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第1話
ハイディング・ターゲット

新西暦と呼ばれる時代。
人類は地球外知的生命体や並行世界からの来訪者達との
戦争を幾度も経験し、それらを乗り越えてきた。

だが、平穏は続かず、フューリーやガディソードと
呼ばれる異星人達の戦争が勃発…

地球連邦軍第1特殊独立戦隊「鋼龍戦隊」は
事態を収拾すべく、最前線で奮戦。その結果、
戦争は終結へと導かれた。

その後、鋼龍戦隊の旗艦である万能戦闘母艦ハガネは
戦中に現れたラマリス…人間の負の念を糧として
活動する存在の捜索と、その掃討任務に就いていた。

【シナリオデモ開始】
万能戦闘母艦ハガネ ブリーフィング・ルーム
リュウセイ「凄えな、この構造…! ヒンジとクランク機構でこんなに複雑な変形をやるなんて」
tな当社「ありがとうございます。実機のパイロットさんにそう言っていただけるのは嬉しいです」
リュウセイ「いやいや、SRXの広報映像や画像だけで設計するなんて、大したもんッスよ」
担当者「実は、軍の広報部に詳細資料を請求したんですが、軍事機密ということで断られまして…」
リュウセイ「そりゃそうか。ライ、お前も見ろよ。R-2のアジの開きみてえな変形ギミックがかなり再現されてるぜ」
ライ「…玩具の監修は、お前に任せる」
リュウセイ「オモチャじゃねえ、テレモ…テレスティック・モデルだ」
ライ「ホビー業界は門外漢でな。詳しいお前が見た方がいいだろう」
アヤ「そうね…私なんて、わけがわからないもの」
担当者「それで、SRXの腰部と股関節なんですが…変形機構はクリア出来ましたが、丸ごと差し替え用のパーツを用意しようと思ってまして」
リュウセイ「やっぱり、強度の問題で?」
担当者「いえ、新素材の採用によって可動部分の摩耗まで解決していますが…モデルを変形させるのに、かなりの時間が掛かるんです」
リュウセイ「まあ、実機みてえにはいかねえか」
担当者「いやあ、実際に設計してみてSRX計画の技術力の高さに改めて驚嘆しましたよ」「全ての変形をあんな短時間で正確に…しかも、戦闘中に行うんですから」「想定されるモーターの数を考えると、他のパーソナルトルーパーや特機より段違いにメンテの時間が必要なんだろうな、って」
リュウセイ「SRX合体は念動フィールドあっての話だし、ヴァリアブル・フォーメーションを1回やった後、整備員のみんなは大変だしな」「実機でもフィールドで腰回りを補強しなきゃ、R-2とR-3の接合部からポッキリいくぜ」
担当者「実際にテストショットで初めて合体させたら、そうなりました」
リュウセイ「やっぱり、SRX腰部の横回転なんか、念動フィールドがなかったら実質的に不可能だもんな。アヤ様々だよ」
アヤ「あ、ありがとう」
担当者「それで…合体時のSRXで気軽にアクションを楽しんでもらうためにも、腰回りは別パーツにしたいんですが、いいでしょうか」
リュウセイ「いいも何も、俺はその方が嬉しいッスよ。やっぱ、ブンドドを思う存分やりてえしなあ」
アヤ「ブンドド?」
リュウセイ「飛行機やロボットのオモチャを持って、「ブーン!」とか「ドドドド!」とか言いつつ、色んなポーズを取らせて遊ぶんだよ」
アヤ「へ、へえ…何だか小さい子供みたいね」
リュウセイ「ところが、実際のモーション・パターンを構築するのに役立つんだぜ。CGモデルじゃなく、実際に手で物を動かすからイメージが固まり易いんだ」「ライ、お前も一度やってみろよ」
ライ「その必要はない。俺は頭の中で完璧にイメージできる」
リュウセイ「さっすが、自称天才パイロットだねえ」
ライ「自称…」
リュウセイ「マイは、ブンドドやって、モーション・パターン作ってるよな」
マイ「うん、リュウに薦められたから」
アヤ「えっ、そ…そうなのね」
担当者「リュウセイ少尉、このSRXのテレモについて、他に何かございますでしょうか?」
リュウセイ「推奨される3Dプリンターの規格と、こっちで用意するマテリアルの種類は?」
担当者「何分、精巧かつ複雑なモデルですので、3Dプリンターの規格はSSSランクが必須です」「また、マテリアルですが…新素材が1種類、それは通販での購入となります。後々に市販も考えております」「残りは4種類で、それらは全て発売済みの物です」
リュウセイ「そうッスか。これだけのパーツ数だと、マテリアル代だけでもかなり掛かりそうだなあ」「設定通りにカラーごとのランナー分割出力にしたら、同じマテリアルでも色の数だけ必要になるし…」
担当者「安く済ませようと思えば、全てのランナーを同色出力した上で全塗装するのがお勧めです」
リュウセイ「SRXとRシリーズは敗色が細かいから、全部自分で塗るのは大変そうだ」
担当者「リュウセイ少尉は全塗装派ですか?」
リュウセイ「そうなんだけど、艦に乗ってる時は色を塗ってる時間があまりないッスよ」「それに、艦が宇宙空間や海中にいると自分の部屋でエアブラシを使うのは厳禁なんで。まあ、筆やペイントペンで塗ればいいんだけど」
担当者「なるほど…実機の塗装が剥げた場合、どう処理をしているんですか?」
ライ「…それは機密事項です」
担当者「あっ、そうですか」
リュウセイ「メーカーの推奨通りに色分け出力して、細かい所は自分で塗るってのが妥当な線か…」
担当者「もしよろしければ、組み立て済みのサンプルをお送りしましょうか?」
リュウセイ「いえ! 自分で組みたいので、結構です!」
担当者「では、モデルデータと新素材マテリアルをお送りますよ」
リュウセイ「それは嬉しいけど、自分でも買います!」
担当者「そんな…色々と協力していただいたのに」
リュウセイ「少しでも売上に貢献したいんです! 売れたら…売れたら、次が出ますから!!」
担当者「あ…ありがとうございます! これからも頑張ります!」
リュウセイ「あっ、もし良かったら、他の機体をキット化する時も俺に原型をチェックさせて下さい!」「ハガネに搭載されてない奴でも俺、だいたい詳しいんで! ラインナップの相談にも乗ります!」
担当者「ぜ、是非宜しくお願いします!」
アヤ「お話は軍の広報部を通して下さいね。それじゃ、そろそろ…」
担当者「はい。長時間、ありがごうございました。それでは、失礼致します」
〔通信の閉じる音〕
アヤ「…こんなに複雑な物、作る人が結構いるのね。完成品を買えばいいと思うけど」
リュウセイ「ヤ…今、お前は全世界のモデラー達を敵に回しかねねえ発言をしたぞ」
マイ「私もそう思う」
アヤ「えっ…!?」
リュウセイ「完成品のロボットトイは素晴らしい。商品を買って、箱から取り出せば各メーカーの超絶技巧をすぐに満喫できる」「モデラーでなくとも塗装のテクがなくても、ホビー業界の技術の粋を楽しめる。言わば、プロの料理人による高級料理だ」「一方、プラモデルは作るのに手間が掛かるが、各メーカーの超絶技巧を満喫しつつ、自分で好きなように仕上げられる。そこにルールはねえ」「言わば、具材に拘った家庭料理みてえなもんだ。どっちがいいとか悪いとか、上とか下とかはねえ。両方共、素晴らしいんだ」「例えるなら、上手い料理を店で食うか家で作って食うかってこった」
アヤ「つまり、手間暇とお金の問題なのね」
リュウセイ「そう、そうなんだよ。自分のライフスタイルや懐事情に合わせて選択するのさ」「ちなみに、俺は完成品のオモチャもプラモデルも買う。何故なら、どっちも好きだからだ」「しかし、安くて構造が単純なオモチャも否定しねえ。そこにもメーカーの創意工夫が組み込まれてるからな」
ライ「…玩具だったら、何でも好きなだけだろう」
リュウセイ「まあ、その通りなんだけどさ。お前もこっち側に足を踏み入れたら、絶対にハマると思うんだけどなあ」
ライ「遠慮しておく」
アヤ(もし、ライがプラモデルを作るとしたら…物凄く凝った感じに仕上げそうね)
リュウセイ「ともかく、わかってくれたか、アヤ?
アヤ「ええ…あなたにしては珍しく理路整然と説明してくれたし」
リュウセイ「俺は、完成品のSRXのハイブリッドフィギュアはそのまま楽しむ。今回のテレモは改造して、色を変えるつもりなんだ」
マイ「具体的にはどうするの?」
リュウセイ「ハイゾルランチャーをもう2セット出力して、肩と腰に付ける。あと、ジャンクパーツで大型の翼を作って、背中に装着する」「色はR-1を赤メイン、R-2を薄いブルー、R-3を黄色にする。名付けて、G-SRX…グレートSRXだ!」
アヤ「ねえ、そもそもの話なんだけど…テレモって、何? プラモデルとは違うの?」
リュウセイ「テレモってのはな…メーカーが発売するランナーのデジタルデータをダウンロードし、そいつを3Dプリンターに入れて出力するんだ」「つまり、電送されてくるプラモデルさ。もっとも、3Dプリンターと必要なマテリアルは自分で買わなきゃならねえけど」
アヤ「へえ…お店で売ってるわけじゃないのね」
リュウセイ「でも、複雑な完成品のロボットフィギュアは、さすがに丸ごと電送できねえ。モデルデータがあったとしても、パーツの数がかなり多いし…」「そいつを出力するのも組み立てるのもプラモデル以上に面倒だ。そもそも、ユーザーによる組み立てを想定して設計されてねえ」「だから、完成品のフィギュアは店か通販で買うことが多い。けど、昔ながらの箱に入ったプラモデルも発売されてるよ」「みんながみんな、3Dプリンターを持ってるわけじゃねえし…テレモの出力作業を面倒くさがるモデラーもそこそこいるからな」
アヤ「ふ~ん…」
リュウセイ「でも、俺は箱プラも買っちまうんだよなあ」
アヤ「どうして? 作っちゃったら、箱はいらないでしょ」
リュウセイ「プラモデルのパッケージが好きなんだよ。カッコいいイラストとか写真が載ってるし、それを含めての商品だからな」「俺はプラモデルそのものだけじゃなく、パッケージや組立説明書の出来にも注目してるんだぜ。気に入った奴は保存するし」
アヤ「そ、そうなの」
リュウセイ「最近はマテリアル自体も進化しててさ。生分解性プラでも塗装や加工のし易さ、強度、耐久性、コスト面で優れてんだよ」「しかも、ランナーからパーツを外す時も、昔みたいにニッパーやヤスリがけを必要とせず、もぎ取るだけでバリも残らず白化もしねえ」「マテリアルによっちゃ、組んでしばらく放置するだけで会わせ眼を消しちまう奴まであるんだ」
ライ「1つ聞いていいか?」
リュウセイ「おっ、何だ何だ? テレモに興味を持ったか?」
ライ「モデルデータが電送されるなら、ランナーではなく、パーツそのものを同時に複数出力すればいいんじゃないか?」
リュウセイ「ああ、パーツ数が少ないテレモはそうなってることもある」「だけど、パーツがめっちゃ多いと、管理するのが大変なんだよ。ランナー状態だとどこにどのパーツがあるかわかりやすいし」
ライ「なるほど」
アナ「あ、あの……今さらなんだけど、ランナーって何? 走る人のことじゃなくて?」
リュウセイ「あー、ランナーはプラモデルのパーツがくっ付いてる板みてえな物で…」
〔扉の開閉音〕
ヴィレッタ「みんな、聞きなさい。SRXチームに出動命令が出たわ」
リュウセイ「そうやって隊長がここへ来て伝えるってことは、緊急事態じゃねえんだな」
アヤ「でも、Rシリーズは定期点検を順次行っていて、マイのART-1は出られませんし、R-GUNのプラスパーツも…」
ヴィレッタ「出動するのはR-1、R-2パワード、R-3パワード、そして私のR-GUNよ」
ライ「任務の内容は?」
ヴィレッタ「ここから100キロメートルほど離れた山中深くで、謎の落下物を発見したと地元民から軍に報告があった」
リュウセイ「フューリーかラマリス絡みの何かかな」
ヴィレッタ「上は墜落した飛行機のパーツだと推測しているけど…念のため、私達に調査命令が下されたのよ」
リュウセイ「今、特殊戦技教導隊とPTXチームは出払ってるからな。お鉢が回って来たか」
ヴィレッタ「なお、落下物は2箇所で確認されている。なので、私とリュウセイ、ライとアヤでチームを分けるわ」
アヤ「了解です。マイ、あなたはお留守番をお願いね」
マイ「うん…みんな、気を付けて」
リュウセイ「俺達の帰りを待ってる間、そのSRXの出力モデルでブンドドやっていいぜ」
マイ「本当? ありがとう」
アヤ(嬉しそうね、マイ…何にしても、趣味を持つのはいいことだわ)
【シナリオデモ終了】


サブタイトル
『ハイディング・ターゲット』


【戦闘マップ1開始】
〔味方ユニット出現〕
リュウセイ「…そこそこ時間が掛かるな。R-ウィングに変形すりゃ、ひとっ飛びだけど」
ヴィレッタ「お前とアヤの組み合わせでも良かったが…私のR-GUNとR-2パワードだと、やれることに偏りが出る」
リュウセイ「どっちも単独飛行できねえしな。さっさと仕事を済ませて、SRXのテストショットを分かいしてえ~」
ヴィレッタ「先程の監修の仕事…お前の休憩時間を潰すことになって、すまないわね」
リュウセイ「いやいや、俺はテンション上がったし、めっちゃ楽しかったぜ。ライとアヤには長時間付き合わせちまって、申し訳ねえけど」
ヴィレッタ「先方の要請だったから…次はお前だけに任せるわ」
リュウセイ「おう、R-GUNパワードの商品企画も進めてるって言ってたしな。おかげで休みの日が充実しそうだぜ」
ヴィレッタ「そう」
リュウセイ「ところで…隊長はオフの時、何やってんの?」
ヴィレッタ「何だ、いきなり」
リュウセイ「ちょっと気になってさ。答えたくなけりゃ、いいんだけど」
ヴィレッタ「「…お前も知っての通り、私はこの世に出てからさほど時間が経っていない。実際には、見た目通りの年齢ではないわ」「地球人…特に軍人として生きていくためのデータやスキルはインプットされているけど、コミュニケーションの実践には不安が残る」
リュウセイ「そうかなあ…上手くやってると思うけど」
ヴィレッタ「軍ではな。しかし、それ以外の場所でのコミュニケーションとなると、スキルはまだまだ低い」「だから、オフの時に様々な種類の民間人と接触し、レベルアップを図っているわ」
リュウセイ「ま、真面目だねえ…具体的にはどうやって?」
ヴィレッタ「バーに行って、そこで出会う人間達と話している」
リュウセイ「つまり、飲みに行ってると。隊長だったら、モテモテなんじゃねえの?」
ヴィレッタ「確かに、言い寄ってくる男は多いわね。でも、それだけよ」
リュウセイ(隊長に変な真似をしたら、たんこぶの1つや2つじゃ済まねえからな)
ヴィレッタ「あと、バーに行くだけではなく…」
〔レーダー反応〕
ヴィレッタ「前方に高熱源体反応…!」
リュウセイ「こいつは、機動兵器だ! しかも、複数!」
〔敵ユニット出現〕
ヴィレッタ「レリオン…所属は不明ね」
リュウセイ「あいつら、何でこんな所に潜んでやがったんだ!?」
ヴレッタ「どうやら、この先にある物と関係が…」
〔マップ上に爆発〕
リュウセイ「撃って来た!」
ヴィレッタ「応戦する。前哨は全て落としなさい」
リュウセイ「了解! それで本命を引きずり出すってわけだな!」
<戦闘開始>

<敵全滅・勝利条件達成>

リュウセイ「あいつら、無人機だ。ガイアセイバーズの残党ってわけじゃなさそうだし…いったい、どこのどいつなんだろ」
〔レーダー反応〕
ヴィレッタ「新手が来たわ。私達をこの先へ行かせたくないようね」
【戦闘マップ1終了】

【戦闘マップ2開始】

〔味方ユニット出現済み〕
〔敵ユニット出現〕

ヴィレッタ「リュウセイ、ここを突破して目的地に向かう」
リュウセイ「わかったけど、ライとアヤも今頃同じ目に遭ってんじゃ…」
ヴィレッタ「その通りだけど、あの2人なら大丈夫。私達は先を急ぐわよ」
リュウセイ「ああ!」
<戦闘開始>

<敵全滅・勝利条件達成>

ヴィレッタ「…敵の後続は現れないわね」
リュウセイ「よし、このまま一気に目的地へ行こうぜ!」
ヴィレッタ(…今回の件、一筋縄では行かなそうね)
【戦闘マップ2終了】


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