ヴァンヴァルト/イヌイ・アサヒ
離れるキモチ
理解の力を失ったことで、
分離してしまったヴァンレイズの
片割れに搭乗していたアサヒは、
突如暴走状態となり、謎の敵へと襲い掛かった。
戦闘終了後、
H.I.A.W.Dの面々と合流するべく
基地へと戻ったアサヒはm
自分の現状を報告すると共に
自らの意思で基地内の一室で軟禁状態となる。
そこに、彼のことを心配した、
シャッテとホノカがやって来て…
[Ep.1]
【シナリオデモ開始】
アサヒ「………」(あの機体に乗ってる時に感じた、ドス黒い感情。あれは、なんだったんだろうか…)(俺がいずれ、あれに飲み込まれるのか…?)
〔ノックの音〕
アサヒ「うん?」
シャッテ(※画面オフ)「アサヒ、ちょっといい?」
アサヒ「シャッテ? どうしたんだ?」
ホノカ(※画面オフ)「いいから早く開けてください」
アサヒ「わ、わかったよ…」
〔ハッチの開閉音〕
シャッテ「ご飯、食べてないでしょ? 持って来たから、一緒に食べましょう」
アサヒ「そんな、気を遣わなくてもいいのに」
ホノカ「遣いますよ、そんな酷い顔してたら」
アサヒ「そんなに酷いか?」
ホノカ「兄さんの顔が酷いのは元々ですけど、いまはより一層酷いです」
アサヒ「酷いのは、ホノカの言葉だろ…」「昔は、『お兄ちゃんの顔好き』って言ってくれたのにさぁ」
ホノカ「言ってません、そんなこと」
シャッテ「へぇ、お兄ちゃんって呼んでたんだ?」
ホノカ「呼んでません。兄さんが記憶を改ざんしているだけです」
アサヒ「恥ずかしがらなくてもいいだろ?」
ホノカ「恥ずかしがってなんかいません。叩き潰しますよ」
アサヒ「怖いな、おい!?」
シャッテ「ほら、用意できたわよ」
ホノカ「では、いただきます」
シャッテ「ん~! 1日ぶりの食事はしみるわね」
ホノカ「はい、やっと一息つけた感じがします」
アサヒ「………」
シャッテ「どうしたの、アサヒ? 何か嫌いなモノでも入ってた?」
アサヒ「いや、そうじゃなくて…」「いまの俺には、あまり近付かない方がいいと思うんだ…」
ホノカ「それって、思春期特有のアレですか?」
アサヒ「冗談を言ってるわけじゃないよ。もし、ホノカたちを傷つけたら…って思うとさ…」
シャッテ「アサヒは、あたしたちを傷つけたいと思って傷つけるの?」
アサヒ「そんなこと、思うわけない」「…けど、自分で自分が抑えられなくなるんだ…」
シャッテ「それって、アサヒの意思じゃないってことでしょ? なら、何も気にする必要はないわ」
アサヒ「けど…」
ホノカ「けども、しかしもありません。私たちが気にしなくていいと言ってるんです」
アサヒ「………」
シャッテ「納得するのが難しいのはわかるわ。でもね、あたしがアサヒを傷つけた時、あなたは何も言わずに許してくれたでしょ?」「あたしも、きっと同じ気持ちだと思うの」
アサヒ「シャッテ…」
シャッテ「だから、心配しないで」
ホノカ「全部言われてしまいましたが、私も同じ考えです」
アサヒ「ありがとう、シャッテ、ホノカ」
シャッテ「あたしがちゃんとマシンを調べて、すぐに暴走の原因を突き止めてあげるから。アサヒはここでゆっくりしてなさい」
ホノカ「休養も仕事のうちですからね」
アサヒ「わかったよ。…そういえば、ヴァンアウスはどうなったんだ?」
シャッテ「あれが本当にヴァンアウスなのか、かなり怪しいところなのよね…」
アサヒ「もしかして、ヴァンアウスも?」
シャッテ「ええ、分離の際に変異しちゃったわ」「その上、いまは繭になって完全に動かなくなっちゃってね」
アサヒ「繭…? どういうことだ?」
シャッテ「それを聞きたいのは、あたしの方よ。とにかくこっちお調べないとわからないわ」
ホノカ「私に至っては、どれにも乗れなくなってしまいましたし」
アサヒ「そっか…」
シャッテ「はい、暗い話はここまで。さっさと食べちゃいましょう」
ホノカ「なんか、お母さんみたいですね」
シャッテ「はあ!? なんで、あたしがお母さんなのよ!」
アサヒ「わかる。さっきの感じとか、お母さんっぽかったよな」
シャッテ「ちょっとやめてよ!」
ホノカ「シャッテママ…」
シャッテ「だから、やめなさいってば!」
アサヒ「ふふ…「あはははははっ!」
シャッテ「まったく、もう…」
【シナリオデモ終了】
[Ep.2]
【シナリオデモ開始】
アサヒ「あれ…?」「そっか、あのあと寝ちゃったのか…。いま、何時なんだ?」
????(※画面オフ)「気にするまでもなく、時間はもう残り少ないさ」
アサヒ「…! 誰だ!?」
????(※画面オフ)「誰ってこともないだろう?」
〔歩み寄る足音〕
アサヒ「ここには、あんたしかいないんだから」
アサヒ「俺…?」
アサヒ「クン博士でも期待してたのか? 残念ながらあの人は出て行ったよ」
アサヒ「出て行った?」
アサヒ「今日はそれを教えるために、わざわざあんたの前に出てきたわけじゃない」「言っただろ、時間がないって」「いい加減、真剣にやってもらわないと、こっちの見も危ないんだ」
アサヒ「…何を言ってるんだ」
アサヒ「とぼけるのは、やめた方がいい。俺はあんたなんだからな。それとも、事実を突き付けて欲しいのか?」「だとしたら、あんたの望み、叶えてやるよ」「消えたくなければ、抑えつけてる本能を解放して、進化しろ」
アサヒ「そんなこと、できるわけない」
アサヒ「なぜ出来ない。そうしなければ、あんたの存在はなくなるんだぞ」
アサヒ「それでも、俺はヒトであることを捨てたくない」
アサヒ「人であろうがなかろうが、彼女たちは気にしないと思うけどね」「むしろ、どんな形であれ、あんたが生きてくれることを望むと思うが?」
アサヒ「それでも答えは変わらない」
アサヒ「結局、自分の都合か。あんたはいつもそうだ、そうやって自分の都合に他人を巻き込む」「まぁ、いいさ。どんなに抵抗したところで人には戻れない。すぐにそれれを自覚することになる」
アサヒ「何を言って…」
アサヒ「早く起きた方がいいぞ。そうしないと、大切な彼女が傷つくことになる」「…いや、もう遅いかな」
アサヒ「起きる…?」
アサヒ「それじゃあ、またな」
アサヒ「おい、待っ…「
〔画面、発光〕
シャッテ(※画面オフ)「アサヒ…」
アサヒ「ここは…。俺…」
シャッテ「…アサヒ、痛いから離して」
アサヒ「シャッテ…?」
【シナリオデモ終了】
[Ep.3]
【シナリオデモ開始】
シャッテ「………」
アサヒ「ッ!?」「お、俺…」
シャッテ「落ち着いて、アサヒ」
アサヒ「俺…シャッテに何をしたんだ…」
シャッテ「大丈夫よ、ただ手首を掴まれただけだから」
シャッテ「だったら、なんであんな怯えた顔を…」
シャッテ「…いきなりだったから、少し驚いただけ。それに、スゴい力だったから…」
アサヒ「手首に痣が…」
シャッテ「こんなのすぐに治るわ」
アサヒ「ごめん、俺…」
シャッテ「謝らないで。悪いのは勝手に入ったあたしなんだから」「様子が気になっちゃって…ごめんね」
アサヒ「頼む、シャッテ。俺に近付かないでくれ。自分で自分のことがわからないんだ…」
シャッテ「心配しなくても大丈夫だから」
アシャイ「大切な君を傷つけたくないんだ」「気付かない内にもしそうなっていたらって考えると、頭が変になりそうなんだよ…」
シャッテ「アサヒ…」
アサヒ「心配してくれてるのに突き放すようなことを言ってごめん」
シャッテ「ううん、わかった。でも、何かあったらすぐに頼ってね?」
アサヒ「ありがとう…」
シャッテ「それじゃあ、おやすみなさい」
〔ハッチの開閉音〕
アサヒ「………」「あいつの言う通りだ…」「俺は最低だ…」
【シナリオデモ終了】
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