ARX-8レーバテイン(XL-3緊急展開ブースター)/相良宗介
人と機械
レナードとソフィアの野望を阻止し、
この世界を救うために立ち上がった
宗介らミスリルの者たち。
米国海軍とアマルガムの潜水艦に
終われながらも、トゥアハー・デ・ダナンは
メリダ島へ向かう。
そんな激しい追撃船が行われる中、
整備中隊長のサックスは、レーバテインに
緊急展開ブースターを装着させようとしていた…
[Ep.1]
【シナリオデモ開始】
サックス「よし、後は接続テストだけだ。なんとか間に合いそうだな」
アル「長時間に渡る取り付け作業、感謝します。中尉殿」
サックス「こんな状況の中でやるのは確かに堪えた。他の作業もやってたらここまで持ってこれなかっただろう」「だが、このXL-3があれば、お前も晴れて空飛ぶASだ。嬉しいか?」
アル「私にとっての『嬉しい』という感情が、人間にとてのソレと同じものなのかは、わかりません」「ですが、これでメリダ島上陸作戦成功の確率が大幅に上がったのは確かです」
サックス「お前らしい答えだ」「だが、お前が仕上げる事ができて俺は嬉しい。ミートパイよりこっちを選んだ良かったと想えるほどにな」
アル「ミートパイとは?」
サックス「ママの料理だ。もうずいぶん長いこと食べてないがな」「今だから言うが、俺は艦長の命令が下る前、ここを降りて、ママとガキ共の待つフロリダに帰るつもりだった」
アル「では、なぜ残ったのですか? 水中ユニットの取り付けであれば、艦の出航前に作業を終える事ができたはずです」
サックス「自分でも呆れてる。本気なら断ることも出来たと思うしな」「けどな、命令された時、心のどこかでほっとしちまったんだよ」「お前を仕上げる事が出来るってな」
アル「………」
〔震動音〕
〔画面、震動〕
サックス「おっと、どうやら艦長は派手にやりあってるみたいだな」「最後の接続テストを行う。一旦、電源を落とすぞ」
アル「中尉殿」
サックス「ん?」
アル「ありがとうございます」
サックス「…いいってことよ」
〔スイッチを入れる音〕
サックス「こいつ…そこは『感謝します』だろ」「ったく、ホントお前は機械のくせに妙に人っぽくて…」
〔震動音〕
〔画面、震動〕
〔爆発音〕
サックス「!?」
〔爆発音〕
〔画面、発光〕
【シナリオデモ終了】
[Ep.2]
【シナリオデモ開始】
〔震動音〕
〔画面、震動〕
宗介「何とか格納庫にたどりつけたが、まだ追手を引き離せていないか」「それにしても、ここのコンテナは荒れ放題だな。もし、いつものように整備クルーがいたら…」「…! あれは…」
〔走り寄る足音〕
宗介「サックス中尉!」
サックス「サガ…ラか…」
宗介「ひどい出血だ! 待ってろ、すぐにゴールドベリ大尉を呼ぶ!」
サックス「…これはもう…無駄だろ…」
宗介「諦めるな、中尉!」
サックス「いいから聞け…サガラ」「調整はほとんど終わっている。ただ、さっきのショックで外部電源ケーブルが切断されたからアルは動かん…」「破損したケーブルはアルの右腰に繋ぎなおせ。ロッカーの3番ケーブルだ。間違えるなよ…」
宗介「…わかった」
サックス「サガラ…」「俺は…誰も恨んでないぞ…」
宗介「…中尉?」
サックス「………」
宗介「………」
〔システムの起動音〕
宗介「アル」
アル「はい、軍曹殿」
宗介「データリンクを確立しろ。ダーナから艦のデータを取得」
アル「了解。回線C1にアクセス。ダーナより応答。接続完了」
宗介(海軍は振り切れたが、リヴァイアサンはまだのようだな…)
アル「軍曹殿、質問が」
宗介「なんだ?」
アル「三時方向、距離ゼロ。識別不能の人型ターゲットがあります。これは?」
宗介「…サックス中尉の遺体だ」
アル「整備中隊長のエドワード・サックス中尉が、『作戦中死亡』になったと?」
宗介「肯定だ」
アル「死亡の原因を教えていただけますか?」
宗介「艦が被弾した衝撃で跳ね上がったコンテナが直撃した。お前の事で忙しく固定していなかったんだ」
アル「………」「了解。説明に感謝します」
宗介「………」
アル「軍曹殿」「私のせいでしょうか?」
宗介「なに?」
【シナリオエンドデモ終了】
[Ep.3]
【シナリオデモ開始】
アル「先ほどの事は、私の整備で忙しくて、サックス中尉が安全義務を怠ったと」
宗介「なぜそんな事を聞く。何か心配事が?」
アル「いえ、XL-3の接続が成功した以上、整備要員である彼を失ったことによる戦力低下は微々たるものです」
宗介「だったら…」
アル「しかし…」「私はもっと大きな損失を感じています」
宗介「…!」
アル「彼はアーバレストの時代から私の面倒を見てくれた、私の身体をもっとも良く知るひとりでした」「その彼が私を点検しない。私に話しかけない、二度と「これは戦略レベルをはるかに上回る喪失です」
宗介(悲しんでいるのか? サックスの死を? 機械であるアルが?)
アル「同時に私は、私とこの機体の整備効率の悪さが、彼を死に追いやったのではないかと懸念しています」「『私のせい』とはその意味です」
宗介「………」「お前のせいではない。必要なことだっただけだ」
アル「………」
宗介「それにサックスは最後に言っていた」「『誰も恨んでいない』と…」
アル「………」「それは私にとって高価値な情報です」
宗介「…もういいだろう。仕事に集中しろ」
アル「了解」
アル(※画面オフ)「現在、艦は緊急浮上中。浮上後フライトハッチを開放し、我々を射出する予定です」
宗介「いよいよだな」
アル(※画面オフ)「軍曹殿」
宗介「なんだ?」
アル(※画面オフ)「生きて帰りましょう、必ず」
宗介「…ああ」「行ってくる。エド・『ブルーザー』・サックス」
【シナリオデモ終了】
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