イングラム1号機/泉野明
零式/香貫花・クランシー
幻の街
特車二課第2小隊。
それは急増するレイバー犯罪に対抗する為に
結成された組織である。
警察組織でありながら、
その枠に囚われない彼らの
超法規的活動、活躍は犯罪への抑止力として、
確かな功績を挙げていた。
これはそんな彼らが関わった
レイバー暴走事件から、
その少し後の出来事である
[Ep.1]
【シナリオデモ開始】
シゲ「いいかぁ、お前らァッ…! 整備の心は求道の心!」「人の生命を預かるおれたちの仕事は、技術に血を通わせなくちゃあならねえ! 従ってなぁ…!」
野明「シゲさん、今日もやってるなぁ」
遊馬「何、呑気な声を出しとるんじゃ、お前は…」
野明「いやさ、ここのとこ大変だったじゃない。例の事件の後処理とかもあって、慌ただしかったし」「やっとなんか落ち着いた時間を過ごせたなぁって思ってさ」
遊馬「言われてみりゃ、それもそうか。ま、太田が聞いたら『たるんどるー!』とか怒り出しそうだけどな」
野明「違いない」
香貫花「どこの国でも警察と軍隊は暇であるに限るわ。平凡な日常が過ごせるに越したことはない」「もっともここにおおいてはその日常こそがまさしく非日常的であると言えるのだけれど…」
野明「香貫花…」
香貫花「でも、とりあえず二課もいつも通りになって良かったわ」「全部片付かないうちに、ここを離れるのは私も後味が悪いものね」
野明「ほんと助かったよ、香貫花がいてくれて! あたしらだけじゃとても処理できなかったし!」
野明「それもこれも後のことまで考えて、隊長が香貫花を正式な出向って扱いにしてくれてたおかげだな」「で、どうだった? 腰掛けとはいえ久しぶりの第2小隊は?」「気に入ったんなら、このまま戻ってきたっていいんだぜ?」
香貫花「お生憎様。私は帰って、やらなくちゃならないことが山程あるんで」
野明「そっか…来週には戻っちゃうんだよね」
香貫花「そうよ」
野明「寂しくなるなぁ」
香貫花「念の為に言っておくけど、私は日本流のウェットな付き合いは苦手なの」「また余計なことをしようとなんて考えていないでしょうね?」
野明「考えてない、考えてない…! そんなこと…!」「ねえ、遊馬!」
遊馬「もちろん、もちろん…! へへへへ…」
香貫花「…まあ、いいわ」
野明「でもさ、ウェットな付き合いってあっさり言うけど、香貫花はそういうの全然ないわけじゃないでしょ?」
香貫花「どういうこと?」
野明「うーん、いまく言えないんだけど、悲しいとか寂しいとか、そういう感じ」「あたしはあるけどな、そういうの。思い出を残したいっていうかさ…」
香貫花「それで?」
野明「ああ、別に送別会をしたいとかじゃないんだよ! 香貫花がそういうの苦手なのは知ってるし!」「ただせっかく日本に来てるのにもったいないじゃない? このまま帰っちゃうのもさ」「せっかく明日は非番なんだから、なんか考えてみてもいいんじゃない? 好きなとこへ行ったりとか」
香貫花「…別に思いつかないけれど…そうね、まあ、考えてみるわ」「それよりいいのかしら? もうじきお昼だけど、そろそろ上海亭に連絡入れないとまずいのではなくて?」
野明「あー! 忘れてたー! みんなに注文聞いてこないと!」
〔走り去る足音〕
遊馬「おれ、ワンタン麺と餃子な!」
香貫花「私もワンタン麺をお願いするわ。餃子は抜きで」
野明「ワンタン麺ふたつと餃子ね! 任せといて!」
〔走り去る足音〕
遊馬「慌ただしい奴…」
香貫花「思い出、ね…」
遊馬「ん? なんか言ったか、香貫花?」
香貫花「いいえ、別に…」
【シナリオデモ終了】
[Ep.2]
【シナリオデモ開始】
シゲ「以上が本日の作業内容である!」「続いてー! 整備班局中法度ー…ってあれ?」
香貫花「Good morning」
シゲ「香貫花ちゃん? どうしたの、いったい?」
野明「あれー! 香貫花ー!? 何やってんのさ、こんなとこで? 忘れ物!?」
香貫花「そういうわけじゃないわ」
野明「じゃあ、なんでさ? せっかく休みだからって昨日…」
香貫花「だから来たのよ、私の行きたいところに」
野明「え…? それって、どういう…」
〔軍の警報〕
〔画面、赤に明滅〕
野明「事件…!? もうこんな朝っぱらから…!」
香貫花「どうやらきて正解だったみたいね。私も出る。行くわよ、野明」
野明「うん!」
【シナリオデモ終了】
[Ep.3]
【シナリオデモ開始】
野明「ごめんね、せっかくの非番だったのに」
香貫花「Don’t worry.別に私の好きでやったことだもの。ただ、後のことを頼めるかしら?」
野明「ああ、うん。それはもちろん」
香貫花「じゃあ、任せたわよ」
野明「香貫花…」
香貫花「思い出か…」
後藤「おや、これは珍しい先客が…」
香貫花「隊長…」
後藤「隊長室の近くで吸ってると、南雲さんがうるさくってさ」「事件の後でピリピリしてるし、抜け出してきたってわけ」
香貫花「そうですか…」
後藤「非番にわざわざ出てきたんだって?」
香貫花「丁度良い時間つぶしになりました」「それに野明に言われたんです。行きたいところに行けと…」
後藤「それで、こことは…。物好きだねえ」「まあ、お前さんが次に日本に来た時、おれたちがまだここにいるとも限らない」「気持ちは分からんでもないなぁ」
香貫花「隊長が、ですか?」
後藤「ここからあの街を見てるとさ、幻のように見えてくるものだけれど…」「向こうを見たこちらもまた、幻のように見えているんじゃないか。そんなことを考えたくなる時があるのよ」「我々はどこから来たのか…。我々は何者か…」
香貫花「幻…」「しかし、そうだとしても…私は確かにここにいる」「それは…いえ、それこそが変わらない真実なのだと私は思います」
後藤「…ふ、そりゃそうだ」
香貫花「………」
後藤「あ、来週には帰っちゃうんだよね。どう、今度こそ最後にぱーっと」
香貫花「いえ、せっかくですが…」
後藤「そ。じゃあ向こうでも頑張って。って、これは少し早いか」
香貫花「私もこれからの第2小隊の健闘を祈っております」
後藤「はい、ありがとさんっと…」
【シナリオデモ終了】
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