プロローグ
大時空震動……。
ある世界で発生した巨大な時空震動により、
それぞれの世界を隔てる次元の壁が破壊された。
その結果、数多の並行世界は、互いに交じり合い、
多くの新たな世界が生まれた。
それが多元世界の誕生である。
新たな世界の誕生は新たな出会いを生み、
新たな出会いは新たな戦いを生み、多くの
耐えん世界が誕生から長い間、渾沌の中にあった。
しかし、その中の幾つかには次第に新たな秩序が
二つの月と二つの日本列島を持つ多元世界……。
誕生から２０年、この世界に生まれた秩序は、
戦いによって、もろくも崩れ去った。
私設武装組織ソレスタルビーイングによる
戦争根絶を目的とした武力介入から始まった
新たな戦いは、コロニーと地球の対立や
三大国家のにらみ合いを巻き込み、瞬く間に
世界を覆っていった。
っ加えて、世界支配を目論むＤｒ．ヘルや
ギシン星人の侵攻、インベーダー、バジュラ、
獣人などの人類以外の敵の襲来により、
世界の混乱は加速度的に進んでいった。
それに対して国連平和維持理事会代表、
エルガン・ローディックは組織、立場を越えた
特別国際救助隊を設立した。
別世界からの来訪者「ＺＥＵＴＨ」のメンバーを
加え、彼等は平和のための戦いを続けた。
その前に立ちはだかったのが次元獣を戦力とする
新帝国インペリウムと、その統治者である
破界の王ガイオウであった。
彼等の活躍により、破界の王ガイオウは倒され、
後に破界事変を呼ばれることになった戦乱は終結を
向かえた。
その後、人類は戦いを教訓に、地球連邦の名の下、
統一への道を歩み始めたのである……。
しかし、平穏は一時でしかなかった。
地球連邦は、軍事、経済において世界を一つに
するものの、行政権は各国家に委ねられる方針が
決まりつつあった。
その結果、旧世界の三大国家の勢力は
そのまま連邦内の力関係にも反映され、小国や
スペースコロニー、植民地エリアなどは、依然と
変わらぬ立場を強いられることが予想された。
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