第2話
銃と拳
【シナリオデモ開始】
万能戦闘母艦ハガネ 艦内
リュウセイ「アルトやヴァイスと模擬戦!?」
イングラム「そうだ。演習開始は1300。直ちに準備をしろ」
キョウスケ「こちらも了解ですが、ATXチーム対SRXチームというわけではないのですね」
イングラム「ああ、俺のR-GUNの慣らしも兼ねているのでな」
エクセレン「色男さんと勝負できると思ったんだけど…R-2は重いし、飛べないから、今回の組み合わせは妥当かもね」
ライ「確かに、R-2は重パーソナルトルーパーだが、ハンデにはならん」
エクセレン「んじゃあ、いつか白黒付けましょ」
ライ「その機会があればな」
リュウセイ「R-1もアルトも接近戦用の期待だけど…真正面からぶつかるとなると、ちと分が悪いな。R-1は変形するから、華奢な所が多いし」
イングラム「………」
エクセレン「あららん、どうしたの? リュウセイ君なら、『俺の鉄拳でアルトの杭をへし折ってやるっての!』とか言うと思ってたけど」
キョウスケ「…あのステークはそう簡単に折れんぞ」
エクセレン「まあまあ、例え話だから」
ライ「多少は思慮深くなったのかも知れんが、身体の調子でも悪いのか」
リュウセイ「お前ら、どういう目で俺を見てんだよ。こっちだってな、事前に色々と考えてんだぜ」
ライ「…やはり、具合が良くないならしい」
リュウセイ「あのなあ!」
ライ(ヴァルシオンとの決戦で思うところがあったようだな)(もしや、イングラム少佐が今回の模擬戦を思いついた理由は…)
クスハ「あの…」
エクセレン「あら? どうしたの、クスハちゃん?」
クルハ「リュウセイ君の具合が良くないなら、これを…新しい漢方薬が手に入ったんで、栄養ドリンクを作ったんです。だから、ちょうどいいなと思って」
リュウセイ「げっ!!」
エクセレン「なあに、そのリアクションは?」
イングラム「…急用を思い出した。各員、模擬戦の時間に遅れるな」
〔歩き去る足音〕
ライ「俺も次の予定がある」
〔歩き去る足音〕
エクセレン「あらあらあら。何なの、突然?」
クスハ「さあ、リュウセイ君、どうぞ。効き目は保証するから」
リュウセイ「うう…」
エクセレン(確かに、あの色とこの匂い…リュウセイ君がドン引いてる理由は何となく察しが付くけど)
キョウスケ「飲まないのか? 良薬は口に苦しと言うだろう」
リュウセイ「そ、そうなんだけどさ…」
クスハ「キョウスケ少尉もいかがです?」
キョウスケ「ああ、もらおうか」
リュウセイ「ちょっと待ったぁ!」
キョウスケ「?」
リュウセイ「クスハ、気持ちは嬉しいんだけど、俺達はこの後、もぎせんをやることになっててさ。腹に何か入れるのは控えてえんだ」
クスハ「そう…じゃあ、冷蔵庫に入れとくね」
〔歩き去る足音〕
リュウセイ(うへえ、後で飲めってか?)
キョウスケ「何故、止めた?」
リュウセイ「あの栄養ドリンク、とにかく味がとんでもなくてさ。飲んだら、ほぼ確実にぶっ倒れるんだよ」
エクセレン「な~る…」
キョウスケ「ほぼ確実に、か。分の悪い賭けは嫌いじゃない」
リュウセイ「止めとけ、止めとけ。あのイングラム教官だって、昏倒したって言ってたぞ」
エクセレン「むむ、それはかなりの難敵…ってか、飲んだことあるのね、少佐」
リュウセイ「ただまあ、ぶっ倒れた後は気力全開、体調も絶好調になるんだけどよ」
エクセレン「ん~、じゃあ、後でブリット君に飲ませようかしらん。あの子、クスハちゃんからのプレゼントなら、何でも喜びそうだし」
リュウセイ「とてもじゃねえが、素人には勧められんぜ。よっぽどの事情がない限りはよ」
エクセレン「事情、ねえ」(それを言ったら、今回の模擬戦も…)
【シナリオデモ終了】
サブタイトル
『銃と拳』
【戦闘マップ1開始】
〔味方ユニット出現済み〕
〔敵ユニット出現済み〕
イングラム「各機、準備はいいか?」
キョウスケ「アサルト1、準備完了」
エクセレン「アサルト2も同じく、模擬弾の装填もバッチリよん」
リュウセイ「ちょ、ちょっと待ってくれ。T-LINKシステムのアジャスターが…」
イングラム「アヤ、リュウセイのバックアップを」
アヤ「了解です。リュウ、システムの2番モニターを見て。セッティングは私がリモートでやるわ」
リュウセイ「すまねえ」
エクセレン「ねえ、キョウスケ。イングラム少佐が今回の模擬戦を思い付いた理由なんだけど…」
キョウスケ「コンビネーション戦術の再確認か」
エクセレン「それもあるけど、ホントのところは…」
キョウスケ「薄々気付いている。協力はするが、話に最後まで乗るつもりはない」
エクセレン「オッケー。私も銃の使い手として、R-GUNには興味あるしね」
アヤ「…これでアジャスト終了よ。頭の中にノイズが走るような感覚はある?」
リュウセイ「ない。ありがとよ、アヤ」
イングラム「では、状況を監視する。ライ、規定ダメージを超えたら、報告しろ」
ライ「了解です」
リュウセイ「ラウンド1! 行くぜ、キョウスケ少尉!」
キョウスケ「手加減はいらんぞ、リュウセイ少尉」
<戦闘開始>
<リュウセイvsキョウスケ>
キョウスケ「小細工なしで来い、リュウセイ少尉」
リュウセイ「やってやる! 俺だって、DC戦争を生き抜いたんだ!」
<イングラムvsキョウスケ>
イングラム(利用させてもらうぞ、キョウスケ少尉)
キョウスケ(手を抜いて勝てる相手じゃない。機体が新型なら、尚更だ)
<リュウセイvsエクセレン>
リュウセイ「ヴァイスに後ろから狙い撃たれるわけにはいかねえ! 牽制だ!」
エクセレン「あらあら、こっちの相手をする余裕があるのかしらん」
<イングラムvsエクセレン>
イングラム(リュウセイをキョウスケ少尉との戦闘に専念させる必要がある…)
エクセレン(当然、そう来るわよね。そんじゃま、同じコンセプトのライフルの性能比べでもしましょっか!)
<キョウスケHP60%以下orリュウセイHP30%以下・勝利条件達成>
ライ「少佐、規定ダメージ値に達しました」
イングラム「各機、そこまでだ」
エクセレン「ラウンド1、終了ね」
リュウセイ(決着は付かなかった…¥)
イングラム「リュウセイ、今の模擬戦で自分の課題がわかったか?」
リュウセイ「俺の課題…」
イングラム「その様子では、理解していないようだな」
リュウセイ「う…」
イングラム「ならば、キュウスケ少尉…リボルビング・ステークに実弾を装填しろ」
キョウスケ「…了解」
リュウセイ「実弾…!」
エクセレン「あの、少佐? 要項にそんなこと、記載されてませんでしたけど」
イングラム「弱装弾だ。余程のことがない限り、大破や撃破にはならん」
エクセレン「いやいや、ステークがコックピットに突き刺さっちゃったりしたら…」
イングラム「念動フィールドで防げばいい。なお、リュウセイにはT-LINKナックルの使用を許可する」
リュウセイ「………」
イングラム「それで互角だ」
【戦闘マップ1終了】
【戦闘マップ2開始】
〔味方ユニット出現済み〕
〔敵ユニット出現済み〕
イングラム「ラウンド2はリュウセイとキョウスケ少尉のみだ。エクセレン少尉、俺達は戦域外へ離脱するぞ」
エクセレン「まあ、ご命令とあらば」
〔エクセレン、マップ外へ移動〕
ライ「大尉、こうなるとご存知だったんですか」
アヤ「ええ…」
ライ(勝負となれば、キョウスケ少尉は手を抜かないからか…)
イングラム「リュウセイ、アルトアイゼンを破壊して構わん」
リュウセイ「ええっ!?」
イングラム「それぐらいの気構えを持て。キョウスケ少尉に対し、手加減をすれば…最悪の場合、お前は死ぬ」
リュウセイ「う…!」
キョウスケ「………」
エクセレン(あー、スイッチ入っちゃったわね)
イングラム「ラウンド2の結果がどうなろうと、責任は俺が取る」
リュウセイ(どっちかが大怪我…あるいは死んでも構わねえってことか…!?)
イングラム「では、状況を開始せよ」
キョウスケ「本気で来い、リュウセイ少尉。でなければ、お前は撃ち抜かれる」
リュウセイ「冗談に聞こえねえ…! やるしかないってのかよ!」
<戦闘開始>
<リュウセイvsキョウスケ>
キョウスケ「おれはお前が倒れるまでやる。芝居じゃない。覚悟を決めてもらうぞ」
リュウセイ「ガチでやろうってんなら、こっちも全力で行くしかねえ!!」
<キョウスケHP60%以下orリュウセイHP30%以下・勝利条件達成>
リュウセイ「いったん、距離を取る!」
〔リュウセイ、後退〕
ライ「少佐、規定ダメージ値に達しましたが…」
イングラム「続行だ」
アヤ「えっ!?」
リュウセイ「こ、これ以上やったら、マジでどっちかが倒れちまうぞ!」
イングラム「責任は俺が取ると言った」
リュウセイ「だからって!」
キョウスケ「リュウセイ少尉、判定勝ちをしろと言われたか?」
リュウセイ「!」
キョウスケ「おれはお前を倒す…止められんぞ!」
〔キョウスケ、リュウセイへ隣接〕
〔ダメージ音〕
〔リュウセイ、後退〕
リュウセイ「ぐああっ!」
キョウスケ「次はコックピットを貫く!」
エクセレン「キョウスケ!」
リュウセイ「くっ! おおおっ!!」
〔リュウセイ、キョウスケへ隣接〕
リュウセイ「T-LINK! ナッコォ!!」
〔キョウスケに爆発〕
キョウスケ「ぐっ! まだ終わっていない! 全弾、持って行け!」
〔リュウセイに爆発×3〕
アヤ「リュ、リュウ!!」
エクセレン「大丈夫よ、大尉」
アヤ「え!?」
ライ「奴は無事です。テレメーターでは、脳波に異常はありません。軽い失神でしょう」
アヤ「こ、このデータ…念動フィールドでステークを止めたのね…」
ライ「つまり、攻防を同時に?」
アヤ「ええ、T-LINKナックル使用時に発生させた念動フィールドを応用したみたい」
ライ「後先考えずに突撃したわけではなかったということですか」
キョウスケ「こちらは全力で撃ち込んだ…それを防いだのは、リュウセイ少尉の実力…おかげで想定外のダメージを食らった」
エクセレン「イングラム少佐の狙い通り、借りてきた猫が鼠を噛んだってわけね」
ライ「それを言うなら、窮鼠猫を嚙む、だ」
エクセレン「いやん、もう」
イングラム「状況終了。各員、ご苦労だった。アヤ、リュウセイの介抱を頼む」
アヤ「了解です」
【戦闘マップ2終了】
【シナリオエンドデモ開始】
万能戦闘母艦ハガネ 艦内
ジャーダ「じゃ、結局、アルトが勝ったのか」
エクセレン「まあ、そういうことになるけど…キョウスケってば、ステークできっちりR-1のコックピットを狙ってたのよねえ」
ガーネット「それ、マジ?」
ジャーダ「えげつねえ。下手すりゃ、リュウセイが死んでたぜ」
キョウスケ「T-LINKナックルの手応えから、防ぎ切るだろうと思った」
ジャーダ「あの武器、寸止めなんて出来ねえだろ」
エクセレン「駄目だったら、オクスタン・ランチャーでアルトアイゼンの腕を撃ち抜くつもりだったのよん」
ライ「それであの時、声を掛けたのか」
エクセレン「そそそ」
キョウスケ「だから、全力で仕掛けた」
ジャーダ「いや…そうだとしても、えげつねえっての」
ラトゥーニ「それで、リュウセイの具合は…」
ライ「アヤ大尉が様子を見ているが、すぐに目覚めるだろう。相当懲りたと思うが」
〔扉の開閉音〕
リュウセイ「んなこたぁねーぜ!」
ラトゥーニ「リュウセイ…」
キョウスケ「もう大丈夫なのか?」
リュウセイ「ふん、このリュウセイ様を見くびってもらっちゃ困りますよ、ってやんでい!」
キョウスケ「………」
ジャーダ「てやんでい?」
リュウセイ「おうよ! 見ての通り、俺はピンピンしてるぜ!」
ラトゥーニ「それは良かったけど…」
リュウセイ「キョウスケの旦那は確かに強かったが、杭打ち機だけでR-1を倒そうだなんて、100万年早いっつーの!」
キョウスケ「旦那?」
エクセレン「ど、どうしちゃったの、リュウセイ君?」
ライ「本当に大丈夫か、お前…」
リュウセイ「ヘッ、自称天才パイロットが心配してくれるなんて、珍しいじゃねえの。明日は槍でも降ってくんのか?」
ライ「自称…だと?」
〔扉の開閉音〕
アヤ「リュウ、ここにいたの!?」
ライ「大尉、これはいいったい…」
アヤ「さっき目覚めてから、あんな感じなのよ。精密検査の結果、異常はなかったのに…」
ジャーダ「どう見ても、異常だけど」
エクセレン「もしかして、最後にリボルビング・ステークを食らったショックで…」
リュウセイ「む? あっちで俺を呼んでる声がする!」
ラトゥーニ「何も聞こえないけど…」
リュウセイ「トーシロはこれだから困るってんでい! 玄人には聞こえるんだ、俺を誘う魅惑の声がよ! じゃ、バッハハーイ!」
〔走り去る足音〕
アヤ「あっ! どこへ行くの!? リュウ!!」
エクセレン「…これ、少佐が責任を取るのかしらん」
キョウスケ「………」
【シナリオエンドデモ終了】
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