「アヤメさんのおかげで、少し緊張がほぐれました。ありがとうございます」
アヤメ(※アイドル)「オリーヴさんの役に立てたのなら、幸いです」
オリーヴ(※アイドル)「凄いですよね、アヤメさんって。こんな状況でも落ち着いていられるなんて」」
アヤメ(※アイドル)「そんなことありません」
オリーヴ(※アイドル)「え?」
アヤメ(※アイドル)「私の手を掴んでみてください」
オリーヴ(※アイドル)「あっ、震えてる…」
アヤメ(※アイドル)「私もオリーヴさんと同じです。失敗したらどうしようと、ずっと悪いことばかり考えてしまって…」
オリーヴ(※アイドル)「アヤメさん…」
アヤメ(※アイドル)「でも、ここに来る前にベルタが教えてくれたんです」「『とにかく全力で楽しめ』と」「不安はたくさんありますけど、私はそれも含めて全力で楽しもうと思います」
オリーヴ(※アイドル)「全力で楽しむ…」「そうですよね。私たちが楽しまなかったら、お客さんが楽しんでくれるはずがないです」
アヤメ(※アイドル)「だから、オリーヴさん一緒に全力で楽しみましょう」
オリーヴ(※アイドル)「はい!」
〔歩み寄る足音〕
男(※若者)「時間になりましたので、準備をお願いします」
オリーヴ(※アイドル)「わかりました」
〔歩き去る足音〕
アヤメ(※アイドル)「オリーヴさん、笑顔ですよ」
オリーヴ(※アイドル)「アヤメさんもね」
アヤメ(※アイドル)「ふふ…。では、行きましょう」
【シナリオデモ終了】
【戦闘マップ開始】
カタリーナ「ちょうど、ライブが始まった頃ですかね。はぁ…」
ベルタ「あのふたりのことだ、心配いらないだろ」
カタリーナ「心配なんて全然していませんよ。私はオリーヴさんの晴れ姿を見たかっただけです」「訓練なんてしてないで、観に行っちゃおうかな」
ベルタ「いや、訓練はちゃんとしろよ…」
【戦闘マップ終了】
【シナリオエンドデモ開始】
アヤメ(※アイドル)「ライブ、お疲れ様でした。はぁ…なんとか上手くいきましたね」
オリーヴ(※アイドル)「はい、みんなが喜んでくれたみたいで、とっても良かったです」
アヤメ(※アイドル)「とはいえ、課題点もたくさん見えました。次のライブまでにどこまで修正できるかが、勝負ですね」
オリーヴ(※アイドル)「そうですね。もっともっと練習を重ねて、パフォーマンスに磨きをかけないと」
アヤメ(※アイドル)「ですが、今日の所は…」「ふふ…」
オリーヴ(※アイドル)「ふふふふ…」
アヤメ(※アイドル)「やったー! 私たちステージに立ってしまいました!」
オリーヴ(※アイドル)「自分で言うのもなんですが、結構良くなかったですか!?」
アヤメ(※アイドル)「良かったです! 凄く良かったです!」
オリーヴ(※アイドル)「ですよね!」
アヤメ(※アイドル)「まるで、夢のような時間でした…。ステージの上で歌って踊って、お客さんたちに応援されて…」
オリーヴ(※アイドル)「アイドルになった気分はどうですか?」
アヤメ(※アイドル)「最高です。もう、いつ死んでも悔いはありません」
オリーヴ(※アイドル)「いやいや! まだ始まったばかりですから、死んじゃダメですよ!」
アヤメ(※アイドル)「そうですよね。それじゃあ、死にません!」
オリーヴ(※アイドル)「ふふふ。楽しいですね!」
アヤメ(※アイドル)「はい、楽しいです。いままで感じたことがないくらいに」
オリーヴ(※アイドル)「その笑顔、とってもかわいいですよ」
アヤメ(※アイドル)「えっ?」
オリーヴ(※アイドル)「なんで、戻っちゃうんですか。もっとアヤメさんの笑顔を見せてください」
アヤメ(※アイドル)「急にそんなことを言われても…」
オリーヴ(※アイドル)「アイドルだったら、いつでも笑顔じゃないと。ほら、ニコって」
アヤメ(※アイドル)「ニ、ニコ…」
オリーヴ(※アイドル)「ふふふ…。アヤメさん…複雑な顔になってますよ…」
アヤメ(※アイドル)「笑わないでください! これでも真剣にやってるんですから!」
オリーヴ(※アイドル)「ごめんなさい…。でも、面白くて…ふふふ…」
アヤメ(※アイドル)「もう知りません!」
〔ノックの音〕
男(※画面オフ)「失礼します」
〔ハッチの開閉音〕
男(※中年)「ライブお疲れ様でした」
アヤメ(※アイドル)「…わざわざ、ありがとうございます」
男(※中年)「いやあ、素晴らしいライブでしたね。年甲斐もなく、感動してしまいました」
アヤメ(※アイドル)「は、はあ、そうですか」
オリーヴ(※アイドル)「あの、すみませんが、どちら様でしょうか?」
男(※中年)「ああ、すみません! 自己紹介するのをすっかり忘れてしまいました!」「実は私、こういう者でして…」
【シナリオエンドデモ終了】
[舞い込んできた夢]
【シナリオデモ開始】
ベルタ「アヤメが本物のアイドルにならないかと、誘われただと!?」
オリーヴ「そうなんです。昨日、ライブが終わった後に、芸能事務所の人が尋ねてきたんですよ」「新型のハインヘルムと私とアヤメさんで紹介したじゃないですか? その時から注目してたみたいですよ」
アヤメ「それで、自分の事務所に入らないかと、私を誘ってくれたのです」
カタリーナ「あの棒読みを見て注目するとか、見る目なさ過ぎますね」
アヤメ「同感です。オリーヴさんならわかりますが、よりによって私を誘うなど…」
オリーヴ「そうですか? アヤメさんの良さをわかってる、いい人だと思いますけど」
ベルタ「…大丈夫なのか、そいつは?」
アヤメ「と言いますと?」
ベルタ「だから、アイドルにしてやると言いつつ、アレな感じにするつもりではないのかと…」
アヤメ「…アレな感じ? アレとはなんですか?」
ベルタ「だからなぁ…。お前を騙して、そういうことを…」
アヤメ「…すみません、言っている意味がよくわからないのですが…。もう少し具体的に言ってもらえますか?」
ベルタ「ッ!? わざとか! わざとやってるのか、お前は!?」
アヤメ「いえ、私は純粋にわからないだけなのですが…」
カタリーナ「本当に理解していないみたいなんで、遠回しに言っても無理だと思いますよ?」
ベルタ「お前は…! お前というヤツは…!」
アヤッメ「…? なぜ私は怒られているのでしょうか?」
オリーヴ「あははは…」
カタリーナ「まぁ、心配はいらないんじゃないですかね。上層部の人間がその男性の素性を、洗い出しているみたいなんで」
ベルタ「本当なのか?」
カタリーナ「スパイだったりしたら困っちゃいますからね。とはいえ、私は噂で聞いただけですが」
ベルタ「お前から聞く噂話は、いまいち信用できないのだが…」
カタリーナ「ほへ~?」
アヤメ「そろそろ訓練の時間ですね」
カタリーナ「え~? みんなでサボっちゃいましょうよ」
オリーヴ「ほらほら、そんなこと言ってないで。ちゃんと行きますよ」
カタリーナ「む~ん」
〔歩き去る足音〕
ベルタ「お前は気にならんのか? 自分を誘った人間が本物かどうかが」
アヤメ「気にしてっも仕方のないことですから。それよりもいまは、訓練です」
【シナリオデモ終了】
【戦闘マップ開始】
オリーヴ「訓練お疲れ様でした」
アヤメ「それだけでは、私たちは次のライブに向けて、練習をしてきます」
ベルタ「次のライブも近いらしいからな。全力で頑張るがよい!」
カタリーナ「なんだか随分と偉そうですね?」
ベルタ「当然だ、先輩だからな!」
アヤメ「では、行ってきます」
【戦闘マップ終了】
【シナリオエンドデモ開始】
オリーヴ「みなさん、おはようございます」
カタリーナ「おはようございます。ライブ明けだっていうのに、オリーヴさんは今日も元気ですね」「ご褒美に、私がぎゅーってしてあげましょう」
オリーヴ「いやいや、大丈夫ですから!」
カタリーナ「遠慮しなくていいですから」
オリーヴ「遠慮してませーん!」
アヤメ「…まったく、カタリーナは」
ベルタ「アヤメよ、昨日のライブも盛況だったようだな。なかなか頑張っているではないか」
アヤメ「未だに修正するべき箇所は多いですがそれでも、なんとかやっている状況です」
オリーヴ「そうですね。いまでも緊張しちゃいますもん…」
カタリーナ「いやいや、たいしたものですよあの人気は」「この調子でいくと、私たちはお払い箱になりそうですね」
ベルタ「なに!? 我々だって負けてないだろうが!」
カタリーナ「ボロ負けですよ。オリーヴさんの輝きに比べたら、私たちなんて路傍の石です」
ベルタ「そこまで!? 光ってすらいないし!」
アヤメ「なにを言っているんですか。私たちは、ベルタちに追い付くために、日々鍛錬を重ねているのです」「前を走っている人間がそんなことでは、困ってしまいますよ」
ベルタ「そ、そうか?」
アヤメ「もちろんです。是非とも全力で走り続けてください」
ベルタ「そこまで言われては仕方ないな。お前たちの規範となるよう、全力でやってやろうではないか!」
アヤメ「その意気でお願いします」
カタリーナ「そういえば、アヤメを誘っていた人を調査していた件ですが、結果が出たみたいですよ」
オリーヴ「本当ですか!?」
カタリーナ「どうやら、真っ白だったみたいです。良かったですね」
アヤメ「あ、そうですか…」
ベルタ「ということは、アヤメは本当にアイドルにならないかと、誘われたということか?」
カタリーナ「そうなりますね」
ベルタ「なぜだ…」「なぜ、我ではなくアヤメが誘われたんだ!」
カタリーナ「それは、ベルタがペッタンコだからじゃないですか?」
ベルタ「ぐぬぬ…! しかし、我にはこの愛くるしさがあるだろ!」
カタリーナ「ないです」
ベルタ「一瞬で否定するな、このバカ! バカー!」
カタリーナ「バカって言う人がペッタンコなんですよ?」
ベルタ「関係ないだろうが、このバーカ!」
オリーヴ「もう、ケンカしちゃダメですって」
アヤメ「………」
オリーヴ「アヤメさん? どうしたんですか」
アヤメ「…いえ、なんでもありません」
オリーヴ「そうですか?」
〔通信のコール音〕
男(※画面オフ)「アマノミヤ・アヤメ君。すぐに執務室まで来るように」
カタリーナ「あらら、呼び出しですか」
アヤメ「…そのようですね」「練習にはあとから合流しますので、オリーヴさんは先に行っててください」
オリーヴ「わかりました」
アヤメ「では…」
〔歩き去る足音〕
オリーヴ「…アヤメさん、大丈夫でしょうか」
カタリーナ「どうなんですかね」
オリーヴ「心配だな…」
ベルタ「………」
【シナリオエンドデモ終了】
[夢の分岐点]
【シナリオデモ開始】
〔ハッチの開閉音〕
アヤメ「すみません、遅くなりました」
オリーヴ「おかえりなさい、アヤメさん」
ベルタ「随分と時間がかかったな」
カタリーナ「ベルタのせいですね、きっと」
ベルタ「なんで、我のせいなんだ!?」
アヤメ「ベルタとカタリーナもいたのですか」
カタリーナ「たまには一緒に練習するのも、いいかななんて思ったので」
アヤメ「そうでしたか」
カタリーナ「それで、なんの話だったんですか?」
アヤメ「…ソリスを辞めてもいいと言われました」
オリーヴ「えっ!?」
カタリーナ「あらま」
ベルタ「なぜ、そんな話になったんだ?」
アヤネ「先日の方が、私をアイドルにしたいと、直接連絡をしてきたそうなんです」「上層部の方々はその話を受けて、私の判断に任せると言ってくれました」
カタリーナ「相変わらず、緩い組織ですね」
オリーヴ「…アヤメさんは、どうするんですか?」
アヤメ「…わかりません。自分がどうしたいのか、わからないんです」
カタリーナ「まあ、いきなり言われても、そうなりますよね」
ベルタ「だが、アイドルになるのは、お前の夢だったんだろ?」
アヤメ「そうですが…」
ベルタ「ならば、なにを迷う必要がある。答えは既に決まっているではないか」
アヤメ「そんな簡単には…!」
オリーヴ「ま、まあまあ…。すぐに答えを出す必要もなさそうですし、じっくり考えたらいいんじゃないですか?」
ベルタ「…ここまで言ってもまだわからんのか」「やはりお前には、ハッキリと伝える必要がありそうだな」
オリーヴ「ベルタさん?」
ベルタ「アヤメ、お前はソリスに必要ない」
アヤメ「急にどうしたのですか?」
ベルタ「急な話なものか。我は常々思っていたのだ。お前に気を遣って言わなかっただけでな」
オリーヴ「ちょっと、ベルタさん!?」
アヤメ「なぜ、私が必要ないと?」
ベルタ「なるほど、自覚がなかったわけか。ならば教えてやろう」
アヤメ「ええ、教えてもらいましょうか。必要ないというその理由を」
ベルタ「お前は和を乱しているのだ」「戦闘でひとりで突っ走り、普段はリーダーでもないのに、仲間に文句を言い続ける」「これでは、チームワークもなにもあったものではないわ」
アヤメ「私はそんなつもりでは!」
ベルタ「自分は悪くない。みんなのためを思ってしていたとでも? 随分と自分勝手な理屈だな」「いまは訓練だからいい。だが、実戦で和を乱されれば、我々に待っているのは死だ」
アヤメ「………」
ベルタ「我はまだ死ぬつもりはない。だから、いまのうちにさっさと辞めてくれ」
アヤメ「…本気で言っているのですか、ベルタ?」
ベルタ「当たり前だ」
アヤメ「私たちは、4人で支えあってきたでしょう? それを否定するんですか!」
ベルタ「支えあったのではない。お前を3人が支えていたのだ」
アヤメ「そんなこと…」
ベルタ「口で言ってもわからないようだな。…仕方がない、身体に教え込んでやる。お前は不必要だとな」「早くハインヘルムに乗れ」
アヤメ「…わかりました」
〔歩き去る足音〕
カタリーナ「まったく、なにやってんだか」
オリーヴ「…私たちも行きましょう」
【シナリオデモ終了】
【戦闘マップ開始】
カタリーナ「それにしても、随分とベタベタなことしますよね」
オリーヴ「遠回しだと伝わらないから、ああいうやり方にしたんだと思います」
カタリーナ「本当に不器用なんですから、ふたりとも…」
アヤメ「どうやら、私の勝ちのようですね」
ベルタ「…ふざけるな。我はまだ戦えるぞ!」」
メカニック「パイロットも機体も、これ以上は無茶だ。強制終了をかけるぞ」
カタリーナ「あの…」
オリーヴ「待ってください。もう少しだけ…もう少しだけでいいんで、やらせてあげてください…!」
メカニック「だが…」
オリーヴ「お願いします!」
メカニック「ったく、お前さんまで染まっちまって…。あと少しだけだぞ」
【戦闘マップ終了】
【シナリオエンドデモ開始】
ベルタ「これで、終わりだああああッ!」
アヤメ(くっ…! この位置から攻撃したら、コックピットにあたってしまう…!)
ベルタ「その甘さが、お前の敗因だ!」
アヤメ「まさか、これを狙って…!?」
〔斬撃音〕
〔画面、フラッシュ〕
アヤメ「ぐぅ!?」
〔機体の倒れる音〕
カタリーナ「ベルタが勝ちましたか」
オリーヴ「………」
〔コックピットの開閉音〕
アヤメ「ハァ…ハァ…。私の負けです…」
ベルタ「ハァ…ハァ…。これでわかっただろう、お前はここには必要ないと…」
アヤメ「…そうですね」「疲れたので、先に戻ります」
〔歩き去る足音〕
ベルタ「………」
オリーヴ「ベルタさん…」
ベルタ「オリーヴ…」「うっ…うう…」
オリーヴ「よしよし、よく頑張りましたね」
ベルタ「つらい…凄くつらいよ…」
カタリーナ「もっとスマートなやり方は、なかったんですか?」
ベルタ「仕方ないだろ…。これしか思う浮かばなかったんだから…」
オリーヴ「大丈夫、大丈夫だから」
ベルタ「ううっ…」
【シナリオエンドデモ終了】
[わたしの夢]
【シナリオデモ開始】
〔波の音〕
アヤメ「はぁ…やり過ぎてしまいましたね…」
オリーヴ「こんな所にいると、風邪をひいちゃいますよ?」
アヤメ「…!」
オリーヴ「隣座ってもいいですか?」
アヤメ「え、ええ、どうぞ…」
オリーヴ「それでは、お邪魔します」
アヤメ「…さっきは、すみませんでした」
オリーヴ「うん? なんで謝るんですか?」
アヤメ「迷惑をかけてしまったので」
オリーヴ「本音で語り合うことを、迷惑だなんて思うはずがないですよ」「ちょっと荒っぽかったですけど」
アヤメ「すみません…」「あと、こんなことお願いするのも変な話なんですけど、ベルタをフォローしてあげてください」
オリーヴ「フォローですか?」
アヤメ「彼女はああ見えて繊細ですから、きっと深く傷付いていると思います。だから、お願いします」
オリーヴ「わかりました」
〔波の音〕
アヤメ「あの…。お願いついでに、私の話を聞いてもらってもいいですか?」
オリーヴ「もちろんですよ」
アヤメ「私はずっと、誰かの役に立ちたかったんです」「小さい頃から要領が悪く、融通も利かない。誰に言われたわけでもないのですが、自分に自信がないんです」「だから、人よりもたくさん努力しよう、そう思って色々とやって来たんです」
オリーヴ「そうだったんですか」
アヤメ「アイドルになりたいと思ったのも、たくさんの人を笑顔にする、人の役に立つ仕事だったからです」「アイドルになるため、毎日毎日たくさん練習をしました」「でも、なにかが足りない。自分には無理だとそう判断してしまったんです」
オリーヴ「………」
アヤメ「それから歳を重ねて、でも、役に立ちたいという思いは変わらず、私はソリスに入りました」「最初はとても不安でした。またダメになってしまうのはではないかと。でも、そうはならなかった」
オリーヴ「どうなったんですか?」
アヤメ「ベルタとカタリーナと出会い、そして、オリーヴさんと出会い、私は気付いたんです」「他人に憧れるのではなく、他人を認めることで、自分のことも認められるということに」「私はようやく、少しずつですが自信を持つことができるようになってきました」
オリーヴ「そんな時に、アイドルにならないかという話が、きたんですね」
アヤメ「はい…。正直、凄く迷っています。自分が進むべき道に」
オリーヴ「アヤメさん私はどっちに進むかのアドバイスをすることはできません」「けど、どんな選択をしても、私はアヤメさんを全力で応援します」「それは、ベルタさんもカタリーナさんも同じだと思います。アヤメさんは、大切な仲間ですから」
アヤメ「ありがとうございます。すみません、つまらない話を長々と」
オリーヴ「そんなことないですよ。アヤメさんのお話を聞けて良かったです」「そろそろ、戻りましょうか?」
アヤメ「私はっもう少しだけ、ここにいます」
オリーヴ「そうですか。あまり遅くならないようにしてくださいね」
アヤメ「はい」
【シナリオデモ終了】
【戦闘マップ開始】
メカニック「今日は、お前さんひとりか」
カタリーナ「オリーヴさんとアヤメは、次のライブの練習。ベルタは病欠ですからね」
メカニック「ひとりでも問題のないメニューにしておいたんで、よろしく頼むな」
カタリーナ「はいはーい」
〔通信の閉じる音〕
カタリーナ「なんだか寒くなってきましたね」
【戦闘マップ終了】
【シナリオエンドデモ開始】
アヤメ「…あれから、もう1週間ですか」「最近、ベルタの顔wぉ見ていませんが、大丈夫なのでしょうか?」
カタリーナ「大丈夫なんじゃないですか? いつの間にか来て訓練しているくらいですから。単に顔を合わせづらいだけかと」
オリーヴ「心配いりませんよ。ちょくちょくベルタさんのお部屋に様子を見に行っていますから」
アヤメ「だったら、いいんですが…。はぁ…」
カタリーナ「あの、オリーヴさん。ひとつ質問があるんですけど」
オリーヴ「なんですか?」
カタリーナ「なんで私の部屋には来てくれないのに、ベルタの部屋には行ってるんですかね?」
オリーヴ「私の部屋には来ないって、カタリーナさんは、ずっと私の部屋にいるじゃないですか…」
カタリーナ「あれ、そうでしたっけ? なんだか、居心地がいいんですよね、オリーヴさんの部屋って」
アヤメ「それは凄くわかります」
オリーヴ「いや、どこの部屋も作りは同じですから…」
カタリーナ「いやいや、オリーヴさんの放つ癒しのオーラが、心地よさを演出しているんだと思いますよ」
アヤメ「癒しのオーラ…。クンクン…確かにいい匂いがしますね」
カタリーナ「でしょ? クンクン…」
オリーヴ「もー、嗅がないでください!」
アヤメ「そういえば聞きましたか? 4人でライブすることになった話を」
オリーヴ「聞きました、聞きました!」
カタリーナ「今回で一区切りということで、みんなでやることになったみたいですね」
オリーヴ「楽しみですよね。みんなでやるのは初めてですし」
カタリーナ「若干の不安様子はありますけどね」
オリーヴ「ベルタさんなら、大丈夫ですよ」
アヤメ(私はライブの日までに、自分の進退を決めなくては…)(いや…答なら既に出ているか)(あとは決心をするだけ)
オリーヴ「最後のライブ。みんなで力を合わせて頑張りましょうね!」
アヤメ「もちろんです」
カタリーナ「はいはーい」
オリーヴ「えいえい…」
アヤメ「おー!」
【シナリオエンドデモ終了】
[夢は終わらない]
【シナリオデモ開始】
カタリーナ(※アイドル)「準備できました。あとはライブが始まるのを待つばかりですね」
オリーヴ(※アイドル)「何回やっても、この緊張感は慣れませんね…」
アヤメ(※アイドル)「………」
カタリーナ(※アイドル)「なに、怖い顔してるんですか?」
アヤメ(※アイドル)「あ、いえ…。4人でやるのは初めてなので、気合いが入り過ぎていたようです」
カタリーナ(※アイドル)「気合いを入れるのはいいですけど、マイクを握りつぶしたりしないでくださいね?」
アヤメ(※アイドル)「さすがにそんなことは…」
〔ハッチの開閉音〕
ベルタ(※アイドル)「すまん、遅くなった」」
オリーヴ(※アイドル)「ベルタさん。なかなか来ないんで、心配してたんですよ」
アヤメ(※アイドル)「ベルタ…」
ベルタ(※アイドル)「ひ、久しぶりだな…」
アヤメ(※アイドル)「そ、そうですね…」
ベルタ(※アイドル)「………」
アヤメ(※アイドル)「………」
オリーヴ(※アイドル)「ふたりとも、笑顔が消えちゃってますよ!」
アヤメ(※アイドル)「そ、そうですね…。笑顔、笑顔…」」
ベルタ(※アイドル)「………」
アヤメ(※アイドル)「………」
カタリーナ(※アイドル)「ダメですね、これは」
オリーヴ(※アイドル)「簡単に諦めないでください!」「この4人でやる、最初で最後のライブなんですから、力を合わせて成功させないと!」
カタリーナ(※アイドル)「それはわかるうんですけど、アヤメとベルタがあの調子ですからね」
アヤメ(※アイドル)「ベルタ!」
ベルタ(※アイドル)「お、おう、なんだ…」
アヤメ(※アイドル)「先日は、すみませ…」
ベルタ(※アイドル)「待て、謝るな」「お前はなにも悪いことをしていない。だが、我も悪いことをしたとは思っていない。それでいいではないか」
アヤメ(※アイドル)「そういうものでしょうか」
カタリーナ(※アイドル)「ベルタがいいって言ってるんだから、いいんじゃないですか?」
オリーヴ(※アイドル)「実際に誰も悪くないですし」
ベルタ(※アイドル)「いままでの話はもう終わりだ。いまは、これからのライブに集中しよう」
アヤメ(※アイドル)「そうでうね、わかりました」
ベルタ(※アイドル)「それでいい。集中しなければ、この我にはついてこられからな」
アヤメ(※アイドル)「自分尾実力がそう劣っているとは思っていません。私のアイドル魂をお見せしましょう」
ベルタ(※アイドル)「ふん、その言葉忘れるなよ」
オリーヴ(※アイドル)「良かった。ふたりとも仲直りできたみたいですね」
カタリーナ(※アイドル)「そもそもの話なんですけど、この状況って回避できたんじゃないかなって思っちゃうんですけど?」
オリーヴ(※アイドル)「あのふたりの顔を見たら、これが正解だったんじゃないかなって、私は思います」
カタリーナ(※アイドル)「…そうかもしれませんね」
ベルタ(※アイドル)「アヤメ、ひとついいか?」
アヤメ(※アイドル)「どうしたのですか?」
ベルタ(※アイドル)「この先、どうするのか。ちゃんと決めたのか?」
アヤメ(※アイドル)「はい」
ベルタ(※アイドル)「ならいい」
アヤメ(※アイドル)「いままで、ありがとうございました」
ベルタ(※アイドル)「フッ…」「このアイドル冥王の実力、とくと見せてやろう!」
カタリーナ(※アイドル)「最後の最後ですし、本気出しちゃおうかな」
オリーヴ(※アイドル)「私も全力で頑張ります!」
アヤメ(※アイドル)(私は彼女たちと出会えて良かった…。彼女たちと仲間になれて本当に良かった…)
オリーヴ(※アイドル)「アヤメさん」」
アヤメ(※アイドル)「さあ、行きましょう!」
〔画面、発光〕
【シナリオデモ終了】
【戦闘マップ開始】
メカニック「準備整いました」
男(※中年)「では、AIによる操縦支援システムの実験を開始してくれ」
メカニック「了解」
男(※中年)「今更言うことでもないが、くれぐれも気を付けてくれたまえ」「なんせ、そのAIは、彼女が造っているのだからな」
メカニック「わかってますって。では、実験を開始します」
【戦闘マップ終了】
【シナリオエンドデモ開始】
カタリーナ「なんだか気が抜けちゃいますね…」
ベルタ「お前はいつもだろうが…。と言いたいところだが、わからなくもないな」
オリーヴ「アイドル活動も終わっちゃいましたからね」
カタリーナ「へろりんちょって感じですし、今日は訓練お休みしましょうよ」
オリーヴ「いやいや、ダメですよ。勝手に休んだりしたら」
カタリーナ「うるさいのもいないことですし、いいじゃないですか」
ベルタ「アヤメ…」
オリーヴ「………」
カタリーナ「元気にしているんですかね、アヤメは」
ベルタ「元気に決まってるだろ。あいつは夢を追いかけたんだからな」
オリーヴ「ベルタさん、カタリーナさん…」
〔ハッチの開閉音〕
アヤメ「既に揃っているとは感心ですね」
オリーヴ「アヤメさん、いなくなってないですから…」
ベルタ「………」
カタリーナ「………」
アヤメ「なんですか…?」
ベルタ「なんですかじゃない! なんで、アイドルの話を断ったんだお前は!」
アヤメ「また随分と今更ですね…」
ベルタ「我があそこまでやったんだぞ!? 普通なるだろ、アイドルに!」
アヤメ「だから、その件は謝ったじゃないですか」
ベルタ「謝って済む問題か!」「だいたい、あの時言った、ありがとうございましたはなんだったんだ!」
アヤメ「今までの感謝と、改めてよろしくお願いしますという意味を込めて…」
ベルタ「紛らわしいわ!」
カタリーナ「結局、全部茶番でしたね」
オリーヴ「いいじゃないですか。こうして、また4人が揃ったんですから」
ベルタ「…だが、本当に良かったのか。子供の頃からの夢だったんだろ?」
アヤメ「いいんです。私は自分の選択に後悔していません」「だって、いまの私の夢は、この4人で火星に行くことですから」
オリーヴ「アヤメさん」
アヤメ「誰かのためじゃなく、自分のためにそうしたいんです」
ベルタ「しょうがない奴だな、お前は」
カタリーナ「ベルタも人のこと言えませんけどね?」
ベルタ「お前には言われたくないわ!」
アヤメ「ベルタもカタリーナもちゃんとしてください」
ベルタ「お前が言うな!」
オリーヴ「はいはい、それじゃあ訓練に行きますよ」
アヤメ「はい」
ベルタ「…まったくう」
カタリーナ「はいはーい」
オリーヴ「それでは、今日も1日頑張りましょう!」
【シナリオエンドデモ終了】
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