ヴァンアウス/フェール
消えゆく日々
オルブロの新たな仲間フェールは、
クンと共に願望器の解析に着手。
その結果として新たな機体を生み出す。
その名は、ヴァンアウス。
新たな力を手に入れた彼女は、
果たしてなにを掴むのだろうか…
[Ep.1]
【シナリオデモ開始】
フェール(ヴァンアウス…。これが、私の力…)
〔歩み寄る足音〕
ナイアーラ「へぇ、ようやく完成したんだ、それ」
フェール「………」
ナイアーラ「なるほどなるほど。ずいぶんと禍々しい機体だ。まさに君にぴったりって感じだね」
フェール「…なんの用なの、ナイアーラ」
ナイアーラ「用事がなければ、君と会話しちゃいけないのかい?」
フェール「その通りよ。私はこれから起動テストで忙しいから」
ナイアーラ「もしかしてだけど、僕のことが嫌いなのかい?」
フェール「別に嫌っていないわ。ただ、死んで欲しいだけ」
ナイアーラ「これは面白いことを言う」「僕だってそうしたいさ。それが可能ならば、ね?」
フェール「私が消滅させてあげましょうか?」
ナイアーラ「是非ともお願いしたいところだけれど、いまの君には無理だろうね」
フェール「なんですって…?」
ナイアーラ「君には絶望が足りないのさ。まだ、どこかで希望にすがっている。だからそうやって感情を荒げるんだ」
フェール「黙って…」
ナイアーラ「図星かい? 図星だろうね」「そうやって、願望器を模した機体に乗ってるんだ。なにを言ったところで無駄さ」
フェール「…黙ってと言ってるでしょ」
ナイアーラ「その甘さが君を殺す。…そう、死ぬのは僕じゃない。君だ」
フェール「もういい…。アンタと話していても時間の無駄だわ」
ナイアーラ「テストを始めるのかい? なら、僕が手伝ってあげるよ」
〔指パッチン〕
〔画面、青にフラッシュ〕
フェール「これは…・」
ナイアーラ「願望器のコピー品さ。テストの相手には申し分ないだろ?」
フェール「くだらない」
ナイアーラ「僕に見せておくれよ。君の絶望の深さってやつをさ」
フェール「勝手にすれば」
ナイアーラ「うん、そうさせてもらうよ」
【シナリオデモ終了】
【シナリオエンドデモ開始】
アサヒ「─────」
フェール「ユニット各部に問題なし。…このまま、トドメを刺すわ」
〔画面、発光〕
アサヒ「大丈夫ッスよ、俺とシャッテさんはパートナーなんですから」
シャッテ「…!」
〔画面、発光〕
〔爆発音〕
フェール「…ヴァンアインの撃破を確認」
ナイアーラ「おめでとう。見事なまでに破壊したね」「それにしても、ずいぶんと時間がかかっていたけれど、なにか問題でもあったのかい?」
フェール「起動テストなのよ。敵を素早く倒す必要はないわ」
ナイアーラ「言われてみれば、確かにその通りだね」「僕はてっきり、情でも移っちゃったのかと心配してしまったよ」
フェール「もう充分でしょ。あとは放っておいてくれるかしら?」
ナイアーラ「でもいまみたいな調子で、本物の願望器に勝つできるのかな?」
フェール「問題無いわ。このヴァンアウスならやれる」
ナイアーラ「確かにその機体は素晴らしいよ。…でも、君の方はどうなんだろうね?」
フェール「…なにが言いたいの」
ナイアーラ「確証が欲しいのさ。君なら大丈夫だと想える要素がね」
〔指パッチン〕
〔画面、青にフラッシュ〕
フェール「ヴァンアイン・アルヴァ…」
ナイアーラ「次はこれで試してみようか」
フェール「アンタ、本当にいい趣味してるわね」
ナイアーラ「君には負けるさ。願望器を破壊した、君にはね」
フェール「………」
【シナリオエンドデモ終了】
[Ep.2]
【シナリオデモ開始】
フェール「はあああああッ!」
〔斬撃音〕
〔画面、フラッシュ〕
アサヒ「─────」
シャッテ「─────」
フェール「浅かったか…!」
ナイアーラ「あの願望器、なかなかやるじゃないか。まさに息の合ったコンビネーションだ」「きっと、ふたりが固いきずなで結ばれているから、あんな繊細な動きができるんだろうね。君もそう思うだろ?」
フェール「知ったことか!」
ナイアーラ「あーあ。そんな大振りな攻撃をしてたら」
フェール「ッ!?」
〔銃声〕
〔画面、フラッシュ〕
フェール「ぐうッ!」
ナイアーラ「直撃を受けても爆発四散しないなんて、なかなかいい機体じゃないか」
フェール「横からごちゃごちゃと…!」
ナイアーラ「僕に八つ当たりするのは勝手だけど、このままじゃ希望を力に変換しているあのふたりには勝てないよ?」
フェール「アンタがつくった幻影なんかに、負けるものか!」
ナイアーラ「負けるさ、このままじゃ」
フェール「うるさいッ!」
ナイアーラ「君の力の根源はなんだい。なにをもって君は希望を塗りつぶす?」
フェール「そんなもの、とうにわかっている」「私の力…それは…」
アサヒ「─────」
シャッテ「─────」
フェール絶望だああああああッ!」
【シナリオデモ終了】
【シナリオエンドデモ開始】
フェール「追い詰めた…! これで!」
〔画面、発光〕
シャッテ「目を覚ましたら、また会いましょう」
アサヒ「うん。それまでおやすみ、シャッテ」
〔画面、発光〕
〔爆発音〕
ナイアーラ「あーあ、バラバラになっちゃった。色々なモノと一緒にね」
フェール「………」
ナイアーラ「折角、勝ったんだ。もっと喜んでもいいんだよ?」
フェール「これで証明できたでしょ。私ならやれるって」
ナイアーラ「うーん。果たして本当にそうなのかな?」
フェール「まだ、なにかさせるつもり?」
ナイアーラ「いやね、疑問に感じているんだ。君が本当に絶望しているのかってね。だって、君は幸せを失っただけじゃないか」「幸せを失った程度で、果たして絶望していると言えるのか?」
フェール「私が絶望していないとしたら、どうだっていうの」
ナイアーラ「それは問題さ。大問題だよ。僕たちの存在を根底から覆しかねない」「だってそうだろ? 僕たちは絶望にこそ、希望を見出しているのだから」
フェール「アンタの暇つぶしに、これ以上付き合っていられないわ」
ナイアーラ「まあまあ、そう言わずに。もう少しだけ遊ぼうじゃないか」
〔指パッチン〕
〔画面、青にフラッシュ〕
フェール「また、ヴァンアイン・アルヴァ? ずいぶんと芸がないのね、道化のくせに」
ナイアーラ「そうかもしれないね。でも、僕は王道が好きなのさ。…こんなありきたりな物語がね」
アサヒ「ここは…?」
フェール「…!」
ホノカ「兄さん、どうなっているのですか、これ…?」
フェール「アンタ、まさか…」
ナイアーラ「さあ、いよいよフィナーレだ」「存分に見せておくれ。絶望に歪む、君の貌を!」
【シナリオエンドデモ終了】
[Ep.3]
【シナリオデモ開始】
ナイアーラ「まともに戦えないものだと思っていたけど、僕の思い違いだったようだね」
ホノカ「兄さん、このままじゃ!」
アサヒ「わかってる! 一度、手kとの距離をとるぞ!」
フェール「させるかッ!」
〔金属音〕
〔画面、フラッシュ〕
アサヒ「うぐッ!?」
フェール「…ようやく、捕まえた」
ほのか「なんてパワーなんですか…! 引き剥がすこともできないなんて…!」
フェール「このまま、コックピットを引き裂いてあげる」
アサヒ「ふざけるなッ! 俺はもう一度、シャッテに会うんだ!」「それまでどんなことをしてでも、死んでたまるかよ!」
フェール「………」
アサヒ「俺は彼女に伝えるんだ!」「もう絶対に君を離さないとッ!」
フェール「…ッ!」
ホノカ「…? 敵の動きが止まった…?」
アサヒ「いまあ、ホノカ!」
ホノカ「は、はい!」
〔バーニアの噴射音〕
フェール「………」
ホノカ「無事には慣れられましたけど、なぜあの敵は動かないのでしょうか…?」
アサヒ「理由はわからないけど、敵のことを考えている余裕はないんだ」「動かないっていうなら、いまのうちにやってやる!」
ナイアーラ「あらら。これでおしまいかな?」
フェール「…苛つくのよ」
〔光の放射音〕
フェール「全て…壊してやる」
ナイアーラ「ハハッ! 素晴らしい瘴気だよ、フェール! まるで宇宙の果てを覗いているかのようだ!」
フェール「消えなさい! 塵ひとつ残さずに!」
【シナリオデモ終了】
【戦闘マップ開始】
ホノカ「兄さん…」
アサヒ「俺は…俺は…! こんな場所で…!」
フェール「………」
〔斬撃音〕
〔画面、発光〕
【戦闘マップ終了】
【シナリオエンドデモ開始】
ナイアーラ「見事なまでの粉微塵だ。これじゃあ、助かりっこないね」
フェール「………」
ナイアーラ「いやあ、爽快だったよ。希望が破壊される瞬間ってのはさ」
フェール「下らないことを…」
ナイアーラ「下らない?」
フェール「あのパイロットたちも、アンタがつくった幻影でしょ」
ナイアーラ「なにを言っているのか、さっぱりとわからないね」「なにか根拠でもあるのかい?」
フェール「あいつは誰を相手にしていても、敵なんて言葉、一度も使わなかったわ…」
ナイアーラ「…そうかい。次からは気を付けるとしよう」
フェール「次はないわ。もし同じことをしたら殺すから」
ナイアーラ「そんなに怒らないでよ。君のためを思ってやったことなんだからさ」
フェール「私のため?」「私のことを考えてくれているなら、二度と近付かないでくれる?」
ナイアーラ「そうはいかない、僕と君はチームなんだ。仕事を円滑に進める為にも、仲良くやっていこうじゃないか」
フェール「アンタと組まなくちゃいけないって事実が、私にとっての絶望よ」
ナイアーラ「僕を糧に進化すると? それも面白いかもしれないね」
フェール「それで、次はどんな手品を私に見せてくれるのかしら?」
ナイアーラ「残念ながら、クンに呼ばれていてね」「名残惜しいけれど、これで失礼させてもらうよ」
フェール「そう」
ナイアーラ「では、また今度」
フェール「………」「私の絶望…」「…まだ、手に感触が残ってる」
【シナリオエンドデモ終了】
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