No.11A
砂漠の虎
サブタイトル
「砂漠の虎」
【シナリオデモ開始】
〔カーソル、アフリカ大陸北東部を指定〕
陸上戦艦レセップス/ブリッジ
ダコスタ「バルトフェルド隊長」
バルトフェルド「どうしたダコスタくん、何を慌てている。木星トカゲとエイリアンが共同戦線でも張っているのか。だとしたらそいつは驚くに値するが」
ダコスタ「今朝がた移動を開始した例の2艦ですが、現在それぞれ別方面へ移動中との報告が入りました」
バルトフェルド「2手に分かれた? この状況下で? なるほどねぇ。で、どっちが目立っている」
ダコスタ「は?」
バルトフェルド「どちらが派手に動いているかってことだよ」
ダコスタ「派手に、ですか。ナデシコの方はルート上にあったチューリップを1基つぶしています。例のグラビティブラストの使用も確認されました。現在友軍が追尾中です」
バルトフェルド「なるほど」
ダコスタ「それで、どうなさいますか」
バルトフェルド「目標はアークエンジェルだ。どうやらナデシコはアークエンジェルの方へいかせたくないようだからな」
ダコスタ「は、了解です」
アイシャ「楽しそうね、アンディ」
バルトフェルド「この所レジスタンスや人間以外ばかりを相手にしていたからね。まともにやり合える相手は久しぶりだ。噂の一行の片割れ、その実力を見せてもらうとしよう。さぁ、戦争をしにいくぞ」
アークエンジェル/ブリッジ
マリュー「どうやら、今の所は順調のようね」
ナタル「はい。ですが、我々がインド洋へ抜けるためには、どうしてもザフト軍のいる地帯を通らなくてはなりません。どのくらい敵が薄くなっているか、あまり楽観視はできないでしょう」
マリュー「わかっているわ。そのために彼らが同行してくれているのでしょう」
ナタル「・・・・・・」
ムウ「あのカガリってお嬢ちゃんはなんでこっちに乗ってるんだ? 獣戦機隊の連中はナデシコで行っちまったってのに」
マリュー「さぁ。手伝えることくらいあるだろうって言っていたけど。今さら、彼女だけ駄目とは言えなかったのよ」
ムウ「ま、そりゃそうだけどな」
〔扉の開閉音〕
トール「ご苦労さまです。フラガ大尉、交代しますよ」
ムウ「おう、悪いな。んじゃ俺はちょっと連中の様子でも見てくるよ」
マリュー「ええ、お願いします」
〔カーソル、アフリカ大陸北東部を指定〕
アークエンジェル/居住区/兵舎
フェステニア「あ~、こんなことならナデシコに残ればよかった。統夜のせいだよ。ご飯だって少ないしさ」
統夜「勝手に言ってろ。俺にまかせるっていったのはお前じゃないか」
フェステニア「こんなだって知らなかったんだもん!」
メルア「テニアちゃん・・・」
カティア「テニア、いい加減にして。同じことばっかり聞かされてうんざりよ」
ミリアリア「でもナデシコはそんなに違うの?」
フェステニア「そうだよ! 部屋だってアタシたち3人でひと部屋もらってたし、食事はメニュー豊富でいつでも食べられるし、おフロは広いしさ。何もかも全然あっちの方がいいよ」
サイ「しかたないよ。アークエンジェルは軍艦なんだからさ」
ロアン「そうですよ。ナデシコと違って、軍人じゃない僕らみたいな人間が乗ることは考えられてませんからね」
シモーヌ「でも確かに、ナデシコの方がよかったわ」
デビッド「まぁいいじゃないか。なんといってもここはもう地球なんだし、もう少しの辛抱さ」
アーサー「あ~あ、早くこんな危ないこととはおさらばして家に帰りたいよ」
ミリアリア「・・・・・・」
シモーヌ「アーサー」
アーサー「あ・・・ごめんよ。そういえば君たちはヘリオポリスに・・・」
シモーヌ「あなたってほんと無神経なんだから。だから女の子にもてないのよ」
アーサー「そりゃないよシモーヌ」
サイ「あ、フレイ。どこ行ってたの」
フレイ「うん・・・ちょっと」
アークエンジェル/ブリッジ
〔扉の開閉音〕
ノアル「お、来たな統夜」
統夜「なんです、話って」
ムウ「いや別にたいしたことじゃないんだが、しばらく一緒に戦うわけだし、パイロット諸君とは一度ちゃんと話をしておこうと思ってさ」
アークエンジェル/ブリッジ
ムウ「ふうん、そうだったのか。結構そっちも大変だったんだな」
キラ「・・・火星が全滅って、本当にそんなひどいことになってるんですか」
デビッド「ああ、最悪だったぜ」
ムウ「しかし、君はそれでいいのか。いくら父親が地球人だからって、そのグラドスって星で生まれ育ったんだろう。さっきのゲイルって人の話じゃないが、知り合いだって大勢いるだろうに」
エイジ「・・・地球は僕のあこがれ、心の故郷だったんです。僕はこの星を守りたい。なんとかグラドスと地球の戦いをやめさせたいんです」
ムウ「地球の人間がみんな君みたいに考えていたらよかったのになぁ。まったく、恥ずかしい限りだよ。そんで、あのDボウイって彼はどうなの」
ノアル「奴が何を考えているかなんて、わかりゃしませんよ。テッカマンってのに変身しやがるし、まだエイジやグラドスの連中が地球人だって言われた方が信じられるってもんだ」
アキ「ノアル、あなたまだDボウイのことを」
ノアル「疑ってるさ。信じろって方が無理だろう。少しでもおかしなことしやがったら、俺はいつでもあいつを撃つぜ」
ムウ「まぁ、話を聞いたかぎりじゃ、ラダムと戦うかぎりは味方になってくれそうだけどな。そういえば紫雲 統夜くん」
統夜「なんです?」
ムウ「いや、いろいろあってうやむやになっちまってたけどさ、あの時木星トカゲと戦ってて俺たちも攻撃してきた連中が何だったのか、君の連れは知ってるんだろう? 話を聞かせてくれよ」
統夜「・・・僕もよくはわかりませんよ。ただ、カティアたちが逃げてきた相手らしくて」
キラ「逃げてきた? あの子たちが逃げてきたって、どういうことなんです」
アークエンジェル/ブリッジ
ムウ「なるほどねぇ。そんなことがあったのか。それで君の機体のことや、彼女たちが同乗していることも、少しはわかるな。とはいえ、結局あいつらが何だったのかはわからないままってことか」
アークエンジェル/格納庫
ムウ「やれやれ、これで一通りのチェックは終わったか。軍曹、後で確認しといてくれ」
マードック「了解です」
ムウ「ん? なぁ軍曹、連中は何やってるんだ」
マードック「ああ、スカイグラスパーのシミュレーター使ってるみたいですぜ。あのカガリって嬢ちゃんが成績いいってんで、他の連中も集まってきたみたいで」
ムウ「そういやスカイグラスパーはもう1機あったんだよな」
マードック「大尉、まさか乗せるなんて言わんでくださいよ」
ムウ「当たり前だ。不慣れな友軍機なんて、こっちだって危ないしな」
マードック「そいつを聞いて安心しましたよ」
アークエンジェル/格納庫
〔爆発音〕
カガリ「あっ、くそ。やられちまったか。ま、こんなもんかな」
ミリアリア「でもすごいわ」
トール「俺たちなんて、てんで駄目だったもんな。カガリちゃんだっけ。戦闘機に乗ったことあるの?」
カガリ「ないけど、こんなの簡単だろ。お前らの方が情けなさすぎるんだよ。そんなことじゃ死ぬぞ。戦争やってるんだ」
デビッド「お、言ってくれるじゃないか。んじゃ、次は俺がやらせてもらうぜ」
シモーヌ「デビッド、やめといた方がいいんじゃない? 仮にもSPTのパイロットが、彼女より下手だったらみっともないわよ」
ロアン「シモーヌがやってみたらどうです?」
カガリ「いいな、私もみたい。火星で生き延びた奴の力ってのを見せてくれよ」
シモーヌ「やめとくわ。でもSPTならまたやってみたいわね」
デビッド「俺とロアンがいるじゃないか。シモーヌがやることなんてないぜ」
シモーヌ「乗れるならあなたたちがケガでもして出られないとき、役に立つでしょ」
ミリアリア「あれもシミュレーターがあるの?」
デビッド「本物でやるんだよ。実戦の記録を使ったシミュレーションができるんだ。火星じゃ俺たちもそれで練習したのさ」
カガリ「へぇ、面白そうだな。ちょっとやらせてくれよ」
ロアン「ダメですよ。エイジに断ってからじゃないと」
カガリ「頼めばいいんだろ。エイジはどこにいるんだ」
ムウ「おいおいお前さんたち。熱心なのは結構だが、頼むから実戦とシミュレーションはまるで違うってことは理解しといてくれよ。間違ってもいきなり勝手に出撃なんてのはよしてくれ」
デビッド「確かに、俺たちがいきなり実戦やって死なずにすんだのは、運が良かったのとエイジのおかげだったからな」
ロアン「ですね。今から思うと、よく生きてますよ僕ら」
カガリ「わ、わかってるよ、そんなこと」
アークエンジェル/ブリッジ
マリュー「なんですって?」
ナタル「間違いありません。ザフトに捕捉されました。偵察にモビルスーツを出すということは、付近に母艦がいるはずです」
マリュー「戦闘は避けられそうにないわね。ごめんなさい、話が聞きたかったのだけどそんな余裕はなさそうだわ。あなたも戦ってくれるのかしら、Dボウイくん」
Dボウイ「くだらないな」
アキ「Dボウイ」
Dボウイ「ラダムが侵略を開始しラダム樹の森まであるというのに、地球人同士で戦うなど馬鹿げている。どれだけ違おうと、ラダムに比べればコーディネイターは地球人そのものだろう」
マリュー「そうね。あなたのいう通りよ。連合とプラントは木星トカゲがいる中で開戦した。それだけでも十分馬鹿げているわ。でもだからどうだと言うの。今の私たちに戦わないという選択はできないのよ」
ムウ「こういう状況になっちまってる以上、戦わなきゃ守れないものってのはあるし、だから戦うんだ。くだらないですめば俺だってやらずにすませたいさ。他の連中だってそうだろう。特に軍人じゃない連中はさ」
Dボウイ「・・・・・」
ノアル「無駄ですよ大尉。こいつはラダムと戦えれば後はどうでもいいんだ。グラドスに侵略されようが、地上がどうなろうが。おいDボウイ、どうせならザフトにでも行ったらどうだ」
アキ「ノアル、なんてこというの!? Dボウイはもうあたしたちの仲間じゃない」
Dボウイ「・・・とりあえず戦ってやるさ。この艦が墜とされたら後が面倒だからな。だが俺には仲間などいらない」
ナタル「それで構わん。すぐに出る準備をしておけ」
アキ「待ってください、バジルール少尉」
ナタル「問答をしている余裕はないのだ。彼が戦うというなら問題なかろう」
〔警報〕
サイ「ザフト軍モビルスーツ隊の接近を確認!」
マリュー「来たわね。総員第一戦闘配備!」
アークエンジェル/格納庫
フレイ「キラ」
キラ「フレイ、戦闘になるんだ。こんなところにいちゃ危ないよ」
フレイ「うん・・・キラ、守ってね。あいつらみんなやっつけて」
キラ「わかってる、フレイ。もう誰も死なせやしない。僕が守ってみせるから」
【シナリオデモ終了】
【戦闘マップ1開始】
〔味方戦艦出現〕
〔敵ユニット出現〕
サイ「ザフト軍モビルスーツ、ジン、バクゥ、ディンと確認」
マリュー「発進急がせて」
ミリアリア「全機、発進してください。みんな、気をつけてね」
〈出撃準備〉
キラ「アークエンジェルは守ってみせる。やらせはしない!」
ムウ「やけに張りきってるみたいだな。けど、母艦が出てないってことは、後続もありうるってことだ。みんな無茶するなよ」
統夜「了解。・・・ザフトか。あいつらが地上を攻めたりしなければ、ラダムだって押さえつけられたかもしれないのに」
<戦闘開始>
<敵5機以下>
カガリ「離せッ! なんで私が出ちゃいけないんだ! あそこに1機余ってるじゃないか! 戦力を無駄にする余裕がある状況か!?」
マードック「大尉が言ってただろう!? 死ぬためにでられたって迷惑なんだよ!」
カガリ「私は死ぬ気なんかないぞ」
シモーヌ「少しは落ち着いたらどう? 大丈夫よ。エイジたちだって戦ってくれるんだから」
カガリ「くっ・・・」
<敵3機以下・敵増援1出現>
〔レーダー反応〕
サイ「これは・・・ミサイルです! 直撃きます!」
トール「回避できません!」
マリュー「なんですって!?」
〔マリューに爆発〕
〔画面、振動〕
※※まだキラ健在の場合、セリフ追加※※
キラ「アークエンジェルが!? どこだ、どこからの攻撃なんだ!?」
マリュー「うっ」
ナタル「く、索敵、何をやっている! 母艦がいるぞ!」
サイ「す、すみません。今確認できました。敵艦来ます!」
〔敵ユニット出現〕
マリュー「本隊が来たのね。艦種の特定、急いで」
サイ「・・・データありました。敵母艦は“レセップス”です」
マリュー「レセップスですって? なんてこと・・・」
ナタル「ご存じですか艦長」
マリュー「アンドリュー・バルトフェルドの母艦よ。敵は“砂漠の虎”ということね。ナデシコが囮になってザフト軍の目を引きつけてくれたけど、もっとも嫌な相手がこちらに残ったわ」
カズイ「“砂漠の虎”だってさ。なんかすごそう」
ミリアリア「うん。キラたち大丈夫かな・・・」
ナタル「集中しろ、戦闘中だぞ」
バルトフェルド「連合の新型モビルスーツの他に、ナデシコにいた連中も出てるってのは本当だったみたいだな。こいつはちょっとばかり予定と違う。ダコスタくん、後はまかせる。アイシャ、出るぞ」
ダコスタ「隊長、ラゴゥで出るおつもりですか」
バルトフェルド「戦わなきゃわからないってこともあるんでな」
〔敵ユニット出現〕
アイシャ「いいわ、アンディ」
バルトフェルド「さて、それじゃ実力の程を見せてもらうとするか。フォーメーション・ デルタだ。いくぞ」
<統夜vsバルトフェルド>
※※カティアがサブパイロットの場合のセリフ※※
カティア「統夜、来るわ。注意して」
※※フェステニアがサブパイロットの場合のセリフ※※
フェステニア「統夜、来るよ! あいつ、強い奴が!」
※※メルアがサブパイロットの場合のセリフ※※
メルア「統夜さん。気をつけてください。強い敵です」
統夜「くそっ、こいつザフトの隊長機か!? なら、こいつを叩けばっ!」
バルトフェルド「なるほどデータ通りだな。この奇妙な機体、動きはそれほどでもない。機体の性能か、パイロットの腕かはわからんがな」
<キラvsバルトフェルド>
バルトフェルド「通常弾頭でも当たり続ければフェイズシフトはその効力も尽きる。そのとき同時にエネルギーも尽きる。さぁどうする、奇妙なパイロットくん」
キラ「アークエンジェルはやらせない! このぉっ!!」
<ムウvsバルトフェルド>
ムウ「くそっ、やってくれるじゃないの虎さんよ!」
バルトフェルド「そんな機体でこのラゴゥの相手をする気か。なめられたものだな」
<エイジvsバルトフェルド>
エイジ「レイ、攻撃目標を脚部に限定!」
レイ「戦術変更勧告。敵対機ノ機動性デハ危険」
エイジ「構わない。それでもやるんだ」
レイ「レディ」
バルトフェルド「ほう、直撃させない蒼い機体とはこいつか。腕はいいようだが、甘すぎるな」
<ブレードvsバルトフェルド>
ブレード「うおぉぉぉぉーっ!!」
アイシャ「アンディ、あれは何なの?」
バルトフェルド「僕にもわからんよ。クルーゼ隊のデータにはなかった奴だ。中に乗れるサイズじゃない。無人機かパワードスーツの類だろうが、そんなものがこれほど強いとはな。びっくり箱のような連中だよ」
<バルトフェルド撃破or大型地上戦艦撃破orHP20%以下・勝利条件達成>
ダコスタ「隊長!」
バルトフェルド「この辺が潮時か。職の目標は達成した。後退する。フッ、とんでもない連中だな。久々に面白い」
〔敵ユニット離脱〕
ナタル「ザフト軍、後退していきます」
マリュー「・・・ふう。どうやら退いてくれたようね」
ナタル「追撃しますか」
マリュー「やめておきましょう。無理をしてこれ以上ダメージを受けたら、アークエンジェルは飛ばなくなるわ。みんなも帰還させて」
ミリアリア「はい。ザフト軍の撤退を確認。戦闘は終了です。帰還してください」
【戦闘マップ終了】
【シナリオエンドデモ開始】
〔カーソル、アフリカ大陸北東部を指定〕
アークエンジェル/ブリッジ
〔モニターの開閉音〕
マードック「まぁ、そういうことになりますかね。とにかく、このまま飛ぶのはまずいと思いますよ」
マリュー「どのくらいかかりそうなの?」
マードック「2、3日は必要でしょう。海に出るんなら、ホントはもっとしっかりやっときたい所ですが」
アークエンジェル/ブリッジ
マリュー「・・・まいったわね。いきなりこんな所で足止めなんて」
ムウ「考えたってしかたがないさ。修理に時間が必要なら、そうするしかないだろう」
マリュー「そうね」
ノアル「どうせ足止めをくらうなら補給でもしちゃどうです。いろいろ足りてないって話だと思いましたがね」
マリュー「補給? こんなところで?」
ムウ「・・・そういや、獣戦機隊の連中が何か言ってたな。この辺の町に補給の手配をしてくれる連中がいるってさ。ミスリルとつながりのある武器商人とかなんとか。それのことか」
〔カーソル、アフリカ大陸北東部を指定〕
砂漠の町
ナタル「では頼むぞ。我々はこれから補給の手配に向かう。お前たちは町で買い出しだ。遊びに来ているわけではないことを忘れるな」
キラ「・・・はい」
ノアル「と少尉は言ってるが、ヘリオポリスからこっち神経張り詰めっぱなしだったろ。少しは気晴らしでもしてこい、でないとつぶれちまうぜ」
キラ「・・・そうですね」
アキ「エイジもよ。こんな所だけど、少しは地球の空気を感じてきて」
エイジ「ええ。ありがとうございます」
ナタル「・・・時間には遅れるなよ」
カガリ「わかってるって。ここには何度か来たことがあるんだ。そっちこそ気をつけろよな。あちこちにザフトの奴らがうろついてるんだ。ほらお前ら、いくぞ。はぐれるんじゃないぞ」
シモーヌ「お買い物なんてホント久しぶりだわ。アンナたちも連れてこれたらよかったのに」
フェステニア「あんまり大勢でくじ引きしたんだから、しかたないじゃない」
統夜「そのかわり、みんなに頼まれた物を買い集めなきゃならないんだ。大変だよ」
〔カーソル、アフリカ大陸北東部を指定〕
砂漠の町
カガリ「これで大体そろったな。その辺で少し休んでいこう。しかしこのフレイって奴の注文はムチャだぞ。こんなものこんな所で買えるかよ」
キラ「・・・・」
シモーヌ「でも気持ちはわかるわ。軍艦に乗ってるって言っても、おしゃれには気を使いたいもの。あなたはそういうのないの?」
カガリ「戦争やっているんだ。そんなこと気にしていられるか」
〔カーソル、アフリカ大陸北東部を指定〕
砂漠の町
キラ「なにこれ」
カガリ「ドネルケバブさ。ほら、お前らも食えよ。このチリソースをかけて食べるんだ。うまいぞ」
統夜「へぇ、そうなのか」
フェステニア「おいしそう! カガリ、チリソースとってよ」
陽気な男「ちょっと待った! ケバブにチリソースだなんて何を言ってるんだ。このヨーグルトソースをかけるのが常識だろう」
シモーヌ「なによあなた」
陽気な男「いや常識というよりも・・・そう、ヨーグルトソースをかけないなんて、この料理に対する冒涜だよ」
フェステニア「そうなの?」
カガリ「そんなことはない。なんなんだお前は。見ず知らずの男に私の食べ方をとやかく言われる筋合いはない。うん、うまい!」
陽気な男「ああ、なんという」
カガリ「お前らもさっさと食えよ。ケバブにはチリソースが常識だ。ほら、かけてやる」
陽気な男「待ちたまえ! 何も知らない彼らを邪道に落とす気か。なあ君たち、このヨーグルトソースがうまいんだ。これをこうして」
キラ「え、ちょっと・・・」
カガリ「何をする! 通りすがりはひっこんでろ!」
陽気な男「君こそ何をする」
〔画面、振動〕
統夜「ちょっと、やめてくださいよ。カガリも落ち着いて」
フェステニア「もう、自分でかけるからいいってば!」
〔画面、振動〕
カガリ「うわっ!?」
シモーヌ「ちょっと、なにするのよ! ソースまみれになっちゃったじゃない! どうしてくれるの!?」
カガリ「お前っ! いったい何のつもりだ!」
陽気な男「あ~、いやこいつはすまなかった。そんなつもりじゃなかったんだが」
〔爆発音〕
〔画面、フラッシュ〕
〔画面、振動〕
キラ「なんだ!?」
エイジ「砲撃か!」
テロリスト「死ねコーディネイター! 宇宙の化け物め!」
テロリスト「青き清浄なる世界のために!!」
〔銃声×2〕
陽気な男「こりゃいかん」
カガリ「ブルーコスモスか! くそっ、なんて奴らだよ!」
統夜「ちょっと待てよ。それって・・・」
カガリ「あいつらに理屈なんて通用するか!」
キラ「冗談じゃない! みんな伏せて!」
エイジ「こっちだ!」
〔銃声×2〕
カガリ「お前ら、銃の使い方知ってるか」
キラ「そんなものなくたって! このおぉぉっ!!」
陽気な男(ん? この少年・・・なるほどな)
〔カーソル、アフリカ大陸北東部を指定〕
砂漠の町
ザフト兵「逃がすな!」
ザフト兵「追え!」
〔銃声×2〕
ダゴスタ「隊長、ご無事で」
陽気な男「ああ、無事だよ。彼らのおかげでね」
カガリ「・・・狙われたのはお前か。お前ザフトだったのかよ」
陽気な男「ま、そういうことだ」
バルトフェルド「巻き込んですまなかったな。ダゴスタくん、彼らを屋敷までお連れしてくれ」
カガリ「ッ!?」
フェステニア「なに、どしたの?」
キラ「カガリ・・・?」
カガリ「ア・・・アンドリュー・バルトフェルド」
シモーヌ「え・・・? じゃあ・・・」
カガリ「ああ・・・”砂漠の虎”だ」
〔カーソル、アフリカ大陸北東部を指定〕
砂漠の町/屋敷
カガリ「私たちは関係ないだろ。助けてまでやったのに、これはどういうことだ!?」
バルトフェルド「食事をだいなしにした上に助けてもらって、そのまま帰ってもらうわけにはいかないでしょう、僕としては。それにソースをぶちまけてしまったお詫びもある」
キラ「・・・・・・」
統夜「あの戦艦は、こないだの・・・」
フェステニア「やっぱり敵なんだ。アタシたち捕まっちゃったってこと?」
カガリ「・・・・・・」
〔カーソル、アフリカ大陸北東部を指定〕
砂漠の町/屋敷
バルトフェルド「僕はコーヒーにはいささか自信があってね。まぁ、かけたまえ。くつろいでくれ。じきに女性たちも来る」
キラ「・・・・・・」
バルトフェルド「どうした、何をそんなに緊張している。もっと楽にしたまえ」
〔カーソル、アフリカ大陸北東部を指定〕
砂漠の町/屋敷
アイシャ「お待たせ、アンディ。みんな綺麗になったわよ」
シモーヌ「こんなドレスなんか着せて一体なんなの。どういう趣味なわけ?」
統夜「へぇ・・・」
フェステニア「あ、あんまり見ないでよ。アタシこんなの着たことないんだから」
キラ「あ・・・」
カガリ「なんだよ」
キラ「いや・・・女の子だったんだなって」
カガリ「お前っ! どういうことだ!」
バルトフェルド「君たちはドレス姿もよく似合うね。というか、そちらの二人は実に板についている感じだ。どこのお嬢さんなのかな」
シモーヌ「さぁ、どうなのかしら」
カガリ「勝手に言ってろ。そういうお前こそ本当に砂漠の虎か」
バルトフェルド「いろいろと知っているようだね」
カガリ「知ってるさ。お前たちがアフリカで何をしたかも、木星トカゲやエイリアンに苦しめられながらも”砂漠の虎”に抵抗して戦ってた連中がいるってこともな」
バルトフェルド「いい目だねぇ。まっすぐで、じつにいい目だ」
カガリ「ふざけるなっ!」
キラ「カガリ」
バルトフェルド「君もレジスタンスの彼らのように、死んだ方がましなクチかね。そっちの彼、君はどう思っている」
キラ「え?」
バルトフェルド「どうなったらこの戦争は終わると思っている? 連合の新型モビルスーツのパイロットとしては?」
カガリ「お前、どうしてそれを」
バルトフェルド「くっ、ははははっ。あまりまっすぐすぎるのも問題だぞ。君たちはアークエンジェルのクルーだろう?」
シモーヌ「知ってたのね」
バルトフェルド 「途中で気づいたんだよ。なあ君たち、戦争には制限時間もポイントもない。ならどうやって勝ち負けを決める? どこで終わりにする?」
キラ「どこって・・・」
バルトフェルド「敵であるものを、すべて滅ぼして、かね? エイリアンや木星トカゲを滅ぼし、我々ザフトもすべて滅ぼしてかね。オルファンを浮上させようというリクレイマーや、その他ありとあらゆる地球連合への敵対者を滅ぼして?」
キラ「僕たちは連合軍なんかじゃない!」
バルトフェルド「確かに軍人には見えんよ、君たちは。だが、どんな事情があろうと君たちが連合軍の軍艦で戦っている事実はかわらない」
キラ「・・・・・・」
統夜「・・・ザフトはそうする気なのかよ。俺たちはヘリオポリスの崩壊を目の前で見たよ。あんなことを平然とやったくせに、えらそうなことがいえるのかよ!?」
バルトフェルド「君は“血のバレンタイン”の時、どこにいた? 宇宙か、地上か? 安全な場所か、それとも戦場かね?」
統夜「え・・・?」
バルトフェルド「もし君が“ユニウス7”への核攻撃をそこで見ていたら、いったい何を思ったのか、僕は興味があるね。一緒に地球連合軍と戦う気にでもなってくれたかな」
統夜「俺は・・・その時地球圏にいなかったから・・・」
バルトフェルド「なるほど、君はナデシコのクルーか。火星を救いに行った勇者の1人というわけだ。なら君もパイロットだな」
統夜「・・・だったらどうだって言うんです」
バルトフェルド「木星トカゲと戦い、エイリアンと戦い、そして我々とも戦う君は、いったいどこまで戦い続ける気でいる?」
エイジ「あなた方地球人がそうだから、グラドスは地球を制圧することにしたんです。なぜ地球人同士で争いなど! それではこの星は守れません!」
バルトフェルド「ほう、面白いことを言う。ナデシコが火星から連れ帰ったというグラドス人と地球人の混血とやらは君か? なるほど、確かに見かけは地球人と同じだな。本当に地球人ではないのか?」
エイジ「僕はグラドス人です」
バルトフェルド「では君に聞こう。木星トカゲ・・・君のいうグラドス軍と地球との戦いは、どうなれば終わるのかね。それとも、どうすれば止められるのかな。外宇宙開発機構の発表では、君は僕たち地球人に危機を伝えるために同胞を裏切ってきたという。そしていま君は地球にいる。戦いを止めるために、この地球で君はいったい何をするつもりだったのかな。もちろん考えているんだろう?」
エイジ「それは・・・」
バルトフェルド「どうした? 戦わずになんとかできると思っていたんだろう、君は」
エイジ「・・・・・・」
キラ(このまま捕まってなんかいられない。僕がなんとかしなきゃ・・・)
バルトフェルド「おっと、嫌な目つきだな。逃げる方法を考えているならやめた方がいいぞ。いくら君の身体能力が高くても、暴れてここ から無事には脱出できない。ここにいるにはみんな君と同じコーディネイターなんだ」
カガリ「えっ!? お、お前・・・」
バルトフェルド「連合の新型モビルスーツ最後の1機のパイロットはコーディネイターである。クルーゼ隊の報告にそうあってね。君がなぜ同胞と敵対する道を選んだのかは知らないが、あのモビルスーツのパイロットである以上、僕と君は同胞だが敵同士ということだな」
キラ「くっ・・・」
バルトフェルド「フッ。やっぱり、どちらかが滅びなければならんのかねぇ」
フェステニア「統夜・・・」
統夜「・・・俺たちをどうする気なんだ」
バルトフェルド「ま、今日の君たちは一応命の恩人だし、ここは戦場ではない。このまま帰りたまえ」
キラ「え・・・?」
バルトフェルド「君たちと話せて楽しかったよ。良かったかどうかはわからんがね。では、また戦場でな」
???
???「ダガーよ、傷はいえたか」
ダガー「は。いつでもブレードの首を取りに出られます」
???「なるほど。だが奴の始末、私は他の者にまわそうと思っていた所だが」
ダガー「お待ち下さい。いまさら他の者になど渡せません。策がありますゆえ」
???「フフフッ、復讐か。なるほどそれもよかろう。まかせたぞダガーよ」
ダガー「はっ」
???
ダガー「おのれブレード。見ているがいい。今度こそ貴様の最後だ」
【シナリオエンドデモ終了】
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