No.47A
神になろうとした男
【シナリオデモ1開始】
太陽系
移動中 火星宙域 αナンバーズ
大空魔竜 格納庫
サンシロー「地底帝国との決戦の次はムゲ・ゾルバドス帝国か…」
ハチロー「連続で大きな戦いになるね」
雅人「でも、俺達からすればあいつらが仲違いしてくれたおかげで戦いやすくなったよね」
亮「だが、こちらも戦力を分散させている。地底帝国との決戦も勝利と敗北は紙一重だったことを忘れるなよ」
ライ「あの勝利は尊い犠牲の上に成り立ったものだ…」
マイ「では、次の戦いも下手をすれば、誰かが犠牲に…」
リュウセイ「縁起でもないことを言うのはよせよ、マイ。戦う前から弱気じゃやってられないぜ」
マイ「しかし…」
忍「今回はリュウセイの言う通りだ。死ぬ気で戦うってのは大事な事だがそれは死んじまう事とは別物だ」「俺は絶対に生き残るぜ。勝利をこの手につかむためにな」
アラン「フ…。藤原らしい強引な結論だ」
忍「へ…お得意のデータ戦術も結構だが、最後に物を言うのは気合だからな」
サンシロー「忍の場合は、どうせそのデータを活かせやしないけどな」
雅人「言えてる!」
忍「な、何だよ、お前ら! 声をそろえてよ!」
リュウセイ「それがお前の評価ってことだ、全員一致のな」
忍「ちぇ…お前にだけは言われたくないぜ」
沙羅「………」
忍(沙羅…)
アラン「一戦一戦も確かに大事だが藤原の場合、その先に明確なビジョンを持つことが必要だな」
忍「どういうことだ?」
亮「つまり、戦いが終わった後を考えろということだ」「何かの目的があり、それを勝ち取るために戦いは起こる…」「その勝ち取ったものをどう活かすかこそが最も重要なんだ」
サンシロー「戦いが終わった後か…」
ミドリ「サンシロー君の場合、もう決まってるわね」
サンシロー「可愛いカノジョを作ることか?」
雅人「あ、俺も俺も!」
ミドリ「呆れた…。プロ野球選手にカムバックすることよ!」
サンシロー「っと! もちろん、そっちも忘れてないぜ!」
ハチロー「サンシローの場合、どっちが本命かわからないけどね」
サンシロー「ははは! こいつ、言わせておけば!」
沙羅「………」
忍「沙羅…」
沙羅「忍…あたしは先に休んでる。クーガーの整備は終わっているから…」
忍「あ…おい…」
〔扉の開く音(大空魔竜)〕
リュウセイ「沙羅の奴…様子がおかしいな…」
ライ「やはり、ムゲ・ゾルバドス帝国…つまり、シャピロ・キーツとの決戦が近いせいか…」
マイ「…様子を見てこようか?」
雅人「大丈夫だよ、マイちゃん。それには適役がいるから」
サンシロー「任せるぜ、忍」
忍「俺かよ…!?」
アラン「お前は獣戦機隊のリーダーだ。隊員の精神的ケアも大事な任務だぞ」
忍「お、おう…そりゃあな…」
亮「早くしろ。沙羅があのままでは俺達全員の士気にかかわる」
忍「わかったよ。獣戦機隊のリーダーとして一丁、沙羅の奴に気合を入れてやるか」
〔扉の開く音(大空魔竜)〕
マイ「どういうことだ? 普段はリーダー風など吹かせたこともない男が…」
雅人「良かったら、俺が教えてあげようか」
ライ「気持ちだけいただいておこう」
リュウセイ「そういうこと! アヤが戻ってくるまで、俺達がマイを悪い虫から守るぜ」
雅人「ひどいなぁ! 俺は虫扱いかよ!」
マイ「いったい何なんだ…?」
サンシロー「ま…リュウセイとライがマイのことを大切にしてるってことさ」
マイ「そうか…。きっと忍も沙羅のことを、そう思っているのだな…」
大空魔竜 ブリーフィングルーム
沙羅(シャピロ…あたしにとってあんたとの戦いが全てだった…)(でも、それももうすぐ終わる…。そして、あたしは…)
〔歩み寄って来る足音〕
忍「沙羅…」
沙羅「何だ…忍か…」
忍「何だはねえだろ…。心配して来てやったってのによ」
沙羅「心配?」
忍「あ…いや、その…! あれだな…俺はリーダーとして…その…」
沙羅「ありがと…」
忍「…正直、やっと来たって感じだぜ。確かに経験は積めたけど、代わりに色んなものを失っちまった」
沙羅「あたしにとっては必要な時間だったわ」
忍「時間が全てを忘れさせてくれるってのか?」
沙羅「…アランが言っていたわね…。あたしも戦いの後のことを…考えることにしたのよ」
忍「だけど…どうするんだ、沙羅。その時、もうヤツはいねえぜ」
沙羅「そうよね…」「でも忍…」
忍「ん?」
沙羅「…その時、あなたはいるんでしょ?」
忍「さ、沙羅…!」
沙羅「もし…この戦いに生きのびたら…」「ふっ! パーッとやりましょ! みんなでね!」
忍「みんなで? あ、ああ、そうだよな。パーッとやろうじゃん? そんな時はよ!」
太陽系 アステロイドベルト
アステロイドベルト付近宙域
アステロイドベルト基地
ルーナ「シャピロ…αナンバーズはまっすぐアステロイドベルトに向かってくるそうよ」
シャピロ「ふん…地獄大元帥からこちらの位置を聞き出したのだろう」
イルイ「………」
シャピロ「だが、神の子は誰にも渡さん…。たとえ、相手が誰であろうと」
ルーナ「しかし、その娘はムゲ帝王様も所望されて…」
シャピロ「黙れ!」
〔頬を叩く音〕
ルーナ「あ…!」
シャピロ「ルーナ…貴様は俺に仕えている身だ。俺に意見するな」
ルーナ「…いいでしょう、シャピロ…。あなたに参謀は不要ね…。丁度あなたが愛を必要としないように…」
シャピロ「何…?」
ルーナ「つまりはシャピロ…あなたには…あなたには誰も必要ない。そういうことね…」
シャピロ「女よな、ルーナ…。感情の先に…強引に相手の考えを引き出そうとする…」「この私にそれ以上の口出しは許さん!」
ルーナ「く…!」
〔扉の開く音(基地)〕
シャピロ「フフフ…神の子を手に入れた今、この私は神として生まれ変わる…」
イルイ「………」
シャピロ「あの日…あの場所で聞いたハーモニーは、この私を導く銀河からの啓示…」「私は選ばれるべくして神となるのだ」「さあ来い、αナンバーズ…。お前達は、この私の記憶の中に残された数少ない汚点だ…」「このアステロイドベルトでお前達を葬った後、私はゼ・バルマリィへ飛ぶ…」「もう一人の神の子を殺し、そして、私が銀河の意志と一つになるのだ!」
イルイ「………」
【シナリオデモ1終了】
サブタイトル
「神になろうとした男」
【戦闘マップ1開始】
〔敵ユニット出現済み〕
シャピロ「αナンバーズよ…。この星屑の海がお前達の墓場だ」「ギルドローム将軍、ヘルマット将軍、お前達の働きに期待するぞ」
ギルドローム「………」
ヘルマット「………」
〔ギルドローム&ヘルマップ、後退〕
シャピロ「何のつもりだ、貴様達!?」
ギルドローム「切れる男にしては察しが悪いな」
ヘルマット「我々は一足先にこの太陽系から撤退させていただく」
シャピロ「何だとっ!?」
ギルドローム「お前の復讐劇に付き合う義理などないのでな」
ヘルマット「地球人は地球人同士で血を流し合うがいい」
ギルドローム「健闘を祈るぞ、シャピロ」
〔敵ユニット離脱〕
シャピロ「おのれ…おのれぇ…! この俺を裏切るとは身の程知らずめが!!」「いいだろう…! αナンバーズ、ゼ・バルマリィを倒した後は…」「ムゲ・ゾルバドス帝国! お前達も神の力で滅ぼしてくれる!」
ルーナ(ギルドロームとヘルマットは動いたか…)(ならば…)
〔味方戦艦出現〕
〈出撃準備〉
シャピロ「来たか、αナンバーズ!」
忍「シャピロ! 逃げ出さなかったことは誉めてやる!」「バルマー戦役から続いた俺達の戦いの決着…今日ここでつけてやるぜ!」
シャピロ「いいだろう…。お前達に神が生まれる瞬間を見せてやる…」
沙羅「相変わらずだね、あんたは…!」
甲児「てめえのことを神だと思っているような人間にロクな奴はいねえぜ!」
サンシロー「神様を気取るんならちっとはいいことをしてみやがれ!」
シャピロ「フン…お前達は根本的に神というものの意味をはきちがえている…」
鉄也「何っ…!」
シャピロ「神の存在とはあらゆる者の干渉を受けない至高の存在であり…」「同時にあらゆる者の運命を握る絶対者なのだ」「神の行為に善悪はない。なぜなら、神の存在こそが全てを超越した絶対の真理なのだから」
ムチャ「わ、わかります、ボス…?」
ボス「お、おう…! 要するにだ…その…」
忍「教えてやるぜ、ボス! そんなことを言い出す野郎はとんでもない悪党ってことだ!」
亮「己の存在を絶対とするエゴ…見過ごすわけにはいかんな…」
アラン「そして、その行為によりどれだけの人間が傷つき、その生命を奪われたか…!」
雅人「それがわからあいって言うなら俺達が教えてやる!」
沙羅「あんたの存在は許されないってね!」
シャピロ「これ以上、話をしても時間の無駄だ」「貴様達の存在をこの宇宙から抹消することで神の力を見せてやろう」
レーツェル「大言壮語は結構だ。実力が備わっているならな」
リュウセイ「やれるもんならやってみやがれ!」
ブリット「その神の力を俺達の勝利で否定してやる!」
クスハ「そして、返してもらいます、イルイちゃんを!」
沙羅「行くよ、シャピロ!!」
忍「これがお前との最後の戦いだ!」「やってやるぜっ!!」
<戦闘開始>
<ムゲ戦艦(強)撃破・敵増援1出現>
美和「敵の旗艦、機能停止!」
鋼鉄ジーグ「やったか!?」
亮「まだだ!」
〔敵ユニット撃破〕
〔敵ユニット出現〕
アラン「何っ!?」
〔忍に爆発〕
忍「くそっ! やりやがったな!」
沙羅「あ、あれは…! シャピロ!」
忍「何だと!」
雅人「どこだい!?」
沙羅「間違いないよ! あのすばしっこい奴! あの右肩…小刻みに震わせてる奴…!」
忍「そうか…! そういや奴に飛行訓練を受けてた時…」「奴が機嫌悪いか、興奮してる時には決まってあんな風に…!」
沙羅「あれがあいつの癖なんだよ…!」
シャピロ「死ね、沙羅…。お前はもはやこの私の前から完全に姿を消すのだ!」
沙羅「お得意の神を気取った台詞かい、シャピロ…」「あいにくだね。今のあんたは神と言うよりは悪魔さ。そいつがいいとこだ」
忍「自分で出てきた度胸は誉めてやる! だが、そいつが運の尽きだぜ!」「来やがれ! バルマー戦役の時のように返り討ちにしてやるぜ!!」
〔敵ユニット出現〕
ファン・リー「増援か!」
サンシロー「くそっ! まだ戦力があったのかよ!」
シャピロ「ふん、ルーナめ…。所詮は私から離れることは出来んか」
ルーナ(せいぜい頑張りなさい、シャピロ…)(あなたが奴らを足止めしている間に私は…)
シャピロ「藤原…沙羅…そしてαナンバーズ…。お前達の存在を抹消してやろう」「この私がな!」
沙羅「く…!」
忍「うるせえ!」
沙羅「忍…」
忍「行くぜ、沙羅! 今こそ俺達の怒りの炎で奴の野望を焼き尽くす!」
雅人「そうだよ、沙羅! そのためにここまで来たんだろ!」
亮「沙羅…心を澄ませろ。邪悪に飲まれるな!」
アラン「忘れるな! 父イゴールの遺志はお前の中にも脈々と受け継がれていることを!」
沙羅「みんな…」
忍「用意はいいな、沙羅! 奴をぶっ飛ばすぜ!」
沙羅「ああ…! やろうよ、忍!」
シャピロ「愚かな…。それでも神に歯向かうか…」
忍「覚悟しやがれ、シャピロ! 頭のてめえを潰せば全ては終わる!」「やあってやるぜ!!」
<クスハvsシャピロ>
クスハ「あなたの野望もここまでです! これまでの罪を償って下さい!」
シャピロ「罪…罪だと…? それは大きな誤りだ…」
クスハ「誤りだろうとなんだろうとイルイちゃんは返してもらいますっ!」
<ブリットvsシャピロ>
ブリット「これで最後だ、シャピロ・キーツ!」
シャピロ「わからんのか? 全ては宇宙の意思だということが…」
ブリット「わかりたくもない! 俺達は人間だからな!」
<甲児vsシャピロ>
シャピロ「兜甲児…貴様では神にも悪魔にもなることはできない。ただ、死するのみだ」
甲児「あいにくだが、そんなつもりはハナっからねえよ! てめえみたいな悪党を叩き潰す…それだけだぜ!」
<鉄也vsシャピロ>
鉄也「貴様の能書きも聞き飽きた! これが最後の戦いだ!」
シャピロ「よかろう! 戦いに生きてきた貴様の生命…ここで終わりにしてやろう!」
<竜馬vsシャピロ>
竜馬「過ぎた力は身を滅ぼすぞ! そして、その力を制御できる人間など存在しない!」
シャピロ「だが、私は神になる! さすれば、イデ…ゲッター線…ビムラー…ザ・パワー…全て…!」
竜馬「そんなことは俺達がいる限り、絶対に許さん!!」
<忍vsシャピロ>
忍「てめえのクセが機体にまで出てるぜ、シャピロ!」
シャピロ「なに…?」
沙羅「あんたはいつもそうさ! 他人を見下してばかりで、自分の欠点には目をつぶる! 気づきもしないんだ!」
亮「己を知れば百戦危うからず…あんたほどの戦略家が、この言葉を忘れたとは言わせねえぜ」
雅人「あんたは所詮人間なんだよ、シャピロ!」
アラン「父イゴールや散っていった戦士達の遺志を無駄にしないためにも…シャピロ! 貴様の野望はここで潰す!」
シャピロ「だが…これから私は神になる…! 全ては、お前達の思い上がりだということを教えてやる…!」
忍「その言葉、そっくりそのままてめえに返してやる! やあってやるぜっっ!!」
<サンシローvsシャピロ>
サンシロー「ここからの逆転劇は無いぜ!」
シャピロ「その通りだ。私の勝利は揺るがん…」
<鋼鉄ジーグvsシャピロ>
シャピロ「…どけ。貴様らでは相手にならん」
鋼鉄ジーグ「どけと言われて素直にどけるかよ! 何でも自分の思い通りになると思うなよ!」
<リュウセイvsシャピロ>
リュウセイ「地球…バルマー帝国…ムゲ帝国…てめえの旅は終わりだぜ! シャピロ・キーツ!」
シャピロ「ふん…SRX計画か…。未熟なサイコドライバー一人で、何ができる?」
リュウセイ「俺は一人じゃねえ…俺達はチームだ! みんな、いくぜ!」
<ゼンガーvsシャピロ>
ゼンガー「お前は自分の欲望に勝てなかった…それこそが未熟である証拠!」
シャピロ「欲望などではない…! これは運命…私は神になる運命なのだ!」
<レーツェルvsシャピロ>
レーツェル「我々に傲慢な神など必要ないことを理解してもらおう!」
シャピロ「我が存在を否定する気か…」
<シャピロHP30%以下>
シャピロ「まだだ!」
〔シャピロ、精神コマンド「ド根性」「鉄壁」「不屈」「熱血」「必中」使用〕
ミチル「まだ戦う気なの!」
隼人「この意志と執念こそが奴の力ということか…!」
鉄也「ならば、その執念ごと叩き潰してやるまでだ!」
シャピロ「まだだ…! まだ私は倒れるわけにはいかない…!」「この私を認めぬ全ての者に鉄槌を下すまでは!!」
<シャピロ撃破・勝利条件達成>
忍「どうだ、シャピロ!」
沙羅「観念しな! あんたの野望もここまでだよ!」
シャピロ「くっ…!」
〔シャピロ、後退〕
〔敵ユニット離脱〕
忍「逃げる気か、シャピロ!」
アラン「追うんだ、藤原! 奴をこのままにしておくのは危険だ!」
〔敵ユニット出現〕
サンシロー「足止め部隊かよ!」
鋼鉄ジーグ「行け、忍! あいつらの相手は俺達がする!」
ゼンガー「俺達もすぐに行く! イルイを頼むぞ!」
忍「おう! 任せとけ!」
〔忍、前進〕
沙羅「シャピロ、逃がさないよ!」
【戦闘マップ1終了】
【シナリオデモ2開始】
アステロイドベルト基地
雅人「外の戦い、まだ続くみたいだ…!」
亮「急ぐぞ! さっさとシャピロを見つけ出してガンエデンの少女を取り戻すんだ!」
アラン「待て! 結城がいないぞ!」
忍「あいつ…自分独りの手で決着をつけるつもりか…!」
アステロイドベルト基地
〔爆発音〕
〔画面、振動〕
沙羅(シャピロ…。決着をつけるのに誰の手も借りない…。あたし自身がケジメをつけるよ…!)
〔銃声〕
沙羅「はっ!」
シャピロ「よくかわしたな、沙羅。さすがは野獣の本能を宿した獣戦機隊のメンバーだ」
沙羅「シャピロ! どこだよ!? 姿を現さない気かい!」」
シャピロ「沙羅…お前には罰を与えてやらねばならない」「この私を認めず、この私の意に沿わなかったお前達には絶望を味わわせてやる!」
沙羅「やっぱり…あんたは変わってないよ…。そうやって自分の力を過信するところは…」
シャピロ「…私が帝国監察軍にその身を寄せた時、お前はそれについてこられなかった…」
沙羅「あの時のあたしはどうかしていたのさ…。地球を異星人に売り払おうとするなんて…」
シャピロ「あの時にお前と私とを結ぶ赤い糸は断ち切られたのだ!」
沙羅「いい加減にしなよ! あんたは神なんかじゃない! あたしらと同じ人間なんだよ!」
シャピロ「………」「いいだろう、沙羅…。死ぬ前に教えてやろう…私が神に選ばれた者である理由を」
沙羅「知りたいね…。ただし、死ぬか生きるかはこのあたしに選ばせてもらうけどね…!」
シャピロ「フ…私は地球にいた頃、ある場所で神の音…様々な音色を持った宇宙音を聞いたのだ」
沙羅「神の音…」
シャピロ「その調べは宇宙の平和のハーモニーと言ってもいい」「それによって私は知った…この銀河を司る絶対的な存在…言い換えれば運命というものをだ」
沙羅「絶対的な存在…運命…」
シャピロ「そして、そのハーモニーの乱れは私に教えた。この銀河の終焉が迫っていることを」
沙羅「銀河の終焉…。それは、まさか……」
シャピロ「その頃、帝国監察軍が地球に姿を現し、地球という星の運命は動き出した…」「これが神の啓示でなくていったい何であろう!」「そして、宇宙の神は私に言った…!」「もはや平和のハーモニーは破壊された。この上はシャピロ…お前が神となってこの宇宙を取り押さえよとな…」
沙羅「それで地球を捨てて帝国監察軍についたっていうんだね?」
シャピロ「奴らについたのはこの銀河の情報を集めるために過ぎない」「そして、私はムゲ帝王と出会い、この地球に宇宙の神に接触するための鍵を見つけた」
沙羅「それがあの子…イルイだって言うのかい!」
シャピロ「その通りだ! あの娘こそ神の子…そして、それと共にある私は神の力を手にするのだ!」
沙羅「そんなことはさせない!」
〔銃声〕
沙羅「あんたと付き合って一つだけ喜びを見つけたよ」
シャピロ「何…」
沙羅「あたしが…あたしがあんたを殺すというね!」
〔銃声〕
シャピロ「無駄だ…! この暗闇の中でお前は私の姿を捉えることは出来まい」
沙羅「くそっ! くそっ!!」
〔銃声×2〕
シャピロ「怯えろ、沙羅! そして、絶望の中で死ぬのだ!」
???(※ルーナ)「それでは困るのよ…」
シャピロ「何っ…!?」
ルーナ「フフフ…シャピロ。あの沙羅という娘と顔を合わせるのがそんなに嫌なのかしら?」
シャピロ「ルーナ…!」
ルーナ「神を名乗る男にしては意外とあっけない結末だったわね、シャピロ」
シャピロ「貴様…何をしに来た!?」
ルーナ「…あなたにお別れを言いに来たの」
シャピロ「な…!」
〔銃声〕
シャピロ「ぐあっ!!」
ルーナ「ほっほっほ…愚かな男よ、あなたは。初めからムゲ・ゾルバドス帝王はあなたなど信用していなかった…」
シャピロ「お…おのれぇ…!」
ルーナ「愛を捨て去ってこそ神になりえる…確かそう言ったわね…。でも、そうかしら?」「愛を捨てることなく超えたところに神はあるはず。違う?」「そして、捨てる捨てないとこだわったところにシャピロ…あなたの支配者としての限界があったということよ」「所詮、あなたはムゲ・ゾルバドス帝王の偉大な力を超えることは出来なかった…」
イルイ「………」
シャピロ「目的は…神の子…か…」
ルーナ「そう…この娘を手に入れるために帝王は、この銀河の辺境に部隊に送り込んだ…」「この娘は私が帝王の下へ届けるわ。だから、安心して死になさい」
シャピロ「ぐ…ルーナ…貴様…」
ルーナ「シャピロ…私が愛するには足りない男だったわ」
イルイ「………」
〔歩き去っていく足音〕
シャピロ「ぐ…う…うう……」
〔爆発音〕
〔画面、振動〕
シャピロ「フハッハッハッハッハ! 天よ、砕けろ! 宇宙よ、お前は再び暗黒の世界に姿を隠すがよい!」「神が今ここに誕生し、そして神が自らの裁きで、この世界を無のものとする」「よいか…よいか、宇宙よ! 今こそ神の足下にその永遠なる魂を委ねるがいい!」「フハハハハハハ! フハハハハハ、ヒャハ…ヒャハハ、ヒャハハハハハハ!」
〔走り寄ってくる足音〕
沙羅「シャピロ…」
シャピロ「フハハハハハハハ! さあ宇宙よ、何をためらうことがあるというのだ!」「今こそ…今こそ、この神の下へ!」
〔走り寄ってくる複数の足音〕
忍「沙羅、無事か!?」
亮「シャピロ・キーツ…」
シャピロ「フハハハハハハハ! フハハハハハハハハ! 宇宙よ! さあ宇宙よ!」
沙羅「シャピロ…」
〔銃声〕
シャピロ「あ…」
〔人の倒れる音〕
沙羅「シャピロ…馬鹿だよ、あんた…」「馬鹿だよ! シャピローッ!!」
忍「沙羅…」
〔爆発音〕
〔画面、振動〕
太陽系 アステロイドベルト
イカロス基地 αナンバーズ
イカロス基地 司令室
タシロ「そうか…シャピロ・キーツは倒れ、ムゲ・ゾルバドス帝国は完全に地球から撤退したか…」
大文字「ですが、イルイは彼らの手により帝国を統べる者の下へ送られたようです」
ブライト「ムゲ・ゾルバドス帝国の地球侵攻の目的そのものがイルイの捕獲だったとは…」
マリュー「彼女のサイコドライバーとしての力が戦力となるのは理解出来るのですがそのために一つの星を襲撃するとは…」
タシロ「彼女の力を必要とするのは我々も同じだ」
ミサト「現在の彼女に自我が残っているのか、それともガンエデン・システムの支配下にあるのかは不明ですが…」「彼女は我々にとってアポカリュプシスを解明する唯一の手がかりと言ってもいいでしょう」(イカロス基地に現れた使徒…そして、冬月副指令とその背後にいる碇指令の動きも気になる…)(一刻も早くアポカリュプシスを解明しなくては取り返しのつかないことがきっと起こる…)
ブライト「では…」
タシロ「うむ…大空魔竜、ラー・カイラム、アークエンジェル…ならびに新たに加わったエターナルは…」「ムゲ・ゾルバドス帝国へ向かい敵の目的を探ると共にイルイ・ガンエデンを奪還してくれ」
ブライト「了解です」
大文字「これ以上、我々が地球圏に留まっては、このイカロス基地までブルーコスモスに付け込まれる口実になるでしょう」「そうなってはカルネアデス計画の『BMIII』までもが彼らの手に渡ることになります」
タシロ「現状ではグローバル議長らに尽力により計画は我々が主体となり進めているが…」「今後の地球の運命を決する重大な計画である以上、いずれはブルーコスモスはその掌握を目論むだろう」
ブライト「そうなる前に何としてもナチュラルとコーディネイターの戦いを止めなければなりません」
タシロ「そちらは当面はグローバル議長ら安全評議会に任せるしかあるまい。よろしいかな、ラクス・クライン?」
ラクス「はい…。私共はあなた方を信じて、エターナルをお預けしております」「そして、この地球…この銀河に迫る危機を前にして、私共も出来ることをさせていただきます」
バルトフェルド「我々の持ってきたエターナルはフリーダムとジャスティスを運用するために造られた艦です」「エターナルの装備でもあるミーティアは換装によって、あの2機の戦闘力を飛躍的にアップさせます」
大文字「しかし、我々が地底帝国と戦っていた間に前プラント評議会議長のシーゲル・クラインが暗殺されるとは…」
バルトフェルド「議長は戦いの長期化による人類全体の疲弊を恐れて、連邦政府との講和を考えていましたからね…」「ナチュラル殲滅を標榜するパトリック・ザラにとっては邪魔者以外の何者でもなかったのでしょう」
ラクス「………」
大文字「そのシーゲル・クラインが倒れ、プラントはパトリック・ザラが実験を握ったか…」
ブライト「これを機にザフトはナチュラルを徹底的に殲滅する作戦を展開してくるでしょう」
バルトフェルド「だが、そんなことをプラントの人間全てが望んでいるわけじゃない」「こうして僕達やラクス嬢のようにパトリック・ザラのやり方に反対する者もいる」
マリュー「貴官らの協力に感謝します」
バルトフェルド「どうも、あなた方とは並々ならぬ因縁があるようですな」「もっとも僕を負かすぐらいの力がなければ、この戦局をひっくり返すことは出来ないでしょうが」
タシロ「では、諸君…各艦の出港準備を進めてくれ」
ミサト「しかし、タシロ提督…。ムゲ・ゾルバドス帝国の本拠地の位置はこれまでの調査でも判明していませんが…」
ブライト「葉月博士の報告では彼らの宇宙と我々の銀河は別の空間にあるとも聞いています」
タシロ「心配は要らん。それについてはヴィレッタ大尉から既に作戦が提案されている」
大空魔竜 医務室
沙羅「う…ここは…」
忍「気が付いたか、沙羅…」
雅人「ここは大空魔竜の医務室。で、俺達はイカロス基地に来ているんだ」
アラン「お前はアステロイドでの戦いの後、気を失い、ここに運び込まれたんだ」
亮「張り詰めていたものがプッツリ切れたんだろうな」
沙羅「シャピロは…」
忍「………」
沙羅「そう…」
忍「センチな気分に浸っている時間はないぜ、沙羅」
沙羅「え…?」
忍「俺達は行かなくちゃならない。最後の戦いの場にな…」
【シナリオデモ2終了】
【戦闘マップ2開始】
〔味方戦艦出現〕
〔味方ユニット出現〕
ヴィレッタ「用意はいいか、リュウセイ」
リュウセイ「ああ、俺は問題ない。マイはどうだ?」
マイ「大丈夫だ…」
ブライト「地球へ帰還した際、大空魔竜は予定とは違う地点に出現した…」
サコン「これはおそらくイルイが我々を呼び寄せたためだと思われます」
ぢ亜文字「つまり、ムゲ・ゾルバドスの宇宙へゲートの力で転移すれば…」「イルイが我々を導いてくれるということか」
ヴィレッタ「あくまで推測の域を出ませんが、賭けてみるだけの価値はあるでしょう」
サコン「大空魔竜の調子はどうだ、ピート?」
ピート「ばっちりだ。お前が調整してくれたガイキングとの新コンビネーションも成功させてみせる」
サンシロー「ああ…! やろうぜ、ピート!」
忍「待ってろよ、ムゲ野郎…。今度はこっちがてめえの家に乗り込んで暴れてやるぜ…!」
沙羅(シャピロ…。ムゲを倒せば、本当にあんたとはさよならだよ…)(それまでは、あんたのこと…覚えておいてやるよ…)
亮(シャピロ・キーツ…あんたの気持ち、わからんでもなかったがな…)(だが、力だけでは人の心はどうする事も出来ん…)
クスハ(待っていてね、イルイちゃん…)
〔サイコドライバーの共振〕
リュウセイ「行くぜっ!!」
マイ「…念動フィールド集束…。同時にサイコ・クラッチ…クロスゲートにアクセス…!」「イルイ…聞こえているなら私達の念に応えてくれ…!」
〔クロスゲート開放〕
ミドリ「ゲートの発動を確認!」
大文字「各艦、ゲートへ! 目標地点はムゲの宇宙だ!」
〔リュウセイ&ブライト&マリュー&バルトフェルド&大文字、ゲート上へ移動〕
〔画面、発光〕
忍「行くぜ、ムゲ野郎!」「やってやるぜっ!!」
【戦闘マップ2終了】
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