ハインヘルム(アヤメ機)/アマノミヤ・アヤメ
奇妙な手紙
火星調査団『ソリス』。
火星で起きた謎の事件を調査、解決するべく、
地球連邦によって設立された組織である。
その組織に所属する
アマノミヤ・アヤメは、苛立ちを隠せずにいた。
訓練の時間が近付いているにも関わらず、
彼女のチームメイトであるベルタが
姿を見せないためだ。
そんな彼女はまだ知らない。
季節外れの不思議な春が、
自分に訪れることを…
[Ep.1]
【シナリオデモ開始】
アヤメ「遅い…。ベルタはいつになったら来るのですか…」
オリーヴ「訓練の時間まで、まだ15分はありますから…」
アヤメ「15分前行動は基本です」
オリーヴ「は、はい…」
カタリーナ「いつもなら来てても、おかしくない時間なんですけどね。また山ごもりしちゃってるんでしょうか?」
アヤメ「なら、いますぐ山に…」
〔歩み寄る足音〕
ベルタ「これから訓練だというのに、ハイキングにでも行くのか?」
オリーヴ「ベルタさん」
アヤメ「15分前に行動するようにと、何度も言っているはずです。なのに、あなたは…」
ベルタ「小言は後回しだ。お前への手紙を持って来てやったのだからな」
アヤメ「手紙…?」
ベルタ「うむ、これだ」
カタリーナ「なんで、アヤメ宛ての手紙をベルタが?」
ベルタ「理由は知らん。我の部屋の前に、手紙が落ちていたのだ」
アヤメ「差出人が書いてありませんね。おおかた、イタズラの類いでしょう」
オリーヴ「イタズラだとしたら、なんでベルタさんの部屋の前に、手紙を置いたんでしょうか?」
カタリーナ「持っていく途中で落としたんじゃないですか?」
オリーヴ「うーん…」
ベルタ「イタズラかどうか、手紙を読んでみればわかるだろう?」
アヤメ「そうですね」「えーと…『初めて見たその日から、僕の心はあなたの瞳に囚われてしまいました。どうか、この僕と付き合ってもらえませんか?』」
オリーヴ「これって!?」
カタリーナ「ラブレターってやつですか?」
オリーヴ「すごーい! ラブレターですよ、ラブレター!」
カタリーナ「初めて見ましたね、本物を」
アヤメ「やはり、イタズラでしたね」
オリーヴ「ええ~!?」
アヤメ「私にラブレターを贈る人間など、いるはずがないでしょう」
オリーヴ「そんなことはないと思いますけど…」
アヤメ「この話は終わりです。全員揃ったことですし、訓練を始めますよ」
カタリーナ「はいはーい」
ベルタ「…つまらん」
アヤメ「つまらなくて結構。ほら、行きますよ」
【シナリオデモ終了】
【シナリオエンドデモ開始】
オリーヴ「今日の訓練も大変でしたね…」
カタリーナ「もう、一歩も動けませんよ」
アヤメ「鍛錬が足りないなら、そうなるのです。常日頃から身体を鍛え続けていれば、この程度で疲れたりはしません」
カタリーナ「説教は勘弁ですよ」
アヤメ「まったく…」
オリーヴ「そういえば、ラブレターのお返事はどうするんですか?」
アヤメ「返事もなにも、差出人がわからないのですから、どうしようもありません」
カタリーナ「ということは、差出人がわかったら付き合うということですか?」
オリーヴ「えー!? そうなんですか!」
アヤメ「違います。よく知りもしない男性とは、お付き合いしません」
カタリーナ「つまり、知っていたら付き合うと?」
アヤメ「カタリーナ…」
カタリーナ「冗談ですよ、冗談」
アヤメ「本当にカタリーナは…。だいたい、イタズラだと言っているでしょう」
ベルタ「本当にイタズラなのか?」
カタリーナ「ベルタ…。…いたんですね」
ベルタ「ずっと隣にいただろうが…」
カタリーナ「存在感がないので、気付きませんでしたよ」
ベルタ「なんだと!? 全身から存在感が溢れでているだろうが!」
オリーヴ「まぁまぁ。でも、私も本当にイタズラなのかなって、疑問に思っているんです」
アヤメ「どういうことですか?」
オリーヴ「だって、ベルタさんが気付かなかったら、アヤメさんはその手紙を読んでいないですよね?」
アヤメ「そうですね」
オリーヴ「それだとイラズラが、成立しないんじゃないでしょうか?」
アヤメ「確かに…」
カタリーナ「自分の名前を書くのを、うっかりと忘れちゃった可能性もありますしね」
アヤメ「なくはないですか」
カタリーナ「ほへ~? なんで私をじっと見てるんですか?」
アヤメ「だとしたら、差出人を捜さなくてはいけませんね」
ベルタ「告白を受けるためにか?」
アヤメ「ちゃんとお断りをするためにです」
カタリーナ「どんな人かがわからない状態で、先に結果を決めるというのも、狭量な気がしますけど?」
アヤメ「恋愛にうつつをぬかしている暇など、私には微塵もありません」
カタリーナ「真面目ですね、アヤメは」
オリーヴ「私もお手伝いします。人手は多い方がいいと思いますし」
カタリーナ「私も行きますかね。面白そうだし」
アヤメ「特に面白いことは起こらないと思いますが?」
カタリーナ「アヤメにラブレターを贈るような物好きですよ? 面白いに決まってます」
アヤメ「………」
オリーヴ「ベルタさんはどうしますか?」
ベルタ「我はここに残る」
アヤメ「そうですか。では、行ってきます」
〔ハッチの開閉音〕
ベルタ「フフッ…」
【シナリオエンドデモ終了】
[Ep.2]
【シナリオデモ開始】
カタリーナ「半日も捜して、成果はゼロですか」
アヤメ「無駄骨を折らせてしまって、すみませんでした」
オリーヴ「アヤメさんが気にすることじゃありませんよ
カタリーナ「アヤメを好きになる人なんて、すぐに見つかると思ったんですけどね」
アヤメ「それはどういう意味ですか…?」
カタリーナ「いえいえ、深い意味はないですよ?」
アヤメ「しかし、やはり手紙だけで捜すというのは、無茶が過ぎるようですね」
オリーヴ「これ、あなたが出したんですか? って、聞くわけにもいかないですし」
カタリーナ「地道に捜すしかなさそうですね」
アヤメ「そうですね」
カタリーナ「それにしても、手紙を書いた人物ってどんな人なんですかね?」
オリーヴ「文字を見た感じでは、優しそうな印象を受けましたけど」
カタリーナ「ふむふむ、線の細い美少年だと」
アヤメ「勝手に脚色しないでください」
オリーヴ「美少年はどうかは置いといて、きっと、真っ直ぐで純粋な人ですよ」
カタリーナ「確かに文字とか綺麗でしたし、便せんも爽やかな感じでしたよね」
ベルタ「ううっ…」
アヤメ「なにを身悶えているんですか、ベルタ?」
ベルタ「き、気にするな…」
オリーヴ「とっても素敵な人なんでしょうね…」
アヤメ「だとすれば、早くお断りをしなければ」
オリーヴ「そうですね。自分の名前を書き忘れたことに気づかないで、返事を待っているかもしれませんし」
カタリーナ「訓練が終わったら、また捜しに行きますか」
アヤメ「はい、よろしくお願いします」
オリーヴ「そうと決まれば、今日の訓練も頑張っちゃいますよ!」
【シナリオデモ終了】
【シナリオエンドデモ開始】
アヤメ「訓練、お疲れ様でした」
オリーヴ「それじゃあ早速、捜しに行きましょうか」
メカニック「おーい!」
〔歩み寄る足音〕
カタリーナ「またメカニックさんですか」
メカニック「またってなんだよ、またって…」
カタリーナ「で、なんの用です?」
メカニック「それが、よくわからないんだが、『手紙を出した』ってヤツがここに来てな」
ベルタ「なんだと!?」
メカニック「なにかの暗号か?」
アヤメ「それで、その方はどこに?」
メカニック「このメモに書いてある場所で、待ってるってさ」
アヤメ「ありがとうございます」
メカニック「で、どういう意味なんだ?」
カタリーナ「気にしなくて大丈夫ですから、お仕事頑張ってくださいね」
メカニック「さっぱりわからんな…」
〔歩き去る足音〕
アヤメ「これでようやく、心のしこりが取れます」
ベルタ「待て、アヤメ! それは…」
アヤメ「心配しなくても大丈夫です・ちゃんと断ってきますから」
ベルタ「いやいや、そうではなくて!」
カタリーナ「差出人も見つかったことですし、私たちはゆっくりしてますかね」
オリーヴ「頑張ってくださいね、アヤメさん!」
アヤメ「頑張る部分はどこにもありませんが、とにかく行ってきます」
〔歩き去る足音〕
ベルタ「…アヤメ、ちゃんと断ってくるよな?」
カタリーナ「もしかすると、もしかするかもしれませんよ?」
ベルタ「なに!?」
オリーヴ「そしたら、お祝いをしないとですね」
ベルタ「祝ってる場合か! ちょっと様子を見てくる!」
〔走り去る足音〕
オリーヴ「…どうしたんでしょうか、ベルタさん」
カタリーナ「アヤメに抜け駆けされるのが、相当悔しかったんじゃないですかね?」
オリーヴ「うーん。ベルタさんもモテそうなのに」
【シナリオエンドデモ終了】
[Ep.3]
【シナリオデモ開始】
男(※若者)「マジで来てくれたんだ。これってもしかして、脈ありだったりしちゃったりしちゃう?」
アヤメ「ええと…あなたがこの手紙の差出人ですか?」
男(※若者)「ウィッス!」
アヤメ「…カタリーナたちが話していた人物像と、かなり違いますね…」「まあいいです。あの手紙の返事なのですが…」
男(※若者)「ちょっと待って! いま、ちょー緊張してて、テンション、ガンガンになってっから」
アヤメ「は、はぁ…」
男(※若者)「リラックス…リラックス…。はい、いま! いま言って!」
アヤメ「すみません。あなたの告白を受けることはできません」
男(※若者)「からの?」
アヤメ「いえ、以上です」
男(※若者)「フラれるとか、マジウケる~! ヤバくね? これヤバくね?」
アヤメ「それではこれで」
〔歩み寄る足音〕
男(※若者)「ストップストゥーップ!」
アヤメ「なんでしょうか?」
男(※若者)「アヤっちさ、まだオレのこと知らないじゃん?」
アヤメ「アヤっち…」
男(※若者)「オレのこと知ってから決めてもいいんじゃね?」
アヤメ「ですから、付き合うつもりはないと」
男(※若者)「オレ、思うのよ。互いを理解し合う? そういう心がないと戦争が、なくならないんじゃないかなって」「ラブ&ピース? まず、オレたちがその一歩を始めるって、どう? みたいな」
アヤメ「………」
男(※若者)「難しく考えないでさ、お試し的な軽いノリで付き合っちゃったらいいんじゃね?」
アヤメ「…軽いノリ」
男(※若者)「そそそ。ちょーっと遊んじゃう的な」
アヤメ「…なるほど、あなたは私と遊びたいのですね?」
男(※若者)「イエス! イエス!」
〔ハッチの開閉音〕
ベルタ「ハァ…ハァ…。ようやく…見つけたぞ…」
男(※若者)「お?」
ベルタ「早まるな、アヤメ! あの手紙は我のイタズラ…!」
アヤメ「わかりました。あなたとお付き合いしましょう」
男(※若者)「マジで!?」
ベルタ「ば、馬鹿な…!?」
男(※若者)「どこ行く、どこ行く? アヤっちどこ行きたい感じ?」
アヤメ「行く場所なら既に決まっています…」
男(※若者)「マジで? どこどこどこ?」
アヤメ「演習場です」
男(※若者)「は? なんでそんな場所に?」
ベルタ「こ、このアヤメから溢れでている負のオーラ。まさか、ヤツは…!」
アヤメ「決まっているでしょう?」「あなたの曲がった根性を叩き直すためですッ!」
ベルタ「ヤツは、キレていたのかぁぁぁ!」
【シナリオデモ終了】
【戦闘マップ開始】
男(※若者)「なんでオレまで、ハインヘルムに乗ってんだよ!?」
アヤメ「あなたが座っているのは、即席で増設してもらった席です。あんまり喋ると、舌を噛みますよ」
男(※若者)「死ぬ! 絶対、死ぬって!」
アヤメ「行きます!」
アヤメ「あなたの根性も、これで少しは正されたことでしょう」
男(※若者)「身体の中身が全部出そう…」
アヤメ「もう1回、行っておきますか?」
男(※若者)「ひい!? 調子に乗って本当にすみませんでしたッ!」
アヤメ「この程度でギブアップとは情けない。やはり、もう1回行っておきましょう」「準備はいいですね?」
男(※若者)「いやぁぁぁ! やめてぇぇぇ!」
【戦闘マップ終了】
【シナリオエンドデモ開始】
アヤメ「…ということがあったのです」
オリーヴ「それは災難でしたね…」
カタリーナ「災難なのは、その男性の方じゃないですか? アヤメの訓練に20戦も付き合わされるなんて、廃人になってもおかしくないですよ?」
アヤメ「たったの20戦です。あの程度で逃げ出すとは本当に情けない。あむっ!」
カタリーナ「怒るのか食べるのか、どっちかにしたらどうですか?」
アヤメ「怒りでお腹が空くんです。仕方ないでしょう。はぐっ!」
オリーヴ「次はきっといい人が見つかりますよ。だから、大丈夫です」
アヤメ「いえ、別に励ましてもらわなくても…」
カタリーナ「随分と無口ですね、ベルタ。食事も進んでいないようですし」
ベルタ「わ、我のことは気にするな」
アヤメ「ベルタ」
ベルタ「ひゃい!?」
アヤメ「心配して来てくれて、ありがとうございました」
ベルタ「あ、ああ、そのことか。気にするな、当然のことをしたまでだ」
オリーヴ「でも、不思議ですよね。手紙に書いてあった字をその男の人が書いたとはとても思えません」
ベルタ「!?」
アヤメ「人は見かけによらないということでしょう。良い意味でも悪い意味でも」
オリーヴ「そうなんですかね」
アヤメ「本当に時間を無駄にしました。明日からはより一層、訓練に集中しなければ」
カタリーナ「わーお。私たちも道連れです?」
アヤメ「当然です。私たちは運命共同体なのですから」「明日からもよろしくお願いしますね、ベルタ」
ベルタ「うー!」
カタリーナ「ほら、ベルタも嫌がってますよ?」
オリーヴ「ふふふ」
アヤメ「明日に備えて、しっかりと食べておかなければ。おばさん、おかわりを下さい!」
【シナリオエンドデモ終了】
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