No.19B
帰るべき場所
【シナリオデモ1開始】
サイド1 ロンデニオン
大文字「では、我々αナンバーズは日本へ向かえと?」
アデナウアー「そうだ」
ブライト「しかし、極東には充分な戦力があるはずです。ジオンや木星帝国を放っておくわけには…」
アデナウアー「戦力が足りんからだ。三輪長官の話によれば、バーム軍の先遣部隊が地球に降下したらしい」
ブライト「! 何ですって…!?」
アデナウアー「おそらく、スウィート・ウォーター事件の隙を突かれたのだろう」
大文字(こちらのレーダー網やセンサーに引っ掛かることなく地球へ降下するとは…)
アデナウアー「おかげで、それらの始末のために、アルビオンまで極東へ降ろさなければならなくなった」
シナプス「自分の艦もでありますか?」
アデナウアー「ああ。戦力的な問題はともかく…三輪長官に余計な負い目を作ってしまったよ」
シナプス(我々は取り引き材料か。この期に及んで、己の立場の方が重要だというのか…?)
アデナウアー「とにかく、大空魔竜とアルビオンは極東支部へ向かってくれ」
シナプス「マザー・バンガードはどうするのです?」
アデナウアー「あんな厄介者など、三輪長官に押しつければいい」
シナプス「…了解です。では、アルビオンはマザー・バンガードや大空魔竜と共に地球へ降下致します」
ブライト「では、アデナウアー参謀次官…交渉のご成功を」
アデナウアー「ああ。シャアの相手は我々に任せてもらおう」
ブライト「くれぐれもお気をつけて」
アデナウアー「心配はいらん。再就職先を斡旋してやれば、ネオ・ジオンの連中も大人しくなる」「それに…私は君達と違って、戦争のことばかり考えているわけではないのでね」
ブライト「………」
アムロ「やれやれ…戻ってきた早々に厄介払いとはな」
ブライト「アデナウアー参謀次官はシャアの言葉を信じ、交渉を行うつもりだ」
万丈「道化芝居を真に受けられちゃあ、やってられませんね」
アムロ「…火星に異星人が居座っている以上、シャアも時間稼ぎはするさ」
エマ「ネオ・ジオンが次の行動を起こすまでに、まだ間があると?」
アムロ「…奴は自分の目的を果たすために生半可な手段を選びはすまい」
エマ「だから、充分な準備期間を必要としているということですか」
アムロ「ああ」
ギャリソン「あのお方のことですから…やるからには確実な効果を生み出す手段を選んでこられるでしょうな」
万丈「ま、僕達は今までに色々と極端な例を見てきているから…それらを参考にするかも知れないね」
フォウ「極端な例って?」
ギャリソン「衛星軌道上からの砲撃、巨大サイコミュ装置による逆行催眠、コロニー落としなど…様々でございます」
フォウ「それと同じようなことをクワトロ大尉がすると言うのね…」
万丈「確実にね」
ブライト「で…アムロ、お前も地球へ降りるのか?」
アムロ「ああ。俺達がどう網を張ろうと今の情勢じゃ、シャアの動きはつかみにくい」「となれば、奴が具体的な動きを見せた時、その出鼻をくじくしかないだろう」
ブライト「各コロニーは相変わらず非協力的だし…やむをえんな」
アムロ「だからこそ、今の内に出来ることをしておきたい。オルファンの件も気になるしな」
ブライト「了解した。何か動きがあれば、すぐに連絡する」
アムロ「ミライさんへのメッセージは?」
ブライト「…子供達のことを頼むと伝えておいてくれ。しばらくは帰れないだろうからな」
アムロ「ああ…わかった」
太平洋 海底城
オルバン「リヒテルよ、地球攻略はどのような状況になっておる?」
リヒテル「この海底城を前線基地として、地球防衛の拠点である極東地区への攻撃準備を進めております」
オルバン「未だに準備だと? 予定より遅れておるようだな」
リヒテル「申し訳ございません。海底に謎の巨大な物体が…」
オルバン「ワシは勝利の報告以外は聞く気はない。得のあの大空魔竜との戦ではな。それを肝に命じておけよ」
リヒテル「ははっ! バーム10億の民のために!」
〔モニターの開閉音〕
リヒテル「…バルバス! 大空魔竜の動きはどうなっておる!?」
バルバス「ははっ! 先程、極東地区近海に降下してきた様子です」
リヒテル「ほほう、いいタイミングだな」
ベルガン「では、奴らの始末は私に任せて頂きましょうか」
バルバス「その役目はこのバルバスが!」
ライザ「リヒテル様、何卒、このライザにお任せくださいませ」
リヒテル「大空魔竜…いや、竜崎一矢の討伐には、すでに適任の者を呼び寄せてある」「入るがよい、ハレック!」
ハレック「武術指南役、ガーニー・ハレック…参りました」
バルバス「何と…! この男がリヒテル様の必勝の策と!?」
ライザ「一介の武術師範がリヒテル様のお役に立てると思えませんが…」
リヒテル「ええい、黙れ! 遅々として進まぬ地球攻略の責任、誰にあると思っている!?」
ライザ「も…申し訳ございません」
リヒテル「バルバス! 我がバームの兵器が地球のものに劣っていると思うか!?」
バルバス「い…いえ…! そんなことはございません!」
リヒテル「では、何故我が軍は地球のロボットに勝てぬ…? 余はその答えを操縦者の差であると見た」
ベルガン「なるほど…人工知能の類ではなく有人操縦によって奴らに対抗しようとお考えか…」
リヒテル「ハレック! そなたはバームを愛しておるか?」
ハレック「もちろんでございます、リヒテル提督」
リヒテル「うむ。ならば、ハレック…余にその心の証を見せてくれぬか」
ハレック「提督のご命令とあらば、我が武術の力、お貸しいたしましょう」
リヒテル「最高の戦闘ロボットを与える。そなたの力で敵戦力の中核を成すダイモスと竜崎一矢を倒すのだ!」
ハレック「承知いたしました。ただし、私も武人のはしくれ…正々堂々の勝負をを挑ませて頂きます」
リヒテル「よかろう。勝利の暁には、そなたに余の副官の地位を与える」
ハレック「それは辞退させていただきます。私の望みはバーム星人全ての幸せ…ただそれだけでございますから」
リヒテル「ハハハ! 面白い! 出世には興味がないと申すか! ならば、ハレックよ…行けぃ!」
ハレック「はっ!」
ライザ(…ハレックに副官の座を…?)
ベルガン「おや? ライザ殿、お顔の色がすぐれないようですが…」
ライザ「い…いや…何でもない…」
ベルガン「フフフフフ…心配めさるな。あなたの悩みは、このド・ベルガンが解消して差し上げましょう」
ライザ(この男、何をする気だ…?)
太平洋 オルファン
ジョナサン「…例の大空魔竜とかいう戦艦が地球へ戻って来たようですな」「ならば、伊佐未勇もそこにいる……。どうするんです? クインシィ・イッサー」
クインシィ「決まっている。裏切り者は処分しなければならない。すぐにグランチャー部隊を…」
伊佐未研作「待て、依衣子。異星人の戦艦らしき物体が太平洋へ降下したという報告もある」「今は無駄な消耗をせず、オルファンの調整に専念する」
クインシィ「! 悠長なことを!!」「勇が大空魔竜と共にここへ攻めて来たら、ガバナーにどう申し開きをするつもりだ!?」
伊佐未研作「私が言ったことはそのガバナーの決定でもあるのだぞ」
クインシィ「何…!?」
〔扉の開く音(パターン1)〕
カナン「…カナン・ギモスです。何か御用でしょうか? 伊佐未翠博士…」
伊佐未翠「ええ。あなたにある物を取りにいってもらいたいのです」
カナン「それは…?」
伊佐未翠「私のデータファイル…。実家のチェストの棚の下にあります」
カナン「チェストの棚の下…ですか?」
伊佐未翠「あまりに古典的な隠し方というのは見つかりにくいし…見つかっても、今さらね」
カナン「了解しました…あの……」
伊佐未翠「はい?」
カナン「…着物は持ってこなくてよろしいんでしょうか?」
伊佐未翠「…気に入った着物があれば、あげますよ」
カナン「! は…はい」
ジョナサン(……伊佐未博士の実家か。だとすれば、勇が現れるかも知れん。シラーに後をつけさせるか……)
太平洋上
ピート「大空魔竜、地球への降下完了。各部に異常ありません」
ミドリ「アルビオン、マザー・バンガードも降下を完了しました」
大文字「よし。針路を極東支部基地へ」
剛健太郎「では、大文字博士、私は一足先にダイモビックへ行きます」
大文字「例の調整の件ですな?」
剛健太郎「ええ。それに、サコン君が考案した新兵器もそろそろ完成している頃でしょう」
健一「じゃあ、父さん。俺がボルトクルーザーでダイモビックまで送っていくよ」
剛健太郎「いや…それでは万が一のことがあった時、ボルテスが出撃できなくなる。私一人で行くよ」
健一「わかった。じゃあ、母さんや四ッ谷博士によろしく」
剛健太郎「うむ」
比瑪「え? 家へ帰る!?」
勇「ああ、ばあちゃんの家がこの先にあるんだ。大文字博士の許可ももらってる」
宙「地球へ帰ってきた途端、ホームシックか。そのまま抜けるつもりじゃねえだろうな?」
美和「宙さん、何を言い出すの!?」
勇「だったら、火星に行く前にそうしてる。それに、ホームシックになっているのはあんたの方じゃないのか?」
宙「!」
勇「…家族のことが心配なんだろう? だから、俺に当てつけてきた。そうじゃないのか?」
宙「何…? なら、お前はどうなんだ?」
勇「言っておくが、俺の家族は家にいない。…ばあちゃんを除いて、オルファンにいる」
宙「……!」
勇「それと…親の都合に振り回されているのはあんだたけじゃない」「だから、似た者同士でケンカするのはやめようぜ」
宙「………」「フッ…そうだな。つまらねえことを言って悪かったぜ」
美和「宙さん…!」
勇「………」
美和「ご、ごめんなさい…」
勇「いいよ、気にしてない。こんな時に一人で家へ帰るってことにも問題がないわけじゃない」
比瑪(ふ〜ん…そういうこと、言えるんだ。意外に大人じゃない)「それで、勇…。家に帰るのは、おばあさんに会うため?」
勇「いや、違う……約束があるんだ」
比瑪「約束…? あ、わかった! あのカナンとかいう女の人でしょ?」
勇「な…! じょ、冗談言うな」
比瑪「だったら、私も行くわ」
勇「何だって!?」
比瑪「勇が育った場所にも興味があるし…君一人だけじゃ、危ないでしょ。私、博士に許可をもらってくるわ」
勇「お、おい!」「まったく…!」
美和「ふふふ…比瑪ちゃん、あなたのことを心配しているのよ」
勇「…興味本位で、dだろ?」
美和「どうかしら? とにかく、気をつけて行って来てね」
勇「ああ」
【シナリオデモ1終了】
【戦闘マップ1開始】
〔味方ユニット出現〕
勇「…この辺りはまだ被害を受けていないようだな」
比瑪「へ〜え…ここが勇の故郷かあ。いい所じゃない」
勇(…リクレイマーはαナンバーズが地球へ帰ってきたことに気づいているはずだ)(だとしたら、カナンも…)
比瑪「どうしたの?」
勇「…何でもない。行こう」
〔勇、勇の家へ到達〕
勇「変わってないな、ここ…。あの時のままだ」
〔センサーの反応音〕
勇(カナンのグランチャーの反応…。約束を覚えていてくれたか…)
比瑪「今、何か反応しなかった?」
勇「…気のせいだろ」
〔比瑪、着地〕
比瑪「畑がある…! 土も結構いいみたい」(こんな所で…こんな家と畑が好きだったんだ、勇は…)
勇(…手入れがされてない。やっぱり、ばあちゃんは…)
【戦闘マップ1終了】
【シナリオデモ2開始】
カナン「…チェストの棚の下……。あったわ、これがデータファイルね」「…それに、着物……」(…伊佐未翠博士には母親の香りは感じない…)(でも、この伝統的な衣装には女性の身体を包んでいたものがある…)(女の身体を包んでいたもの…)「私は…誰にも愛されていなかった…。そ、そうよ……生まれる前から、ずっと…」
比瑪「…誰もいないみたいね」
勇「ばあちゃん、二ヶ月はほったらかしてるぞ…」
〔物音〕
勇「! 誰だ!?」
カナン「…………」
勇「カナン…?」
比瑪「え…!?」
勇「カナン…約束を覚えてくれていたのか?」
カナン「…あなたの家に用事があっただけ。それに、ここはオルファンにいた時に決めた落ち合う場所とは少し違うわ」
比瑪(落ち合うって…!?)
勇「カナン…オルファンを捨ててくれないか?」
カナン「出来るわけないでしょ! …出来ないわ」
勇「シラーもジョナサンもクインシィに親父にお袋…カナンもだけどみんなオルファンによりかかっているよ」「それでは子供のままじゃないか」
カナン「思い通りにならないからってお家を飛び出してしまう方がずっと子供だと思わない?」
勇「俺はオルファンの間違いに気がついたんだ。オルファンでは選ばれた人間だけが生き残れるって教えられた…!」「オルファンに呼ばれたリクレイマーだけ生き残るって…。それってさ…絶対間違ってるよ!」
カナン「………」
勇「俺さ…ブレンパワードに乗った時にわかったんだ」「オルファンではちゃんと動かせなかったあれさ…動いてくれたんだぜ」
カナン「私は…あなたと違って帰る場所はオルファンにしかないのよ!」
勇「カナン…!」
比瑪「ちょっと、君! これって、どういうことなの!?」
勇「口を出すな! これは俺とカナンの問題なんだ!」
比瑪「何でさ! あの人あんたの姉さんなの!? 恋人かぁ!?」
勇「馬鹿言うな!」
〔爆発音〕
比瑪「!?」
勇「あの爆発…! あの音、グランチャーか!?」
【シナリオデモ2終了】
サブタイトル
「帰るべき場所」
【戦闘マップ2開始】
〔味方ユニット出現済み〕
〔敵ユニット出現〕〕
勇「あのグランチャー…シラーか!」
比瑪「勇! ここで戦っては駄目よ!」
勇「シラーはそんなことを考える奴じゃない!」
カナン「どういうつもりなの!? シラー!!」
シラー「そっちこと、裏切り者と密談かい!?」
カナン「私は勇を連れ戻したかっただけよ!」
シラー「伊佐未勇は邪魔なんだ! ジョナサンやあたしにはね! あんたも一緒に死んでもらうよ!」
カナン「シラー! 誤解しないで!!」
〔カナンとシラー、隣接〕
勇「カナン! オルファンに取り憑かれた奴はますますこうなると思わないか!?」「カナン!!」
カナン「!?」「な、何なの!? 動かない!! 拒絶反応!?」
シラー「カナン! グランチャーに見捨てられたねえ!!」
[イベント戦闘「カナンvsシラー」]
〔味方ユニット撃破〕
勇「カナンッ!!」
〔シラー、勇に隣接〕
勇「どけ! 邪魔するなぁっ!!」
シラー「あんたも死にな!!」
〔比瑪、前進〕
カナン「!!」「な、何故…助けてくれた…の?」
比瑪「私じゃなくて、この子が助けたの」
ヒメ・ブレン「………」
比瑪「あなた、リクレイマーじゃないって言ってるわ」
カナン「………!」
シラー「チッ! こうなったら、あのブレンだけでも!」
勇「させるかよ!!」
〔勇と比瑪、小隊併合〕
シラー「勇! こないだみたいにはいかないよ! まとめて落としてやる!」
〔警戒警報〕
シラー「! 何だ!?」
〈出撃戦艦選択〉
〔味方ユニット出現〕
ナンガ「比瑪! 大丈夫か!?」
比瑪「みんな! 来てくれたの!?」
シラー「くっ、奴らが来るとは…! 引きあげるぞ!」
〔敵ユニット離脱〕
一矢「行ったか……」
勇「…カナン、大丈夫か?」
カナン「勇……ありがとう…。でもね…何が正しいのかわからないわ。私には……」
勇「正しい、正しくないの前に考えなくちゃいけないことがある。…世代を重ねる意味という奴をね」
カナン「…母のことを全て自分に置き換えて、傷を深くする必要はないってこと?」
勇「それもあるけど…」「俺は今、とっても嬉しいんだ。カナンと戦わずにすんでさ」
カナン「あ…! そりゃそう…そりゃ、あたしだってそうよ…! 勇…!」
比瑪(二人して、何話してんだか)
一矢「勇、さっきのグランチャーが仲間を連れて戻ってくるかも知れない。その人は俺達の母艦に収容しよう」
勇「ああ」
〔勇、母艦に隣接〕
〔敵ユニット出現〕
一矢「何!? バーム軍か!!」
アムロ「各機、出撃するぞ!」
〈出撃準備〉
〔通信のコール音〕
ハレック「聞こえるか、竜崎一矢!」
一矢「俺を名指しで!? 誰だ!?」
ハレック「俺の名はガーニー・ハレック! バーム星武術師範の名に賭けてお前に決闘を申し込む!」
一矢「決闘だと!?」
ハレック「共に母星の誇りを賭けた一対一の勝負だ。どうだ、この挑戦を受けるか!?」
一矢「………」
「一矢選択」
「その勝負、受けて立つ!」
「その手には乗らないぞ!」
※※「その勝負、受けて立つ!」を選択した場合のセリフ※※
一矢「いいだろう…! その勝負、受けて立つ!」
京四郎「おいおい、正気か?」
ナナ「そうよ、お兄ちゃん! ワナかも知れないわ!」
※※「その手には乗らないぞ!」を選択した場合のセリフ※※
一矢「そんな見え透いた手に乗ってたまるか! わざわざワナにかかりに行くほど俺も馬鹿じゃない!」
ハレック「フ…このハレックも見くびられたものだ…。所詮、地球人…やはり本物の武人はいないようだな…」
一矢「何だと…!? 散々卑怯な手を使っておいて、今更何を言う!」
ハレック「違う! 確かに全ての人間が洗練潔白だと言うつもりはないがバーム星人は誇り高き種族だ!」
一矢「………」
ハレック「………」
一矢「いいだろう、ハレック…! この勝負、受けて立つぞ!」
京四郎「おいおい、正気か!?」
ナナ「そうよ、お兄ちゃん! ワナに決まってるわ!!」
一矢「あのハレックという男の気迫は本物だ。ここで背
中を見せるのは地球人の…いや、男の恥だ!」
ハレック「よし…! 誰にも邪魔されないところで勝負をつけるぞ、竜崎一矢!」
一矢「望むところだ!」
〔ハレック、前進〕
〔一矢、精神コマンド「気合」使用〕
〔一矢、前進〕
ハレック「よく来た、竜崎一矢。俺の挑戦を受けてくれた礼を言おう」
一矢「…礼など要らん。何故なら、お前はここで俺に倒されるからだ…!」
ハレック「フ…、その言葉はそのままお前に返そう。行くぞ、竜崎!」
一矢「来い、ハレック!」
ライザ「リヒテル様の作戦通り、ダイモスはハレックが片づける。残る部隊は他の奴らを攻撃しろ!」(それにしてもベルガンめ、別行動を取るとは…。何を企んでいる?)
<戦闘開始>
<一矢vsハレック(1回目)>
ハレック「噂以上にやるようだな! それでこそ俺の相手に相応しい男だ!」
一矢「それはこっちの台詞だ! 俺の空手を受けてみろ!」
<一矢vsハレック(2回目)>
一矢「さすがだぜ、ハレック…! この俺の空手と互角に戦うとはな」
ハレック「フフフ…久々に心踊る戦いと相手だ」「お前のような真の武人と巡り会わせてくれたことを戦いの神に感謝したくなる…」
一矢「ハレック…」
ハレック「だが、俺達は敵同士だ…! 決着をつけるぞ、竜崎!」
一矢「おう!」
<サンシローvsライザ>
サンシロー「平和的な交渉を求めてきたお前達を俺は歓迎するつもりだった…」「だが、武力で地球を制圧する気なら容赦はしないぜ!」
ライザ「計略を用いたのは地球人の方だ! 我々バーム星人はお前達を決して許しはしない!」
<ピートvsライザ>
ピート「異星人め! この地球を貴様達の好きにはさせんぞ!」
ライザ「黙れ! バーム10億の民のため、そしてリヒテル様のため、この戦い負けるわけにはいかないのだ!」
<一矢以外vsハレック>
ハレック「どけ! 俺と竜崎の戦いの邪魔をするな!」
<ライザ撃破>
ライザ「いかん! これ以上の戦闘は不可能か!」
<ハレック撃破・勝利条件達成>
ハレック「見事だ…竜崎…! この俺を倒すとは…!」「だが、まだまだ!」
ライザ「作戦は失敗だ! 全軍、撤退しろ!」
〔敵ユニット出現〕
ライザ「あのスカールーク…ド・ベルガンか!?」
〔一矢、爆発〕
一矢「ぬうっ!」
ナナ「ほら! やっぱりワナじゃない!!」
京四郎「一矢! 後退しろ!!」
ベルガン「逃がしはせんぞ、ダイモス!!」
ハレック「やめろ! この勝負は俺の負けだ! 勝者である竜崎に手を出すことは俺が許さん!」
ベルガン「甘いぞ、ハレック! 戦いは勝てばいいのだ!」「ダイモスは貴様との戦いで傷を負った。奴を倒すのは今をおいて他にない!」
ハレック「おのれ…! 武人の心を解せぬ卑怯者めが!」
ベルガン「邪魔をするなら、ダイモスの後に貴様も葬ってくれる! 裏切り者としてな!」
ハレック「何だと!?」
一矢「くそっ…!」
ハレック「竜崎!」
〔ハレック、前進〕
〔一矢&ハレック、小隊併合〕
[イベント戦闘「一矢vsベルガン」]
ハレック「うおおおおっ!」
一矢「ハレック!」
ベルガン「貴様! 敵をかばいだてするとは!!」
ハレック「お…俺と竜崎は男と男の勝負をしたのだ! それを貴様のような卑劣漢に汚されてなるものか!」
一矢「ハレック…!」
ベルガン「余迷い事を! ならば、二人まとめてあの世に送ってくれる!」
ハレック「竜崎…お前を殺させはせん!」
ベルガン「何をするつもりだ!?」
〔ハレック、ベルガンに隣接〕
〔敵ユニット撃破〕
〔ベルガン、爆発〕
一矢「ハレック!」
ベルガン「ば…馬鹿な…! スカールークに体当たりするとは! ええい! 撤退だ!」
〔敵ユニット離脱〕
一矢「ハレック…」
健一「あのハレックという男…一矢との勝負を最後まで貫いたのか…」
サンシロー「敵ながら天晴れな奴だぜ」
一矢「ハレック…。お前こそは勇士…真のサムライだ」「む? あれは……」
【戦闘マップ2終了】
【シナリオエンドデモ開始】
太平洋上
ハレック「…何とか脱出は出来たか…!」
〔機体の歩く音〕
〔機体の止まる音〕
ハレック「! ダイモス…!?」
一矢「お前がハレックか…?」
ハレック「いかにも…。そして、お前が竜崎一矢か…」
一矢「そうだ…!」
ハレック「…俺はバーム星人…、お前達地球人の敵だ。捕らえるなり殺すなり好きにするがいい…」
一矢「いや…そのつもりはない。俺達の戦いはお預けになってしまったからな」「それに俺はお前に命を救ってもらった礼を言わねばならない」
ハレック「フフフ…。同胞の不始末の尻拭いをしたまでだ。こちらが侘びをするのが筋だろう」
一矢「ハレック…」
京四郎「おーい、一矢! どこだーっ!?」
ハレック「どうやら、お前の仲間が来たようだな…」
一矢「いかん…! ハレック、この場は俺の任せて逃げろ!」
ハレック「お前は敵である俺を見逃すというのか?」
一矢「妙な邪魔が入って俺達の勝負は流れちまった…。だが、次に会った時には決着をつけるぞ…!」
ハレック「竜崎…」
一矢「それまでに傷を治しておけよ」
ハレック(何という高潔な心を持った男だ…。この男ならエリカ様が心惹かれたことも納得出来よう…)「…すまん、竜崎。この借りは必ず返す」
〔滑空音〕
一矢「ハレック…再戦を楽しみにしているぜ…」
ピート「一矢! 今、ここにバーム星人がいなかったか!?」
一矢「ああ…俺と戦ったバーム星の戦士、ハレックがいた」
ピート「貴様! みすみす敵異星人を逃がしたのか!?」
一矢「ハレックは俺の生命を救ってくれたんだ。そんな男を敵として扱うことなど俺には出来ない」「それに、あの男は誇り高き戦士だ。無理に情報を聞き出そうとすれば、自ら死を選ぶだろう」
ピート「目を覚ませ、一矢! 敵の異星人と心を通わせることなど理想論に過ぎない!」「そのおかげで、火星でどれだけの被害が出たか…お前もわかっているだろう!」
一矢「確かに、俺は父をバーム星人に殺された。だが、彼らの全てが悪だとは思えない」
ピート「何…!?」「まさか…お前、まだエリカのことを…!?」
一矢「…ああ」
ピート「この野郎…! エリカと同じで、さっきのバーム星人にも情けをかけたというのか!?」
サンシロー「おい、やめろよ、ピート。一矢とハレックは一対一で戦ったんだ。その二人にしかわからないこともあるさ」
ピート「無責任な発言はやめろ! お前はまだ地球を守る戦士としての自覚がないのか?」
サンシロー「あるさ! お前に言われるまでもなくな!」
ピート「!」
サンシロー「だが、異星人だから誰彼構わず敵だというお前の考えは、間違っているんじゃないのか?」
ピート「何…!?」
サンシロー「それは、無差別に攻撃してくる異星人と変わりがないぜ」
ピート「……!」「…お前達と話しても時間の無駄だ。この件は大文字博士に報告するぞ」
一矢「好きにしてくれ。俺は間違ったことをしたとは思っていない…!」
ナナ「…お兄ちゃん……」
ファン・リー「…どちらも正論だな。だが、それ故にぶつかってしまう…」
ブンタ「そうですね…」
ナナ「………」
勇「身体は大丈夫か? カナン…」
カナン「心配をかけてごめんなさい。拒否反応が思った以上に…」
勇「ここでゆっくり休むんだ。もうオルファンに戻る必要も、アンチボディに乗る必要もない」
カナン「…勇は…それでいいの?」
勇「いいも何も、俺はオルファンから飛び出しちまったからな」
カナン「勇が自意識を取り戻せばあのご両親から逃げ出したいというのはわかるけれど…」「でも、オルファンの目的は…」
勇「オルファンの目的はわかってるさ。人間をみんな、自分に従う者にしちまう。…姉さんや親父達を見ただろう?」
カナン「それでも、あそこは私の見つけた唯一の安らぎの場所だったのよ」「他のどこにいても私は不安で仕方なかったわ…」
勇「それはカナンのお母さんの不安だろ? カナンはカナンとして生きる意志を持つべきだよ」
カナン「そんあこと出来るわけないわ…」
勇「出来る。俺はそう考えたから行動した」
カナン「私にはオルファン以外に生きる場所はなかったのかも知れない…」
勇「ノヴィス・ノアがある。あそこはカナンに合うと思う」
カナン「…勇は?」
勇「俺は…αナンバーズの連中と行動を共にするよ」
カナン「………」
勇「色々大変だけどさ、リクレイマーを止めるにはそうするしかないって思ってる」「あの連中は遺伝子や記憶が全てだと言うけど…」「そうだったら何故、俺達は世代を重ねるんだ?」
カナン「その間違いをオルファンが正すのでしょう?」
勇「違うよ。オルファンには、何か…そう、とりあえずの呪縛のようなものがあるんだよ」
カナン「とりあえずの呪縛…?」
勇「カナンだって、オルファンを離れてみてわかるだろう?」
カナン「ええ…」
勇「だからさ…カナンが帰るべき場所はあそこじゃないんだ」「これからどうするかはゆっくり考えりゃあいい……」
クマゾー「ど、どう?」
アカリ「うん…大丈夫みたい。比瑪姉ちゃんの所へ戻ろ!」
ラッセ「ん? 何やってたんだ、あの二人…」
ナンガ「さあね。多分、カナンのスパイをやってんだよ」
ラッセ「あの女が年下の坊やを追いかけてきたって話もあるけど?」
ナンガ「そんな安っぽい女か?」
ラッセ「そうだな。そういう女じゃない」
ナンガ「惚れたか?」
ラッセ「まさか」
太平洋 海底城
ライザ「ベルガン殿! 一体、何のつもりで増援に現れた!?」
ベルガン「ご覧の通りですよ。ハレックとの一騎討ちで消耗したダイモスを倒そうとしたまでのこと」
ライザ「しかし、味方であるハレックを巻き添えにしようとするなど…」
ベルガン「それこそがあなたの望みではなかったのですかな? ハレックに副官の地位を脅かされていたあなたの…」
ライザ「ベルガン殿…!」
ベルガン「フフ…おこった顔もまた美しい…。リヒテル提督への熱のこもった視線よりそちらの方があなたらしい」
ライザ「貴様…この私を愚弄するか!」
リヒテル「二人ともやめい! 争う時間があるのなら次の作戦を考えるのだ!」
ベルガン「仰せのままに…」
ライザ「………」
バルバス「申し上げます、リヒテル様! ハレックが海底城に帰還しました!」
ベルガン「ほほう…あの爆発で生きていたことも驚きなら、敵に見つからずに戦闘空域を脱出してきたことも驚き…」
リヒテル「バルバス! すぐさまハレックを連れて参れ!」
バルバス「はっ…!」
〔歩く足音〕
リヒテル「おおハレック…! よくぞ無事に戻ってきた…!」
ハレック「申し訳ございません、リヒテル様…。お約束を果たせぬままおめおめと帰還したことをお許し下さい…」
リヒテル「何を申す…。そなたの戦い振りはライザより聞いた。無論、ベルガンとのことも不問にいたす」「竜崎一矢の首を取ってくるのは次の機会でよい。今は身体を休めよ」
ハレック「ありがたきお言葉…。ですがこのハレック、まずはリヒテル様にお願いがございます」
リヒテル「…いいだろう。なんなりと申してみよ…」
ハレック「…どうか地球人との争いをお止め下さい」
リヒテル「な…何だと…!?」
ハレック「地球人は決して話の通じぬ相手ではございません。どうか…どうか交渉の場をお持ち下さい…」
リヒテル「たわけ!」
〔打撃音〕
リヒテル「もう一度、申してみよ!」
ハレック「な…何度でも…提督閣下…どうか地球人と穏便な話し合いを…。憎み、殺し合うだけが道ではありませぬ…」
リヒテル「話し合うだと…!? その話し合いとやらで父は殺されたのだ! それを知って、なお世迷い事を申すのか!」
ハレック「地球人全てがそうだとは限りません。少なくとも竜崎一矢は…」
リヒテル「何…!?」
ハレック「エリカ様が心を惹かれたも道理。奴はそれだけの男でございます」
リヒテル「ハレック…そなたまで…!」「この…たわけがっ!」
〔打撃音〕
ハレック「う…くっ…」
リヒテル「この裏切り者を牢に連れていけ! 二度と余の前でこの男の名を口にするな…! 汚らわしい!」
ハレック「提督…閣下…」
エリカ(この牢につながれてから何日が過ぎたでしょう…)(一矢…、想うのはあなたのことばかり…。あなたは無事でいるのでしょうか…)
〔ノックの音〕
エリカ「誰です…!?」
ハレック「どうかお静かに、エリカ様…。武術指南役のガーニー・ハレックにございます…」
エリカ「ハレック…? 兄上の信頼厚いあなたが、何故牢に…?」
ハレック「話せば長くなります。ただ、これだけはお伝えします…。私は竜崎一矢と会いました…」
エリカ「一矢と…!? 一矢は…あの人は無事なのですか?」
ハレック「はい…。あの男は私の出会った中でも最高の男…。そう簡単に倒れることはないでしょう」
エリカ「ああ…一矢…」
ハレック「私は思いました。地球人という種族があの男のようであれば、この戦い、続けてはならないと…」
エリカ「その通りです、ハレック…。…ですが今の私達は囚われの身…、どうすることも出来ません…」
ハレック「…私は竜崎一矢に大きな借りがあります。それを返すためにも、必ずやエリカ様をあの男の下へお届けします」「ですから、希望をお捨てにならないで下さい」
エリカ「わかりました、ハレック…。その日まで、私はこの牢の中であの人の無事を祈り続けます…」
【シナリオエンドデモ終了】
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