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No.4
涙拭う翼

【シナリオデモ開始】
ガリア大陸西部

  ~ミネルバ 格納庫~
〔システムの起動音〕
レーベン「…シミュレーション終了。お疲れ様でした、セツコさん、アスラン君」
アスラン「これで5セット終了か…。とりあえず、休憩しましょう」
セツコ「訓練に付き合っていただいてありがとうございました、アスラン隊長」「おかげで空中での姿勢制御のコツが少しはつかめたみたいです」
アスラン「機体特性が陸戦主体から変わったせいで苦労しているみたいですね」
セツコ「でも、VWFSのおかげでバルゴラも立体的な戦術で戦えるようになりました」「ハイネ隊長に教えていただいた高機動格闘戦術も活かす事が出来ます」
アスラン「俺のセイバーの動きも少しは参考になります。訓練ならいつでも付き合いますから」
セツコ「ありがとうございます」
レーベン「自分も訓練に付き合いますよ、セツコさん」「ジエー博士からもバルゴラ・グローリーの稼働状況について報告するように言われてますしね」
セツコ「レーベン大尉もありがとうございます」
ヴィーノ「しかし、本当にすごい人ですね、バルゴラを改造したジエー博士って」
レーベン「自分のカオス・レオーも博士の作だ。あの方の頭脳は我々カイメラの宝と言うべきものだよ」
ヨウラン「…すいません。僕達の言いたい『すごい』ってのはもっと別の方向の話で…」
レーベン「ええと…博士の人格の方についてはノーコメントとさせてもらうよ」
セツコ「でも、優しい方だと思います」
ヴィーノ「無理しなくていいんですよ、セツコさん」
ヨウラン「そうそう。噂じゃバルゴラの改造を盾にかなりセクハラされたって聞きますし」
セツコ「え…それはその…」
ヨウラン「スカートをめくられたとは、耳の裏の匂いをかがれたとか、うなじを舐められたとか…」
セツコ「と、とりあえず未遂で済んだから、あんまり言わないで…」
レーベン「でも、ヴィーノ君達の言う通りですよ。言いたい事を溜め込むのはストレスになります」
セツコ「メンタルケアの大切さについてはチーフやトビーにも言われました」「でも、大丈夫です。本当に博士には感謝してますから」
アスラン(不思議な人だな…。一見すると消極的で気弱な印象だが…)(あれだけの過酷な景観をしながら、精神を壊したり、自暴自棄になったりもしなければ…)(怒りや憎しみに我を忘れたりもしない。この人の根の部分の強さはいったいどこから来ているんだ…?)
セツコ「…私の顔に何かついてます?」
アスラン「い、いや…何でもないです。失礼しました」
ヴィーノ「駄目じゃないですか、隊長。セツコさんに見惚れてたなんてルナマリア達にバレたら大ごとですよ」
アスラン「そういうわけじゃない…!」
ヨウラン「もてる男はつらいですねえ。…ってこの前の戦闘でも、このフレーズ…聞いた覚えがあるな」
ヴィーノ「甲児さん、闘志也さん、アスラン隊長…。羨ましいよ、まったく」
アスラン「そ、そんな事よりもだ…!」
セツコ(あ…動揺してる)
アスラン「セツコさん、全領域全地形の対応を訓練するなら相手はシンのインパルスが適任だと思います」
セツコ「それはそうなんですが…」
アスラン「また、あのエクステンデッドの所に入り浸っているのか…」
レーベン「シン君の彼女への入れ込み具合は不自然に思えるな…」
ヴィーノ「道場だと思いますよ。ほら…あいつも色々と過去にあったから」
ヨウラン「無愛想で突っ張ってるけど、あいつ…優しい所がありますしね」
セツコ「ええ…」
アスラン「だが、彼女は敵兵だ」
ヴィーノ「ちょっと厳しくないですか、それ…」
アスラン「我ながら、そう思うよ」「だけど、それが戦争なんだ
セツコ(その中でハイネ隊長は命を落とし、カミーユ君は目の前で心を通わせた人を失った…)(戦争が悲しみを広げていく…。だから、私は…)
〔歩み寄る足音〕
甲児「やっぱりここにいたんだな、セツコ」
セツコ「甲児さん…。それに皆さんも…」
アスラン「どうしたんです? みんな、揃って…」
鉄也「いくらお前でもセツコの訓練にずっと付き合ってたら、身体がもたないと思ってな」
アムロ「交代だ、アスラン。今度は俺達が彼女の相手役をやろう」
アスラン「了解です、大尉。きっとセツコさんの成長ぶりに驚きますよ」
セツコ「皆さん…」
闘志也「せっかくの全領域汎用武装と全地形対応のバルゴラなんだ。俺達全員のいい所を持ってけよ」
エイジ「とりあえず一番手は、いつの天然だ。敵に回すと普段とのギャップに驚くぜ」
斗牙「よろしくです、セツコさん」
セツコ「本気でお願いね、斗牙君」
琉菜「あたし達は補給部隊でぇす! 甘い物用意してきたから、訓練が終わったら食べましょうよ」
セツコ「アメとムチね。これは頑張らなくちゃ」
ルナマリア「あたしも訓練の相手じゃなくて、アメの方がいいなぁ」
セツコ「一緒にトレーニングしましょう、ルナマリアさん。私の射撃の特訓をするつもりだったし」
ルナマリア「えへへ…あたしの弱点、知られちゃってたみたいですね」
カミーユ「じゃあ、始めようか。斗牙、セツコさん…用意を」
斗牙「了解」
ロラン「その顔…本気になったんだね」
セツコ「では、行きます…!」
マリア「頑張ってね、セツコさん!」
勝平「次は俺が相手するからよ! 負けんなよ、セツコ姉ちゃん!」
セツコ(ありがとうございます、皆さん…)
【シナリオデモ終了】


サブタイトル
「涙拭う翼」


【戦闘マップ開始】
〔味方戦艦出現済み〕
〔レーダー反応〕

メイリン「こちらに接近中の新地球連邦軍の部隊…間もなく戦闘レンジに入ります」
タリア「各機は出撃を。ジブラルタル基地を前にしてやられるわけにはいかないわ」
〈出撃準備〉
セツコ(ありがとうございます、皆さん。皆さんい教えていただいた事を必ず活かしてみせます)
レイ「我々をジブラルタルへ行かせないつもりか…!」
クワトロ「各機は迎撃の準備を。来るぞ」
〔敵ユニット出現〕
アムロ「ティターンズを中心とした部隊か…!」
セツコ「フォートセバーンで戦ったガンダムタイプもいます」
ヤザン「案内ご苦労だったな、フロスト兄弟」
オルバ「礼には及びませんよ、ヤザン大尉」
シャギア「我々もシロッコ大佐と今後の事の打ち合わせがありましたから」
ヤザン「フン…ついでにZEUTHの片割れの情報収集か」「抜け目が無いもんだ。そこまで鼻が利くんなら俺の噂も知ってるだろうな?」
シャギア「フ…野獣と呼ばれる大尉の戦いぶり、拝見させていただきます」
ヤザン「中尉! 指揮はお前に任せる! 俺は好きにやらせてもらうぞ!」
ティターンズ「は! 存分にお楽しみを!」
ヤザン「行くぞ、ZEUTH! お前達を味見してやる!」
<戦闘開始>

<3PP>

ティターンズ「しかし、あの機体…」
〔カーソル、セツコを指定〕
ティターンズ「データ照合完了…。やはり、そうだったか」
〔通信の開く音〕
セツコ「通信…!? あの可変モビルアーマーから…」
ティターンズ「聞こえるか、デンゼル・ハマー。お前とこんな所で会えるとは思っていなかったぞ」
セツコ「!」
ティターンズ「その羽付きがグローリー・スターがテストしていたバルゴラだな」
セツコ「あなたはチーフのお知り合いなのですか!?」
ティターンズ「女だと…!? デンゼル・ハマーではないのか…!」
セツコ「自分はグローリー・スターの3rd。セツコ・オハラ…」「チーフは…デンゼル・ハマー大尉はブレイク・ザ・ワールドの前に戦死されました…」
ティターンズ「そうか…」「フン…あのクソ野郎…生きていれば、俺がこの手で叩き落としてやったものを」
セツコ「え…」
ティターンズ「セツコとか言ったな。投降して、その機体を俺によこせ」
セツコ「何なんです、あなたは…!? 何の権利があって、そんな事を…」
ティターンズ「黙れ、小娘が! 本来ならグローリー・スターの3rdは俺のはずだったんだ!」
セツコ「え…」
ティターンズ「先任の3rdが殉職した事で俺に転属の話が来たんだよ」「だが、デンゼル・ハマーは俺をテストで落としやがった」「己にしかない正しい資質に欠けるとか抜かしてな!」
セツコ「己にしかない正しい資格…。チーフの言っていた言葉…」
ティターンズ「テストパイロットになれば実戦に出ずに済む上にエリートとして出世も望めたのに…」「あの野郎…俺の栄光の道の邪魔をしておいて、お前のような小娘を引き入れていたとは!」
セツコ「………」
ティターンズ「投降しないのなら、その機体をスクラップにしてやる! 俺のプライドを踏みにじった礼にな!」
レコア「いけない…! セツコは動揺している!」
レーベン「後退してください、セツコさん! 奴はあなたを狙ってきます!」
ティターンズ「逃がさんぞ、女!」「俺を認めなかったグローリー・スターなど無駄飯食いのクズの集団だ!」
セツコ「黙りなさい!!」
ティターンズ「!」
セツコ「チーフに代わり、私がもう一度言います…!」「あなたは己にしかない正しい資質に欠けます!」「そんな人間はグローリー・スターには相応しくありません!」
ティターンズ「貴様…! この俺を…」
セツコ「反論は許しません!」
ティターンズ「俺は…」
セツコ「黙れと言いました! あなたが口を開く事はグローリー・スターへの冒涜です!」
ティターンズ「ぬ…ぬう…!」
セツコ「チーフは私に教えてくれました。銃を持たない戦いもある事を…」「グローリー・スターは戦っていました! チーフもトビーも軍人として誇りと使命を胸に!」「あなたの小さなプライドではそれを背負う事は出来ません!」
カミーユ「セツコさん…」
シン「あんなセツコさん…初めて見た…」
アスラン「これ程まで彼女が怒りを露にするとは…」
アムロ(心の底に秘めているからといってもセツコの怒りや悲しみが浅いわけではない…)
クワトロ(感傷に溺れない強さは成すべき事を持つ意思の力…。そして、それを支えるのは…)
ティターンズ「マ、マスコット風情の小娘が俺に意見する気か!」「お前を叩き潰し、デンゼル・ハマーの愚かさを俺の優秀さを証明してやる!」
セツコ「チーフとトビーの遺したものは私が受け継ぎ、守ります!」「来なさい! あなたにグローリー・スターの戦いを見せてあげます!」

<シャギアと戦闘>
シャギア(レーベン大尉の潜入はうまくいっているようだな)
オルバ(二つに分かれたZEUTH…我々の目的のために働いてもらうよ)
シャギア(そして、その幕引きは君達自身の手でしてもらおう)

<セツコvsヤザン>
ヤザン「丁寧な操縦だな…! 乗っているのは女と見たぞ!」「ここまでやるのなら女でも本気で相手をしてやる! 光栄に思えよ!」

<セツコvsアッシマー>
ティターンズ「器用なだけの小娘が俺に勝てると思うなよ!」
セツコ「バルゴラ・グローリーにはチーフの射撃データとトビーの格闘データがある!」「そして、二人の想いは私の中にある!」
ティターンズ「何が想いだ…! そんなものが戦力になるか!」
セツコ「その答えは今、見せます! このGSコンバット・アクションで!」

<アムロvsヤザン>
ヤザン「ZEUTHには連邦の白き流星がいると聞いていたが、こいつが当たりらしい!」「一年戦争の英雄がどれ程のものか、見せてもらうぞ!」

<クワトロvsヤザン>
ヤザン「ちっ…! この俺をてこずらせるだと!?」「どうやら、こいつが噂に聞くエゥーゴの指揮官らしいな!」

<カミーユvsヤザン>
ヤザン「いい腕をしているな、こいつ…!」「経験は浅そうだが、筋はいい! どうやら、こいつが今回見つけた一番のお宝のようだ!」

<ロランvsヤザン>
ヤザン「ハハハ…必死な様が機体越しでも伝わってくるぞ!」「こいつは楽しめる獲物だ! 叩けば叩くほど、強くなるタイプと見た!」

<アスランvsヤザン>
ヤザン「いい腕をしているな、こいつも! コーディネーターというのは叩き甲斐がある!」「同じ可変機同士だ…! 純粋な腕比べが出来そうだな!」

<シンvsヤザン>
ヤザン「ザフトのエースパイロットか! どうやら若造のようだな!」「突っ込みが青いんだよ! そんな直線的な動きで俺をやれると思うなよ!」

<ヤザン撃破>
〔ヤザンに爆発〕
ヤザン「ちっ…少し遊びが過ぎたか…。だが、楽しめそうな相手の目星はついた」「この連中なら、俺の腕を存分に振るう事が出来そうだ。次は本気でやるぞ…!」
〔敵ユニット離脱〕

<シアギア撃破>
シャギア「これ以上の損傷は危険か…。後退する」

<オルバ撃破>
オルバ「よくやってくれたね。次に会う時が楽しみだよ」

<アッシマー撃破>
〔アッシマーに爆発〕
ティターンズ「認めない! 俺がこんな所で負けるなんてありえな…」
〔敵ユニット撃破〕
セツコ「戦争も軍も個人の欲望を満たすための場ではないんです…」「使命も信念も無い戦いは悲しみを広げるだけの力です」「私はそれを否定します。自分の戦いの誇りを持つため…この世界で生きていくために…」

<敵全滅・勝利条件達成>
アーサー「敵部隊の全滅を確認しました」
タリア「追撃もないようだし、とりあえず一安心のようね」
レイ「もうすぐザフトの勢力圏内です。そこに入れば、ジブラルタルに到着したも同然でしょう」
クワトロ(ジブラルタル基地ではデュランダル議長との会談を予定されている…)(多元世界の混迷が進んでいく中、議長はどう動くつもりだ…)
セツコ「………」
甲児「セツコ…。グローリー・スターの誇りはお前の中で生きているんだな」
セツコ「え…」
勝平「かっこよかったぜ、今日の姉ちゃん! 勘違い野郎にガツンと言ってやってよ!」
セツコ「そ、そう…?」
ミヅキ「デンゼル大尉とトビーから受け継いだのはガナリー・カーバーのデータだけじゃないのね」
闘志也「あの二人の魂がセツコとバルゴラには宿ってんだよな」
セツコ「………」
エマ「セツコ…今のあなたはグローリー・スターを名乗るに相応しいわ」
セツコ「エマ中尉…」
エマ「ルテチウム基地で初めて会った時…私も、なぜあなたが選ばれたのか、わからなかった」「でも、今なら言える。あなたはデンゼル大尉の言う己にしかない正しい資質を持っているわ」
セツコ「ありがとうございます…」
レーベン「セツコさん…」
セツコ(チーフ、トビー…。失われたものは戻ってきませんし、それにすがるつもりもありません…)(だけど、今あるものを守り、新しい何かを作っていく事は出来ると私は思います)(チーフとトビーと私のグローリー・スターは失われましたが、ZEUTHがあります)(そして、二人が教えてくれた誇りと使命が今も私に力をくれます…)(だから、戦います…。私はグローリー・スターとして、そして、ZEUTHとして…)
【戦闘マップ終了】

 多元世紀0001年 9月29日
 間もなくZEUTHはザフトのジブラルタル
基地へ到着する。
 数日前の疑問は今でも私の中に残っている。
 だから、それに胸を張って応えることが出来
るように私は生きていこうと思う。
 私にとって生きることはグローリー・スター
の誇りを継ぐことと同義であり、その想いがあ
れば、悲しみに負けることもないと思いたい。
 この先も戦いは続き、アサキム・ドーウィン
と再び退治する日もくるだろう。
 だが、私は誇りと使命を胸に戦っていく。
       GloryStar 3rd.


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