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No.12
戦場の教母

【シナリオデモ開始】
ウェンディ「ベスピナ条約で、市街地の戦闘は禁じられてるけど……内戦じゃ、防げないものね……」
ロドニー「くそったれが……まともな政治家はおらへんのか」
マサキ「いっその事、おっさんが政治家になったらいいんじゃねーの?」
ロドニー「何でやねん。わしはもう、アンティラス隊の一員やで。シュテドニアス国籍はないわい」
ウェンディ「あ、いえ、ありますよ、国籍」
ロドニー「えっ? 何でや?」
ウェンディ「聯盟では、アンティラス隊の規約について、細部で意見が分かれてるんです。なので、一時的ではありますけど、今の私達は二重国籍扱いになってます」
ロドニー「なんやそれ。ええ加減なやっちゃなぁ……それこそ国際法違反やろ」
ウェンディ「ッホントは来週にでも、これについては決議される予定だたんですよ。けど、シュテドニアスががこんな状態なので」
ロドニー「ああ、そういう事かいな」
ウェンディ「そうはいっても、アンティラス隊に所属したまま、選挙に出るのは無理ですけどね」
ロドニー「まあ、普通はそうやな」
エリス「ロドニー、何でしょう? あの行列」
ロドニー「ん? おお、何か安売りしとるんかな?」
ウェンディ「いえ、あれは……炊き出しですね」
リューネ「へぇ、ボランティアか」
ウェンディ「私達でも手伝える事があるかもしれません。行ってみましょう」
マサキ「そうだな」

マサキ「あー、ちょっといいか?」
????(エルシーネ)「ああ、すみません。列に並んで頂けませんか?」
マサキ「あ、いや、食いもんをもらいにきたんじゃねぇんだ。ちょっと……」
ロドニー「ん? 自分……エルシーネはんか?」
[イベント「教母エルシーネ」]
エルシーネ「ええ、わたくしはエルシーネ・テレジアですが……何か?」

ロドニー「ああ、ここが有名なアクアビナ修養会やったんか」
マサキ「有名人なのか?」
エリス「ええ、キュリウス派の教母、エルシーネ様といえば、シュテドニアスでは知らない人はいません」
エルシーネ「教母などと、もったいない。わたくしは一介の尼に過ぎません。それで、わたくしに何か御用ですか?」
マサキ「ああ、いや、用ってほどじゃなくてな。手伝える事、ないかって」
エルシーネ「そうでしたか。それは恐れ入ります。ですが、人手は足りていますのでそのお志だけ頂きます」
マサキ「そっか……じゃ、寄付だけでも」
エルシーネ「それはありがとうございます。あなた方に神の恵みのあらん事を……」
マサキ「う……」
ロドニー「おお……」
リューネ「ふわぁ……」
マサキ「あ……あー、えーと……手持ち、あったっけ」
リューネ「今もってるの、これだけ」
ロドニー「しもたもうちょい下ろしとくんやった」
エリス「少ないですが、これで……」
ウェンディ「ええと……あ、良かった。お札持ってた」
マサキ「えっと、じゃあ、これ、全部寄付で」
エルシーネ「まあ、こんなに? 本当によろしいんですか?」
ロドニー「かまへん、かまへん! こんな美人さんやったらナンボでも。それに、わしらのせいでも……ぐあっ!」
エリス「…………」
ロドニー「い、いや、エリス! ちゃうねん! 今のはちゃう!」
エリス「…………」
ロドニー「いや、悪かったって! ホンマ、反省しとる!」
エルシーネ「奥様、ですか?」
エリス「一応、書類上は」
エルシーネ「お気になさらず。殿方はああいったお世辞をおっしゃるものです。社交儀礼の様なものですから」
エリス「は、はい……それはわかってますけど」
エルシーネ「素敵なご夫婦ですね。神の祝福があらん事を」
エリス「あ、ありがとうございます」
マサキ「あー、何か色々と邪魔しちまったみたいだな。それじゃ、俺達はこれで」
エルシーネ「はい。どうもありがとうございました」

リューネ「……ふう。何ていうか、すごかったね」
マサキ「ああ、あれが後光が差すっていうヤツだな」
リューネ「ああいうのも、プラーナなのかな」
リューネ「かもな。治癒術も使ってたみたいだし」
シモーヌ「孤児院もあったよ。身寄りのない子供達を預かってるだね」
リューネ「ああやって、困ってる人達の力に直接なれるのって、いいな……」
マサキ「ん?」
ウェンディ「どうしたの、マサキ?」
マサキ「いや、今さっき、どっかで見た様なヤツが……どこで見たんだっけ」
リューネ「知り合い? シュテドニアスに?」
マサキ「……気になるな」
ロドニー「何でや?」
マサキ「なんつーか、そいつに殺気みたいなもんを感じたんだよ。しかもあっちに向かった」
リューネ「エルシーネさんの教会……」
ロドニー「そら確かに気になるな……戻ってみるか」
マサキ「ああ、そうしよう」

ロドニー「どや? おるか?」
マサキ「こう人が多くちゃ、わかんねぇって」
エルシーネ「あら、皆様。何かお忘れ物ですか?」
マサキ「あ、いや、そうじゃなくって……その、この辺りで変なヤツ見なかったか?」
エルシーネ「変なヤツ、と言いますと?」
マサキ「えーと、目つきが悪くて、バカみたいで……あーっ! 思い出した! エリックだ、あいつ!」
エリック「うおっ!? だ、誰だ!? 俺様に何か用か!?」
リューネ「あ、いた!」
ズネロ「……ヘッド。何で声出すんですか」
エリック「何でって……いきなり大声でよばれりゃ、誰だって返事すっだろ」
ズネル「……はあ~。変装した意味、ないじゃないですか」
エリック「いいんだよ! 俺はこそこそやるのは趣味じゃねぇ! 男は目立ってナンボよ!」
ズネロ「……仕方ありませんね。メカ戦ですか」
エリック「おうよ!」
【シナリオデモ終了】


サブタイトル
「戦場の教母」


【戦闘マップ開始】
〔敵ユニット出現〕
〔味方ユニット出現〕

エリック「ヒャッホー! この前の借り、キッチリ返すぜ!」
マサキ「くっ! 何だこの数は!? どこから湧いて出やがった!?」
ウェンディ「もしかして……隠形の術かも」
エリス「えっ? あれってテロリスト程度の連中でも使えるんですか?」
ウェンディ「ううん、普通ならあり得ないけど……多分、バックに大きな組織があるのよ」
エリック「ほっほー! よく気が付いたな! そうともよ、俺達のバックには……」
ズネロ「ヘッド! それは喋っちゃダメでしょ!」
エリック「むおっ!? そ、そういえばそうだった。おのれ、なかなか見事な誘導尋問じゃねぇか! 危なく引っかかるとこだったぜ」
リューネ「……相変わらずバカみたいだね」
エリック「何だと! バカって言うヤツがバカって諺、知らねーのか!?」
ズネロ「そんな諺、ないですがね」
エリック「何でもいい! いけっ! 野郎共!!」
手下(細)「おおっ!」
〔敵ユニット出現〕
マーガレット「やっと見つけたわ……マサキ、覚悟しなさい!?」
マサキ「何だと!? 誰だ、てめぇは……」
シモーヌ「あなた……マーガレットなの!?」
マーガレット「よくものうのうと生き恥をさらしているわね、シモーヌ!」
シモーヌ「……その様子じゃ、ラセツの仇討ちってところみたいね」
マサキ「ラセツ? ラセツって……あのラセツの事か?」
マーガレット「ええ、その通りよ!」
シモーヌ「そのためにテロリストになったって言うの?」
マーガレット「私はただの傭兵よ。こいつらとは関係ないわ。でも今回の仕事は商売抜き。そもそも私は、あなた達を倒すために傭兵になったんだから! それに、立ち塞がる相手を全て力で叩き伏せてきたあなた達に、テロリストをどうこう言う資格はない!」
マサキ「な……何だとっ!!」
<戦闘開始>

<2EP>

ズネロ「……ヘッド」
エリック「おお、何だ?」
ズネロ「依頼、忘れてません?」
エリック「依頼? 何の話だ?」
ズネロ「……やっぱり。エルシーネを亡き者にするんでしょ」
エリック「え? ああ、いや、覚えてるぞ、もちろん!」
ズネロ「……忘れてましたね?」
エリック「バカ野郎! 忘れたふりに決まってるだろ! ほれ、敵を欺くにはまず味方からというだろうが」
ズネロ「自分を欺いてどうするんですか。ほら、全員に指示しないと」
エリック「うむ、そうだな。野郎共! 教会をぶっ潰せ!」
マサキ「おい、聞いたか?」
リューネ「丸聞こえ。開放回線で話す事じゃないでしょうに」
ロドニー「けど、お蔭であいつらの目的がわかったんや。教会を護るで!」
エリス「はい、ロドニー!」
マサキ「ああ、けど、この数じゃ厳しいな……」
リューネ「とにかく、やるしかないって! あそこにはウェンディさんもいるんだから!」

<3PP・味方援軍1出現>
〔味方ユニット出現〕
テュッティ「間に合ったようね!」
ミオ「お待たせー!」
デメクサ「状況はわかっています。教会を護ればいいんですよね?」
マサキ「おう! 助かるぜ!」

<マサキvsマーガレット>
マーガレット「ラセツ大佐の仇っ!」
マサキ「てめぇも……シモーヌみたいに、ラセツに助けられたって口か?」
マーガレット「ええ、そうよ! あの人がいれば、この世界は変わるはずだった! それを、あなた達がっ!!」
マサキ「あいつのやり方は、世界を混乱に陥れただけだ!」
マーガレット「変革に混乱はつきものよっ!」

<ミオvsエリック>
エリック「ヒャッハー! オラオラ、道をあけなっ!」
ミオ「んー、相変わらず飛ばしてるねー」
エリック「おうともよ! どこまでもぶっ飛ぶぜぇ!」

<シモーヌvsマーガレット>
マーガレット「ラセツ大佐は、あなたにとっても私にとっても恩人だった! それを、あなたはっ!」
シモーヌ「恩人だからこそ、道を誤ったなら糺すべきでしょう!」
マーガレット「正しいか誤ったかなんて、あなたに決める権利があるの!!」

<ロドニーvsエリック>
エリック「ヒャーッハッハッハッ!! 楽しもーぜ、おっさん!」
ロドニー「なんや、こいつら? けったいな連中やな」

<エリックvs教会>
エリック「ヒャハハハッ! 楽なもんだぜ!」

<ズネロvs教会>
ズネロ「さて、頂きっと」

<手下(細)vs教会>
手下(細)「ターゲット、ロックオン!」

<手下(小)vs教会>
手下(小)「動かない、反撃しない相手なら、何とかなる……か」

<手下(女)vs教会>
手下(女)「さて、死んでもらうわよ。覚悟おし!」

<手下(太)vs教会>
手下(太)「エルシーネっての、前から気に入らなかったんだよ! いい子ぶりやがって……死にな!」

<教会がダメージ>
修道尼「きゃあああっ!!」
エルシーネ「ここは危険です、早く避難を!」
修道尼「は、はい! あ、でもエルシーネ様は……」
エルシーネ「わたくしは全員の避難を見届けてからいきます。さあ、あなたも早く」
修道尼「は、はい」
マサキ「まずいっ! このままじゃ教会がっ!」
ロドニー「あかんっ! 教会が壊されたら終わりや! 何とか護らなあかんで!」

<エリック撃破>
エリック「ちっきしょうめっ! 覚えてやがれっ!」
〔敵ユニット撃破〕

<ズネロ撃破>
ズネロ「ありゃりゃ……こりゃあ、今回も失敗かねぇ」
〔敵ユニット撃破〕

<敵全滅・勝利条件達成>
【戦闘マップ終了】

【シナリオエンドデモ開始】

エルシーネ「助かりました、皆様。本当にありがとうございます」
マサキ「いや、いいって。俺達ゃ、それが仕事なんだからよ」
リューネ「それにしても、何でエルシーネさんがあんな連中に狙われてるの?」
エルシーネ「……お恥ずかしい話ですが、心当たりが多すぎて……」
ロドニー「まあ、教母エルシーネっちゅうたら利用価値が高すぎるからなぁ」
エルシーネ「わたくしは、そういった世情に関わるつもりはないのですが」
ロドニー「そうは言うても、あんた、思いっきり有名人やからな。あんたがどっちに付くかで、騒乱が収まるとまで言われとるし」
エルシーネ「わたくしがどうこうする程度でこの騒乱が収まるのであれば、喜んでお手伝いしますが……わたくしは政治的な事はわかりません」
ロドニー「ああ、それでええんや。そういう存在やからこそ、あんたを利用しようっちゅう連中が引きも切らへん。事情がわからん内は、今のまま、人助けしとってくれや」
エルシーネ「はい。それはそのつもりです」
〔轟音〕
エルシーネ「? この音は……あ!」
[イベント「教会上空に出現するフリングホルニ」]
エルシーネ「……いつの間にこんな近くに?」
ロドニー「ああ、航行音も小さいからなぁ。ここまでこな気が付かんわ」
マサキ「ステルス機みたいだな」

エルシーネ「アンティラス隊の皆様がいらっしゃったんですね?」
マサキ「ああ、多分みんな合流してんじゃねぇかな」
エルシーネ「できましたら、皆様にもお礼を申し上げたいのですが、よろしいですか?」
マサキ「お礼って……あいつらにもか?」
エルシーネ「ええ、アンティラス隊の皆様のこれまでの活躍に対して」
ろどにー「ええ人やなぁ……」
マサキ「……ま、いいか。招待するぜ、フリングホルニにな」

デメクサ「どうぞ、お茶です」
エルシーネ「ありがとうございます。頂きます」
ツレイン「…………」
ミオ「何? ツレイン。ボーッとしちゃって」
ツレイン「えっ? あ、い、いえ、何でもないであります!」
ミオ「……エルシーネさんに見とれてたな?」
ツレイン「なななな、何を……」
ミオ「わかりやすすぎて、からかい甲斐がないなぁ」
ワグネル「それで、わざわざ我々にお礼を?」
エルシーネ「はい。皆様のお蔭で、人々が助かりました。心より感謝します」
ワグネル「いえいえ、当然の事をしたまでです」
エルシーネ「ただ、皆様にも考えて頂きたいのです」
マサキ「考えるって、何を?」
エルシーネ「戦わずに対立を収める方法です」
マサキ「……それができりゃ、苦労しねぇよ」
エルシーネ「そうでしょうか? 後ろ盾を何も持たないわたくしがこういう事を言うのは何ですが……皆様には力があります。その力は振るうためにあるのではなく、抑止するためにあるのでは?」
マサキ「いや、だからこうやって色々と防ごうとしてんじゃねぇか」
エルシーネ「しかし、結局は力で解決なさっています」
マサキ「そりゃあ……相手が聞く耳持たねぇからな」
エルシーネ「そうやって戦えば、結局相手に恨みを募らせ、更に話し合う余地がなくなってしまうとは思いませんか?」
マサキ「……そう簡単なもんじゃねぇ」
エルシーネ「それは充分承知しているつもりです。ですが、理想を持つ事だけは忘れないでください」
マサキ「……わかったよ」
エルシーネ「それでは、長々とお邪魔してしまいました。わたくしはここで……」
リューネ「……フン、理想論だけで話が進むんなら、あたしの親父は死んじゃいないよ」
マサキ「…………」
リューネ「マサキ、気にしちゃダメだよ」
マサキ「あ、ああ……」
【シナリオエンドデモ終了】


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