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No.01
宇宙の海に帆をあげろ

【シナリオデモ開始】
地球圏エリア
ヴァルストーク/カズマ自室
カズマ「連合宇宙歴99.6.13、航海日誌…」「前の仕事が終わった『ビット』に待機してそろそろ二週間になる」「ジャンク屋連中との機械いじりもそろそろ飽きてきた」「何より前の仕事の稼ぎはほとんど艦の改装に消えちまったと聞いている」「このままでは36度目の倒産の危機だ」「だけど、航海していない航海日誌も今日で終わりだ」「親父の話では新しい依頼人が来るそうだ」「おまけに行き先はどうやら地球らしい」「退屈な日誌も今日で終わり! 明日からは、日誌の全てが大冒険の記録で埋まるのを祈る…」

ビット/ドック
デュオ「ったくよ…。いくら用意していたシャトルがトラブったからって」「トレイラーに地球までの搬送を依頼することになるとはな…」
カトル「トレイラーと言えば宇宙を活動域にする運び屋の集団だよね」「デュオは詳しいみたいだね」
デュオ「まあな。俺が所属していたスイーパーチームも何度かやりあったことがあるからな」「あいつらのやり口はイヤって言うほど見てきたさ」
カトル「やり口…?」
デュオ「ああ、そうだ。連中が運び屋だったのは宇宙開拓時代の過去の話さ」「今は通商船からの略奪や軍物資の横流し」「法外な通行税の徴収が連中のメインの仕事さ」「トレイラーなんていう大層な呼び名はやめて宇宙海賊と名乗るのが似合いだぜ」
カトル「このコロニー『ビット』も正規の航海図には載っていないね…」
デュオ「連中が隠れ家を持ってるって噂は聞いていたがな。俺も見るのは初めてだ」「プリベンターの司令だからってレディ・アンもよく知っていたもんだぜ」
カトル…でも、そんな人達をレディさんが紹介するなんて…」
デュオ「非常時だからな。プリベンターも迎えを寄こす余裕はないってことだろうさ」「それに蛇の道はヘビってやつだ。極秘任務である以上、正規のルートは使えないしな」
カトル「うん…。でも、僕達はこの情報を絶対に本部へ持ち帰らなくちゃならない…」
デュオ「まあ、足さえ確保できればその後はその後だ…」「連中がおかしな動きを見せればこっちもそれなりの対応に出るだけだぜ」
カトル「それなりの対応って…」
デュオ「俗に言うスペースジャックだ。悪党相手に遠慮はいらねえさ」
カトル「…わかった。とりあえず油断はしないようにしよう」「…そろそろ迎えが来る時刻だ」
デュオ「…リムジンとは言わないがそれなりには快適な旅を頼むぜ」「ヴァルストークファミリーさんよ…」
〔エレベータの稼働音〕

カズマ「「カトル・ラバーバ・ウィナーとヒイロ・ユイってのはあんた達かい?」
カトル「ええ、そうですけど…。君は?」
カズマ「俺はカズマ・アーディガン…ヴァルストークファミリーのものだ」
デュオ「何だよ…。迎えに子供を寄こすとは随分とナメられたもんだぜ」
カズマ「…口の利き方に気をつけろよ。でないと、その長髪を根元から引っこ抜いて…」「宇宙クジラの釣り糸にしてやるぜ」
デュオ「言ってくれるじゃねえかよ。トレイラーの品の悪さは噂以上らしいな」「この分じゃ、仕事ぶりの方も期待できそうにねえな…」
カズマ「忠告を聞いてなかったのかよ、お前…」
デュオ「っと聞こえてたみてえだな…」
カズマ「俺はガキの頃から宇宙を庭に生きてきた筋金入りのトレイラーだ。ガキ呼ばわりされるスジはねえ!」「だいたい歳で言ったらほとんど同じじゃねえかよ!」
デュオ「イキがるのは勝手だがよ、兄ちゃん。こっちは客だってのを忘れるなよ」「それともガキにはそこらも理解できないのか?」
カズマ「言いやがったな、こいつ!!」
ミヒロ「そこまでよ、お兄ちゃん!」
カズマ「ミヒロ…! どうして、お前がここに…?」
ミヒロ「お父さんに言われて来たのよ。お兄ちゃんだけじゃお客様のお迎えが心配だって」
カズマ「あのクソ親父…俺よりもミヒロの方を信用してるのかよ…!?」
カトル「ええと…君は?」
ミヒロ「初めまして。私はミヒロ・アーディガンです。皆さんのお迎えにあがりました」「兄がご迷惑をおかけしたようで申し訳ありません」
カズマ「ミヒロ! こんな失礼な奴らに謝る必要なんかねえぞ!」
ミヒロ「何言ってるの、お兄ちゃん! 依頼人と積荷はていねいに、がトレイラーの心得でしょ!」
デュオ「ははは! 妹の方がよっぽどしっかりしてるぜ!」
カズマ「こいつ…! 言わせておけば…!」
???(ブレス)「そこまでだ、カズマ」
カズマ「げっ!」
ミヒロ「お父さん!」
ブレス「…依頼を受けるどころか、逆にケンカを売るとはお前は本気でウチを倒産させる気か?」
カズマ「で、でもよ、それは…」
ブレス「言い訳は後で聞いてやる。まずはヴァルストークの客室のベッドの整備をしてこい」
カズマ「それはキャレットの仕事じゃ…」
ブレス「「…俺に二度同じセリフを言わせるな。言い訳は後だ」
カズマ「…わかったよ。行けばいいんだろ、行けばよ!」
ブレス「…さてと、ウィナー氏とユイ氏ですね。お待ちしておりました」
カトル「あなたがブレスフィールド・アーディガンさんですね?」
ブレス「ええ。ヴァルストークファミリーファミリーの代表を務めさせてもらっています」「恥ずかしながら、さっきのカズマとこのミヒロの父親でもあります」
カトル「よろしくお願いします、ブレスフィールド艦長」
ブレス「いえいえ…ブレスと呼んでくださって結構です」
カトル(宇宙海賊と噂されるにしては紳士的な物腰の方だね)
デュオ(それもポーズだろうよ。現に娘はともかく息子の方はチンピラ同然だ)
ブレス「何か言われましたか?」
カトル「いえ、こちらの話です」
ブレス「ところでお二人共、カモ料理はお好きですかな?」
カトル「え、ええ…嫌いではないですが…」
ミヒロ「もしかして、お父さん…」
ブレス「そう…お客様をもてなそうと思いマーケットに行ってね。その帰りにドックに寄ったんだ」「というわけで、お二人共。よろしければ、まずは夕食をご馳走させてもらいましょう」「依頼の詳しい内容も聞きたいですしそれにこちらもスタッフの紹介をしたいと思います」「何より、せっかくいいカモが手に入ったのですから、特製のローストをご馳走しましょう」
ミヒロ「お父さんの料理、とっても美味しいんですよ。絶対に気に入ると思います」
カトル「ありがとう、ミヒロちゃん。では、ブレス艦長…ご馳走になります」
ブレス「ミヒロ…シホミにオーブンの準備をするように伝えてくれ」
ミヒロ「はい、わかりました!」
デュオ(油断するなよ、カトル。このオッサンも腹の中じゃ何考えてるかわからないんだからな)
カトル(でも、僕にはこの人達が悪人にはとても思えない…。さっきの彼も含めて…)
デュオ(何言ってやがる! カモの話だって、俺達のことを言っているかも知れないんだぜ…!)
カトル(だからと言って、偽名…それもヒイロの名前を名乗るなんて…)
デュオ(いいんだよ。あいつも昔、俺の名前を使ったことがあるんだから)
ブレス「どうしました? また、そちらのお話ですかな、ヒイロ・ユイさん?」
デュオ「あ、ああ…そんなところだ」(しかし、このオッサン…どこかで見たことがある気がするんだがな…)

アーディガン家/食堂
ブレス「…皆に料理は行き渡ったな。それでは楽しい夕食を始めようか」
シホミ「まだカズマちゃんが戻っていませんけど……」
アカネ「放っておきなよ、お姉ちゃん。あいつを待ってたら、せっかくの料理が冷めちゃうよ」
ホリス「私もアカネさんに賛成です。今日のローストが最高な出来なのはこの香りからもわかります」
ミヒロ「みんな、ひどいよ! もう少しだけお兄ちゃんを待ってあげようよ!」
カトル「僕達はかまいませんよ。彼が戻ってくるまで待ちますよ」
ガレント「いやいや、お客人。ここは我々トレイラーの心得に従うことにしましょうや」
カトル「心得…。ルールのようなものですか?」
ブレス「そう…トレイラー心得…、鉄は熱いうちに打て、メシは熱いうちに食え!」
アカネ「いただきま~す!!」
カトル(心得だなんて随分と古めかしいものを持ち出すね、デュオ)(…デュオ?)
デュオ「話なら後だ、カトル。まずは料理だ。こいつはかなりイケるぜ!」
ミヒロ「ね、ヒイロさん。言った通りでしょ?」
デュオ「ああ。これだけでもあんたらに依頼した意味があったぜ」
カトル(………)
ブレス「では、お二人に我がヴァルストークファミリーをご紹介しましょう」「まずは私、ブレスフィールド・アーディガン…」「輸送艦ヴァルストークの艦長を務めております」「次に私の娘達…一番下のミヒロは既に紹介が済んでおりますので上のシホミとアカネを…」
シホミ「シホミ・アーディガンです。艦では索敵や通信を担当しております」
アカネ「アカネ・アーディガン。砲撃担当だよ。よろしく!」
カトル「砲撃? あなた方の艦には武装が取り付けられているのですか?」
ブレス「…こういうご時勢ですからね。自らの身は自ら守らなければなりません」
アカネ「トレイラーは連合軍に目のカタキにされているからね」「降りかかる火の粉は自分の手で払わないと」
ホリス「アカネさん、それを言うなら火の粉ではなくキノコですよ」
アカネ「え…そうだっけ…!? あたし、間違えちゃった!」
カトル「いえ…火の粉で合っています」
アカネ「…馬鹿ホリス! あんた、まただまそうとしたね!」
ホリス「ははは、それはひどいなあ。いわゆるパーティージョークですよ」
ブレス「彼はホリス・ホライアン。こんな調子ですが、腕は確かな操舵手です」
デュオ「ふうん…あんたはアーディガンの人間じゃないんだな」
ホリス「いつかシホミさんか、ミヒロさんと結婚してムコ入りするつもりですけどね」
シホミ「あらあら、ホリスさんったら」
ミヒロ「もう! いつも調子いいんだから!」
アカネ「…何であたしの名前が出てこないのよ…」
ガレント「さぁて、最後はワシか…」
ブレス「そして、ヴァルストークファミリーの知恵袋。ガレント・カベリナリオ…」
ガレント「今は現役を退いたただの老いぼれじゃがな」
ホリス「老け込むのは早いですよ。『鬼の腕』のガレントと言ったら…」「『タカの目』のブレスのお目付け役としてトレイラー界の伝説の男じゃないですか」
デュオ「『鬼の腕』と『タカの目』だって!?」
〔扉の開閉音〕
カズマ「遅くなっちまった! 姉ちゃん、俺のメシは!?:
シホミ「あらあら、カズマちゃん。ちゃんと手は洗ったの?」
ブレス「行儀が悪いぞ、カズマ。それに依頼者の前だ」
カズマ「固いこと言うなよ、親父。で、やっぱり、こいつらの依頼…受けることにしたんだ?」
ブレス「『こいつら』とは何だ。…少しお前はトレイラーとしての教育をやり直す必要がありそうだ」「とりあえず、料理を食う以外の口の使い方を教えてやる」
カズマ「まあまあ、まずは俺にも依頼の内容を教えてくれよ」
デュオ「………」
カズマ「ん? どうした、お前? びっくりしたような顔してよ…」「親父、珍しく料理の味付け…ミスったか?」
カトル「…彼に代わって僕が説明します。だいたいのことは僕達の上司から説明されていると思いますが…」「僕達二人とコンテナ2つ分の荷物を地球へ運んでもらいたいのです」
シホミ「地球…」
アカネ「地球か…!」
ミヒロ「じゃあ、カトルさん達は地球から来たんですね?」
カトル「ええ、そうですよもっとも生まれはコロニーですが」
ホリス「私達の活動域は主にラグランジュポイントから月にかけてですから…」「地球へは、ここ数年は行ってないんですよ」
ミヒロ「私、地球に行くの初めてなの! それにお兄ちゃんも」
カトル「カズマ君もですか?」
カズマ「ま、まあな…」
アカネ「ふふん…結局、カズマもミヒロも半人前ってことだね」
カズマ「るせえよ、チイ姉! そっちこそ胸のサイズは半人前じゃねえかよ!」
アカネ「バ、バカ! 何言ってんのよ!」
ブレス「やめろ、カズマ。そういう挑発にすぐ乗るところが半人前だというんだ」
カズマ「へいへい…おっしゃる通り俺はどうせ伝説の『タカの目』の息子とは思えない出来損ないですよ」
ブレス「カズマ…!」
シホミ「お父さんもカズマちゃんもお客様の前ですよ」
カズマ「………」
ブレス「おっと、これは申し訳ない。私としたことが…」
ミヒロ「ね、ねえ…カトルさん達はどうしてウチに依頼に来たの?」「ただ地球に帰るだけならトレイラーに頼らなくても普通の定期便で行けばいいのに」
カトル「荷物もあるし、急いでいるからね。それに…」
ガレント「宇宙開発公団の地球行きの便は当てにならないからな」
カトル「…ご存知でしたか」
ホリス「情報はトレイラーにとって死活問題ですからね」「地球周辺はオービタルリングに巣食うラダムで通過することさえ危険な状況にあると聞きます」
シホミ「頼みの地球連合軍も木星トカゲとの戦いで手一杯のようですし」
ガレント「加えて、地球の国家とコロニー間の緊張も高まってきておるしな」
カトル「はい…。この状況下でコロニーから地球へ向かうのは多くの危険が伴います」
カズマ「要するにあんた達はその危険地帯を突っ切りたいんで俺達を雇うわけか」
カトル「………」
ブレス「やめろ、カズマ」
カズマ「誤解するなよ、親父。俺はこいつらを責めているんじゃないぜ」
カトル「え…」
カズマ「あんたら、いいチョイスだ! そんな依頼なら俺達が宇宙一の適任だ」「安心しな。あんたらも積荷も傷一つつけず地球まで運んでやるぜ」「何て言ったって俺達はトレイラー」「ヴァルストークファミリーだからな」
カトル「カズマ君…」
カズマ「ただ礼金ははずんでもらうぜ。前金で5000G、任務終了時に10000Gだ」
ガレント(ふふん…)
ブレス(言うことだけは一人前になってきたな…)
カズマ「というわけだ! 払うもんさえ出してくれればこっちはオールOK!「ヴァルストークはナリは小さいが」「スピードは超一級品だ。地球まで安全迅速で行くぜ!」
カトル「はい、よろしくお願いします。…いいですね…えぇと、ヒイロ?」
デュオ「あ、ああ…」
ブレス「では、トレイラー心得…善は急げ、仕事はもっと急げ、だ」「ガレント、俺達は明朝には出発する。幸い客室の整備も済んでるしな」
ガレント「わかった。艦の修理・補給は済んでおる。いつでも出航OKだ」
カズマ「留守番頼むぜ、おっちゃん。土産は地球製の老眼鏡と赤いチャンチャンコでいいよな」
ガレント「ぬかせ、ヒヨッコが! 今度、機体を壊してきてみろ。スパナで頭カチ割るぞ!」
カズマ「任せとけって! そろそろ親父にも俺の腕を認めさせてやるさ!」
【シナリオデモ終了】


サブタイトル
「宇宙の海に帆をあげろ」


【戦闘マップ開始】
〔味方戦艦出現〕
ロウ「じゃあな、カズマ! また会おうぜ!」
カズマ「ロウさんも元気でな! プロフェッサーさんやリーアムさんも!」
樹里「ミヒロちゃんも気をつけてね! シホミさん達にもよろしくね!」
ミヒロ「うん! 樹里さんもケガしないでね!」
〔プロフェッサー、マップ端へ移動〕
〔味方戦艦離脱〕

カトル「さっきの艦は…?」
カズマ「知り合いのジャンク屋の艦さ。ちょうど俺達と出航のタイミングが同じなんで同行したってわけだ」
カトル「ジャンク屋とトレイラーは仲がいいんですね」
カズマ「まあな。同じ宇宙で生活しているんだ。そりゃ助け合うさ」
カトル「そうですか…」
カズマ「どうした? 意外そうな顔してよ…」
カトル「トレイラーというのは海賊まがいのことをしていると聞いていたもので…」
カズマ「…そりゃ、どういう意味だ!」
カトル「カズマ君…」
ブレス「そこまでだ、カズマ。そろそろ持ち場につけ」
カズマ「でもよ、親父…! こいつらは俺達のこと海賊と同じに思ってたんだぜ!」「くそ…! 最初につっかかってきたのもそのせいかよ…!
デュオ「………」
ブレス「…男なら身の証を立てるのに言葉は使うな」
カズマ「でもよ…!」
ブレス「俺に二度同じセリフを言わせるな」
カズマ「…わかったよ」
ミヒロ「さあ、カトルさんもヒイロさんもシートへどうぞ」
カトル「ありがとう、ミヒロちゃん。…でも、君も仕事に同行するとは驚いたよ」
ミヒロ「私とお兄ちゃんにだって担当がありますから」
〔電子音〕
キャレット「皆サン コーヒーヲ ドウゾ」
デュオ「何だ、こいつは?」
キャレット「私ハ キャレット。コノ艦ノ サポートロボ デス」
アカネ「この艦とセットでキャレットは造られたんだ」「料理洗濯掃除から艦の制御のサポートまで何でも来いの万能メイドロボだ」
キャレット「オホメニ アズカリ 光栄デス」
デュオ「へえ、艦とワンセットのサポートロボか…。あんまり聞かねえな…」
カトル「そういえば、この艦…連合の戦艦とは外見からして随分と異なりますね…」
ホリス「それはそうでしょう。そもそもこのヴァルストークは…」
〔WARNING〕
カズマ「!」
シホミ「ホームのリーアムさんから通信です。所属不明の機体が本艦に接近中とのことです」
ホリス「社長、このタイミング…例の連中でしょうね」
ブレス「ビットを出たところを狙ってくるとは用意周到といったところか…」
デュオ「何が起きてんだ?」
カズマ「あんた達の大好きな宇宙海賊のお出ましだよ」
カトル「え…!」
ブレス「ホリス、振り切るぞ。エンジンを臨界まで回せ!」
ホリス「了解! 少々荒っぽくなりますがやってみせましょう!」
カズマ「待てよ、親父! むざむざ尻尾を巻いて逃げ出す気かよ!」
ブレス「俺達トレイラーの最優先項目は依頼の遂行だ」「ここで依頼人を危険にさらすわけにはいかない」
カズマ「だがよ! 連中を放っておくわけにはいかねえだろ!」「連中はビットに狙いを定めてるんだ。このままじゃまた犠牲者が増えるだけだぜ!」
ブレス「………」
カズマ「確かに依頼の遂行も大切だろうさ。…だけどよ、連中を放っておくのはトレイラーの名折れだぜ!」
カトル「カズマ君…」
ブレス「…やれる自信はあるのか?」
カズマ「ああ…! 客の目の前でタンカを切ったんだ! やってやるさ!」
ミヒロ「お兄ちゃん…私もやるよ!」
シホミ「距離3000…! もうすぐ目視の範囲内に入ります!」
アカネ「どうするの、父さん!?」
ブレス「…各員、配置につけ! これよりヴァルストークは宇宙海賊を迎撃する!」「トレイラーの名に懸けて!」
シホミ「了解です!」
アカネ「そうこなくっちゃ! 気合いれなよ、ホリス!」
ホリス「アカネさんこそ、お気をつけてムダ弾は赤字の元ですからね」
カズマ「行くぜ、ミヒロ!」
ミヒロ「うん!」
カトル「待ってください、カズマ君、ミヒロちゃん!」
カズマ「カトルとヒイロとか言ったな…。そこに座って、黙って見ていな…」「見せてやるぜ…! 宇宙海賊と本物のトレイラーの違いってのをな!!」
カトル「本物のトレイラー…」
シホミ「敵機、来ます!」
〔敵ユニット出現〕
デュオ「ありゃ連合軍の機体だぜ!」
ブレス「脱走した連合軍の軍人か…それとも横流しされた軍の機体を使った連中か…」「どちらにしろ、あれは宇宙海賊であり由緒正しいトレイラーとは別物だ」「ご理解いただけたかな、デュオ・マックスウェル君?」
デュオ「俺の名前をどうして…!」
〔ブレスの周囲に爆発〕
〔画面、振動〕

シホミ「艦周辺に着弾!」
アカネ「何やってんのよ、カズマ! 急ぎなよ!」
カズマ「待たせたな、チイ姉!」
〔機体の起動音〕
ミヒロ「ミッションディスク、ブート! バトルプログラム、スタート!」
ブレス「カタパルト開放! 行け、カズマ!」
カズマ「ヴァルホーク、エアフォースモード、出るぞ!」
〔味方ユニット出現〕
カズマ「飛ばすぜ、ミヒロ!!」
〔カズマ、前進〕
宇宙海賊「は、速い!」
宇宙海賊「何だ、あの機体は!? こちらのデータには無いぞ!」
カズマ「てめえら…よくも今まで好き放題やってくれたな…!」「てめえらのおかげで俺達、本物のトレイラーまで海賊扱いされて、いい迷惑だぜ!」
宇宙海賊「こいつ、何を言っているんだ…?」
宇宙海賊「かまうことはねえ! データにない機体となりゃ逆に高く売れるってもんだ!」「ほどほどにスクラップにしてジャンク屋に叩き売ってやるぜ!」
カズマ「セリフが安っぽいぜ、ドサンピンが!」「トレイラーの名に懸けててめえらまとめて成敗だ!!」
ミヒロ「システム移行、リンケージ確認、バランサー確認、武装セーフティ解除。白兵戦モード確認!」
カズマ「行くぜ、悪党ども! クロスコンバットモード、ゴーッ!」
〔カズマ、変形〕
デュオ「変形したぜ、あのマシン!」
カトル「ブレス艦長、あれは…」
ブレス「ご覧の通り、うちの秘密兵器…その名もヴァルホークです」
アカネ「父さん、あたしらも行こうよ! カズマだけに任せておけないよ!」
ブレス「よし! ヴァルストーク全速前進!「ヴァルホークを援護する!」
ホリス「了解! 行きますよ!!」
ミヒロ「お兄ちゃん! 整備はばっちり! オールグリーンよ!」
カズマ「よし…! 連中に見せてやるぜ、トレイラー魂ってやつをよ!!」
<戦闘開始>

<カズマvs宇宙海賊>

カズマ「やり口がせこいんだよ! トレイラーを隠れミノに悪事を働くとはよ!」「この俺がてめえらにトレイラー魂を叩き込んでやる!」

<ブレスvs宇宙海賊>
ブレス「久々の戦闘だ。各員、頼むぞ」
シホビ「索敵と敵機の行動予測は任せてね、アカネ」
アカネ「頼むよ、お姉ちゃん! ホリスは艦を揺らさないでよ!」
ホリス「他ならぬアカネさんの頼みだ! やってみせましょう!」

<敵全滅・敵増援1出現>
〔最後の1機に爆発〕
〔カズマ、最後の1機へ隣接〕

宇宙海賊「こ、降参だ! 投降する! い、生命だけは助けてくれ!」
カズマ「………」
〔武器を構える音〕
宇宙海賊「ひ…! う、撃たないで!」
ミヒロ「お兄ちゃん!
〔最後の1機の隣の地点に爆発〕
カズマ「…いくらムカついたからってここで撃っちまったら海賊と変わらねえからな…」
ミヒロ「さっすが、お兄ちゃん! よくできました!」
カズマ「覚えとけよ、海賊野郎。トレイラーは人の生命を大事にするんだ」「この広い宇宙で人が生きていくには助け合っていかなきゃならないからな」
宇宙海賊「あ、ありがとうございます! このご恩は一生忘れません!」
カズマ「何言ってやがる! これからてめえらは仲間共々ビットでキツいお仕置きを受けてもらうんだ!」「覚悟しやがれよ! トレイラー流のお仕置きはハンパじゃねえぞ!!」
宇宙海賊「そ、そんな…!」
ブレス「よくやった、カズマ。既にビットには連絡を入れた。追って連中を回収する隊が来る」
カズマ「どうだ、親父…少しは俺を認める気になったか?」
ブレス「! 避けろ、カズマ!!」
〔カズマ、後退〕
〔カズマのいた地点に爆発〕
〔敵ユニット撃破〕

カズマ「どうなってんだ、姉ちゃん!?」
〔レーダー反応〕
シホミ「レンジ内にアンノウン侵入! 小型・高スピードで発見が遅れました!」
ブレス「アンノウンだと!」
カズマ「くそ! これじゃ俺が撃たなかった意味がないじゃねえかよ!」
シホミ「アンノウン、来ます!」
〔敵ユニット出現〕
アカネ「何、あれ!? 見たこともない機体だよ!」
ホリス「アカネさん、見たことがないからアンノウンと言うんですよ」
アカネ「馬鹿ホリス! 解説してる場合じゃないよ!」
カトル「あの形状と人間大のサイズ…。まさか、テッカマン…!?」
ブレス「ラダムの指揮官のテッカマンか…。確かに外見は似ているが…」
〔カズマの周囲に爆発〕
〔画面、振動〕

カズマ「あいつらの正体なんか今はどうでもいい!」「連中がやる気なら迎え撃つまでだぜ!!」
ブレス「止むをえん…。敵は未知の機体だ、最大戦力を以って当たれ!」
アカネ「もう…! 小さくてすばしっこいなんて最悪の的だよ!」
ミヒロ「だ、大丈夫なの、お兄ちゃん…?」
カズマ「…覚えとけ、ミヒロ。ヤバい時ほど前に出るんだ…」「ああいう連中は弱気になって背中を見せると一気に襲ってきやがるからな…!」
ミヒロ「う、うん…!」
カズマ「来やがれ、チビ助共! 問答無用でぶっ放すような奴らならこっちも容赦はしねえぞ!!」

<敵撃破or敵増援1出現の次PP・味方援軍1出現>
〔WARNING〕
キャレット「コンテナハッチガ 開放サレマシタ」
シホミ「え! あそこにはお客様のお荷物が…!」
〔味方ユニット出現〕
アカネ「ガンダム!? ってことは、あの二人…ガンダム乗りだったの!」
ホリス「私達が敵を迎撃している間に離脱する気のようですね」
ブレス「いや、違うな」
カトル「聞こえますか、カズマ君! ミヒロちゃん!」
ミヒロ「その声、カトルさん!?」
カズマ「お前達、ガンダム乗りだったのかよ!」
デュオ「ま、そういうことだ。この状況じゃ俺達の機体も隠している場合じゃねえからな」
カズマ「ってことは…」
デュオ「悪かったな、カズマ。俺達、お前を誤解してたみたいだぜ」「見せてもらったぜ。本物のトレイラーってのをよ」
カズマ「ヒイロ…お前…」
デュオ「っと、それは偽名だ。俺の名前はデュオ・マックスウェル…通称『死神デュオ』だ」
カトル「カズマ君、援護します。君のような人を死なせたくない」
カズマ「お前ら…」
ミヒロ「お兄ちゃん…?」
デュオ「おいおい…まだ怒ってるのかよ…」
カズマ「嬉しいこと言ってくれるじゃねえかよ、デュオ、カトル!」
カトル「カズマ君…!」
カズマ「その『君』付けは無しだ! 俺のことはカズマでいい!」
ミヒロ「ありがとうございます、デュオさん、カトルさん!」
デュオ「いいってことよ。…俺達だって人の生命を大事にしたいからな」
カトル「行こう、デュオ。あの敵…もしかすると人類の新たな脅威かも知れない…!」

<カズマvsエイド>
カズマ「くそっ! チョコマカとうっとうしい奴らだぜ!」
ミヒロ「お兄ちゃん、敵のスピードにふりまわされないで!」

<敵全滅・勝利条件達成>
〔最後の1機に爆発〕
〔最後の1機、前進〕

ミヒロ「最後の一機、離脱するよ、お兄ちゃん!」
カズマ「野郎! 逃がすかよ!」
〔味方ユニット出現〕
デュオ「テッカマンブレード!?」
カトル「いえ、違います!」
アカネ「アンノウンの増援!?」
ブレス「待て! 様子がおかしい!」
???(オーガン(オリジナル))「………」
〔???(オーガン(オリジナル))、最後の1機へ隣接〕
[イベント戦闘「???(オーガン(オリジナル))vsエイド」]
〔敵ユニット撃破〕
カズマ「仲間割れかよ!?」
デュオ「気をつけろ、カズマ! あいつ、こっちに来るぞ!」
カズマ「くっ!」
〔???(オーガン(オリジナル))、マップ端へ移動〕
〔味方ユニット離脱〕

シホミ「白いアンノウン、レーダー圏内から離脱していきます」
アカネ「何だったの、あいつ…」
ブレス「無事か、カズマ?」
カズマ「あ、ああ…。あいつ、俺達に危害を加える気はなかったみたいだ…」
シホミ「お父さん…レーダー圏内にはアンノウン他の反応はありません」
ブレス「…とりあえず危機は去ったか。各機は帰還して状況の報告を」
ミヒロ「わかりました、お父さん」
カズマ「新しい依頼の初日からこれかよ…」「どうやら、日誌のネタには困らない航海になりそうだぜ…」
【戦闘マップ終了】

【シナリオエンドデモ開始】

地球圏エリア
ヴァルストーク/ブリッジ
ブレス「申し訳ありませんでした。あなた方を地球までお送りするのが依頼の内容であったのに…」「そのあなた方に助けてもらうことになるとは…」
カズマ「何言ってんだよ、親父。出撃したのは、そっちの二人の勝手だろうが」
ブレス「…お前は黙っていろ。これはヴァルストークファミリー全体の問題だ」「そして、ファミリーの代表は俺だ」
カズマ「あ、ああ…」
カトル「ブレス艦長、カズマの言う通りです。僕達は僕達の意思で戦ったんです」
デュオ「まあ、俺としては伝説のトレイラー『タカの目』に会えただけでもラッキーだったしな」
ホリス「ほう…社長の若かりし頃を知っているようですね」
ブレス「言っておくが、ホリス…俺はまだ『若かりし頃』のつもりだ」
ホリス「っと、こりゃ失礼しました」
デュオ「まあ、そういうわけなんであまり気にしないでくれよ、艦長さん」
ブレス「しかし、それでは我々の気が…」
カトル「でしたら、先程の件は僕達がカズマにした無礼な態度のお詫びとしてください」
デュオ「悪かったな、カズマ。俺、どうやら今日戦った海賊とお前達をいっしょにしてたみたいだ」
カズマ「わかってくれればいいぜ。実際、海賊やりながらトレイラーを名乗ってる奴らもいる…」「実際、昔かたぎのトレイラーはもうほとんど残ってないようなもんだ」「だけど、真のトレイラーってのはあんな奴らとは全然違うんだ」
カトル「君のトレイラーとしての誇りを見れば、それも理解できます」
カズマ「誇りだなんて…そんな大したものじゃないけどな…」
ブレス「お二人の考えはわかりました。…では、こうするのはどうでしょう?」「今回の依頼は無効ということでお二人は我々が私的に地球までお送りすると」
ホリス「ちょ…ちょっと、社長!」
カズマ「いいのかよ、親父! それじゃ俺達、ただ働きで丸損じゃねえか!」
ブレス「おいおい、カズマ…さっきまでビシっと決めていたトレイラーの誇りはどこに行った?」
カズマ「う…!」
ブレス「ヴァルストークファミリーがエスコートを頼みにきた依頼人に逆に助けられたとなったら…」「こいつは表を歩けんぞ」
ホリス「なるほど、実を捨てて名を取るわけですね」
デュオ「まあ、この依頼のスポンサーは俺達じゃないんでどっちでもいいんだけどよ…」「それであんたらの気が済むならそうすりゃいいさ」
シホミ「でも、本当にいいんですか、お父さん…?」
ブレス「かまわんさ。たまには従業員慰安旅行とシャレ込むことにしよう」「ミヒロに地球も見せてやりたかったしな」
ミヒロ「ありがとう、お父さん!」
ブレス「…と言いたいところですがこちらもしがないトレイラーですので食費他の実費はいただきます」
カトル「はい、わかりました。地球までよろしくお願いします、ブレス艦長」
カズマ「ってことは、今からは俺達は依頼人とトレイラーの関係じゃなくなったってわけか…」
デュオ「そうなるな。よろしく頼むぜ、カズマ「
カズマ「こっちこそな! …で、ものは相談だが、デュオ…お前、親父のこと知ってたんだよな?」
デュオ「ああ、俺のいたコロニーまで最高のトレイラー『タカの目』の噂はとどいていたぜ」「まさか、俺のことまで知っているとは…さすがだぜ」
カズマ「親父もガレントのおっちゃんも昔の話は全然してくれないんだ」「せっかくだから、その噂ってのを聞かせてくれよ」
デュオ「じゃあ、初っ端から取っておきの…」
ブレス「お前ら! ムダ話している暇はないぞ!」「遅れたスケジュールを取り戻す! 収入が見込めない分、経費は切り詰め!」「一に倹約、二に節約だ! トレイラー心得、時は金なり、金は時間なり、だ!」
ホリス「了解です、社長! それでこそ、この私がホレ込んだ宇宙最高のトレイラーの姿です」
ブレス「各員、配置につけ! デュオ、カトル! 二人の担当は機関チェックとサブ航海士だ!」
カトル「え…僕達もですか…!?」
ブレス「カズマが言ったろ? 今からは、依頼人とトレイラーの関係ではないってな」「悪いが、ウチにはヒマ人を遊ばせておく余裕はないんでな」
カズマ「さすがだぜ、親父! よ! この宇宙一のセコトレイラー!」
ブレス「ふふ…悪くない響きだ」
デュオ「ちっ…死神が下手なホトケ心を出したのが間違いだったぜ」
カズマ「ボヤくなよ、デュオ。お前なら、いいトレイラーになれそうだぜ」
デュオ「うるせえよ! リムジンどころか最終的にはただ働きかよ!」
ブレス「各員、各部を再チェック!」
〔機体の起動音〕
アカネ「トータルチェック、ラン。SBLS、CCM、RPMグリーン。ビルドインテスト、異常無し」
シホミ「リフティングデッキ、オンライン正常。システム起動のまま待機」
カズマ「ヴァルホーク、オンラインシステムチェック。オールグリーン。アイドリングのまま待機」
ミヒロ「ライフサポートシステム、オンラインチェック終了! 艦内正常です!」
ホリス「推力80%をキープ。トータルチェック、オールグリーン確認!」
ブレス「よし、ヴァルストーク! 地球に向けて全速前進だ!」
カズマ(待ってろよ、地球…! もうすぐ、この目でお前を見てやるぜ…!)
〔機体の発進音〕

銀河系エリア
???
???(インファレンス)「もうすぐ太陽系に着くね、アプリカント」
???(アプリカント)「航行プログラムは既に99・962パーセントを遂行した」
???(クリティック)「この銀河の辺境に再びやってくる事になるとはな」
???(レギュレイト)「現在、この星系は銀河でも有数の勢力が混在する状況にあります」「ラダム、機界生命体、さらにはイバリューダーまで」
???(インファレンス)「それは好都合だね。加えて、アプリカントの求めるものがあるのなら…」「この旅も意味のあるものになりそうだ」
???(アプリカント)「………」
???(クリティック)「では、すぐに行動を?」
???(インファレンス)「いや…我々が事を起こすのはこの星系の人間の暦で8ヶ月の時間を待たねばならない」「それまでの不確定要素はアプリカント…お前の人形に排除させろ」
???(アプリカント)「了解だ」
???(インファレンス)「この旅が僕達にとって実りのあるものとなるのを願おう…。全ての知と文明のために…」
【シナリオデモ終了】


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