No.36Ａ
理想と現実
【シナリオデモ開始】
ガトー「そうか、ケリィが‥‥」
カリウス「大佐、我々は捨て駒だったのですか！？ なぜ、情報が筒抜けだったのです！？」
ガトー「筒抜け？」
カリウス「我々が作戦行動に入ってまもなく、ロンド＝ベルがやってきました。あまりにもタイミングがよすぎます」
ガトー「誰かが故意に情報を流したと？」
カリウス「それしか考えられません」
ガトー「そのような者が我がＤＣにいるはずが‥‥！ まさか‥‥」
マヤ「ギリアム少佐から緊急通信です！」
ギリアム「大変です！ サンクキングダムにＤＣの大部隊が侵攻しています」
ブライト「サンクキングダムが！？」
ギリアム「ええ。奴等、とうとう潰しにかかったようです。あそこの兵力では抵抗する間もなく制圧されてしまいます。今、サンクキングダムが崩壊するようなことがあればせっかくその理想に共鳴し糾合しつつあるコロニー市民の人心はバラバラとなり、宇宙は再び混迷の時に舞い戻ってしまいます。それだけは避けなければなりません」
クワトロ「実力行使にでるとは、それだけＤＣもあせっている証拠か‥‥」
ブライト「ここからサイド６までとなると少し距離があるな。最悪の場合、間に合わない可能性がある‥‥」
ミサト「では、Ｚ、ＺＺ、ビルバインなどの高機動形態をもつ機体で先行する、というのはどうでしょう？」
クワトロ「ソロシップのデスドライブが使えないとあっては、それしかないな」
ブライト「よし、ではメンバーを選出後、直ちに出撃、その後、本隊も急行する。作戦は一刻を争う、総員第一種戦闘配置！」
【シナリオデモ終了】
サブタイトル
「理想と現実」
【戦闘マップ開始】
〔味方ユニット出現済み〕
〔敵ユニット出現済み〕
ノイン「くっ！ この身、朽ちようともお前たちに潰させはしない！」
リリーナ「ノインさん！」
ノイン「大丈夫です。かならず私が守ってみせます」
リリーナ「ノインさん‥‥」
ノイン（それがあの人‥‥ゼクスとの約束だから‥‥）
キシリア「完全平和主義といいながらモビルスーツを保有しているとはな‥‥お前たちの主義は自らに対しては寛容なようだな」
リリーナ「たしかに私たちの完全平和主義は完全に受け入れられた訳ではありません。その証拠に多くのコロニーではいまだ無益な戦闘を繰り返しています。だからこそ、その悲しみを一日でも多く拭い去る為に私たちは前を見て歩かなければならないのです」
キシリア「それが戦うことの理由か？ 完全平和主義を貫くならば無条件降伏をするべきではないのか？」
リリーナ「あなた方にその意志があるのならば喜んでこの身を差し出しましょう。ですが、そのつもりはないのでしょう？」
キシリア「ふふふふ、なかなか聡いね。だが、お前の言う理想はあくまで理想。完全平和など人がいるかぎり実現せぬよ」
リリーナ「それを決めるのはあなたではありません」
キシリア「まあ、強がりを言えるのも今のうちだ。サンクキングダムさえ落とせばあとはこちらのもの‥‥」
マ＝クベ「キシリア様、ロンド＝ベルがこちらに向かっているとの情報がはいっております」
キシリア「ちっ！ 使えぬ奴らだ。足止めすらできぬとは‥‥」
マ＝クベ「ガトー大佐を外したのが裏目にでましたな」
キシリア「まあ、よい。奴等が着いた頃にはすでにここは我々のもの‥‥全軍、攻撃開始！」
ドロシー（さて、この大ピンチ、どうするおつもりです？ ゼクス＝マーキス…いえ、ミリアルド＝ピースクラフト様？）
〈出撃ユニット選択〉
ノイン「ロンド＝ベルか！」
キシリア「‥‥たかが数機、もみ潰してしまえ！」
＜戦闘開始＞
＜３ＰＰ・味方援軍１出現＞
〈出撃ユニット選択〉
キシリア「チョロチョロとあらわれる！」
＜ガイア撃破＞
ガイア「ぬうっ！ 覚えておれよ！」
＜オルテガ撃破＞
オルテガ「おのれ！ またしても！！」
＜マッシュ撃破＞
マッシュ「くっ！ この借りは返すぞ！」
＜マ＝クベ撃破＞
マ＝クベ「少し甘くみすぎていたようだな‥‥まぁいい‥‥撤退する」
＜シャリア撃破＞
シャリア「仕方あるまい‥‥撤退する‥‥」
＜キシリア４０％以下＞
キシリア「かたがある程度の数におされているというのか！？ ‥‥仕方あるまい、撤退せよ！」
〔敵ユニット出現〕
＜４ＥＰ・第３軍増援１出現＞
〔第３軍ユニット出現〕
キシリア「あれは‥‥」
リリーナ「ガンダム？」
ミリアルド「貴様らなどにサンクキングダムの理想を潰させはしない」
ノイン「ゼクス‥‥」
ミリアルド「心配をかけたな、ノイン」
リリーナ「その声‥‥ゼクス＝マーキスですか？」
ミリアルド「遅れて申し訳ございません、クィーン・リリーナ」
リリーナ「！ その顔は‥‥」
ミリアルド「ゼクス＝マーキスは死にました。そして、本来の自分に戻ったのです」
リリーナ「本来の自分‥‥！！ あなたは、もしかして‥‥ミリアルド‥‥お兄さま？」
＜敵全滅・勝利条件達成＞
※※４ＥＰ以前に達成の場合、セリフ追加※※
〔第３軍ユニット出現〕
リリーナ「ガンダム？」
ミリアルド「さすがだな、ロンド＝ベル‥‥」
ノイン「ゼクス‥‥」
ミリアルド「心配をかけたな、ノイン」
リリーナ「その声‥‥ゼクス＝マーキスですか？」
ミリアルド「遅れて申し訳ございません、クィーン・リリーナ」
リリーナ「！ その顔は‥‥」
ミリアルド「ゼクス＝マーキスは死にました。そして、本来の自分に戻ったのです」
リリーナ「本来の自分‥‥！！ あなたは、もしかして‥‥ミリアルド‥‥お兄さま？」
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
〔味方戦艦出現〕
クワトロ「無事のようだな」
リリーナ「みなさんの活躍のおかげで無事ことなきをえました。お礼といっては何ですが、よろしければこちらでお休みください」
ブライト「ではお言葉に甘えさせてもらいます」
リリーナ「ええ、お待ちしております」
【戦闘マップ終了】
【シナリオエンドデモ開始】
リリーナ「やはりあなたは‥‥」
ミリアルド「すまなかった、リリーナ」
リリーナ「どうして今まで隠していたのです！？」
ミリアルド「この手はあまりにも血に染まってしまった。サンクキングダム再興はお前こそが相応しい。そう思ったからだ‥‥」
リリーナ「それで仮面をかぶり、私を騙してたのですか？」
ミリアルド「すまなかった。だが、私はこうすることでしか‥‥自分を偽ることでしか、私という個人を存在させることができなかった。しかし、お前の危機を知り、そんな自分の考えは消え、私は偽りの自分を捨てた。甘かったのだ私は‥‥」
リリーナ「お兄さま‥‥」
ミリアルド「この自分の甘さを見つめなおす為に私はここを出る」
リリーナ「先日、ここを出ると言ったとき、私は何も聞きませんでした。ですが、今回はその理由を教えてくれるのでしょ？」
ミリアルド「‥‥それはまだ話せん。だが、再びお前の前に立つとき、まことのアにとして向き合うことを約束しよう。私の最後のワガママだ。許してほしい」
リリーナ「‥‥わかりました。私にお兄さまを止める権利はありません。ですが、ここがお兄さまの帰る場所であることを忘れないで下さい。そして、サンクキングダムの門はつねに開かれていることも」
ミリアルド「‥‥すまない」
ブライト「おや？ あれはゼクス中佐‥‥」
リリーナ「サンクキングダムの騎士、ゼクス＝マーキスはゆえあって旅立ちました。そして再び戻ってくる時はミリアルド＝ピースクラフトとして私たちの前に帰ってくるでしょう」
クワトロ「ピースクラフト？ すると‥‥」
リリーナ「はい。ゼクス＝マーキスというのは偽りの姿。真の姿は私の兄、ミリアルド＝ピースクラフトです」
ミオ「へー、ゼクスっていう人も王子様だったんだ。会ってみたかったなぁ」
甲児「俺達の回りには王子様や王女様がよく集るな。そういやぁ、クワトロ大尉やセイラさんだってそうだしな」
ミサト「それだけあたし達が事の核心にいるってワケよ」
アムロ「しかし、また彼が戦死扱いをしてまでここにとどまった理由を聞きそびれたな」
ブライト「ああ。しかし、その理由も彼が戻ってきた時、明らかになるだろう。それまでは見守るしかないな」
リリーナ「‥‥兄が何をなそうとしているのか、私にはわかりません。ただ、完全平和主義を私に託したことはわかります。今はまだ理想の段階ですが、我々の理想はやがて現実のものになると信じています。そう信じつづけて歩いてゆかねばならないのです」
アムロ「立派な心掛けです」
クワトロ「では、我々はその理想の邪魔にならぬようにここを立ち去ったほうがいいだろう。で、今後の方針だが‥‥」
パーガン「お話し中、失礼いたします。リリーナ様‥‥」
リリーナ「どうしました、パーガン？」
パーガン「それは‥‥」
リリーナ「かまいません。お話しなさい。私たちの話を偶然、ロンド＝ベルの方々が聞いた。それだけのことです」
パーガン「かしこまりました。ＤＣの部隊がここサイド６と月の中間宙域に集結しつつあります」
ブライト「また攻め込むつもりか？」
リリーナ「部隊だけの集結なのですか？」
パーガン「未確認ですが、コロニークラスの質量の移動も検出データから予測されます」
万丈「もしかして、以前確認された住民の強制移動に関係あるんじゃないのか？」
ギャリソン「あのコロニーはサイド３の第三号コロニーであったと報告はうけていますが‥‥」
クワトロ「マハルか‥‥まさかアレを使うというのか？」
アムロ「どうかしたのか？」
クワトロ「私の推測が正しければ、奴等の目的はこのサンクキングダムだ。それも一撃で消滅させることができる兵器を用意してな」
甲児「お、おい、それってもしかして‥‥」
クワトロ「ああ、ソーラ・レイシステムだ。コロニーをレーザー砲として使用するアレだ。直径６．５kmのな‥‥」
ミサト「直径６．５kmのレーザー砲‥‥２秒も照射されればアウトね」
リツコ「直撃を避けてもね」
マサキ「またアレを使う気か‥‥考え方に成長ってモンがねぇのか、奴らは！？」
ジョリバ「まったく原始的すぎて冗談にもならないな」
ベス「原始的でもその破壊力は十分、脅威だな」
ブライト「ＤＣめ、屍の上に王国を築くつもりか‥‥」
リリーナ「パーガン、その場所というのはわかっているのですか？」
パーガン「正確なところはなんとも‥‥現在、ギリアム少佐にも協力していただいておりますが‥‥」
万丈「ギャリソン、うちの情報網はどうだい？ グラナダのエージェントなら何か握ってるじゃないか？」
ギャリソン「かしこまりました。調べてみます」
甲児「おっ、じいさん達、大活躍‥‥」
さやか「甲児君！」
甲児「イテテテ、耳をひっぱるなよ‥‥」
ブライト「では、こちらはいつでも出発できる準備を整えておきます」
ドズル「ハマーンよ。ミネバはどうしておる？」
ハマーン「さきほどお休みになられました」
ドズル「そうか‥‥ミネバはいったいどうしたのだ？ よもやこの父を忘れたとは思えぬが‥‥」
ハマーン「はっ‥‥私にはわかりかねますが‥‥」
ドズル「ここにはお前と二人きりだ。何も遠慮することはない。思っていることを言ってみよ」
ハマーン「どういう意味か私には‥‥」
ドズル「このワシがドズル＝ザビと呼ばれる人間ではない、そう思っているのではないか？」
ハマーン「！！」
ドズル「やはりな。お前ほどの者が動揺を隠しきれぬとは‥‥いや、ワシ自身、自分が何者か疑問に思うことがある。あの日、お前の前に現れる以前の記憶がないのだからな」
ハマーン「閣下‥‥」
ドズル「ワシも兄者達のよう今の自分という存在がすべてだと割り切ろうと思った。だがミネバのあの態度‥‥考えさせらざるをえぬよ。実の娘をこの手に抱くことができぬこの苦しみによってな」
ハマーン（この瞳、偽りなどではない‥‥だが‥‥）
ＤＣ兵士「申し上げます！」
ドズル「何用か？」
ＤＣ兵士「はっ、ただ今ギレン総帥の本隊が作戦宙域に展開いたしました。ロンド＝ベルは以前、サンクキングダムに滞在している模様です」
ハマーン「ごくろう。下がって良し」
ＤＣ兵士「はっ」
ハマーン「今、ＤＣはザビ家の力によって団結しつつあります。ドズル閣下がその様な弱気でいかがなさいます？」
ドズル「うむ。そうだな。すまんな、ハマーン。これからもミネバのことを頼むぞ」
ハマーン「はっ！ もったいないお言葉‥‥」（この私に頭を下げるとは‥‥）
リリーナ「ノインさん‥‥お兄さまの事、知っていたのですね？」
ノイン「直接彼の口から聞いたことがありませんでしたので今まで黙っていました。しかし、騙していたことにはかわりません。その責めはいかようにもお受けいたします‥‥」
リリーナ「責めているワケではありません。ただどうしてお兄さまが今まで黙っていたのか‥‥それが知りたいのです」
ノイン「‥‥かつて、暗殺という卑劣な手段によってサンクキングダムが崩壊した時から、あの方は復讐を誓いました。バラバラになったサンクキングダムの力を集結するのは難しく、連邦に所属し時を待ちました。ゼクス＝マーキスという仮面をかぶって‥‥」
リリーナ「‥‥」
ノイン「ティターンズが世界に新たな混乱を生み出していたあの時、ゼクスは自分の存在意味を失ったのでしょう。唯一、戦いの中に兵士としての自分を見つけることができ、その為に戦った。サンクキングダムや、ピースクラフトの名を素直に愛せる為に、その為には命を失ってもよい覚悟だったのです。私は信じつづけます。ゼクスがやろうとしていること、見つけようとしていることについて行きたいのです」
リリーナ「好きなのですね、兄が」
ノイン「はい。愛しています」
リリーナ「いつまでも兄のことを見守ってやって下さい」
ノイン「私の手におえるかどうか。あの人は無茶をなさいますので」
リリーナ「ピースクラフトの血ですね」
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